以下に、本発明にかかるパチンコ遊技機の一実施例を、図1〜図4に基づいて説明する。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島(図示省略)に固定される縦長矩形状の外枠2と、該外枠2の開口部を前面から覆うように取付けられた遊技機本体3とからなる。
遊技機本体3は、遊技盤7(図2参照)が取付けられる本体パネル5と、該本体パネル5の前面側に配設された前面扉4とを備えており、本体パネル5は外枠2の左側縁に対して片開き可能に枢結されている。また、前面扉4は本体パネル5の左側縁に対して片開き可能に枢結されている。遊技機本体3内には、本体パネル5の右側縁部に位置させて前面扉4の開放を検知する扉開放センサ49が配設されている。該扉開放センサ49は、前面扉4が開放されると扉開放検知信号を送出し、該扉開放検知信号は、後述する主制御基板60に入力される。前面扉4は、その中央上部寄り位置に形成された略円形の開口部を遮蔽する透明板6を備えており、該透明板6を介して遊技盤7(図2参照)の遊技領域16が透視可能となっている。
前面扉4の前面下部には、図示しない発射装置に供給される遊技球を貯留する上受皿8が設けられている。該上受皿8内の左端奥部には、賞球や貸球が払い出される球払出口9が開口されている。また、上受皿8の右側内部には、遊技球を整列する整列部(図示省略)が形成され、該整列部の右端に遊技球を球発射装置36(図3参照)へ供給するための球供給口(図示省略)が開口されている。
上受皿8の下部に位置する本体パネル5の前面下部中央には下受皿10が設けられている。下受皿10の内奥部には球放出口11が開口されており、上受皿8が満杯の場合にオーバーフローした遊技球が遊技機本体3内の球流路(図示省略)を流下して球放出口11から下受皿10内に放出される。また、下受皿10の右側には発射ハンドル12が突設されている。
本体パネル5には、発射ハンドル12の背面側に位置させて球発射装置36(図3参照)が配設されている。該球発射装置36は、遊技球を打圧する発射鎚(図示省略)と、該発射鎚を駆動するロータリーソレノイド(図示省略)と、打圧された遊技球を後述する遊技領域16(図2参照)へ向けて案内する発射レール(図示省略)等を備えており、前記発射ハンドル12の回動操作角度に応じた強度で遊技球を1球ずつ遊技領域16へ打圧発射できるようになっている。この球発射装置36には、上述した上受皿8に貯留された遊技球が整列部及び球供給口を介して1球ずつ供給される。
前記遊技盤7には、図2に示すように、その前面側に略円形の誘導レール15で囲繞された遊技領域16が設けられており、該遊技領域16の略中央にセンターケース17が配設されている。このセンターケース17には、液晶表示器からなる図柄表示装置18が組み付けられており、該図柄表示装置18の表示画面19には、三つの特別図柄A,B,Cが変動表示される。また、表示画面19の一部領域には、普通図柄表示部20が設けられており、該普通図柄表示部20には右図柄と左図柄とからなる二つの普通図柄E1 ,E2 が変動表示される。この普通図柄E1 ,E2 は、「7」と「−」の二種類の図柄で構成されており、右図柄及び左図柄がともに「7」で停止する当り図柄態様が確定表示された場合には、後述する普通電動役物24の可動翼片26,26が開閉駆動される。尚、前記図柄表示装置18としてはCRT表示器等を用いることも可能である。
表示画面19の右上部には、4個の発光ダイオードからなる特別図柄始動記憶数表示装置21が配設されている。この特別図柄始動記憶数表示装置21は、後述する主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域に所定数を上限として記憶された特別図柄始動記憶数を発光ダイオードの点灯数によって表示する。また、表示画面19の左上部には、4個の発光ダイオードからなる普通図柄始動記憶数表示装置22が配設されており、後述する普通図柄始動スイッチS2 からの遊技球検知信号が、所定数を上限として主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その記憶数を発光ダイオードの点灯数によって表示する。
一方、センターケース17の左右側方には、普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)23,23が配設されており、遊技球の通過により、各普通図柄始動ゲート23が具備する普通図柄始動スイッチS2 (図3参照)から遊技球検知信号が発生すると、前記普通図柄表示部20の普通図柄E1 ,E2 が変動し、所定時間経過後に停止して種々の組み合わせの図柄態様が表示される。
センターケース17の下方には、内部を特別図柄始動領域25とするとともに、可動翼片26,26により球受口の開口度を変化させるようにした普通電動役物24が配設されている。そして前記普通図柄表示部20の表示結果が所定の当り図柄態様の場合には、普通電動役物ソレノイド31(図3参照)を駆動源として可動翼片26,26が所定時間(例えば約 0.2秒間)拡開されて、特別図柄始動領域25に遊技球が入り易い状態となる。この特別図柄始動領域25は、前記図柄表示装置18の特別図柄A,B,Cを変動させる契機となる入賞口となっており、その内部に配設された特別図柄始動スイッチS1 (図3参照)による遊技球の入賞検知に伴って、前記図柄表示装置18の表示画面19に特別図柄A,B,Cを変動表示する図柄生成行程が実行されることとなる。また、特別図柄A,B,Cの変動中にあっては、特別図柄始動スイッチS1 からの遊技球検知信号数が特別図柄始動記憶数として主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域に所定数を上限として記憶され、当該変動が終了すると、その特別図柄始動記憶数に基づいて特別図柄A,B,Cの変動が再び開始される。
前記普通電動役物24の上部位置に対応する遊技盤7の内部には、磁石が発生する磁気を検知する磁気センサ46が配設されている。該磁気センサ46には、リードスイッチやホール素子,MR(磁気抵抗)素子,MI(磁気インピーダンス)素子等の感磁性半導体素子が用いられ得る。該磁気センサ46は、前面扉4の透明板6に近づけられた磁石の磁気を検知すると個別不正検知信号としての磁気検知信号を送出し、該磁気検知信号は、後述する主制御基板60に入力される。
遊技盤7の裏面には、遊技機本体3の振動を検知する振動センサ47が配設されている。該振動センサ47には、従来公知の振動センサが用いられ得る。該振動センサ47は、遊技機本体3に与えられた衝撃による振動を検知すると個別不正検知信号としての衝撃検知信号を送出し、該衝撃検知信号は、後述する主制御基板60に入力される。尚、振動センサ47は、予め設定された閾値以上の大きさの振動を検知した場合に衝撃検知信号を送出するものとなっている。
さらに、遊技盤7の裏面には、不正電波を検知する電波センサ48が配設されている。該電波センサ48には、従来公知の電波センサが用いられ得る。該電波センサ48は、遊技機本体3に向けて発射された不正電波を検知すると個別不正検知信号としての不正電波検知信号を送出し、該不正電波検知信号は、後述する主制御基板60に入力される。
前記普通電動役物24の下方には、可変入賞装置27が配設されている。該可変入賞装置27は、横長矩形状の大入賞口28と、該大入賞口28を開閉する横長矩形状の開閉板29とを備えており、該開閉板29が大入賞口ソレノイド32(図3参照)を駆動源とする駆動機構によって、前方に傾倒して大入賞口28を開放する開放位置と、この開放位置から後方に起立して大入賞口28を閉鎖する閉鎖位置とに開閉制御されるようになっている。尚、開閉板29の駆動機構は、公知のものが適用され得る。
そして、前記図柄表示装置18の表示画面19に変動表示される特別図柄A,B,Cが、所定の組み合わせの当り図柄態様で確定表示された場合に大当たりとしての特別遊技作動が実行される。この特別遊技作動は、開閉板29が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉板29の上面の案内作用を介して、大入賞口28内へ遊技球を案内するとともに、所定開放時間(例えば30秒間)の満了、またはその所定開放時間中における所定個数(例えば9個)の遊技球の入賞により開閉板29が起立して大入賞口28が閉鎖されるまでの開閉板29の作動態様を1ラウンドとして、該ラウンドを後述する遊技制御手段によって選定されるラウンド数で繰り返すものとなっている。可変入賞装置27の内部には、一回のラウンド毎の入賞個数を計数する入賞球カウントスイッチS3 (図3参照)が設けられており、該入賞球カウントスイッチS3 による球検知信号は、後述する主制御基板60に入力される。
また、遊技盤7の背面側には払出装置35(図3参照)が配設されており、可変入賞装置27の入賞球カウントスイッチS3 (図3参照)や普通電動役物24の特別図柄始動スイッチS1 (図3参照)及び後述する一般入賞口30の一般入賞スイッチS4(図3参照)による遊技球の入賞検知に伴って所定数の賞球が払い出される。この払出装置35の球払出流路には、払出した遊技球をカウントする払出数カウントスイッチS5 (図3参照)が設けられており、該払出数カウントスイッチS5 による球検知信号は、後述する主制御基板60に入力される。
遊技盤7の上部の左右両側には、警報ランプ33,33が配設されている。該警報ランプ33,33は、夫々短筒状のケース体の前面に赤色の表示板38を備え、かつケース体内に発光ダイオードからなる光源44(図3参照)を備えており、該光源44が発光すると表示板38が赤色に光輝して不正行為の発生を報知するようになっている。各光源44は後述する不正防止処理手段によって発光制御される。尚、警報ランプ33,33の各表示板38を白色とし、かつ光源44を赤色発光ダイオードとすることによって、表示板38を赤色に光輝させることも可能である。また、各表示板38を赤色以外の色で光輝させることも可能である。
さらに、前面扉4(図1参照)の右上部にはスピーカ45が内蔵されており、該スピーカ45によって不正行為の発生を警報音によって報知するようになっている。該スピーカ45の警報音は後述する不正防止処理手段によって出力制御される。
その他、遊技領域16には、複数の一般入賞口30が配設されており、その内部に具備する一般入賞スイッチS4(図3参照)による遊技球の入賞検知に伴って所定数の賞球が払い出される。
図3は、上述のパチンコ遊技機1の遊技制御手段を構成する制御回路のブロック図を示すものである。
マイクロコンピュータにより構成される主制御基板60には、パチンコ遊技機1の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものである。また、該主制御用中央制御装置CPUによって、普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)23を遊技球が通過することに起因して当り・外れを判定する普通当り判定手段と、特別図柄始動領域25を遊技球が通過することに起因して当り・外れを判定する大当り判定手段が構成されている。
主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる制御プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、リーチ態様乱数テーブル、普通当り乱数テーブル、普通当り図柄乱数テーブル等の固定データが格納されている。そして、特別図柄始動領域25を遊技球が通過し、特別図柄始動スイッチS1 (図3参照)によって遊技球が入賞検知されると、主制御用中央制御装置CPUによって所要乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、大当り特別乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、リーチ乱数値、リーチ図柄乱数値、リーチ態様乱数値等が選出される。また、普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)23を遊技球が通過し、普通図柄始動スイッチS2 から遊技球検知信号が発生すると、主制御用中央制御装置CPUによって所要乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、普通当り乱数値、普通当り図柄乱数値が選出される。一方、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 ,普通図柄始動スイッチS2 ,入賞球カウントスイッチS3 ,一般入賞スイッチS4 ,払出数カウントスイッチS5 からの球検知信号数が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
主制御用中央制御装置CPUは、特別図柄始動スイッチS1 が入賞検知した時点で選出した大当り特別乱数値、大当り図柄乱数値等の各乱数値を、一セットの特別始動記憶データとして記憶装置RAMに記憶する。この特別始動記憶データは、その発生順に従って記憶され、その始動記憶数(未消化数)を上述した特別図柄始動記憶数表示装置21の点灯数によって表示する。また、普通図柄始動スイッチS2 が遊技球を検知した時点で選出した普通当り乱数値、普通当り図柄乱数値等の各乱数値を、一セットの普通始動記憶データとして記憶装置RAMに記憶する。この普通始動記憶データは、その発生順に従って記憶され、その始動記憶数(未消化数)を上述した普通図柄始動記憶数表示装置22の点灯数によって表示する。
また、上記主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
さらに、上記主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板60からの各種制御指令信号が、演出制御基板62,発射制御基板63,払出制御基板64,光源制御基板65,電源制御基板66の各入力ポートに向けて発信されるようになっている。主制御基板60の入力ポートには、特別図柄始動スイッチS1 が接続されるとともに、盤面中継端子板61を介して、普通図柄始動スイッチS2 ,入賞球カウントスイッチS3 ,一般入賞スイッチS4 ,払出数カウントスイッチS5 ,磁気センサ46,振動センサ47,電波センサ48,扉開放センサ49が接続されている。そして、主制御基板60は、所定時間毎(例えば2ms毎)に上記各スイッチS1 〜S5 の遊技球検知状態及び各センサ46〜49の検知状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。一方、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継端子板61を介して大入賞口ソレノイド32,普通電動役物ソレノイド31及び後述する緊急切断スイッチ34(図3において結線の図示を省略)が接続されており、これらが主制御用中央制御装置CPUが送出する制御指令信号に基づいて作動される。
また、主制御用中央制御装置CPU及び上記各制御基板62,63,64,65,66に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板62,63,64,65,66に夫々送信し、各制御基板62,63,64,65,66の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
前記演出制御基板62は、上述した図柄表示装置18の駆動制御や、スピーカ45から音響を発する制御を行うものである。この演出制御基板62には、図柄表示装置18と、スピーカ45が接続された音響演出中継端子板とが夫々接続されている。また、演出制御基板62は、上述した主制御基板60と同様に、演出制御用中央制御装置CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAMを備えている。このような演出制御基板62は、主制御基板60から受信した演出制御指令信号に従って、図柄表示装置18による特別図柄と普通図柄の変動表示や演出画像の変動表示、スピーカ45の発音を制御実行する。
前記光源制御基板65には、パチンコ遊技機1に備えられた発光ダイオードや装飾ランプ等の電飾装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯,点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、点滅パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMとを備えてなる。この光源制御基板65は、特別図柄のリーチ作動実行時や特別遊技作動の実行時あるいは賞球払出し時に、上記の主制御基板60より受信した発光制御指令信号に基づいて、所定の光演出データを光源作動基板に送信し、電飾装置の発光ダイオードや装飾ランプ等を所定態様で点灯,点滅させる。また、光源制御基板65には、光源作動基板を介して警報ランプ33(図2参照)の光源44と特別図柄始動記憶数表示装置21と普通図柄始動記憶数表示装置22とが接続されており、これらが具備する発光ダイオードが主制御基板60からの発光制御指令信号に基づいて点灯,点滅される。
前記払出制御基板64は、賞球や貸球を払い出す払出装置35を駆動制御するものである。この払出制御基板64は、主制御基板60から受信した払出制御指令信号に従って払出装置35を駆動して、所定の賞球や貸球を払い出す制御を実行する。また、払出制御基板64は、主制御基板60からの払出停止制御指令信号を受信すると、払出装置35の駆動を停止するようになっている。
前記発射制御基板63は、発射ハンドル12(図1参照)の操作に従って、球発射装置36を駆動制御することにより、遊技球を発射制御するものである。また、発射制御基板63は、主制御基板60からの停止制御指令信号を受信すると、球発射装置36の駆動を停止するようになっている。
前記電源制御基板66は、外部の主電源から供給された電力を、所定の電圧に変換して、上述した主制御基板60、演出制御基板62、発射制御基板63、払出制御基板64、光源制御基板65に送電するものである。電源制御基板66には、主電源から送電されるAC24Vの電流を、DC32V、DC12V、DC6Vの電流に夫々変換する所要の電気部品と、過剰の電流が流れないようにする過負荷保護回路、リセット回路、バックアップ用コンデンサ(バックアップ電源)等が配設されている。さらに、電源制御基板66と主電源との間には、主制御基板60からの電源遮断制御指令信号に基づいて、主電源との電気的接続を遮断する緊急切断スイッチ34が配設されている。
この電源制御基板66からDC32V、DC12V、DC6Vの各電力を夫々供給された主制御基板60、演出制御基板62、発射制御基板63、払出制御基板64、光源制御基板65は、夫々が駆動制御するモータ、ソレノイド、スイッチ、センサ、LED、スピーカ、表示装置等に所定の電力を分配する。
次に、図3に示した制御回路による制御態様をパチンコ遊技機1の作動に従って説明する。
遊技球が球発射装置36より遊技盤7の遊技領域16に発射され、この遊技球が普通図柄作動ゲート23を通過し、普通図柄始動スイッチS2 がON作動すると、その信号を認識した主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている普通当り乱数テーブルと普通当り図柄乱数テーブルから抽選によって、普通当り乱数値と普通当り図柄乱数値を夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。尚、遊技球が普通図柄作動ゲート23を連続的に通過した場合には、普通図柄始動スイッチS2 のON作動に基づいて抽選される上記各乱数値が、発生順に主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されるとともに、普通図柄始動スイッチS2 による遊技球検知数が普通図柄始動記憶数として主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、上述したように普通図柄始動記憶数表示装置22の発光ダイオードがその始動記憶数に応じて順次点灯されて、普通図柄始動記憶数を最高4個まで表示する。この発光ダイオードは表示画面19の普通図柄E1 ,E2 が変動開始する度に消灯されて、始動記憶数が減少する。尚、始動記憶数が満杯(4個)となっている場合には、普通図柄作動ゲート23,23を遊技球が通過しても無効となる。
そして、普通図柄始動スイッチS2 のON作動、若しくは主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている普通図柄始動記憶数の消化の何れかによる普通図柄始動条件の成立を契機として普通図柄E1 ,E2 の図柄変動が開始されると、主制御用中央制御装置CPUは、普通当り乱数値を判定し、その結果に基づき、図柄表示装置18の普通図柄表示部20に表示される普通図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を演出制御基板62に送信する。そして、普通当り乱数値が所定の当り乱数値である場合、演出制御基板62は、普通当り図柄乱数値に従い普通図柄E1 ,E2 を当り態様で停止させて確定表示する。このように普通図柄E1 ,E2 が当り態様で確定表示されると、主制御基板60は盤面中継端子板61を介して制御指令信号を送信し、普通電動役物ソレノイド31を駆動して、普通電動役物24の可動翼片26,26を所定時間(例えば0.2秒間)逆ハ字形に外側方に拡開させて傾動位置に変換する。
一方、遊技領域16を転動する遊技球が特別図柄始動領域25を通過し、特別図柄始動スイッチS1 がON作動して球検知信号が送出されると、その信号を主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている各乱数テーブルから抽選によって、大当り特別乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、リーチ乱数値、リーチ図柄乱数値、リーチ態様乱数値を夫々選出し、これらの各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。
さらには、特別図柄始動スイッチS1 からの球検知信号に基づき、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUで演算処理して払出制御指令信号を払出制御基板64に送信するとともに、賞球作動に連動する音響制御指令信号を演出制御基板62に、賞球ランプの発光制御指令信号を光源制御基板65に夫々送信する。主制御基板60から払出制御指令信号を受信した払出制御基板64は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って払出装置35の図示しないソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。これと同期して、音響制御指令信号を受けた演出制御基板62は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカ45より所定の賞球払出音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。同時に光源制御基板65でも、受信した賞球ランプの発光制御指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って電飾装置の発光ダイオードや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
尚、遊技球が特別図柄始動領域25を連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS1 による遊技球検知数が主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、その記憶に基づいて上述したように特別図柄始動記憶数表示装置21の発光ダイオードがその始動記憶数に応じて順次点灯されて、特別図柄始動記憶数を最高4個まで表示する。この発光ダイオードは表示画面19の特別図柄A,B,Cが変動開始する度に消灯されて、記憶数が減少する。尚、始動記憶数が満杯(4個)となっている場合には、特別図柄始動領域25を遊技球が通過しても無効となる。
そして、特別図柄始動スイッチS1 の遊技球通過によるON作動、若しくは主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている特別図柄始動記憶数の消化の何れかによる図柄始動条件の成立を契機として特別図柄A,B,Cの図柄変動が開始されると、主制御用中央制御装置CPUは、大当り特別乱数値を判定し、大当り図柄乱数値とハズレ図柄乱数値の何れか一方を有効とするとともに、リーチ乱数値に従ってリーチとするかどうかを判定する。そして、これらの結果に基づき、図柄表示装置18で実行される特別図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を演出制御基板62に送信する。
上記図柄制御指令信号を受けた演出制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、該図柄制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている所定の動作プログラムを用いて、表示画面19で演出する図柄表示態様を決定する。そして、該図柄表示態様に従って特別図柄A,B,Cを変動させた後、順次停止させて、特別図柄A,B,Cを確定表示する図柄生成行程を実行する。
また、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、音響作動と発光作動を上記図柄表示態様に連動させるため、音響制御指令信号を演出制御基板62に送信するとともに、発光制御指令信号を光源制御基板65に送信する。音響制御指令を受けた演出制御基板62は、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて演出制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の音データを音響演出中継端子板を介してスピーカ45より出力する。また前記光源制御基板65では、発光制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて光源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の光演出データに基づいて、光源作動基板を介して、電飾装置の発光ダイオードまたは装飾ランプを点灯、点滅させる。
上述の大当り特別乱数値が所定の当り乱数値である場合、主制御基板60は、大当り図柄乱数値,ラウンド乱数値を有効とするとともに、リーチ図柄乱数値,リーチ態様乱数値を有効とし、演出制御基板62に所定の図柄制御指令信号を送信する。そして、演出制御基板62は、リーチ図柄乱数値に従い特別図柄をA=Cで停止して、リーチ態様乱数値に従い所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を実行した後、大当り図柄乱数値に従って、所定の当り図柄態様の特別図柄A,B,Cを確定表示する。同時に演出制御基板62及び光源制御基板65が所定の効果音と電飾演出を発生させる。尚、リーチ態様乱数値によって選定されるリーチ変動態様としては、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速走行、図柄の反転等、種々の変動態様がある。
このように所定の当り図柄態様が確定表示されると、主制御基板60は可変入賞装置27を作動させて大当りとしての特別遊技作動を実行する。即ち、大入賞口ソレノイド32が開放駆動されて開閉板29が開放位置に変換された後、閉鎖位置へ復帰する開閉ラウンドが開始される。この開閉ラウンドによって大入賞口28が開放され、この開放は所定開放時間(例えば30秒間)が経過するか、この所定制限時間内で、入賞球カウントスイッチS3 により所定個数(例えば9個)の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。そして、一旦開閉板29が閉鎖位置に変換されて1ラウンドが終了した後、再び大入賞口28が開放されて次ラウンドへ移行する。このような開閉ラウンドが所定回数(例えば15回)実行されると特別遊技作動が終了する。
一方、大当り特別乱数値が所定の当り乱数値でない場合には、主制御基板60は、上述のハズレ図柄乱数値に基づく図柄制御指令信号を演出制御基板62に送信し、該演出制御基板62は、この図柄制御指令信号に従って、特別図柄A,B,Cをハズレ図柄態様で表示する。また、リーチ乱数値によりリーチ作動を実行する場合にあっては、リーチ図柄乱数値に従って、特別図柄をA=Cで一旦表示し、リーチ態様乱数値に従って、所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を発生させるようにした後、ハズレ図柄態様を確定表示する。
次に、本発明の要部について説明する。
本発明にかかるパチンコ遊技機1は、各種の不正行為を夫々検知する複数の不正検知手段を備えている。即ち、前記扉開放センサ49によって前面扉4の開放による不正行為を検知する不正検知手段が構成されている。また、前記磁気センサ46によって磁石による不正行為を検知する不正検知手段が構成されており、前記振動センサ47によって振動による不正行為を検知する不正検知手段が構成されており、前記電波センサ48によって電波による不正行為を検知する不正検知手段が構成されている。
また、特別図柄始動スイッチS1 ,入賞球カウントスイッチS3 ,一般入賞スイッチS4 による入賞球の検知信号が主制御基板60に入力されていない状態で、払出装置35の払出数カウントスイッチS5 による球検知信号が主制御基板60に入力された場合や、特別図柄始動スイッチS1 ,入賞球カウントスイッチS3 ,一般入賞スイッチS4 の球検知信号に応じた所定の払出し数を超える遊技球が払出数カウントスイッチS5 で検知され、その球検知信号が主制御基板60に入力された場合に、これを不正行為による異常払出として検知する不正検知手段が、各スイッチS1 ,S3 ,S4 ,S5 と主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUとによって構成されている。
さらに、可変入賞装置27の大入賞口28が開放される大当りとしての特別遊技作動状態以外の遊技状態において、可変入賞装置27の内部に設けられた入賞球カウントスイッチS3 からの入賞球の検知信号が主制御基板60に入力された場合に、これを不正行為による第一の異常入賞として検知する不正検知手段が、入賞球カウントスイッチS3 と主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUとによって構成されている。
また、可変入賞装置27の大入賞口28が開放される大当りとしての特別遊技作動状態において、可変入賞装置27の内部に設けられた入賞球カウントスイッチS3 からの入賞球の検知信号が主制御基板60に入力された場合や、普通電動役物24の内部に設けられた特別図柄始動スイッチS1 からの入賞球の検知信号が主制御基板60に入力された場合に、これを第二の異常入賞として検知する不正検知手段が、入賞球カウントスイッチS3 及び特別図柄始動スイッチS1 と主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUとによって構成されている。ここで、特別遊技作動状態での入賞球カウントスイッチS3 による入賞検知や、特別図柄始動スイッチS1 による入賞検知は、本来通常の入賞検知であるが、本発明では磁石を用いて大量の遊技球を入賞させる不正行為に対処するため、これらの入賞検知を不正行為を検知する因子として用いるようにしている。尚、本発明は、後述するように、所定時間内に異なる不正検知手段毎に生成された少なくとも二つの個別不正検知信号に基づいて不正防止処理が実行されるため、第二の異常入賞の検知によって個別不正検知信号が生成されても、単一の個別不正検知信号だけでは不正防止処理が実行されることはなく、遊技に支障が生じることは全くない。
また、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUによって個別不正検知信号生成手段が構成されており、前記各不正検知手段によって不正行為が検知されると、各不正検知手段毎の個別不正検知信号が生成される。この最初に生成された個別不正検知信号は、主制御基板60の記憶装置RAMに所定時間(例えば10分間)記憶される。この所定時間内にさらに異なる不正検知手段によって不正行為が検知されて生成された次の個別不正検知信号が主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されると、この少なくとも二つの個別不正検知信号の種類及びその組合せに基づいて、予め段階付けられた複数の不正防止処理の中から実行する不正防止処理が選択される。そして、この不正防止処理を選択する処理選択手段が主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUによって構成されている。また、選択された不正防止処理を実行する不正防止処理手段が、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUによって構成されている。
主制御基板60の記憶装置ROMには、前記不正防止処理手段により実行される不正防止処理の処理内容が固定データとして格納されている。該不正防止処理の処理内容としては、パチンコ遊技機1の警報ランプ33を作動させたり、スピーカ45から警報音を出力させるもの、球発射装置36の作動を停止させるもの、払出装置35の作動を停止させるもの、入賞球カウントスイッチS3 による入賞検知を無効にするもの、主電源との電気的接続を遮断する緊急切断スイッチ34をOFF作動(電源遮断)させるものや、これらの作動を複数組合せたもの等がある。不正防止処理手段により実行される不正防止処理は、少なくとも二つ以上の個別不正検知信号の種類及びその組合せによって予め定められており、不正行為の軽重に基づいて段階付けられている。図4は、個別不正検知信号の種類及びその組合せと、これに対応して前記処理選択手段により選択される不正防止処理の内容との関係の一例を示すものである。ここで、ランク1は比較的不正行為の悪質性が低い場合に実行される不正防止処理であり、このランク1には、所定時間内にパチンコ店スタッフが遊技盤面のトラブルを処理した後、不注意で前面扉を強く閉めた場合に検知される扉開放検知と振動検知とに基づいて生成される個別不正検知信号の組合せも含まれる。そして、ランク4に至るほど悪質性の高い不正行為に対応する厳しい不正防止処理となっている。尚、複数の個別不正検知信号の種類及びその組合せと、これによって選択される不正防止処理の内容は、図4に示したものに限定されるものではなく、その他の種類及びその組合せと処理内容とを自由に定めることが可能である。
かかる構成にあって、所定時間内に複数の不正検知手段によって不正行為が検知され、各不正検知手段毎の個別不正検知信号が生成されると、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、処理選択手段によって実行する所定の不正防止処理を選択し、不正防止処理手段によって該不正防止処理を実行する。即ち、該不正防止処理を実行させる所定の制御指令信号が主制御基板60から所定の制御基板62,63,64,65,66に送出され、例えば、スピーカ45から警報音を出力させるとともに、光源44を点滅させて警報ランプ33を作動させることによって不正行為の発生を報知したり、払出装置35の作動を停止させて遊技球の払出しを停止したり、緊急切断スイッチ34をOFF作動させて主電源との電気的接続を遮断したりする不正防止処理が実行されることとなる。
このように本発明にかかるパチンコ遊技機1は、不正防止処理を実行する不正防止処理手段が、所定時間内に異なる不正検知手段毎に生成された複数の個別不正検知信号の種類及びその組合せによって、予め段階付けられた複数の不正防止処理の中から実行する不正防止処理を選択する処理選択手段を備えていることにより、所定時間内に何れかの不正検知手段で単一の個別不正検知信号が生成されても不正防止処理は実行されない。これにより、例えば、パチンコ店スタッフが遊技盤面のトラブルを処理した後、不注意で前面扉を強く閉めた場合、当該パチンコ遊技機1では、扉開放センサ49と振動センサ47の検知信号に基づいて生成される異なる個別不正検知信号によって所定の不正防止処理が実行されるが、隣接するパチンコ遊技機1では振動センサ47による振動検知のみであるため、不正防止処理が実行されることはない。また、所定時間内において複数の不正検知手段の誤検知や誤作動によって異なる複数の個別不正検知信号が生成されることは殆どないため、不正検知手段の誤検知や誤作動に起因する不正防止処理が実行されることもない。これにより、不要な不正防止処理の実行を抑止することができる。また、所定時間内に異なる不正検知手段毎に生成された複数の個別不正検知信号の種類及びその組合せによって、予め段階付けられた複数の不正防止処理の中から実行する不正防止処理が処理選択手段によって選択されるので、軽重程度の異なる各種不正行為に対して適正な不正防止処理を実行させることができる。