JP2020521741A - がんの処置のための化合物およびその使用の方法 - Google Patents

がんの処置のための化合物およびその使用の方法 Download PDF

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Abstract

G12C変異体KRASタンパク質のインヒビターとしての活性を有する化合物を提供する。化合物は、以下の構造(I):(式中、R1、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、L1、L2、E、X、Y、Z、m1およびm2は、本明細書中で定義の通りである)またはその薬学的に許容され得る塩、立体異性体、同位体形態もしくはプロドラッグを有する。かかる化合物、かかる化合物を含む薬学的組成物の調製および使用に関連する方法、およびがんなどの障害の処置のためのG12C変異体KRASタンパク質の活性を調整する方法も提供する。

Description

背景
技術分野
本発明の実施形態は、一般に、新規の化合物およびその調製方法、ならびに例えばがんの処置のための治療薬または予防薬としての使用に関する。
関連技術の説明
RASは、原形質膜と会合し、GDPまたはGTPのいずれかと結合する、189個のアミノ酸(分子質量21kDa)の密接に関連した単量体球状タンパク質群を表す。RASは分子スイッチとして作用する。RASが結合したGDPを有するときは、休止状態またはオフ側にあり、「不活性」である。一定の成長促進刺激に対する細胞の曝露に応答して、RASは、結合したGDPをGTPと交換するように誘導される。GTP結合により、RASは「スイッチオン」し、他のタンパク質(その「下流標的」)と相互作用し、活性化することができる。RASタンパク質自体はGTPを加水分解してGDPに戻し、それによってRAS自体をオフ状態にする内因性の能力は非常に低い。RASのスイッチオフには、RASと相互作用してGTPのGDPへの変換を非常に促進するGTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)と呼ばれる外因性タンパク質が必要である。GAPと相互作用するかGTPを変換してGDPに戻す能力に影響をおよぼすRASの任意の変異により、そのタンパク質の活性化が延長され、その結果細胞に成長および分裂を継続するように指示するシグナルが延長される。これらのシグナルによって細胞が成長および分裂するので、過度に活動的なRASシグナル伝達は、最終的にがんを引き起こし得る。
構造的に、RASタンパク質は、RASの酵素活性(グアニンヌクレオチド結合および加水分解(GTPアーゼ反応))を担うGドメインを含む。RASタンパク質はまた、CAAXボックスとして公知のC末端伸長領域を含み、このCAAXボックスは翻訳後修飾することができ、RASタンパク質の膜へのターゲティングを担う。Gドメインは、サイズがおよそ21〜25kDaであり、リン酸結合ループ(P−loop)を含む。P−loopは、RASタンパク質中のヌクレオチドが結合するポケットを示し、ヌクレオチド結合および加水分解に不可欠な保存アミノ酸残基(グリシン12、トレオニン26、およびリジン16)を有する上記ドメインの固定部分である。Gドメインはまた、いわゆるスイッチI領域(残基30〜40)およびスイッチII領域(残基60〜76)を含み、これらの領域は共に休止状態と負荷状態とをスイッチする能力のためにしばしば「スプリング負荷」機構と表されるタンパク質の動的部分である。重要な相互作用は、スイッチ1領域およびスイッチ2領域をそれぞれその活性な高次構造に維持する、トレオニン−35およびグリシン−60とGTPのγ−リン酸とによって形成される水素結合である。GTPの加水分解およびリン酸の放出後、これら2つは不活性なGDP高次構造に弛緩される。
RASサブファミリーの最も顕著なメンバーは、主に多くのがん型に関与するHRAS、KRAS、およびNRASである。しかし、多数の他のメンバー(DIRAS1;DIRAS2;DIRAS3;ERAS;GEM;MRAS;NKIRAS1;NKIRAS2;NRAS;RALA;RALB;RAP1A;RAP1B;RAP2A;RAP2B;RAP2C;RASD1;RASD2;RASL10A;RASL10B;RASL11A;RASL11B;RASL12;REM1;REM2;RERG;RERGL;RRAD;RRASおよびRRAS2が含まれる)が存在する。
RAS遺伝子の3つの主なイソ型(HRAS、NRAS、またはKRAS)のうちのいずれか1つの変異は、ヒト腫瘍発生において最も一般的な事象である。全ヒト腫瘍の約30%が、いくらかのRAS遺伝子変異を保有することが見出されている。意外なことに、KRAS変異は25〜30%の腫瘍で検出される。比較すると、NRASおよびHRASファミリーメンバーで生じる発がん性変異の割合ははるかに低い(それぞれ、8%および3%)。最も一般的なKRAS変異は、P−loop中の残基G12およびG13ならびに残基Q61で見出される。
G12Cは、KRAS遺伝子の頻繁な変異である(グリシン−12からシステインへの変異)。この変異は、約13%のがん、約43%の肺がん、およびほぼ100%のMYH関連ポリポーシス(家族性結腸がん症候群)で見出されている。しかし、小分子を使用したこの遺伝子のターゲティングは困難である。
したがって、この分野は進歩しているが、例えば、KRAS、HRAS、またはNRASの阻害によるがん処置のための化合物および方法の改良が当該分野で依然として必要とされている。本発明の実施形態は、この要求を満たし、さらに関連する利点を提供する。
簡単な概要
簡潔に述べれば、本発明の実施形態は、G12C変異体KRAS、HRAS、および/またはNRASタンパク質を調整することができる化合物(その薬学的に許容され得る塩、同位体形態、立体異性体またはプロドラッグが含まれる)を提供する。いくつかの例では、本化合物は、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質の12位でシステイン残基と共有結合を形成することができる求電子剤として作用する。がんなどの種々の疾患または状態の処置のためのかかる化合物の使用方法も提供する。
一実施形態では、以下の構造(I):
Figure 2020521741
(式中、R、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、L、L、E、X、Y、Z、mおよびmは、本明細書中で定義の通りである)を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩、立体異性体、同位体形態もしくはプロドラッグを提供する。他の種々の実施形態では、1つまたはそれを超える構造(I)の化合物および薬学的に許容され得るキャリアを含む薬学的組成物も提供する。
他の実施形態では、本発明は、がんの処置方法であって、有効量の構造(I)の化合物のいずれか1つまたはそれを超えるものを含む薬学的組成物を必要とする被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
他の提供した方法は、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質の活性を調節する方法であって、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質を構造(I)の化合物のうちのいずれか1つと反応させる工程を含む、方法を含む。他の実施形態では、細胞集団の増殖を阻害する方法であって、細胞集団を構造(I)の化合物のうちのいずれか1つと接触させる工程を含む、方法も提供する。
他の実施形態では、本発明は、KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異によって媒介される障害の処置を必要とする被験体において該処置を行う方法であって、
被験体がKRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有するかどうかを決定する工程;および
被験体がKRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有すると決定された場合、被験体に治療有効量の1つまたはそれを超える構造(I)の化合物を含む薬学的組成物を投与する工程を含む、方法に関する。
なおさらなる実施形態では、本発明は、標識されたKRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質を調製する方法であって、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体を構造(I)の化合物と反応させて標識されたKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cタンパク質を得る工程を含む、方法に関する。
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の詳細な説明を参照すると明らかになるであろう。
詳細な説明
以下の説明では、本発明の種々の実施形態の完全な理解を得るために特定の具体的な細目が示される。しかし、当業者は、本発明をこれらの細目を用いることなく実施することができると理解するであろう。
文脈上他の意味に解すべき場合を除き、本明細書および特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprise)」およびその変形形態(「含む(comprises)」および「含む(comprising)」など)は、オープンエンド型、すなわち、「〜が含まれるが、これらに限定されない」のような包含の意味と解釈すべきである。
本明細書を通して、「一実施形態(one embodiment)」または「ある実施形態(an embodiment)」への参照は、実施形態と併せて記載した特定の特性、構造、または特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通した種々の箇所において認められる句「一実施形態において(in one embodiment)」または「ある実施形態において(in an
embodiment)」は、全てが必ずしも同一の実施形態について言及していない。さらに、特定の特性、構造、または特徴を、任意の適切な様式で1つまたはそれを超える実施形態中で組み合わせることができる。
他で定義しない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。文脈上そうでないと明確に示されない限り、本明細書および特許請求の範囲中で使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」には、複数の参照が含まれる。
「アミジニル」は、式−(C=NR)NR(式中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜Cアルキルである)のラジカルをいう。
「アミノ」は、−NHラジカルをいう。
「アミニルスルホン」は、−S(O)NHラジカルをいう。
「カルボキシ」または「カルボキシル」は、−COHラジカルをいう。
「シアノ」は、−CNラジカルをいう。
「グアニジニル」は、式−NR(C=NR)NR(式中、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜Cアルキルである)のラジカルをいう。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OHラジカルをいう。
「イミノ」は、=NH置換基をいう。
「ニトロ」は、−NOラジカルをいう。
「オキソ」は、=O置換基をいう。
「チオキソ」は、=S置換基をいう。
「アルキル」は、炭素原子および水素原子のみからなり、1〜12個の炭素原子(C〜C12アルキル)、好ましくは1〜8個の炭素原子(C〜Cアルキル)、または1〜6個の炭素原子(C〜Cアルキル)を有し、分子の残部が単結合によって結合している飽和の直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルをいう(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシルなど)。「アミジニルアルキル」は、少なくとも1つのアミジニル置換基を含むアルキル基をいう。「グアニジニルアルキル」は、少なくとも1つのグアニジニル置換基を含むアルキル基をいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキル、アミジニルアルキル、および/またはグアニジニルアルキル基は、必要に応じて置換される。
「アルケニル」は、炭素原子および水素原子のみからなり、1つまたはそれを超える炭素−炭素二重結合を含み)、2〜12個の炭素原子(C〜C12アルケニル)、好ましくは1〜2個の炭素原子(C〜Cアルケニル)、または2〜6個の炭素原子(C〜Cアルケニル)を有し、分子の残部が単結合によって結合している不飽和の直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルをいう(例えば、エテニル、プロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニルなど)。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルケニル基は、必要に応じて置換される。
「アルキニル」は、炭素原子および水素原子のみからなり、1つまたはそれを超える炭素−炭素三重結合を含み)、2〜12個の炭素原子(C〜C12アルキニル)、好ましくは1〜2個の炭素原子(C〜Cアルキニル)、または2〜6個の炭素原子(C〜Cアルキニル)を有し、分子の残部が単結合によって結合している不飽和の直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルをいう(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなど)。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキニル基は、必要に応じて置換される。
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、炭素および水素のみからなり、飽和または不飽和であり(すなわち、1つまたはそれを超える二重結合および/または三重結合を含む)、1〜12個の炭素原子を有する、分子の残部をラジカル基に連結する直鎖または分岐鎖の2価の炭化水素鎖をいう(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレン、プロピニレン、およびn−ブチニレンなど)。アルキレン鎖は、単結合または二重結合を介して分子の残部に結合し、単結合または二重結合を介してラジカル基に結合する。分子の残部およびラジカル基へのアルキレン鎖の結合点は、鎖内の1つの炭素または任意の2つの炭素を介し得る。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキレン鎖は必要に応じて置換される。
「アルキルシクロアルキル」は、式−R(式中、Rは本明細書中に定義のシクロアルキルであり、Rは上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルシクロアルキル基は必要に応じて置換される。
「アルコキシ」は、式−OR(式中、Rは、1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。「アミジニルアルキルオキシ」は、アルキル基上に少なくとも1つのアミジニル置換基を含むアルコキシ基をいう。「グアニジニルアルキルオキシ」は、アルキル基上に少なくとも1つのグアニジニル置換基を含むアルコキシ基をいう。「アルキルカルボニルアミニルアルキルオキシ」は、アルキル基上に少なくとも1つのアルキルカルボニルアミニル置換基を含むアルコキシ基をいう。「ヘテロシクリルアルキルオキシ」は、アルキル基上に少なくとも1つのヘテロシクリル置換基を含むアルコキシ基をいう。「ヘテロアリールアルキルオキシ」は、アルキル基上に少なくとも1つのヘテロアリール置換基を含むアルコキシ基をいう。「アミニルアルキルオキシ」は、アルキル基上に式−NR(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜Cアルキルである)の少なくとも1つの置換基を含むアルコキシ基をいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルコキシ基、アミジニルアルキルオキシ基、グアニジニルアルキルオキシ基、アルキルカルボニルアミニル基、ヘテロシクリルアルキルオキシ基、ヘテロアリールアルキルオキシ(heteroarlyalkyloxy)基、および/またはアミニルアルキルオキシ基は必要に応じて置換される。
「アルコキシアルキル」は、式−ROR(式中、Rは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルであり、Rbは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキレンラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルコキシアルキル基は必要に応じて置換される。
「アルコキシカルボニル」は、式−C(=O)OR(式中、Rは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルコキシカルボニル基は必要に応じて置換される。
「アルキルホスホリル」は、式−P(=O)(R)(式中、各Rは、独立して、上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルホスホリル基は必要に応じて置換される。
「アルキルホスホリルアミニル」は、式−NRP(=O)(R)(式中、各Rは、独立して、上記定義のアルキルラジカルであり、Rは、Hまたは上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルホスホリルアミニル基は必要に応じて置換される。
「アリールオキシ」は、式−OR(式中、Rは本明細書中に定義のアリールラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アリールオキシ基は必要に応じて置換される。
「アルキルアミニル」は、式−NHRまたは−NR(式中、各Rは、独立して、1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。「ハロアルキルアミニル」基は、アルキル基上に少なくとも1つのハロ置換基を含むアルキルアミニル基である。「ヒドロキシルアルキルアミニル」基は、アルキル基上に少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含むアルキルアミニル基である。「アミジニルアルキルアミニル」基は、アルキル基上に少なくとも1つのアミジニル置換基を含むアルキルアミニル基である。「グアニジニルアルキルアミニル」基は、アルキル基上に少なくとも1つのグアニジニル置換基を含むアルキルアミニル基である。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルアミニル基、ハロアルキルアミニル基、ヒドロキシルアルキルアミニル基、アミジニルアルキルアミニル基、および/またはグアニジニルアルキルアミニル基は必要に応じて置換される。
「アミニルアルキル」は、少なくとも1つのアミニル置換基(−NR(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜Cアルキルである))を含むアルキル基をいう。アミニル置換基は、第三級炭素、第二級炭素、または第一級炭素上に存在し得る。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アミニルアルキル基は必要に応じて置換される。
「アミニルアルキルアミニル」は、式−NR(式中、RはHまたはC〜Cアルキルであり、Rはアミニルアルキルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アミニルアルキルアミニル基は必要に応じて置換される。
「アミニルアルコキシ」は、式−ORNH(式中、Rはアルキレンである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アミニルアルコキシ基は必要に応じて置換される。
「アルキルアミニルアルコキシ」は、式−ORNR(式中、Rはアルキレンであり、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC〜Cアルキルであり、但し、RまたはRのうちの1つはC〜Cアルキルであることを条件とする)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルアミニルアルコキシ基は必要に応じて置換される。
「アルキルカルボニルアミニル」は、式−NH(C=O)R(式中、Rは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルカルボニルアミニル基は必要に応じて置換される。アルケニルカルボニルアミニルは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含むアルキルカルボニルアミニルである。アルケニルカルボニルアミニル基は必要に応じて置換される。
「アルキルカルボニルアミニルアルコキシ」は、式−ORNH(C=O)R(式中、Rは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルであり、Rはアルキレンである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルカルボニルアミニルアルコキシ基は必要に応じて置換される。
「アルキルアミニルアルキル」は、少なくとも1つのアルキルアミニル置換基を含むアルキル基をいう。アルキルアミニル置換基は、第三級炭素、第二級炭素、または第一級炭素上に存在し得る。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルアミニルアルキル基は必要に応じて置換される。
「アミニルカルボニル」は、式−C(=O)R(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、Hまたはアルキルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アミニルカルボニル基は必要に応じて置換される。
「アルキルアミニルカルボニル」は、式−C(=O)NR(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、Hまたはアルキルであり、但し、RまたはRのうちの少なくとも1つはアルキルであることを条件とする)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルアミニルカルボニル基は必要に応じて置換される。
「アミニルカルボニルアルキル」は、式−RC(=O)NR(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、Hまたはアルキルであり、Rはアルキレンである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アミニルカルボニルアルキル基は必要に応じて置換される。
「アミニルカルボニルシクロアルキルアルキル(aminylcarbonycycloalkylalkyl)」は、式−RC(=O)NR(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、Hまたはアルキルであり、Rはシクロアルキルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アミニルカルボニルシクロアルキル基は必要に応じて置換される。
「芳香環」は、同じ一連の原子を有する他の結合配置と比べて増加した安定性を示す共鳴結合の環を有する分子の環状平面部分(すなわち、ラジカル)をいう。一般に、芳香環は、一連の共有結合共平面原子を含み、4の倍数ではない偶数のπ電子(例えば、交互の二重結合および単結合)を含む(すなわち、4n+2π電子、n=0、1、2、3など)。芳香環には、フェニル、ナフテニル、イミダゾリル、ピロリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリドニル、ピリダジニル、ピリミドニルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、「芳香環」は、必要に応じて置換されている全てのラジカルを含む。
「アリール」は、6〜18個の炭素原子、および少なくとも1つの芳香環を含む炭素環式環系ラジカルをいう。本発明の実施形態の目的のために、アリールラジカルは、単環式環系、二環式環系、三環式環系、または四環式環系であり、この環系は縮合環系または架橋環系を含み得る。アリールラジカルには、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、およびトリフェニレンから誘導されるアリールラジカルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、用語「アリール」または接頭辞「ar−」(「アラルキル」などの場合)は、必要に応じて置換されたアリールラジカルを含むことを意味する。
「アラルキル」は、式−R−R(式中、Rは、上記定義のアルキレン鎖であり、Rは、1つまたはそれを超える上記定義のアリールラジカルである)のラジカルをいう(例えばベンジル、ジフェニルメチルなど)。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アラルキル基は必要に応じて置換される。
「アリールアルキルオキシ」は、式−OR−R(式中、Rは、上記定義のアルキレン鎖であり、Rは、1つまたはそれを超える上記定義のアリールラジカル、例えばベンジル、ジフェニルメチルなどである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アリールアルキルオキシ基は必要に応じて置換される。
「アリールアルキルアミニル」は、式−N(R)R−R(式中、RはHまたはC〜Cアルキルであり、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは、1つまたはそれを超える上記定義のアリールラジカル、例えばベンジル、ジフェニルメチルなどである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アリールアルキルアミニル基は必要に応じて置換される。
「カルボキシアルキル」は、式−R−R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のカルボキシル基である)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、カルボキシアルキル基は必要に応じて置換される。
「シアノアルキル」は、式−R−R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のシアノ基である)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、シアノアルキル基は必要に応じて置換される。
「炭素環式」または「炭素環」は、各環原子が炭素である環系をいう。
「シクロアルキル」または「炭素環式環」は、炭素原子および水素原子のみからなり、この環は縮合環系または架橋環系を含むことができ、3〜15個の炭素原子を有し、好ましくは3〜10個の炭素原子を有し、飽和または不飽和であり、単結合によって分子の残部に結合する安定な非芳香族の単環式または多環式の炭素環式ラジカルをいう。単環式ラジカルには、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれる。多環式ラジカルには、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、および7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが含まれる。「シクロアルケニル」は、環内に1つまたはそれを超える炭素−炭素二重結合を含むシクロアルキルである。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、シクロアルキル(またはシクロアルケニル)基は必要に応じて置換される。
「シアノシクロアルキル」は、式−R−R(式中、Rはシクロアルキルであり、Rは上記定義のシアノ基である)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、シアノシクロアルキル基は必要に応じて置換される。
「シクロアルキルアミニルカルボニル」は、式−C(=O)NR(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、Hまたはシクロアルキルであり、但し、RまたはRのうちの少なくとも1つはシクロアルキルであることを条件とする)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、シクロアルキルアミニルカルボニル基は必要に応じて置換される。
「シクロアルキルアルキル」は、式−R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のシクロアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、シクロアルキルアルキル基は必要に応じて置換される。
「縮合」は、本発明の化合物中の既存の環構造に縮合した本明細書中に記載の任意の環構造をいう。融合環がヘテロシクリル環またはヘテロアリール環である場合、縮合ヘテロシクリル環または縮合ヘテロアリール環の一部となる既存の環構造上の任意の炭素原子が窒素原子で置換される。
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードをいう。
「ハロアルキル」は、1つまたはそれを超える上記定義のハロラジカルで置換された上記定義のアルキルラジカルをいう(例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、および1,2−ジブロモエチルなど)。「ペルハロアルキル」は、各H原子がハロゲンで置き換えられた、上記定義のアルキルラジカルである。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ハロアルキル基は必要に応じて置換される。
「ハロアルコキシ」は、式−OR(式中、Rは、1〜12個の炭素原子を含む本明細書中に定義のハロアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ハロアルコキシ基は必要に応じて置換される。
「ヘテロシクリル」または「複素環式環」は、1〜12個の環炭素原子(例えば、2〜12個)ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1〜6個の環ヘテロ原子を有する安定な3〜18員の非芳香環ラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリルラジカルは、単環式環系、二環式環系、三環式環系、または四環式環系であり、この環系は縮合環系、スピロ環系(「スピロ−ヘテロシクリル」)、および/または架橋環系を含むことができ;ヘテロシクリルラジカル中の窒素原子、炭素原子、または硫黄原子は必要に応じて酸化され;窒素原子は必要に応じて四級化され;ヘテロシクリルラジカルは部分的にまたは完全に飽和している。かかるヘテロシクリルラジカルの例には、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、および1,1−ジオキソ−チオモルホリニルが含まれるが、これらに限定されない。「ヘテロシクリルオキシ」は、酸素結合(−O−)を介して分子の残部に結合したヘテロシクリル基をいう。「ヘテロシクリルアミニル」は、窒素結合(−NR−(式中、RはHまたはC〜Cアルキルである))を介して分子の残部に結合したヘテロシクリル基をいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルオキシ基、および/またはヘテロシクリルアミニル基は必要に応じて置換される。
「N−ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含み、ヘテロシクリルラジカルの分子の残部への結合点がヘテロシクリルラジカル中の窒素原子を介する上記定義のヘテロシクリルラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、N−ヘテロシクリル基は必要に応じて置換される。
「ヘテロシクリレン」は、上記定義の二価ヘテロシクリル基をいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリレン基は必要に応じて置換される。
「アミニルヘテロシクリレン」は、式−N(R)R−(式中、Rは、HまたはC〜Cアルキルであり、Rは、上記定義のヘテロシクリレンである)の二価ラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アミノヘテロシクリレン基は必要に応じて置換される。
「アルキルヘテロシクリレン」は、式−R−(式中、Rは、アルキレンであり、Rは、上記定義のヘテロシクリレンである)の二価ラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルヘテロシクリレン基は必要に応じて置換される。
「ヘテロアルキルヘテロシクリレン」は、式−R−(式中、Rは、ヘテロアルキレンであり、Rは、上記定義のヘテロシクリレンである)の二価ラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロアルキルヘテロシクリレン基は必要に応じて置換される。
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のヘテロシクリルラジカルであり、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルの窒素原子がアルキルラジカルに必要に応じて結合する)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリルアルキル基は必要に応じて置換される。
「ヘテロシクリルアルキルオキシ」は、式−OR(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のヘテロシクリルラジカルであり、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルの窒素原子がアルキルラジカルに必要に応じて結合する)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリルアルキルオキシ基は必要に応じて置換される。
「ヘテロシクリルアルキルアミニル」は、式−N(R)R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のヘテロシクリルラジカルであり、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルの窒素原子がアルキルラジカルに必要に応じて結合し、RはHまたはC〜Cアルキルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクリルアルキルオキシ基は必要に応じて置換される。
「ヘテロアリール」は、水素原子、1〜13個の環炭素原子、1〜6個の窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される環ヘテロ原子、およびヘテロ原子を含む少なくとも1つの芳香環を含む5〜14員の環系ラジカルをいう。本発明の実施形態の目的のために、ヘテロアリールラジカルは、単環式環系、二環式環系、三環式環系、または四環式環系であってよく、この環系は縮合環系または架橋環系を含むことができ;ヘテロアリールラジカル中の窒素原子、炭素原子、または硫黄原子は必要に応じて酸化されていてよく;窒素原子は必要に応じて四級化されていてよい。例には、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1−オキシドピリジニル、1−オキシドピリミジニル、1−オキシドピラジニル、1−オキシドピリダジニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)が含まれるが、これらに限定されない。「ヘテロアリールオキシ」は、酸素結合(−O−)を介して分子の残部に結合したヘテロアリール基をいう。「ヘテロアリールアミニル」は、窒素結合(−NR−(式中、RはHまたはC〜Cアルキルである))を介して分子の残部に結合したヘテロアリール基をいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、および/またはヘテロアリールアミニル基は必要に応じて置換される。
「N−ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含み、ヘテロアリールラジカルの分子の残部への結合点がヘテロアリールラジカル中の窒素原子を介する上記定義のヘテロアリールラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、N−ヘテロアリール基は必要に応じて置換される。
「ヘテロアリールアルキル」は、式−R(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のヘテロアリールラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロアリールアルキル基は必要に応じて置換される。
「ヘテロアリールアルキルオキシ」は、式−OR(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のヘテロアリールラジカルであり、ヘテロアリールが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルの窒素原子がアルキルラジカルに必要に応じて結合する)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロアリールアルキルオキシ基は必要に応じて置換される。
「ヘテロアリールアルキルアミニル」は、式−NR(式中、Rは上記定義のアルキレン鎖であり、Rは上記定義のヘテロアリールラジカルであり、ヘテロアリールが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルの窒素原子がアルキルラジカルに必要に応じて結合し、RはHまたはC〜Cアルキルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロアリールアルキルオキシ基は必要に応じて置換される。「ヒドロキシルアルキル」は、少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含むアルキル基をいう。−OH置換基は、第一級炭素、第二級炭素、または第三級炭素上に存在し得る。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヒドロキシルアルキル基は必要に応じて置換される。「ヒドロキシルアルキルアミニル」は、第一級炭素、第二級炭素、または第三級炭素上に存在する少なくとも1つの−OH置換基を含むアルキルアミニル基である。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ヒドロキシルアルキルアミニル基は必要に応じて置換される。
「ホスフェート」は、−OP(=O)(R)R基(式中、Rは、OH、O、またはORであり、Rは、OH、O、OR、またはさらなるホスフェート基(例えば、ジホスフェートまたはトリホスフェートを形成する)であり、Rは、対イオン(例えば、Na+など)である)をいう。
「ホスホアルコキシ」は、本明細書中に定義の少なくとも1つのホスフェート基で置換された本明細書中に定義のアルコキシ基をいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、ホスホアルコキシ基は必要に応じて置換される。
「チオアルキル」は、式−SR(式中、Rは1〜12個の炭素原子を含む上記定義のアルキルラジカルである)のラジカルをいう。本明細書中で具体的に他の意味を示さない限り、チオアルキル基は必要に応じて置換される。
本明細書中で使用する場合、用語「置換」は、少なくとも1つの水素原子(例えば、1つ、2つ、3つ、または全ての水素原子)が非水素原子(ハロゲン原子(F、Cl、Br、およびIなど);ヒドロキシル基、アルコキシ基、およびエステル基などの基中の酸素原子;チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホキシド基などの基中の硫黄原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N−オキシド、イミド、およびエナミンなどの基中の窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、およびトリアリールシリル基などの基中のケイ素原子;および種々の他の基中の他のヘテロ原子などであるが、これらに限定されない)への結合によって置き換えられている、上記の任意の基(例えば、アルキル、アルキレン、アルキルシクロアルキル、アルコキシ、アルキルホスホリル、アルキルホスホリルアミニル、アミジニルアルキルオキシ、グアニジニルアルキルオキシ、アルキルカルボニルアミニルアルキルオキシ、ヘテロシクリルアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、アミニルアルキルオキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、ハロアルキルアミニル、ヒドロキシルアルキルアミニル、アミジニルアルキルアミニル、グアニジニルアルキルアミニル、アミニルアルキル、アミニルアルキルアミニル、アミニルアルコキシ、アルキルアミニルアルコキシ アリールオキシ、アルキルアミニル、アルキルカルボニルアミニル、アルキルアミニルアルキル、アミニルカルボニル、アルキルアミニルカルボニル、アルキルカルボニルアミニルアルコキシ、アミニルカルボニルアルキル、アミニルカルボニルシクロアルキルアルキル、チオアルキル、アリール、アラルキル、アリールアルキルオキシ、アリールアルキルアミニル、カルボキシアルキル、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルアミニル、シアノシクロアルキル、シクロアルキルアミニルカルボニル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミニル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルキルオキシ、ヘテロシクリルアルキルアミニル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルアミニル、ヒドロキシルアルキルアミニル、ホスホアルコキシ、および/またはヒドロキシルアルキル)を意味する。「置換」はまた、1つまたはそれを超える水素原子がヘテロ原子(オキソ基、カルボニル基、カルボキシル基、およびエステル基中の酸素;およびイミン、オキシム、ヒドラゾン、およびニトリルなどの基中の窒素など)へのより高次の結合(例えば、二重結合または三重結合)によって置き換えられている上記基のいずれかを意味する。例えば、「置換」には、1つまたはそれを超える水素原子が、−NR、−NRC(=O)R、−NRC(=O)NR、−NRC(=O)OR、−NRSO、−OC(=O)NR、−OR、−SR、−SOR、−SO、−OSO、−SOOR、=NSOおよび−SONRで置き換えられている上記基のいずれかが含まれる。「置換」はまた、1つまたはそれを超える水素原子が−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−CHSO、−CHSONRで置き換えられている上記基のいずれかを意味する。前述では、RおよびRは、同一または異なり、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミニル、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール、および/またはヘテロアリールアルキルである。「置換」は、さらに、1つまたはそれを超える水素原子がアミニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、イミノ基、ニトロ基、オキソ基、チオキソ基、ハロ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミニル基、チオアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ハロアルキル基、ヘテロシクリル基、N−ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、ヘテロアリール基、N−ヘテロアリール基、および/またはヘテロアリールアルキル基への結合によって置き換えられている上記基のいずれかを意味する。さらに、前述の置換基の各々を、1つまたはそれを超える上記置換基で必要に応じて置換することもできる。
、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、R、L、LおよびEの各選択は、具体的に他の意味を示さない限り、全ての原子価が置換によって満たされることを条件として、上記のように必要に応じて置換される。具体的には、R、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、R、L、LおよびEの各選択は、具体的に他の意味を示さない限り、かかる置換が安定な分子をもたらすことを条件として、必要に応じて置換される(例えば、Hおよびハロなどの基は、必要に応じて置換されない)。
「求電子剤」または「求電子部分」は、求核剤(例えば、孤立電子対、負電荷、部分的負電荷、および/または過剰な電子を有する部分、例えば、−SH基)と反応することができる任意の部分である。求電子剤は、典型的には、電子不足であるか、電子不足の原子を含む。一定の実施形態では、求電子剤は、正電荷または部分的正電荷を含むか、正電荷または部分的正電荷を含む共鳴構造を有するか、電子の非局在化または分極により1つまたはそれを超える正電荷または部分的正電荷を含む原子が得られる部分である。いくつかの実施形態では、求電子剤は、共役二重結合を含む(例えば、α,β−不飽和カルボニル化合物またはα,β−不飽和チオカルボニル化合物)。
用語「有効量」または「治療有効量」は、意図する適用(以下に定義の疾患処置が含まれるが、これらに限定されない)を達成するのに十分な本明細書中に記載の化合物の量をいう。治療有効量は、意図する処置への適用(in vivo)、または処置される被験体および病状(例えば、被験体の体重および年齢、病状の重症度、および投与様式など)に応じて変動してよく、当業者によって容易に決定することができる。本用語は、標的細胞における特定の応答(例えば、血小板接着および/または細胞遊走の低下)を誘導する用量にも適用する。特定の用量は、選択した特定の化合物、従うべき投与レジメン、他の化合物と組み合わせて投与するかどうか、投与のタイミング、投与される組織、および保有される物理的送達系に応じて変動する。
本明細書中で使用する場合、「処置(treatment)」または「処置する(treating)」は、疾患、障害、または病状に関して有利または望ましい結果(治療的利点および/または予防的利点が含まれるが、これらに限定されない)を得るためのアプローチをいう。治療的利点は、処置される基礎障害の根絶または改善を意味する。また、治療的利点は、被験体が依然として基礎障害を罹患し得るにもかかわらず、被験体において改善が認められるように基礎障害に関連する1つまたはそれを超える生理学的症状の根絶または改善をもって達成される。一定の実施形態では、予防的利点について、組成物を、疾患が診断されていないかもしれない場合でさえ、特定の疾患を発症するリスクのある被験体または疾患の1つまたはそれを超える生理学的症状が報告されている被験体に投与する。
「治療効果」は、本用語を本明細書中で使用する場合、上記の治療的利点および/または予防的利点を含む。予防効果には、疾患もしくは状態の出現の遅延もしくは除去、疾患もしくは状態の症状の発生の遅延もしくは除去、疾患もしくは状態の進行の遅延、停止、もしくは逆転、またはその任意の組み合わせが含まれる。
用語「共投与」、「〜と組み合わせた投与」、およびその文法上の等価物は、本明細書中で使用する場合、2つまたはそれを超える薬剤の動物(ヒトが含まれる)への投与であって、両方の薬剤および/またはそれらの代謝産物が同時に被験体内に存在する、投与を含む。共投与には、個別の組成物の共投与、個別の組成物の異なる時間の投与、または両薬剤が存在する組成物での投与が含まれる。
「薬学的に許容され得る塩」には、酸付加塩および塩基付加塩の両方が含まれる。
「薬学的に許容され得る酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的有効性および性質が保持され、生物学的またはその他の点で望ましくないわけではなく、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸などであるが、これらに限定されない)および有機酸(例えば、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ショウノウ酸、カンファー10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、およびウンデシレン酸などであるが、これらに限定されない)を使用して形成される塩をいう。
「薬学的に許容され得る塩基付加塩」は、遊離酸の生物学的有効性および性質が保持され、生物学的またはその他の点で望ましくないわけではない塩をいう。これらの塩を、遊離酸への無機塩基または有機塩基の付加から調製する。無機塩基由来の塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、およびアルミニウム塩などが含まれるが、これらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩である。有機塩基由来の塩には、第一級アミン、第二級アミン、および第三級アミン、置換アミン(天然に存在する置換アミンが含まれる)、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂(例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、およびポリアミンの樹脂など)の塩が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。
いくつかの実施形態では、薬学的に許容され得る塩は、第四級アンモニウム塩、例えば第四級アミンアルキルハロゲン化物塩(例えば、臭化メチル)を含む。
用語「アンタゴニスト」および「インヒビター」を互換的に使用し、これらの用語は、標的タンパク質(KRAS、HRAS、またはNRASのG12Cなど)の活性または発現の阻害によって標的タンパク質の生物学的機能を阻害する能力を有する化合物をいう。したがって、用語「アンタゴニスト」および「インヒビター」を、標的タンパク質の生物学的役割の文脈で定義する。本明細書中の好ましいアンタゴニストが標的と特異的に相互作用する(例えば、結合する)一方で、標的タンパク質がメンバーであるシグナル伝達経路の他のメンバーとの相互作用によって標的タンパク質の生物学的活性を阻害する化合物も本定義内に具体的に含まれる。アンタゴニストによって阻害される好ましい生物学的活性は、腫瘍の発生、成長、または拡大に関連する。
用語「アゴニスト」は、本明細書中で使用する場合、標的タンパク質の活性または発現の阻害によって標的タンパク質の生物学的機能を開始または増強する能力を有する化合物をいう。したがって、用語「アゴニスト」を、標的ポリペプチドの生物学的役割の文脈で定義する。本明細書中の好ましいアゴニストが標的と特異的に相互作用する(例えば、結合する)一方で、標的ポリペプチドがメンバーであるシグナル伝達経路の他のメンバーとの相互作用によって標的ポリペプチドの生物学的活性を開始または増強する化合物も本定義内に具体的に含まれる。
本明細書中で使用する場合、「薬剤」または「生物学的に活性な薬剤」は、生物学的、薬学的、または化学的な化合物または他の部分をいう。非限定的な例には、単純または複雑な有機分子または無機分子、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、抗体誘導体、抗体フラグメント、ビタミン誘導体、炭水化物、毒素、または化学療法化合物が含まれる。種々の化合物(例えば、小分子およびオリゴマー(例えば、オリゴペプチドおよびオリゴヌクレオチド)、および種々のコア構造に基づいた合成有機化合物)を合成することができる。さらに、種々の天然供給源(例えば、植物性または動物性の抽出物など)からスクリーニングのための化合物を得ることができる。
「シグナル伝達」は、細胞内応答を誘発するために刺激シグナルまたは阻害シグナルが細胞中または細胞内に伝達される過程である。シグナル伝達経路の調整因子は、同一の特異的シグナル伝達経路にマッピングされる1つまたはそれを超える細胞タンパク質の活性を調整する化合物をいう。調整因子は、シグナル伝達分子の活性を増強する(アゴニスト)または抑制する(アンタゴニスト)ことができる。
「抗がん剤」、「抗腫瘍剤」、または「化学療法剤」は、新生物性状態の処置で有用な任意の薬剤をいう。1つの抗がん剤クラスは、化学療法薬を含む。「化学療法」は、種々の方法(静脈内、経口、筋肉内、腹腔内、嚢内、皮下、経皮、口内、もしくは吸入、または坐剤の形態が含まれる)によるがん患者への1つまたはそれを超える化学療法薬および/または他の薬剤の投与を意味する。
用語「細胞増殖」は、分裂の結果として細胞数が変化した現象をいう。本用語はまた、増殖シグナルに一致して細胞の形態が変化した(例えば、サイズが増加した)細胞成長を含む。
用語「選択的阻害」または「選択的に阻害する」は、生物学的に活性な薬剤が、オフターゲットのシグナル伝達活性と比較して、標的との直接または間接的な相互作用を介して標的シグナル伝達活性を優先的に低下させるその薬剤の能力をいう。
「被験体」は、哺乳動物(例えば、ヒト)などの動物をいう。本明細書中に記載の方法は、ヒト治療および動物への応用の両方で有用であり得る。いくつかの実施形態では、被験体は哺乳動物であり、いくつかの実施形態では、被験体はヒトである。
「哺乳動物」には、ヒトならびに飼育動物(実験動物および愛玩動物(例えば、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ)など)および非飼育動物(例えば、野生動物など)の両方が含まれる。
「放射線療法」は、当業者に公知の日常的な方法および組成物を使用して、被験体を放射線放出体(α粒子放出放射性核種(例えば、アクチニウム放射性核種およびトリウム放射性核種)、低線エネルギー付与(LET)放射線放出体(すなわち、β放出体)、転換電子放出体(例えば、ストロンチウム−89およびサマリウム−153−EDTMP)など)、または高エネルギー放射線(X線、γ線、および中性子が含まれるが、これらに限定されない)に暴露することを意味する。
「抗がん剤」、「抗腫瘍剤」、または「化学療法剤」は、新生物性状態の処置で有用な任意の薬剤をいう。1つの抗がん剤クラスは、化学療法剤を含む。「化学療法」は、1つまたはそれを超える化学療法薬および/または他の薬剤を、種々の方法(静脈内、経口、筋肉内、腹腔内、嚢内、皮下、経皮、口内、または吸入、または坐剤の形態が含まれる)によってがん患者に投与することを意味する。
「プロドラッグ」は、生理学的条件下または加溶媒分解によって本明細書中に記載の生物学的に活性な化合物(例えば、構造(I)の化合物)に変換することができる化合物を示すことを意味する。したがって、用語「プロドラッグ」は、薬学的に許容され得る生物学的に活性な化合物の前駆体をいう。いくつかの態様では、プロドラッグは、被験体への投与時は不活性であるが、例えば、加水分解によってin vivoで活性な化合物に変換される。プロドラッグ化合物は、しばしば、哺乳動物において溶解性、組織適合性、または遅延放出といった利点を付与する(例えば、Bundgard,H.,Design of Prodrugs(1985),pp.7−9,21−24(Elsevier,Amsterdam)を参照のこと)。プロドラッグは、Higuchi,T.,ら,”Pro−drugs as Novel Delivery Systems,” A.C.S.Symposium Series,Vol.14およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987(その両方が本明細書中で参考として完全に組み込まれる)で考察されている。用語「プロドラッグ」はまた、かかるプロドラッグを哺乳動物被験体に投与した場合にin vivoで活性化合物を放出する任意の共有結合したキャリアが含まれることを意味する。活性化合物のプロドラッグを、本明細書中に記載されるように、典型的には、日常的な操作またはin vivoのいずれかにて修飾を切断して親活性化合物となるような方法で活性化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製する。プロドラッグには、ヒドロキシ基、アミノ基、またはメルカプト基を、活性化合物のプロドラッグを哺乳動物被験体に投与した場合にこれらの基が切断されて遊離ヒドロキシ基、遊離アミノ基、または遊離メルカプト基をそれぞれ形成する任意の基に結合した化合物が含まれる。プロドラッグの例には、ヒドロキシ官能基の酢酸誘導体、ギ酸誘導体、および安息香酸誘導体またはアミン官能基のアセトアミド誘導体、ホルムアミド誘導体、およびベンズアミド誘導体を含む活性化合物などが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、プロドラッグには、ホスフェート置換基、ホスホアルコキシ置換基、エステル置換基、またはボロン酸エステル置換基を有する構造(I)の化合物が含まれる。理論に拘束されるものではないが、かかる置換基は、生理学的条件下においてヒドロキシル基に変換されると考えられている。したがって、実施形態は、ヒドロキシル基が、ホスフェート基、ホスホアルコキシ基、エステル基、またはボロン酸エステル基、例えば、ホスフェートまたはホスホアルコキシ基で置き換えられた、本明細書中に開示の任意の化合物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、R部分上のヒドロキシル基は、ホスフェート基、ホスホアルコキシ基、エステル基、またはボロン酸エステル基、例えば、ホスフェート基またはアルコキシホスフェート基で置き換えられている。したがって、一定の実施形態の例示的なプロドラッグには、以下の置換基:
Figure 2020521741
のうちの1つで置換されたR部分が含まれる。
用語「in vivo」は、被験体の体内で起こる事象をいう。
本明細書中に開示の発明の実施形態はまた、1つまたはそれを超える原子が異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられることによって同位体標識された構造(I)の全ての薬学的に許容され得る化合物(すなわち、構造(I)の化合物の「同位体形態」)を含むことを意味する。開示の化合物中に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体(それぞれ、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iなど)が含まれる。これらの放射性標識された化合物は、例えば、作用部位もしくは作用様式、または薬理学的に重要な作用部位に対する結合親和性を特徴づけることによって化合物の有効性を決定または測定するのを補助するために有用であり得る。一定の同位体標識した構造(I)の化合物(例えば、放射性同位体を組み込んだ化合物)は、薬物および/または基質の組織分布研究で有用である。放射性同位体であるトリチウム(すなわち、H)および炭素−14(すなわち、14C)は、その組み込みの容易さおよび検出の既存の手段の見地から、この目的に特に有用である。
重水素(すなわち、H)などのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性に起因する一定の治療上の利点(例えば、in vivo半減期の増大または必要な投薬量の減少)を得ることができ、それ故、いくつかの状況下で好ましい。
陽電子放出同位体(11C、18F、15Oおよび13Nなど)での置換は、基質受容体占有率の試験のための陽電子放出断層撮影(PET)研究で有用であり得る。同位体標識された構造(I)の化合物を、一般に、前に使用した非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、当業者に公知の従来技術または下記の実施例に記載のプロセスに類似のプロセスによって調製することができる。
一定の実施形態はまた、開示の化合物のin vivo代謝産物を含むことを意味する。かかる産物は、例えば、主に酵素過程による、投与した化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、およびエステル化などに起因し得る。したがって、実施形態は、本発明の化合物をその代謝産物を生成するために十分な期間にわたって哺乳動物に投与する工程を含む過程によって生成された化合物を含む。かかる産物を、典型的には、検出可能な用量の本発明の放射性標識化合物を動物(ラット、マウス、モルモット、サル、またはヒトなど)に投与し、代謝が起こるために十分な時間を置き、その変換生成物を尿、血液、または他の生物サンプルから単離することによって同定する。
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物からの有用な純度への単離および有効な治療薬への製剤化に耐えるのに十分に頑強である化合物を示すことを意味する。
しばしば、結晶化により本発明の化合物の溶媒和物が生成される。本明細書中で使用する場合、用語「溶媒和物」は、1つまたはそれを超える溶媒分子と共に1つまたはそれを超える本発明の化合物の分子を含む凝集体をいう。いくつかの実施形態では、溶媒は水であり、この場合、溶媒和物は水和物である。あるいは、他の実施形態では、溶媒は有機溶媒である。したがって、本発明の化合物は、水和物(一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、および四水和物などが含まれる)および対応する溶媒和形態として存在し得る。いくつかの態様では、本発明の化合物は真の溶媒和物であり、一方で、他の場合、本発明の化合物は、外来性の水のみを保持するか、水といくつかの外来性の溶媒との混合物である。
「必要に応じた」または「必要に応じて」は、その後に記載の環境事象が起こっても起こらなくてもよいこと、および記載事項が前記事象または環境が起こる例および起こらない例を含むことを意味する。例えば、「必要に応じて置換されたアリール」は、アリールラジカルが置換されていてもされていなくてもよいこと、および記載事項が置換されたアリールラジカルおよび置換されていないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
「薬学的組成物」は、本発明の化合物と哺乳動物(例えば、ヒト)への生物学的に活性な化合物の送達用として当技術分野で一般に許容されている媒質との製剤をいう。かかる媒質には、該化合物のための全ての薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、または賦形剤が含まれる。
「薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、または賦形剤」には、米国食品医薬品局によってヒトまたは飼育動物での使用が許容できるとして承認されている任意のアジュバント、キャリア、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、色素/着色剤、香味強化剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒、または乳化剤が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の化合物(すなわち、構造(I)の化合物およびその実施形態)またはその薬学的に許容され得る塩は、1つまたはそれを超える幾何学的不斉中心を含むことができ、したがって、絶対立体化学の観点から、(R)型または(S)型としてか、アミノ酸の場合(D)型または(L)型として定義される鏡像異性体、ジアステレオマー、および他の立体異性体の形態を生じ得る。したがって、実施形態には、全てのかかる可能な異性体、ならびにそのラセミ体および光学的に純粋な形態が含まれる。光学的に活性な(+)および(−)、(R)異性体および(S)異性体、または(D)異性体および(L)異性体を、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製することができるか、従来技術(例えば、クロマトグラフィおよび分別晶出)を使用して分割することができる。各鏡像異性体の調製/単離のための従来技術には、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、あるいは例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)を使用したラセミ体(またはラセミ体の塩もしくは誘導体)の分割が含まれる。本明細書中に記載の化合物がオレフィン性二重結合または他の幾何学的不斉中心を含む場合、特に指定されない限り、該化合物がE幾何異性体およびZ幾何異性体の両方を含むことを意図する。同様に、全ての互変異性型も含まれることが意図される。
本発明の実施形態は、本発明の化合物の回転異性体および高次構造が制限された状態の全ての様式を含む。アトロプ異性体も含まれ、この異性体は、立体ひずみまたは他の誘因によるエネルギー差が各配座異性体を単離するために十分に高い回転障壁を生じる単結合の回転障害を原因とする立体異性体である。例として、本発明の一定の化合物は、アトロプ異性体の混合物または1つのアトロプ異性体が精製またはその存在が富化された形態として存在することができる。アトロプ異性体として存在する化合物の非限定的な例には、以下の化合物が含まれる:
Figure 2020521741
いくつかの実施形態では、構造(I)の化合物は、アトロプ異性体の混合物である。他の実施形態では、構造(I)の化合物は、実質的に精製されたアトロプ異性体である。いくつかの実施形態では、構造(I)の化合物は、実質的に精製されたR−アトロプ異性体である。いくつかの他の実施形態では、構造(I)の化合物は、実質的に精製されたS−アトロプ異性体である。
「立体異性体」は、同一の結合によって結合した同一の原子で構成されているが、互換的でない異なる三次元構造を有する化合物をいう。本発明は、種々の立体異性体およびその混合物を意図し、「鏡像異性体」が含まれ、鏡像異性体は、2つの立体異性体であって、その分子が相互に重ね合わせられない鏡像である立体異性体をいう。
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同一分子の別の原子へのプロトン移動をいう。したがって、実施形態は、開示の化合物の互変異性体を含む。
本明細書中で使用した化学命名プロトコールおよび構造線図は、ACD/Nameバージョン9.07ソフトウェアプログラムおよび/またはChemDraw Ultraバージョン11.0.1ソフトウェア命名プログラム(CambridgeSoft)を使用したI.U.P.A.C.命名法の修正形態である。本明細書中で使用した複雑な化学名について、置換基を、典型的には、置換基が結合している基の前に命名する。例えば、シクロプロピルエチルは、シクロプロピル置換基を有するエチル骨格を含む。下記を除いて、原子価を完全にするのに十分な水素原子に結合すると考えられるいくつかの炭素原子上の全ての結合を除いた全ての結合を本明細書中の化学構造線図中で特定する。
化合物
1つの態様では、本発明は、G12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質に選択的に結合し、および/またはこれらを調整することができる化合物を提供する。化合物は、アミノ酸との反応によってG12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質を調整することができる。理論に拘束されるものではないが、本出願者らは、いくつかの実施形態では、G12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質の12位のシステインとの共有結合の形成によって、本発明の化合物がG12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質と選択的に反応すると考える。システイン12への結合により、本発明の化合物は、G12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASのスイッチIIを不活性段階に閉じ込めることができる。この不活性段階は、GTPおよびGDPに結合したKRAS、HRAS、またはNRASで認められるものと異なり得る。いくつかの本発明の化合物はまた、スイッチIの高次構造を乱すことができる。いくつかの本発明の化合物は、GTPよりもむしろGDPに結合したKRAS、HRAS、またはNRASへの結合を優先し、したがって、KRAS、HRAS、またはNRASを不活性なKRAS、HRAS、またはNRASのGDP結合状態に隔離し得る。KRAS、HRAS、またはNRASへのエフェクター結合がスイッチIおよびIIの高次構造に高度に影響を受けやすいので、これらの化合物の不可逆的結合がKRAS、HRAS、またはNRASの下流シグナル伝達を破壊し得る。
上記のように、本発明の一実施形態では、G12C変異体KRAS、HRASまたはNRASタンパク質のモジュレーターとしての活性を有する化合物が提供され、化合物は、以下の構造(I):
Figure 2020521741
(式中、
およびGは、それぞれ独立して、NまたはCHであり;
は、結合または−NR−であり;
は、結合またはアルキレンであり;
X、YおよびZは、独立して、NまたはCR’であり;
R’は、各出現において独立して、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル;C〜Cハロアルキル、C〜Cヒドロキシルアルキル、C〜Cシアノアルキル、アルコキシ、アミニルアルキル、アミニルアルキルオキシ、アミニルアルキニル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキニル、アルキルカルボニルアミニル、アミニルアルキルカルボニルアミニル、アミニルカルボニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルカルボニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル;−NR、C〜Cアルキルホスホリル、C〜Cアルキルホスホリルアミニル、ヘテロアリールアルキルオキシまたはヘテロアリールアルキルアミニルであり、ここで、Rは、HまたはC〜Cアルキルであり、Rは、C〜Cアルキルであり;但し、XおよびZが両方ともNである場合、R’はHまたは−CNであり;
は、以下の構造:
Figure 2020521741
(式中、
Figure 2020521741
の各々は、芳香環を表し;
、A、AおよびAは、それぞれ独立して、CまたはNであり;
は、N、NH、C(=O)、CR1eまたはNR1e’であり;
は、N、NH、C(=O)、CR1fまたはNR1f’であり;
は、N、NH、C(=O)、CR1gまたはNR1g’であり;
1a、R1b、R1cおよびR1dのうちの1つは、*でマーキングされた炭素への共有結合であり、R1a、R1b、R1cおよびR1dのうちのその他は、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ;シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり;
1e、R1fおよびR1gは、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキルアミニル、シクロアルキルアミニル、アルキルカルボニルアミニル、ヘテロシクリル、アミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、ならびに
1e’、R1f’およびR1g’は、それぞれ独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり;
但し、A、A、AおよびAがそれぞれCであり、BがNHであり、BがNであり、R1a、R1b、R1cおよびR1dのうちの1つがメチルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1fおよびR1gのうちの少なくとも1つのその他はHではなく、但し、B、BおよびBのうちの少なくとも1つはNまたはNHであり;
2a、R2bおよびR2cは、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ;シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、アミニルカルボニル、ヘテロアリールまたはアリールであり;
3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであるか;またはR3aとR3bとは接合して、オキソ、炭素環式環または複素環式環を形成するか;またはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R3bはR4bと接合して、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであるか;またはR4aとR4bとは接合して、オキソ、炭素環式環または複素環式環を形成するか;またはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R4bはR3bと接合して、炭素環式環または複素環式環を形成し;
は、各出現において独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
およびmは、それぞれ独立して、1、2または3であり;ならびに
Eは、KRAS、HRASまたはNRAS G12C変異体タンパク質の12位のシステイン残基と共有結合を形成することができる求電子部分であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、アルキレン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルキルアミニル、ハロアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクリルアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニル、アミニルカルボニルアルキルならびに炭素環式環および複素環式環の各出現は、特に指定がない限り、1つまたはそれを超える置換基で必要に応じて置換され、ならびに
但し、X、YおよびZのうちの少なくとも1つはNであり、但し、XおよびZが両方ともNである場合、CR1gはHまたはハロではなく、R1aまたはR1bは、*でマーキングされた炭素への共有結合である)またはその薬学的に許容され得る塩、同位体形態、立体異性体もしくはプロドラッグを有する。
構造(I)のいくつかの異なる実施形態では、
およびGは、それぞれ独立して、NまたはCHであり;
は、結合または−NR−であり;
は、結合またはアルキレンであり;
Xは、N、CHまたはC−CNであり;
Yは、NまたはCHであり;
Zは、NまたはCHであり;
は、以下の構造:
Figure 2020521741
式中、
Figure 2020521741
の各々は、芳香環を表し;
、A、AおよびAは、それぞれ独立して、CまたはNであり;
は、N、NH、C(=O)、CR1eまたはNR1e’であり;
は、N、NH、C(=O)、CR1fまたはNR1f’であり;
は、N、NH、C(=O)、CR1gまたはNR1g’であり;
1a、R1b、R1cおよびR1dのうちの1つは、*でマーキングされた炭素への共有結合であり、R1a、R1b、R1cおよびR1dのうちのその他は、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ;シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり;
1e、R1fおよびR1gは、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキルアミニル、シクロアルキルアミニル、アルキルカルボニルアミニル、ヘテロシクリル、アミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、ならびに
1e’、R1f’およびR1g’は、それぞれ独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり;
但し、A、A、AおよびAがそれぞれCであり、BがNHであり、BがNであり、R1a、R1b、R1cおよびR1dのうちの1つがメチルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1fおよびR1gのうちの少なくとも1つのその他はHではなく、但し、B、BおよびBのうちの少なくとも1つはNまたはNHである)を有し;
2a、R2bおよびR2cは、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ;シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、アミニルカルボニル、ヘテロアリールまたはアリールであり;
3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであるか;またはR3aとR3bとは接合して、オキソ、炭素環式環または複素環式環を形成するか;またはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R3bはR4bと接合して、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであるか;またはR4aとR4bとは接合して、オキソ、炭素環式環または複素環式環を形成するか;またはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R4bはR3bと接合して、炭素環式環または複素環式環を形成し;
は、各出現において独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
およびmは、それぞれ独立して、1、2または3であり;ならびに
Eは、KRAS、HRASまたはNRAS G12C変異体タンパク質の12位のシステイン残基と共有結合を形成することができる求電子部分であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、アルキレン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルキルアミニル、ハロアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクリルアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニル、アミニルカルボニルアルキルならびに炭素環式環および複素環式環の各出現は、特に指定がない限り、1つまたはそれを超える置換基で必要に応じて置換され、ならびに
但し、X、YおよびZのうちの少なくとも1つはNであり、但し、XおよびZが両方ともNである場合、CR1gはHまたはハロではなく、R1aまたはR1bは、*でマーキングされた炭素への共有結合である。
構造(I)の他の実施形態では、
およびGは、それぞれ独立して、NまたはCHであり;
は、結合または−NR−であり;
は、結合またはアルキレンであり;
Xは、N、CHまたはC−CNであり;
Yは、NまたはCHであり;
Zは、NまたはCHであり;
は、以下の構造:
Figure 2020521741
式中、
Figure 2020521741
の各々は、芳香環を表し;
、A、AおよびAは、それぞれ独立して、CまたはNであり;
は、N、NHまたはCR1eであり;
は、N、NHまたはCR1fであり;
は、N、NHまたはCR1gであり;
1a、R1b、R1cおよびR1dのうちの1つは、*でマーキングされた炭素への共有結合であり、R1a、R1b、R1cおよびR1dのうちのその他は、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ;シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり;
1e、R1fおよびR1gは、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ;シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、ならびに
但し、A、A、AおよびAがそれぞれCであり、BがNHであり、BがNであり、R1a、R1b、R1cおよびR1dのうちのその他のうちの1つがメチルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1fおよびR1gのうちの少なくとも1つのその他はHではなく、但し、B、BおよびBのうちの少なくとも1つはNまたはNHである)を有し;
2a、R2bおよびR2cは、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ;シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、アミニルカルボニル、ヘテロアリールまたはアリールであり;
3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであるか;またはR3aとR3bとは接合して、オキソ、炭素環式環または複素環式環を形成するか;またはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R3bはR4bと接合して、炭素環式環または複素環式環を形成し;
4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであるか;またはR4aとR4bとは接合して、オキソ、炭素環式環または複素環式環を形成するか;またはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R4bはR3bと接合して、炭素環式環または複素環式環を形成し;
は、各出現において独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
およびmは、それぞれ独立して、1、2または3であり;ならびに
Eは、KRAS、HRASまたはNRAS G12C変異体タンパク質の12位のシステイン残基と共有結合を形成することができる求電子部分であり、
ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、アルキレン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルキルアミニル、ハロアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクリルアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニル、アミニルカルボニルアルキルならびに炭素環式環および複素環式環の各出現は、特に指定がない限り、1つまたはそれを超える置換基で必要に応じて置換され、ならびに
但し、X、YおよびZのうちの少なくとも1つはNであり、XおよびZは両方ともNではない。
構造(I)の化合物におけるR1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1f、R1g、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、R、R、L、LおよびEはそれぞれ、具体的に他の意味を示さない限り、必要に応じて置換されるか、またはかかる置換は、不安定な構造もしくは不適切な原子価をもたらすであろう。例えば、いくつかの実施形態では、アルキル、アルキニル、アルケニル、アルキレン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルキルアミニル、ハロアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクリルアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニル、アミニルカルボニルアルキルならびに炭素環式環および複素環式環の各出現は、構造(I)の化合物において必要に応じて置換され、1つまたはそれを超える置換基で必要に応じて置換される。
いくつかの実施形態では、化合物は、以下の構造(I’a):
Figure 2020521741
(式中、
Figure 2020521741
は、二重結合または三重結合を表し;
Qは、−C(=O)−、−C(=NR8’)−、−NRC(=O)−、−S(=O)−または−NRS(=O)−であり;
は、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、C〜Cシクロアルキルまたはヘテロシクリルアルキルであり;
8’は、H、−OH、−CNまたはC〜Cアルキルであり;
Figure 2020521741
が二重結合である場合、RおよびR10は、それぞれ独立して、H、ハロ、シアノ、カルボキシル、C〜Cアルキル、アルコキシカルボニル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヒドロキシルアルキルであるか、またはRとR10とは接合して、炭素環式環、複素環式環またはヘテロアリール環を形成し;ならびに
Figure 2020521741
が三重結合である場合、Rは存在せず、R10は、H、C〜Cアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキルまたはヒドロキシルアルキルであり、
ここで、アルキル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アルコキシカルボニル、ヘテロアリールならびに炭素環式環、複素環式環およびヘテロアリール環の各出現は、特に指定がない限り、1つまたはそれを超える置換基で必要に応じて置換される)を有する。
異なる実施形態では、化合物は、以下の構造(I’b)、(I’c)、(I’d)または(I’e):
Figure 2020521741
のうちの1つを有する。
理論に拘束されるものではないが、本出願人らは、R置換基の正確な選択が(例えば、KRAS、HRAS、またはNRASのG12Cに対する)化合物の阻害活性において役割を果たし得ると考える。いくつかの実施形態では、Rは、KRAS、HRAS、またはNRAS G12C変異体タンパク質と可逆的に相互作用することができる。いくつかの実施形態では、Rは、KRAS、HRAS、またはNRASに対して高い親和性を有し、G12CのKRAS、HRAS、またはNRASに高い特異性を示す。いくつかの実施形態では、Rは、KRAS、HRAS、またはNRAS G12Cと疎水性相互作用することができる。いくつかの実施形態では、Rは、G12CのKRAS、HRAS、またはNRASタンパク質の種々の残基と水素結合を形成することができる。
いくつかの実施形態では、A、A、AおよびAはそれぞれCである。他の実施形態では、A、A、AおよびAのうちの1つはNであり、残りのA、A、AおよびAはそれぞれCである。
一定の実施形態では、Rは、以下の構造:
Figure 2020521741
(但し、R1bがメチルである場合、R1c、R1d、R1e、R1fおよびR1gのうちの少なくとも1つはHではない)を有する。
前述の化合物の他の実施形態では、BはNHであり、BはNであり、BはCR1gである。いくつかの実施形態では、BはNHであり、BはCR1fであり、BはCR1gである。他の実施形態では、BはCR1eであり、BはCR1fであり、BはNHである。さらに他の異なる実施形態では、BはCR1eであり、BはNであり、BはNHである。さらなる実施形態では、BはNであり、BはCR1fであり、BはNHである。
他の特定の実施形態では、R1a、R1b、R1cおよびR1dのうちのその他、ならびにR1e、R1fおよびR1gの各々は、それぞれ独立して、H、アミノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アルキルアミニルまたはシクロアルキルである。例えば、いくつかの実施形態では、R1a、R1b、R1cおよびR1dのうちのその他、ならびにR1e、R1fおよびR1gの各々は、それぞれ独立して、H、アミノ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、メチル、メチルアミニルまたはシクロプロピルである。
なおさらなる実施形態では、Rは、以下の構造:
Figure 2020521741
Figure 2020521741
のうちの1つを有する。
いくつかの実施形態では、Rは、以下の構造:
Figure 2020521741
を有する。
いくつかの前述の実施形態では、R2cはHである。いくつかの前述の実施形態では、R2aおよびR2bは、それぞれ独立して、ハロ、ハロアルキル、アルキルまたはアルコキシである。前述の実施形態の他のいずれかでは、R2aおよびR2bは、それぞれハロである。いくつかの実施形態では、R2aは、フルオロ、クロロまたはメトキシである。他の実施形態では、R2bは、クロロ、フルオロまたはCFである。例えば、いくつかの実施形態では、R2aはフルオロであり、他の実施形態では、R2bはクロロである。いくつかの他の実施形態では、R2aはフルオロであり、R2bはクロロである。
いくつかの実施形態では、XはCR’である。異なる実施形態では、XはCR’である。いくつかの他の実施形態では、ZはCR’である。特定の実施形態では、XおよびYは独立してCR’であり、ZはNである。他の実施形態では、ZおよびYは独立してCR’であり、XはNである。
いくつかの実施形態では、R’はHである。他の実施形態では、R’は−CNである。他の例示的な実施形態では、R’はハロアルキル、例えばトリフルオロメチルである。なおさらなる実施形態では、R’はアルコキシまたはアミニルアルコキシルであり、例えば一定の実施形態では、R’はアルコキシまたはアミニルアルコキシルである。R’は、以下の構造:
Figure 2020521741
を有する。
他の実施形態では、XはC−CNであり、YはCHであり、ZはNである。異なる実施形態では、XはCHであり、YはNであり、ZはNである。さらなる実施形態では、XはNであり、YはCHであり、ZはCHである。異なる実施形態では、XはCHであり、YはC−CNであり、ZはNである。いくつかの異なる実施形態では、XはCHであり、YはC−CFであり、ZはNである。他の実施形態では、XはC−CNであり、YはC−O(CHN(CHであり、ZはNである。
前述の構造(I)の化合物のいずれかのさらなる実施形態およびその下位実施形態では、R3a、R3b、R4aおよびR4bは、各出現において、Hである。他の実施形態では、R3a、R3b、R4aまたはR4bのうちの少なくとも1つの出現はHではない。異なる実施形態では、R3a、R3b、R4aまたはR4bのうちの少なくとも1つの出現はC〜Cアルキルであり、例えばいくつかの実施形態では、C〜Cアルキルはメチルである。
一定の実施形態では、R3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキルまたはアミニルカルボニルである。
他の前述の実施形態では、R3aおよびR4aは、各出現において独立して、H、−OH、ヒドロキシルアルキル、シアノまたはアミニルカルボニルであり、R3bおよびR4bは、各出現において、Hである。
一定の他の実施形態では、R3aおよびR4aは、各出現において、Hであり、R3bおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキルまたはアミニルカルボニルである。
異なる実施形態では、R3aおよびR4aのうちの少なくとも1つは、C〜Cシアノアルキル、例えばシアノメチルである。
いずれかの前述の実施形態では、R3a、R3b、R4aまたはR4bのうちの少なくとも1つの出現はHであり、R3a、R3b、R4aまたはR4bのうちの少なくとも1つの出現はHではない。
いくつかの実施形態では、R3aのうちの少なくとも1つの出現は、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R3b、R4aおよびR4bは、各出現において、Hである。
他の前述の実施形態では、R3aおよびR4aは、各出現において独立して、HまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、R3a、R4a、R3bまたはR4bのうちの少なくとも1つの出現は、独立して、C〜Cアルキル、例えばメチルである。いくつかの実施形態では、R3aのうちの1つの出現は、C〜Cアルキル、例えばメチルであり、残りのR3aおよび各R4aはHである。いくつかの他の実施形態では、R3aのうちの2つの出現は、C〜Cアルキル、例えばメチルであり、残りのR3aおよび各R4aはHである。いくつかの他の実施形態では、R3aのうちの1つの出現およびR4aのうちの1つの出現は、独立して、C〜Cアルキル、例えばメチルであり、残りのR3aおよびR4aはそれぞれ、Hである。
他の実施形態では、R4aのうちの少なくとも1つの出現は、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R3a、R3bおよびR4bは、各出現において、Hである。
他の実施形態では、R3aのうちの少なくとも1つの出現は、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R3bのうちの少なくとも1つの出現はR4bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成する;
さらに多くの実施形態では、R4aのうちの少なくとも1つの出現は、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、ヒドロキシルアルキル、アミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R4bのうちの少なくとも1つの出現はR3bと一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成する。
他の実施形態では、R3aおよびR3bのうちの少なくとも1つの出現は一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成する。他の実施形態では、R4aおよびR4bのうちの少なくとも1つの出現は一緒になって、炭素環式環または複素環式環を形成する。
さらに他の実施形態では、R3aまたはR4aのうちの少なくとも1つの出現は、アミニルカルボニルである。例えば、一定の実施形態では、アミニルカルボニルは、
Figure 2020521741
である。他の実施形態では、R3aまたはR4aのうちの少なくとも1つの出現は、シアノである。他の実施形態では、R3aまたはR4aのうちの少なくとも1つの出現は、−OHである。他の実施形態では、R3aまたはR4aのうちの少なくとも1つの出現は、ヒドロキシルアルキル、例えばヒドロキシルメチルである。
前述の実施形態のいずれかでは、化合物は、以下の構造:
Figure 2020521741
Figure 2020521741
(式中、R3aおよびR4aは、独立して、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルである)のうちの1つを有する。例えば、いくつかの実施形態では、前述の構造におけるR3a、R3b、R4aおよびR4bのうちの1つは、C〜Cアルキルである。他の実施形態では、R3a、R3b、R4aおよびR4bのうちの2つは、C〜Cアルキルである。例えば、いくつかのこれらの実施形態では、C〜Cアルキルはメチルである。
なおさらなる前述の実施形態のいずれかでは、Eは、以下の構造:
Figure 2020521741
(式中、
Qは、−C(=O)−、−C(=NR8’)−、−NRC(=O)−、−S(=O)−または−NRS(=O)−であり;
は、H、C〜Cアルキルまたはヒドロキシルアルキルであり;
8’は、H、−OH、−CNまたはC〜Cアルキルであり;ならびに
およびR10は、それぞれ独立して、H、ハロ、シアノ、カルボキシル、C〜Cアルキル、アルコキシカルボニル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヒドロキシルアルキルであるか、またはRとR10とは接合して、炭素環式環、複素環式環またはヘテロアリール環を形成する)を有する。
さらに他の前述の実施形態のいずれかでは、Eは、以下の構造:
Figure 2020521741
(式中、
Qは、−C(=O)−、−NRC(=O)−、−S(=O)−または−NRS(=O)−であり;
は、H、C〜Cアルキルまたはヒドロキシルアルキルであり;ならびに
10は、H、C〜Cアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキルまたはヒドロキシルアルキルである)を有する。
Q部分は、典型的には、Eの反応性(すなわち、求電子性)を最適化するように選択される。いくつかの前述の実施形態では、Qは、−C(=O)−、−NRC(=O)−、−S(=O)−または−NRS(=O)−である。一定の前述の実施形態では、Qは−C(=O)−である。他の実施形態では、Qは−S(=O)−である。なおさらなる実施形態では、Qは−NRC(=O)−である。なおさらなる異なる実施形態では、Qは−NRS(=O)−である。
いくつかの他の前述の実施形態では、Qは−C(=NR8’)−であり、ここで、R8’は、H、−OH、−CNまたはC〜Cアルキルである。例えば、いくつかの実施形態では、R8’はHである。他の実施形態では、R8’は−CNである。他の実施形態では、R8’は−OHである。
前述の実施形態のいくつかでは、RはHである。他のこれらの実施形態では、Rはヒドロキシルアルキルであり、例えば、いくつかの実施形態では、ヒドロキシルアルキルは2−ヒドロキシルアルキルである。
いくつかの前述の実施形態のいずれか1つでは、RまたはR10のうちの少なくとも1つはHである。例えば、いくつかの実施形態では、RおよびR10はそれぞれHである。
他の前述の実施形態では、R10はアルキルアミニルアルキルである。いくつかのこれらの実施形態では、R10は、以下の構造:
Figure 2020521741
を有する。
他の実施形態では、R10はヒドロキシルアルキル、例えば2−ヒドロキシルアルキルである。
前述の実施形態のいくつかの他の異なる実施形態では、RとR10とは接合して、炭素環式環を形成する。例えば、いくつかのこれらの実施形態では、炭素環式環は、シクロペンテン、シクロヘキセンまたはフェニル環である。他の実施形態では、炭素環式環は、シクロペンテンまたはシクロヘキセン環である。他の実施形態では、炭素環式環は、フェニル環、例えば以下の構造:
Figure 2020521741
を有するフェニル環である。
いくつかの前述の実施形態のいずれかでは、Eは、G12C変異を含むKRAS、HRASまたはNRASタンパク質と結合することができる求電子剤である。いくつかの実施形態では、求電子剤Eは、G12C変異体KRAS、HRASまたはNRASタンパク質と不可逆的共有結合を形成することができる。いくつかの場合では、求電子剤Eは、G12C変異体KRAS、HRASまたはNRASタンパク質の12位のシステイン残基と結合し得る。前述のいずれかの種々の実施形態では、Eは、以下の構造:
Figure 2020521741
Figure 2020521741
のうちの1つを有する。
いくつかの実施形態では、Eは、
Figure 2020521741
である。いくつかの実施形態では、Eは、
Figure 2020521741
である。いくつかの実施形態では、Eは、
Figure 2020521741
である。
は、適切な間隔および/または方向をE基に提供して、KRAS、HRASまたはNRASタンパク質との結合を形成するように選択され得る。いくつかの前述の実施形態では、Lは結合である。他の前述の実施形態では、Lはアルキレンである。
前述の実施形態のいずれかでは、Lは結合である。他の実施形態では、Lは−NR−である。
化合物のいくつかの実施形態は、1つを超える立体異性体を含む。他の実施形態は、単一の立体異性体に関する。いくつかの実施形態では、化合物はラセミ体(例えば、アトロプ異性体の混合物)であり、他の実施形態では、化合物は、実質的に単一の異性体、例えば実質的に精製されたアトロプ異性体である。いくつかの実施形態では、化合物は、実質的に精製されたS−アトロプ異性体である。いくつかの異なる実施形態では、化合物は、実質的に精製されたR−アトロプ異性体である。
種々の異なる実施形態では、化合物は、以下の表1に記載されている構造のうちの1つを有する。示されている方法または当該分野で公知の方法によって、表1の例示的な化合物を調製し、質量分析および/またはH NMRによって分析した。
Figure 2020521741
Figure 2020521741
Figure 2020521741
Figure 2020521741
Figure 2020521741
Figure 2020521741
Figure 2020521741
Figure 2020521741
本説明では、記載の式の置換基および/または可変物の組み合わせは、かかる寄与によって安定な化合物が得られる場合に限り、容認されると理解される。
さらに、遊離塩基または遊離酸の形態で存在する本発明の全ての化合物を、当業者に公知の方法による適切な無機または有機の塩基または酸を用いた処理によってその薬学的に許容され得る塩に変換することができる。本発明の化合物の塩を、標準的技術によってその遊離塩基形態または遊離酸形態に変換することができる。
構造(I)の化合物は、当該分野で公知の方法にしたがって調製され得る。例えば、構造(I)の化合物は、国際公開第2015/054572号(この全開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている方法と類似の方法にしたがって調製され得る。一般に、出発成分を、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis,Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCIおよびFluorochem USAなどの供給者から入手することができるか、当業者に公知の情報源にしたがって合成することができるか(例えば、Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,5th edition(Wiley,December 2000)を参照のこと)、または本発明に記載されているように調製することができる。
Figure 2020521741
構造(I)の化合物(例えば、化合物A−9)の実施形態は、一般的な反応スキーム1(「方法A」)(式中、R、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、R、R10、Q、mおよびmは、本明細書中で上記定義の通りである)にしたがって調製され得る。一般的な反応スキーム1に示されているように、ベンズアルデヒドA−1を還元的アミノ化条件下で処理して、A−2を得る。トシル保護アミン(A−3)の形成およびそれに続く適切なルイス酸(例えば、AlCl)による処理によって、イソキノリンA−4を得る。メタ−クロロ過安息香酸(mCPBA)によるA−4の酸化によってA−5を得、これを、POClなどの適切な試薬で処理することによって塩素化し得る。次いで、上記スキームにしたがって、塩化物A−6をA−9に変換する。
Figure 2020521741
構造(I)の化合物の他の実施形態(例えば、化合物B−9)は、一般的な反応スキーム5(「方法E」)(式中、R、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、R、R10、Q、mおよびmは、本明細書中で上記定義の通りである)にしたがって調製され得る。一般的な反応スキーム2に示されているように、アニリンB−1(これは、商業的供給者から購入され得るか、または周知の手順によって調製され得る)をジエチル2−(エトキシメチレン)マロネートと反応させて、B−2を得ることができる。次いで、適切な高沸点溶媒(例えば、PhO)中で加熱することによってB−2を環化して、キノロンB−3を得ることができる。B−3の鹸化およびそれに続く脱炭酸化によって、それぞれB−4およびB−5を得る。次いで、B−5を塩素化し、方法Aについて記載されているものと類似の方法で処理して、B−9を得る。
Figure 2020521741
構造(I)の化合物(例えば、化合物C−7)の実施形態は、一般的な反応スキーム3(「方法C」)(式中、R、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、R、R10、Q、mおよびmは、本明細書中で上記定義の通りである)にしたがって調製され得る。一般的な反応スキーム3に示されているように、構造C−1の化合物は、商業的供給者から購入され得るか、または当業者によく知られた方法にしたがって調製され得る。化合物C−1をメチルニトリルと反応させて、化合物C−2を形成する。C−2を酸性条件下で亜硝酸ナトリウムと反応させることによって、構造C−3のシンノリンを得る。C−3を適切な条件下(例えば、SOCl、POCl/PClまたはPOCl)で塩素化して、クロロシンノリンC−4を得る。C−4を塩基性条件下で適切に保護された複素環と反応させることによって、C−5を得る。適切な保護基には、ブチルオキシカルボニル(BOC)および当該分野で公知の他の保護基が含まれる。R部分を導入するための適切な試薬とC−5との鈴木反応によって、C−6を得る。C−6の脱保護ならびにそれに続く酸塩化物(または塩化スルホニル)または酸および適切な活性化試薬によるアシル化によって、C−7を得る。
Figure 2020521741
構造(I)の化合物(例えば、化合物D−10)の実施形態は、一般的な反応スキーム4(「方法D」)(式中、R、R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R4a、R4b、R、R10、Q、mおよびmは、本明細書中で上記定義の通りである)にしたがって調製され得る。一般的な反応スキーム4に示されているように、N−クロロスクシンイミドを使用して適切なアニリンを塩素化し、D−1を得る。D−1をジエチル−2−(エトキシメチレン)マロネートと反応させることによって、D−2を得る。次いで、適切な高沸点溶媒(例えば、PhO)中で加熱することによってD−2を環化して、キノロンD−3を得る。D−3を適切な条件下(例えば、SOCl、POCl/PClまたはPOCl)で塩素化して、クロロキノロンD−4を得る。D−4を塩基性条件下で適切に保護された複素環と反応させることによって、D−5を得る。適切な保護基には、一般的な反応スキーム1に示されているブチルオキシカルボニル(BOC)および当該分野で公知の他の保護基が含まれる。D−5の鹸化およびそれに続くアミド化によって、それぞれD−6およびD−7を得る。R部分を導入するための適切な試薬とD−7との鈴木反応によって、D−8を得る。D−8の脱保護ならびにそれに続く酸塩化物(または塩化スルホニル)または酸および適切な活性化試薬によるアシル化によって、D−9を得る。D−9を酸の存在下で反応させることによって、D−10を得る。
当業者は、本明細書中に記載の化合物の調製プロセスにおいて、中間体化合物の官能基を適切な保護基によって保護する必要があり得るとも認識するであろう。かかる官能基には、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、およびカルボン酸が含まれるが、これらに限定されない。ヒドロキシに適切な保護基には、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、またはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、およびベンジルなどが含まれる。アミノ、アミジノ、およびグアニジノに適切な保護基には、t−ブトキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルなどが含まれる。メルカプトに適切な保護基には、−C(O)−R’’(式中、R’’は、アルキル、アリール、またはアリールアルキルである)、p−メトキシベンジル、およびトリチルなどが含まれる。カルボン酸に適切な保護基には、アルキルエステル、アリールエステル、またはアリールアルキルエステルが含まれる。保護基を、当業者に公知であり、本明細書中に記載の標準的技術にしたがって必要に応じて付加または除去する。保護基の使用は、Green,T.W.and P.G.M.Wutz,Protective Groups in Organic Synthesis(1999),3rd Ed.,Wileyに詳述されている。当業者が認識するように、保護基はまた、ポリマー樹脂(Wang樹脂、Rink樹脂、または2−クロロトリチル−クロリド樹脂など)であり得る。
当業者は、かかる本発明の化合物の保護された誘導体自体は薬理学的活性を保有しなくてよいが、誘導体を哺乳動物に投与し、体内で代謝後に薬理学的に活性な本発明の化合物を形成することができることも認識するであろう。したがって、かかる誘導体を、「プロドラッグ」と記載することができる。本発明の化合物のプロドラッグは、本発明の実施形態の範囲内に含まれる。
薬学的組成物
他の実施形態は、薬学的組成物に関する。薬学的組成物は、前述の化合物のうちのいずれか1つ(または複数)および薬学的に許容され得るキャリアを含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は経口投与のために製剤化されている。他の実施形態では、薬学的組成物は注射のために製剤化されている。なおさらなる実施形態では、薬学的組成物は、本明細書中に開示の化合物およびさらなる治療薬(例えば、抗がん剤)を含む。かかる治療薬の非限定的な例を、本明細書中の以下に記載する。
適切な投与経路には、経口、静脈内、直腸、エアロゾル、非経口、眼、肺、経粘膜、経皮、膣、耳、鼻、および局所への投与が含まれるが、これらに限定されない。さらに、ほんの一例として、非経口送達には、筋肉内、皮下、静脈内、髄内への注射、ならびに髄腔内、直接的な脳室内、腹腔内、リンパ管内、および鼻腔内への注射が含まれる。
一定の実施形態では、本明細書中に記載の化合物を、全身様式よりもむしろ局所に、例えば、しばしばデポー調製物または徐放製剤に含めた化合物の器官への直接注射を介して投与する。特定の実施形態では、長時間作用性製剤を、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射によって投与する。さらに、他の実施形態では、薬物を、標的化された薬物送達系、例えば、器官特異的抗体をコーティングしたリポソームに含めて送達する。かかる実施形態では、リポソームは、器官にターゲティングされ、器官によって選択的に取り込まれる。さらに他の実施形態では、本明細書中に記載の化合物を、急速放出製剤の形態、長期放出製剤の形態、または中期放出製剤の形態で提供する。さらに他の実施形態では、本明細書中に記載の化合物を局所投与する。
本発明の化合物は、広い投薬範囲で有効である。例えば、成人の処置では、0.01〜1000mg/日、0.5〜100mg/日、1〜50mg/日、および5〜40mg/日の投薬量がいくつかの実施形態で使用される投薬量の例である。例示的投薬量は10〜30mg/日である。正確な投薬量は、投与経路、化合物が投与される形態、処置すべき被験体、処置すべき被験体の体重、ならびに主治医の優先度および経験に依存する。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、単回用量で投与する。典型的には、薬剤を迅速に導入するためのかかる投与は注射(例えば、静脈内注射)による。しかし、必要に応じて他の経路を使用する。本発明の化合物の単回用量を、急性状態の処置のために使用することもできる。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、複数回用量で投与する。いくつかの実施形態では、投与は、1日あたりおよそ1回、2回、3回、4回、5回、6回、または6回を超える。他の実施形態では、投与は、およそ1ヶ月に1回、2週間毎に1回、1週間に1回、1日おきに1回である。別の実施形態では、本発明の化合物および別の薬剤を共に約1回/日〜約6回/日投与する。別の実施形態では、本発明の化合物および薬剤の投与を、約7日未満継続する。さらに別の実施形態では、投与を、約6日間、10日間、14日間、28日間、2ヶ月間、6ヶ月間、または1年間を超えて継続する。いくつかの場合、継続投与を行い、必要な限り投与を維持する。
本発明の化合物の投与を、必要な限り継続することができる。いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、1、2、3、4、5、6、7、14、または28日間を超えて投与する。いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、28、14、7、6、5、4、3、2、または1日未満投与する。いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、例えば、慢性効果を得る処置のために継続して長期に投与する。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物を、複数の投薬量で投与する。被験体間で化合物の薬物動態が変動するので、最適な治療のためには投与レジメンの個別化が必要であることが当該分野で公知である。本開示を考慮した日常的試験によって本発明の化合物の投与レジメンを見出すことができる。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の化合物を、薬学的組成物に製剤化する。特定の実施形態では、薬学的組成物を、活性化合物の、薬学的に使用することができる調製物への加工を容易にする賦形剤および佐剤を含む1つまたはそれを超える生理学的に許容され得るキャリアを使用する従来の様式で製剤化する。適切な製剤は、選択した投与経路に依存する。任意の薬学的に許容され得る技術、キャリア、および賦形剤を、本明細書中に記載の薬学的組成物の製剤化に適切なように使用する。Remington:The
Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)。
構造(I)の化合物および薬学的に許容され得る希釈剤、賦形剤、またはキャリアを含む薬学的組成物を本明細書中に提供する。一定の実施形態では、記載の化合物を、併用療法を目的として構造(I)の化合物を他の有効成分と混合した薬学的組成物として投与する。以下の併用療法の節および本開示を通して記載の活性物質の全ての組み合わせが本明細書中に含まれる。特定の実施形態では、薬学的組成物は、1つまたはそれを超える構造(I)の化合物を含む。
薬学的組成物は、本明細書中で使用する場合、構造(I)の化合物の他の化学成分(キャリア、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、および/または賦形剤など)との混合物をいう。一定の実施形態では、薬学的組成物は、化合物の生物への投与を容易にする。いくつかの実施形態では、本明細書中に提供した処置方法または使用方法の実施の際、治療有効量の本明細書中に提供した構造(I)の化合物を、薬学的組成物に含めて処置すべき疾患、障害、または病状を有する哺乳動物に投与する。特定の実施形態では、哺乳動物はヒトである。一定の実施形態では、治療有効量は、疾患の重症度、被験体の年齢および相対的な健康状態、使用する化合物の効力、ならびに他の要因に応じて変動する。本明細書中に記載の化合物を単独で使用するか、混合物の成分として1つまたはそれを超える治療薬と組み合わせて使用する。
一実施形態では、1つまたはそれを超える構造(I)の化合物は、水溶液に含めて製剤化されている。特定の実施形態では、水溶液は、ほんの一例として、生理学的に適合性を示す緩衝液(ハンクス液、リンゲル液、または生理食塩緩衝液など)から選択される。他の実施形態では、1つまたはそれを超える構造(I)の化合物を、経粘膜投与のために製剤化する。特定の実施形態では、経粘膜製剤は、浸透すべきバリアに適切な浸透剤を含む。本明細書中に記載の化合物を他の非経口注射のために製剤化するさらに他の実施形態では、適切な製剤は、水溶液または非水溶液を含む。特定の実施形態では、かかる溶液は、生理学的に適合する緩衝液および/または賦形剤を含む。
別の実施形態では、本明細書中に記載の化合物は、経口投与のために製剤化されている。本明細書中に記載の化合物は、活性化合物を、例えば、薬学的に許容され得るキャリアまたは賦形剤と組み合わせることにより製剤化されている。種々の実施形態では、本明細書中に記載の化合物は、経口剤形で製剤化され、この剤形には、ほんの一例として、錠剤、散剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、エリキシル、スラリー、および懸濁液などが含まれる。
一定の実施形態では、経口使用用の薬学的調製物を、1つまたはそれを超える固体賦形剤を1つまたはそれを超える本明細書中に記載の化合物と混合し、得られた混合物を必要に応じて粉砕し、必要に応じて適切な佐剤の添加後に顆粒の混合物を加工して錠剤または糖衣錠コアを得ることによって得る。適切な賦形剤は、特に、糖(ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールが含まれる);セルロース調製物(例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど);またはその他(ポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)またはリン酸カルシウムなど)などの充填剤である。特定の実施形態では、崩壊剤を必要に応じて添加する。崩壊剤には、ほんの一例として、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸またはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)が含まれる。
1つの実施形態では、1つまたはそれを超える適切なコーティングを有する剤形(糖衣錠コアおよび錠剤など)を提供する。特定の実施形態では、濃縮糖溶液を、剤形のコーティングのために使用する。糖溶液は、必要に応じて、さらなる成分(ほんの一例として、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物など)を含む。染料および/または色素も、必要に応じて、識別目的のためにコーティングに添加する。さらに、染料および/または色素を、必要に応じて、活性化合物の用量の異なる組み合わせを特徴づけるために使用する。
一定の実施形態では、治療有効量の少なくとも1つの本明細書中に記載の化合物は、他の経口剤形に製剤化されている。経口剤形には、ゼラチンで作製されたプッシュフィットカプセルならびにゼラチンおよび可塑剤(グリセロールまたはソルビトールなど)で作製された密封軟カプセルが含まれる。特定の実施形態では、プッシュフィットカプセルは、1つまたはそれを超える充填剤との混合物中に有効成分を含む。充填剤には、ほんの一例として、ラクトース、結合剤(デンプンなど)、および/または滑沢剤(タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)、ならびに、必要に応じて、安定剤が含まれる。他の実施形態では、軟カプセルは、適切な液体に溶解または懸濁した1つまたはそれを超える活性化合物を含む。適切な液体には、ほんの一例として、1つまたはそれを超える脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールが含まれる。さらに、安定剤を必要に応じて添加する。
他の実施形態では、治療有効量の少なくとも1つの本明細書中に記載の化合物は、口内または舌下投与のために製剤化されている。口内または舌下投与に適切な製剤には、ほんの一例として、錠剤、ロゼンジ、またはゲルが含まれる。さらなる他の実施形態では、本明細書中に記載の化合物は、非経口(parental)注射のために製剤化されている(ボーラス注射または連続注入に適切な製剤が含まれる)。特定の実施形態では、注射用製剤は、単位剤形(例えば、アンプル中)または多用量容器中に存在する。防腐剤を、必要に応じて、注射製剤に添加する。さらなる他の実施形態では、薬学的組成物は、無菌の油性または水性のビヒクルの懸濁液、溶液、または乳濁液として非経口注射に適切な形態で製剤化されている。非経口注射製剤は、必要に応じて、製剤化剤(懸濁化剤、安定剤、および/または分散剤など)を含む。特定の実施形態では、非経口投与のための薬学的製剤には、水溶性形態の活性化合物の水溶液が含まれる。さらなる実施形態では、活性化合物(例えば、構造(I)の化合物)の懸濁液を、適切な油性注射懸濁液として調製する。本明細書中に記載の薬学的組成物での使用に適切な親油性の溶媒またはビヒクルには、ほんの一例として、脂肪油(ゴマ油など)、または合成脂肪酸エステル(オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなど)、またはリポソームが含まれる。一定の特定の実施形態では、水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増大させる物質(カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなど)を含む。必要に応じて、懸濁液は、適切な安定剤または高濃度の溶液を調製可能にするために化合物の溶解性を増大させる剤を含む。あるいは、他の実施形態では、有効成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば、無菌発熱性物質不含水)で構成するための粉末形態である。
さらなる他の実施形態では、構造(I)の化合物を局所投与する。本明細書中に記載の化合物は、種々の局所投与可能な組成物(溶液、懸濁液、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、香膏、クリーム、または軟膏など)に製剤化されている。かかる薬学的組成物は、必要に応じて、可溶化剤、安定剤、張度増強剤、緩衝剤、および防腐剤を含む。
さらに他の実施形態では、構造(I)の化合物は、経皮投与のために製剤化されている。特定の実施形態では、経皮製剤は、経皮送達デバイスおよび経皮送達パッチを使用し、ポリマーまたは接着剤に溶解および/または分散される親油性乳濁液または緩衝水溶液であり得る。種々の実施形態では、かかるパッチを、医薬品の連続的、拍動性、またはオンデマンド型の送達のために構築する。さらなる実施形態では、構造(I)の化合物を、イオン導入パッチなどを用いて経皮送達する。一定の実施形態では、経皮パッチにより、構造(I)の化合物が制御送達される。特定の実施形態では、律速膜の使用またはポリマーマトリックスまたはゲル内に化合物を捕捉することによって吸収速度を低下させる。別の実施形態では、吸収促進剤を使用して吸収を増大させる。吸収促進剤またはキャリアには、皮膚の通過を補助する薬学的に許容され得る吸収性溶媒が含まれる。例えば、1つの実施形態では、経皮デバイスは、裏打ち部材、必要に応じてキャリアと共に化合物を含むリザーバ、長期間にわたって制御された所定の速度で宿主の皮膚に化合物を送達させるための必要に応じた律速バリア、および皮膚にデバイスを固定する手段を含む帯具の形態である。
他の実施形態では、構造(I)の化合物は、吸入による投与のために製剤化されている。吸入による投与に適切な種々の形態には、エアロゾル、ミスト、または粉末が含まれるが、これらに限定されない。任意の構造(I)の化合物のいずれかの薬学的組成物は、適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切なガス)を使用した加圧パックまたは噴霧器から提供するエアロゾルスプレーの形態で送達させることが都合が良い。特定の実施形態では、加圧エアロゾルの投薬単位を、一定量を送達させるための弁を設けることによって決定する。一定の実施形態では、ほんの一例として、吸入器または注入器で用いる、化合物と適切な粉末基剤(ラクトースまたはデンプンなど)との粉末混合物を含むゼラチンなどのカプセルおよびカートリッジが製剤化される。
さらなる他の実施形態では、構造(I)の化合物は、従来の坐剤基剤(カカオバターまたは他のグリセリドなど)および合成ポリマー(ポリビニルピロリドンおよびPEGなど)を含む直腸組成物(浣腸、直腸ゲル、直腸フォーム、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー坐剤、または停留浣腸など)に含めて製剤化されている。組成物の坐剤形態では、低融点ワックス(必要に応じてカカオバターと組み合わせた脂肪酸グリセリドの混合物などであるが、これらに限定されない)が最初に融解する。
一定の実施形態では、薬学的組成物は、活性化合物の加工を容易にする賦形剤および佐剤を含む1つまたはそれを超える生理学的に許容され得るキャリアを使用した任意の従来の様式で薬学的に使用することができる調製物に製剤化されている。適切な製剤は、選択した投与経路に依存する。任意の薬学的に許容され得る技術、キャリア、および賦形剤を、必要に応じて適宜使用する。構造(I)の化合物を含む薬学的組成物を、従来の様式で(ほんの一例として、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、湿式粉砕、乳化、カプセル化、捕捉、または圧縮プロセスなどによる)製造する。
薬学的組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、または賦形剤および有効成分としての少なくとも1つの本明細書中に記載の構造(I)の化合物を含む。有効成分は、遊離酸形態または遊離塩基形態または薬学的に許容され得る塩の形態である。さらに、本明細書中に記載の方法および薬学的組成物は、N−オキシド、結晶形態(多形としても公知)、および同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性代謝産物の使用を含む。本明細書中に記載の化合物の全ての互変異性体が本明細書中に示す化合物の範囲内に含まれる。さらに、本明細書中に記載の化合物は、非溶媒和形態および薬学的に許容され得る溶媒(水およびエタノールなど)との溶媒和形態を含む。本明細書中に示す化合物の溶媒和形態も本明細書中に開示されると見なされる。さらに、薬学的組成物は、必要に応じて、他の医薬または医薬品、キャリア、アジュバント(防腐剤、安定剤、湿潤剤、または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩、緩衝剤、および/または他の薬学的に有益な物質など)を含む。
本明細書中に記載の化合物を含む組成物の調製方法は、固体、半固体、または液体を形成するための1つまたはそれを超える不活性の薬学的に許容され得る賦形剤またはキャリアを使用して化合物を製剤化する工程を含む。固体組成物には、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル、カシェ、および坐剤が含まれるが、これらに限定されない。液体組成物には、化合物が溶解した溶液、化合物を含む乳濁液、または本明細書中に開示の化合物を含むリポソーム、ミセル、またはナノ粒子を含む溶液が含まれる。半固体組成物には、ゲル、懸濁液、およびクリームが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中に記載の薬学的組成物の形態には、溶液または懸濁液、使用前に液体に含めて溶液または懸濁液にするのに適切な固体、または乳濁液が含まれる。これらの組成物はまた、必要に応じて、少量の非毒性補助物質(湿潤剤または乳化剤、およびpH緩衝剤など)を含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの構造(I)の化合物を含む薬学的組成物は、実例として、薬剤が溶液、懸濁液、またはその両方に存在する液体の形態を取る。典型的には、組成物を溶液または懸濁液として投与した場合、薬剤の第1の部分が溶液中に存在し、薬剤の第2の部分が液体マトリックス中の懸濁液中に、粒状の形態で存在する。いくつかの実施形態では、液体組成物にはゲル製剤が含まれる。他の実施形態では、液体組成物は水性である。
一定の実施形態では、有用な水性懸濁液は、懸濁化剤として1つまたはそれを超えるポリマーを含む。有用なポリマーには、水溶性ポリマー(セルロースポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)など)および水不溶性ポリマー(架橋カルボキシル含有ポリマーなど)が含まれる。本明細書中に記載の一定の薬学的組成物は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/ブチルアクリラートコポリマー、アルギン酸ナトリウム、およびデキストランから選択される粘膜付着性ポリマーを含む。
有用な薬学的組成物は、必要に応じて、構造(I)の化合物の溶解性を補助する溶解補助剤も含む。用語「溶解補助剤」には、一般に、薬剤のミセル溶液または真溶液を形成する剤が含まれる。一定の許容され得る非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80)は、眼科的に許容され得るグリコール、ポリグリコール(例えば、ポリエチレングリコール400)、およびグリコールエーテルと同様に、溶解補助剤として有用である。
さらに、有用な薬学的組成物は、必要に応じて、1つまたはそれを超えるpH調整剤または緩衝剤(酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、および塩酸などの酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、およびトリス−ヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基;ならびにシトレート/デキストロース、重炭酸ナトリウム、および塩化アンモニウムなどのバッファが含まれる)を含む。かかる酸、塩基、およびバッファは、組成物のpHを許容され得る範囲内に維持するために必要な量で含まれる。
さらに、有用な組成物はまた、必要に応じて、組成物の重量オスモル濃度を許容され得る範囲にするのに必要な量で1つまたはそれを超える塩を含む。かかる塩には、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウムの陽イオンおよび塩素、クエン酸、アスコルビン酸、ホウ酸、リン酸、重炭酸、硫酸、チオ硫酸、または亜硫酸水素の陰イオンを有する塩が含まれ、適切な塩には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、および硫酸アンモニウムが含まれる。
他の有用な薬学的組成物は、必要に応じて、微生物の活動を阻害するための1つまたはそれを超える防腐剤を含む。適切な防腐剤には、水銀含有物質(メルフェンおよびチオメルサールなど);安定化二酸化塩素;ならびに第四級アンモニウム化合物(塩化ベンザルコニウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、およびセチルピリジニウムクロリドなど)が含まれる。
さらなる他の有用な組成物は、物理的安定性を増強するか他の目的のための1つまたはそれを超える界面活性剤を含む。適切な非イオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油(例えば、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油);ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテル(例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40)が含まれる。
さらに他の有用な組成物は、必要に応じて化学的安定性を増強するための1つまたはそれを超える抗酸化剤を含む。適切な抗酸化剤には、ほんの一例として、アスコルビン酸およびメタ重亜硫酸ナトリウムが含まれる。
一定の実施形態では、水性懸濁液組成物を、単回用量の再度密封できない容器にパッケージングする。あるいは、組成物中に防腐剤を含むことが典型的である場合、複数回用量の再度密封可能な容器を使用する。
別の実施形態では、疎水性薬学的化合物のための他の送達系を使用する。リポソームおよび乳濁液は、本明細書中で有用な送達用ビヒクルまたはキャリアの例である。一定の実施形態では、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒も使用する。さらなる実施形態では、本明細書中に記載の化合物を、徐放系(治療薬を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスなど)を使用して送達させる。種々の徐放材料が本明細書中で有用である。いくつかの実施形態では、徐放カプセルは、数週間から100日間までにわたって化合物を放出する。治療試薬の化学的性質および生物学的安定性のために、さらなるタンパク質安定化ストラテジーを使用する。
一定の実施形態では、本明細書中に記載の製剤は、1つまたはそれを超える抗酸化剤、金属キレート剤、チオール含有化合物、および/または他の一般的な安定剤を含む。かかる安定剤の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:(a)約0.5%〜約2%w/vグリセロール、(b)約0.1%〜約1%w/vメチオニン、(c)約0.1%〜約2%w/vモノチオグリセロール、(d)約1mM〜約10mM EDTA、(e)約0.01%〜約2%w/vアスコルビン酸、(f)0.003%〜約0.02%w/vポリソルベート80、(g)0.001%〜約0.05%w/vポリソルベート20、(h)アルギニン、(i)ヘパリン、(j)硫酸デキストラン、(k)シクロデキストリン、(l)ペントサンポリサルファートおよび他のヘパリノイド、(m)マグネシウムおよび亜鉛などの2価の陽イオン;または(n)その組み合わせ。
いくつかの実施形態では、本発明の薬学的組成物中に提供された1つまたはそれを超える化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、または0.0001%未満である。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超える本発明の化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、または0.0001%を超える。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超える本発明の化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、およそ0.0001%〜およそ50%、およそ0.001%〜およそ40%、およそ0.01%〜およそ30%、およそ0.02%〜およそ29%、およそ0.03%〜およそ28%、およそ0.04%〜およそ27%、およそ0.05%〜およそ26%、およそ0.06%〜およそ25%、およそ0.07%〜およそ24%、およそ0.08%〜およそ23%、およそ0.09%〜およそ22%、およそ0.1%〜およそ21%、およそ0.2%〜およそ20%、およそ0.3%〜およそ19%、およそ0.4%〜およそ18%、およそ0.5%〜およそ17%、およそ0.6%〜およそ16%、およそ0.7%〜およそ15%、およそ0.8%〜およそ14%、およそ0.9%〜およそ12%、およそ1%〜およそ10%の範囲である。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超える本発明の化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、およそ0.001%〜およそ10%、およそ0.01%〜およそ5%、およそ0.02%〜およそ4.5%、およそ0.03%〜およそ4%、およそ0.04%〜およそ3.5%、およそ0.05%〜およそ3%、およそ0.06%〜およそ2.5%、およそ0.07%〜およそ2%、およそ0.08%〜およそ1.5%、およそ0.09%〜およそ1%、およそ0.1%〜およそ0.9%の範囲である。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超える本発明の化合物の量は、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g、または0.0001gに等しいか、あるいはこれら未満である。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超える本発明の化合物の量は、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、、0.15g、0.2g、、0.25g、0.3g、、0.35g、0.4g、、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g、または10gを超える。
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超える本発明の化合物の量は、0.0001〜10g、0.0005〜9g、0.001〜8g、0.005〜7g、0.01〜6g、0.05〜5g、0.1〜4g、0.5〜4g、または1〜3gの範囲である。
キット/製品
本明細書中に記載の治療適用で用いるために、キットおよび製品も提供する。いくつかの実施形態では、かかるキットは、キャリア、パッケージ、または容器を含み、該容器は、バイアルおよびチューブなどの1つまたはそれを超える容器(各容器は本明細書中に記載の方法で使用すべき個別の要素のうちの1つを含む)を入れるために区画化されている。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、および試験管が含まれる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成されている。
本明細書中に提供される製品は、包装材料を含む。医薬製品の包装で用いる包装材料には、例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号、および同第5,033,252号に見出される包装材料が含まれる。薬学的包装材料の例には、ブリスターパック、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、ボトル、ならびに選択された製剤ならびに意図する投与様式および処置様式に適切な任意の包装材料が含まれるが、これらに限定されない。例えば、容器(単数または複数)は、必要に応じて組成物中または本明細書中に開示の別の薬剤と組み合わせた1つまたはそれを超える本明細書中に記載の化合物を含む。容器(単数または複数)は、必要に応じて、無菌のアクセスポートを有する(例えば、容器は皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静注用溶液バッグまたはバイアルである)。かかるキットは、必要に応じて、識別用の説明もしくはラベルまたは本明細書中に記載の方法におけるその使用に関する指示と共に化合物を含む。
例えば、キットは、典型的には、1つまたはそれを超えるさらなる容器を含み、各容器は、本明細書中に記載の化合物の使用について商業的観点および使用者の観点から望ましい1つまたはそれを超える種々の材料(必要に応じて濃縮形態の試薬および/またはデバイス)を有する。かかる材料の非限定的な例には、バッファ、希釈剤、フィルター、針、シリンジ;内容物および/または使用についての説明を列挙したキャリア、パッケージ、容器、バイアル、および/またはチューブのラベル、ならびに使用のための指示を含む添付文書が含まれるが、これらに限定されない。典型的には、説明書一式も含まれるであろう。ラベルは、必要に応じて、容器上または容器と共に存在する。例えば、ラベルを形成する文字、数字、または他の符号を容器自体に付着させるか、成形するか、エッチングする場合、ラベルは容器上に存在し、容器を保持もする貯蔵容器またはキャリア内に、例えば、添付文書としてラベルが存在する場合、ラベルは容器と共に存在する。さらに、ラベルを、内容物が特定の治療に適用するために使用すべきであることを示すために使用する。さらに、ラベルは、本明細書中に記載の方法などにおける内容物の使用法を示す。一定の実施形態では、薬学的組成物は、本明細書中に提供した化合物を含む1つまたはそれを超える単位剤形を含むパックまたはディスペンサーデバイス中に存在する。パックは、例えば、金属またはプラスチック製の箔(ブリスター包装など)を含む。または、パックまたはディスペンサーデバイスは、投与説明書が添付されている。または、パックまたはディスペンサーは、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関が指示する形態の容器に関連する通知書が同封されており、この通知書は、政府機関によって承認されたヒトまたは動物への投与のための薬物の形態が反映されている。かかる通知書は、例えば、米国食品医薬品局によって承認された処方薬についてのラベルまたは承認された製品の添付書類である。いくつかの実施形態では、適合性薬学的キャリア中に製剤化した本明細書中に提供した化合物を含む組成物を、調製し、適切な容器に入れ、適応の状態の処置について表示する
方法
本発明の実施形態は、RAS媒介細胞のシグナル伝達を阻害する方法であって、細胞を有効量の1つまたはそれを超える本明細書中に開示の化合物と接触させる工程を含む方法を提供する。RAS媒介シグナル伝達の阻害を、当該分野で公知の広範な種々の方法によって評価および実証することができる。非限定的な例には、以下を示すことが含まれる:(a)RASのGTPアーゼ活性の減少;(b)GTP結合親和性の減少またはGDP結合親和性の増加;(c)GTPのK offの増加またはGDPのK offの減少;(d)RAS経路の下流のシグナル伝達分子レベルの減少(pMEKレベルの減少など);および/または(e)下流シグナル伝達分子(Rafが含まれるが、これらに限定されない)へのRAS複合体の結合の減少。キットおよび市販のアッセイを、1つまたは複数の上記の決定のために利用することができる。
実施形態はまた、病状(G12CのKRAS、HRAS、またはNRASの変異、G12C HRAS変異および/またはG12C NRAS変異(例えば、がん)に関与する状態が含まれるが、これらに限定されない)を処置するための本発明の化合物または薬学的組成物の使用方法を提供する。
いくつかの実施形態では、がんを処置する方法を提供し、その方法は、がんの処置を必要とする被験体に、有効量の、構造(I)の化合物を含む前述の薬学的組成物のいずれかを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、がんは、KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異によって媒介される。他の実施形態では、がんは、膵臓がん、結腸がん、MYH関連ポリポーシス、結腸直腸がん、または肺がんである。
いくつかの実施形態では、本発明は、障害の処置を必要とする被験体における障害を処置する方法であって、被験体がKRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有するかどうかを決定し、被験体がKRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を有すると決定された場合、治療有効用量の少なくとも1つの構造(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、互変異性体、溶媒和物、水和物、または誘導体を被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
開示の化合物は、足場非依存性細胞成長を強く阻害し、したがって、腫瘍転移を阻害する可能性がある。したがって、別の実施形態では、本開示は、腫瘍転移を阻害する方法であって、有効量の本明細書中に開示の任意の化合物および薬学的に許容され得るキャリアを含む薬学的組成物を腫瘍転移を阻害する必要がある被験体に投与する工程を含む、方法を提供する。
KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異はまた、血液学的悪性疾患(例えば、血液、骨髄、および/またはリンパ節に影響を及ぼすがん)で同定されている。したがって、一定の実施形態は、血液学的悪性疾患の処置を必要とする患者への開示の化合物(例えば、薬学的組成物の形態)の投与に関する。かかる悪性疾患には、白血病およびリンパ腫が含まれるが、これらに限定されない。例えば、本開示の化合物を、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性単球性白血病(AMoL)、および/または他の白血病などの疾患の処置のために使用することができる。他の実施形態では、化合物は、リンパ腫(ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫の全てのサブタイプなど)の処置に有用である。
腫瘍またはがんがG12CのKRAS、HRAS、またはNRAS変異を含むかどうかの決定を、KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質をコードするヌクレオチド配列の評価、KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質のアミノ酸配列の評価、または推定されるKRAS、HRAS、またはNRASの変異体タンパク質の特徴の評価によって行うことができる。野生型のヒトKRAS、HRAS、またはNRASの配列は、当該分野で公知である(例えば、アクセッション番号NP203524)。
KRAS、HRAS、またはNRASのヌクレオチド配列の変異の検出方法は、当業者に公知である。これらの方法には、ポリメラーゼ連鎖反応−制限酵素切断断片長多型(PCR−RFLP)アッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応−一本鎖DNA高次構造多型(PCR−SSCP)アッセイ、リアルタイムPCRアッセイ、PCR配列決定、変異体対立遺伝子特異的PCR増幅(MASA)アッセイ、直接配列決定、プライマー伸長反応、電気泳動、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ、ハイブリッド形成アッセイ、TaqManアッセイ、SNP遺伝子型同定アッセイ、高分解能融解アッセイ、およびマイクロアレイ解析が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、サンプルを、リアルタイムPCRによってG12CのKRAS、HRAS、またはNRAS変異について評価する。リアルタイムPCRでは、KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異に特異的な蛍光プローブを使用する。変異が存在する場合、プローブが結合し、蛍光が検出される。いくつかの実施形態では、KRAS、HRAS、またはNRASのG12C変異を、KRAS、HRAS、またはNRASの遺伝子中の特定の領域(例えば、エクソン2および/またはエクソン3)の直接配列決定法を使用して同定する。この技術は、配列決定された領域中の全ての可能な変異を同定する。
KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質中の変異を検出する方法は、当業者に公知である。これらの方法には、変異体タンパク質に特異的な結合剤(例えば、抗体)、タンパク質電気泳動、およびウェスタンブロッティング、ならびに直接ペプチド配列決定を使用したKRAS、HRAS、またはNRAS変異体の検出が含まれるが、これらに限定されない。
腫瘍またはがんがG12CのKRAS、HRAS、またはNRASの変異を含むかどうか決定する方法は、種々のサンプルを使用することができる。いくつかの実施形態では、腫瘍またはがんを有する被験体からサンプルを採取する。いくつかの実施形態では、がんまたは腫瘍を有する被験体からサンプルを採取する。いくつかの実施形態では、サンプルは、新鮮な腫瘍/がんサンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルは凍結された腫瘍/がんサンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルは、ホルマリン固定パラフィン包埋サンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルを、細胞ライセートに加工する。いくつかの実施形態では、サンプルをDNAまたはRNAに加工する。
本発明の実施形態はまた、哺乳動物に治療有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、もしくは誘導体を投与する工程を含む、哺乳動物の過剰増殖性障害を処置する方法に関する。いくつかの実施形態では、前記方法は、以下などのがんの処置に関する:急性骨髄性白血病、青年期のがん、小児副腎皮質癌、AIDS関連がん(例えば、リンパ腫およびカポジ肉腫)、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型奇形腫様腫瘍、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨のがん、脳幹部神経膠腫、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、非定型奇形腫様腫瘍、胎児性腫瘍、胚細胞腫瘍、原発性リンパ腫、子宮頸がん、小児がん、脊索腫、心臓腫瘍、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性障害(chronic myleoproliferative disorder)、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、肝外腺管上皮内癌(DCIS)、胎児性腫瘍、CNSがん、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、感覚神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、眼のがん、骨の線維性組織球腫、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、毛様細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝臓がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内黒色腫、島細胞腫、膵神経内分泌腫瘍、腎臓がん、喉頭がん、口唇がんおよび口腔がん(oral cavity cancer)、肝臓がん、小葉上皮内癌(LCIS)、肺がん、リンパ腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮がん、正中管癌、口腔がん(mouth cancer)、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、多発性骨髄腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、鼻腔がんおよび副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、口腔がん(oral cancer)、口唇がんおよび口腔がん(oral cavity cancer)、口腔咽頭がん、卵巣がん、膵臓がん、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔がんおよび鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、移行細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、皮膚がん、胃がん(胃がん)、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、T細胞リンパ腫、睾丸がん、咽喉がん、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、腎盂および尿管の移行細胞がん、絨毛性腫瘍、小児期のまれながん、尿道がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、またはウイルス誘発がん。いくつかの実施形態では、前記方法は、非がん性過剰増殖性障害(皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)、再狭窄、または前立腺(例えば、良性前立腺肥大症(BPH))など)の処置に関する。
一定の特定の実施形態では、本発明は、肺がんの処置方法であって、有効量の任意の上記化合物(または上記化合物を含む薬学的組成物)を肺がんの処置を必要とする被験体に投与する工程を含む、方法に関する。一定の実施形態では、肺がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)(例えば、腺癌、肺扁平上皮癌、または大細胞肺癌)である。他の実施形態では、肺がんは小細胞肺癌である。開示の化合物で処置可能な他の肺がんには、腺腫瘍、カルチノイド腫瘍、および未分化癌が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の方法にしたがって本発明の化合物、または前記化合物の薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、水和物、もしくは誘導体で処置することができる被験体には、例えば、以下を有すると診断されている被験体が含まれる:急性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、青年期のがん、小児副腎皮質癌、AIDS関連がん(例えば、リンパ腫およびカポジ肉腫)、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型奇形腫様腫瘍、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨のがん、脳幹部神経膠腫、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、非定型奇形腫様腫瘍、胎児性腫瘍、胚細胞腫瘍、原発性リンパ腫、子宮頸がん、小児がん、脊索腫、心臓腫瘍、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、肝外腺管上皮内癌(DCIS)、胎児性腫瘍、CNSがん、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、感覚神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、眼のがん、骨の線維性組織球腫、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、毛様細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝臓がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内黒色腫、島細胞腫、膵神経内分泌腫瘍、腎臓がん、喉頭がん、口唇がんおよび口腔がん(oral cavity cancer)、肝臓がん、小葉上皮内癌(LCIS)、肺がん、リンパ腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮がん、正中管癌、口腔がん(mouth cancer)、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、多発性骨髄腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、鼻腔がんおよび副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、口腔がん(oral cancer)、口唇がんおよび口腔がん(oral cavity cancer)、口腔咽頭がん、卵巣がん、膵臓がん、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔がんおよび鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、移行細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、皮膚がん、胃がん(胃がん)、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、T細胞リンパ腫、睾丸がん、咽喉がん、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、腎盂および尿管の移行細胞がん、絨毛性腫瘍、小児期のまれながん、尿道がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、またはウイルス誘発がん。いくつかの実施形態では、本発明の化合物で処置される被験体には、非がん性過剰増殖性障害(皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)、再狭窄、または前立腺(例えば、良性前立腺肥大症(BPH))など)を有すると診断されている被験体が含まれる。
本発明の実施形態は、G12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質活性を、前記タンパク質を有効量の本発明の化合物と接触させることによって調整する方法をさらに提供する。調整は、タンパク質活性の阻害または活性化であり得る。いくつかの実施形態では、本発明は、溶液中でG12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質を有効量の本発明の化合物と接触させることによってタンパク質活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、目的のタンパク質を発現する細胞、組織、器官と接触させることによってG12C変異体KRAS、HRAS、またはNRASタンパク質活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、被験体(齧歯類および哺乳動物(例えば、ヒト)が含まれるが、これらに限定されない)のタンパク質活性を、有効量の本発明の化合物を被験体に投与することによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、調整率は、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を超える。いくつかの実施形態では、阻害率は、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を超える。
いくつかの実施形態では、本発明は、細胞中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記細胞を前記細胞中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、組織中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記組織を前記組織中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、生物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記生物を前記生物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、動物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記動物を前記動物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、哺乳動物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記哺乳動物を前記哺乳動物中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、ヒト中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を、前記ヒトを前記ヒト中のKRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性を阻害するのに十分な量の本発明の化合物と接触させることによって阻害する方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、KRAS、HRAS、またはNRAS G12Cの活性によって媒介される疾患の処置を、かかる処置を必要とする被験体において行う方法を提供する。
他の実施形態は、他の経路、または同一経路の他の成分、またはさらに重複する標的酵素の組を調整することが既知の薬剤を本発明の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、水和物、または誘導体と組み合わせて使用する併用療法のための方法を提供する。1つの態様では、かかる治療には、相乗的または付加的な治療効果を得るための1つまたはそれを超える本発明の化合物の、化学療法剤、治療用抗体、および放射線処置との組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
多数の化学療法剤が現在当該分野で公知であり、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、有糸分裂インヒビター、アルキル化剤、代謝拮抗物質、挿入抗生物質、成長因子インヒビター、細胞周期インヒビター、酵素、トポイソメラーゼインヒビター、生物学的応答調節物質、アンチホルモン、血管新生インヒビター、および抗アンドロゲン剤からなる群から選択される。
非限定的な例は、化学療法剤、細胞毒性剤、非ペプチド小分子(グリベック(登録商標)(メシル酸イマチニブ)、ベルケイド(登録商標)(ボルテゾミブ)、カソデックス(ビカルタミド)、イレッサ(登録商標)(ゲフィチニブ)、およびアドリアマイシンなど)、ならびに多数の化学療法剤である。化学療法薬の非限定的な例には、アルキル化剤(チオテパおよびシクロホスファミド(サイトキサン(登録商標))など);スルホン酸アルキル(ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファンなど);アジリジン(ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパなど);エチレンイミンおよびメチルメラミン(methylamelamines)(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、およびトリメチロールメラミン(trimethylolomelamine)が含まれる);ナイトロジェンマスタード(クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イフォスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなど);ニトロソ尿素(カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなど);抗生物質(アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、カソデックス(登録商標)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなど);代謝拮抗物質(メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)など);葉酸アナログ(デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなど);プリンアナログ(フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなど);ピリミジンアナログ(アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなど)、アンドロゲン(カルステロン、ドロモスタノロンプロピオナート、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなど);抗副腎剤(アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなど);葉酸補充物質(フロリン酸など);アセグラトン;アルドホスファミド グリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジコン;エルフォミチン;エリプチニウムアセタート;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標);ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキサン(例えば、パクリタキセル(タキソール(商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology、Princeton、N.J.)およびドセタキセル(タキソテール(商標)、Rhone−Poulenc Rorer、Antony、France));レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン;および上記のもののいずれかの薬学的に許容され得る塩、酸、または誘導体が含まれる。適切な化学療法細胞調整剤として、腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン剤(抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン(ノルバデックス(商標))、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY 117018、オナプリストン、およびトレミフェン(フェアストン)が含まれる);および抗アンドロゲン剤(フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリンなど));クロラムブシル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金アナログ(シスプラチンおよびカルボプラチンなど);ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イフォスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;カンプトテシン−11(CPT−11);トポイソメラーゼインヒビターRFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)も含まれる。所望により、本発明の化合物または薬学的組成物を、一般に処方される抗がん薬(ハーセプチン(登録商標)、アバスチン(登録商標)、エルビタックス(登録商標)、リツキサン(登録商標)、タキソール(登録商標)、アリミデックス(登録商標)、タキソテール(登録商標)、ABVD、AVICINE、アバゴボマブ、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン、アルファラジン、アルボシジブ、3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、抗CD22免疫毒素、抗悪性腫瘍薬、抗腫瘍形成性ハーブ、アパジコン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW2992、ビリコダール、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法)、カリクリン、細胞周期非特異的抗新生物剤、ジクロロ酢酸、ジスコデルモリド、エルサミトルシン、エノシタビン、エポチロン、エリブリン、エベロリムス、エクサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フォロデシン、ホスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT−101、イメキソン、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルベン、ラニクイダール、ラロタキセル、レナリドミド、ルカントン、ルルトテカン、マホスファミド、ミトゾロミド、ナホキシジン、ネダプラチン、オラパリブ、オルタタキセル、PAC−1、ポーポー、ピキサントロン、プロテアソームインヒビター、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN−38、サリノスポラミドA、サパシタビン、スタンフォードV、スワインソニン、タラポルフィン、タリキダール、テガフール−ウラシル、テモダール、テセタキセル、四硝酸トリプラチン、トリス(2−クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスチン、バジメザン、ビンフルニン、ZD6126、またはゾスキダルなど)と組み合わせて使用することができる。
実施形態は、さらに、哺乳動物における異常細胞成長の阻害または過剰増殖性障害の処置のための放射線療法と組み合わせて本明細書中に提供した化合物または薬学的組成物を使用する方法に関する。放射線療法の施行技術は当該分野で公知であり、これらの技術を本明細書中に記載の併用療法で使用することができる。この併用療法における本発明の化合物の投与を、本明細書中に記載のように決定することができる。
放射線療法を、いくつかの方法のうちの1つまたは方法の組み合わせ(外照射療法、内部放射線療法、組織内照射、定位手術的照射、全身放射線療法、照射療法および持続性または一時的な組織内小線源治療が含まれるが、これらに限定されない)によって施行することができる。用語「近接照射療法」は、本明細書中で使用する場合、体内の腫瘍または他の増殖性組織の罹患部位またはその付近に挿入された空間的に制限された放射性物質によって送達する放射線療法をいう。この用語は、放射性同位体(例えば、At−211、I−131、I−125、Y−90、Re−186、Re−188、Sm−153、Bi−212、P−32、およびLuの放射性同位体)への曝露が含まれることが意図されるが、これらに制限されない。本発明の細胞調整剤としての使用に適切な放射線源には、固体および液体の両方が含まれる。非限定的な例として、放射線源は、放射性核種(固体線源としてのI−125、I−131、Yb−169、Ir−192、固体線源としてのI−125など)、または光子を放射する他の放射性核種、β粒子、γ線、または他の治療用放射線であり得る。放射性物質はまた、任意の放射性核種溶液(例えば、I−125またはI−131の溶液)から作製した流体であり得るか、放射性流体を、固体放射性核種(Au−198、Y−90など)の小粒子を含む適切な流体のスラリーを使用して生成することができる。さらに、放射性核種を、ゲルまたは放射性ミクロスフェア中に組み入れることができる。
いかなる理論にも制限されないが、本発明の化合物は、異常細胞にかかる細胞の死滅および/または成長阻害を目的とした照射を使用した処置により高い感受性を示させることができる。したがって、本発明は、さらに、哺乳動物中の異常細胞の、照射を使用した処置に対する感受性を増加させる方法であって、本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、または誘導体を、異常細胞の、照射を使用した処置に対する感受性を増加させるのに有効な量で哺乳動物に投与する工程を含む、方法に関する。本方法における化合物、塩、または溶媒和物の量を、有効量のかかる本明細書中に記載の化合物を確認する手段にしたがって決定することができる。
本発明の化合物または薬学的組成物を、一定量の抗血管新生剤、シグナル伝達インヒビター、抗増殖剤、解糖インヒビター、または自食作用インヒビターから選択される1つまたはそれを超える物質と組み合わせて使用することができる。
抗血管新生剤(MMP−2(マトリックス−メタロプロテイナーゼ2)インヒビター、MMP−9(マトリックス−メタロプロテイナーゼ9)インヒビター、およびCOX−11(シクロオキシゲナーゼ11)インヒビターなど)を、本明細書中に記載の本発明の化合物および薬学的組成物と併せて使用することができる。抗血管新生剤には、例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、ソラフェニブ、スニチニブ、およびベバシズマブが含まれる。有用なCOX−IIインヒビターの例には、セレブレックス(商標)(アレコキシブ)、バルデコキシブ、およびロフェコキシブが含まれる。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼインヒビターの例は、WO96/33172号(1996年10月24日公開)、WO96/27583号(1996年3月7日公開)、欧州特許出願第97304971.1号(1997年7月8日出願)、欧州特許出願第99308617.2号(1999年10月29日出願)、WO98/07697号(1998年2月26日公開)、WO98/03516号(1998年1月29日公開)、WO98/34918号(1998年8月13日公開)、WO98/34915号(1998年8月13日公開)、WO98/33768号(1998年8月6日公開)、WO98/30566号(1998年7月16日公開)、欧州特許公開第606,046号(1994年7月13日公開)、欧州特許公開第931,788号(1999年7月28日公開)、WO90/05719号(1990年5月31日公開)、WO99/52910号(1999年10月21日公開)、WO99/52889号(1999年10月21日公開)、WO99/29667号(1999年6月17日公開)、PCT国際出願番号PCT/IB98/01113号(1998年7月21日出願)、欧州特許出願第99302232.1号(1999年3月25日出願)、英国特許出願第9912961.1号(1999年6月3日出願)、米国仮特許出願第60/148,464号(1999年8月12日出願)、米国特許第5,863,949号(1999年1月26日発行)、米国特許第5,861,510号(1999年1月19日発行)、および欧州特許公開第780,386号(1997年6月25日公開)(上記の全文献全体が本明細書中で参考として組み込まれる)に記載されている。好ましいMMP−2インヒビターおよびMMP−9インヒビターは、MMP−1阻害活性をほとんどまたは全く持たないインヒビターである。他のマトリックス−メタロプロテイナーゼ(すなわち、MAP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−ll、MMP−12、およびMMP−13)と比較してMMP−2および/またはAMP−9を選択的に阻害するインヒビターがより好ましい。本発明で有用なMMPインヒビターのいくつかの具体例は、AG−3340、RO32−3555、およびRS13−0830である。
自食作用インヒビターには、クロロキン、3−メチルアデニン、ヒドロキシクロロキン(プラケニル(商標))、バフィロマイシンA1、5−アミノ−4−イミダゾールカルボキサミドリボシド(AICAR)、オカダ酸、タンパク質ホスファターゼ2A型または1型を阻害する自食作用抑制藻類毒素、cAMPのアナログ、およびcAMPレベルを上昇させる薬物(アデノシン、LY204002、N6−メルカプトプリンリボシド、およびビンブラスチンなど)が含まれるが、これらに限定されない。さらに、タンパク質(ATG5(自食作用に関与する)が含まれるが、これらに限定されない)の発現を阻害するアンチセンスまたはsiRNAも使用することができる。
実施形態は、また、一定量の本発明の化合物、あるいはその薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、水和物、または誘導体、またはその同位体標識された誘導体、および一定量の心血管疾患の処置用の1つまたはそれを超える治療薬を含む哺乳動物における心血管疾患の処置のための方法および薬学的組成物に関する。
心血管疾患への使用時に用いる例示的な薬剤は、抗血栓薬(例えば、プロスタサイクリンおよびサリチラート)、血栓溶解剤(例えば、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベーター(TPA)、およびアニソイル化プラスミノゲン−ストレプトキナーゼアクチベーター複合体(APSAC))、抗血小板剤(例えば、アセチル−サリチル酸(ASA)およびクロピドロゲル)、血管拡張剤(例えば、ニトラート)、カルシウムチャネル遮断薬、抗増殖剤(例えば、コルヒチンおよびアルキル化剤)、挿入剤、成長調整因子(インターロイキン、形質転換成長因子−β、および血小板由来成長因子の同類物、成長因子に指向するモノクローナル抗体など)、抗炎症剤(ステロイド性および非ステロイド性の両方)、ならびに血管の緊張、機能、動脈硬化、および介入後の血管または器官の傷害に対する治癒応答を調整することができる他の薬剤である。抗生物質もまた、本発明に含まれる組み合わせ物またはコーティング中に含めることができる。さらに、コーティングを使用して、血管壁内に局所的に治療薬を送達させることができる。膨潤性ポリマー中に活性薬剤を組み込むことにより、ポリマーの膨潤の際に活性薬剤は放出される。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の化合物を、潤滑剤としも公知の液体または固体の組織バリアと併せて製剤化または投与する。組織バリアの例には、ポリサッカリド、ポリグリカン、セプラフィルム、インターシード、およびヒアルロン酸が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の化合物と併せて投与される薬品には、吸入によって有用に送達される任意の適切な薬物(例えば、鎮痛薬(例えば、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニル、またはモルヒネ);アンギナ調製物(例えば、ジルチアゼム);抗アレルギー薬(例えば、クロモグリカート、ケトチフェン、またはネドクロミル);抗感染症薬(例えば、セファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、またはペンタミジン);抗ヒスタミン薬(例えば、メタピリレン;抗炎症薬(例えば、ベクロメタゾン、フルニソリド、ブデソニド、チプレダン、トリアムシノロンアセトニド、またはフルチカゾン);鎮咳薬(例えば、ノスカピン);気管支拡張薬(例えば、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、サルブタモール、サルメテロール、テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、オルシプレナリン、または(−)−4−アミノ−3,5−ジクロロ−α−[[[6−[2−(2−ピリジニル)エトキシ]ヘキシル]−アミノ]メチル]ベンゼンメタノール);利尿薬(例えば、アミロライド);抗コリン作用薬(例えば、イプラトロピウム、アトロピン、またはオキシトロピウム);ホルモン(例えば、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、またはプレドニゾロン);キサンチン(例えば、アミノフィリン、コリンテオフィリナート、リジンテオフィリナート、またはテオフィリン);ならびに治療タンパク質および治療ペプチド(例えば、インスリンまたはグルカゴン))が含まれる。適切な場合には、薬品を、薬品の活性および/または安定性を最適にするために塩の形態(例えば、アルカリ金属塩またはアミン塩としてまたは酸付加塩として)で、またはエステル(例えば、低級アルキルエステル)として、または溶媒和物(例えば、水和物)として使用することが当業者に明らかであろう。
併用療法に有用な他の例示的な治療薬には、上記放射線療法の薬剤、ホルモンアンタゴニスト、ホルモンおよびその放出因子、甲状腺薬および抗甲状腺薬、エストロゲンおよびプロゲスチン、アンドロゲン、副腎皮質刺激ホルモン;副腎皮質ステロイドおよびその合成アナログ;副腎皮質ホルモンの合成および作用、インスリン、経口血糖降下剤、ならびに膵内分泌部の薬理作用のインヒビター、石灰化および骨代謝回転に影響をおよぼす薬剤:カルシウム、ホスファート、副甲状腺ホルモン、ビタミンD、カルシトニン、ビタミン(水溶性ビタミン、ビタミンB複合体、アスコルビン酸、脂溶性ビタミン、ビタミンA、K、およびEなど)、成長因子、サイトカイン、ケモカイン、ムスカリン受容体アゴニストおよびアンタゴニスト;抗コリンエステラーゼ剤;神経筋接合部および/または自律神経節で作用する薬剤;カテコールアミン、交感神経様作用薬、およびアドレナリン作動性受容体のアゴニストまたはアンタゴニスト;ならびに5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT、セロトニン)受容体のアゴニストおよびアンタゴニストが含まれるが、これらに限定されない。
治療薬には、疼痛および炎症のための薬剤(ヒスタミンおよびヒスタミンアンタゴニスト、ブランジキニンおよびブランジキニンアンタゴニスト、5−ヒドロキシトリプタミン(セロトニン)など)、膜リン脂質の選択的加水分解生成物の生体内変換によって生成される脂質物質、エイコサノイド、プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン、アスピリン、非ステロイド性抗炎症剤、鎮痛剤−解熱剤、プロスタグランジンおよびトロンボキサンの合成を阻害する薬剤、誘導型シクロオキシゲナーゼの選択的インヒビター、誘導型シクロオキシゲナーゼ−2の選択的インヒビター、オータコイド、パラクリンホルモン、ソマトスタチン、ガストリン、体液性免疫応答および細胞性免疫応答に関与する相互作用を媒介するサイトカイン、脂質由来オータコイド、エイコサノイド、β−アドレナリン作動性アゴニスト、イプラトロピウム、糖質コルチコイド、メチルキサンチン、ナトリウムチャネル遮断薬、オピオイド受容体アゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、膜安定剤、およびロイコトリエンインヒビターも含まれ得る。
本明細書中で意図されるさらなる治療薬には、利尿薬、バソプレシン、腎臓内の保水に影響を及ぼす薬剤、レンニン、アンギオテンシン、心筋虚血の処置に有用な薬剤、抗高血圧薬、アンギオテンシン変換酵素インヒビター、β−アドレナリン作動性受容体アンタゴニスト、高コレステロール血症処置のための薬剤、および異常脂質血症処置のための薬剤が含まれる。
意図される他の治療薬には、胃液酸度の制御のために使用される薬物、消化性潰瘍処置のための薬剤、胃食道逆流疾患処置のための薬剤、消化管運動促進剤、制吐薬、過敏性腸症候群で使用される薬剤、下痢のために使用される薬剤、便秘のために使用される薬剤、炎症性腸疾患のために使用される薬剤、胆管疾患のために使用される薬剤、膵疾患のために使用される薬剤が含まれる。原生動物感染症を処置するために使用される治療薬、マラリア、アメーバ症、ジアルジア症、トリコモナス症、トリパソノーマ症、および/もしくはリーシュマニア症を処置するために使用される薬物、ならびに/または蠕虫症の化学療法で用いる薬物。他の治療薬には、抗菌剤、スルホンアミド、トリメトプリム−スルファメトキサゾールキノロン、および尿路感染症のための薬剤、ペニシリン、セファロスポリンなど、β−ラクタム抗生物質、アミノグリコシドを含む薬剤、タンパク質合成インヒビター、結核、マイコバクテリウム・アビウム複合体病、および癩病の化学療法で用いる薬物、抗真菌薬、抗ウイルス薬(非レトロウイルス薬および抗レトロウイルス薬が含まれる)が含まれる。
本発明の化合物と組み合わせることができる治療用抗体の例には、抗受容体チロシンキナーゼ抗体(セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ)、抗CD20抗体(リツキシマブ、トシツモマブ)、および他の抗体(アレムツズマブ、ベバシズマブ、およびゲムツズマブなど)が含まれるが、これらに限定されない。
さらに、免疫調節のために使用される治療薬(免疫調節薬、免疫抑制薬、寛容原、および免疫刺激薬など)は、本明細書中の方法で意図される。さらに、血液および血液形成器官に作用する治療薬、造血剤、成長因子、ミネラル、およびビタミン、抗凝固薬、血栓溶解薬、および抗血小板薬。
腎癌の処置のために、本発明の化合物をソラフェニブおよび/またはアバスチンと組み合わせることができる。子宮内膜障害の処置のために、本発明の化合物をドキソルビシン、タキソテール(タキソール)、および/またはシスプラチン(カルボプラチン)と組み合わせることができる。卵巣がんの処置のために、本発明の化合物をシスプラチン(カルボプラチン)、タキソテール、ドキソルビシン、トポテカン、および/またはタモキシフェンと組み合わせることができる。乳がんの処置のために、本発明の化合物をタキソテール(タキソール)、ゲムシタビン(カペシタビン)、タモキシフェン、レトロゾール、タルセバ、ラパチニブ、PD0325901、アバスチン、ハーセプチン、OSI−906、および/またはOSI−930と組み合わせることができる。肺がんの処置のために、本発明の化合物をタキソテール(タキソール)、ゲムシタビン、シスプラチン、ペメトレキセド、タルセバ、PD0325901、および/またはアバスチンと組み合わせることができる。
他の実施形態では、構造(I)の1つまたはそれを超える化合物との併用療法のための方法において有用な薬剤には、エルロチニブ、アファチニブ、イレッサ、GDC0941、MLN1117、BYL719(アルペリシブ)、BKM120(ブパルリシブ(Buparlisib))、CYT387、GLPG0634、バリシチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、パクリチニブ、ルキソリチニブ、TG101348、クリゾチニブ、チバンチニブ、AMG337、カボザンチニブ、フォレチニブ、オナルツズマブ、NVP−AEW541、ダサチニブ、ポナチニブ、サラカチニブ、ボスチニブ、トラメチニブ、セルメチニブ、コビメチニブ、PD0325901、RO5126766、アクシチニブ、ベバシズマブ、ボスチニブ(Bostutinib)、セツキシマブ、クリゾチニブ、ホスタマチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、イブルチニブ、ニロチニブ、パニツムマブ、パゾパニブ、ペガプタニブ、ラニビズマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、SU6656、トラスツズマブ、トファシチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、イリノテカン、タキソール、ドセタキセル、ラパマイシン、またはMLN0128が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の化合物と組み合わせることができるさらなる治療薬は、Goodman and Gilman’s “The Pharmacological Basis of
Therapeutics” Tenth Edition edited by Hardman,Limbird and Gilmanまたはthe Physician’s Desk Reference(共にその全体が本明細書中で参考として組み込まれる)に見出される。
本明細書中に記載の化合物を、処置する状態に応じて、本明細書中に開示の薬剤または他の適切な薬剤と組み合わせて使用することができる。それ故、いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超える本発明の化合物を、上記の他の薬剤と共投与する。併用療法で使用する場合、本明細書中に記載の化合物を、第2の薬剤と同時または個別に投与する。この組み合わせ投与には、同一の剤形中の2つの薬剤の同時投与、個別の剤形中の同時投与、および個別の投与が含まれ得る。すなわち、本明細書中に記載の化合物および任意の上記薬剤は、同一の剤形中で共に製剤化されて、同時に投与することができる。あるいは、個別の製剤中に存在する本発明の化合物および任意の上記薬剤を、同時投与することができる。別の代替的方法では、本発明の化合物の投与直後に任意の上記薬剤を投与するか、その逆を行うことができる。個別投与プロトコールのいくつかの実施形態では、本発明の化合物および任意の上記薬剤を、数分間、数時間、または数日間の間隔をあけて投与する。
以下に提供した実施例および調製は、本発明の化合物およびかかる化合物の調製方法をさらに説明および例示している。本発明の範囲が以下の実施例および調製の範囲に決して制限されないと理解すべきである。以下の実施例中ならびに明細書および特許請求の範囲を通して、単一の立体中心を有する分子は、別途記載がない限り、ラセミ混合物として存在する。2つまたはそれを超える立体中心を有する分子は、別途記載がない限り、ジアステレオマーのラセミ混合物として存在する。単一の鏡像異性体/ジアステレオマーを、当業者に公知の方法によって得ることができる。
以下の実施例は、例示目的で提供される。構造(I)の化合物を調製する方法は当該分野で公知であるか、または当業者によって導き出され得る。
実施例1
化合物の生化学アッセイ
試験化合物を、DMSO(Fisherカタログ番号BP−231−100)中10mMの原液として調製する。KRAS G12C 1−169(hisタグ化タンパク質、GDP負荷)を、緩衝液(20mM Hepes、150mM NaCl、1mM MgCl)で2μMまたは0.5μMに希釈する。化合物を、以下のように活性について試験する。
化合物を、96ウェル保存プレート中でDMSOにて50×最終試験濃度に希釈する。化合物原液を、使用前にボルテックスし、沈殿のあらゆる兆候を注意深く観察する。以下のように希釈する。
・最終化合物濃度を100μMにするために、化合物を5000μM(5μLの10mM化合物原液+5μLのDMSO)に希釈し、ピペッティングによって十分に混合する。
・最終化合物濃度を30μMにするために、化合物を1500μM(3μLの10mM化合物原液+17μLのDMSO)に希釈し、ピペッティングによって十分に混合する。
・最終化合物濃度を10μMにするために、化合物を500μM(2μLの10mM化合物原液+38μLのDMSO)に希釈し、ピペッティングによって十分に混合する。
49μLのタンパク質原液を、96−ウェルPCRプレート(Fisherカタログ番号1423027)の各ウェルに添加する。1μlの50×希釈化合物を、12−チャネルピペッターを使用してPCRプレート中の適切なウェルに添加する。反応物を、200μL多チャネルピペッターを使用したピペットの上下操作によって慎重且つ完全に混合する。プレートを、アルミニウムプレートシールで十分に密封し、引き出しにて室温で10分間、30分間、2時間、または24時間保存する。次いで、5μLの2%ギ酸(Fisherカタログ番号A117)の脱イオン化HO溶液を各ウェルに添加後、ピペットを使用して混合する。次いで、プレートをアルミニウムシールで再度密封し、下記のように分析するまでドライアイス上で保存する。
上記アッセイを、以下の2つの手順のうちの1つにしたがった質量分析によって分析する。
RapidFire/TOFアッセイ:
MS装置を、正極性、分解能2GHz、および低質量(1700)モードに設定し、30分間平衡化する。次いで、装置を較正し、収集モードに切り替え、適切な方法をロードする。
さらに30分間の平衡時間の後、ブランクバッチ(すなわち、緩衝液)で運転して、装置が適切に動作していることを確認する。サンプルを37℃で10分間解凍し、短時間遠心分離し、ベンチトップに移す。ウェルA1およびH12を1μLの500μM内部標準ペプチドでスパイクし、プレートを2000×gで5分間遠心分離する。次いで、方法を実施し、各ウェルの質量を記録する。
各ウェルの質量(積算データが望まれる)をプレートマップにペーストし、分析からエクスポートする。内部標準の質量もエクスポートする。50ppmでのデータを荷電状態+19について抽出し、内部標準スパイクを使用してウェルA1の同一性を割り当て、積算する。ピークデータをTOFリストとしてエクスポートし、上記工程を荷電状態+20、21、22、23、24、および25についてそれぞれ反復する。
Q−Exactiveアッセイ:
KRAS G12Cタンパク質種の質量およびピーク強度を、Q Exactive Plus質量分析計(Thermo Scientific)に接続されたDionex
RSLCナノシステム(Thermo Scientific)を使用して測定する。
20mLの各サンプルを、20%溶媒A(HO中0.1%のギ酸)および80%溶媒B(アセトニトリル中0.1%のギ酸)を用いて40℃、600μLの流量で維持されたAeris(商標)3.6μm WIDEPORE C4 200Å,LC Column 50×2.1mmカラム上にロードする。液体クロマトグラフィの条件は、1分間の20%溶媒B、1.5分間の20%〜60%溶媒B、0.5分間の60%〜90%溶媒、0.2分間の90%溶媒B、0.2分間の90%〜20%溶媒B、次いで、1.6分間の平衡化の後、引き続くサンプルの注入である。流量は、サンプルの分析全体を通して600μLで維持する。
質量分析計を、50ミリ秒の最大注入時間および1×10のAGCターゲットを使用して17500の分解能、5マイクロスキャンのプロファイルモードで動作させ、800〜1850m/zの全質量範囲を記録する。インタクトなタンパク質に対する感度を最大にするために、HCDトラッピングガスを最適化する。イオン化の方法は、4kVのスプレー電圧、50AUに設定されたシースガス流、10AUに設定された補助ガス流および1AUに設定されたスイープガス流を使用した、エレクトロスプレーイオン化である。毛細管イオン移動温度は、320℃であり、S−レンズRFレベルを50電圧に設定する。サンプル中の各タンパク質種の電荷エンベロープの定量的デコンボリューションのために、Protein Deconvolutionソフトウェア(Thermo Scientific)を使用して、各親種(修飾タンパク質または非修飾タンパク質)の質量および強度を決定する。デコンボリュートされたピーク強度に基づいて修飾率を算出する。
他のin vitro分析は以下のとおりである。
細胞成長の阻害:
本発明の化合物がRAS媒介細胞成長を阻害する能力を、以下のように評価し、実証する。野生型RASまたは変異体RASを発現する細胞を、白色透明底96ウェルプレート中に5,000細胞/ウェルの密度でプレートする。細胞を、プレート後約2時間付着させ、その後、本明細書中に開示の化合物を添加する。一定時間後(例えば、24時間、48時間、または72時間の細胞成長後)、細胞増殖を、製造者の指示にしたがってCell Titer Glo試薬(Promega)を使用して総ATP含有量を測定することによって決定する。増殖EC50を、100μMからハーフログ間隔で減少する8点の化合物用量応答の分析によって決定する。
RAS媒介シグナル伝達の阻害:
本明細書中に開示の化合物がRAS媒介シグナル伝達を阻害する能力を、以下のように評価し、実証する。野生型RASまたは変異体RAS(G12C、G12V、もしくはG12Aなど)を発現する細胞を、本発明の化合物を用いるか、用いずに(コントロール細胞)処理する。1つまたはそれを超える本発明の化合物によるRASシグナル伝達の阻害を、コントロール細胞と比較した場合の1つまたはそれを超える本発明の化合物で処理した細胞におけるリン酸化MEK、リン酸化ERK、リン酸化RSKの定常状態レベルおよび/またはRaf結合の減少によって実証する。
上記方法にしたがって、表1の代表的な化合物を試験したところ、KRAS G12Cに共有結合することが見出された。代表的なデータは、表2に提供されている。
Figure 2020521741
実施例2
1−((2R,5S)−4−(7−(3−アミノ−5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンの合成
Figure 2020521741
tert−ブチル(2R,5S)−4−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(3−ヨード−5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)キナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(2−2)
tert−ブチル(2R,5S)−4−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)キナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(2−1)(2.0g、3.82mmol)を含む20mLのDMFの撹拌溶液に、4N KOH水溶液(3.8mL)を添加した。混合物を0℃に冷却した。I(1.94g、7.65mmol)を添加し、室温で4時間撹拌した。混合物を氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、生成物2−2(2.5g、収率100%)を得た。ESI-MS m/z: 651.0 [M+H] +.
tert−ブチル(2R,5S)−4−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(3−ヨード−5−メチル−1−トリチル−1H−インダゾール−4−イル)キナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(2−3)
0℃に冷却した化合物2−2(2.5g、3.84mmol)を含む25mLのTHFの撹拌溶液に、NaH(310mg、7.68mmol)を添加し、0℃で1時間撹拌した。(クロロメタントリイル)トリベンゼン(2.14g、7.68mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物2−3(2.4g、収率70%)を得た。ESI-MS m/z: 893.1 [M+H] +.
tert−ブチル(2R,5S)−4−(6−クロロ−7−(3−((ジフェニルメチレン)アミノ)−5−メチル−1−トリチル−1H−インダゾール−4−イル)−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(2−4)
化合物2−3(2.2g、2.46mmol)、ジフェニルメタンイミン(1.34mmol、7.39mmol)、Xantphos(285mg、0.49mmol)、Pd(dba)(225mg、0.246mmol)およびCsCO(2.4g、7.39mmol)を含むトルエン(40ml)の混合物を一晩還流した。混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物2−4(2.1g、収率90%)を得た。ESI-MS m/z: 946.2 [M+H] +.
1−((2R,5S)−4−(6−クロロ−7−(3−((ジフェニルメチレン)アミノ)−5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(2−5)
化合物2−4(1.3g、1.37mmol)を含むDCM(40mL)の撹拌溶液に、TFA(7.5mL)を滴下により添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。残渣をNaCO(水溶液)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を8mLのTHFに溶解させ、次いで、8mLの2N NaOH(水溶液)を添加した。混合物を0℃に冷却し、塩化アクリロイル(150mg、1.644mmol)を添加し、0℃で20分間撹拌した。混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物2−5(500mg、収率56%)を得た。ESI-MS m/z: 658.2[M+H] +.
1−((2R,5S)−4−(7−(3−アミノ−5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(2−6)
化合物2−5(500mg、0.76mmol)を含む15mLのTHFの溶液に、濃HCl(4.5mL)を室温で添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をNaHCO(水溶液)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物2−6(190mg、収率51%)を得た。ESI-MS m/z: 494 [M+H] +; 1H NMR (400 MHz,DMSO-d6) δ 11.67 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.01(s, 1H), 7.30 (m, 2H), 6.80 (m, 1H), 6.20 (m, 1H), 5.75 (m, 1H), 4.69 (m, 2H),4.00 (m, 5H), 3.90 (m, 1H), 2.00 (m, 3H), 1.20 (m, 6H).
実施例3
1−((2R,5S)−4−(6−クロロ−7−(1,6−ジメチル−1H−インダゾール−7−イル)−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンの合成
Figure 2020521741
(2R,5S)−tert−ブチル4−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(6−メチル−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−7−イル)キナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(3−2)
(2R,5S)−tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(3−1)(1.5g、3.18mmol)および6−メチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2H−インダゾール(1.09g、3.18mmol)を含む1,4−ジオキサン(60mL)およびHO(15mL)の撹拌溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(300mg、0.032mmol)およびNaCO(1.01g、9.54mmol)を添加した。混合物をアルゴンでパージし、アルゴン下、100℃で一晩撹拌した。HO(50mL)を添加し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物3−2(1.48g、収率77%)を得た。ESI-MS m/z: 609.3 [M+H] +.
(2R,5S)−tert−ブチル4−(6−クロロ−8−フルオロ−7−(6−メチル−1H−インダゾール−7−イル)キナゾリン−4イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(3−3)
化合物3−2(1.48g、2.434mmol)を含むMeOH(50mL)の撹拌溶液に、PPTS(1.833g、7.032mmol)を添加した。混合物を還流で2時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をEAおよびNaHCO水溶液で抽出した。溶媒を除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物3−3(1.16g、収率91%)を得た。ESI-MS m/z: 525.35 [M+H] +.
tert−ブチル(2R,5S)−4−(6−クロロ−7−(1,6−ジメチル−1H−インダゾール−7−イル)−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(3−4)
化合物3−3(1.16g、2.21mmol)を含むDMF(20mL)の撹拌溶液に、NaH(176mg、4.42mmol、60%)を0℃で添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、MeI(0.378g、2.66mmol)を混合物に添加した。混合物をさらに30分間撹拌した。混合物を氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を真空中で濃縮して、生成物(1.19g、粗製)を得た。ESI-MS m/z: 539.52[M+H] +.
1−((2R,5S)−4−(6−クロロ−7−(1,6−ジメチル−1H−インダゾール−7−イル)−8−フルオロキナゾリン−4−イル)−2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(3−5)
実施例2の化合物2−5の調製と類似の方法で、3−4から化合物3−5を調製した。ESI-MS m/z: 493.45 [M+H] +.
実施例4
4−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−7−(3,5−ジメチル−1H−インダゾール−4−イル)−8−フルオロキノリン−3−カルボニトリル(12)の合成
Figure 2020521741
メチル(E)−4−ブロモ−5−クロロ−2−(((ジメチルアミノ)メチレン)アミノ)−3−フルオロベンゾエート
2−アミノ−4−ブロモ−5−クロロ−3−フルオロ安息香酸(5g、18.6mmol)をDMF−DMA(30mL)に溶解させ、混合物を一晩加熱還流した。混合物を真空中で濃縮して、DMF−DMAを除去した。NaHCO溶液を添加し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層を真空中で濃縮して、所望の生成物(6.5g、収率100%)を得た。
7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボニトリル
n−BuLi(2.5M、17mL、42.4mmol)を含む乾燥THF(70mL)の撹拌溶液に、アルゴンによる通風を数サイクル行った。CHCN(2.0g、49mmol)を−70℃で滴下により添加し、次いで、−70℃で15分間撹拌した。メチル(E)−4−ブロモ−5−クロロ−2−(((ジメチルアミノ)メチレン)アミノ)−3−フルオロベンゾエート(6.5g、19.6mmol)の溶液を−70℃で滴下により添加し、次いで、−70℃で2時間撹拌した。反応物を30分間かけて10℃に温め、次いで、−70℃に冷却した。CHCOOH(5.9g、98mmol)を−70℃で滴下により添加し、次いで、室温で一晩撹拌した。HO(100mL)を添加し、濾過し、乾燥させて、生成物(2.14g、収率36%)を得た。ESI-MS m/z: 303.5 [M+H] +.
7−ブロモ−4,6−ジクロロ−8−フルオロキノリン−3−カルボニトリル
7−ブロモ−6−クロロ−8−フルオロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボニトリル(5g、18.6mmol)をSOCl(30mL)に溶解させ、DMF(10滴)を添加した。混合物を2時間加熱還流した。混合物を真空中で濃縮し、粗生成物を次の工程で直接使用した。
tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−3−シアノ−8−フルオロキノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
7−ブロモ−4,6−ジクロロ−8−フルオロキノリン−3−カルボニトリルをDMSO(30mL)に溶解させ、次いで、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.29g、6.88mmol)およびDIEA(1.9g、18.8mmol)を添加し、混合物を2時間かけて80℃に加熱した。混合物を真空中で濃縮した。HO(60mL)を添加し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(2g、2段階で収率60%)を得た。ESI-MS m/z: 469.8 [M+H] +.
tert−ブチル4−(6−クロロ−3−シアノ−8−フルオロ−7−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル4−(7−ブロモ−6−クロロ−3−シアノ−8−フルオロキノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(1g、2.12mmol)および(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)ボロン酸(1.87g、10.6mmol)を含む1,4−ジオキサン(30mL)およびHO(7mL)の撹拌溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(245mg、0.212mmol)およびNaCO(674mg、6.36mmol)を添加した。混合物を脱気し、アルゴンを数サイクル再充填し、次いで、100℃で一晩撹拌した。HO(30mL)を添加し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(930mg、収率84%)を得た。ESI-MS m/z: 520.98 [M+H] +.
tert−ブチル4−(6−クロロ−3−シアノ−8−フルオロ−7−(3−ヨード−5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル4−(6−クロロ−3−シアノ−8−フルオロ−7−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(930mg、1.79mmol)を含む20mLのDMFの撹拌溶液に、KOH(301mg、5.37mmol)を0℃で添加した。I2(909mg、3.58mmol)を添加し、室温で4時間撹拌した。混合物を氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。混合物を真空中で濃縮して、所望の生成物(1.07g、収率92%)を得た。ESI-MS m/z: 647.08 [M+H] +.
tert−ブチル4−(6−クロロ−3−シアノ−8−フルオロ−7−(3−ヨード−5−メチル−1−トリチル−1H−インダゾール−4−イル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル4−(6−クロロ−3−シアノ−8−フルオロ−7−(3−ヨード−5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(1.07g、1.65mmol)を含む25mLのTHFの撹拌溶液に、NaH(132mg、3.11mmol)を0℃で添加し、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。(クロロメタントリイル)トリベンゼン(922mg、3.31mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(430mg、収率30%)を得た。ESI-MS m/z: 890.21 [M+H] +.
tert−ブチル4−(6−クロロ−3−シアノ−7−(3,5−ジメチル−1−トリチル−1H−インダゾール−4−イル)−8−フルオロキノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル4−(6−クロロ−3−シアノ−8−フルオロ−7−(3−ヨード−5−メチル−1−トリチル−1H−インダゾール−4−イル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(215mg、0.72mmol)および2,4,6−トリメチル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリボリナン(636mg、3.62mmol)を含むDMF(5mL)の撹拌溶液に、Pd(dppf)Cl(18mg、0.024mmol)およびKPO4(257mg、1.21mmol)を添加した。混合物を脱気し、アルゴンを数サイクル再充填し、次いで、100℃で一晩撹拌した。HO(30mL)を添加し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(180mg、収率95%)を得た。ESI-MS m/z: 778.20 [M+H] +.
4−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−7−(3,5−ジメチル−1H−インダゾール−4−イル)−8−フルオロキノリン−3−カルボニトリル
tert−ブチル4−(6−クロロ−3−シアノ−7−(3,5−ジメチル−1−トリチル−1H−インダゾール−4−イル)−8−フルオロキノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(180mg、0.23mmol)を含むDCM(10mL)の撹拌溶液に、TFA(4mL)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮した。残渣をDCMとNaCO水溶液とに分割した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をTHF(12mL)およびNaOH(2N、0.5mL)に溶解させ、−30℃に冷却し、塩化アクリロイル(35mg、0.28mmol)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、EAで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物(30mg、収率27%)を得た。ESI-MS m/z: 489.15 [M+H] +; 1HNMR (400 MHz,DMSO-d6) δ: 12.80 (s, 1H), 8.92 (s, 1H),8.17 (s, 1H), 7.53 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.8 Hz,1H), 6.92 (d, J =10.4, 16.8 Hz, 1H), 6.21 (dd, J = 2.4, 16.8 Hz, 1H), 5.79-5.75 (m, 1H),3.92-3.78 (m, 8H), 2.12 (s, 3H), 1.79 (s, 3H).
実施例5
4−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−7−(1−シクロプロピル−6−メチル−1H−インダゾール−7−イル)−8−フルオロキノリン−3−カルボニトリルの合成
Figure 2020521741
tert−ブチル4−(6−クロロ−3−シアノ−8−フルオロ−7−(6−メチル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール−7−イル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(5−1)
実施例3の化合物3−2の調製と類似の方法で、化合物4−5から化合物5−1を調製した。ESI-MSm/z: 605.2 [M+H] +.
ttert−ブチル4−(6−クロロ−3−シアノ−8−フルオロ−7−(6−メチル−1H−インダゾール−7−イル)キノリン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(5−2)
実施例3の化合物3−3の調製と類似の方法で、化合物5−1から化合物5−2を調製した。ESI-MS m/z: 521.2 [M+H] +.
tert−ブチル4−(6−クロロ−3−シアノ−7−(1−シクロプロピル−6−メチル−1H−インダゾール−7−イル)−8−フルオロキノリン(luoroquinolin)−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(5−3)
化合物5−2(293mg、0.56mmol)およびシクロプロピルボロン酸(193mg、2.24mmol)を含むDCE(20mL)の撹拌溶液に、Cu(OAc)(208mg、1.12mmol)、2,2’−ビピリジン付加物(174mg、1.12mmol)およびNaCO(237mg、2.24mmol)を添加し、得られた混合物を100℃で一晩撹拌した。HO(30mL)を添加し、次いで、DCMで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(70mg、収率22%)を得た。ESI-MS m/z: 561.2[M+H] +.
4−(4−アクリロイルピペラジン−1−イル)−6−クロロ−7−(1−シクロプロピル−6−メチル−1H−インダゾール−7−イル)−8−フルオロキノリン−3−カルボニトリル(5−4)
実施例3の化合物3−5の調製と類似の方法で、化合物5−3から化合物5−4を調製した。ESI-MS m/z: 515.2 [M+H] +.
本明細書および添付の出願データシートに記載の全ての米国特許、米国特許出願公開公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許文献は、参照として全体が本明細書と矛盾しない程度に本明細書に援用される。
米国仮出願第62/511,159号(2017年5月25日出願)および米国仮出願第62/625,902号(2018年2月2日出願)は、参照として全体が本明細書に援用される。
上記より、例示のために本発明の具体的な実施形態を本明細書に記載しているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な変形を行ってもよいことが理解される。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲による以外には、限定されない。

Claims (42)

  1. 以下の構造(I):
    Figure 2020521741
    (式中、
    およびGは、それぞれ独立して、NまたはCHであり;
    は、結合または−NR−であり;
    は、結合またはアルキレンであり;
    X、YおよびZは、独立して、NまたはCR’であり;
    R’は、各出現において独立して、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルキニル;C〜Cハロアルキル、C〜Cヒドロキシルアルキル、C〜Cシアノアルキル、アルコキシ、アミニルアルキル、アミニルアルキルオキシ、アミニルアルキニル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキニル、アルキルカルボニルアミニル、アミニルアルキルカルボニルアミニル、アミニルカルボニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルカルボニルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル;−NR、C〜Cアルキルホスホリル、C〜Cアルキルホスホリルアミニル、ヘテロアリールアルキルオキシまたはヘテロアリールアルキルアミニルであり、ここで、Rは、HまたはC〜Cアルキルであり、Rは、C〜Cアルキルであり;但し、XおよびZが両方ともNである場合、R’はHまたは−CNであり;
    は、以下の構造:
    Figure 2020521741
    (式中、
    Figure 2020521741
    の各々は、芳香環を表し;
    、A、AおよびAは、それぞれ独立して、CまたはNであり;
    は、N、NH、C(=O)、CR1eまたはNR1e’であり;
    は、N、NH、C(=O)、CR1fまたはNR1f’であり;
    は、N、NH、C(=O)、CR1gまたはNR1g’であり;
    1a、R1b、R1cおよびR1dのうちの1つは、*でマーキングされた炭素への共有結合であり、R1a、R1b、R1cおよびR1dのうちのその他は、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ;シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり;
    1e、R1fおよびR1gは、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキルアミニル、シクロアルキルアミニル、アルキルカルボニルアミニル、ヘテロシクリル、アミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、ならびに
    1e’、R1f’およびR1g’は、それぞれ独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり;
    但し、A、A、AおよびAがそれぞれCであり、BがNHであり、BがNであり、R1a、R1b、R1cおよびR1dのうちの1つがメチルである場合、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R1fおよびR1gのうちの少なくとも1つのその他はHではなく、但し、B、BおよびBのうちの少なくとも1つはNまたはNHであり;
    2a、R2bおよびR2cは、それぞれ独立して、H、アミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルキルアミニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ;シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、アミニルカルボニル、ヘテロアリールまたはアリールであり;
    3aおよびR3bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであるか;またはR3aとR3bとは接合して、オキソ、炭素環式環または複素環式環を形成するか;またはR3aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R3bはR4bと接合して、炭素環式環または複素環式環を形成し;
    4aおよびR4bは、各出現において独立して、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであるか;またはR4aとR4bとは接合して、オキソ、炭素環式環または複素環式環を形成するか;またはR4aは、H、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cカルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルであり、R4bはR3bと接合して、炭素環式環または複素環式環を形成し;
    は、各出現において独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
    およびmは、それぞれ独立して、1、2または3であり;ならびに
    Eは、KRAS、HRASまたはNRAS G12C変異体タンパク質の12位のシステイン残基と共有結合を形成することができる求電子部分であり、
    ここで、アルキル、アルキニル、アルケニル、アルキレン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アルキルアミニル、ハロアルキル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロシクリルアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニル、アミニルカルボニルアルキルならびに炭素環式環および複素環式環の各出現は、特に指定がない限り、1つまたはそれを超える置換基で必要に応じて置換され、ならびに
    但し、X、YおよびZのうちの少なくとも1つはNであり、但し、XおよびZが両方ともNである場合、CR1gはHまたはハロではなく、R1aまたはR1bは、*でマーキングされた炭素への共有結合である)を有する化合物またはその薬学的に許容され得る塩、同位体形態、立体異性体もしくはプロドラッグ。
  2. 以下の構造(I’a):
    Figure 2020521741
    (式中、
    Figure 2020521741
    は、二重結合または三重結合を表し;
    Qは、−C(=O)−、−C(=NR8’)−、−NRC(=O)−、−S(=O)−または−NRS(=O)−であり;
    は、H、C〜Cアルキル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、C〜Cシクロアルキルまたはヘテロシクリルアルキルであり;
    8’は、H、−OH、−CNまたはC〜Cアルキルであり;
    Figure 2020521741
    が二重結合である場合、RおよびR10は、それぞれ独立して、H、ハロ、シアノ、カルボキシル、C〜Cアルキル、アルコキシカルボニル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヒドロキシルアルキルであるか、またはRとR10とは接合して、炭素環式環、複素環式環またはヘテロアリール環を形成し;ならびに
    Figure 2020521741
    が三重結合である場合、Rは存在せず、R10は、H、C〜Cアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキルまたはヒドロキシルアルキルであり、
    ここで、アルキル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アルコキシカルボニル、ヘテロアリールならびに炭素環式環、複素環式環およびヘテロアリール環の各出現は、特に指定がない限り、1つまたはそれを超える置換基で必要に応じて置換される)を有する、請求項1に記載の化合物。
  3. 以下の構造(I’b)、(I’c)、(I’d)または(I’e):
    Figure 2020521741
    Figure 2020521741
    のうちの1つを有する、請求項2に記載の化合物。
  4. が、以下の構造:
    Figure 2020521741
    (但し、R1bがメチルである場合、R1c、R1d、R1e、R1fおよびR1gのうちの少なくとも1つはHではない)を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. がNHであり、BがNであり、BがCR1gである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. がNHであり、BがCR1fであり、BがCR1gである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  7. がCR1eであり、BがCR1fであり、BがNHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  8. がCR1eであり、BがNであり、BがNHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  9. がNであり、BがCR1fであり、BがNHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  10. 1a、R1b、R1cおよびR1dのうちの前記その他、ならびにR1e、R1fおよびR1gの各々が、それぞれ独立して、H、アミノ、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アルキルアミニルまたはシクロアルキルである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 1a、R1b、R1cおよびR1dのうちのその他、ならびにR1e、R1fおよびR1gの各々が、それぞれ独立して、H、アミノ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、メチル、メチルアミニルまたはシクロプロピルである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  12. が、以下の構造:
    Figure 2020521741
    Figure 2020521741
    のうちの1つを有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. 2cがHである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 2aおよびR2bが、それぞれ独立して、ハロ、ハロアルキル、アルキルまたはアルコキシである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. 2aがフルオロ、クロロまたはメトキシである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. 2bがクロロ、フルオロまたはCFである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
  17. 2aがフルオロであり、R2bがクロロである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
  18. XがC−CNであり、YがCHであり、ZがNである、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
  19. XがCHであり、YがNであり、ZがNである、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
  20. XがNであり、YがCHであり、ZがCHである、請求項19に記載の化合物。
  21. 3a、R3b、R4aおよびR4bの各々が、各出現において、Hである、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物。
  22. 3a、R3b、R4aおよびR4bのうちの少なくとも1つがHではない、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物。
  23. 3a、R3b、R4aおよびR4bのうちの少なくとも2つがHではない、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物。
  24. 以下の構造:
    Figure 2020521741
    Figure 2020521741
    (式中、R3aおよびR4aは、独立して、−OH、−NH、−COH、ハロ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキニル、ヒドロキシルアルキル、アルコキシアルキル、アミニルアルキル、アルキルアミニルアルキル、シアノアルキル、カルボキシアルキル、アミニルカルボニルアルキルまたはアミニルカルボニルである)のうちの1つを有する、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物。
  25. 3a、R3b、R4aおよびR4bのうちの1つがC〜Cアルキルである、請求項24に記載の化合物。
  26. 3a、R3b、R4aおよびR4bのうちの2つがC〜Cアルキルである、請求項25に記載の化合物。
  27. 〜Cアルキルがメチルである、請求項25または26に記載の化合物。
  28. Qが−C(=O)−である、請求項2〜27のいずれか1項に記載の化合物。
  29. Eが、以下の構造:
    Figure 2020521741
    のうちの1つを有する、請求項1〜28のいずれか1項に記載の化合物。
  30. Eが、
    Figure 2020521741
    である、請求項29に記載の化合物。
  31. が結合である、請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物。
  32. が結合である、請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物。
  33. 表1の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物。
  34. 請求項1〜33のいずれか1項に記載の実質的に精製されたアトロプ異性体。
  35. 請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容され得るキャリアを含む、薬学的組成物。
  36. がんを処置するための方法であって、有効量の請求項35に記載の薬学的組成物をがんの処置を必要とする被験体に投与する工程を含む、方法。
  37. 前記がんが、KRAS G12C、HRAS G12CまたはNRAS G12C変異によって媒介される、請求項36に記載の方法。
  38. 前記がんが、血液がん、膵臓がん、MYH関連ポリープ、結腸直腸がんまたは肺がんである、請求項36に記載の方法。
  39. 腫瘍転移を阻害するための方法であって、有効量の請求項35に記載の薬学的組成物を腫瘍転移の阻害を必要とする被験体に投与する工程を含む、方法。
  40. がんの処置を必要とする被験体におけるがんを処置するための方法において使用するための、請求項35に記載の薬学的組成物。
  41. 前記がんが、KRAS G12C、HRAS G12CまたはNRAS G12C変異によって媒介される、請求項40に記載の薬学的組成物。
  42. 前記がんが、血液がん、膵臓がん、MYH関連ポリープ、結腸直腸がんまたは肺がんである、請求項40に記載の薬学的組成物。

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