JP2020048616A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁石を用いたゴト行為を検知するための磁気センサー(磁場計測手段)に、電動駆動手段が発生させる磁場が作用する場合でも、ゴト行為の誤検知を抑制する。【解決手段】磁場計測手段を搭載し、遊技領域の所定位置に作用する磁場の強さを計測可能とする。また、遊技領域で所定の動作が可能に設けた可動部材を、通電によって生じる磁場を用いて作動する電動駆動手段で駆動することとし、電動駆動手段への通電を制御する。さらに、電動駆動手段への通電時および非通電時の各々における磁場計測手段の計測値を、予め基準値として記憶しておく。そして、電動駆動手段への通電の有無に応じた基準値と磁場計測手段による計測値との差が所定の閾値以上であると、異常磁場と判定する。【選択図】図11

Description

本発明は、遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機(パチンコ機)に関する。
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することで遊技を行う遊技機では、所定の入賞口(始動口)への遊技球の入球に基づいて、識別情報(例えば、特別図柄)の変動表示を行い、その識別情報が特定態様で停止表示されると、可変式の特定入賞口(大入賞口)が入球不能状態から入球可能状態となる特定遊技(大当り遊技)を実行するものが普及している。また、始動口としては、遊技球の入球可能性が変化可能な開閉式始動口も知られており、所定条件が成立すると、開閉式始動口が開放状態となって遊技球の入球可能性が高まる。こうした大入賞口や開閉式始動口は、ソレノイドやモーターなどの電動駆動手段を備えているのが一般的であり、電動駆動手段に通電することで動作する。
このような遊技機では、遊技領域の前面を覆うガラス板等の透明板に強力な磁石を近付けて、遊技球を透明板越しに磁石に引き付けることにより、始動口などに不正に遊技球を入球させる行為(いわゆるゴト行為)が行われることがある。そこで、こうしたゴト行為を検知するために、遊技機に磁気センサー(磁場計測手段)を搭載しておくことが提案されている(例えば、特許文献1)。不正行為者が磁石を透明板に近付けた場合には、磁気センサーに作用する磁場が変化することに基づいて、ゴト行為を検知することが可能である。
特開2009−66342号公報
しかし、上述のように磁気センサーを搭載した遊技機では、同じく遊技機に搭載している種々の電動駆動手段に通電した際に磁場が生じることから、その磁場が磁気センサーに作用することによって、磁石を用いたゴト行為が行われていると誤検知してしまうことがあるという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、磁石を用いたゴト行為を検知するための磁気センサーに、電動駆動手段が発生させる磁場が作用する場合でも、ゴト行為の誤検知を抑制することが可能な遊技機の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行い、該遊技領域の所定位置に作用する磁場の強さを計測可能な磁場計測手段を搭載した遊技機において、
前記磁場計測手段による計測値に基づいて異常磁場か否かを判定する判定手段と、
前記遊技領域で所定の動作が可能に設けられた可動部材と、
通電によって生じる磁場を用いて作動し、前記可動部材を駆動する電動駆動手段と、
前記電動駆動手段への通電を制御する通電制御手段と、
前記電動駆動手段への通電時および非通電時の各々における前記磁場計測手段の計測値を、予め基準値として記憶する記憶手段と
を備え、
前記判定手段は、前記通電制御手段による前記電動駆動手段への通電の有無に応じた前記基準値と前記磁場計測手段による計測値との差が所定の閾値以上であると、異常磁場と判定する
ことを特徴とする。
上述した本発明の遊技機では、
前記可動部材および前記電動駆動手段が複数設けられており、
前記記憶手段は、複数の前記電動駆動手段の何れにも通電しない非通電状態、および複数の前記電動駆動手段の少なくとも1つに通電する複数の通電状態の各々における前記磁場計測手段の計測値を、予め前記基準値として記憶可能であり、
前記判定手段は、前記通電制御手段による複数の前記電動駆動手段に対する通電の状況に応じた前記基準値と前記磁場計測手段による計測値との差が前記閾値以上であると、異常磁場と判定する
こととしてもよい。
また、上述した本発明の遊技機では、
前記記憶手段は、前記複数の通電状態の各々における前記磁場計測手段の計測値のうち、前記非通電状態における前記磁場計測手段の計測値との差が、前記閾値よりも小さい所定の下限値未満であるものは、前記基準値として記憶せず、
前記判定手段は、前記通電制御手段による複数の前記電動駆動手段に対する通電の状況に応じた前記基準値が前記記憶手段に記憶されていない場合は、前記非通電状態に対応する前記基準値と前記磁場計測手段による計測値との差が前記閾値以上であると、異常磁場と判定する
こととしてもよい。
本発明によれば、磁石を用いたゴト行為を検知するための磁気センサーに、電動駆動手段が発生させる磁場が作用する場合でも、ゴト行為の誤検知を抑制することができる。
本実施例のパチンコ機1の正面図である。 本実施例の遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。 本実施例の複合入球ユニット50の構成を示す説明図である。 一般的なソレノイド100の内部構造および動作を例示した断面図である。 本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示すブロック図である。 遊技ホールのネットワーク構成を概念的に示した説明図である。 通常状態における遊技の主な進行態様を示す説明図である。 確変状態および時短状態における遊技の主な進行態様を示す説明図である。 主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。 磁気センサーユニット75の制御部77が実行する磁気センサー初期化処理を示したフローチャートである。 磁気センサーユニット75の制御部77が実行する異常磁場監視処理を示したフローチャートである。 各種ソレノイドの作動状況と磁場の基準値との対応関係を示した説明図である。
上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機(遊技機)に適用した実施例について説明する。尚、実施例において、「前」および「表」は「遊技機を基準とする前方」、つまり「遊技者に近接する方向(遊技者から見て手前側)」を示し、「後」および「裏」は「遊技機を基準とする後方」、つまり「遊技者から離間する方向(遊技者から見て奥側)」を示す。また、「上」とは遊技者から見て「上」であることを示し、「下」とは遊技者から見て「下」であることを示し、「左」とは遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは遊技者から見て「右」であることを示す。
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4は、一端(図1における左側)が中枠3に対して回動可能に軸支されている。中枠3の前面側には遊技盤20(図2参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠3に対してパチンコ機1の前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出した状態となる。中枠3は、一端(図1における左側)が本体枠2に対して回動可能に軸支されている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。
前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aにはガラス板等の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20の後述する遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20の後述するセグメント表示部を視認可能である。
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの右側の周縁部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの左側の周縁部には左サイドランプ5cが設けられている。また、窓部4aの上方の左右には一対の上部スピーカー6aが設けられており、本体枠2の下部の前面側には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、および下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、カードユニット242(図5参照)を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、遊技者による回転操作が可能な発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図5参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーターが作動して、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
また、上皿部7の手前側の縁部には、遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には、遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。これらの演出ボタン10aやジョグシャトル10bは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に遊技者によって操作されると、所定の遊技演出が行われる。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。前述したように遊技盤20は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(図5参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出され、遊技領域21の上方から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4a(透明板4b)を通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者が視認可能である。
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40には、演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41は、液晶表示器によって構成されており、その表示画面上に演出用の種々の画像を表示することが可能である。例えば、演出図柄として3つの識別図柄41a,41b,41cを表示可能であり、これらの識別図柄41a,41b,41cが、複数の数字(例えば「1」〜「9」の9つの数字)を次々と切り換えて変動表示を実行する。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、内蔵のゲートセンサー27s(図5参照)によって検知されて、下方へと流下していく。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方には、第1始動口24が設けられている。第1始動口24は、上方に向けて開口しており、遊技球の入球可能性が不変(一定)であって、遊技球が常時入球可能になっている。第1始動口24に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、第1始動口センサー24s(図5参照)によって検知される。
遊技領域21における第1始動口24の下方には、前方に向けて略長方形状に大きく開口した下大入賞口28が設けられている。下大入賞口28は、下端側を軸に上端側を前方に傾けて回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29が前方に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。図2では、下大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。下大入賞口28に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、下大入賞口センサー28s(図5参照)によって検知される。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の右斜め下方には、第2始動口55および右大入賞口60を備えた複合入球ユニット50が設けられている。複合入球ユニット50の前方側は、透明な樹脂材料で形成された前板51で覆われており、第2始動口55や右大入賞口60を遊技者が視認可能になっている。複合入球ユニット50の詳細な構成については別図を用いて後述するが、本実施例の第2始動口55および右大入賞口60は、各々が前後に移動可能な開閉板を備えており、開閉板の前後移動によって、遊技球が入球不能な閉鎖状態と、遊技球が入球可能な開放状態とを切り換えることが可能になっている。
また、上述した各遊技装置の周辺には、遊技球が入球可能なその他入賞口30や、遊技球が流下する経路に影響を与える風車型ホイール31や多数の遊技釘32などが設けられている。その他入賞口30に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、その他入賞口センサー30s(図5参照)によって検知される。さらに、遊技領域21の最下部には、アウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口55、下大入賞口28、右大入賞口60、その他入賞口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏側に排出される。
本実施例のパチンコ機1において、複数の遊技釘32の配置などにより、上述した第1始動口24には、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下する遊技球が入球可能である。これに対して、普通図柄作動ゲート27、下大入賞口28、第2始動口55、右大入賞口60には、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下する遊技球が通過または入球可能である。以下では、中央装置40の左方の領域を流下させるように遊技球を発射することを「左打ち」とも表現し、中央装置40の右方の領域を流下させるように遊技球を発射することを「右打ち」とも表現する。尚、本実施例のパチンコ機1では、第1始動口24、第2始動口55、その他入賞口30の何れかに遊技球が入球した場合は、賞球として3個の遊技球が払い出され、下大入賞口28、右大入賞口60の何れかに遊技球が入球した場合は、13個の遊技球が払い出される。
また、遊技盤20における遊技領域21の右下方には、複数のLEDの組み合わせによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部35が設けられている。セグメント表示部35は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者が視認可能である。
図3は、本実施例の複合入球ユニット50の構成を示す説明図である。前述したように複合入球ユニット50の前方側を覆う前板51は、後方が見えるように透明な樹脂材料で形成されており、図3では、前板51の図示を省略している。また、複合入球ユニット50は、後面の取付板52を備えており、この取付板52が遊技盤20の盤面に接して取り付けられる。前板51は、取付板52と略平行に設置され、前板51と取付板52との間隔は、遊技球が通過可能に遊技球の直径よりも広く設定されている。
前板51と取付板52との間には、取付板52から突設されたリブ53によって遊技球の通路が形成されると共に、上方に向けて開口した第2始動口55と、同じく上方に向けて開口した右大入賞口60とが設けられている。第2始動口55は、前後に移動可能な開閉板56を備えており、開閉板56が前方に移動して開口部を覆った閉鎖状態と、開閉板56が後方に移動して開口部を覆っていない開放状態とに変化可能である。開閉板56は、左側に向かって下方に傾斜しており、閉鎖状態では開閉板56上の遊技球を左方へと転動させる。また、第2始動口55は、下方に第2始動口センサー55sを内蔵しており、開放状態で入球した遊技球は、第2始動口センサー55sを通過することによって検知された後、取付板52に形成された引込孔57を通って遊技盤20の裏面側へと導かれる。
右大入賞口60は、前後に移動可能な開閉板61を備えており、開閉板61が前方に移動して開口部を覆った閉鎖状態と、開閉板61が後方に移動して開口部を覆っていない開放状態とに変化可能である。開閉板61は、左側に向かって下方に傾斜しており、閉鎖状態では開閉板61上の遊技球を左方の第2始動口55に向けて転動させる。右大入賞口60は、第2始動口55に比べて大きく形成されており、開放状態では遊技球が入球し易くなっている。また、右大入賞口60は、下方で幅が絞られた部分に右大入賞口センサー60sを内蔵しており、開放状態で入球した遊技球は、右大入賞口センサー60sを通過することによって検知される。
さらに、右大入賞口センサー60sの下方に誘導通路62が接続されており、右大入賞口センサー60sを通過した遊技球は誘導通路62を通って、取付板52に形成された特定口63または非特定口64に導かれる。特定口63の上方には、前後に移動可能な振分板65が設けられており、振分板65が前方に移動して特定口63への遊技球の到達を阻止する阻止状態と、振分板65が後方に移動して特定口63への遊技球の到達を許容する許容状態とに切り換え可能である。許容状態で特定口63に到達した遊技球は、特定口63を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、特定口センサー63s(図5参照)によって検知される。一方、阻止状態では、遊技球が特定口63に到達できず、非特定口64に到達した遊技球は、非特定口64を通って遊技盤20の裏面側に導かれ、特定口センサー63sに検知されることはない。
このような本実施例の複合入球ユニット50は、第2始動口55の開閉板56を駆動する始動口ソレノイド56mや、右大入賞口60の開閉板61を駆動する右大入賞口ソレノイド61mや、振分板65を駆動する振分板ソレノイド65mを備えている。また、前述した下大入賞口28は、開閉扉29を駆動する下大入賞口ソレノイド29mを備えている。尚、本実施例の開閉板56、開閉板61、振分板65、開閉扉29は、本発明の「可動部材」に相当し、本実施例の始動口ソレノイド56m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m、下大入賞口ソレノイド29mは、本発明の「電動駆動手段」に相当している。
図4は、始動口ソレノイド56mや右大入賞口ソレノイド61mや振分板ソレノイド65mや下大入賞口ソレノイド29mとして用いられる一般的なソレノイド100の内部構造および動作を例示した断面図である。周知のようにソレノイド100は、導線を巻回して円筒状に形成された電磁コイル101や、電磁コイル101の内側に収容されて中心軸方向の一端に固定された固定鉄心102や、電磁コイル101の内側に摺動可能な状態で挿入された可動鉄心103や、可動鉄心103を電磁コイル101の内側から固定鉄心102とは反対側に引き出す方向に付勢する付勢バネ104などを備えている。
図4(a)に示されるように電磁コイル101に通電していないときには、付勢バネ104の付勢力によって可動鉄心103が固定鉄心102から引き離された状態となっている。一方、電磁コイル101に直流電源を接続して通電すると磁場が発生して固定鉄心102と可動鉄心103との間に磁気吸引力が働き、付勢バネ104の付勢力に抗して、図4(b)に示されるように可動鉄心103が固定鉄心102に引き寄せられて当接した状態になる。
また、電磁コイル101への通電を停止すると、磁場が消失して固定鉄心102と可動鉄心103との間に磁気吸引力が働かなくなるため、付勢バネ104の付勢力によって可動鉄心103が固定鉄心102から引き離され、図4(a)の状態に戻る。尚、ソレノイド100は、電磁コイル101への通電方向にかかわらず、通電中は可動鉄心103が固定鉄心102に引き寄せられて当接した状態となる。
こうしたソレノイド100の可動鉄心103の動きを利用して、第2始動口55の開閉板56や右大入賞口60の開閉板61や振分板65を前後に移動させたり、下大入賞口28の開閉扉29を下端側の軸で回動させたりすることが可能である。尚、第2始動口55の開閉板56、右大入賞口60の開閉板61、振分板65、下大入賞口28の開閉板56の各々を駆動するソレノイド100(始動口ソレノイド56m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m、下大入賞口ソレノイド29m)は、その動作を対応する駆動対象(第2始動口55の開閉板56、右大入賞口60の開閉板61、振分板65、下大入賞口28の開閉板56)に伝達する機構と共に、遊技盤20の裏面側に設置されている。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図5は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されている。機能に着目して大別すると、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図5におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図5におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図5におけるRAM203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口55へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー55s、普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球を検知するゲートセンサー27s、下大入賞口28へ入球した遊技球を検知する下大入賞口センサー28s、右大入賞口60へ入球した遊技球を検知する右大入賞口センサー60s、特定口63を通過した遊技球を検知する特定口センサー63s、その他入賞口30へ入球した遊技球を検知するその他入賞口センサー30sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー55s、ゲートセンサー27s、下大入賞口センサー28s、右大入賞口センサー60s、特定口センサー63s、その他入賞口センサー30sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応したコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240などに向けて送信する。
また、主制御基板200には、第2始動口55の開放状態と閉鎖状態とを切り換え可能な開閉板56を駆動する始動口ソレノイド56mや、下大入賞口28の開放状態と閉鎖状態とを切り換え可能な開閉扉29を駆動する下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口60の閉鎖状態と開放状態とを切り換え可能な開閉板61を駆動する右大入賞口ソレノイド61m、特定口63への遊技球の到達の阻止状態と許容状態とを切り換え可能な振分板65を駆動する振分板ソレノイド65m、セグメント表示部35などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m、セグメント表示部35に駆動信号を送信する(通電する)ことにより、これらの動作の制御を行う。尚、本実施例の主制御基板200のCPU201は、本発明の「通電制御手段」に相当している。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228などが接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対して、表示画像や出力音声を指定するコマンドを送信したり、ランプ制御基板226に対して、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信したりすることによって、遊技演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出操作基板228を介して、演出ボタン10aやジョグシャトル10b(以下「演出操作部10a,10b」ともいう)に対する遊技者の操作を検知すると、その操作に対応する遊技演出を行う。
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応した画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応した音声データを音声ROM236から読み出して、その音声データの信号をアンプ基板224に送信することにより、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から音声を出力する。
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、その検知信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、払出制御基板240は、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信すると、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には発射装置ユニット261が接続されている。発射装置ユニット261は、遊技球を発射するための発射モーター262や、遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263などを有している。遊技者が発射ハンドル9に触れていることをタッチスイッチ263で検知すると、発射モーター262の作動が可能となり、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
これらの制御基板や各種基板などで消費される電力は、電源基板270から供給されている。電源基板270は、100Vの交流電圧の供給を受けており、規定電圧の直流電圧に変換した後、それぞれの制御基板および各種基板などに電力を供給している。
また、本実施例のパチンコ機1には、外部に信号を送信するための外部端子板70が設けられており、主制御基板200と接続されている。主制御基板200のCPU201は、検知信号の入力のあった各種センサー(第1始動口センサー24s、第2始動口センサー55s、ゲートセンサー27s、下大入賞口センサー28s、右大入賞口センサー60s、特定口センサー63s、その他入賞口センサー30sなど)に対応する信号や、パチンコ機1の状態を示す信号を、外部端子板70を介してパチンコ機1の外部に向けて送信することが可能になっている。
さらに、本実施例のパチンコ機1には、磁気センサーユニット75が搭載されており、主制御基板200および外部端子板70と接続されている。磁気センサーユニット75は、磁場の強さを計測可能なセンサー素子76や、センサー素子76で計測される磁場に基づく異常検知を制御する制御部77や、異常検知の基準となる磁場の基準値を記憶する記憶部78を有している。尚、本実施例のセンサー素子76は、本発明の「磁場計測手段」に相当している。また、本実施例の制御部77は、本発明の「判定手段」に相当し、本実施例の記憶部78は、本発明の「記憶手段」に相当している。
パチンコ機1では、遊技領域21の前面を覆う透明板4bに強力な磁石を近付けて、遊技球を透明板4b越しに磁石に引き付けることにより、第1始動口24や第2始動口55などに遊技球を不正に入球させる行為(いわゆるゴト行為)が行われることがある。そこで、磁気センサーユニット75のセンサー素子76を第1始動口24や第2始動口55の後方(遊技盤20の裏面側)などに設置しておけば、磁石を第1始動口24や第2始動口55に近付けると、センサー素子76に作用する磁場が変化するため、ゴト行為を異常磁場として検知することができる。センサー素子76としては、周知のホール素子や、磁気抵抗素子(MR素子)などを採用することができる。
そして、異常磁場を検知すると、その検知信号を、外部端子板70を介してパチンコ機1の外部に送信することが可能になっている。また、本実施例の磁気センサーユニット75は主制御基板200と接続されており、詳しくは後述するが、主制御基板200のCPU201は、各種ソレノイド(始動口ソレノイド56m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m、下大入賞口ソレノイド29m)の作動状況を示す信号を磁気センサーユニット75に向けて送信するようになっている。
以上のような本実施例のパチンコ機1は、遊技ホールに複数台設置されている。図6は、遊技ホールのネットワーク構成を概念的に示した説明図である。遊技ホールには、複数台のパチンコ機1が設置されていると共に、遊技ホール全体を管理するホールコンピュータ95が設置されている。遊技ホールの各パチンコ機1は、中継装置90を介してホールコンピュータ95と通信可能に接続されている。
図示した例では、2台のパチンコ機1に対して1台の中継装置90が設けられており、前述したようにパチンコ機1は、外部端子板70から外部に向けて各種の信号を送信することが可能である。中継装置90は、2台のパチンコ機1からの遊技に関する情報を示す信号を収集してホールコンピュータ95に送信するようになっており、ホールコンピュータ95は、パチンコ機1毎に遊技データを管理することが可能である。
また、遊技ホールにおけるパチンコ機1の上方には、パチンコ機1毎にデータ表示機80が設置されている。データ表示機80は、液晶表示部81を備えており、この液晶表示部81には、パチンコ機1の遊技に関する各種の情報を表示可能である。また、液晶表示部81の左右および上方には、状態ランプ82が設けられており、この状態ランプ82は、パチンコ機1の遊技状態などに応じて色を変化させて点灯することが可能である。
データ表示機80は、中継装置90と通信可能に接続されており、パチンコ機1の遊技に関する情報を中継装置90から取得し、その情報に基づいて液晶表示部81の表示や、状態ランプ82の点灯を実行する。また、前述したようにパチンコ機1の磁気センサーユニット75で異常磁場(ゴト行為)を検知すると、検知信号が外部端子板70を介して外部に送信されるので、その検知信号が中継装置90からホールコンピュータ95に送信されると共に、データ表示機80に送信されて、状態ランプ82が所定の警報色(例えば赤色)で点灯する。
B.遊技の概要 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で遊技者が発射ハンドル9を回転させると、上皿部7に貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に向けて発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を変化させることによって、遊技者の所望する領域に遊技球を流下させることができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射したり(左打ちを行ったり)、中央装置40の右方の領域を流下するように遊技球を発射したり(右打ちを行ったり)することができる。
前述したように、第1始動口24には左打ちされた遊技球が入球可能である。遊技球が第1始動口24に入球して、第1始動口センサー24sによって検知されると、所定の判定乱数(大当り判定乱数など)を取得し、その判定乱数の値に基づいて大当りか外れかを判定する大当り判定を行う。そして、大当り判定の結果に基づいて、セグメント表示部35にて第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)を表す複数の第1特図LEDを点滅させて第1特図を変動表示させた後、LEDを所定の組み合わせで点灯させて第1特図を停止表示させる。このとき、大当り判定の結果が大当りであれば、大当り図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させ、外れであれば、外れ図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させる。
また、前述したように第2始動口55には右打ちされた遊技球が入球可能である。遊技球が第2始動口55に入球して、第2始動口センサー55sによって検知されると、判定乱数を取得して大当り判定を行う。そして、大当り判定結果に基づいて、セグメント表示部35にて第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)を表す複数の第2特図LEDを点滅させて第2特図を変動表示させた後、第1特図と同様に、大当り判定の結果に応じた組み合わせでLEDを点灯させて第2特図を停止表示させる。
尚、第1始動口24または第2始動口55に遊技球が入球しても、第1特図や第2特図の変動表示中などで新たな変動表示の開始条件が満たされていない場合には、第1始動口24への入球で取得した判定乱数の値を第1特図保留として記憶し、第2始動口55への入球で取得した判定乱数の値を第2特図保留として記憶する。その後、特別図柄(第1特図または第2特図)の新たな変動表示の開始条件が満たされると、第1特図保留または第2特図保留に基づいて大当り判定を行い、対応する特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示を行う。本実施例のパチンコ機1では、このような第1特図保留および第2特図保留を、それぞれ最大4つまで記憶可能である。また、第1特図保留および第2特図保留の両方が記憶されている場合には、第1特図保留に優先して第2特図保留に基づく特図当り判定が行われる(第2特図保留を優先消化する)ので、第1特図保留に基づく大当り判定が行われるのは、第2特図保留が記憶されていない場合である。
さらに、特別図柄の変動表示と連動して、演出表示装置41では識別図柄41a,41b,41cが複数の数字(例えば「1」〜「9」の9つの数字)を次々と切り換えて変動表示する演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。3つの識別図柄41a,41b,41cは、特別図柄が外れ図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃わない組み合わせ(バラケ目)で停止表示されるのに対して、特別図柄が大当り図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃う組み合わせ(ゾロ目)で停止表示される。このため、3つの識別図柄のうち2つが停止表示されたときに同じ数字であると、最後に停止表示される識別図柄も同じ数字で揃うのではないかと、遊技者は識別図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように、2つの識別図柄が同じ図柄で停止表示された状態で最後の識別図柄を変動表示させながら行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である。
第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示されると、下大入賞口28または右大入賞口60が開放状態となる大当り遊技を実行する。大当り遊技では、開放した下大入賞口28または右大入賞口60を、規定個数(例えば9個)の遊技球が入球するか、あるいは所定の開放時間(例えば30秒)が経過したら閉鎖するラウンド遊技が複数回繰り返される。本実施例のパチンコ機1では、複数の大当り図柄が設けられており、停止表示された大当り図柄の種類によって、大当り遊技で行われるラウンド遊技の回数が異なる(例えば、10回、13回、15回)。前述したように下大入賞口28および右大入賞口60には、右打ちされた遊技球が入球可能であり、下大入賞口28または右大入賞口60に遊技球が入球すると、賞球として13個の遊技球が払い出されることから、大当り遊技によって遊技者は多量の賞球を獲得することが可能である。
また、本実施例の大当り遊技では、複数回のラウンド遊技のうち、所定回数目のラウンド遊技で右大入賞口60が開放状態となり、それ以外のラウンド遊技では下大入賞口28が開放状態となる。前述したように右大入賞口60に入球した遊技球は、特定口63または非特定口64を通過するようになっている。振分板65が許容状態であれば、遊技球が特定口63を通過可能であり、振分板65が阻止状態であれば、遊技球が特定口63に到達することはなく、特定口63に到達しなかった遊技球は非特定口64を通過することになる。右大入賞口60の開放状態において振分板65が許容状態であるか否かは、特別図柄(第1特図または第2特図)で停止表示された大当り図柄の種類によって異なり、第2特図が大当り図柄で停止表示された場合は、100%の確率で振分板65が許容状態であるのに対し、第1特図が大当り図柄で停止表示された場合は、振分板65が許容状態である確率が約50%になっている。
そして、右大入賞口60に入球した遊技球が特定口63を通過しなかった場合(全て非特定口64を通過した場合)は、大当り遊技の終了後に、大当り判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が所定の通常確率(例えば、約400分の1の低確率)に設定される。一方、右大入賞口60に入球した遊技球が特定口63を通過した場合は、大当り遊技の終了後に大当り確率が通常確率よりも高い高確率(例えば、約100分の1)に設定され、次回の大当り遊技が開始されるか、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば150回)に達するまで継続される。
また、前述したように、中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、右打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過可能である。普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球がゲートセンサー27sによって検知されると、所定の判定乱数(普図当り判定乱数など)を取得し、その判定乱数の値に基づいて普図当りか外れかを判定する普図当り判定を行う。続いて、普図当り判定の結果に基づいて、セグメント表示部35にて普通図柄を表す左右2つの普通図柄LEDを点滅させて普通図柄を変動表示させた後、何れかのLEDを点灯させて普通図柄を停止表示させる。このとき、本実施例のパチンコ機1では、普図当り判定の結果が普図当りであれば、普図当り図柄に対応する左のLEDを点灯させ、外れであれば、外れ図柄に対応する右のLEDを点灯させる。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口55が開放状態となる普図当り遊技が行われるので、第2始動口55に遊技球が入球する可能性(すなわち、第2特図の変動表示が行われる可能性)が高まる。
尚、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過しても、普通図柄の変動表示中などで新たな変動表示の開始条件が満たされていない場合には、取得した判定乱数の値を普図保留として最大4つまで記憶することが可能である。その後、普通図柄の新たな変動表示の開始条件が満たされると、普図保留に基づいて普図当り判定や、普通図柄の変動表示を行う。
普図当り遊技における第2始動口55の開放時間は、「電サポ状態」であるか「非電サポ状態」であるかで異なる。電サポ状態では、非電サポ状態よりも第2始動口55の開放時間が長く設定される。また、電サポ状態では、非電サポ状態よりも普図当り判定の結果が普図当りとなる確率(普図当り確率)が高く、且つ、普通図柄の変動時間が短く設定される。従って、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて第2始動口55に遊技球が入球する可能性(すなわち、第2特図の変動表示が行われる可能性)が高まる。
本実施例のパチンコ機1では、大当り遊技中に右大入賞口60に入球した遊技球が特定口63を通過したか否かにかかわらず、大当り遊技の終了後に電サポ状態が設定される。そして、遊技球が特定口63を通過しなかった場合は、前述したように大当り遊技の終了後に大当り確率が通常確率に設定され、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達すると、非電サポ状態に設定される。一方、遊技球が特定口63を通過した場合は、大当り遊技の終了後に大当り確率が高確率に設定され、次回の大当り遊技が開始されるか、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば150回)に達すると、大当り確率が通常確率に設定されると共に、非電サポ状態に設定される。以下では、大当り確率が通常確率で、且つ非電サポ状態に設定された状態を「通常状態」と称することがあり、大当り確率が高確率で、且つ電サポ状態に設定された状態を「確変状態」と称することがある。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて特別図柄(第1特図および第2特図)の変動時間が短く設定されることから、大当り確率が通常確率で、且つ電サポ状態に設定された状態を「時短状態」と称することがある。
前述したように電サポ状態(確変状態および時短状態)では、非電サポ状態(通常状態)に比べて第2始動口55に遊技球が入球する可能性(すなわち、第2特図の変動表示が行われる可能性)が高まる。このことと対応して、「通常状態」と、「確変状態」や「時短状態」とでは、遊技の進行態様が異なっている。
図7は、通常状態における遊技の主な進行態様を示す説明図である。非電サポ状態である通常状態中は、普通図柄作動ゲート27に遊技球を通過させても第2始動口55が開放状態になる頻度が低いため、「右打ち」によって遊技球が第2始動口55に入球することは稀である。そのため、通常状態では、「左打ち」を行って第1始動口24に遊技球を入球させる遊技(すなわち、専ら第1特図が変動表示される第1特図主体の遊技)が行われる。
図7に示されるように、通常状態で左打ちを行っていると、第1始動口24に遊技球が入球することにより(ev.1)、第1特図の変動表示が行われる(ev.2)。通常状態における大当り判定では、約400分の1の確率で「大当り」と判定されるようになっているので、第1特図の変動表示の多くは外れ図柄で停止表示される(ev.3)。この場合、遊技状態は通常状態のままである。
こうして第1特図の変動表示が繰り返されるうちに、第1特図についての大当り判定で「大当り」と判定されると、第1特図が大当り図柄で停止表示され(ev.4)、大当り遊技が行われる(ev.5)。大当り遊技で開放状態となる下大入賞口28や右大入賞口60には右打ちされた遊技球が入球可能である。そして、大当り遊技中に右大入賞口60に入球した遊技球が特定口63(いわゆるV)を通過した場合は(ev.6)、大当り遊技が終了すると、確変状態に設定される(ev.7)。前述したように、第1特図が大当り図柄で停止表示された場合は、右大入賞口60が開放状態になると、大当り図柄の種類によって約50%の確率で振分板65が許容状態であり、右大入賞口60に入球した遊技球が特定口63を通過することが可能である。そして、確変状態は、次回の大当り遊技が開始されなければ、特別図柄の変動回数が150回に達するまで継続される。
一方、約50%の確率で振分板65が阻止状態であると、右大入賞口60に遊技球が入球しても、特定口63を通過することはなく(ev.8)、大当り遊技の終了後は時短状態に設定される(ev.9)。時短状態は、次回の大当り遊技が開始されなければ、特別図柄の変動回数が100回に達するまで継続される。
図8は、確変状態および時短状態における遊技の主な進行態様を示す説明図である。電サポ状態である確変状態中や時短状態中は、第2始動口55が開放状態になる頻度が高く、遊技球を第2始動口55に入球させ易い。そのため、確変状態や時短状態では、「右打ち」を行って第2始動口55に遊技球を入球させる遊技(すなわち、専ら第2特図が変動表示される第2特図主体の遊技)が行われる。
図8に示されるように、確変状態や時短状態で右打ちを行っていると、第2始動口55に遊技球が入球することにより(ev.11)、第2特図の変動表示が行われる(ev.12)。確変状態における大当り判定では、約100分の1の確率で「大当り」と判定され、時短状態における大当り判定では、約400分の1の確率で「大当り」と判定されるようになっており、確変状態では時短状態よりも大当り確率が高いものの、何れの第2特図の変動表示もほとんどは外れ図柄で停止表示される(ev.13)。そして、確変状態で特別図柄の変動回数が150回に達した場合は通常状態に設定され、時短状態で特別図柄の変動回数が100回に達した場合も通常状態に設定される。
これに対して、第2特図の変動表示が繰り返されるうちに、第2特図についての大当り判定で「大当り」と判定されると、第2特図が大当り図柄で停止表示され(ev.14)、大当り遊技が行われる(ev.15)。大当り遊技で開放状態となる下大入賞口28や右大入賞口60には、右打ちを継続していれば遊技球が入球可能である。そして、大当り遊技中に右大入賞口60に入球した遊技球が特定口63(V)を通過した場合は(ev.16)、大当り遊技が終了すると、確変状態に設定される(ev.17)。前述したように、第2特図が大当り図柄で停止表示された場合は、右大入賞口60が開放状態になると、100%の確率で振分板65が許容状態であり、右打ちで遊技球を右大入賞口60に入球させれば、その遊技球が特定口63を通過可能である。そして、確変状態は、次回の大当り遊技が開始されなければ、特別図柄の変動回数が150回に達するまで継続される。
ただし、第2特図が大当り図柄で停止された場合でも、大当り遊技で右大入賞口60が開放状態になった際に右打ちを行っていなければ、右大入賞口60に遊技球が入球せず、遊技球が特定口63を通過することもない(ev.18)。そのため、大当り遊技の終了後は時短状態に設定され(ev.19)、次回の大当り遊技が開始されなければ、特別図柄の変動回数が100回に達するまで継続される。
C.本実施例のパチンコ機の制御内容 :
C−1.遊技制御処理 :
図9は、主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。主制御基板200のCPU201は、所定周期で(例えば、4msec毎に)発生するタイマ割り込みに基づいて図9の遊技制御処理を実行する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については説明を省略する。
主制御基板200のCPU201は、遊技制御処理を開始すると、まず、出力処理(S10)を行う。本実施例の主制御基板200では、後述する各処理において、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて送信する各種コマンドを、RAM203に確保された出力バッファに一旦記憶するようになっており、出力処理(S10)では、出力バッファに記憶されている各種コマンドを各種制御基板に向けて送信する。こうすることにより、例えば、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われ、払出制御基板240では、遊技球の払い出しが行われることになる。また、出力処理(S10)では、遊技に関する情報を示す各種の信号を、外部端子板70を介してパチンコ機1の外部に向けて送信したり、パチンコ機1に搭載された各種ソレノイド(始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m)の作動状況を示す信号を、磁気センサーユニット75に向けて送信したりする処理も行う。
主制御基板200のCPU201は、出力処理(S10)に続いて、入力処理(S20)を行う。前述したように、第1始動口24、第2始動口55、下大入賞口28、右大入賞口60、その他入賞口30の何れかに遊技球が入球すると、賞球として遊技球を払い出すようになっている。そこで、入力処理(S20)では、入球を検知する各種センサー(第1始動口センサー24s、第2始動口センサー55s、下大入賞口センサー28s、右大入賞口センサー60s、その他入賞口センサー30sなど)について、遊技球を検知したか否かを判断する。そして、遊技球を検知した場合は、遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを、上述した出力バッファに記憶する。尚、こうして出力バッファに記憶された払出コマンドは、次回の出力処理(S10)で払出制御基板240に向けて送信される。
入力処理(S20)を終了すると、次に、乱数更新処理(S30)を行う。前述したように、普図当り判定や特別図柄の大当り判定は、所定の判定乱数の値に基づいて行われる。また、これ以外にも、後述する各種の決定が専用の乱数の値に基づいて行われる。乱数更新処理(S30)では、これらの乱数の更新を行う。尚、乱数の更新は、遊技制御処理の中の乱数更新処理(S30)においてだけでなく、遊技制御処理を一旦終了してから次回の遊技制御処理を開始する(タイマ割り込みが発生する)までの間に行うこととしてもよい。また、乱数更新のための専用回路を設けて、この専用回路で乱数を更新してもよい。
乱数更新処理(S30)を終了したら、ゲートセンサー検知処理(S40)を行う。ゲートセンサー検知処理(S40)では、ゲートセンサー27sで遊技球を検知すると、普図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断して、達していなければ、普図当り判定乱数などを取得し、取得した乱数値を普図保留としてRAM203に記憶する。
ゲートセンサー検知処理(S40)に続いて、始動口センサー検知処理(S50)を行う。始動口センサー検知処理(S50)では、第1始動口センサー24sで遊技球を検知すると、第1特図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断して、達していなければ、所定の判定乱数を取得し、取得した乱数値を第1特図保留としてRAM203に記憶する。また、第2始動口センサー55sで遊技球を検知すると、第2特図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断して、達していなければ、所定の判定乱数を取得し、取得した乱数値を第2特図保留としてRAM203に記憶する。ここで、判定乱数としては、大当り判定を行うための大当り判定乱数や、大当りの場合に特別図柄で停止表示する大当り図柄の種類を決定するための図柄決定乱数や、特別図柄の変動表示の開始から停止表示までの変動パターンを決定するための変動パターン決定乱数などを取得する。
始動口センサー検知処理(S50)を終了すると、次に、特定口センサー検知処理(S60)を行う。特定口センサー検知処理(S60)では、特定口センサー63sで遊技球を検知すると、V入賞フラグがONに設定されているか否かを判断して、ONに設定されていなければ、V入賞フラグをONに設定する。V入賞フラグとは、遊技球が特定口63を通過したことを示すフラグであり、主制御基板200のRAM203にV入賞フラグの記憶領域が確保されている。前述したように大当り遊技で開放状態になった右大入賞口60に入球した遊技球は、振分板65が許容状態であれば、特定口63を通過することが可能であり、複数の遊技球が右大入賞口60に入球した場合は、最先の遊技球が特定口63を通過した時点でV入賞フラグがONに設定される。また、遊技球が特定口63を通過したことを示すV入賞コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
特定口センサー検知処理(S60)が終了すると、普通動作処理(S70)を行う。普通動作処理(S70)では、主に次のような処理を行う。まず、普通図柄の変動表示中または普図当り遊技の実行中であるか否かを判断する。普通図柄の変動表示中および普図当り遊技の実行中の何れでもない場合は、普通図柄の停止表示から所定の確定時間が経過していることを確認した後、普図保留が記憶されているか否かを判断する。普図保留が記憶されていれば、最先に記憶された普図保留を読み出し、その読み出した普図保留(普図当り判定乱数の値)に基づいて普図当り判定を行う。尚、前述したように電サポ状態では、非電サポ状態よりも普図当り確率が高く設定され、例えば、非電サポ状態では普図当り確率が100分の1に設定されるのに対して、電サポ状態では普図当り確率が100分の99に設定される。
そして、普図当り判定の結果に基づき、普通図柄を普図当り図柄で停止表示するか、外れ図柄で停止表示するかを決定する。さらに普通図柄の変動時間を設定して、普通図柄の変動表示を開始する。前述したように電サポ状態では、非電サポ状態よりも普通図柄の変動時間が短く設定され、例えば、非電サポ状態では変動時間が20秒に設定されるのに対して、電サポ状態では変動時間が1秒に設定される。
普通図柄の変動表示中である場合は、変動時間が経過したか否かを判断して、変動時間が経過すると、決定しておいた普図当り図柄または外れ図柄で普通図柄を停止表示する。そして、確定時間の経過を待って、停止表示された普通図柄が外れ図柄である場合は、再び普通図柄の変動表示を開始する処理を行う。一方、停止表示された普通図柄が普図当り図柄である場合は、普図当り遊技を開始する。
普図当り遊技では、始動口ソレノイド56mに通電して開閉板56を駆動することで第2始動口55を開放状態とした後、開放時間が経過したら、始動口ソレノイド56mへの通電を停止して第2始動口55を閉鎖状態に戻す処理を行う。前述したように電サポ状態では、非電サポ状態よりも第2始動口55の開放時間が長く設定され、例えば、非電サポ状態では0.3秒に設定されるのに対して、電サポ状態では4.5秒に設定される。
普通動作処理(S70)を終了したら、続いて、特別動作処理(S80)を行う。特別動作処理(S80)では、主に次のような処理を行う。まず、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄の確定表示中、大当り遊技中の何れかであるか否かを判断する。これらの何れでもない場合は、第2特図保留が記憶されているか否かを判断し、記憶されていれば、最先に第2特図保留として記憶された各種の判定乱数(すなわち、大当り判定乱数、図柄決定乱数、変動パターン決定乱数など)の値を読み出す。また、第2特図保留が記憶されていない場合は、第1特図保留が記憶されているか否かを判断し、記憶されていれば、最先に第1特図保留として記憶された各種の判定乱数の値を読み出す。
こうして第2特図保留または第1特図保留として読み出した大当り判定乱数の値に基づいて大当り判定を行う。前述したように確変状態では、非確変状態(通常状態、時短状態)よりも大当り確率が高く設定され、例えば、非確変状態では大当り確率が約400分の1に設定されるのに対して、確変状態では大当り確率が約100分の1に設定される。
そして、大当り判定の結果が「大当り」である場合は、停止表示する大当り図柄を決定する。前述したように大当り図柄は複数設けられており、第1特図保留または第2特図保留として読み出した図柄決定乱数の値に基づいて何れかの大当り図柄を決定する。尚、第1特図と第2特図とでは、決定される大当り図柄の種類が異なっている。これに対して、大当り判定の結果が「外れ」である場合は、特別図柄を外れ図柄で停止表示することを決定する。
こうして特別図柄で停止表示する図柄を決定したら、特別図柄の変動パターンを決定する。変動パターンとは、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)を識別するためのものであり、予め用意された複数の変動パターンは、互いに設定されている変動時間が異なっている。変動パターンの決定は、第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン決定乱数の値に基づいて行われ、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて変動時間が短めの変動パターンが決定され易くなっている。
変動パターンを決定すると、特別図柄の変動表示を開始する。また、変動表示の開始に際して、特別図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドや、停止表示する図柄を指定する停止図柄指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。これらのコマンドは、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信される。サブ制御基板220のCPU221は、これらのコマンドを受信することで、特別図柄の変動表示に合わせて演出表示装置41で図柄変動演出を実行する。
特別図柄の変動表示中である場合は、変動時間が経過したか否かを判断する。前述したように変動時間は、変動パターンに設定されており、変動時間が経過すると、決定しておいた大当り図柄または外れ図柄で特別図柄を停止表示する。また、停止表示した特別図柄を確定表示しておく時間(確定時間)を設定する。さらに、特別図柄の停止表示を示す特図変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、特図変動停止コマンドに基づいて、演出表示装置41の図柄変動演出を終了する。
特別図柄の確定表示中は、確定時間が経過したか否かを判断し、確定時間が経過したら、停止表示された特別図柄が大当り図柄および外れ図柄の何れであるかを判断する。その結果、外れ図柄であった場合は、確変状態であるか否かを判断し、確変状態であれば、確変状態中の特別図柄の変動回数を計数する。そして、計数した変動回数が150回に達すると、確変状態を終了して通常状態に設定する。また、確変状態でなければ、続いて、時短状態であるか否かを判断し、時短状態であれば、時短状態中の特別図柄の変動回数を計数する。そして、計数した変動回数が100回に達すると、時短状態を終了して通常状態に設定する。
一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合は、大当り遊技における下大入賞口28および右大入賞口60の開放パターン(ラウンド遊技の回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定して、大当り遊技を開始する。前述したように、大当り遊技中のラウンド遊技の回数は、停止表示された大当り図柄の種類によって異なる。また、所定回数目のラウンド遊技で右大入賞口60が開放状態になった際に振分板65が許容状態であるか阻止状態であるかは、大当り図柄の種類によって異なる。そのため、大当り図柄の種類に応じて、大当り遊技における下大入賞口28および右大入賞口60の開放パターンを設定すると共に、振分板65の作動の有無を設定する。そして、大当り遊技の開始に際して、大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
大当り遊技中は、下大入賞口ソレノイド29mに通電して開閉扉29を駆動することで下大入賞口28を開放状態とするか、右大入賞口ソレノイド61mに通電して開閉板61を駆動することで右大入賞口60を開放状態としてラウンド遊技を開始する。その後、開放時間が経過するか、あるいは開放状態の下大入賞口28または右大入賞口60に規定個数の遊技球が入球すると、下大入賞口ソレノイド29mまたは右大入賞口ソレノイド61mへの通電を停止することで下大入賞口28または右大入賞口60を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了し、閉鎖時間の経過を待って次のラウンド遊技を開始する。また、右大入賞口60の開放状態において振分板65を許容状態とする場合は、振分板ソレノイド65mに通電して振分板65を駆動し、その後、右大入賞口60の閉鎖に伴い振分板ソレノイド65mへの通電を停止して振分板65を阻止状態に戻す。そして、設定された回数のラウンド遊技を全て消化したら、大当り遊技を終了する。このとき、大当り遊技の終了を示す大当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
さらに、遊技球が特定口63を通過したことを示す前述したV入賞フラグがONに設定されているか否かに応じて大当り遊技の終了後の遊技状態を設定する。すなわち、V入賞フラグがONである(遊技球が特定口63を通過した)場合は、確変状態に設定し、V入賞フラグがOFFである(遊技球が特定口63を通過していない)場合は、時短状態に設定する。また、遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
以上のような特別動作処理(S80)に続いて、ソレノイド確認処理(S90)を行う。ソレノイド確認処理(S90)では、パチンコ機1に搭載された各種ソレノイド(始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m)のうち作動中(通電中)のソレノイドを確認し、その作動状況をRAM203に記憶する。そして、次回の出力処理(S10)で作動状況を示す信号を磁気センサーユニット75に向けて送信する。こうしてソレノイド確認処理(S90)を行ったら、図9の遊技制御処理を一旦終了し、4msec毎のタイマ割り込みが発生すると、再び図9の遊技制御処理を実行する。
主制御基板200のCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、パチンコ機1での遊技を進行させる。また、主制御基板200のCPU201は、遊技制御処理を実行する中で各種ソレノイド(始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m)の作動状況を示す信号を磁気センサーユニット75に向けて送信するようになっている。前述したように磁石を用いたゴト行為を検知するために磁気センサーユニット75を搭載した本実施例のパチンコ機1では、磁石を透明板4b越しに第1始動口24や第2始動口55に近づけると、センサー素子76に作用する磁場が変化することにより、ゴト行為を検知することが可能である。ただし、第1始動口24や第2始動口55の周囲(遊技盤20の裏面側)には、始動口ソレノイド56mをはじめとする各種ソレノイドが配置されており、各種ソレノイドに通電した際に磁場が生じることから、その磁場がセンサー素子76に作用することによって、ゴト行為が行われていると誤検知してしまうことがある。そこで、本実施例のパチンコ機1では、磁気センサーユニット75の制御部77が以下のような処理を実行することによって誤検知を抑制することが可能となっている。
C−2.磁気センサー初期化処理 :
図10は、磁気センサーユニット75の制御部77が実行する磁気センサー初期化処理を示したフローチャートである。この磁気センサー初期化処理は、パチンコ機1の電源投入時に行われる主制御基板200のCPU201の初期化処理に伴って実行される。主制御基板200のCPU201の初期化処理では、主制御基板200に接続された始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65mの各々に通電して作動させることにより、これらの動作確認を行うようになっている。その際に各種ソレノイドの作動状況を示す信号が磁気センサーユニット75に向けて送信される。
磁気センサーユニット75の制御部77は、磁気センサー初期化処理を開始すると、まず、各種ソレノイドの作動状況を示す信号を受信する前の状態(始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65mの何れも作動していない状態)で、センサー素子76を用いて磁場の強さを計測し、その計測値を基準値1として記憶部78に記憶する(S100)。
こうして基準値1を記憶すると、主制御基板200から始動口ソレノイド56mの作動信号を受信したか否かを判断し(S101)、受信していない場合は(S101:no)、始動口ソレノイド56mの作動信号を受信するまで待機する。そして、始動口ソレノイド56mの作動信号を受信した場合は(S101:yes)、センサー素子76による磁場の計測値を基準値2として記憶部78に記憶する(S102)。
基準値2を記憶すると、続いて、主制御基板200から下大入賞口ソレノイド29mの作動信号を受信したか否かを判断し(S103)、受信していない場合は(S103:no)、下大入賞口ソレノイド29mの作動信号を受信するまで待機する。そして、下大入賞口ソレノイド29mの作動信号を受信した場合は(S103:yes)、センサー素子76による磁場の計測値を基準値3として記憶部78に記憶する(S104)。
基準値3を記憶したら、次に、主制御基板200から右大入賞口ソレノイド61mの作動信号を受信したか否かを判断し(S105)、受信していない場合は(S105:no)、右大入賞口ソレノイド61mの作動信号を受信するまで待機する。そして、右大入賞口ソレノイド61mの作動信号を受信した場合は(S105:yes)、センサー素子76による磁場の計測値を基準値4として記憶部78に記憶する(S106)。
基準値4を記憶すると、さらに、主制御基板200から右大入賞口ソレノイド61mおよび振分板ソレノイド65mの同時作動を示す信号を受信したか否かを判断し(S107)、受信していない場合は(S107:no)、右大入賞口ソレノイド61mおよび振分板ソレノイド65mの同時作動を示す信号を受信するまで待機する。前述したように振分板65は、右大入賞口60の開放状態に伴って許容状態となる場合があり、主制御基板200のCPU201の初期化処理では、右大入賞口ソレノイド61mおよび振分板ソレノイド65mに同時に通電して動作確認が行われる。
そして、右大入賞口ソレノイド61mおよび振分板ソレノイド65mの同時作動を示す信号を受信した場合は(S107:yes)、センサー素子76による磁場の計測値を基準値5として記憶部78に記憶する(S108)。こうして各種ソレノイド(始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m)の作動状況に応じて基準値1〜5を記憶すると、図10の磁気センサー初期化処理を終了する。
C−3.異常磁場監視処理 :
図11は、磁気センサーユニット75の制御部77が実行する異常磁場監視処理を示したフローチャートである。この異常磁場監視処理は、上述した図10の磁気センサー初期化処理が終了した後、所定の周期で(例えば、5分毎に)実行される。磁気センサーユニット75の制御部77は、異常磁場監視処理を開始すると、まず、各種ソレノイド(始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m)の作動状況を確認する(S200)。前述したように主制御基板200のCPU201は、図9の遊技制御処理を実行する中で各種ソレノイドの作動状況を示す信号を磁気センサーユニット75に向けて送信するようになっており、磁気センサーユニット75の制御部77は、受信した信号に基づいて各種ソレノイドの作動状況を確認(把握)することができる。そして、確認した各種ソレノイドの作動状況に応じて磁場の基準値を記憶部78から読み出す(S201)。
図12は、各種ソレノイドの作動状況と磁場の基準値との対応関係を示した説明図である。前述したように記憶部78には、図10の磁気センサー初期化処理を実行する中で磁場の基準値1〜5が記憶されている。図12に示されるように、始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65mの何れも作動していない場合は、基準値1を読み出す。また、始動口ソレノイド56mが作動中である場合は基準値2を読み出し、下大入賞口ソレノイド29mが作動中である場合は基準値3を読み出す。さらに、右大入賞口ソレノイド61mが単独で作動中である場合は基準値4を読み出し、右大入賞口ソレノイド61mおよび振分板ソレノイド65mが同時に作動中である場合は基準値5を読み出す。
図11の異常磁場監視処理では、各種ソレノイドの作動状況に応じて磁場の基準値を読み出すと、続いて、センサー素子76で磁場の強さを計測し(S202)、その計測値とS201で読み出した基準値との差が所定の閾値以上であるか否かを判断する(S204)。そして、磁場の計測値と基準値との差が閾値より小さい場合は(S204:no)、正常な磁場である(磁石を用いたゴト行為が行われていない)と判断し、そのまま図11の異常磁場監視処理を一旦終了する。そして、所定の周期で再び図11の異常磁場監視処理を実行する。
これに対して、磁場の計測値と基準値との差が閾値以上である(すなわち、磁場の計測値が基準値から閾値以上外れている)場合は(S204:yes)、異常な磁場である(磁石を用いたゴト行為が行われている)と判断し、異常磁場の検知を示す異常磁場検知信号を、外部端子板70を介してパチンコ機1の外部に送信して(S205)、図11の異常磁場監視処理を終了する。前述したように異常磁場検知信号は、中継装置90からホールコンピュータ95に送信されると共に、データ表示機80に送信されることによって状態ランプ82が警報色で点灯する。
以上に説明したように本実施例のパチンコ機1では、電源投入時に行われる磁気センサー初期化処理において各種ソレノイド(始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m)の作動状況に応じて異なる磁場をセンサー素子76で計測して、それぞれの計測値を基準値1〜5として予め記憶部78に記憶しておき、その後の異常磁場監視処理では、各種ソレノイドの作動状況に応じて記憶部78から読み出した基準値1〜5の何れかと、センサー素子76による計測値との差が所定の閾値以上になると、異常磁場と判定するようになっている。これにより、例えば、何れのソレノイドも作動していない状態と、始動口ソレノイド56mが作動している状態とでは、センサー素子76に作用する磁場が異なることがあるものの、磁石を用いたゴト行為が行われていなければ、各種ソレノイドの作動状況に応じた基準値に対して、センサー素子76の計測値が閾値以上に大きく外れることはない。その結果、各種ソレノイドが通電時に発生させる磁場がセンサー素子76に作用する場合でも、ゴト行為の誤検知を抑制することが可能となる。
尚、仮に磁石を用いたゴト行為が行われると、磁石の磁場がセンサー素子76に作用することにより、センサー素子76による計測値が基準値に対して閾値以上に外れて異常磁場と判定されるので、ゴト行為を検知することができる。
また、本実施例のパチンコ機1では、複数設けられた各種ソレノイド(始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m)のうち、右大入賞口ソレノイド61mおよび振分板ソレノイド65mについては、同時に作動(通電)することがあるため、同時に作動した状態における磁場をセンサー素子76で計測し、その計測値を基準値5として記憶部78に予め記憶しておくようになっている。特に、複数のソレノイドを同時に作動させると、センサー素子76に作用する磁場が大きく変化することがあるところ、同時作動に応じた基準値に対して、センサー素子76の計測値が閾値以上外れているか否かを判定することにより、ゴト行為の誤検知を抑制することができる。
また、本実施例のパチンコ機1での遊技の進行において、単独で作動することのない振分板ソレノイド65mや、下大入賞口ソレノイド29mおよび右大入賞口ソレノイド61mのように同時に作動することのない組み合わせについては、予め基準値を記憶しておく対象から外すことにより、記憶部78の負荷を軽減すると共に、磁気センサー初期化処理を簡略化することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、前述した実施例では、パチンコ機1での遊技の進行において想定される各種ソレノイド(始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m)の作動状況の各々について磁場の基準値を予め記憶部78に記憶しておくようになっていた。しかし、センサー素子76に対するソレノイドの配置などによってソレノイドの磁場がセンサー素子76に作用し難い場合や、同時に複数のソレノイドを作動させる際に、互いの磁場が打ち消し合ってセンサー素子76に作用する磁場が弱くなる場合がある。そこで、各種ソレノイドの作動状況の各々におけるセンサー素子76の計測値のうち、何れのソレノイドも作動していない状態のセンサー素子76の計測値(基準値1)と比較した差が、閾値よりも小さい所定の下限値未満であるものは、基準値として記憶しないこととしてもよい。そして、各種ソレノイドの作動状況に応じた基準値が記憶部78の記憶の中にない場合は、基準値1と比較してセンサー素子76の計測値が閾値以上に外れていることに基づいて異常磁場と判断してもよい。このようにセンサー素子76に対する磁場の影響が小さいソレノイドや同時作動の組み合わせについては、対応する基準値の記憶を省略して基準値1を代用することにより、記憶部78の負荷を軽減することができる。
また、パチンコ機1では、主制御基板200に接続された各種ソレノイド(始動口ソレノイド56m、下大入賞口ソレノイド29m、右大入賞口ソレノイド61m、振分板ソレノイド65m)以外にも、演出用の役物を駆動するためのソレノイドがサブ制御基板220に接続されている場合がある。そして、こうした演出用のソレノイドが発生させる磁場がセンサー素子76に作用することがある。そのため、主制御基板200に接続された各種ソレノイドと同様に、サブ制御基板220に接続された演出用のソレノイドについても、作動の有無に応じて異なる磁場をセンサー素子76で計測し、その計測値を基準値として予め記憶部78に記憶しておくこととして、演出用のソレノイドの作動の有無に応じた基準値と、センサー素子76による計測値との差が閾値以上になると、異常磁場と判定してもよい。さらに、演出用の役物が、第2始動口55や下大入賞口28や右大入賞口60と同時に動作し得る場合には、演出用のソレノイドと、主制御基板200に接続された各種ソレノイドとが同時作動した状態におけるセンサー素子76の計測値を、基準値として予め記憶部78に記憶しておいてもよい。
また、第2始動口55の開閉板56や、下大入賞口28の開閉扉29や、右大入賞口60の開閉板61や、振分板65などの可動部材を駆動する電動駆動手段は、ソレノイドに限られず、モーターであってもよい。モーターも通電によって磁場が発生し、その磁場がセンサー素子76に作用することがあるため、本発明を好適に適用することができる。
また、前述した実施例では、主制御基板200に磁気センサーユニット75が接続されており、この磁気センサーユニット75は、センサー素子76や制御部77や記憶部78を有していた。しかし、センサー素子76を主制御基板200に接続しておくと共に、磁場の基準値をRAM203に記憶しておくこととして、異常磁場の判定をCPU201で行ってもよい。
また、上述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
<上述した実施例から抽出できる遊技機A1〜A3>
上述した実施例のパチンコ機1は、次のような遊技機A1〜A3として捉えることができる。
<遊技機A1>
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行い、該遊技領域の所定位置に作用する磁場の強さを計測可能な磁場計測手段を搭載した遊技機において、
前記磁場計測手段による計測値に基づいて異常磁場か否かを判定する判定手段と、
前記遊技領域で所定の動作が可能に設けられた可動部材と、
通電によって生じる磁場を用いて作動し、前記可動部材を駆動する電動駆動手段と、
前記電動駆動手段への通電を制御する通電制御手段と、
前記電動駆動手段への通電時および非通電時の各々における前記磁場計測手段の計測値を、予め基準値として記憶する記憶手段と
を備え、
前記判定手段は、前記通電制御手段による前記電動駆動手段への通電の有無に応じた前記基準値と前記磁場計測手段による計測値との差が所定の閾値以上であると、異常磁場と判定する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A1では、電動駆動手段への通電時と非通電時とで、磁場計測手段に作用する磁場が異なることがあるものの、磁石を用いたゴト行為が行われていなければ、電動駆動手段への通電の有無に応じた基準値に対して、磁場計測手段による計測値が閾値以上に大きく外れることはない。その結果、電動駆動手段が通電時に発生させる磁場が磁場計測手段に作用する場合でも、異常磁場に基づいてゴト行為と誤検知してしまうことを抑制することが可能となる。
<遊技機A2>
遊技機A1において、
前記可動部材および前記電動駆動手段が複数設けられており、
前記記憶手段は、複数の前記電動駆動手段の何れにも通電しない非通電状態、および複数の前記電動駆動手段の少なくとも1つに通電する複数の通電状態の各々における前記磁場計測手段の計測値を、予め前記基準値として記憶可能であり、
前記判定手段は、前記通電制御手段による複数の前記電動駆動手段に対する通電の状況に応じた前記基準値と前記磁場計測手段による計測値との差が前記閾値以上であると、異常磁場と判定する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A2では、特に複数の電動駆動手段への通電を同時に行うと、磁場計測手段に作用する磁場が大きく変化することがあるところ、複数の電動駆動手段への同時通電に応じた基準値に対して、磁場計測手段による計測値が閾値以上に外れているか否かを判定することにより、ゴト行為の誤検知を抑制することができる。
<遊技機A3>
遊技機A2において、
前記記憶手段は、前記複数の通電状態の各々における前記磁場計測手段の計測値のうち、前記非通電状態における前記磁場計測手段の計測値との差が、前記閾値よりも小さい所定の下限値未満であるものは、前記基準値として記憶せず、
前記判定手段は、前記通電制御手段による複数の前記電動駆動手段に対する通電の状況に応じた前記基準値が前記記憶手段に記憶されていない場合は、前記非通電状態に対応する前記基準値と前記磁場計測手段による計測値との差が前記閾値以上であると、異常磁場と判定する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A3では、磁場計測手段に対する電動駆動手段の配置などによって電動駆動手段の磁場が磁場計測手段に作用し難い場合や、同時に複数の電動駆動手段へ通電した際に互いの磁場が打ち消し合って磁場計測手段に作用する磁場が弱くなる場合がある。そこで、磁場計測手段に対する磁場の影響が小さい電動駆動手段や同時通電の組み合わせについては、対応する基準値の記憶を省略して、非通電時に対応する基準値を代用することにより、記憶手段の負荷を軽減することができる。
本発明は、遊技ホールで用いられる遊技機に利用することができる。
1…パチンコ機(遊技機)、 4…前面枠、 4a…窓部、
4b…透明板、 20…遊技盤、 21…遊技領域、
24…第1始動口、 27…普通図柄作動ゲート、 28…下大入賞口、
29…開閉扉(可動部材)、 29m…下大入賞口ソレノイド(電動駆動手段)、
50…複合入球ユニット、 55…第2始動口、 56…開閉板(可動部材)、
56m…始動口ソレノイド(電動駆動手段)、 60…右大入賞口、
61…開閉板(可動部材)、 61m…右大入賞口ソレノイド(電動駆動手段)、
63…特定口、 64…非特定口、 65…振分板(可動部材)、
65m…振分板ソレノイド(電動駆動手段)、 75…磁気センサーユニット、
76…センサー素子(磁場計測手段)、 77…制御部(判定手段)、
78…記憶部(記憶手段)、 100…ソレノイド、 101…電磁コイル、
102…固定鉄心、 103…可動鉄心、 104…付勢バネ、
200…主制御基板、 201…CPU(通電制御手段)、
220…サブ制御基板、 221…CPU。

Claims (3)

  1. 遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行い、該遊技領域の所定位置に作用する磁場の強さを計測可能な磁場計測手段を搭載した遊技機において、
    前記磁場計測手段による計測値に基づいて異常磁場か否かを判定する判定手段と、
    前記遊技領域で所定の動作が可能に設けられた可動部材と、
    通電によって生じる磁場を用いて作動し、前記可動部材を駆動する電動駆動手段と、
    前記電動駆動手段への通電を制御する通電制御手段と、
    前記電動駆動手段への通電時および非通電時の各々における前記磁場計測手段の計測値を、予め基準値として記憶する記憶手段と
    を備え、
    前記判定手段は、前記通電制御手段による前記電動駆動手段への通電の有無に応じた前記基準値と前記磁場計測手段による計測値との差が所定の閾値以上であると、異常磁場と判定する
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記可動部材および前記電動駆動手段が複数設けられており、
    前記記憶手段は、複数の前記電動駆動手段の何れにも通電しない非通電状態、および複数の前記電動駆動手段の少なくとも1つに通電する複数の通電状態の各々における前記磁場計測手段の計測値を、予め前記基準値として記憶可能であり、
    前記判定手段は、前記通電制御手段による複数の前記電動駆動手段に対する通電の状況に応じた前記基準値と前記磁場計測手段による計測値との差が前記閾値以上であると、異常磁場と判定する
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項2に記載の遊技機において、
    前記記憶手段は、前記複数の通電状態の各々における前記磁場計測手段の計測値のうち、前記非通電状態における前記磁場計測手段の計測値との差が、前記閾値よりも小さい所定の下限値未満であるものは、前記基準値として記憶せず、
    前記判定手段は、前記通電制御手段による複数の前記電動駆動手段に対する通電の状況に応じた前記基準値が前記記憶手段に記憶されていない場合は、前記非通電状態に対応する前記基準値と前記磁場計測手段による計測値との差が前記閾値以上であると、異常磁場と判定する
    ことを特徴とする遊技機。
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