JP2020081498A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技領域に不正な磁石が近付けられている場合に、異常として検知可能とする。【解決手段】細長い形状で少なくとも長手方向の一端側が軟磁性材料で形成された回転部材51を、遊技領域の所定位置に外部から磁場が作用すると磁化可能に配置すると共に、他端側に接続された回転軸52を中心に一端側を所定方向に回転可能とする。また、回転部材51に非接触で磁場を作用させ、磁力によって回転部材51を所定方向に回転させることが可能な駆動手段54a,54bを備え、その駆動手段54a,54bを制御することで、回転部材51を所定の回転速度で回転させる。そして、回転部材51の回転を監視手段55で監視しておき、回転部材51の回転速度に所定の閾値以上の変化があると、異常として検知する。【選択図】図7
Description
本発明は、遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機(パチンコ機)に関する。
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することで遊技を行う遊技機では、遊技領域に複数の入賞口を備えているのが一般的であり、入賞口への遊技球の入球を検知して遊技者に賞球を付与するようになっている。また、所定の入賞口(始動口)への遊技球の入球に基づいて、識別情報(例えば、特別図柄)の変動表示を行い、その識別情報が特定態様で停止表示されると、可変式の特定入賞口(大入賞口)が入球不能状態から入球可能状態となる特定遊技(大当り遊技)を実行するものが普及している。
このような遊技機では、遊技領域の前面を覆うガラス板等の透明板に強力な磁石を近付けて、遊技球を透明板越しに磁石に引き付けることにより、始動口などの入賞口に遊技球を不正に入球させる行為(いわゆるゴト行為)が行われることがある。そこで、こうしたゴト行為を検知するために、遊技機に磁気センサーを搭載しておくことが提案されている(例えば、特許文献1)。不正行為者が磁石を透明板に近付けた場合には、磁気センサーに作用する磁場が変化することに基づいて、ゴト行為を検知することが可能である。
また、遊技機の電源投入時などに行われる磁気センサーの初期化処理で計測した磁場の強さを基準値として記憶しておき、その後の磁気センサーによる計測値と基準値とを比較することで、磁場の微妙な変化を感知可能とすることが知られている。
しかし、上述のように遊技機に磁気センサーを搭載していても、透明板に磁石を近付けたまま不正に遊技機の電源投入(あるいは再投入)が行われると、磁気センサーの初期化処理で磁石を近付けた状態の磁場が基準値として記憶されることにより、その後の磁石を用いたゴト行為を検知できないことがあるという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、遊技領域に不正な磁石が近付けられている場合に、異常として検知することが可能な遊技機の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機において、
細長い形状で少なくとも長手方向の一端側が軟磁性材料で形成されて、前記遊技領域の所定位置に外部から磁場が作用すると磁化可能に配置され、他端側に接続された回転軸を中心に該一端側が所定方向に回転可能である回転部材と、
前記回転部材に非接触で磁場を作用させ、磁力によって該回転部材を前記所定方向に回転させることが可能な駆動手段と、
前記駆動手段を制御することで、前記回転部材を所定の回転速度で回転させる回転制御手段と、
前記回転部材の回転を監視する監視手段と、
前記回転部材の回転速度に所定の閾値以上の変化があると、異常として検知する検知手段と
を備えることを特徴とする。
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機において、
細長い形状で少なくとも長手方向の一端側が軟磁性材料で形成されて、前記遊技領域の所定位置に外部から磁場が作用すると磁化可能に配置され、他端側に接続された回転軸を中心に該一端側が所定方向に回転可能である回転部材と、
前記回転部材に非接触で磁場を作用させ、磁力によって該回転部材を前記所定方向に回転させることが可能な駆動手段と、
前記駆動手段を制御することで、前記回転部材を所定の回転速度で回転させる回転制御手段と、
前記回転部材の回転を監視する監視手段と、
前記回転部材の回転速度に所定の閾値以上の変化があると、異常として検知する検知手段と
を備えることを特徴とする。
上述した本発明の遊技機では、
前記駆動手段として、通電することで磁場を発生させる電磁石が、前記回転軸の周囲に所定の間隔で複数設置されており、
前記回転制御手段は、前記複数の電磁石のうち通電する電磁石を前記所定方向に順次切り換える制御を周期的に行うことで、前記回転部材を回転させる
こととしてもよい。
前記駆動手段として、通電することで磁場を発生させる電磁石が、前記回転軸の周囲に所定の間隔で複数設置されており、
前記回転制御手段は、前記複数の電磁石のうち通電する電磁石を前記所定方向に順次切り換える制御を周期的に行うことで、前記回転部材を回転させる
こととしてもよい。
また、こうした本発明の遊技機では、
前記遊技領域には、遊技球が入球可能な入賞口が設けられており、
前記回転部材は、前記所定位置として前記入賞口の位置に外部から磁場が作用すると磁化可能に配置されている
こととしてもよい。
前記遊技領域には、遊技球が入球可能な入賞口が設けられており、
前記回転部材は、前記所定位置として前記入賞口の位置に外部から磁場が作用すると磁化可能に配置されている
こととしてもよい。
本発明によれば、遊技領域に不正な磁石が近付けられている場合に、異常として検知することができる。
上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機(遊技機)に適用した実施例について説明する。尚、実施例において、「前」および「表」は「遊技機を基準とする前方」、つまり「遊技者に近接する方向(遊技者から見て手前側)」を示し、「後」および「裏」は「遊技機を基準とする後方」、つまり「遊技者から離間する方向(遊技者から見て奥側)」を示す。また、「上」とは遊技者から見て「上」であることを示し、「下」とは遊技者から見て「下」であることを示し、「左」とは遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは遊技者から見て「右」であることを示す。
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4は、一端(図1における左側)が中枠3に対して回動可能に軸支されている。中枠3の前面側には遊技盤20(図2参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠3に対してパチンコ機1の前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出した状態となる。中枠3は、一端(図1における左側)が本体枠2に対して回動可能に軸支されている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4は、一端(図1における左側)が中枠3に対して回動可能に軸支されている。中枠3の前面側には遊技盤20(図2参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠3に対してパチンコ機1の前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出した状態となる。中枠3は、一端(図1における左側)が本体枠2に対して回動可能に軸支されている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。
前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aにはガラス板等の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20の後述する遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20の後述するセグメント表示部を視認可能である。
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの右側の周縁部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの左側の周縁部には左サイドランプ5cが設けられている。また、窓部4aの上方の左右には一対の上部スピーカー6aが設けられており、本体枠2の下部の前面側には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、および下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、カードユニット242(図4参照)を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、遊技者による回転操作が可能な発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図4参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーターが作動して、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
また、上皿部7の手前側の縁部には、遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には、遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。これらの演出ボタン10aやジョグシャトル10bは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に遊技者によって操作されると、所定の遊技演出が行われる。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。前述したように遊技盤20は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(図4参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出され、遊技領域21の上方から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4a(透明板4b)を通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者が視認可能である。
図2は、遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。前述したように遊技盤20は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(図4参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出され、遊技領域21の上方から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4a(透明板4b)を通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者が視認可能である。
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40には、演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41は、液晶表示器によって構成されており、その表示画面上に演出用の種々の画像を表示することが可能である。例えば、演出図柄として3つの識別図柄41a,41b,41cを表示可能であり、これらの識別図柄41a,41b,41cが、複数の数字(例えば「1」〜「9」の9つの数字)を次々と切り換えて変動表示を実行する。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、内蔵のゲートセンサー27s(図4参照)によって検知されて、下方へと流下していく。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方には、第1始動口24が設けられている。第1始動口24は、上方に向けて開口しており、遊技球の入球可能性が不変(一定)であって、遊技球が常時入球可能になっている。第1始動口24に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、第1始動口センサー24s(図4参照)によって検知される。尚、本実施例の第1始動口24は、本発明の「入賞口」に相当している。
遊技領域21における第1始動口24の下方には、遊技球の入球可能性が変化可能な第2始動口25が設けられている。本実施例の第2始動口25は、前方に向けて開口していると共に、下端側を軸に上端側を前方に傾けて回動可能な開閉扉26を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、開閉扉26が前方に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。図2では、第2始動口25が開放状態となっている様子が示されている。第2始動口25に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、第2始動口センサー25s(図4参照)によって検知される。
遊技領域21における第1始動口24の右方には、前方に向けて略長方形状に大きく開口した大入賞口28が設けられている。大入賞口28は、下端側を軸に上端側を前方に傾けて回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29が前方に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、大入賞口センサー28s(図4参照)によって検知される。
遊技領域21における第1始動口24の左方には、その他入賞口30が2つ設けられている。その他入賞口30は、上方に向けて開口しており、遊技球の入球可能性に変化がなく、遊技球が常時入球可能である。その他入賞口30に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、その他入賞口センサー30s(図4参照)によって検知される。
また、上述した各遊技装置の周辺には、遊技球が流下する経路に影響を与える風車型ホイール32や、図2では図示を省略するが多数の遊技釘が設けられている。さらに、遊技領域21の最下部には、アウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、その他入賞口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏面側に排出される。
本実施例のパチンコ機1において、複数の遊技釘の配置などにより、上述した第1始動口24、その他入賞口30には、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下する遊技球が入球可能である。これに対して、普通図柄作動ゲート27、大入賞口28、第2始動口25には、中央装置40の右方の領域を流下する遊技球が通過または入球可能である。以下では、中央装置40の左方の領域を流下させるように遊技球を発射することを「左打ち」とも表現し、中央装置40の右方の領域を流下させるように遊技球を発射することを「右打ち」とも表現する。尚、本実施例のパチンコ機1では、第1始動口24、第2始動口25、その他入賞口30の何れかに遊技球が入球した場合は、賞球として5個の遊技球が払い出され、大入賞口28に遊技球が入球した場合は、13個の遊技球が払い出される。
また、遊技盤20における遊技領域21の右下方には、複数のLEDの組み合わせによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部35が設けられている。セグメント表示部35は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者が視認可能である。
さらに、本実施例のパチンコ機1には、異常磁場検知ユニット50が搭載されており、遊技盤20の裏面側に設置されている。パチンコ機1では、遊技領域21の前面を覆う透明板4bに強力な磁石を近付けて、遊技球を透明板4b越しに磁石に引き付けることにより、第1始動口24などの各種入賞口に遊技球を不正に入球させる行為(いわゆるゴト行為)が行われることがある。特に、後述のように遊技者にとって遊技上の利益が大きい第1始動口24や第2始動口25は不正の対象になり易い。
そこで、本実施例の異常磁場検知ユニット50は、第1始動口24の後方に配置されており、不正行為者が透明板4b越しに磁石を第1始動口24や、その直下の第2始動口25に近付けると、磁石による異常な磁場を異常磁場検知ユニット50で検知することが可能になっている。
図3は、本実施例の異常磁場検知ユニット50の構成を示した斜視図である。図示されるように異常磁場検知ユニット50は、平板で細長いオーバル形状に形成された回転部材51と、回転部材51の長手方向の一端側に接続された回転軸52と、回転軸52を回転可能に支持する支持台53とを有している。回転部材51は、軟磁性材料で形成されており、回転軸52とは反対の先端側が図中の破線の矢印で示されるように回転軸52を中心に反時計回りに回転可能になっている。尚、回転部材51は、必ずしも全体が軟磁性材料で形成されていなくてもよく、少なくとも先端側が軟磁性材料で形成されていればよい。
また、回転軸52を挟んで2つの電磁石54a,54bが左右に対称に配置されており、電磁石54a,54bへの通電によって発生する磁場が回転部材51に作用するようになっている。さらに、回転軸52の後方には、回転部材51の回転を検知するためのフォトセンサー55が設置されている。尚、本実施例の電磁石54a,54bは、本発明の「駆動手段」に相当しており、本実施例のフォトセンサー55は、本発明の「監視手段」に相当している。
本実施例のフォトセンサー55は、いわゆるフォトインタラプタであり、間隙部55aを挟んで、光を発する発光部55bと、光を受ける受光部55cとが対向している。そして、回転する回転部材51の先端側が間隙部55aを通過し、発光部55bからの光が回転部材51に遮られて受光部55cに届かなくなること基づいて、回転部材51の回転を検知することが可能である。尚、異常磁場検知ユニット50による不正な磁石(異常磁場)の検知については、後ほど詳しく説明する。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図4は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されている。機能に着目して大別すると、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図4におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図4におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図4におけるRAM203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図4は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されている。機能に着目して大別すると、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図4におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図4におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図4におけるRAM203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球を検知するゲートセンサー27s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28s、その他入賞口30へ入球した遊技球を検知するその他入賞口センサー30sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、ゲートセンサー27s、大入賞口センサー28s、その他入賞口センサー30sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応したコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240などに向けて送信する。
また、主制御基板200には、第2始動口25の開放状態と閉鎖状態とを切り換え可能な開閉扉26を駆動する始動口ソレノイド26mや、大入賞口28の開放状態と閉鎖状態とを切り換え可能な開閉扉29を駆動する大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部35などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、始動口ソレノイド26m、大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部35に駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228などが接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対して、表示画像や出力音声を指定するコマンドを送信したり、ランプ制御基板226に対して、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信したりすることによって、遊技演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出操作基板228を介して、演出ボタン10aやジョグシャトル10b(以下「演出操作部10a,10b」ともいう)に対する遊技者の操作を検知すると、その操作に対応する遊技演出を行う。
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応した画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応した音声データを音声ROM236から読み出して、その音声データの信号をアンプ基板224に送信することにより、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から音声を出力する。
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、その検知信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、払出制御基板240は、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信すると、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には発射装置ユニット261が接続されている。発射装置ユニット261は、遊技球を発射するための発射モーター262や、遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263などを有している。遊技者が発射ハンドル9に触れていることをタッチスイッチ263で検知すると、発射モーター262の作動が可能となり、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
これらの制御基板や各種基板などで消費される電力は、電源基板270から供給されている。電源基板270は、100Vの交流電圧の供給を受けており、規定電圧の直流電圧に変換した後、それぞれの制御基板および各種基板などに電力を供給している。
また、本実施例のパチンコ機1には、外部に信号を送信するための外部端子板70が設けられており、主制御基板200と接続されている。主制御基板200のCPU201は、検知信号の入力のあった各種センサー(第1始動口センサー24s、第2始動口センサー25s、ゲートセンサー27s、大入賞口センサー28s、その他入賞口センサー30sなど)に対応する信号や、パチンコ機1の状態を示す信号を、外部端子板70を介してパチンコ機1の外部に向けて送信することが可能になっている。
さらに、本実施例のパチンコ機1には、前述したように異常磁場検知ユニット50が搭載されており、外部端子板70と接続されている。異常磁場検知ユニット50は、通電によって磁場を発生させる2つの電磁石54a,54bや、回転部材51の回転を検知するフォトセンサー55や、電磁石54a,54bに通電する制御、および回転部材51の回転の変化に基づいて異常磁場(磁石を用いたゴト行為)を検知する制御を実行可能な制御部56を有している。そして、制御部56で異常磁場を検知すると、その検知信号を、外部端子板70を介してパチンコ機1の外部に送信することが可能になっている。
以上のような本実施例のパチンコ機1は、遊技ホールに複数台設置されている。図5は、遊技ホールのネットワーク構成を概念的に示した説明図である。遊技ホールには、複数台のパチンコ機1が設置されていると共に、遊技ホール全体を管理するホールコンピュータ95が設置されている。遊技ホールの各パチンコ機1は、中継装置90を介してホールコンピュータ95と通信可能に接続されている。
図示した例では、2台のパチンコ機1に対して1台の中継装置90が設けられており、前述したようにパチンコ機1は、外部端子板70から外部に向けて各種の信号を送信することが可能である。中継装置90は、2台のパチンコ機1からの遊技情報を示す信号を収集してホールコンピュータ95に送信するようになっており、ホールコンピュータ95は、パチンコ機1毎に遊技データを管理することが可能である。
また、遊技ホールにおけるパチンコ機1の上方には、パチンコ機1毎にデータ表示機80が設置されている。データ表示機80は、液晶表示部81を備えており、この液晶表示部81には、パチンコ機1の遊技に関する各種の情報を表示可能である。また、液晶表示部81の左右および上方には、状態ランプ82が設けられており、この状態ランプ82は、パチンコ機1の遊技状態などに応じて色を変化させて点灯することが可能である。
データ表示機80は、中継装置90と通信可能に接続されており、パチンコ機1の遊技に関する情報を中継装置90から取得し、その情報に基づいて液晶表示部81の表示や、状態ランプ82の点灯を実行する。また、前述したようにパチンコ機1の異常磁場検知ユニット50で異常磁場(ゴト行為)を検知すると、検知信号が外部端子板70を介して外部に送信されるので、その検知信号が中継装置90からホールコンピュータ95に送信されると共に、データ表示機80に送信されることによって状態ランプ82が所定の警報色(例えば赤色)で点灯する。
B.遊技の概要 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で遊技者が発射ハンドル9を回転させると、上皿部7に貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に向けて発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を調節することによって、遊技者の所望する領域に遊技球を流下させることができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射したり(左打ちを行ったり)、中央装置40の右方の領域を流下するように遊技球を発射したり(右打ちを行ったり)することができる。
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で遊技者が発射ハンドル9を回転させると、上皿部7に貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に向けて発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を調節することによって、遊技者の所望する領域に遊技球を流下させることができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射したり(左打ちを行ったり)、中央装置40の右方の領域を流下するように遊技球を発射したり(右打ちを行ったり)することができる。
前述したように、第1始動口24には左打ちされた遊技球が入球可能である。遊技球が第1始動口24に入球して、第1始動口センサー24sによって検知されると、所定の判定乱数(大当り判定乱数など)を取得し、その判定乱数の値に基づいて大当りか外れかを判定する大当り判定を行う。そして、大当り判定の結果に基づいて、セグメント表示部35にて第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)を表す複数の第1特図LEDを点滅させて第1特図を変動表示させた後、LEDを所定の組み合わせで点灯させて第1特図を停止表示させる。このとき、大当り判定の結果が大当りであれば、大当り図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させ、外れであれば、外れ図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させる。
また、前述したように第2始動口25には右打ちされた遊技球が入球可能である。遊技球が第2始動口25に入球して、第2始動口センサー25sによって検知されると、判定乱数を取得して大当り判定を行う。そして、大当り判定結果に基づいて、セグメント表示部35にて第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)を表す複数の第2特図LEDを点滅させて第2特図を変動表示させた後、第1特図と同様に、大当り判定の結果に応じた組み合わせでLEDを点灯させて第2特図を停止表示させる。
尚、第1始動口24または第2始動口25に遊技球が入球しても、第1特図や第2特図の変動表示中などで新たな変動表示の開始条件が満たされていない場合には、第1始動口24への入球で取得した判定乱数の値を第1特図保留として記憶し、第2始動口25への入球で取得した判定乱数の値を第2特図保留として記憶する。その後、特別図柄(第1特図または第2特図)の新たな変動表示の開始条件が満たされると、第1特図保留または第2特図保留に基づいて大当り判定を行い、対応する特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示を行う。本実施例のパチンコ機1では、このような第1特図保留および第2特図保留を、それぞれ最大4つまで記憶可能である。また、第1特図保留および第2特図保留の両方が記憶されている場合には、第1特図保留よりも優先して第2特図保留に基づく大当り判定が行われる(第2特図保留を優先消化する)ので、第1特図保留に基づく大当り判定が行われるのは、第2特図保留が記憶されていない場合である。
さらに、特別図柄の変動表示と連動して、演出表示装置41では識別図柄41a,41b,41cが複数の数字(例えば「1」〜「9」の9つの数字)を次々と切り換えて変動表示する演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。3つの識別図柄41a,41b,41cは、特別図柄が外れ図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃わない組み合わせ(バラケ目)で停止表示されるのに対して、特別図柄が大当り図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃う組み合わせ(ゾロ目)で停止表示される。このため、3つの識別図柄のうち2つが停止表示されたときに同じ数字であると、最後に停止表示される識別図柄も同じ数字で揃うのではないかと、遊技者は識別図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように2つの識別図柄が同じ図柄で停止表示された状態で最後の識別図柄を変動表示させながら行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、リーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である。
第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示されると、大入賞口28が開放状態となる大当り遊技を実行する。大当り遊技では、開放した大入賞口28を、規定個数(例えば9個)の遊技球が入球するか、あるいは所定の開放時間(例えば30秒)が経過したら閉鎖するラウンド遊技が複数回繰り返される。本実施例のパチンコ機1では、複数の大当り図柄が設けられており、停止表示された大当り図柄の種類によって、大当り遊技で行われるラウンド遊技の回数が異なる(例えば、10回、13回、15回)。前述したように大入賞口28には、右打ちされた遊技球が入球可能であり、大入賞口28に遊技球が入球すると、賞球として13個の遊技球が払い出されることから、大当り遊技によって遊技者は多量の賞球を獲得することが可能である。
また、前述したように、中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、右打ちされた遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過可能である。普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球がゲートセンサー27sによって検知されると、所定の判定乱数(普図当り判定乱数など)を取得し、その判定乱数の値に基づいて普図当りか外れかを判定する普図当り判定を行う。続いて、普図当り判定の結果に基づいて、セグメント表示部35にて普通図柄を表す左右2つの普通図柄LEDを点滅させて普通図柄を変動表示させた後、何れかのLEDを点灯させて普通図柄を停止表示させる。このとき、本実施例のパチンコ機1では、普図当り判定の結果が普図当りであれば、普図当り図柄に対応する左のLEDを点灯させ、外れであれば、外れ図柄に対応する右のLEDを点灯させる。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25が開放状態となる普図当り遊技が行われるので、第2始動口25に遊技球が入球する可能性(すなわち、第2特図の変動表示が行われる可能性)が高まる。
尚、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過しても、普通図柄の変動表示中などで新たな変動表示の開始条件が満たされていない場合には、取得した判定乱数の値を普図保留として最大4つまで記憶することが可能である。その後、普通図柄の新たな変動表示の開始条件が満たされると、普図保留に基づいて普図当り判定や、普通図柄の変動表示を行う。
普図当り遊技における第2始動口25の開放時間は、「電サポ状態」であるか「非電サポ状態」であるかで異なる。電サポ状態では、非電サポ状態よりも第2始動口25の開放時間が長く設定される。また、電サポ状態では、非電サポ状態よりも普図当り判定の結果が普図当りとなる確率(普図当り確率)が高く、且つ、普通図柄の変動時間が短く設定される。従って、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて第2始動口25に遊技球が入球する可能性(すなわち、第2特図の変動表示が行われる可能性)が高まる。
本実施例のパチンコ機1では、複数設けられた大当り図柄が「通常当り図柄」と「確変当り図柄」とに大別されており、特別図柄(第1特図または第2特図)が何れの大当り図柄で停止表示された場合でも、大当り遊技の終了後に電サポ状態が設定される。そして、通常当り図柄である場合は、大当り遊技の終了後に、大当り判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が所定の通常確率(低確率)に設定され、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に達すると非電サポ状態に設定される。一方、確変当り図柄である場合は、大当り遊技の終了後に大当り確率が通常確率よりも高い高確率に設定され、電サポ状態と共に次回の大当り遊技まで継続される。以下では、大当り確率が高確率に設定された状態を「確変状態」と称することがある。また、電サポ状態では、非電サポ状態よりも特別図柄(第1特図および第2特図)の変動時間が短く設定されることから、電サポ状態であって、且つ大当り確率が通常確率に設定された状態を「時短状態」と称することがある。
以上のような本実施例のパチンコ機1では、遊技者にとって特に遊技上の利益が大きい第1始動口24や第2始動口25に対して、磁石を用いて遊技球を不正に入球させるゴト行為が行われることがあり、磁石による異常磁場を検知するために前述のように異常磁場検知ユニット50を搭載している。以下では、異常磁場検知ユニット50の制御部56で実行される処理について説明する。
C.異常磁場検知処理 :
図6は、異常磁場検知ユニット50の制御部56で実行される異常磁場検知処理を示したフローチャートである。この異常磁場検知処理は、パチンコ機1に電源が投入されると開始される。異常磁場検知処理では、まず、2つの電磁石54a,54bへの通電を交互に切り換える制御を開始して回転部材51を回転させ(S100)、フォトセンサー55で回転部材51の回転速度を計測する(S101)。尚、本実施例の制御部56は、本発明の「回転制御手段」に相当している。
図6は、異常磁場検知ユニット50の制御部56で実行される異常磁場検知処理を示したフローチャートである。この異常磁場検知処理は、パチンコ機1に電源が投入されると開始される。異常磁場検知処理では、まず、2つの電磁石54a,54bへの通電を交互に切り換える制御を開始して回転部材51を回転させ(S100)、フォトセンサー55で回転部材51の回転速度を計測する(S101)。尚、本実施例の制御部56は、本発明の「回転制御手段」に相当している。
図7は、2つの電磁石54a,54bへの通電を交互に切り換える様子を概念的に示した説明図である。図7では、異常磁場検知ユニット50を上方から見た状態を表している。図7(a)に示した例では、回転部材51が左側を向いているため、左電磁石54aへの通電を停止した状態で、右電磁石54bに通電する。尚、図7では、右電磁石54bに通電した状態を、ハッチングを付して表している。すると、右電磁石54bが発生させる磁場が作用することで回転部材51が磁化し、回転部材51と右電磁石54bとの間に磁気吸引力が働くため、回転部材51の先端側が回転軸52を中心に反時計回りに回転して右電磁石54bに接近する。
こうして回転部材51が右側を向いたら、続いて、図7(b)に示すように、右電磁石54bへの通電を停止すると共に、左電磁石54aに通電する。すると今度は、左電磁石54aが発生させる磁場の作用で回転部材51が磁化し、回転部材51と左電磁石54aとの間に磁気吸引力が働くことから、回転部材51の先端側が回転軸52を中心に反時計回りに回転しながら左電磁石54aに接近する。
このように2つの電磁石54a,54bへの通電の切り換えを所定周期で繰り返すことによって、非接触で回転部材51を回転させて所定の回転速度に制御することができる。加えて、図7(b)で回転部材51が反時計回りに右側から左側へと移動する際にフォトセンサー55の間隙部55aを通過することから、受光部55cからの光が回転部材51に遮られて受光部55cに届かないことに基づいて、回転部材51の回転を検知することができる。そして、本実施例の異常磁場検知ユニット50では、回転部材51の回転速度として、単位時間当たりに回転部材51が回転する回数(回転数)を計測するようになっている。尚、回転部材51が一回転するのに要する時間を計測してもよい。
但し、図7(c)に示されるように、不正な磁石が透明板4b越しに第1始動口24や第2始動口25に近付けられると、磁石の磁場が回転部材51に作用して回転部材51と磁石との間に磁気吸引力が働くことにより、回転部材51の回転が遅くなったり停止したりする。そのため、フォトセンサー55で計測される回転部材51の回転速度(回転数)に変化が表れる。
そこで、図6の異常磁場検知処理では、回転部材51の回転速度(回転数)に所定の閾値以上の変化があるか否かを判断する(S102)。回転部材51の回転速度(回転数)に閾値以上の変化がない場合は(S102:no)、磁場に異常はない(磁石を用いたゴト行為が行われていない)と判断し、続いて、パチンコ機1の電源がOFFにされたか否かを判断する(S103)。そして、パチンコ機1の電源がOFFにされていない場合は(S103:no)、S101の処理に戻って再び回転部材51の回転速度を計測する。
こうして回転部材51の回転速度を監視するうちに、回転部材51の回転速度(回転数)に閾値以上の変化があった場合は(S102:yes)、磁場に異常がある(磁石を用いたゴト行為が行われている)と判断し、異常磁場の検知を示す異常磁場検知信号を、外部端子板70を介してパチンコ機1の外部に送信する(S104)。この異常磁場検知信号は、中継装置90からホールコンピュータ95に送信されると共に、データ表示機80に送信されることによって状態ランプ82が警報色(例えば赤色)で点灯する。そして、異常磁場検知信号の送信後は、電磁石54a,54bへの通電を停止して(S105)、図6の異常磁場検知処理を終了する。尚、本実施例の制御部56は、本発明の「検知手段」に相当している。
一方、回転部材51の回転速度を監視しながら、閾値以上の変化がないまま(S102:no)、パチンコ機1の電源がOFFにされた場合は(S103:yes)、異常磁場検知信号を送信することなく、電磁石54a,54bへの通電を停止して(S105)、図6の異常磁場検知処理を終了する。
以上に説明したように本実施例のパチンコ機1では、異常磁場検知ユニット50を搭載しており、軟磁性材料で形成された回転部材51を、回転軸52を中心に反時計回りに所定の回転速度で回転させる制御を行うと共に、フォトセンサー55で回転部材51の回転速度を計測(監視)し、回転速度に所定の閾値以上の変化があると、異常として検知するようになっている。周囲に不正な磁場を発生させるものがなければ、回転部材51は所定の回転速度で回転し続けるはずである。但し、不正な磁石が透明板4b越しに遊技領域21に近付けられて磁石の磁場が回転部材51に作用すると、回転部材51と磁石との間に磁気吸引力が働き、回転部材51の回転が妨げられる(回転が遅くなったり停止したりする)ことによって回転速度に変化が表れるため、異常として検知することが可能となる。
また、本実施例の異常磁場検知ユニット50では、回転軸52を挟んで2つの電磁石54a,54bが左右に対称に配置されており、2つの電磁石54a,54bへの通電を交互に切り換える制御を行うようになっている。回転部材51は、通電された左電磁石54aまたは右電磁石54bの磁場が作用することで磁化し、磁気吸引力で引き付けられるので、2つの電磁石54a,54bへの通電を交互に切り換えれば、回転部材51を回転させることができ、通電の切り換えを所定周期で繰り返すことによって所定の回転速度に制御することが可能である。
また、本実施例の異常磁場検知ユニット50は、遊技盤20の裏面側における第1始動口24の後方に配置されている。前述したように第1始動口24や、その直下の第2始動口25は、磁石を用いた不正の対象になり易いところ、磁石が透明板4b越しに第1始動口24や第2始動口25に近付けられた場合は、磁石の磁場が回転部材51に作用することにより、磁気吸引力で回転部材51の回転が妨げられることから、回転速度の変化に基づき、異常として検知が可能となる。
D.変形例 :
以上、本実施例のパチンコ機1について説明したが、実施態様はこれに限られるわけではなく、次のような変形例の態様で実施することも可能である。尚、変形例の説明にあたっては、上述した実施例と同様の構成部分については、実施例と同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
以上、本実施例のパチンコ機1について説明したが、実施態様はこれに限られるわけではなく、次のような変形例の態様で実施することも可能である。尚、変形例の説明にあたっては、上述した実施例と同様の構成部分については、実施例と同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
D−1.第1変形例 :
図8は、第1変形例の異常磁場検知ユニット50の構成を示した斜視図である。前述した実施例の異常磁場検知ユニット50では、回転軸52を挟んで2つの電磁石54a,54bが設置されていた。これに対して、第1変形例の異常磁場検知ユニット50では、電磁石54a,54bを備えておらず、代わりに、永久磁石60やモーター61を備えており、永久磁石60がアーム部材63の一端に取り付けられて、他端にモーター61のシャフト62が接続されている。モーター61は、シャフト62が回転軸52と同軸上となるように回転軸52の上方に配置されており、アーム部材63は、回転部材51と略平行になっている。
図8は、第1変形例の異常磁場検知ユニット50の構成を示した斜視図である。前述した実施例の異常磁場検知ユニット50では、回転軸52を挟んで2つの電磁石54a,54bが設置されていた。これに対して、第1変形例の異常磁場検知ユニット50では、電磁石54a,54bを備えておらず、代わりに、永久磁石60やモーター61を備えており、永久磁石60がアーム部材63の一端に取り付けられて、他端にモーター61のシャフト62が接続されている。モーター61は、シャフト62が回転軸52と同軸上となるように回転軸52の上方に配置されており、アーム部材63は、回転部材51と略平行になっている。
モーター61を作動させると、永久磁石60がアーム部材63を介してシャフト62を中心に図中の破線の矢印で示されるように反時計回りに回転する。永久磁石60は非接触で磁場が回転部材51に作用するようになっており、磁化した回転部材51と永久磁石60との間に磁気吸引力が働くことから、回転部材51は永久磁石60の回転に追従して回転軸52を中心に反時計回りに回転する。そして、回転部材51の回転速度は、モーター61の回転速度によって制御される。また、回転部材51がフォトセンサー55の間隙部55aを通過することで、回転部材51の回転が検知される。尚、第1変形例の永久磁石60およびモーター61は、本発明の「駆動手段」に相当している。
このような第1変形例のパチンコ機1においても、前述した実施例と同様に、不正な磁石が透明板4b越しに遊技領域21に近付けられて磁石の磁場が回転部材51に作用すると、回転部材51と磁石との間に磁気吸引力が働き、回転部材51の回転が妨げられることによって回転速度に変化が表れるため、異常として検知することが可能となる。
D−2.第2変形例 :
図9は、第2変形例のパチンコ機1における回路構成の一部を示したブロック図である。第2変形例のパチンコ機1には、前述した異常磁場検知ユニット50に加えて、作用する磁場の強さを計測可能な磁気センサー65が搭載されており、異常磁場検知ユニット50と接続されている。この磁気センサー65は、異常磁場検知ユニット50と同様に、遊技盤20の裏面側における第1始動口24の後方に配置されており、不正な磁石を透明板4b越しに第1始動口24や第2始動口25に近付けると、磁気センサー65に作用する磁場の強さが変化することに基づき、異常磁場をゴト行為として検知することが可能である。磁気センサー65としては、ホール素子を用いたものや、磁気抵抗素子(MR素子)を用いたものなど周知の各種センサーを採用することができる。
図9は、第2変形例のパチンコ機1における回路構成の一部を示したブロック図である。第2変形例のパチンコ機1には、前述した異常磁場検知ユニット50に加えて、作用する磁場の強さを計測可能な磁気センサー65が搭載されており、異常磁場検知ユニット50と接続されている。この磁気センサー65は、異常磁場検知ユニット50と同様に、遊技盤20の裏面側における第1始動口24の後方に配置されており、不正な磁石を透明板4b越しに第1始動口24や第2始動口25に近付けると、磁気センサー65に作用する磁場の強さが変化することに基づき、異常磁場をゴト行為として検知することが可能である。磁気センサー65としては、ホール素子を用いたものや、磁気抵抗素子(MR素子)を用いたものなど周知の各種センサーを採用することができる。
さらに、第2変形例の異常磁場検知ユニット50は、2つの電磁石54a,54b、フォトセンサー55、制御部56に加えて、磁気センサー65に作用する磁場の強さの基準値を記憶可能な記憶部57を有している。また、制御部56は、磁気センサー65の計測値の変化に基づいて異常磁場(ゴト行為)を検知する制御を実行可能になっている。
図10は、第2変形例の制御部56で実行される磁気センサー初期化処理を示したフローチャートである。この磁気センサー初期化処理は、パチンコ機1の電源投入時に行われる主制御基板200のCPU201の初期化処理に伴って実行される。磁気センサー初期化処理では、まず、磁気センサー65で磁場の強さを計測し(S200)、その計測値を基準値として記憶部57に記憶する(S201)。
但し、磁石を第1始動口24などに近付けて透明板4bにあてがったまま不正にパチンコ機1の電源投入(あるいは再投入)が行われると、磁石の磁場が作用した状態における磁気センサー65の計測値を基準値として記憶してしまうことになる。このような基準値を用いたのでは、その磁石によって第1始動口24などに遊技球を不正に入球させるゴト行為を検知できない。そこで、第2変形例のパチンコ機1では、透明板4bにあてがわれた磁石の磁場を、異常磁場検知ユニット50の回転部材51で検知するようになっている。
S201で基準値を記憶したら、続いて、2つの電磁石54a,54bへの通電を交互に切り換える制御を開始して回転部材51を回転させ(S202)、フォトセンサー55で回転部材51の回転速度を計測する(S203)。回転部材51は、2つの電磁石54a,54bへの通電の切り換えを所定周期で繰り返すことで回転速度が所定速度に制御されており、周囲に不正な磁場を発生させるものがなければ、フォトセンサー55で計測される回転速度は所定速度となるはずである。
そこで、回転部材51の回転速度が所定速度に達したか否かを判断し(S204)、所定速度に達していない場合は(S204:no)、次に、電磁石54a,54bへの通電の開始から所定時間が経過したか否かを判断する(S205)。この所定時間には、回転部材51の回転が安定するのに十分な時間が設定されており、未だ所定時間が経過していない場合は(S205:no)、S203の処理に戻ってフォトセンサー55で回転部材51の回転速度を計測し、所定速度に達したか否かを再び判断する(S204)。
こうして処理を繰り返すうちに、回転部材51の回転速度が所定速度に達することなく(S204:no)、電磁石54a,54bへの通電の開始から所定時間が経過した場合は(S205:yes)、透明板4bにあてがわれた不正な磁石の磁場が作用して回転部材51の回転が妨げられていると判断し、磁気センサー65の初期化異常の検知を示す初期化異常検知信号を、外部端子板70を介してパチンコ機1の外部に送信する(S206)。この初期化異常検知信号は、中継装置90からホールコンピュータ95に送信されると共に、データ表示機80に送信されることによって状態ランプ82が警報色(例えば赤色)で点灯する。そして、初期化異常検知信号を送信すると、電磁石54a,54bへの通電を停止して(S207)、図10の磁気センサー初期化処理を終了する。
一方、電磁石54a,54bへの通電の開始から所定時間が経過する前に、回転部材51の回転速度が所定速度に達した場合は(S204:yes)、周囲に不正な磁石は存在せず磁気センサー65の初期化が正常に行われたと判断し、S206の処理を省略して、電磁石54a,54bへの通電を停止すると(S207)、図10の磁気センサー初期化処理を終了する。すなわち、第2変形例のパチンコ機1では、図10の磁気センサー初期化処理の終了後は、電磁石54a,54bに通電されず、回転部材51は停止したままとなる。
図11は、第2変形例の制御部56で実行される異常磁場監視処理を示したフローチャートである。この異常磁場監視処理は、上述した図10の磁気センサー初期化処理が終了した後、所定の周期で(例えば、5分毎に)実行される。異常磁場監視処理を開始すると、まず、磁気センサー65で磁場の強さを計測する(S300)。
続いて、磁場の基準値を記憶部57から読み出し(S301)、磁場の計測値と基準値との差が所定の判定値以上であるか否かを判断する(S302)。そして、磁場の計測値と基準値との差が判定値よりも小さい場合は(S302:no)、磁場に異常な変化はない(磁石を用いたゴト行為が行われていない)と判断し、そのまま図11の異常磁場監視処理を一旦終了する。その後、所定の周期で再び図11の異常磁場監視処理を実行する。
これに対して、磁場の計測値と基準値との差が判定値以上である(すなわち、磁場の計測値が基準値から判定値以上外れている)場合は(S302:yes)、磁場に異常な変化がある(磁石を用いたゴト行為が行われている)と判断し、異常磁場の検知を示す異常磁場検知信号を、外部端子板70を介してパチンコ機1の外部に送信して(S303)、図11の異常磁場監視処理を終了する。異常磁場検知信号は、中継装置90からホールコンピュータ95に送信されると共に、データ表示機80に送信されることによって状態ランプ82が警報色(例えば赤色)で点灯する。
以上のように第2変形例のパチンコ機1では、異常磁場検知ユニット50と磁気センサー65とを組み合わせて搭載しており、電源投入時に行われる磁気センサー初期化処理において磁気センサー65で計測した磁場の強さを基準値として記憶すると共に、軟磁性材料で形成された回転部材51を所定速度で回転させる制御を行って、フォトセンサー55で回転部材51の回転速度を計測(監視)し、所定時間が経過しても回転部材51の回転速度が所定速度に達しないと、初期化異常として検知するようになっている。これにより、磁石を第1始動口24などに近付けて遊技盤20にあてがったまま不正にパチンコ機1の電源投入(あるいは再投入)が行われた場合には、磁石の磁場が回転部材51に作用して磁気吸引力で回転部材51の回転が妨げられることになり、回転部材51の回転速度が所定速度に達しないことによって初期化異常として検知が可能となる。
そして、磁気センサー初期化処理が正常に行われた後は、異常磁場検知ユニット50の回転部材51が停止したままであるものの、第1始動口24や第2始動口25を狙って磁石で遊技球を不正に入球させるゴト行為が行われると、異常磁場監視処理において磁気センサー65の計測値が基準値から判定値以上外れることによって、異常磁場(ゴト行為)を検知することができる。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、前述した実施例では、異常磁場検知ユニット50に2つの電磁石54a,54bを搭載していたが、電磁石は2つに限られず、3つ以上の複数であってもよい。この場合は、複数の電磁石を回転軸52の周囲に所定の間隔で配置しておくこととして、複数の電磁石のうち通電する電磁石を所定方向(前述した実施例の場合は反時計回り)に順次切り換える制御を行えばよく、通電された電磁石の磁場が回転部材51に作用して磁気吸引力が働くことで、回転部材51を所定方向に回転させることができる。
また、前述した実施例では、異常磁場検知ユニット50が第1始動口24の後方に1つ設置されていた。しかし、異常磁場検知ユニット50の個数は1つに限られず、複数であってもよく、例えば、大入賞口28の後方や、その他入賞口30の後方や、遊技領域21に発射された遊技球が第1始動口24に至る経路の後方などに異常磁場検知ユニット50を設置しておいてもよい。
また、前述した実施例の異常磁場検知ユニット50では、回転部材51の回転を検知するためのフォトセンサー55としてフォトインタラプタを搭載していたが、回転部材51の回転を検知する方法は、これに限られない。例えば、支持台53に回転軸52の回転変位を測定するロータリーエンコーダを内蔵しておいてもよい。
また、前述した実施例では、パチンコ機1に搭載された異常磁場検知ユニット50が電磁石54a,54bとフォトセンサー55と制御部56とを備えていた。しかし、電磁石54a,54bやフォトセンサー55を主制御基板200に接続しておくこととして、前述した図6の異常磁場検知処理をCPU201で実行してもよい。
また、前述した第2変形例では、パチンコ機1に搭載された異常磁場検知ユニット50が電磁石54a,54bとフォトセンサー55と制御部56と記憶部57とを備えると共に、磁気センサー65が異常磁場検知ユニット50に接続されていた。しかし、電磁石54a,54bやフォトセンサー55や磁気センサー65を主制御基板200に接続しておくこととして、前述した図10の磁気センサー初期化処理や図11の異常磁場監視処理をCPU201で実行してもよい。また、磁気センサー65で計測した磁場の強さの基準値をRAM203に記憶しておいてもよい。
また、前述した第2変形例では、電源投入時に図10の磁気センサー初期化処理を行うようになっていた。しかし、磁気センサー初期化処理は、電源投入時に限られず、さらに電源投入後の任意のタイミング(例えば、遊技球の発射が所定時間にわたって行われていない場合)でも行えるようにしてもよい。
また、上述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
<上述した実施例および変形例から抽出できる遊技機A1〜A3>
上述した実施例および変形例のパチンコ機1は、次のような遊技機A1〜A3として捉えることができる。
上述した実施例および変形例のパチンコ機1は、次のような遊技機A1〜A3として捉えることができる。
<遊技機A1>
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機において、
細長い形状で少なくとも長手方向の一端側が軟磁性材料で形成されて、前記遊技領域の所定位置に外部から磁場が作用すると磁化可能に配置され、他端側に接続された回転軸を中心に該一端側が所定方向に回転可能である回転部材と、
前記回転部材に非接触で磁場を作用させ、磁力によって該回転部材を前記所定方向に回転させることが可能な駆動手段と、
前記駆動手段を制御することで、前記回転部材を所定の回転速度で回転させる回転制御手段と、
前記回転部材の回転を監視する監視手段と、
前記回転部材の回転速度に所定の閾値以上の変化があると、異常として検知する検知手段と
を備えることを特徴とする遊技機。
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機において、
細長い形状で少なくとも長手方向の一端側が軟磁性材料で形成されて、前記遊技領域の所定位置に外部から磁場が作用すると磁化可能に配置され、他端側に接続された回転軸を中心に該一端側が所定方向に回転可能である回転部材と、
前記回転部材に非接触で磁場を作用させ、磁力によって該回転部材を前記所定方向に回転させることが可能な駆動手段と、
前記駆動手段を制御することで、前記回転部材を所定の回転速度で回転させる回転制御手段と、
前記回転部材の回転を監視する監視手段と、
前記回転部材の回転速度に所定の閾値以上の変化があると、異常として検知する検知手段と
を備えることを特徴とする遊技機。
このような遊技機A1では、周囲に不正な磁場を発生させるものがなければ、回転部材は所定の回転速度で回転し続けるはずであるところ、不正な磁石が遊技領域に近付けられて所定位置に作用する磁場で回転部材が磁化すると、回転部材と磁石との間に磁気吸引力が働き、回転部材の回転が妨げられる(回転が遅くなったり停止したりする)ことによって回転速度に変化が表れるため、異常として検知することが可能となる。
<遊技機A2>
遊技機A1において、
前記駆動手段として、通電することで磁場を発生させる電磁石が、前記回転軸の周囲に所定の間隔で複数設置されており、
前記回転制御手段は、前記複数の電磁石のうち通電する電磁石を前記所定方向に順次切り換える制御を周期的に行うことで、前記回転部材を回転させる
ことを特徴とする遊技機。
遊技機A1において、
前記駆動手段として、通電することで磁場を発生させる電磁石が、前記回転軸の周囲に所定の間隔で複数設置されており、
前記回転制御手段は、前記複数の電磁石のうち通電する電磁石を前記所定方向に順次切り換える制御を周期的に行うことで、前記回転部材を回転させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A2における回転部材は、通電された電磁石の磁場が作用することで磁化し、磁気吸引力で引き付けられるので、回転軸の周囲に配置された複数の電磁石に対して通電を所定方向に順次切り換えれば、回転部材を所定方向に回転させることができ、通電の切り換えを所定周期で繰り返すことによって所定の回転速度に制御することが可能である。
<遊技機A3>
遊技機A1または遊技機A2において、
前記遊技領域には、遊技球が入球可能な入賞口が設けられており、
前記回転部材は、前記所定位置として前記入賞口の位置に外部から磁場が作用すると磁化可能に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
遊技機A1または遊技機A2において、
前記遊技領域には、遊技球が入球可能な入賞口が設けられており、
前記回転部材は、前記所定位置として前記入賞口の位置に外部から磁場が作用すると磁化可能に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A3における入賞口は、磁石を用いた不正の対象になり易いところ、不正な磁石が入賞口に近付けられた場合は、磁石の磁場が作用して回転部材が磁化することにより、磁気吸引力で回転部材の回転が妨げられることから、回転部材の変化に基づき、異常として検知が可能となる。
本発明は、遊技ホールで用いられる遊技機に利用することができる。
1…パチンコ機(遊技機)、 4…前面枠、 4a…窓部、
4b…透明板、 20…遊技盤、 21…遊技領域、
24…第1始動口(入賞口)、 25…第2始動口、 26…開閉扉、
27…普通図柄作動ゲート、 28…大入賞口、 29…開閉扉、
30…その他入賞口、 50…異常磁場検知ユニット、
51…回転部材、 52…回転軸、 53…支持台、
54a,54b…電磁石(駆動手段)、 55…フォトセンサー(監視手段)、
56…制御部(回転制御手段、検知手段)、 57…記憶部、
60…永久磁石、 61…モーター、 62…シャフト、
63…アーム部材、 65…磁気センサー、 70…外部端子板、
200…主制御基板、 201…CPU、 203…RAM。
4b…透明板、 20…遊技盤、 21…遊技領域、
24…第1始動口(入賞口)、 25…第2始動口、 26…開閉扉、
27…普通図柄作動ゲート、 28…大入賞口、 29…開閉扉、
30…その他入賞口、 50…異常磁場検知ユニット、
51…回転部材、 52…回転軸、 53…支持台、
54a,54b…電磁石(駆動手段)、 55…フォトセンサー(監視手段)、
56…制御部(回転制御手段、検知手段)、 57…記憶部、
60…永久磁石、 61…モーター、 62…シャフト、
63…アーム部材、 65…磁気センサー、 70…外部端子板、
200…主制御基板、 201…CPU、 203…RAM。
Claims (3)
- 遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機において、
細長い形状で少なくとも長手方向の一端側が軟磁性材料で形成されて、前記遊技領域の所定位置に外部から磁場が作用すると磁化可能に配置され、他端側に接続された回転軸を中心に該一端側が所定方向に回転可能である回転部材と、
前記回転部材に非接触で磁場を作用させ、磁力によって該回転部材を前記所定方向に回転させることが可能な駆動手段と、
前記駆動手段を制御することで、前記回転部材を所定の回転速度で回転させる回転制御手段と、
前記回転部材の回転を監視する監視手段と、
前記回転部材の回転速度に所定の閾値以上の変化があると、異常として検知する検知手段と
を備えることを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機において、
前記駆動手段として、通電することで磁場を発生させる電磁石が、前記回転軸の周囲に所定の間隔で複数設置されており、
前記回転制御手段は、前記複数の電磁石のうち通電する電磁石を前記所定方向に順次切り換える制御を周期的に行うことで、前記回転部材を回転させる
ことを特徴とする遊技機。 - 請求項1または請求項2に記載の遊技機において、
前記遊技領域には、遊技球が入球可能な入賞口が設けられており、
前記回転部材は、前記所定位置として前記入賞口の位置に外部から磁場が作用すると磁化可能に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018222056A JP2020081498A (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018222056A JP2020081498A (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | 遊技機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020081498A true JP2020081498A (ja) | 2020-06-04 |
Family
ID=70904972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018222056A Ceased JP2020081498A (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | 遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020081498A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5767821A (en) * | 1980-10-16 | 1982-04-24 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Measuring device for rotational frequency |
JPS6232985A (ja) * | 1985-08-05 | 1987-02-12 | 株式会社 真城商会 | パチンコ機の不正防止装置 |
JP2008039476A (ja) * | 2006-08-02 | 2008-02-21 | Nippon Aleph Corp | 衝撃センサ |
JP2016083231A (ja) * | 2014-10-27 | 2016-05-19 | 株式会社三共 | 遊技機及び磁気検出器 |
-
2018
- 2018-11-28 JP JP2018222056A patent/JP2020081498A/ja not_active Ceased
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5767821A (en) * | 1980-10-16 | 1982-04-24 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Measuring device for rotational frequency |
JPS6232985A (ja) * | 1985-08-05 | 1987-02-12 | 株式会社 真城商会 | パチンコ機の不正防止装置 |
JP2008039476A (ja) * | 2006-08-02 | 2008-02-21 | Nippon Aleph Corp | 衝撃センサ |
JP2016083231A (ja) * | 2014-10-27 | 2016-05-19 | 株式会社三共 | 遊技機及び磁気検出器 |
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