上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機(遊技機)に適用した実施例について説明する。尚、実施例においては、特に断りがない限りは、パチンコ機正面に向かって右側を「右」と表現し、左側を「左」と表現する。
また、以下の実施例は次のような順序に従って説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
A−4.大入賞扉に開閉動作を行わせるための機構:
B.遊技の内容:
C.遊技制御処理:
D.演出制御処理:
E.変形例:
E−1.変形例1:
E−2.変形例2:
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aには合成樹脂製の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20(図2参照)の遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20のセグメント表示部50(図2参照)を視認可能である。詳しくは後述するが、セグメント表示部50とは、複数のLEDの組合せによって遊技に係る情報を表示する表示部である。
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの周縁部における右部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの周縁部における左部には左サイドランプ5cが設けられている。また、窓部4aの左右上方には上部スピーカー6aが設けられており、前面枠4の下方(後述する本体枠の幕板前面)には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、パチンコ機1に対応して設けられたカードユニット60を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニットに接続されており、この発射装置ユニットには、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニットに伝達され、発射装置ユニットに内蔵された発射モーターが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
また、上皿部7の縁部には遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。また、図示は省略するが、上皿部7の縁部であって演出ボタン10aの左側には方向ボタン10cが設けられている。方向ボタン10cは上下左右方向のそれぞれに対応する4個のボタン(上ボタン、下ボタン、左ボタン、右ボタン)から構成されている。これらの演出ボタン10aや、ジョグシャトル10b、方向ボタン10cは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に遊技者によって操作されると、所定の遊技演出が行われる。
また、図示は省略するが、前面枠4の背面側には中枠および本体枠が設けられ、前面枠4は、一端(図1における左側)が中枠に対して回動可能に軸支されており、中枠は、一端(図1における左側)が本体枠に対して回動可能に軸支されている。本体枠は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1はこの本体枠が島設備に取り付けられることで遊技ホールに設置される。中枠の前面側には遊技盤20が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠に対してパチンコ機1前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出された状態となる。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤20は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(図3参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出され、遊技領域21の上方から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4aを通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者に視認されることとなる。
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40のほぼ中央には、演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上には、演出用の種々の画像を表示することが可能である。尚、演出表示装置41の詳しい表示内容については、後述する「B.遊技の内容」欄において説明する。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な始動口である第1始動口24が設けられている。第1始動口24に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第1始動口24の内部の通路には第1始動口センサー24s(図3参照)が設けられており、第1始動口24に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21における第1始動口24の下方には、遊技球の入球可能性が変化する入球口(始動口)である第2始動口25が設けられている。すなわち、第2始動口25は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉26を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、開閉扉26がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。図2では、第2始動口25が開放状態となっている様子が示されている。第2始動口25に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第2始動口25の内部の通路には第2始動口センサー25s(図3参照)が設けられており、第2始動口25に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21において中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知するゲートセンサー27s(図3参照)が設けられている。
また、遊技領域21における第1始動口24の右方には、略長方形状に大きく開口された大入賞口28(可変入球口)が設けられている。大入賞口28は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な大入賞扉70(開閉扉)を備えており、大入賞扉70が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態(入球不能状態)と、大入賞扉70がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態(入球可能状態)とに変化可能である。図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。大入賞口28の内部の通路には大入賞口センサー28s(図3参照)が設けられており、大入賞口28に入球した遊技球を検知可能である。
また、上述した各遊技装置の周辺には、遊技球が入球可能なその他入球口30や、遊技球の流下経路に影響を与える風車型ホイール31や多数の障害釘32が設けられている。遊技領域21の最下部であって第2始動口25の左下方と右下方には、2つのアウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、その他入球口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏側に排出される。
上述した第1始動口24には、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下する遊技球が入球可能である。これに対して、第2始動口25、普通図柄作動ゲート27、大入賞口28には、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下する遊技球が入球可能(または通過可能)である。以下では、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「左打ち」とも表現し、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させることを「右打ち」とも表現する。尚、本実施例のパチンコ機1では、第1始動口24、第2始動口25、その他入球口30の何れかに遊技球が入球した場合は、3個の遊技球を遊技者に払い出す。また、大入賞口28に遊技球が入球した場合は、原則的に、13個の遊技球を遊技者に払い出すものの、例外的に、遊技球を払い出さないこともある。この点については、後述する「D.演出制御処理」欄において説明する。
遊技盤20における遊技領域21の右下方には、LEDの組合せによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者に視認される。尚、セグメント表示部50の詳しい表示内容については、後述する「B.遊技の内容」欄において説明する。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図3は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されている。詳しくは、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図3におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図3におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図3における203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200(本発明における「主制御部」に相当)には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28s、普通図柄作動ゲートを通過する遊技球を検知するゲートセンサー27sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s、ゲートセンサー27sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて送信する。
また、主制御基板200には、第2始動口25に設けられた開閉扉26に開閉動作を行わせるための(第2始動口25を開放状態、閉鎖状態にするための)第2始動口ソレノイド26mや、大入賞口28に設けられた大入賞扉70に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)大当り用ソレノイド71、セグメント表示部50などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第2始動口ソレノイド26m、大当り用ソレノイド71、セグメント表示部50に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、この信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信した場合も、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には、遊技球を発射させるための発射モーター262や遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263等を有する発射装置ユニット261が接続されている。発射制御基板260は、タッチスイッチ263を介して遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知すると、発射モーター262を駆動することによって、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
サブ制御基板220(本発明における「サブ制御部」に相当)には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228が接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対しては、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信し、ランプ制御基板226に対しては、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信したりすることによって、遊技の演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出操作基板228を介して、演出ボタン10aやジョグシャトル10b、方向ボタン10c(演出操作部10a,10b,10c)に対する遊技者の操作を検知すると、該操作に対応する遊技演出を行う。
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ROM236から読み出して、該音声データに基づく音声を、アンプ基板224を介して、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から出力する。
また、画像音声制御基板230には、演出用ソレノイド72も接続されている。この演出用ソレノイド72は、上述した大当り用ソレノイド71と同様に、大入賞口28に設けられた大入賞扉70に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)ソレノイドである。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する態様で演出用ソレノイド72の動作の制御を行う。すなわち、本実施例のパチンコ機1では、主制御基板200のCPU201によって大当り用ソレノイド71の動作が制御(励磁)される場合だけでなく、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)によって演出用ソレノイド72の動作が制御(励磁)される場合も、大入賞扉70に開閉動作を行わせる(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にする)ことが可能となっている。
A−4.大入賞扉に開閉動作を行わせるための機構 :
図4には、本実施例の大入賞扉70に開閉動作を行わせるための機構が示されている。なかでも、図4(a)には、この機構を後方斜め上(パチンコ機1の奥側)からみた斜視図が示されており、図4(b)には、この機構を下方からみた底面図が示されている。尚、図4では、大入賞扉70がほぼ直立した状態(大入賞口28の閉鎖状態)を示している。
図4に示すように、大入賞扉70には、下側の両側部に、回動軸70aが設けられている。この回動軸70aは、大入賞口28の内側壁に設けられた軸支孔(図示省略)に挿入(軸支)されている。従って、大入賞扉70は、回動軸70aが設けられた位置を中心軸(図中、一点鎖線)として回動可能であり、ひいては、略直立した状態(大入賞口28の閉鎖状態)と前方側に回動した状態(大入賞口28の開放状態)とに変化可能である。
また、大入賞扉70の後面の両上隅部には、ばね係止部70bが設けられている。このばね係止部70bには、コイルばね73の前端側が係止されている。このコイルばね73の後端側は、大入賞口28の奥側に固定された固定部74に係止されている。従って、大入賞扉70の上側は、コイルばね73によって後方に付勢されており、ひいては、大入賞扉70は、前方側に回動した状態(大入賞口28の開放状態)から略直立した状態(大入賞口28の閉鎖状態)になるように付勢されている。尚、大入賞扉70は、略直立した状態(大入賞口28の閉鎖状態)においては、その後面の縁部が大入賞口28の縁部に当接している。このため、大入賞扉70は、コイルばね73によって後方に付勢されていても、略直立した状態から更に後方に回動することはない。
また、大入賞扉70の下端部の左右には、斜め下後方へ伸びる開放用ハンドル70R,70Lが設けられている。これらのうち、開放用ハンドル70Lは、大当り用ソレノイド71が大入賞扉70を前方側に回動させる(大入賞口28を開放状態とする)ための部位である。図5には、大当り用ソレノイド71が大入賞扉70を前方側に回動させる様子が示されている。なかでも、図5(a)には、この様子を後方斜め上(パチンコ機1の奥側)からみた斜視図が示されており、図5(b)には、この様子を下方からみた底面図が示されている。大当り用ソレノイド71のプランジャー71aは、先端側が開放用ハンドル70Lの前方側に位置するように折り曲げられている。このため、主制御基板200のCPU201によって大当り用ソレノイド71が励磁されると、図5に白抜き矢印で示すように、プランジャー71aが後方に移動し、このプランジャー71aによって開放用ハンドル70Lが後方に押し下げられる。この結果、開放用ハンドル70Lが後方に回動されて、大入賞扉70は回動軸70aを軸として前方側に回動される(大入賞口28が開放状態となる)。もちろん、このような状態において大当り用ソレノイド71が消磁されると、プランジャー71aが(大当り用ソレノイド71に内蔵された図示しないバネによって)前方へ移動して、開放用ハンドル70Lに対する後方への押圧が解除された状態となる。この結果、大入賞扉70は、コイルばね73によって略直立した状態となる(大入賞口28は閉鎖状態となる)。
これに対して、開放用ハンドル70Rは、演出用ソレノイド72が大入賞扉70を前方側に回動させる(大入賞口28を開放状態とする)ための部位である。図6には、演出用ソレノイド72が大入賞扉70を前方側に回動させる様子が示されている。なかでも、図6(a)には、この様子を後方斜め上(パチンコ機1の奥側)からみた斜視図が示されており、図6(b)には、この様子を下方からみた底面図が示されている。演出用ソレノイド72のプランジャー72aは、先端側が開放用ハンドル70Rの前方側に位置するように折り曲げられている。このため、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)によって演出用ソレノイド72が励磁されると、図6に白抜き矢印で示すように、プランジャー72aが後方に移動し、このプランジャー72aによって開放用ハンドル70Rが後方に押し下げられる。この結果、開放用ハンドル70Rが後方に回動されて、大入賞扉70は回動軸70aを軸として前方側に回動される(大入賞口28が開放状態となる)。もちろん、このような状態において演出用ソレノイド72が消磁されると、プランジャー72aが(演出用ソレノイド72に内蔵された図示しないバネによって)前方へ移動して、開放用ハンドル70Rに対する後方への押圧が解除された状態となる。この結果、大入賞扉70は、コイルばね73によって略直立した状態となる(大入賞口28は閉鎖状態となる)。
以上のように本実施例のパチンコ機1では、主制御基板200のCPU201によって大当り用ソレノイド71が励磁される場合は、プランジャー71aによって開放用ハンドル70Lが後方へ回動され、大入賞扉70が前方側に回動される(大入賞口28が開放状態となる)。また、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)によって演出用ソレノイド72が励磁される場合は、プランジャー72aによって開放用ハンドル70Rが後方へ回動され、大入賞扉70が前方側に回動される(大入賞口28が開放状態となる)。すなわち、主制御基板200のCPU201によって大当り用ソレノイド71が励磁される場合であっても、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)によって演出用ソレノイド72が励磁される場合であっても、大入賞扉70が前方側に回動される(大入賞口28が開放状態となる)。このため、大当り用ソレノイド71と演出用ソレノイド72とを異なる信号に基づいて励磁(制御)することによって、大入賞口28を開放状態とすることができる。この結果、大入賞口28が開放状態(入球可能状態)となる時期を多様にすることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
尚、大当り用ソレノイド71は本発明における「第1のソレノイド」に相当し、演出用ソレノイド72は本発明における「第2のソレノイド」に相当する。
B.遊技の内容 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で発射ハンドル9が回転されると、上皿部7に貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を変化させることによって、遊技者は所望する領域に遊技球を流下させることができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(左打ちを行ったり)、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させたり(右打ちを行ったり)することができる。
<特別図柄の変動表示>
図2を用いて前述したように、第1始動口24には左打ちされた遊技球が入球可能である。左打ちされた遊技球が第1始動口24に入球し、その入球した遊技球が第1始動口センサー24sにより検知されると、所定の判定乱数(後述する大当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する特図当り判定を行う。そして、この特図当り判定の結果に基づいて、第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。また、図2を用いて前述したように、第2始動口25には右打ちされた遊技球が入球可能である。右打ちされた遊技球が第2始動口25に入球し、その入球した遊技球が第2始動口センサー25sにより検知されると、所定の判定乱数(後述する特図当り判定乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する特図当り判定を行う。そして、この特図当り判定の結果に基づいて、第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)を変動表示させた後に停止表示させる。ここで、第1特図、第2特図について説明する。
図7は、セグメント表示部50を拡大して示す説明図である。前述したように、セグメント表示部50は遊技盤20における遊技領域21の右下方に設けられており(図2参照)、遊技者は前面枠4の小窓部4c(図1参照)を通してセグメント表示部50を視認可能である。図7に示すように、セグメント表示部50には、第1特図を表示する第1特図表示部51と、第2特図を表示する第2特図表示部52が設けられており、これらの表示部にはそれぞれ8個のLEDが配置されている。第1特図および第2特図(以下、これらを特に区別をしない場合は、まとめて「特別図柄」という)は、それぞれの表示部において、8個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、8個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、第1特図として、大当り図柄1〜100、外れ図柄101の101種類の図柄を停止表示可能であり、第2特図として、大当り図柄201〜300、外れ図柄301の101種類の図柄を停止表示可能である。また、これらの図柄の種類は、点灯するLEDの組合せの相違によって識別可能である。遊技球が第1始動口24に入球することに基づく特図当り判定(以下「第1特図についての特図当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第1特図が大当り図柄1〜100の何れかで停止表示され、第1特図についての特図当り判定の結果が外れである場合は、第1特図が外れ図柄101で停止表示される。また、遊技球が第2始動口25に入球することに基づく特図当り判定(以下「第2特図についての特図当り判定」ともいう)の結果が大当りである場合は、第2特図が大当り図柄201〜300の何れかで停止表示され、第2特図についての特図当り判定の結果が外れである場合は第2特図が外れ図柄301で停止表示される。こうして特別図柄(第1特図または第2特図)を大当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(以下「確定表示」ともいう)を行う。以下では、特別図柄が変動表示を開始してから、所定の変動時間の経過により当該変動表示が終了して、特別図柄が大当り図柄または外れ図柄で確定表示されるまでの遊技、すなわち1回の変動表示の結果が得られるまでの遊技を「図柄変動遊技」とも表現する。
<大当り遊技>
第1特図または第2特図が何れかの大当り図柄で停止表示されると、大入賞口28が開放状態となるラウンド遊技が複数回行われる大当り遊技を開始する。図2を用いて前述したように、大入賞口28には右打ちされた遊技球が入球可能であるので、大当り遊技中は右打ちが行われることとなる。
本実施例のパチンコ機1では、停止表示された大当り図柄の種類によって、1回の大当り遊技におけるラウンド遊技の回数が異なる。すなわち、図8(a)に示すように、第1特図が大当り図柄1〜45,46〜50で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)、4回のラウンド遊技が行われる4ラウンド大当り遊技が行われ、第1特図が大当り図柄51〜90で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は40%の確率で)、6回のラウンド遊技が行われる6ラウンド大当り遊技が行われ、第1特図が大当り図柄91〜94で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は4%の確率で)、7回のラウンド遊技が行われる7ラウンド大当り遊技が行われ、第1特図が大当り図柄95〜100で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)、16回のラウンド遊技が行われる16ラウンド大当り遊技が行われる。また、図8(b)に示すように、第2特図が大当り図柄201〜245,246〜250で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は50%の確率で)4ラウンド大当り遊技が行われ、第2特図が大当り図柄251〜290で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は40%の確率で)6ラウンド大当り遊技が行われ、第2特図が大当り図柄291〜294で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は4%の確率で)7ラウンド大当り遊技が行われ、第2特図が大当り図柄295〜300で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)16ラウンド大当り遊技が行われる。
本実施例のパチンコ機1において、1回のラウンド遊技は、9個の遊技球が入球した場合(9カウント)または30秒が経過した場合に終了するので、ほとんどの場合において1回のラウンド遊技では117個(9カウント×払出数13個)の遊技球が払い出される。従って、当然ながら、ラウンド遊技回数の多い大当り遊技の方が、ラウンド遊技回数が少ない大当り遊技よりも遊技者に多くの遊技球が払い出されることとなる。このため、ラウンド遊技回数のより多い大当り遊技が行われることを遊技者に期待させることができる。尚、このことは、遊技者にとっての有利度合が互いに異なる複数の大当り遊技を実行可能であると捉えることができる。
上述した大当り遊技の実行中は、セグメント表示部50のラウンド表示部55に実行中の大当り遊技の種類(ラウンド遊技回数)が表示される。すなわち、図7に示すように、ラウンド表示部55には3個のLEDが配置されており、このラウンド表示部55では、3個のLEDのうち左のLEDを点灯することで4ラウンド大当り遊技の実行中であることを示し、中のLEDを点灯することで6ラウンド大当り遊技の実行中であることを示し、右のLEDを点灯することで7ラウンド大当り遊技の実行中であることを示し、3個全てのLEDを点灯することで16ラウンド大当り遊技の実行中であることを示す。
<特別図柄の保留>
遊技球が第1始動口24に入球すると、上述したように第1特図についての特図当り判定や変動表示が行われるものの、これらの特図当り判定や変動表示は、遊技球が第1始動口24に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第1特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第1特図保留に基づいて特図当り判定や第1特図の変動表示を行う。このような第1特図保留は4個を上限として記憶される。第1特図保留の記憶数(第1特図保留数)は、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53に表示される。すなわち、図7に示すように、第1特図保留表示部53には2個のLEDが配置されており、この第1特図保留表示部53では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第1特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第1特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第1特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第1特図保留数が4個であることを示す。
また、遊技球が第2始動口25に入球すると、上述したように第2特図についての特図当り判定や変動表示が行われるものの、これらの特図当り判定や変動表示も、遊技球が第2始動口25に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第2特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第2特図保留に基づいて特図当り判定や第2特図の変動表示を行う。このような第2特図保留も4個を上限として記憶される。第2特図保留の記憶数(第2特図保留数)は、セグメント表示部50の第2特図保留表示部54に表示される。すなわち、図7に示すように、第2特図保留表示部54にも2個のLEDが配置されており、この第2特図保留表示部54では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第2特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第2特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第2特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第2特図保留数が4個であることを示す。
尚、本実施例のパチンコ機1では、何れかの特別図柄の変動表示中や、何れかの特別図柄の確定表示中、大当り遊技中は、第1特図保留や第2特図保留が記憶されていても、これらの保留に係る特図当り判定や変動表示は行わない。また、第1特図保留および第2特図保留のうち第1特図保留のみが記憶されている場合は、最先に記憶された第1特図保留に係る特図当り判定および第1特図の変動表示を行うが、第2特図保留が記憶されている場合は第1特図保留が記憶されているか否かに拘わらず、最先に記憶された第2特図保留に係る特図当り判定および第2特図の変動表示を行う。すなわち、第2特図を第1特図に優先して変動表示させる機能を有している(いわゆる第2特図の優先変動機能を有している)。
<普通図柄の変動表示、普図当り遊技>
図2を用いて前述したように、普通図柄作動ゲート27は右打ちされた遊技球が通過可能である。右打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過し、その遊技球がゲートセンサー27sにより検知されると、所定の判定乱数(後述する普図当り判定乱数)を取得し、該判定乱数に基づいて普図当りであるか外れであるかを判定する普図当り判定を行う。そして、この普図当り判定の結果に基づいて、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる。図7に示すように、セグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部56が設けられており、普図表示部56には2個のLEDが配置されている。普通図柄は、普図表示部56において、2個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、2個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、普通図柄として、2個のLEDのうち左のLEDを点灯させた普図当り図柄と、右のLEDを点灯させた普図外れ図柄の2種類の図柄を停止表示可能である。普図当り判定の結果が普図当りである場合は普通図柄が普図当り図柄で停止表示され、普図当り判定の結果が普図外れである場合は普通図柄が普図外れ図柄で停止表示される。こうして普通図柄を当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(確定表示)を行う。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25が開放状態となった後に閉鎖状態となる普図当り遊技が行われる。
<普通図柄の保留>
遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、普図当り判定や普通図柄の変動表示が行われるものの、これらの普図当り判定や変動表示は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を普図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した普図保留に基づいて普図当り判定や普通図柄の変動表示を行う。このような普図保留も4個を上限として記憶される。普図保留の記憶数(普図保留数)は、セグメント表示部50の普図保留表示部57に表示される。すなわち、図7に示すように、普図保留表示部57には2個のLEDが配置されており、この普図保留表示部57では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで普図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで普図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで普図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで普図保留数が4個であることを示す。尚、本実施例のパチンコ機1では、普図保留が記憶されている場合において、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中、普図当り遊技中の何れでもなければ、最先に記憶された普図保留に係る普図当り判定および普通図柄の変動表示を行う。
<遊技状態>
ここで、本実施例のパチンコ機1では、「特図当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態」を設定可能である。この遊技状態は、「特図当り判定において大当りと判定される確率が低い(99.9分の1の確率である)低確率状態」または「特図当り判定において大当りと判定される確率が高い(11.9分の1の確率である)高確率状態」に設定される。さらに、本実施例のパチンコ機1では、「第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態」を設定可能である。この遊技状態は、「第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い非電サポ状態」または「第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い電サポ状態」に設定される。
上述した遊技状態の設定態様について図9を用いて説明する。尚、これらの遊技状態は大当り遊技終了後に設定されるため、図9では、図8を用いて前述したラウンド遊技の回数も再掲している。また、図9において、「高確回数」とは、高確率状態が設定された状態で実行可能な図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)の回数であり、「電サポ回数」とは、電サポ状態が設定された状態で実行可能な図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)の回数である。
本実施例のパチンコ機1では、何れの大当り遊技が行われた場合であっても、大当り遊技終了後は高確率状態と電サポ状態が併せて設定されるものの、電サポ回数が大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類によって異なる。すなわち、図9に示すように、高確回数については、何れの大当り図柄が停止表示された場合であっても6回に設定される。これに対して、電サポ回数については、図9(a)に示すように、第1特図が大当り図柄1〜45で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は45%の確率で)25回に設定され、第1特図が大当り図柄46〜50,51〜90,91〜94で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は5%+40%+4%=49%の確率で)50回に設定され、第1特図が大当り図柄95〜100で停止表示された場合は(第1特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)100回に設定される。また、図9(b)に示すように、第2特図が大当り図柄201〜245で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は45%の確率で)25回に設定され、第2特図が大当り図柄246〜250,251〜290,291〜294で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は5%+40%+4%=49%の確率で)50回に設定され、第2特図が大当り図柄295〜300で停止表示された場合は(第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は6%の確率で)100回に設定される。
尚、高確回数が6回に設定された後に図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)が6回行われた場合は、高確率状態は終了し、電サポ状態が設定されたまま低確率状態が設定される。また、25回、50回、100回の電サポ回数が設定された後に該電サポ回数と同数の図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)が行われた場合は、電サポ状態は終了し、非電サポ状態が設定される。遊技者にとっては、電サポ状態の方が非電サポ状態よりも有利な状態であることから、より多くの電サポ回数が設定されることを遊技者に期待させることができる。
ここで、セグメント表示部50には、上述した電サポ状態の設定中であることを示す電サポ表示部58が設けられている。すなわち、図7に示すように、電サポ表示部58には、3個のLEDが配置されており、電サポ状態の設定中は、この3個のLEDを点灯することによって電サポ状態の設定中であることを示す。また、図7に示すように、セグメント表示部50には、右打ちを行うことを示す右打ち表示部59が設けられている。電サポ状態の設定中は第2始動口25への遊技球の入球頻度が高く、且つ、第2始動口25は右打ちされた遊技球が入球可能であるので、電サポ状態の設定中は右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。また、大入賞口28も右打ちされた遊技球が入球可能であるので、大当り遊技中も右打ちを行うことが遊技者にとって有益である。そこで、電サポ状態の設定中および大当り遊技中は、右打ち表示部59に配置された2個のLEDを点灯することによって右打ちを行うことを示す。
<演出表示装置41の表示内容>
上述したような遊技の進行は、主に主制御基板200のCPU201によって行われる。本実施例のパチンコ機1では、上述したような遊技の進行に合わせて、演出表示装置41に種々の画像を表示する演出を行う。このような演出は、主にサブ制御基板220のCPU221によって行われる。
例えば、演出表示装置41では、第1特図または第2特図の変動表示(図柄変動遊技)に合わせた各種の演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。すなわち、第1特図表示部51または第2特図表示部52にて特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示(図柄変動遊技)の開始タイミングと同期して、演出表示装置41においても3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を一斉に開始し、その後、特別図柄の変動時間が経過するまで種々の態様で変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了タイミング(特別図柄の停止表示)と同期して3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示を終了する。本実施例のパチンコ機1では、識別図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄を表示可能である。
図10(a)には、3つの識別図柄41a,41b,41cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄41aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次に、右識別図柄41cが停止表示され、最後に中識別図柄41bが停止表示される。これら演出表示装置41で停止表示される3つの識別図柄41a,41b,41cの組合せは、前述した第1特図表示部51または第2特図表示部52で停止表示される特別図柄(第1特図または第2特図)と対応するように構成されている。例えば、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は、演出表示装置41の3つの識別図柄41a,41b,41cが同じ図柄となる図柄組合せ(以下「ゾロ目」ともいう)で停止表示される。また、第1特図または第2特図が「外れ図柄」で停止表示される場合は、3つの識別図柄41a,41b,41cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(以下「バラケ目」ともいう)で停止表示される。尚、停止表示された識別図柄41a、41b、41cは、特別図柄の確定表示時間が経過するまで停止表示された状態となる(確定表示される)。
このように、第1特図表示部51または第2特図表示部52で表示される特別図柄と、演出表示装置41で表示される3つの識別図柄41a,41b,41cとは、表示内容が互いに対応しており、変動表示中の特別図柄が停止表示する際には、3つの識別図柄41a,41b,41cも停止表示するようになっている。しかも、図2に示すように、演出表示装置41は、第1特図表示部51または第2特図表示部52(セグメント表示部50)よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置41の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、図10(b)に示すように、演出表示装置41の表示画面上で初めに停止表示される左識別図柄41aと、続いて停止表示される右識別図柄41cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄41bも同じ図柄で停止して、「大当り遊技が開始されるのではないか」と、遊技者は識別図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように、一の識別図柄を除いた複数の識別図柄を同じ図柄(ゾロ目となり得る態様)で停止させて該一の識別図柄を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である。
また、演出表示装置41の表示画面上の下部には、第1特図保留数を示すための第1保留表示領域41dと、第2特図保留数を示すための第2保留表示領域41eとが設定されている。本実施例のパチンコ機1では、第1保留表示領域41dに第1特図保留数と同数の「保留図柄(図中、小さい円形の図柄)」を表示することで第1特図保留数を示し、第2保留表示領域41eに第2特図保留数と同数の「保留図柄」を表示することで第2特図保留数を示す。従って、図10に示す例では、第1特図保留数および第2特図保留数が共に4個であることが示されている。尚、当然ながら、演出表示装置41の表示画面上に表示された保留図柄によって示される保留数と、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53および第2特図保留表示部54にて示される保留数とは一致する。
C.遊技制御処理 :
図11は、主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。遊技制御処理は、主制御基板200のCPU201によって、所定周期毎(例えば4msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200のCPU201が行う遊技進行制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
<出力処理>
図11に示すように、主制御基板200のCPU201は遊技制御処理を開始すると先ず、出力処理(S100)を行う。本実施例のパチンコ機1では、後述する各種処理において、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて送信する各種コマンドをRAM203に確保された出力バッファに記憶する。出力処理(S100)では、このように出力バッファに記憶された各種コマンドを各種制御基板に向けて送信する。こうすることにより、例えば、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになり、払出制御基板240では、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しが行われることとなる。
<入力処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、入力処理(S200)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、第1始動口24、第2始動口25、その他入球口30の何れかに遊技球が入球した場合は3個の遊技球が払い出される。そこで、入力処理(S200)の処理では、これらの入球を検知するセンサー類(第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s等)について、遊技球を検知したか否かを判断する。その結果、遊技球を検知している場合は、3個の遊技球を払い出させるための払出コマンドを上述した出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された払出コマンドは次回の出力処理(S100)で払出制御基板240に向けて送信される。
ここで、本実施例のパチンコ機1では、大入賞口28に遊技球が入球した場合は、原則的に、13個の遊技球を遊技者に払い出すものの、例外的に、遊技球を払い出さないこともある。すなわち、本実施例のパチンコ機1では、大当り遊技中でなくても、演出の一環として大入賞口28を開放状態とする場合があり、この場合は、大当り遊技中でなくても大入賞口28に遊技球が入球することがある。そして、大当り遊技中でないときに遊技球が大入賞口28に入球した場合は、遊技球を払い出さないこととしている。従って、入力処理(S200)では、大入賞口センサー28sについて、遊技球を検知したか否かを判断し、その結果、遊技球を検知している場合は、大当り遊技中であるか否かを判断する。そして、大入賞口センサー28sが遊技球を検知したのが大当り遊技中である場合は、13個の遊技球を払い出させるための払出コマンドを上述した出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された払出コマンドは次回の出力処理(S100)で払出制御基板240に向けて送信される。これに対して、大入賞口センサー28sが遊技球を検知したのが大当り遊技中でない場合は、払出コマンドを記憶しないこととしている。
<乱数更新処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、乱数更新処理(S300)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、特図当り判定や普図当り判定は所定の判定乱数に基づいて行われる。詳しくは、特図当り判定は「特図当り判定乱数」に基づいて行われ、普図当り判定は「普図当り判定乱数」に基づいて行われる。また、本実施例のパチンコ機1における特別図柄の変動表示は後述する変動パターンに基づいて行われるが、この変動パターンは「変動パターン選択乱数」に基づいて選択される。また、本実施例のパチンコ機1では、特図当り判定結果が大当りである場合は、100種類の大当り図柄のうち何れかの大当り図柄が停止表示されるが、この大当り図柄の種類は「図柄選択乱数」に基づいて選択される。乱数更新処理(S300)では、これらの乱数を更新する。尚、これらの乱数の更新は、乱数更新処理(S300)においてだけでなく、遊技制御処理を終了してから次の遊技制御処理を開始する(次のタイマ割り込み)までの期間にも行うこととしてもよい。また、乱数更新の専用回路を設けて、この専用回路で乱数を更新することとしてもよい。
<始動口等センサー検出処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、始動口等センサー検出処理(S400)を行う。この始動口等センサー検出処理(S400)では、普図保留、第1特図保留、第2特図保留を記憶する処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、ゲートセンサー27sの検知結果に基づいて、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したか否かを判断する。その結果、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した場合は、普図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、普図保留数が4個に達していなければ、普図当り判定乱数を取得すると共に該普図当り判定乱数を普図保留として記憶する。普図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された普図保留記憶領域に記憶される。尚、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過していなかった場合や、普図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな普図保留は記憶しない。
こうして普図保留の記憶に係る処理を行ったら、続いて、第1始動口センサー24sの検知結果に基づいて、遊技球が第1始動口24に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第1始動口24に入球した場合は、第1特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、第1特図保留数が4個に達していなければ、特図当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第1特図保留として記憶する。第1特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第1特図保留記憶領域に記憶される。
ここで、第1特図の変動表示(図柄変動遊技)は、第1特図保留として取得された特図当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数に基づいて行われる。また、第1特図の変動表示に合わせて行われる演出(図柄変動演出)も、第1特図保留として取得された特図当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数に基づいて行われる。従って、第1特図保留を記憶した場合は、未だ該第1特図保留に基づく変動表示が開始されていなくても(変動開始条件が成立していなくても)、該第1特図保留に基づく変動表示や演出(第1特図保留に基づく図柄変動遊技や図柄変動演出)の態様を判定することが可能である。例えば、第1特図保留に基づく変動表示が行われる前であっても、該第1特図保留に基づく変動表示が行われた場合に大当り図柄が停止表示されるか否かや、リーチ演出が行われるか否か等を判定することが可能である。このような判定は事前判定と称されるものであって、本実施例のパチンコ機1では、第1特図保留を記憶すると、該第1特図保留について事前判定を行い、該事前判定結果を該第1特図保留と対応付けて記憶する。こうして、第1特図保留を記憶すると共に該第1特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドは次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第1始動口24に入球していなかった場合や、第1特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第1特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。
こうして第1特図保留の記憶に係る処理を行ったら、続いて、第2始動口センサー25sの検知結果に基づいて、遊技球が第2始動口25に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第2始動口25に入球した場合は、第2特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、第2特図保留数が4個に達していなければ、特図当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第2特図保留として記憶する。第2特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第2特図保留記憶領域に記憶される。こうして第2特図保留を記憶したら、該第2特図保留についても上述と同様の事前判定を行い、該事前判定結果を該第2特図保留と対応付けて記憶する。こうして、第2特図保留を記憶すると共に該第2特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドも次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第2特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第2始動口25に入球していなかった場合や、第2特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第2特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。
<普通動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、普通動作処理(S500)を行う。この普通動作処理(S500)では、普通図柄を変動表示させたり、普図当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。その結果、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合は、上述の普図保留記憶領域に普図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、普図保留記憶領域に普図保留が記憶されている場合は、記憶されている普図保留のうち最先に記憶された普図保留を読み出す。そして、読み出した普図保留、すなわち、普図当り判定乱数に基づいて普図当り判定を行う。
普図当り判定を行ったら、該普図当り判定の結果が普図当りであるか否かを判断する。その結果、普図当り判定の結果が普図当りである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図当り図柄を記憶する。すなわち、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の左のLED(図7参照)を点灯させることを記憶する。これに対して、普図当り判定の結果が普図外れである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図外れ図柄を記憶する。すなわち、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の右のLED(図7参照)を点灯させることを記憶する。
こうして、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部56の左のLEDを点灯させること、あるいは、普図表示部56の右のLEDを点灯させることを記憶したら、普通図柄の変動時間を設定して、普通図柄の変動表示を開始する。そして、今回の普図当り判定の対象となった普図保留を普図保留記憶領域から消去する。
以上は、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合の処理について説明した。これに対して、普通図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の普通図柄を予め記憶しておいた態様で停止表示する。すなわち、普図当り判定の結果が普図当りであった場合は普図表示部56の左のLEDを点灯した状態とし(普図当り図柄を停止表示し)、普図当り判定の結果が外れであった場合は普図表示部56の右のLEDを点灯した状態した状態とする(外れ図柄を停止表示する)。このように普通図柄が停止表示されたら、普通図柄の確定表示が開始されるので、普通図柄の確定表示時間を設定する。
普通図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された普通図柄が普図当り図柄(普図表示部56の左のLEDの点灯)であるか否かを判断する。その結果、停止表示された普通図柄が普図当り図柄であった場合は、普図当り遊技における第2始動口25の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定した後、普図当り遊技を開始する。
普図当り遊技中は、上述の開放パターンで第2始動口25が開放状態・閉鎖状態となるように、第2始動口ソレノイド26mを制御して開閉扉26を動作させる。そして、この開放パターンに従う制御が終了したら普図当り遊技を終了する。
ここで、図9を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態が「第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い非電サポ状態」または「第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い電サポ状態」に設定される。このような非電サポ状態および電サポ状態の設定は次のように実現される。
すなわち、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、普図当り判定の結果が普図当りとなる確率(普図当り確率)が高く、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が短く、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間が長く設定される。従って、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、第2始動口25が高頻度で開放状態になるとともに該開放状態にある期間が長くなるので、第2始動口25への遊技球の入球頻度が高くなる(高頻度状態)。例えば、非電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の1の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の1の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を20秒に設定し、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間を0.3秒(0.1秒×3回開放)に設定する。これに対して、電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の99の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の99の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を1秒に設定し、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間を4.5秒(1.5秒×3回開放)に設定する。
<特別動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、特別動作処理(S600)を行う。この特別動作処理(S600)では、特別図柄(第1特図または第2特図)を変動表示させたり、大当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、大当り遊技中、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄(第1特図または第2特図)の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。その結果、大当り遊技中、特別図柄の変動表示中、特別図柄の確定表示中の何れでもない場合は、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されている場合は、記憶されている第2特図保留のうち最先に記憶された第2特図保留(特図当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第2特図保留に含まれる特図当り判定乱数に基づいて特図当り判定を行う。
これに対して、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されていない場合は、今度は、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されている場合は、記憶されている第1特図保留のうち最先に記憶された第1特図保留(特図当り判定乱数、図柄選択乱数、変動パターン選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第1特図保留に含まれる特図当り判定乱数に基づいて特図当り判定を行う。
ここで、図9を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、特図当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態は「特図当り判定において大当りと判定される確率が低い(99.9分の1の確率である)低確率状態」または「特図当り判定において大当りと判定される確率が高い(11.9分の1の確率である)高確率状態」に設定される。このような低確率状態あるいは高確率状態の設定は次のように実現される。すなわち、低確率状態が設定されている場合は、第1特図保留または第2特図保留として取得可能な特図当り判定乱数のうち99.9分の1の乱数を大当りとし、高確率状態が設定されている場合は、第1特図保留または第2特図保留として取得可能な特図当り判定乱数のうち11.9分の1の乱数を大当りとする。
こうして第1特図保留または第2特図保留について特図当り判定を行ったら、該特図当り判定の結果が大当りであるか否かを判断する。その結果、特図当り判定の結果が大当りである場合は、今回読み出した第1特図保留または第2特図保留に含まれる図柄選択乱数に基づいて、今回の特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)にて停止表示する大当り図柄の種類を選択する。すなわち、図8を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、第1特図としては大当り図柄1〜100が停止表示可能であり、第2特図としては大当り図柄201〜300が停止表示可能である。そこで、第1特図保留を読み出した場合は、大当り図柄1〜100に図柄選択乱数が割り振られた図柄選択テーブル(図示省略)を参照して、第1特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。また、第2特図保留を読み出した場合は、大当り図柄201〜300に図柄選択乱数が割り振られた図柄選択テーブルを参照して、第2特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。尚、図柄選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
一方、特図当り判定の結果が外れである場合においては、第1特図保留を読み出した場合は外れ図柄101を停止表示する図柄として選択し、第2特図保留を読み出した場合は外れ図柄301を停止表示する図柄として選択する。尚、停止表示する図柄として選択された大当り図柄、外れ図柄は、RAM203に確保された停止図柄記憶領域に記憶される。
こうして停止表示する図柄を選択したら、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)の変動パターンを選択する。変動パターンとは、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)であり、各変動パターンには他の変動パターンと識別するための情報(変動パターンID)が付されている。変動パターンを選択する処理では変動パターン選択テーブルを参照する。変動パターン選択テーブルとは、図12に示すように、複数の変動パターン(変動パターンID、変動時間)に変動パターン選択乱数が割り振られたテーブルである。変動パターンを選択する処理では、このような変動パターン選択テーブルにおいて、今回第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン選択乱数に対応する変動パターンを、今回の変動パターンとして決定する。従って、各変動パターンが選択される確率は、取得可能な変動パターン選択乱数のうち各変動パターンに割り振られた乱数の割合によって決定される。
このように選択された変動パターンは後述の変動パターン指定コマンドとして、サブ制御基板220に向けて送信される。サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると、該変動パターン指定コマンドに基づいて今回の図柄変動遊技の変動パターンを認識し、該変動パターンに基づく演出パターンで図柄変動演出を実行する。
上述した変動パターンを選択する処理では、常時同じ変動パターン選択テーブルを参照するのではなく、図13に示すように、特別図柄の種類(第1特図または第2特図)や、現在設定されている遊技状態、特図当り判定の結果、記憶されている第1特図保留および第2特図保留の数などの種々の遊技進行状況に対応する変動パターン選択テーブルを参照する。こうすることで、種々の遊技進行状況に対応する変動パターンを選択可能となり、ひいては、サブ制御基板220のCPU221は種々の遊技進行状況に対応する演出パターンで図柄変動演出を実行可能となる。例えば、サブ制御基板220のCPU221は、特図当り判定の結果が大当りである場合は、リーチ演出の後に識別図柄41a,41b,41cをゾロ目で停止表示する図柄変動演出を実行し、特図当り判定の結果が外れである場合は、識別図柄41a,41b,41cをバラケ目で停止表示する図柄変動演出を実行する。また、特図当り判定の結果が外れである場合において所定の変動パターンが選択された場合はリーチ演出を行う。尚、各変動パターン選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
こうして、今回の特別図柄の変動表示にて停止表示させる図柄を選択すると共に、今回の特別図柄の変動表示の変動パターンを選択したら、特別図柄の変動表示を開始する。そして、今回選択された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動パターン指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。また、今回の特図当り判定の対象となった第1特図保留または第2特図保留を、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域から消去する。
尚、特別図柄は本発明における「識別情報」に相当し、特別図柄を変動表示させる主制御基板200のCPU201は本発明における「識別情報表示手段」に相当する。
以上は、大当り遊技中、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄の確定表示中の何れでもない場合の処理について説明した。これに対して、特別図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の特別図柄を予め停止図柄記憶領域に記憶しておいた図柄で停止表示する(確定表示を開始する)。このように特別図柄が停止表示されたら、特別図柄の確定表示が開始されるので、特別図柄の確定表示時間を設定する。そして、特別図柄を停止表示したことを示す変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動停止コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
特別図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された特別図柄が大当り図柄であるか否かを判断する。その結果、停止表示された特別図柄が外れ図柄であった場合は、高確率状態が設定されているか否かを判断し、高確率状態が設定されている場合は、高確回数を1回減算する。その結果、高確回数が0回になったら、高確率状態に代えて低確率状態を設定する。また、電サポ状態が設定されているか否かも判断し、電サポ状態が設定されている場合は電サポ回数を1回減算する。その結果、電サポ回数が0回になったら、電サポ状態に代えて非電サポ状態を設定する。このように遊技状態を設定した場合は、設定された遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
これに対して、停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合は、大当り遊技における大入賞口28の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。図8を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、停止表示された大当り図柄の種類によって大当り遊技中のラウンド遊技の回数が異なる。従って、停止表示された大当り図柄の種類に対応して大入賞口28の開放パターンを設定する。こうして大入賞口28の開放パターンを設定したら、大当り遊技を開始する。そして、大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。この大当り遊技開始コマンドには、今回開始する大当り遊技におけるラウンド遊技回数を示す情報も含まれている。出力バッファに記憶された大当り遊技開始コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
大当り遊技中は、上述の開放パターンで大入賞口28が開放状態・閉鎖状態となるように、大当り用ソレノイド71を制御して大入賞扉70を動作させる。すなわち、図4〜図6を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、主制御基板200のCPU201が大当り用ソレノイド71を制御(励磁・消磁)することによっても、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)が演出用ソレノイド72を制御(励磁・消磁)することによっても、大入賞口28を開放状態・閉鎖状態とすることができるが、大当り遊技中は、主制御基板200のCPU201が大当り用ソレノイド71を制御(励磁・消磁)することによって大入賞口28を開放状態・閉鎖状態とする。
そして、ラウンド遊技の開始時には、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶し、ラウンド遊技の終了時には、ラウンド遊技の終了を示すラウンド遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶される。このように出力バッファに記憶されたラウンド遊技開始コマンド、ラウンド遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
また、上述の開放パターンに従う大当り用ソレノイド71の制御(大入賞扉70の動作)が終了したら大当り遊技を終了する。そして、大当り遊技の終了を示す大当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された大当り遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。大当り遊技を終了したら、図9を用いて前述したように、遊技状態を高確率状態且つ電サポ状態に設定する。このとき、高確回数は、何れの大当り図柄が停止表示された場合も6回に設定されるが、電サポ回数は、停止表示された大当り図柄の種類に応じて、25回、50回、100回の何れかに設定される。このように遊技状態を設定した場合は、設定された遊技状態(高確回数や電サポ回数も含む)を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
尚、大当り図柄は本発明における「特定態様」に相当し、大入賞口28は本発明における「可変入球口」に相当し、大当り遊技は本発明における「特定遊技」に相当し、大当り遊技を実行する主制御基板200のCPU201は本発明における「特定遊技実行手段」に相当する。
<保留数処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、保留数処理(S700)を行う。この保留数処理(S700)では、第1特図保留記憶領域に記憶されている第1特図保留の数、および、第2特図保留記憶領域に記憶されている第2特図保留の数を読み出して、これらの数を示す保留数伝達コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された保留数伝達コマンドも次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の数や第2特図保留の数に対応する保留図柄を演出表示装置41に表示する等、これらの数に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。
D.演出制御処理 :
図14は、サブ制御基板220のCPU221が、演出に係る制御として行う演出制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。演出制御処理は、サブ制御基板220のCPU221によって、所定周期毎(例えば10msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。以下、フローチャートに従って、サブ制御基板220のCPU221が行う演出制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU221の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
演出制御処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、コマンド解析処理を行う(S800)。ここで、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からコマンドを受信するたびに、外部割り込み処理として、このコマンドをRAM223の受信コマンド記憶領域に記憶している。コマンド解析処理(S800)では、この受信コマンド記憶領域に記憶されたコマンド、すなわち、主制御基板200から受信したコマンドに対応する演出を決定し、この演出を行うために画像音声制御基板230やランプ制御基板226等に送信するコマンドをRAM223に確保された出力バッファに記憶する。
サブ制御基板220のCPU221は、続いて、出力処理を行う(S900)。この処理では、RAM223の出力バッファに記憶されたコマンドを画像音声制御基板230やランプ制御基板226等に送信する。サブ制御基板220からコマンドを受信すると、画像音声制御基板230は、受信したコマンドに対応する画像を演出表示装置41に表示すると共に、受信したコマンドに対応する音声を各種スピーカー6a,6b等から出力する。また、ランプ制御基板226は、受信したコマンドに対応する発光パターンで各種ランプ5a〜5c等を発光させる。
以上のように、サブ制御基板220は、画像音声制御基板230やランプ制御基板226等と協働して各種演出を実行するが、本明細書では説明の便宜上、サブ制御基板220が画像音声制御基板230やランプ制御基板226等と協働して各種演出を実行することを、単に、「サブ制御基板220のCPU221が各種演出を実行する」とも表現する。
図15には、主制御基板200から受信したコマンドに対応して、サブ制御基板220のCPU221が行う処理を示している。図15に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、事前判定結果コマンドを受信した場合は、事前判定結果に基づく演出である事前演出を行う。
本実施例の事前演出としては、大入賞口28を開放状態にした後に閉鎖状態にする演出が行われる。すなわち、図4〜図6を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、主制御基板200のCPU201が大当り用ソレノイド71を制御(励磁・消磁)することによっても、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)が演出用ソレノイド72を制御(励磁・消磁)することによっても、大入賞口28を開放状態・閉鎖状態とすることができるが、事前演出としては、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)が演出用ソレノイド72を制御(励磁・消磁)することによって大入賞口28を開放状態とする演出(以下「大入賞口演出」ともいう)を行う。また、この場合は、事前判定結果に対応する態様で大入賞口28を開放状態とする「大入賞口演出」を行う。例えば、所定のリーチ演出が行われる特図保留が記憶された場合は、大入賞口28を短時間開放状態とする「大入賞口演出」を行い、特図当り判定の結果が大当りとなる特図保留が記憶された場合は、大入賞口28を長時間開放状態とする「大入賞口演出」を行う。こうすると、本来ならば大当り遊技中に開放状態となる大入賞口28が、特図保留が記憶されることに基づいて開放状態となるので、遊技者に意外性を感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。また、大入賞口28が開放状態となる際の態様(開放態様)に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、その他にも、事前演出としては、事前判定結果に対応するキャラクター等の画像を演出表示装置41に表示させる演出や、演出表示装置41の第1保留表示領域41dや第2保留表示領域41fに表示する保留図柄の態様を事前判定結果に対応する態様する演出なども、上述した「大入賞口演出」と併せて実行することとしてもよい。事前演出は、事前判定結果コマンドを受信した場合において、常時行う必要はなく、所定の条件が成立したら(例えば所定の実行抽選に当選したら)行うこととしてもよい。
尚、上述した事前演出における「大入賞口演出」のように、サブ制御基板220のCPU221によって大入賞口28が開放状態とされた場合は、遊技球が大入賞口28に入球しても、遊技球は払い出さない。こうすると、上述したように遊技興趣を高めつつも、遊技者が過度に有利になってしまうことを防止することが可能となる。
また、図15に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、保留数伝達コマンドを受信すると、このコマンドによって示される第1特図保留数および第2特図保留数と同数の保留図柄を、演出表示装置41の第1保留表示領域41dや第2保留表示領域41fに表示する。尚、第1特図保留数および第2特図保留数の両方を常時表示する必要はなく、例えば、左打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第1特図主体の遊技が行われる状態においては、第1特図保留数を表示し、右打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第2特図主体の遊技が行われる状態においては、第2特図保留数を表示することとしてもよい。
また、図15に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示に合わせて、変動パターン指定コマンドが示す変動パターンに対応する図柄変動演出(識別図柄41a,41b,41cの変動表示を含む)を開始する。
ここで、本実施例のパチンコ機1では、図10(b)を用いて前述したリーチ演出として、リーチ演出A〜Gの7種類のリーチ演出を実行可能である。図柄変動演出は、変動パターンに対応して行われるので、図柄変動演出の一環として行われるこれらのリーチ演出もそれぞれに対応する変動パターンが選択された場合に行われる。詳しくは、特図当り判定の結果が大当りである場合に各リーチ演出に対応する変動パターンが選択されると、この変動パターンに対応するリーチ演出が行われた後、識別図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示する図柄変動演出が行われる。また、特図当り判定の結果が外れである場合に各リーチ演出に対応する変動パターンが選択されると、この変動パターンに対応するリーチ演出が行われた後、識別図柄41a,41b,41cがバラケ目で停止表示する図柄変動演出が行われる。
各リーチ演出A〜Gの実行確率、すなわち、各リーチ演出A〜Gに対応する変動パターンが選択される確率は、図12を用いて前述した変動パターン選択テーブルにおいて、各変動パターンに割り振られる変動パターン選択乱数の割合によって設定されている。本実施例のパチンコ機1では図16に示すように、特図当り判定の結果が大当りである場合は、「リーチ演出A」の実行確率が最も低く、「リーチ演出B」→「リーチ演出C」→「リーチ演出D」→「リーチ演出E」→「リーチ演出F」→「リーチ演出G」となるにつれて実行確率が高くなる。これに対して、特図当り判定の結果が外れである場合は逆に、「リーチ演出A」の実行確率が最も高く、「リーチ演出B」→「リーチ演出C」→「リーチ演出D」→「リーチ演出E」→「リーチ演出F」→「リーチ演出G」となるにつれて実行確率が低くなる。従って、各リーチ演出A〜Gが実行された場合における特図当り判定結果が大当りである確率(以下「大当り期待度」ともいう)は、「リーチ演出A」が最も低く、「リーチ演出B」→「リーチ演出C」→「リーチ演出D」→「リーチ演出E」→「リーチ演出F」→「リーチ演出G」となるにつれて高くなる。この結果、より大当り期待度の高いリーチ演出が行われることを遊技者に期待させることができる。
本実施例のリーチ演出A〜Gとしては、大入賞口28を開放状態にした後に閉鎖状態にする演出が行われる。すなわち、図4〜図6を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、主制御基板200のCPU201が大当り用ソレノイド71を制御(励磁・消磁)することによっても、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)が演出用ソレノイド72を制御(励磁・消磁)することによっても、大入賞口28を開放状態・閉鎖状態とすることができるが、リーチ演出としては、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)が演出用ソレノイド72を制御(励磁・消磁)することによって大入賞口28を開放状態とする演出(大入賞口演出)を行う。こうすると、本来ならば大当り遊技中に開放状態となる大入賞口28が、図柄変動遊技中(図柄変動演出中)であるにも拘わらず開放状態となるので、遊技者に意外性を感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、リーチ演出A〜Gとしては、大当り期待度に応じた態様で大入賞口28を開放状態とする演出(大入賞口演出)を行う。こうすると、図柄変動遊技中(図柄変動演出中)であるにも拘わらず、大入賞口28が開放状態となる際の態様(開放態様)に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。詳しくは、図17(a)に示すように、大当り期待度が高いリーチ演出であるほど、大入賞口28の開放回数が多くなる「大入賞口演出」を実行する。例えば、リーチ演出Aとしては、リーチ演出が行われる図柄変動遊技の実行中に大入賞口28を1回開放状態とする「大入賞口演出」を行い、リーチ演出Bとしては2回、リーチ演出Cとしては3回、リーチ演出Dとしては4回、リーチ演出Eとしては5回、リーチ演出Fとしては6回、リーチ演出Gとしては7回、大入賞口28を開放状態とする「大入賞口演出」を行うこととしてもよい。こうすると、図柄変動遊技中(図柄変動演出中)であるにも拘わらず、大入賞口28が開放状態となる回数に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、リーチ演出A〜Gとしては、図17(b)に示すように、大当り期待度が高いリーチ演出であるほど、大入賞口28の開放時間が長くなる「大入賞口演出」を実行することとしてもよい。例えば、リーチ演出Aとしては、該リーチ演出が行われる図柄変動遊技の実行中に大入賞口28を0.5秒開放状態とする「大入賞口演出」を行い、リーチ演出Bとしては1.0秒、リーチ演出Cとしては1.5秒、リーチ演出Dとしては2.0秒、リーチ演出Eとしては2.5秒、リーチ演出Fとしては3秒、リーチ演出Gとしては3.5秒、大入賞口28を開放状態とする「大入賞口演出」を行うこととしてもよい。こうすると、図柄変動遊技中(図柄変動演出中)であるにも拘わらず、大入賞口28が開放状態となる時間に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、その他にも、リーチ演出A〜Gとしては、表示されるキャラクター画像が互いに異なる演出や、表示される背景画像が互いに異なる演出、リーチ演出の開始時に停止表示されるゾロ目となり得る識別図柄(左識別図柄41a,右識別図柄41cなど)が互いに異なる演出なども、上述した「大入賞口演出」と併せて実行することとしてもよい。
尚、上述したリーチ演出における「大入賞口演出」のように、サブ制御基板220のCPU221によって大入賞口28が開放状態とされた場合は、遊技球が大入賞口28に入球しても、遊技球は払い出さない。こうすると、上述したように遊技興趣を高めつつも、遊技者が過度に有利になってしまうことを防止することが可能となる。
上述したような図柄変動演出の実行中に変動停止コマンドを受信すると、サブ制御基板220のCPU221は、識別図柄41a,41b,41cをゾロ目またはバラケ目で停止表示する。ここで、識別図柄41a,41b,41cをゾロ目で停止表示する際は、図柄変動演出の一環として、開始される大当り遊技の種類に対応する態様で大入賞口28を開放状態とする「大入賞口演出」を行うこととしてもよい。こうすると、本来ならば大当り遊技中に開放状態となる大入賞口28が、大当り遊技の開始前であるにも拘わらず開放状態となるので、遊技者に意外性を感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。また、大当り遊技の開始前であるにも拘わらず、大入賞口28が開放状態となる際の態様(開放態様)に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
詳しくは、図18(a)に示すように、遊技者に有利な大当り遊技が開始される場合ほど、大入賞口28の開放回数が多くなる「大入賞口演出」を実行する。例えば、4ラウンド大当り遊技が開始される場合は、識別図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示された際に大入賞口28を4回開放状態とする「大入賞口演出」を行い、6ラウンド大当り遊技が開始される場合は6回、7ラウンド大当り遊技が開始される場合は7回、16ラウンド大当り遊技が開始される場合は16回、大入賞口28を開放状態とする「大入賞口演出」を行うこととしてもよい。こうすると、大当り遊技が開始される前であるにも拘わらず、大入賞口28が開放状態となる回数に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、図18(b)に示すように、遊技者に有利な大当り遊技が開始される場合ほど、大入賞口28の開放時間が長くなる「大入賞口演出」を実行することとしてもよい。例えば、4ラウンド大当り遊技が開始される場合は、識別図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示された際に大入賞口28を2秒開放状態とする「大入賞口演出」を行い、6ラウンド大当り遊技が開始される場合は3秒、7ラウンド大当り遊技が開始される場合は3.5秒、16ラウンド大当り遊技が開始される場合は8秒、大入賞口28を開放状態とする「大入賞口演出」を行うこととしてもよい。こうすると、大当り遊技が開始される前であるにも拘わらず、大入賞口28が開放状態となる時間に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
尚、上述した識別図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示された際の「大入賞口演出」のように、サブ制御基板220のCPU221によって大入賞口28が開放状態とされた場合は、遊技球が大入賞口28に入球しても、遊技球は払い出さない。こうすると、上述したように遊技興趣を高めつつも、遊技者が過度に有利になってしまうことを防止することが可能となる。
また、図15に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、大当り遊技開始コマンドを受信すると、大当り遊技中であることを示す大当り遊技演出を開始する。ここで、図4〜図6を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、主制御基板200のCPU201が大当り用ソレノイド71を制御(励磁・消磁)することによっても、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)が演出用ソレノイド72を制御(励磁・消磁)することによっても、大入賞口28を開放状態・閉鎖状態とすることができる。もっとも、大当り遊技におけるラウンド遊技中は、主制御基板200のCPU201が大当り用ソレノイド71を制御(励磁・消磁)することによって大入賞口28が開放状態となるため、このような場合に、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)が演出用ソレノイド72を制御(励磁・消磁)すると、当該ラウンド遊技中の大入賞口28の開放態様に悪影響を及ぼす可能性がある。
そこで、大当り遊技中は、図19に示すように、ラウンド遊技中以外の期間、例えば、大当り遊技が開始されてから1回目のラウンド遊技が開始されるまでの期間、ラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始するまでの期間、最後のラウンド遊技が終了してから大当り遊技が終了するまでの期間などに、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)が演出用ソレノイド72を制御(励磁・消磁)することによって大入賞口28を開放状態とする「大入賞口演出」を、大当り遊技演出の一環として行う。この「大入賞口演出」においては、実行中の大当り遊技の種類(大当り遊技終了後に設定される遊技状態も含む)に対応する態様で大入賞口28を開放状態とする。例えば、図18を用いて前述した態様で大入賞口28を開放状態とする。こうすると、大当り遊技中は、ラウンド遊技中だけでなく、ラウンド遊技中以外の期間も、大入賞口28が開放状態となるので、大入賞口28の開放頻度を高めることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。また、ラウンド遊技中以外の期間であるにも拘わらず、大入賞口28が開放状態となる際の態様(開放態様)に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、その他にも、大当り遊技演出としては、大当り遊技の開始を示すファンファーレ演出や、大当り遊技中であることを示す動画(いわゆるムービー)を表示する演出、開始された大当り遊技のラウンド遊技回数(4ラウンド大当り遊技、6ラウンド大当り遊技、7ラウンド大当り遊技、16ラウンド大当り遊技の何れか)を示唆する演出、開始された大当り遊技終了後に設定される遊技状態、高確回数(6回)、電サポ回数(25回、50回、100回の何れか)を示唆する演出なども、上述した「大入賞口演出」と併せて実行することとしてもよい。
また、大当り遊技中にラウンド遊技開始コマンドを受信すると、サブ制御基板220のCPU221は、ラウンド遊技中であることを示すラウンド遊技演出を(例えば、大当り遊技演出に重ねて)開始する。例えば、実行中の大当り遊技におけるラウンド遊技の回数を示す演出(例えば、1R,2R,3R・・・を表示する演出など)を開始する。そして、ラウンド遊技終了コマンドを受信すると、ラウンド遊技演出を終了し、大当り遊技終了コマンドを受信すると、大当り遊技演出を終了する。
尚、上述した大当り遊技演出における「大入賞口演出」のように、サブ制御基板220のCPU221によって大入賞口28が開放状態とされた場合は、遊技球が大入賞口28に入球しても、遊技球は払い出さない。こうすると、上述したように遊技興趣を高めつつも、遊技者が過度に有利になってしまうことを防止することが可能となる。
また、図15に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、遊技状態指定コマンドを受信すると、設定された遊技状態に対応する演出を開始する。例えば、識別図柄41a,41b,41cやその背景画像を遊技状態に対応する態様(色彩や形状など)とする演出を実行したり、高確率状態が設定された場合は残りの高確回数を表示する演出を開始したり、電サポ状態が設定された場合は残りの電サポ回数を表示する演出を開始したりする。
E.変形例 :
次に、本発明の変形例について説明する。
E−1.変形例1 :
上述した実施例では、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)が演出用ソレノイド72を制御(励磁・消磁)することによって大入賞口28を開放状態とする「大入賞口演出」を、事前演出や、リーチ演出、大当り遊技演出などとして行うこととした。これに限らず、所定の遊技状態の設定中において、該遊技状態に応じた態様で「大入賞口演出」を行うこととしてもよい。例えば、高確率状態の設定中は低確率状態の設定中よりも、高い頻度で「大入賞口演出」を行うこととしてもよいし、電サポ状態の設定中は非電サポ状態の設定中よりも、高い頻度で「大入賞口演出」を行うこととしてもよい。この場合の「大入賞口演出」は、図柄変動演出の一環として(例えば特定の変動パターンが選択された場合に)行うこととしてもよいし、図柄変動演出とは別の演出として(例えば、図柄変動演出が実行されているか否かに拘わらず、所定の実行抽選に当選した場合に)行うこととしてもよい。
変形例1のような構成とすると、本来ならば大当り遊技中に開放状態となる大入賞口28が、大当り遊技が行われていないにも拘わらず開放状態となるので、遊技者に意外性を感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。また、大入賞口28が開放状態となる際の態様(開放態様)に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
E−2.変形例2 :
上述した実施例では、本発明における「可変入球口」として「大入賞口28」を採用した。これに限らず、本発明における「可変入球口」として「第2始動口25」を採用することとしてもよい。すなわち、上述した実施例では、第2始動口25を開放状態とするためのソレノイドとして、第2始動口ソレノイド26mが設けられていたが、これに代えて、2つのソレノイド(ここでは便宜上、主ソレノイド、サブソレノイドと称する)を設ける。これらのうち、主ソレノイドは、主制御基板200のCPU201によって制御(励磁・消磁)され、サブソレノイドは、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)によって制御(励磁・消磁)されることとする。そして、主ソレノイドおよびサブソレノイドのうち一方が励磁されたら、第2始動口25が開放状態となる構成とする。
このような構成とした場合は、普図当り遊技では、主制御基板200のCPU201が主ソレノイドを制御することによって第2始動口25を開放状態とする。そして、この普図当り遊技中に遊技球が第2始動口25に入球した場合は、遊技者に遊技球を払い出す。普図当り遊技以外の場合、すなわち、第2始動口25を開放状態とする演出(以下「始動口演出」ともいう)を行う場合は、画像音声制御基板230のCPU231(サブ制御基板220のCPU221)がサブソレノイドを制御することによって第2始動口25を開放状態とする。この「始動口演出」は、上述した「大入賞口演出」と同様に、遊技の進行状況に応じた態様で行われる。
変形例2のような構成とすると、本来ならば普図当り遊技中に開放状態となる第2始動口25が、普図当り遊技が行われていないにも拘わらず開放状態となるので、遊技者に意外性を感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。また、第2始動口25が開放状態となる際の態様(開放態様)に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
尚、変形例2においては、普図当り遊技中に遊技球が第2始動口25に入球した場合は遊技球を払い出すが、上述した「始動口演出」のように、サブ制御基板220のCPU221によって第2始動口25が開放状態とされた場合は、遊技球が第2始動口25に入球しても、遊技球は払い出さない。こうすると、上述したように遊技興趣を高めつつも、遊技者が過度に有利になってしまうことを防止することが可能となる。
また、変形例2においては、主ソレノイドが本発明における「第1のソレノイド」に相当し、サブソレノイドが本発明における「第2のソレノイド」に相当し、普図当り遊技が本発明における「特定遊技」に相当する。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
上述した実施例では、大入賞口28を開放状態とする構成として、図4〜図6を用いて前述した構成を採用したが、2つのソレノイドのうち一方が励磁(制御)された場合に大入賞口28が開放状態となる構成であればよく、種々の構成を採用することができる。
また、上述した実施例では、「大入賞口演出」中(サブ制御基板220のCPU221によって大入賞口28が開放状態とされた場合)は、遊技球が大入賞口28に入球しても、遊技球を払い出さないこととしたが、大当り遊技中に入球した場合に払い出す数(13個、本発明における第1数に相当)より少ない数(例えば1個、本発明における第2数に相当)の遊技球を払い出すこととしてもよい。このような構成とした場合であっても、遊技者が過度に有利になってしまうことを防止することが可能となる。
上述した実施例では、高確率状態や電サポ状態は、所定回数の図柄変動遊技が行われると終了することとしたが、これらの遊技状態(一方または両方)は次に大当り遊技が行われるまで継続することとしてもよい。
また、上述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
また、上述した実施例のパチンコ機は、次のような遊技機として把握することもできる。すなわち、
<把握例1>
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機であって、
第1のソレノイドと、
前記第1のソレノイドと異なる第2のソレノイドと、
前記第1のソレノイドが励磁された場合と前記第2のソレノイドが励磁された場合との双方の場合において、遊技球が入球可能な入球可能状態となる可変入球口と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機では、第1のソレノイドが励磁された場合と第2のソレノイドが励磁された場合との双方の場合において、可変入球口が入球可能状態となる。このため、第1のソレノイドと第2のソレノイドとを異なる信号に基づいて励磁(制御)することによって、可変入球口を入球可能状態とすることができる。この結果、可変入球口が入球可能状態となる時期を多様にすることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
<把握例2>
また、こうした遊技機では、
所定の実行条件が成立すると、前記第1のソレノイドを励磁することによって前記可変入球口を入球可能状態とする特定遊技を実行する特定遊技実行手段を備え、
前記特定遊技が行われない場合であっても、前記第2のソレノイドを励磁することによって前記可変入球口を入球可能状態とすることが可能であり、
前記第1のソレノイドが励磁されることによって前記可変入球口が入球可能状態となった場合は、前記可変入球口に遊技球が入球すると、第1数の遊技球の払い出しを行い、
前記第2のソレノイドが励磁されることによって前記可変入球口が入球可能状態となった場合は、前記可変入球口に遊技球が入球すると、前記第1数より少ない第2数の遊技球の払い出しを行う、あるいは、前記可変入球口に遊技球が入球しても、遊技球の払い出しを行わない
こととしてもよい。
このような遊技機では、本来ならば特定遊技中に入球可能状態となる可変入球口が、特定遊技中でないにも拘わらず入球可能状態となるので、遊技者に意外性を感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。また、特定遊技中以外にも可変入球口が入球可能状態となるものの、この場合に遊技球が可変入球口に入球すると、第1数より少ない第2数の遊技球の払い出しを行う、あるいは、遊技球が可変入球口に入球しても遊技球の払い出しが行われない。この結果、上述したように遊技興趣を高めつつも、遊技者が過度に有利になってしまうことを防止することができる。
<把握例3>
また、こうした遊技機では、
識別情報を変動表示させる識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で表示される場合に、前記第1のソレノイドを励磁することによって前記可変入球口を入球可能状態とする特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
を備え、
前記特定遊技が行われない場合であっても、前記第2のソレノイドを励磁することによって前記可変入球口を入球可能状態とすることが可能である
こととしてもよい。
このような遊技機では、本来ならば特定遊技中に入球可能状態となる可変入球口が、特定遊技中でないにも拘わらず入球可能状態となるので、遊技者に意外性を感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
<把握例4>
また、こうした遊技機では、
前記第1のソレノイドが励磁されることによって前記可変入球口が入球可能状態となった場合は、前記可変入球口に遊技球が入球すると、第1数の遊技球の払い出しを行い、
前記第2のソレノイドが励磁されることによって前記可変入球口が入球可能状態となった場合は、前記可変入球口に遊技球が入球すると、前記第1数より少ない第2数の遊技球の払い出しを行う、あるいは、前記可変入球口に遊技球が入球しても、遊技球の払い出しを行わない
こととしてもよい。
このような遊技機では、特定遊技中以外にも可変入球口が入球可能状態となるものの、この場合に遊技球が可変入球口に入球すると、第1数より少ない第2数の遊技球の払い出しを行う、あるいは、遊技球が可変入球口に入球しても遊技球の払い出しが行われない。この結果、上述したように遊技興趣を高めつつも、遊技者が過度に有利になってしまうことを防止することができる。
<把握例5>
また、こうした遊技機では、
前記遊技の進行に係る制御を行う主制御部と、前記遊技の進行に伴って行われる演出に係る制御を行うサブ制御部とを備え、
前記第1のソレノイドは前記主制御部が送信する信号に基づいて励磁され、前記第2のソレノイドは前記サブ制御部が送信する信号に基づいて励磁される
こととしてもよい。
このような遊技機では、遊技の進行の一環としても、遊技の進行に伴って行われる演出の一環としても、可変入球口を入球可能状態とすることができる。この結果、可変入球口が入球可能状態となる時期を更に多様にすることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、上述した実施例および変形例は次のような発明として捉えることもできる。すなわち、
識別情報を変動表示させる識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で表示される場合に、前記可変入球口を入球可能状態とする特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
を備え、
前記特定遊技中以外であっても、遊技の進行状況に応じた態様で前記可変入球口を入球可能状態とすることが可能である
ことを特徴とする遊技機として捉えることもできる。
このような遊技機では、本来ならば特定遊技中に入球可能状態となる可変入球口が、特定遊技中でないにも拘わらず入球可能状態となるので、遊技者に意外性を感じさせることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。また、特定遊技中以外に可変入球口が入球可能状態となる場合は、遊技の進行状況に応じた態様で可変入球口が入球可能状態となるので、可変入球口が入球可能状態となる際の態様に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、上述の遊技機は、
前記識別情報の変動表示中に、当該識別情報が特定態様で表示される可能性に応じた態様で前記可変入球口を入球可能状態とすることが可能である
ことを特徴とする遊技機として捉えることもできる。
このような遊技機では、識別情報の変動表示中に可変入球口が入球可能状態となる場合は、該入球可能状態となる際の態様によって、当該識別情報が特定態様で表示される可能性が示唆される。このため、可変入球口が入球可能状態となる際の態様に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、上述の遊技機は、
前記識別情報が特定態様で表示される可能性(例えば、大当り期待度)が高い第1の場合(例えば、リーチ演出Gを行う場合)は、前記識別情報が特定態様で表示される可能性(例えば、大当り期待度)が前記第1の場合より低い第2の場合(例えば、リーチ演出Aを行う場合)よりも、前記識別情報の変動表示中に前記可変入球口が入球可能状態となる頻度(例えば、入球可能状態となる時間や回数)が高い
ことを特徴とする遊技機として捉えることもできる。
このような遊技機では、識別情報の変動表示中に可変入球口が入球可能状態となる場合は、可変入球口が入球可能状態となる頻度によって、当該識別情報が特定態様で表示される可能性が示唆される。このため、可変入球口が入球可能状態となる頻度に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、上述の遊技機は、
前記特定遊技実行手段は、遊技者にとっての有利度合が互いに異なる複数の特定遊技(例えば、4ラウンド大当り遊技と16ラウンド大当り遊技)を実行可能であり、
前記有利度合の高い前記特定遊技が行われる場合は、当該特定遊技より前記有利度合が低い前記特定遊技が行われる場合よりも、前記識別情報の変動表示中に前記可変入球口が入球可能状態となる頻度(例えば、入球可能状態となる時間や回数)が高い
ことを特徴とする遊技機として捉えることもできる。
このような遊技機では、識別情報の変動表示中に可変入球口が入球可能状態となる場合は、可変入球口が入球可能状態となる頻度によって、有利度合の高い特定遊技が行われる可能性が示唆される。このため、可変入球口が入球可能状態となる頻度に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、上述の遊技機は、
前記特定遊技中に前記可変入球口が入球可能状態となった場合は、前記可変入球口に遊技球が入球すると、第1数の遊技球の払い出しを行い、
前記特定遊技中以外に前記可変入球口が入球可能状態となった場合は、前記可変入球口に遊技球が入球すると、前記第1数より少ない第2数の遊技球の払い出しを行う、あるいは、前記可変入球口に遊技球が入球しても、遊技球の払い出しを行わない
ことを特徴とする遊技機として捉えることもできる。
このような遊技機では、特定遊技中以外にも可変入球口が入球可能状態となるものの、この場合は、遊技球が可変入球口に入球しても、特定遊技中よりも少ない遊技球しか払い出されないか、あるいは、遊技球の払い出しが行われない。この結果、上述したように遊技興趣を高めつつも、遊技者が過度に有利になってしまうことを防止することができる。