JP2020500999A - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020500999A
JP2020500999A JP2019531330A JP2019531330A JP2020500999A JP 2020500999 A JP2020500999 A JP 2020500999A JP 2019531330 A JP2019531330 A JP 2019531330A JP 2019531330 A JP2019531330 A JP 2019531330A JP 2020500999 A JP2020500999 A JP 2020500999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
amide compound
polyarylene sulfide
alkali metal
molar ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019531330A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6987426B2 (ja
Inventor
グォンス・チョン
ジュン・ジン・ハン
ウンジュ・パク
ヒョン・ウ・リュ
Original Assignee
エルジー・ケム・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エルジー・ケム・リミテッド filed Critical エルジー・ケム・リミテッド
Publication of JP2020500999A publication Critical patent/JP2020500999A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6987426B2 publication Critical patent/JP6987426B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • C08G75/025Preparatory processes
    • C08G75/0259Preparatory processes metal hydrogensulfides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • C08G75/0209Polyarylenethioethers derived from monomers containing one aromatic ring
    • C08G75/0213Polyarylenethioethers derived from monomers containing one aromatic ring containing elements other than carbon, hydrogen or sulfur
    • C08G75/0222Polyarylenethioethers derived from monomers containing one aromatic ring containing elements other than carbon, hydrogen or sulfur containing nitrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • C08G75/025Preparatory processes
    • C08G75/0254Preparatory processes using metal sulfides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • C08G75/0277Post-polymerisation treatment
    • C08G75/0281Recovery or purification

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

本発明では、粘度等級(viscosity grade)の制御が容易なポリアリーレンスルフィドの製造方法が提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月15日付韓国特許出願第10−2017−0060149号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、粘度等級(viscosity grade)の制御が容易なポリアリーレンスルフィドの製造方法に関する。
ポリフェニレンスルフィド(Polyphenylene sulfide;PPS)に代表されるポリアリーレンスルフィド(Polyarylene sulfide、PAS)は、優れた強度、耐熱性、難燃性および加工性により自動車、電気・電子製品、機械類などで金属、特にアルミニウムや亜鉛のようなダイカスト(die casting)金属を代替する素材として幅広く用いられている。特にPPS樹脂の場合、流動性がよいため、ガラス繊維などのフィラーや補強剤と混練してコンパウンドとして用いるのに有利である。
通常、PASは、N−メチルピロリドン(NMP)のような極性有機化合物の存在下の重合条件で硫黄供給源とジハロゲン化芳香族化合物を重合反応させて製造されており、選択的にアルカリ金属塩のような分子量改質剤がさらに用いられたりもする。このような重合反応の結果で得られる反応生成物は、水相および有機相を含み、生成されたPASは主に有機相に溶解されて含まれる。これによって、生成されたPASの分離のための工程が追加的に行われるが、主に反応生成物を冷却してPASを析出させる方法が利用される。
具体的に前記冷却方法としては、反応生成物の圧力を減少させて極性有機化合物を急速に蒸発させるか、または反応生成物により多い極性有機化合物を添加して冷却させる方法が用いられてもよく、冷却方法に応じて析出されるPASのバルク特性、形態、または粒子大きさなどが変わり得る。
重合反応の終結時点での他の冷却方法としては、反応生成物に水を添加して重合反応を冷却または急冷させることである。水急冷は極性有機化合物を利用した急冷と比較して、より大きい粒子大きさのPASを生成し、これは重合反応で形成された残留塩またはスライム(slime)のような比較的に小さい粒子大きさを有する副反応固体成分からPASの分離を容易にする。しかし、水急冷時に過度に多い水が用いられる場合、PAS粒子大きさが下位ストリーム分離/取り扱い装置に比べて過度に大きくなって装置損傷または作動停止、オフースペックのPAS製造およびPASの汚染などを招く恐れがある。反面、過度に少ない水が用いられる場合、PAS粒子大きさが過度に小さくなり、PASが分離された副反応生成物のストリームと共に抜け出るPASの損失を招く恐れがある。したがって、冷却液の量または類型が正確でない場合、冷却の間に析出されるPAS粒子の粒子大きさを制御することは容易でない。
なお、生成されるPASの特性に影響を与えることは添加された冷却溶液の量だけでなく、反応系内に存在する全体水の量である。
しかし、反応器に流入される供給原料の上位ストリーム脱水工程が効率的でない場合、反応系内の水を予測することも難しく、反応時間も増える。そのような場合、反応系内のPASの特性は急冷直前まで予測することができない。
これによって、重合反応系内に存在する水の量を測定し、これからより正確な冷却溶媒の量を決定できる方法の開発が要求されており、ひいては、重合反応系内に存在する水の量と冷却溶媒量の制御を通じて得られるPASの物性、特にPASの多様な分野への適用の可能性を高めるための粘度等級を容易に制御することができる方法に対する開発が要求されている。
本発明の目的は、前記問題点を解決して粘度等級の調節が容易なポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供することにある。
本発明の一実施形態によれば、アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物を、水およびアミド系化合物の混合溶媒中でアルカリ金属の有機酸塩の存在下で反応させた後、脱水して、アルカリ金属の硫化物、および水とアミド系化合物の混合溶媒を含む硫黄供給源を準備する第1段階;および前記硫黄供給源にジハロゲン化芳香族化合物およびアミド系化合物を添加し、重合反応させる第2段階を含み、前記段階2におけるアミド系化合物は、重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水のモル比(水/アミド系化合物のモル比)が0.85以上になるようにする含有量で添加される、0.1乃至150Pa・Sの溶融粘度を有するポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供する。
本発明によるポリアリーレンスルフィドの製造方法により製造されるポリアリーレンスルフィドの粘度等級を容易に制御することができる。
また、前記製造方法を利用して製造されたポリアリーレンスルフィドは、制御された粘度特性と共に優れた流動性を有し、フィラーや補強剤に対して向上した混和性を示すことができ、その結果、自動車、電気電子製品または機械部品での金属代替用成形品の製造、特に優れた機械的特性が要求される自動車ランプ用リフレクター(Reflector)またはベースプレート(base plate)などの製造に有用になり得る。
試験例2で重合反応系内のHO/NMPのモル比によるポリフェニレンスルフィドの溶融粘度変化を観察したグラフである。
以下、本発明をより具体的に説明する。また、本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるところ、特定の実施例を例示して下記で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
また本発明の明細書で用いられる「含む」の意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素および/または成分を具体化し、他の特性、領域、整数、段階、動作、要素および/または成分の存在や付加を除外させるのではない。
以下、発明の具体的な実施形態によるポリアリーレンスルフィドの製造方法と、これを利用して製造したポリアリーレンスルフィドおよびこれを含む成形品などについて説明する。
通常、ポリフェニレンスルフィドを始めとするポリアリーレンスルフィドの場合、製造工程中には分子量を確認しにくいため、反応が完了し、乾燥させた後に粘度を測定する。そのため、粘度等級の制御が容易でない。
これに対して本発明では水とアミド系化合物の混合溶媒中での硫黄供給源とジハロゲン化芳香族化合物の重合反応によるポリアリーレンスルフィドの製造時、重合反応系内に存在する水/アミド系化合物の比率が最終製造されるポリアリーレンスルフィドの溶融粘度と相関関係があることを見出し、硫黄供給源の製造時、脱水工程中に得られた脱水液内の水とアミド系化合物の量をガスクロマトグラフィー(GC)分析を通じて確認後、重合反応系内に存在する水/アミド系化合物の比率を最適化することによって、所望の粘度等級を有するポリアリーレンスルフィドを容易に製造することができる製造方法を提供する。
具体的に、本発明の一実施形態によるポリアリーレンスルフィドの製造方法は、
アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物を、水およびアミド系化合物の混合溶媒中でアルカリ金属の有機酸塩の存在下で反応させた後、脱水して、アルカリ金属の硫化物、および水とアミド系化合物の混合溶媒を含む硫黄供給源を準備する第1段階;および
前記硫黄供給源にジハロゲン化芳香族化合物およびアミド系化合物を添加し、重合反応させる第2段階を含み、
前記段階2におけるアミド系化合物は、重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水のモル比(水/アミド系化合物のモル比)が0.85以上になるようにする含有量で添加される。
以下、各段階別に詳細に説明すると、本発明の一実施形態による前記ポリアリーレンスルフィドの製造方法において、段階1は硫黄供給源を準備する段階である。
前記硫黄供給源は、アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物を、水およびアミド系化合物の混合溶媒中で反応させた後、脱水して製造されたものであって、前記アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物の反応により生成されたアルカリ金属の硫化物と共に、脱水されずに残留する水とアミド系化合物の混合溶媒を含んでもよい。
前記硫黄供給源内に含まれるアルカリ金属の硫化物は、製造反応時に用いられるアルカリ金属の水硫化物の種類により決定され、具体的な例としては硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウムまたは硫化セリウムなどが挙げられ、これらのうちいずれか一または二以上の混合物が含まれてもよい。
また、前記アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物の反応による硫黄供給源の製造時、使用可能なアルカリ金属の水硫化物の具体的な例としては、硫化水素リチウム、硫化水素ナトリウム、硫化水素カリウム、硫化水素ルビジウムまたは硫化水素セシウムなどが挙げられる。これらのうちいずれか一または二以上の混合物が用いられてもよく、これらの無水物または水和物も使用可能である。
また、前記アルカリ金属の水酸化物の具体的な例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、または水酸化セシウムなどが挙げられ、これらのうちいずれか一または二以上の混合物が用いられてもよい。前記アルカリ金属の水酸化物は、前記アルカリ金属の水硫化物1当量に対して0.90乃至2.0の当量比、より具体的には1.0乃至1.5の当量比、さらに具体的には1.0乃至1.1の当量比で用いられてもよい。前記当量比で用いられる時、より優れた効率にアルカリ金属の硫化物を生成することができる。
一方、本発明において、当量はモル当り量(eq/mol)を意味する。
また、前記アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物の反応による硫黄供給源の製造時、重合調剤として重合反応を促進させて短時間内にポリアリーレンスルフィドの重合度を高めることができるアルカリ金属の有機酸塩が投入されてもよい。前記アルカリ金属の有機酸塩の具体的な例としては、酢酸リチウム、または酢酸ナトリウムなどが挙げられ、これらのうちいずれか一または二以上の混合物が用いられてもよい。前記アルカリ金属の有機酸塩は、アルカリ金属の水硫化物1当量に対して0.01乃至1.0、より具体的には0.01乃至0.8、さらに具体的には0.05乃至0.5の当量比で用いられてもよい。前記当量比で用いられる場合、より優れた効率にアルカリ金属の硫化物を生成することができる。
また、前記アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物の反応は、水とアミド系化合物の混合溶媒中で行われてもよいが、この時、前記アミド系化合物の具体的な例としては、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド化合物;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)またはN−シクロヘキシル−2−ピロリドンなどのピロリドン化合物;N−メチル−ε−カプロラクラムなどのカプロラクラム化合物;1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンなどのイミダゾリジノン化合物;テトラメチル尿素などの尿素化合物;またはヘキサメチルリン酸トリアミドなどのリン酸アミド化合物などが挙げられ、これらのうちいずれか一または二以上の混合物が用いられてもよい。この中でも反応効率向上およびポリアリーレンスルフィドの製造のための重合時に重合溶媒としての共溶媒効果を得ることができるという点で前記アミド系化合物は、より具体的にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)であってもよい。
また、前記混合溶媒中の水は、前記アミド系化合物1当量に対して1乃至8の当量比で用いられてもよく、より具体的には1.5乃至5、さらに具体的には2.5乃至4.5の当量比で用いられてもよい。前記当量比で用いられる時、ポリアリーレンスルフィドの製造のための重合反応系内のアミド系化合物の含有量制御が容易であり、また後続の脱水工程時の時間を適切に制御することができる。
前記のようなアルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物の反応結果として、アルカリ金属の硫化物が水とアミド系化合物の混合溶媒中に固相で析出される。また結果の反応生成物中には未反応のアルカリ金属の水硫化物が一部残留することもある。これによって、本発明によるポリアリーレンスルフィドの製造時、硫黄供給源として、前記アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物を反応させて製造した硫黄供給源が用いられる場合、硫黄供給源のモル比は反応結果として析出されたアルカリ金属の硫化物と、未反応のアルカリ金属水硫化物の総モル比を意味する。
次に、前記反応の結果として生成されたアルカリ金属の硫化物を含む反応生成物中の水などの溶媒を除去するための脱水工程が行われる。
前記脱水工程の間に水と共にアミド系化合物の一部が排出され、また硫黄供給源内に含まれている一部の硫黄が脱水工程の間の熱により水と反応して硫化水素気体として揮散されることがある。またこの時、前記硫化水素と同一のモルのアルカリ金属の水酸化物が生成されることもあり得る。
本発明の一実施形態によるポリアリーレンスルフィドの製造方法において、ポリアリーレンスルフィドの製造のための硫黄供給源とジハロゲン化芳香族化合物の重合反応時、重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水のモル比は多様な要因により影響を受けることができるが、この中でも特に硫黄供給源としてアルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物を反応させて製造したものを用いる場合、脱水工程後の結果として得られる硫黄供給源内の水とアミド系化合物の含有量による影響が大きい。この時、前記脱水工程後の結果として得られる硫黄供給源内の水とアミド系化合物の含有量は、前記脱水工程により排出される脱水液中のアミド系化合物の濃度をガスクロマトグラフィー分析することによって、脱水されずに残った残留物中のアミド系化合物および水の含有量を推定することができる。
しかし、従来の脱水工程はカラム(column)を利用した分別蒸留により行われたため、除去される水とアミド系化合物の含有量比の制御に多くの時間がかかった。
これに対して、本発明における脱水工程は、カラムを使用せず、加熱温度および脱水速度を調節することによって行われ、脱水液中に含まれるアミド系化合物が15乃至40体積%、より具体的には25乃至30体積%になるように行われてもよい。
具体的に、前記脱水工程は、130乃至205℃の温度範囲で、100乃至500rpmの速度で攪拌して、排出される脱水液中に含まれているアミド系化合物の濃度が脱水液の総体積に対して15乃至40体積%になるようにする条件で行われてもよい。前記条件で脱水工程が行われる時、硫黄供給源内に残留する水とアミド系化合物の含有量に対する予測および制御が容易であり、その結果、以降重合反応時に重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水のモル比制御およびこれによる最終製造されるポリアリーレンスルフィドの粘度等級の制御が容易である。より具体的には175乃至200℃の温度範囲で100乃至300rpmの速度で攪拌して、脱水液中に含まれているアミド系化合物の濃度が脱水液の総体積に対して25乃至30体積%になるようにする条件で行われてもよい。
また、前記脱水工程の間に硫黄供給源内に含まれている硫黄が水と反応して硫化水素とアルカリ金属水酸化物が生成され、生成された硫化水素は揮散されるため、脱水工程の間に系外に揮散する硫化水素により脱水工程後に系内に残存する硫黄供給源中の硫黄の量は減少され得る。一例として、アルカリ金属水硫化物を主成分とする硫黄供給源を用いる場合、脱水工程後に系内に残存する硫黄の量は、投入した硫黄供給源内の硫黄のモル量から系外に揮散した硫化水素のモル量を引いた値と同一である。これによって、系外に揮散した硫化水素の量から脱水工程後に系内に残存する硫黄供給源中に含まれている有効硫黄の量を定量することが必要である。
具体的に、前記脱水工程は、硫黄供給源、つまり、脱水後に残存混合物内に存在する有効硫黄1モルに対して水が1乃至5のモル比になるまで行われてもよく、より具体的に本発明による溶融粘度を有するポリアリーレンスルフィドの製造のためには残存混合物内に存在する有効硫黄1モルに対して水が2.5乃至3.5のモル比、さらに具体的には2.7乃至3.3のモル比になるまで行われてもよい。前記脱水工程により硫黄供給源内の水分量が過度に減少する場合には重合工程に先立ち、水を添加して水分量を調節することができる。
これによって、前記のようなアルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物の反応および脱水により製造された硫黄供給源は、アルカリ金属の硫化物と共に、水およびアミド系化合物の混合溶媒を含んでもよく、前記水は硫黄供給源内に含まれている硫黄1モルに対して2.5乃至3.5のモル比で含まれてもよい。硫黄供給源内の水の含有量が前記範囲内を充足する時、重合反応系内の水とアミド系溶媒比の最適化を通じて本発明で定義している溶融粘度を有するポリアリーレンスルフィドを製造することができる。より具体的には前記水は硫黄供給源内に含まれている硫黄1モルに対して2.7乃至3.3のモル比で含まれてもよい。
また、前記硫黄供給源は、硫黄と水の反応により生成されたアルカリ金属の水酸化物をさらに含んでもよい。
次に、本発明の一実施形態による前記ポリアリーレンスルフィドの製造方法において、段階2は、前記段階1で製造した硫黄供給源をジハロゲン化芳香族化合物と重合反応させてポリアリーレンスルフィドを製造する段階である。
前記ポリアリーレンスルフィドの製造のために使用可能なジハロゲン化芳香族化合物は、芳香族環での二つの水素がハロゲン原子で置換された化合物であって、具体的な例としては、o−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、p−ジハロベンゼン、ジハロトルエン、ジハロナフタレン、ジハロビフェニル、ジハロ安息香酸、ジハロジフェニルエーテル、ジハロジフェニルスルホン、ジハロジフェニルスルホキシドまたはジハロジフェニルケトンなどが挙げられ、これらのうちいずれか一または二以上の混合物が用いられてもよい。前記ジハロゲン化芳香族化合物において、ハロゲン原子はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であってもよい。この中でもポリアリーレンスルフィドの製造時、反応性および副反応生成減少効果などを考慮する時、p−ジクロロベンゼン(p−DCB)が用いられてもよい。
前記ジハロゲン化芳香族化合物は、0.8乃至1.2の当量で投入されてもよい。前記含有量範囲内に投入される場合、製造されるポリアリーレンスルフィドの溶融粘度低下およびポリアリーレンスルフィド内に存在するクロリン含有量の増加に対する恐れなしに、優れた物性的特徴を有するポリアリーレンスルフィドを製造することができる。硫黄供給源とジハロゲン化芳香族化合物の添加量制御による改善効果の優秀さを考慮する時、より具体的にはジハロゲン化芳香族化合物は、0.8乃至1.1の当量で投入されてもよい。
また、前記硫黄供給源とジハロゲン化芳香族化合物の重合反応は、非プロトン性極性有機溶媒であって、高温でアルカリに対して安定したアミド系化合物の溶媒中で行われてもよい。
前記アミド系化合物の具体的な例は前述したとおりであり、例示した化合物の中でも優れた反応効率などを考慮する時、より具体的に前記アミド系化合物は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)またはN−シクロヘキシル−2−ピロリドンなどのピロリドン化合物であってもよい。
また、前記段階1で製造した硫黄供給源中に含まれているアミド系化合物が共溶媒として作用することができるため、段階2で添加されるアミド系化合物は、重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水(HO)のモル比(水/アミド系化合物のモル比)が0.85以上になるようにする量で添加されてもよい。
研究結果、硫黄供給源とジハロゲン化芳香族化合物との重合反応系内に存在する水およびアミド系化合物の量は最終製造されるポリアリーレンスルフィドの溶融粘度に影響を与え、アミド系化合物に対する水のモル比が減少するほどポリアリーレンスルフィドの溶融粘度が増加した。これは反応後に水を利用してポリアリーレンスルフィドを相分離させるが、この時、水の含有量が低いほど高分子化されるためである。従来の重合反応終結段階で重合反応物に水を添加して冷却させる時、水の投入量がポリアリーレンスルフィドの粒子大きさに影響を与えることは知られているが、重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水のモル比がポリアリーレンスルフィドの溶融粘度に影響を与えることに対しては知られたことがない。
具体的に、重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水のモル比が0.85以上である時、0.1乃至150Pa・Sの溶融粘度を有するポリアリーレンスルフィドの製造が可能であり、ひいては重量平均分子量(Mw)が5,000乃至30,000g/molであってもよい。もし重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水のモル比が0.85未満であれば、前記溶融粘度を有するポリアリーレンスルフィドの製造が難しい。より具体的には、アミド系化合物に対する水のモル比が0.85乃至1.3である時、20乃至150Pa・Sの溶融粘度および10,000乃至30,000g/molのMwを有するポリアリーレンスルフィドの製造が、さらに具体的にアミド系化合物に対する水のモル比が1.0超過、1.3以下である時、20Pa・S以上、50Pa・S未満の溶融粘度および15,000乃至20,000g/molのMwを有するポリアリーレンスルフィドが、そしてアミド系化合物に対する水のモル比が0.85乃至1.0である時、50乃至150Pa・Sの溶融粘度および20,000g/mol超過、30,000g/mol以下のMwを有するポリアリーレンスルフィドの製造が可能である。
本発明においてポリアリーレンスルフィドの溶融粘度は、ストレインタイプレオメーター(strain−type rheometer)を周波数掃引(frequency sweeping)方式を利用して角周波数(angular frequency)を0.1rad/sから100rad/sまで変化させながら300℃で測定した値である。
また、本発明において、ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量は、前記で測定した0.1rad/sの溶融粘度値を利用して下記数式1により計算することができる。
[数式1]
重量平均分子量(Mw)=10^((LOG(溶融粘度値)+12.20468)/3.48067)
また、前記重合反応時、分子量調節剤、架橋剤など重合反応や分子量を調節するためのその他添加剤が最終製造されるポリアリーレンスルフィドの物性および製造収率を低下させない範囲内の含有量でさらに添加されることもできる。
前記硫黄供給源とジハロゲン化芳香族化合物の重合反応は、200乃至300℃で行われてもよい。また前記温度範囲内で温度を変化させて多段階に行われることもできる。具体的には200℃以上250℃未満での1次重合反応後、連続して1次重合反応時の温度よりも高い温度で、具体的には250℃乃至300℃で2次重合反応が行われてもよい。
前記重合反応の結果として生成された反応生成物は、水相と有機相に分離されており、この時、有機相中に重合反応物であるポリアリーレンスルフィドが溶解されて含まれる。これによって製造されたポリアリーレンスルフィドの析出および分離のための工程が選択的にさらに行われてもよい。
具体的に、前記ポリアリーレンスルフィドの析出は、硫黄1当量に対して水を3乃至5の当量比で添加して冷却することによって行われてもよい。前記含有量範囲に水が添加される時、優れた効率にポリアリーレンスルフィドを析出することができる。
以降、析出されたポリアリーレンスルフィドに対しては通常の方法により洗浄および濾過乾燥工程が選択的にさらに行われてもよい。
前記のような本発明の一実施形態によるポリアリーレンスルフィドの製造方法により多様な溶融粘度を有するポリアリーレンスルフィドを容易に製造することができる。
具体的には、前記製造方法により製造されるポリアリーレンスルフィドは、0.1乃至150Pa・Sの溶融粘度を有し、この時、重量平均分子量(Mw)が5,000乃至30,000g/molであってもよい。より具体的には20乃至150Pa・Sの溶融粘度および10,000乃至30,000g/molのMwを有してもよく、水とアミド系化合物の混合モル比の最適化により20Pa・S以上、50Pa・S未満の溶融粘度および15,000乃至20,000g/molのMwを有するか、または50乃至150Pa・Sの溶融粘度および20,000g/mol超過、30,000g/mol以下のMwを有するものであってもよい。
このように製造されたポリアリーレンスルフィドは、優れた流動性を示してフィラーや補強剤に対して向上した混和性を示すことができ、その結果、自動車、電気電子製品または機械部品での金属代替用成形品の製造、特に優れた機械的特性が要求される自動車ランプ用リフレクター(Reflector)またはベースプレート(base plate)の製造に有用になり得る。
以下、発明の具体的な実施例を通じて発明の作用、効果をより具体的に説明する。ただし、これは発明の例示として提示されたものであり、これによって発明の権利範囲が如何なる意味にも限定されるのではない。
実施例1
1.01当量の硫化水素ナトリウム(NaSH)と1.06当量の水酸化ナトリウム(NaOH)を反応器内で混合して硫化ナトリウム(NaS)を製造した。この時、0.44当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)および6.72当量の蒸溜水を前記反応器に添加した。
前記反応器を150rpmで攪拌しながら190℃まで1時間加熱し、脱水して残存混合物を硫黄供給源として得た。この時、ガスクロマトグラフィーで測定した脱水液中のNMP濃度(v/v%)は26.3%であり、残存混合物内でのHO/Sのモル比は2.77と計算された。
温度下降なしに1.00当量のパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)と1.65当量のNMPを前記反応器に添加し、結果の混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させ、再び250℃まで加熱してさらに2時間反応させた。この時、重合反応系内に存在するHO/NMPのモル比は0.95と計算された。
反応終了後、前記反応器内に存在する硫黄1当量に対して3当量比の蒸溜水を反応器内に添加し、40分間攪拌して結果物を回収した。結果物を蒸溜水とNMPの混合液(混合体積比=1:1)、および蒸溜水を利用して順次に洗浄した後に濾過し、次いで、100℃で10分間NMPで洗浄した後に濾過し、また0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄した後に濾過し、再び100℃で10分間蒸溜水で濾過する工程を行ってポリフェニレンスルフィドを回収した。
実施例2
1.01当量のNaSHと1.06当量のNaOHを反応器内で混合してNaSを製造した。この時、0.33当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のNMP、および4.72当量の蒸溜水を前記反応器に添加した。
前記反応器を150rpmで攪拌しながら190℃まで1時間加熱し、脱水して残存混合物を硫黄供給源として得た。この時、ガスクロマトグラフィーで測定した脱水液のNMP濃度(v/v%)は27%であり、前記残存混合物内でのHO/Sのモル比は3.02と計算された。
温度下降なしに1.00当量のp−DCBと1.65当量のNMPを反応器に添加し、結果の混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱してさらに2時間反応させた。この時、重合反応系内に存在するHO/NMPのモル比は0.99と計算された。
反応終了後、反応器に硫黄1当量に対して3当量比の蒸溜水を添加し、40分間攪拌して結果物を回収した。結果物を蒸溜水とNMPの混合液(混合体積比=1:1)、および蒸溜水を利用して順次に洗浄した後に濾過し、次いで、100℃で10分間NMPで洗浄した後に濾過し、また0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄した後に濾過し、再び100℃で10分間蒸溜水で濾過する工程を行ってポリフェニレンスルフィドを回収した。
実施例3
1.01当量のNaSHと1.06当量のNaOHを反応器内で混合してNaSを製造した。この時、0.44当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のNMP、および6.72当量の蒸溜水を前記反応器に添加した。
前記反応器を150rpmで攪拌しながら190℃まで1時間加熱し、脱水して残存混合物を硫黄供給源として得た。この時、ガスクロマトグラフィーで測定した脱水液のNMP濃度(v/v%)は30.0%であり、前記残存混合物内でのHO/Sのモル比は3.03と計算された。
温度下降なしに1.00当量のp−DCBと1.65当量のNMPを反応器に添加し、結果の混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱してさらに2時間反応させた。この時、重合反応系内に存在するHO/NMPのモル比は1.07と計算された。
反応終了後、反応器に硫黄1当量に対して5当量比の蒸溜水を添加し、40分間攪拌して結果物を回収した。結果物を蒸溜水とNMPの混合液(混合体積比=1:1)、および蒸溜水を利用して順次に洗浄した後に濾過し、次いで、100℃で10分間NMPで洗浄した後に濾過し、また0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄した後に濾過し、再び100℃で10分間蒸溜水で濾過する工程を行ってポリフェニレンスルフィドを回収した。
実施例4
1.01当量のNaSHと1.06当量のNaOHを反応器で混合してNaSを製造した。この時、0.44当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のNMP、および6.72当量の蒸溜水を前記反応器に添加した。
前記反応器を150rpmで攪拌しながら190℃まで1時間加熱し、脱水して残存混合物を硫黄供給源として得た。この時、ガスクロマトグラフィーで測定した脱水液のNMP濃度(v/v%)は28.5%であり、前記残存混合物内でのHO/Sのモル比は3.27と計算された。
温度下降なしに1.00当量のp−DCBと1.65当量のNMPを反応器に添加し、結果の混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱してさらに2時間反応させた。この時、重合反応系内に存在するHO/NMPのモル比は2.89と計算された。
反応終了後、反応器に硫黄1当量に対して5当量比の蒸溜水を添加し、40分間攪拌して結果物を回収した。結果物を蒸溜水とNMPの混合液(混合体積比=1:1)、および蒸溜水を利用して順次に洗浄した後に濾過し、次いで、100℃で10分間NMPで洗浄した後に濾過し、また0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄した後に濾過し、再び100℃で10分間蒸溜水で濾過する工程を行ってポリフェニレンスルフィドを回収した。
実施例5
1.01当量のNaSHと1.06当量のNaOHを反応器で混合してNaSを製造した。この時、0.44当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のNMP、および6.72当量の蒸溜水を前記反応器に添加した。
前記反応器を150rpmで攪拌しながら190℃まで1時間加熱し、脱水して残存混合物を硫黄供給源として得た。この時、ガスクロマトグラフィーで測定した脱水液のNMP濃度(v/v%)は28.8%であり、前記残存混合物内でのHO/Sのモル比は3.02と計算された。
温度下降なしに1.00当量のp−DCBと1.35当量のNMPを反応器に添加し、結果の混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱してさらに2時間反応させた。この時、重合反応系内に存在するHO/NMPのモル比は1.21と計算された。
反応終了後、反応器に硫黄1当量に対して3当量比の蒸溜水を添加し、40分間攪拌して結果物を回収した。結果物を蒸溜水とNMPの混合液(混合体積比=1:1)、および蒸溜水を利用して順次に洗浄した後に濾過し、次いで、100℃で10分間NMPで洗浄した後に濾過し、また0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄した後に濾過し、再び100℃で10分間蒸溜水で濾過する工程を行ってポリフェニレンスルフィドを回収した。
試験例1
前記実施例1乃至5で製造したポリフェニレンスルフィドに対して下記のような方法で物性を測定し、その結果を下記表1に示した。また、重合反応時に用いられたHO/S、NMP/SおよびHO/NMPのモル比制御が溶融粘度および分子量に与える影響を確認するために下記表1に共に記載した。
(1)溶融粘度(melt viscosity;MV)(Pa・S):ARES−G2(Advanced Rheometric Expansion System)を用いて各ポリフェニレンスルフィド樹脂を平衡プレートに置いた後、周波数掃引(frequency sweeping)方式を利用して角周波数(angular frequency)を0.1rad/sから100rad/sまで変化させながら300℃で測定した。
(2)重量平均分子量(g/mol):MVの大きさと比例し、前記で測定した0.1rad/sの溶融粘度値を利用して下記数式1により高分子の重量平均分子量(Mw)を計算した。
[数式1]
重量平均分子量(Mw)=10^((LOG(溶融粘度値)+12.20468)/3.48067)
試験例2
重合反応系内の水(HO)とNMPのモル比を多様に変化させることを除いては、前記実施例1と同様な方法で行ってポリフェニレンスルフィドを製造し、前記試験例1と同様な方法で製造したポリフェニレンスルフィドの溶融粘度を測定した。その結果を図1に示した。
実験結果、水/NMPのモル比が増加するほど溶融粘度は減少し、これから重合反応系内の水/NMPの比制御を通じて製造されるポリアリーレンスルフィドの溶融粘度を制御可能であることが分かる。
比較例1
1.01当量のNaSHと1.06当量のNaOHを反応器で混合してNaSを製造した。この時、0.44当量の酢酸ナトリウム粉末、1.65当量のNMP、および4.72当量の蒸溜水を前記反応器に添加した。
前記反応器を150rpmで攪拌しながら190℃まで1時間加熱し、脱水して残存混合物を硫黄供給源として得た。この時、ガスクロマトグラフィーで測定した脱水液のNMP濃度(v/v%)は28.6%であり、前記残存混合物内でのHO/Sのモル比は2.14と計算された。
温度下降なしに1.00当量のp−DCBと1.35当量のNMPを反応器に添加し、混合溶液を230℃まで加熱して2時間反応させた後、250℃まで加熱してさらに2時間反応させた。この時、反応系に存在するHO/NMPのモル比は0.72と計算された。
反応終了後、反応器に硫黄含有量に対して3当量の蒸溜水を添加し、40分間攪拌して結果物を回収した。結果物を蒸溜水とNMPの混合液(混合体積比=1:1)、および蒸溜水を利用して順次に洗浄した後に濾過し、次いで、100℃で10分間NMPで洗浄した後に濾過し、また0.4%酢酸水溶液で120℃で洗浄した後に濾過し、再び100℃で10分間蒸溜水で濾過する工程を行ってポリフェニレンスルフィドを回収した。
回収されたポリフェニレンスルフィドに対して前記試験例1と同様な方法で溶融粘度を測定した結果、溶融粘度は1063.1Pa・Sであり、重量平均分子量は46,503g/molであった。

Claims (11)

  1. アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物を、水およびアミド系化合物の混合溶媒中でアルカリ金属の有機酸塩の存在下に反応させた後に脱水して、アルカリ金属の硫化物、および水とアミド系化合物の混合溶媒を含む硫黄供給源を準備する第1段階;および
    前記硫黄供給源にジハロゲン化芳香族化合物およびアミド系化合物を添加し、重合反応させる第2段階を含み、
    前記段階2におけるアミド系化合物は、重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水のモル比(水/アミド系化合物のモル比)が0.85以上になるようにする含有量で添加される、0.1乃至150Pa・Sの溶融粘度を有するポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  2. 前記段階1における水は、アミド系化合物1当量に対して1乃至8の当量比で用いられる、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  3. 前記段階1におけるアルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物との反応時、前記アルカリ金属の有機酸塩が前記アルカリ金属の水硫化物1当量に対して0.01乃至1.0の当量比で投入される、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  4. 前記段階1におけるアルカリ金属の有機酸塩は、酢酸リチウム、酢酸ナトリウムまたはこれらの混合物を含む、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  5. 前記段階1における脱水工程は、排出される脱水液中に含まれているアミド系化合物の濃度が脱水液の総体積に対して15乃至40体積%になるようにする条件で行われる、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  6. 前記段階1における硫黄供給源は、硫黄1モルに対して水を2.5乃至3.5のモル比で含む、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  7. 前記段階2におけるジハロゲン化芳香族化合物は、o−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、p−ジハロベンゼン、ジハロトルエン、ジハロナフタレン、ジハロビフェニル、ジハロ安息香酸、ジハロジフェニルエーテル、ジハロジフェニルスルホン、ジハロジフェニルスルホキシドおよびジハロジフェニルケトンからなる群より選択されるいずれか一または二以上を含む、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  8. 前記段階2におけるジハロゲン化芳香族化合物は、0.8乃至1.2の当量で用いられる、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  9. 前記段階2におけるアミド系化合物は、重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水のモル比(水/アミド系化合物のモル比)が1.0超過、1.3以下になるようにする含有量で投入され、
    前記ポリアリーレンスルフィドは、20Pa・S以上、50Pa・S未満の溶融粘度および15,000乃至20,000g/molの重量平均分子量を有するものである、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  10. 前記段階2におけるアミド系化合物は、重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水のモル比(水/アミド系化合物のモル比)が0.85乃至1.0になるようにする含有量で投入され、
    前記ポリアリーレンスルフィドは、50乃至150Pa・Sの溶融粘度および20,000g/mol超過、30,000g/mol以下の重量平均分子量を有するものである、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  11. 前記段階2における重合反応後、硫黄1当量に対して水を3乃至5の当量比で添加して冷却する段階をさらに含む、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
JP2019531330A 2017-05-15 2018-01-12 ポリアリーレンスルフィドの製造方法 Active JP6987426B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2017-0060149 2017-05-15
KR1020170060149A KR102094448B1 (ko) 2017-05-15 2017-05-15 폴리아릴렌 설파이드의 제조방법
PCT/KR2018/000632 WO2018212426A1 (ko) 2017-05-15 2018-01-12 폴리아릴렌 설파이드의 제조방법

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020500999A true JP2020500999A (ja) 2020-01-16
JP6987426B2 JP6987426B2 (ja) 2022-01-05

Family

ID=64274342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019531330A Active JP6987426B2 (ja) 2017-05-15 2018-01-12 ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US11407860B2 (ja)
EP (1) EP3524632B1 (ja)
JP (1) JP6987426B2 (ja)
KR (1) KR102094448B1 (ja)
CN (1) CN110072917B (ja)
WO (1) WO2018212426A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102499842B1 (ko) * 2018-12-07 2023-02-13 주식회사 엘지화학 폴리아릴렌 설파이드의 제조 방법
KR102658771B1 (ko) * 2019-09-03 2024-04-17 주식회사 엘지화학 폴리아릴렌 설파이드의 제조방법
KR102658772B1 (ko) * 2019-09-11 2024-04-17 주식회사 엘지화학 폴리아릴렌 설파이드의 제조방법
KR102663676B1 (ko) * 2019-11-04 2024-05-03 주식회사 엘지화학 폴리아릴렌 설파이드의 제조방법
CN111471177A (zh) * 2020-05-11 2020-07-31 山东滨化滨阳燃化有限公司 一种纤维级聚苯硫醚树脂的工业化生产工艺及装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6044526A (ja) * 1983-08-23 1985-03-09 Mitsubishi Petrochem Co Ltd ポリアリ−レンスルフイドの製造法
US5929203A (en) * 1992-10-23 1999-07-27 Phillips Petroleum Company Process for preparing high molecular weight poly(arylene sulfide) polymers using lithium salts
JP2001261832A (ja) * 2000-03-21 2001-09-26 Toray Ind Inc ポリフェニレンスルフィドの製造方法および押し出し成形品
JP2009057414A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Toray Ind Inc ポリフェニレンスルフィド樹脂の製造方法
WO2010010760A1 (ja) * 2008-07-22 2010-01-28 株式会社クレハ 末端ハロゲン基含量が低減されたポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP2010106179A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Toray Ind Inc ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法
WO2015152032A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 株式会社クレハ ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6043422A (ja) 1983-08-19 1985-03-08 Japan Steel Works Ltd:The 耐水素アタツク性のすぐれた高温高圧水素処理用鋼材製品の製造方法
JPS6166720A (ja) 1984-09-08 1986-04-05 Kureha Chem Ind Co Ltd 超高分子量線状性ポリアリ−レンスルフイドの製造法
US4645826A (en) 1984-06-20 1987-02-24 Kureha Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Process for production of high to ultra-high molecular weight linear polyarylenesulfides
US4810773A (en) 1985-08-20 1989-03-07 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Method for producing polyarylene sulfide with lithium halide catalyst
JPH0813887B2 (ja) 1986-08-13 1996-02-14 呉羽化学工業株式会社 ハンドリング性のすぐれたポリアリ−レンスルフィドの製造法
US4958004A (en) * 1987-07-31 1990-09-18 Phillips Petroleum Company Aromatic sulfide/sulfone polymer production
JPH01146955A (ja) 1987-12-03 1989-06-08 Kureha Chem Ind Co Ltd ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
US5126430A (en) * 1988-08-04 1992-06-30 Idemitsu Petrochemical Company Limited Process for preparing polyarylene sulfides with metal salt of hydroxycarboxylic acid
US5278283A (en) 1989-06-30 1994-01-11 Idemitsu Petrochemical Company, Limited Process for preparing polyarylene sulfides of increased molecular weight
US4988796A (en) 1990-02-20 1991-01-29 Phillips Petroleum Company Process for preparing poly(arylene sulfide sulfone)
JP2003246858A (ja) 2002-02-25 2003-09-05 Toray Ind Inc ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法
JP4055058B2 (ja) 2002-09-20 2008-03-05 大日本インキ化学工業株式会社 ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP4700277B2 (ja) 2003-01-21 2011-06-15 株式会社クレハ ポリアリーレンスルフィド及びその製造方法
JP5788871B2 (ja) 2010-05-19 2015-10-07 株式会社クレハ ポリアリーレンスルフィドの製造方法、及びポリアリーレンスルフィド
KR101433456B1 (ko) 2011-09-01 2014-08-22 주식회사 엘지화학 폴리아릴렌 설파이드의 제조 방법
KR102224074B1 (ko) * 2013-09-27 2021-03-08 도레이 카부시키가이샤 폴리아릴렌 설파이드 수지 조성물
WO2016153610A1 (en) 2015-03-25 2016-09-29 Ticona Llc Technique for forming a high melt viscosity polyarylene sulfide
KR101940547B1 (ko) * 2016-12-23 2019-01-22 주식회사 엘지화학 폴리페닐렌 설파이드의 제조방법 및 이로부터 제조된 고 점도 폴리페닐렌 설파이드

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6044526A (ja) * 1983-08-23 1985-03-09 Mitsubishi Petrochem Co Ltd ポリアリ−レンスルフイドの製造法
US5929203A (en) * 1992-10-23 1999-07-27 Phillips Petroleum Company Process for preparing high molecular weight poly(arylene sulfide) polymers using lithium salts
JP2001261832A (ja) * 2000-03-21 2001-09-26 Toray Ind Inc ポリフェニレンスルフィドの製造方法および押し出し成形品
JP2009057414A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Toray Ind Inc ポリフェニレンスルフィド樹脂の製造方法
WO2010010760A1 (ja) * 2008-07-22 2010-01-28 株式会社クレハ 末端ハロゲン基含量が低減されたポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP2010106179A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Toray Ind Inc ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法
WO2015152032A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 株式会社クレハ ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR102094448B1 (ko) 2020-03-27
US11407860B2 (en) 2022-08-09
EP3524632A1 (en) 2019-08-14
WO2018212426A8 (ko) 2019-01-31
EP3524632A4 (en) 2019-11-20
CN110072917B (zh) 2021-07-16
EP3524632B1 (en) 2020-04-29
JP6987426B2 (ja) 2022-01-05
CN110072917A (zh) 2019-07-30
WO2018212426A1 (ko) 2018-11-22
KR20180125342A (ko) 2018-11-23
US20190367681A1 (en) 2019-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6987426B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP5221877B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP5623277B2 (ja) 粒状ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP6062924B2 (ja) 粒状ポリアリーレンスルフィド及びその製造方法
JP6761105B2 (ja) ポリフェニレンスルフィドの製造方法及びそれから製造された高粘度のポリフェニレンスルフィド
JP5189293B2 (ja) 分岐型ポリアリーレンスルフィド樹脂及びその製造方法、並びにその高分子改質剤としての使用
WO2015152032A1 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP6297761B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP6297763B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
CN110709446B (zh) 聚芳硫醚的制备方法
WO2017057733A1 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP6306601B2 (ja) 分岐型ポリアリーレンスルフィド樹脂及びその製造方法、並びにその高分子改質剤としての使用
JP2016108488A (ja) 微粒子状高分岐型ポリアリーレンスルフィド及びその製造方法、及び該ポリアリーレンスルフィドを含む高分子改質剤
JP6881818B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
KR20190074797A (ko) 폴리아릴렌 설파이드의 제조방법
JP7191344B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP2021521313A (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP6794000B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP7357695B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP6889271B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6987426

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150