図1は、本発明のパチンコ機1の正面図であり、図2は、パチンコ機1の裏面図であり、図3は、パチンコ機1が有する遊技盤20の概略構成図であり、図4は、パチンコ機1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施例では、始動口に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の変動表示を開始し、当該特別図柄が所定の大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技を開始する、いわゆるセブン機タイプ(第1種タイプ)の遊技機に本発明を適用した例について説明する。
[パチンコ機1の外観構成]
本実施例のパチンコ機1は、図1に示すように、前面枠(ガラス枠)3に嵌め込まれたガラス板(透明板)4を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤20と、遊技球を貯留する上受け皿11および下受け皿12と、上受け皿11に貯留されている遊技球を遊技盤20へ発射するための発射ハンドル13と、を備える。本実施例のパチンコ機1は、プリペイドカードに対応したCR機であり、当該パチンコ機1の左側には、プリペイドカードの読み書きを行なうためのCRユニット50が設けられている。
前面枠3は、内枠5に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として内枠5に対して開閉可能となっている。また、内枠5は、外枠2に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として外枠2に対して開閉可能となっている。前面枠3と内枠5は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。一方、外枠2は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、遊技ホールの島設備の島枠に固定される。
前面枠3の上部左右には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に対して注意喚起するための警告音を鳴らしたりするスピーカ14が設けられている。また、前面枠3には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ(ランプ)15が複数設けられている。
上受け皿11には賞球や貸球が払い出されるようになっている。上受け皿11の上面右部には、CRユニット50に挿入されたプリペイドカードの残高等を表示する精算表示装置52が配設され、当該精算表示装置52には、遊技球の貸し出しを指示する球貸ボタン53と、CRユニット50に挿入されているプリペイドカードの精算(返却)を指示する精算ボタン54と、が設けられている。また、上受け皿11の上面には、中央部に遊技者の操作に応じて各種演出を行なうための演出ボタン16が配設され、演出ボタン16の左側に上下左右の操作を行うための十字ボタン17が配設され、十字ボタン17の左側に遊技ホールの店員を呼び出すための呼び出しボタン66が配設されている。下受け皿12は上受け皿11から溢れた球を受けることができるようになっている。
パチンコ機1の裏側の内枠5には、図2に示すように、球タンク77とタンクレール78と払出装置72とが設けられている。払出装置72は、遊技盤20に設けられる各入賞口に遊技球が入球すると、予め定められた数の遊技球を、賞球として、球タンク77からタンクレール78を介して上受け皿11に払い出す。また、払出装置72は、球貸ボタン53が操作されると、貸球を上受け皿11に払い出す。
発射ハンドル13は、下受け皿12の右方に設けられており、遊技者により時計回りに回動操作されると、図示しない発射装置が有する発射モータ83(図4参照)が作動し、発射ハンドル13の回動操作量に応じた発射威力で遊技球を1球ずつ遊技盤20へ向けて打ち出す。
[遊技盤20の構成]
遊技盤20は、図3に示すように、外レール21aと内レール21bとによって囲まれる遊技領域21が形成されている。この遊技盤20は、遊技領域21の略中央部に設けられた演出図柄表示装置37と、演出図柄表示装置37の周囲に配置されたワープ入口やワープ樋,ステージ,可動役物等を含むセンター役物38と、センター役物38の右方に配置された普通図柄作動ゲート22と、センター役物38の下方に配置された常時開放の第1始動口23と、普通図柄作動ゲート22の下方に配置された開閉式の第2始動口24と、遊技領域21の右下部に配置された大入賞口25と、遊技領域21の左下部に配置された常時開放の普通入賞口26と、何れの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口29と、を備える。また、遊技盤20には、遊技領域21を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする多数の釘21cが植設されている。
第2始動口24は、普通電動役物として構成される可変式の入球口であり、左右一対の開閉羽根(開閉部材)24bと、開閉羽根24bを作動させる第2始動口ソレノイド24c(図4参照)と、を備える。この第2始動口24は、通常は、開閉羽根24bが直立して遊技球の入球が困難な通常状態とされており、普通図柄が当り図柄で停止表示されて当り遊技(普通図柄当り遊技)が実行されるときに、第2始動口ソレノイド24cによって開閉羽根24bが左右に開くことにより、遊技球の入球が容易な開放状態とされる。第2始動口24には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第2始動口スイッチ24aが取り付けられている。第2始動口24は、第2始動口スイッチ24aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
大入賞口25は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、開閉板(開閉部材)25bと、開閉板25bを作動させる大入賞口ソレノイド25c(図4参照)と、を備える。この大入賞口25は、通常は、開閉板25bによって塞がれて遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、特別図柄が大当り図柄で停止表示されて大当り遊技が実行されるときに、大入賞口ソレノイド25cによって開閉板25bが手前に開くことにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。大入賞口25には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための大入賞口スイッチ25aが取り付けられている。大入賞口25は、大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を9個カウントするか、9個カウントする前に所定の開放時間(例えば、28.0秒)が経過すると閉鎖される(大当りラウンド)。大当り遊技は、上記大当りラウンドを予め定められた所定回数(例えば15回)繰り返すことにより行なう。
第1始動口23は、遊技者が遊技球を遊技領域21の左側領域(第1遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる左打ち)することにより遊技球を入球させることができる。一方、第2始動口24,大入賞口25は、左打ちによって遊技球を入球させることは不可能であり、遊技球を遊技領域21の右側領域(第2遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる右打ち)することにより遊技球を入球させることができる。もっとも、第2始動口24および大入賞口25は、可変式の入賞口であり、それぞれ、普通図柄が当選した場合,特別図柄が大当りで当選した場合に開放されてはじめて遊技球が入球可能となる。
遊技盤20の右下部には、第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31と、第2特別図柄表示装置(第2特図表示装置)32と、第1特別図柄保留数表示装置(第1特図保留数表示装置)33と、第2特別図柄保留数表示装置(第2特図保留数表示装置)34と、普通図柄表示装置(普図表示装置)35と、普通図柄保留数表示装置(普図保留数表示装置)36と、が配置されている。
第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、本実施例では、7セグメント表示装置として構成されており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数種類の表示態様を表現する。第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、始動口への遊技球の入球に基づいて表示態様を順次切り替えることにより特別図柄の変動表示を開始し、所定の変動時間が経過したときに予め定められた複数の停止表示態様の何れかで停止表示することにより特別図柄を停止表示する。そして、特別図柄が所定の停止表示態様(大当り図柄)で停止表示されると、大当り遊技が実行される。第1特図表示装置31は、第1始動口23への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第1始動口入球用の表示装置であり、第2特図表示装置32は、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第2始動口入球用の表示装置である。なお、第1特図表示装置31により表示される特別図柄を第1特別図柄(第1特図)とも呼び、第2特図表示装置32により表示される特別図柄を第2特別図柄(第2特図)とも呼ぶ。
なお、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に第1始動口23に遊技球が入球した場合、第1特別図柄の変動表示を所定数(実施例では4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第1特別図柄の変動表示を順次開始する。第1特別図柄の保留数は、第1特図保留数表示装置33に表示される。また、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に第2始動口24に遊技球が入球した場合も、第2特別図柄の変動表示を所定数(例えば、4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第2特別図柄の変動表示を順次開始する。第2特別図柄の保留数は、第2特図保留数表示装置34に表示される。
普図表示装置35は、本実施例では、当りの場合に点灯し外れの場合に消灯する第1表示部と、当りの場合に消灯し外れの場合に点灯する第2表示部と、を有するLED表示装置として構成されている。普図表示装置35は、普通図柄作動ゲート22に設けられたゲートスイッチ22aが遊技球を検知したことに基づいて、第1表示部の点灯と第2表示部の点灯とを交互に繰り返すことにより普通図柄を変動表示し、所定の変動時間が経過すると、第1表示部および第2表示部の何れか一方を点灯し他方を消灯することにより普通図柄を停止表示する。普通図柄が当り図柄で停止表示されると、第2始動口24が開放される。
なお、本実施例では、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート22を通過したときには、普通図柄の変動表示を所定数(例えば、4個)まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留している普通図柄の変動表示を順次開始する。普通図柄の保留数は、普図保留数表示装置36に表示される。
演出図柄表示装置37は、液晶ディスプレイ等により構成される画像表示装置であり、表示画面上で特別図柄に対応する演出図柄(疑似図柄)371L,371C,371Rの表示(図柄変動演出)の他、リーチ演出や各種報知演出(後述の設定示唆演出)等の様々な演出表示を行なう。図5は、演出図柄表示装置37の演出表示の一例を示す説明図である。図示するように、演出図柄表示装置37の表示画面の中央部には、数字や英字、文字、記号、キャラクタ等(図の例では、数字)からなる左,中,右の3つの演出図柄371L,371C,371Rが表示される。3つの演出図柄371L,371C,371Rは、始動口(第1始動口23または第2始動口24)に遊技球が入球すると、上から下へスクロールするように変動表示され、所定の変動時間が経過すると、左,右,中の順に停止表示される。右の演出図柄371Rが停止表示されたときに当該右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致しなかったときには、外れ(通常外れ)となる。一方、右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致したときには、リーチとなり、リーチ演出に移行する。そして、当該リーチ演出を経て中の演出図柄371Cが停止表示されたときに当該中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致しなかったときには、外れとなり(リーチ外れ)、中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致したときには、大当りとなる。なお、演出図柄表示装置37の表示画面には、演出内容に応じて表示態様(表情)が変化するキャラクタ図柄373が表示される。
また、演出図柄表示装置37の表示画面の隅部(下部)には、図5に示すように、第1および第2保留図柄372a,372bも表示される。第1保留図柄372aは、第1特別図柄の保留記憶に対応する図柄である。第1保留図柄372aは、特別図柄の変動表示中等に第1始動口23に遊技球が入球する毎に1つずつ追加表示され、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に1つずつ消去される。また、第2保留図柄372bは、第2特別図柄の保留記憶に対応する図柄である。第2保留図柄372bは、特別図柄の変動表示中等に第2始動口24に遊技球が入球する毎に1つずつ追加表示され、第2特別図柄の変動表示が開始される毎に1つずつ消去される。
[制御回路の構成]
また、パチンコ機1は、図4に示すように、その制御回路として、主制御装置60と、払出制御装置70と、発射制御装置80と、サブ統合制御装置90と、演出図柄制御装置91と、電源基板95(図2参照)と、を備える。主制御装置60は、CPU60aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU60aの他に、処理プログラムやテーブルを記憶するROM60b,処理プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM60c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。なお、図示しないが、払出制御装置70や発射制御装置80も同様に、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPUの他に、ROM,RAM,入出力ポート,通信ポートなどを備える。また、パチンコ機1には外部接続端子板65が設けられており、外部接続端子板65により遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ100(図4参照)へ送信される。
主制御装置60は、遊技の基本的な進行の制御を行なうものである。図4に示すように、主制御装置60には、前面枠3の開放を検知する前面枠開放スイッチ3aや、内枠5の開放を検知する内枠開放スイッチ5a等からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力される。また、主制御装置60には、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過を検知するゲートスイッチ22aや、第1始動口23への遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ23a、第2始動口24への遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ24a、大入賞口25への遊技球の入球を検知する大入賞口スイッチ25a、普通入賞口26への遊技球の入球を検知する普通入賞口スイッチ26a、第1始動口23や第2始動口24,大入賞口25の周辺に設けられた磁気センサ28等からの検知信号が遊技盤中継端子板61を介して入力される。更に、主制御装置60には、呼び出しボタン66の操作(押下)を検知する呼び出しボタンスイッチ66aからの検知信号が入力され、設定キースイッチ67やRAMクリアスイッチ68からの操作信号が入力され、設定キースイッチ67やRAMクリアスイッチ68を用いた設定内容を設定表示装置(性能表示装置)69に表示可能となっている。
設定キースイッチ67やRAMクリアスイッチ68、設定表示装置69は、図2に示すように、パチンコ機1の裏側の主制御装置60に設けられる。設定キースイッチ67は、特別図柄の大当り確率などの各種設定を行なう際に操作されるスイッチである。また、RAMクリアスイッチ68はRAMクリアを実行するためのスイッチであり、遊技ホールの管理者は、RAMクリアスイッチ68を押下した状態で電源を投入することでRAMクリアを実行することができる。本実施例では、各種設定を行なう際の設定値の選択にもRAMクリアスイッチ68が用いられる。設定表示装置69は、7セグメント表示装置として構成されており、各種設定における設定値やパチンコ機1の性能、エラー発生時のエラーコードなどを表示する。ここで、本実施例では、特別図柄の大当り確率としてそれぞれ異なる確率が定められた3つの設定値1〜3の何れかを選択してセット可能となっている。遊技ホールの管理者は、所定の鍵を設定キースイッチ67に挿入して回転させることで、設定値の変更が可能な状態とすると、現在の大当り確率の設定値1〜3に対応する「1」〜「3」のいずれかの数字が設定表示装置69に表示される。また、設定表示装置69は、RAMクリアスイッチ68が押下される度に「1」〜「3」の数字を順番に表示する。このため、管理者は、設定表示装置69に表示される数字が所望の設定値に対応する数字となるようにRAMクリアスイッチ68を押下して所望の設定値を選択し、設定キースイッチ67に挿入した鍵を回転させて初期位置に戻すことにより、選択した設定値(設定値1〜3の何れか)を確定して特別図柄の大当り確率としてセットすることができる。なお、本実施例では、設定キースイッチ67およびRAMクリアスイッチ68を用いて設定値の選択およびセットを行なう構成としたが、例えば、回転つまみ等、外部から操作できるものであれば、他の如何なる操作手段を用いて設定値の選択やセットを行なう構成であってもよく、設定値を選択する専用のスイッチを設ける構成であってもよい。また、パチンコ機1は、設定値を設定表示装置69に表示するものとしたが、他の表示装置に表示してもよいし、音声により報知してもよい。また、設定値1〜3の3つに限られず、複数の設定値のうちから選択可能なものであれば幾つであっても構わない。
また、主制御装置60からは、第2始動口ソレノイド24cや大入賞口ソレノイド25c等への駆動信号が遊技盤中継端子板61を介して出力される。また、主制御装置60からは、第1特図表示装置31や第2特図表示装置32、第1特図保留数表示装置33、第2特図保留数表示装置34、普図表示装置35、普図保留数表示装置36等への表示信号が図柄表示装置中継端子板62を介して出力される。更に、主制御装置60からは、ホールコンピュータ100への信号が裏配線中継端子板64および外部接続端子板65を介して出力される。
払出制御装置70は、賞球や貸球の払い出しに関する制御を司るものである。この払出制御装置70には、上受け皿11に払い出す遊技球を貯留するための図示しない球タンクの球切れを検知する球切れスイッチ76からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力され、上受け皿11に払い出される遊技球を検知する払出スイッチ74からの検知信号が払出中継端子板71および裏配線中継端子板64を介して入力され、下受け皿12の満杯を検知する満杯スイッチ75からの検知信号が直接に入力される。一方、払出制御装置70からは、払出モータ73への駆動信号が裏配線中継端子板64および払出中継端子板71を介して出力される。払出制御装置70は、主制御装置60と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置60から送信されるコマンドに従って払出モータ73を駆動して賞球の払い出しを行なう。払出制御装置70は、球切れスイッチ76および満杯スイッチ75の何れかから検知信号を入力すると、その検知の状況が解消して検知信号を入力しなくなるまで、払出モータ73を駆動停止し、賞球の払出動作を中断する。
また、払出制御装置70は、CRユニット端子板51を介してCRユニット50と通信可能に構成されている。CRユニット端子板51は精算表示装置52と双方向通信が可能に構成されており、払出制御装置70には、精算表示装置52に設けられた球貸スイッチ53aや精算スイッチ54aからの検知信号がCRユニット端子板51を介して入力される。なお、球貸スイッチ53aは、球貸ボタン53の操作を検知して検知信号を出力するものであり、精算スイッチ54aは、精算ボタン54の操作を検知して検知信号を出力するものである。払出制御装置70は、球貸コマンドを入力すると、払出モータ73を駆動して貸球の払い出しを行なう。また、払出制御装置70は、発射制御装置80とも双方向通信が可能に構成され、遊技不能エラーの発生により遊技停止処理を行なって遊技不能状態としたときに、発射制御装置80に対して発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置80は、遊技領域21への遊技球の発射に関する制御を司るものである。この発射制御装置80には、発射ハンドル13の回動操作に応じて出力される回動量信号や、発射停止ボタンの操作を検知する発射停止スイッチ81からの発射停止信号、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するタッチスイッチ82からのタッチ信号等が入力される。一方、発射制御装置80からは、発射モータ83への駆動信号が出力される。発射制御装置80は、回動量信号に基づく発射強度で遊技球が遊技領域21へ発射されるよう発射モータ83を制御する。なお、発射制御装置80は、タッチ信号を入力していないときや発射停止コマンドを入力しているときには、発射ハンドル13の操作に拘わらず発射モータ83の駆動を停止し、遊技球を発射させない。
サブ統合制御装置90は、遊技の演出に関する制御を司るものである。サブ統合制御装置90は、CPU90aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU90aの他に、ROM90b,RAM90c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。このサブ統合制御装置90は、演出中継端子板63を介して主制御装置60から一方向通信により各種コマンドを受信可能となっており、受信したコマンドに応じた演出制御を行なう。サブ統合制御装置90には、演出ボタン16の操作(押下)を検知する演出ボタンスイッチ16aからの検知信号や十字ボタン17の上下左右の各方向の操作(押下)を検知する十字ボタンスイッチ17aからの検知信号が入力される。一方、サブ統合制御装置90からは、スピーカ14への音声信号や各種LEDやランプ15への点灯信号が出力される。また、サブ統合制御装置90からは、演出図柄制御装置91への演出表示制御用のコマンドが一方向通信により出力される。演出図柄制御装置91は、サブ統合制御装置90からの演出表示制御用のコマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出画像が演出図柄表示装置37に表示されるよう当該演出図柄表示装置37の表示制御を行なう。
電源基板95は、外部のAC電源からの交流電圧を直流電圧に変換する直流電源であり、図示しない電源スイッチの操作によってパチンコ機1の各部に電力を供給する。電源基板95は、コンデンサ等により構成されるバックアップ電源を備え、AC電源から供給される電力をバックアップ電源に蓄電する。これにより、AC電源からの電力の供給が遮断される停電時に、バックアップ電源からの電力が主制御装置60のRAM60c等に供給され、主制御装置60のRAM60c内のデータ等が一定時間に亘って保持される。
[パチンコ機1の遊技の概要]
次に、こうして構成されたパチンコ機1における遊技の概要について説明する。図6は、パチンコ機1の仕様を説明する説明図である。本実施例のパチンコ機1では、特別図柄の大当り確率は、第1特別図柄と第2特別図柄で同じ確率となっており、設定値1の通常状態(低確率状態)では1/319.9、確変状態(高確率状態)では1/74.6であり、設定値2の通常状態では1/299.4、確変状態では1/69.9であり、設定値3の通常状態では1/281.3、確変状態では1/65.6である。即ち、設定値1,2,3の順に大当り確率が高いものとなる。また、普通図柄の当り確率は、通常状態では、1/10であるが、確変状態では、約1/1(100%)である。普通図柄が当選したときの第2始動口24(普通電動役物)の開放パターンは、通常状態では、最大0.2秒間、1回開放されるが、確変状態(時短状態,開放延長状態)では、最大3.0秒間、1回に延長される。第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示は共に4個まで保留され、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示が優先して行なわれる(特図2優先変動)。
こうした仕様のパチンコ機1において、左打ち(第1遊技領域への遊技球の発射)により第1始動口23に遊技球が入球する(所定の始動条件が成立する)と、第1特別図柄の変動表示が開始される。そして、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、大当りとなり、大入賞口25が開放される大当り遊技が実行される。大入賞口25は、左打ちでは遊技球の入球が不能であり、右打ち(第2遊技領域への遊技球の発射)することにより遊技球の入球が可能となる。したがって、大当り遊技が実行されると、遊技者は右打ちすることにより大当り遊技が消化されることになる。なお、特別図柄の当り図柄に、大入賞口25の開放時間が大当り遊技よりも短い小当り遊技が実行される小当り図柄を含めてもよい。
大当り図柄には、通常大当り図柄と確変大当り図柄とがあり、特別図柄が通常大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技の終了後の遊技状態は通常状態となり、特別図柄が確変大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技の終了後の遊技状態は確変状態となる。確変状態は、特別図柄の変動表示の回数が10,000回に達するまで、すなわち実質的に次に大当りを引くまで継続する。確変状態では、特別図柄の当選確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなると共に、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮され(時短状態)、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高くなり、且つ、普通図柄が当選したときの第2始動口24の開放時間が通常状態よりも延長される(開放延長状態)。したがって、確変状態では、遊技者は、右打ちすることにより、大当りを有利に発生させることができ、短時間で多くの出玉を獲得できるチャンスとなる。
[主制御処理]
次に、パチンコ機1の動作、特に主制御装置60の動作について更に詳細に説明する。図7は、主制御装置60のCPU60aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機1の電源スイッチが操作されたときに実行される。主制御処理は、パチンコ機1の電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S10)、乱数更新処理(S20)と、入賞確認処理(S30)と、始動入賞処理(S40)と、普通図柄遊技処理(S50)と、普通図柄当り遊技処理(S60)と、特別図柄遊技処理(S70)と、大当り遊技処理(S80)と、エラー関連処理(S90)と、を繰り返し実行することにより行なわれる。なお、本実施例では、S20〜S90の処理に要する時間は約2msecであり、これらの処理は、約2msecの間隔で繰り返し実行される。主制御装置60は、主制御処理の実行により、各種コマンドを担当する制御装置に送信してコマンドに応じた処理を実行させることで、パチンコ機1の全体の遊技を進行させている。
[電源投入処理]
図8は、電源投入処理の一例を示すフローチャートである。S10の電源投入処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、セキュリティチェックが完了し、RAM60cへのアクセスが許可されると(S100)、バックアップフラグがOFFであるか否か(S102)、RAMクリア信号がOFFであるか否か(S104)、をそれぞれ判定する。バックアップフラグがOFFであると判定するか、バックアップフラグはONであるがRAMクリア信号がONであると判定すると、初期状態から起動する。即ち、まず、スタックの設定処理を行なう(S106)。続いて、設定キースイッチ67およびRAMクリアスイッチ68を用いてセットされた大当り確率の設定値などの各種設定値を読み出し(S108)、RAM60cの作業領域をクリアして初期化する初期化処理を行なう(S110)。上述したように、RAMクリアスイッチ68が操作されながら電源オンされていれば、RAMクリアした状態となり、設定値1〜3の中からセットされた一の設定値が有効化される。また、後述するエラー発生情報がRAM60cに記憶されていれば、そのエラー発生情報もクリアされる。そして、払出制御装置70とサブ統合制御装置90とにそれぞれ対応する初期コマンドを送信して(S112)、電源投入処理を終了する。なお、大当り確率の設定値を初期コマンドに含めてサブ統合制御装置90に送信してもよい。
一方、S102,S104でバックアップフラグがONで且つRAMクリア信号がOFFであると判定すると、電源遮断直前の状態から起動する。即ち、RAM60cに記憶保持された遊技情報を読み出し、当該遊技情報に従って遊技を再開する電源復帰処理を行なう(S114)。電源遮断直前の遊技情報は、電源遮断直前に進行していた遊技の状態を示す情報であり、当該遊技情報には、入球数や保留数、特別遊技に関する情報、エラー発生情報などが含まれる。また、遊技情報にエラー発生情報があるか否かを判定し(S116)、エラー発生情報があると判定すると、そのエラーを解除する(S118)。なお、後述するように、発生したエラーの種類によっては遊技不能状態とされているから、エラーの解除と共に遊技不能状態も解除される。S116でエラー発生情報がないと判定するか、S118でエラーを解除すると、読み出した遊技情報のうちエラー発生情報を除いた情報を含む復帰コマンドを払出制御装置70とサブ統合制御装置90とにそれぞれ送信して(S120)、電源投入処理を終了する。電源投入処理を終了すると、主制御処理に戻って次の乱数更新処理(S20)に進む。
[乱数更新処理]
S20の乱数更新処理は、各種判定用乱数を更新する処理である。判定用乱数としては、例えば、始動口(第1始動口23または第2始動口24)への遊技球の入球に基づいて行なわれる大当り判定(当否判定)に用いる大当り判定用乱数(特別図柄当否判定用乱数)や、大当り判定の結果が大当りであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる大当り図柄の決定に用いる大当り図柄決定用乱数,大当り判定の結果が外れであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる外れ図柄の決定に用いる外れ図柄決定用乱数、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過に基づいて行なわれる当否判定に用いる普通図柄当否判定用乱数などを挙げることができる。乱数更新処理を終了すると、主制御処理に戻って次の入賞確認処理(S30)に進む。
[入賞確認処理]
S30の入賞確認処理は、各種センサ(第1始動口スイッチ23aや第2始動口スイッチ24a、ゲートスイッチ22a、大入賞口スイッチ25a、普通入賞口スイッチ26aなど)の状態を検出してRAM60cの所定の状態記憶領域に保存する。また、賞球に関わるスイッチ(ゲートスイッチ22aを除く上記入賞口スイッチ)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM60cの所定の賞球情報記憶領域に保存する。そして、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御装置70に送信して入賞確認処理を終了する。払出制御装置70は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ73を駆動して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出スイッチ74により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御装置60から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。入賞確認処理を終了すると、主制御処理に戻って次の始動入賞処理(S40)に進む。
[始動入賞処理]
図9は、始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。S40の始動入賞処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、第1始動口スイッチ23aからの検知信号を入力して第1始動口23に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口23に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新し(S204)、第1特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S206)。ここで、S206で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数など第1特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、第1特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S208)、S210の処理に進む。第1特別図柄保留数指示コマンドには、演出図柄表示装置37に第1保留図柄372aを表示させるための第1特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S200で第1始動口23に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S204〜S208の処理をスキップして次のS210の処理に進む。
次に、第2始動口スイッチ24aからの検知信号を入力して第2始動口24に遊技球が入球したか否かを判定する(S210)。第2始動口24に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新し(S214)、第2特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S216)。ここで、S216で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数など第2特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、第2特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S218)、S220の処理に進む。第2特別図柄保留数指示コマンドには、演出図柄表示装置37に第2保留図柄372bを表示させるための第2特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S210で第2始動口24に遊技球が入球していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S214〜S218の処理をスキップして次のS220の処理に進む。
次に、ゲートスイッチ22aからの検知信号を入力して普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したか否かを判定する(S220)。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したと判定すると、現在の普通図柄の保留数がその上限数(例えば、値4)よりも少ないか否かを判定する(S222)。普通図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、普通図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新する(S224)。次に、普通図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S226)。なお、普通図柄の判定用乱数としては、上述した普通図柄当否判定用乱数などの普通図柄の変動遊技の進行に関する情報を例示することができる。そして、普通図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S228)、始動入賞処理を終了する。S220で普通図柄作動ゲート22に遊技球が通過していないと判定したり、S222で普通図柄の保留数が上限値に達していると判定したりすると、S224〜S228の処理をスキップして始動入賞処理を終了する。始動入賞処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄遊技処理(S50)に進む。
[普通図柄遊技処理]
S50の普通図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普通図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する。保留数が値0であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、保留数が値0よりも多いと判定したときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行なうと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(停止図柄)を決定する。普通図柄の当否判定は、普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過することに基づいて取得される普通図柄当否判定用乱数と普通図柄当り判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行ない、普通図柄当否判定用乱数がいずれかの当り値と一致したときには当りと判定し、普通図柄当否判定用乱数がいずれの当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。本実施例では、通常状態のときには当り値の少ない、即ち当り確率の低い(例えば、1/10)低確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられ、確変状態にあるときには当り値の多い、即ち当り確率の高い(例えば、1/1)高確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられる。当否判定の結果が当りのときには、当り図柄を停止図柄に決定し、当否判定の結果が外れのときには、外れ図柄を停止図柄に決定する。そして、普通図柄の変動時間を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間の設定は、通常状態のときには長時間(例えば、20秒)に設定され、確変状態のときには短時間(例えば、2秒)に短縮される。変動時間が経過すると、決定した停止図柄で普通図柄を停止表示する。停止表示した普通図柄が外れ図柄のときには、外れとして、普通図柄遊技処理を終了する。一方、停止表示した普通図柄が当り図柄のときには、当りとして、第2始動口24の開放時間を設定し、第2始動口24の開放作動を開始して普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口24の開放時間は、通常状態のときには短時間(例えば、0.2秒×1回)に設定され、確変状態のときには長時間(例えば、3.0秒×1回)に延長される。また、第2始動口24の開放作動は、上述したように、第2始動口ソレノイド24cを駆動制御することによって、開閉羽根24bを左右に開くことにより行なう。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄当り遊技処理(S60)に進む。
[普通図柄当り遊技処理]
S60の普通図柄当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、第2始動口24が開放作動中であるか否かを判定する。第2始動口24が開放作動中でないと判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、第2始動口24が開放作動中であると判定すると、開放作動を開始してからの経過時間(開放時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間に達しているか否か、規定数(例えば、4個)の遊技球が第2始動口24に入球しているか否かを判定する。開放時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口24に入球してもいないと判定すると、第2始動口24の開放作動を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放時間が設定時間に達していると判定したり、開放時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口24に入球していると判定したりすると、第2始動口24の開放作動を終了(第2始動口ソレノイド24cの駆動を終了)して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の特別図柄遊技処理(S70)に進む。
[特別図柄遊技処理]
図10および図11は、特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S70の特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1であるか否か、即ち大当り遊技中であるか否かを判定する(S300)。大当りフラグが値1であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。なお、特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の大当り遊技処理(S80)に進む。一方、大当りフラグが値1でないと判定すると、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが、変動表示中であるか否か(S302)、確定図柄表示中であるか否か(S304)、をそれぞれ判定する。第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中ではなく確定図柄表示中でもないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S306)。第2特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第2特別図柄の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S308)、第2特別図柄の変動表示を行なうための変動表示関連処理を実行して(S310)、特別図柄遊技処理を終了する。
一方、第2特別図柄の保留数が値0であると判定すると、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S312)。第1特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第1特別図柄の複数の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S314)、第1特別図柄の変動表示を行なうための変動表示関連処理を実行して(S316)、特別図柄遊技処理を終了する。S312で第1特別図柄の保留数が値0であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。S306〜S316では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0よりも多いときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(特図2優先変動)。勿論、これに限定されるものではなく、第1特別図柄の変動表示(保留の消化)を優先して行なうものとしてもよいし(特図1優先変動)、特別図柄の変動表示を始動口(第1始動口23,第2始動口24)への遊技球の入球順に行なうものとしてもよいし(入球順変動)、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して行なうものとしてもよい(同時変動)。以下、S310の第2特別図柄の変動表示関連処理およびS316の第1特別図柄の変動表示関連処理の詳細について説明する。図12は、変動表示関連処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下、重複を避けるため、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理とを共通の図12のフローチャートを用いて説明する。
変動表示関連処理では、まず、確変フラグが値0であるか否か、即ち通常状態中であるか否かを判定する(S400)。確変フラグが値0(通常状態)であると判定すると、大当り確率が低確率である低確率用の大当り判定処理を行ない(S402)、確変フラグが値1(確変状態)であると判定すると、大当り確率が高確率である高確率用の大当り判定処理を行なう(S404)。大当り判定処理は、第1始動口23または第2始動口24への遊技球の入球に基づいて取得される大当り判定用乱数と大当り判定テーブルに含まれる大当り値とを比較することにより行ない、大当り判定用乱数がいずれかの大当り値と一致したときには大当りと判定し、大当り判定用乱数がいずれの大当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。大当り判定テーブルは、大当り確率の現在の設定値(設定値1〜3のいずれか)に応じた低確率用および高確率用の大当り判定テーブルのうち、確変フラグが値0(低確電サポなし状態や低確電サポあり状態)のときには大当り値の少ない低確率用の大当り判定テーブルが用いられ、確変フラグが値1(高確電サポなし状態や高確電サポあり状態)のときには大当り値の多い高確率用の大当り判定テーブルが用いられる。大当り判定処理を行なうと、大当り判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S406)。
大当り判定処理の結果が大当りであると判定すると、S308またはS314で取得した大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する(S408)。この処理は、大当り図柄決定用乱数を用いて大当り遊技の内容(ラウンド数)や大当り遊技終了後の遊技状態(通常状態,確変状態)が異なる複数の大当り図柄(例えば、「5R通常大当り図柄」や「10R通常大当り図柄」、「15R確変大当り図柄」など)の中から一の図柄を選択することにより行なう。なお、決定した大当り図柄は、大当り遊技終了時まで保存される。これは、大当り遊技中は、遊技状態を設定する確変フラグの値をクリアする必要があることによる措置である。そして、特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間(大当り変動パターン)を決定する(S410)。
S406で大当り判定の結果が外れであると判定すると、S308またはS314で取得した外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する(S412)。そして、特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間(外れ変動パターン)を決定する(S414)。特別図柄の変動パターンは、例えば、通常状態のときには、平均変動時間が10秒の第1変動テーブルを用いて決定され、確変状態のときには、平均変動時間が3秒の第2変動テーブルを用いて決定される。
こうして変動パターンを決定すると、特別図柄の変動表示を開始し(S416)、特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に特図保留数表示装置の表示を更新する(S418)。この処理は、第1特別図柄の変動表示を開始する際には、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新する処理となり、第2特別図柄の変動表示を開始する際には、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新する処理となる。また、特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアする。そして、変動指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S420)、変動表示関連処理を終了する。変動指示コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出図柄表示装置37で図柄変動演出が開始されるように演出図柄制御装置91に制御コマンドを送信する。変動指示コマンドには、大当り判定の結果や特別図柄の変動パターン(変動時間)、確定図柄(通常大当り図柄、確変大当り図柄または外れ図柄)などが含まれる。
図10および図11の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S302で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御装置60のCPU60aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S318)。変動時間はS410またはS414で決定した特別図柄の変動パターンに応じて設定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行なうことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置90に送信すると共に(S320)、変動表示中の特別図柄の確定図柄を表示する(S322)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出図柄表示装置37で図柄変動演出を終了するように演出図柄制御装置91に制御コマンドを送信する。そして、確定図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S324)。ここで、確定図柄表示時間は、本実施例では0.5秒に設定される。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S304で確定図柄表示中と判定するため、再びS324で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示時間が経過していると判定すると、確定図柄の表示を終了し(S326)、確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S328)。
S328で大当り図柄と判定すると、大当りを発生させるために、条件装置の作動を開始すると共に(S330)、役物連続作動装置の作動を開始し(S332)、大当りフラグに値1を設定する(S334)。大当り遊技中には確変機能や時短機能、開放延長機能を停止させるために、確変フラグが値1のときには確変フラグを値0とし(S336,S338)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S340)、特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグの値や確変フラグの値が含まれる。特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS80の大当り遊技処理に進む。
一方、S328で大当り図柄でないと判定すると、確変フラグが値1(確変状態)であるか否かを判定し(S342)、確変フラグが値1でなく値0(通常状態)であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。確変フラグが値1であると判定すると、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S344)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S346)。ここで、確変カウンタは、確変状態が終了するまでの特別図柄の残り変動回数を示すものであり、確変カウンタには、大当り遊技の終了に際して予め定められた値が設定される。本実施例では、確変大当りで当選すると、値10,000がセットされるため、実質的に次に大当りを引くまで確変状態が維持される。確変カウンタが値0でないと判定すると、確変状態を維持したまま特別図柄遊技処理を終了し、確変カウンタが値0であると判定すると、確変状態を終了させるために、確変フラグを値0とする(S348)。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S340)、特別図柄遊技処理を終了する。
[大当り遊技処理]
図13および図14は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S80の大当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1(大当り遊技中)であるか否かを判定する(S500)。大当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、大当り遊技処理を終了する。一方、大当りフラグが値1であると判定すると、ラウンド遊技中であるか否かを判定する(S502)。ラウンド遊技中でないと判定すると、オープニング演出(大当り遊技開始演出)中であるか否か(S504)、インターバル中であるか否か(S506)、をそれぞれ判定する。大当り遊技が開始された直後は、オープニング演出中であるから、S504で肯定的な判定がなされ、次に、オープニング演出時間(実施例では5秒)が経過したか否かを判定する(S508)。オープニング演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了する。S508でオープニング演出時間が経過したと判定すると、所定の開放パターンによって大入賞口25を開放するラウンド遊技を開始すると共に(S510)、ラウンド遊技演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S512)、大当り遊技処理を一旦終了する。なお、ラウンド遊技演出コマンドには、開始したラウンド遊技が何ラウンド目であるかの情報が含まれる。大入賞口25の開放パターンは、所定時間(実施例では28.0秒)のラウンド遊技を予め定められた所定回数(例えば5回や10回、15回など)行なう開放パターンがある。開放パターンは、大当り図柄に応じて決定される。
ラウンド遊技を開始すると、次に大当り遊技処理を実行したときにS502でラウンド遊技中であると判定するため、大入賞口スイッチ25aからの検知信号に基づいて大入賞口25への遊技球の入球数が規定数(実施例では9個)に達しているか否かを判定すると共に(S514)、ラウンド遊技を開始してからの大入賞口25の通じての開放時間が最大開放時間(実施例では28.0秒)に達しているか否かを判定する(S516)。大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、大入賞口25の通じての開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、ラウンド遊技の実行を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達する前に大入賞口25の通じての開放時間が最大開放時間に達したと判定すると、大入賞口25を閉鎖してラウンド遊技を終了し(S518)、インターバル時間(実施例では2秒)を設定するインターバル処理を行なって(S520)、大当り遊技処理を終了する。ラウンド遊技を終了すると、次に大当り遊技処理が実行されたときには、S506でインターバル中であると判定するため、インターバル時間が経過したか否かを判定する(S522)。インターバル時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、インターバル時間が経過したと判定すると、最終ラウンドが終了したか否かを判定する(S524)。最終ラウンドが終了していないと判定すると、再びラウンド遊技を開始する(S510)。
こうして大入賞口25の開放と閉鎖とを行なうラウンド遊技を、インターバル時間を挟んで所定回数繰り返し、S522,S524において最終ラウンド終了後のインターバル時間(終了インターバル時間)が経過したと判定すると、大当り遊技終了演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S526)、大当り遊技処理を一旦終了する。大当り遊技終了演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、大当り遊技終了演出(エンディング演出)を実行する。そして、次に大当り遊技が実行されたときに、S502,S504,S506でラウンド遊技中でなくオープニング中でもなくインターバル中でもないと判定するため、エンディング演出時間が経過したか否かを判定する(S528)。エンディング演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了する。一方、エンディング演出時間が経過したと判定すると、役物連続作動装置の作動を停止すると共に(S530)、条件装置の作動を停止して(S532)、大当りフラグに値0を設定する(S534)。
そして、今回の大当り図柄が確変大当り図柄であるか否かを判定する(S536)。今回の大当り図柄が確変大当り図柄であると判定すると、確変状態を発生させるために、確変カウンタに値10,000をセットする確変カウンタ設定処理を行なうと共に(S538)、確変フラグに値1をセットする(S540)。なお、今回の大当り図柄が確変大当り図柄でないと判定すると、S538,S540をスキップすることにより大当り確率を通常確率(低確率)に保持してS542の処理に進む。続いて、大当り遊技終了コマンドと遊技状態指定コマンドとをサブ統合制御装置90に送信して(S542,S544)、大当り遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、確変フラグの値が含まれる。
[エラー関連処理]
図15は、エラー関連処理の一例を示すフローチャートである。S90のエラー関連処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、エラー検知処理を行なって(S600)、エラーが発生したか否かを判定する(S602)。本実施例のエラー検知処理は、例えば、磁気エラーや入球エラー、未払出エラー、払出不足エラー、満杯エラーなどの各種エラーの発生有無を検知することにより行なわれるが、これらのエラーは例示であり、これら以外のエラーの処理を行なうものでもよい。なお、S602でエラーが発生したと判定すると、エラーの種類と共にエラーが発生したことを示すエラー発生情報がRAM60cに記憶されるものとする。
各種エラーのうち磁気エラーは、磁気センサ28(図4参照)による磁気の検知を発生条件とする。この磁気エラーは、例えば遊技者が磁石を用いて遊技球を不正に誘導した場合など、遊技者の意図的な行為により発生する意図的なエラー(不正エラー)である。入球エラーは、大当り遊技中でない場合や図13の大当り遊技処理のS518で大入賞口25を閉鎖してから所定時間以上経過した場合などにおいて大入賞口スイッチ25aによる遊技球の検知を発生条件とする。この入球エラーは、例えば糸などを巻き付けた遊技球を遊技者が大入賞口25内に位置させて大入賞口スイッチ25aに不正に検知させた場合など、遊技者の意図的な行為により発生する意図的なエラーである。未払出エラーは、払出制御装置70が、主制御装置60から送信されるコマンドに従って遊技球を払い出すために払出モータ73を駆動したにも拘わらず、払出スイッチ74により払い出しが検知されない未払出の賞球数が所定個数以上となったことを発生条件とする。払出不足エラーは、所定数の遊技球を払い出すために必要な遊技球が不足していることを球切れスイッチ76により所定時間に亘って検知されたことを発生条件とする。満杯エラー(下皿満杯エラー)は、満杯スイッチ75により下受け皿12の満杯が所定時間に亘って検知されたことを発生条件とする。これらの未払出エラーや払出不足エラー、満杯エラーは、遊技者の意図的な行為によらないエラーである。
S602でエラーが発生したと判定すると、発生したエラーが、遊技を停止して遊技不能状態とする遊技不能エラーであるか否かを判定する(S604)。図16は、エラーの種類と対応内容の一例を示す説明図である。図示するように、本実施例では上述したエラーのうち、意図的なエラーである磁気エラーおよび入球エラーと、遊技者によるエラーの対処が困難な未払出エラーおよび払出不足エラーとを遊技不能エラーとする。また、満杯エラーは、遊技者によるエラーの対処が可能であるため、遊技不能エラーとはせずに、遊技の進行を可能とする遊技可能エラー(進行を許容するエラー)とする。なお、他のエラーとして例えば演出用の可動役物の作動不良エラーが発生した場合、遊技の進行に与える影響が小さいため、遊技可能エラーとすればよい。また、図16に示す他の内容については、後述する。S604で遊技不能エラーであると判定すると、遊技を停止する遊技停止処理を行なって遊技不能状態とする(S606)。この遊技不能状態は、例えば新たな遊技球の発射を停止させるため、発射制御装置80に対して発射停止コマンドを送信することにより行なわれる。上述したように、発射停止コマンドが入力された発射制御装置80は、発射ハンドル13の操作に拘わらず発射モータ83の駆動を停止し、遊技球を発射させないものとなる。なお、遊技不能状態では、例えば、図10の特別図柄遊技処理のS306やS312の処理を行なわずに特別図柄の新たな変動表示を開始させないものとしたり、図13の大当り遊技処理のS510,S512の処理を行なわずに大当り遊技の新たなラウンド遊技を開始させないものとして、遊技の進行を停止(中断)してもよい。
S606で遊技停止処理を行なうか、S604で遊技不能エラーでないと判定すると、エラーコマンドをサブ統合制御装置90に送信する(S608)。このエラーコマンドには、発生したエラーの種類や遊技不能エラーであるか否かの情報などが含まれる。S602でエラー(新たなエラー)が発生していないと判定するか、S608でエラーコマンドを送信すると、呼び出しボタンスイッチ66aからの検知信号に基づいて呼び出しボタン66が操作されたか否かを判定する(S610)。呼び出しボタン66が操作されたと判定すると、エラーの対処などのために遊技ホールの店員を呼び出すための呼び出しコマンドをホールコンピュータ100に送信し(S612)、呼び出しボタン66が操作されていないと判定すると、S612をスキップする。
次に、S612の呼び出しコマンドなどで呼び出されて遊技機10まで来た店員により、エラーの対処が開始されたか否かを判定する(S614)。例えば、呼び出しコマンドを送信した後に、内枠開放スイッチ5aからの検知信号に基づいて内枠5の開放を検知した場合に、エラーの対処が開始されたと判定する。なお、店員は、パチンコ機1の裏面に設けられた設定表示装置69の表示から、エラーコードを確認したり、エラーの対処を行なう。エラーの対処では、エラーの発生条件となる各種センサの検知を解消させるのに必要な処理を行なったり、パチンコ機1の電源の再投入やRAMクリアを実行することでエラー情報を解除させたりする。例えば、磁気エラーは、磁気センサ28による検知が解消されてパチンコ機1の電源の再投入やRAMクリアが実行されると解除され、入球エラーは、大入賞口スイッチ25aによる不正な検知が解消されてパチンコ機1の電源の再投入やRAMクリアが実行されると解除されるものとする。また、未払出エラーは、払出スイッチ74により遊技球の払い出しが正常に検知されると解除され、払出不足エラーは、球切れスイッチ76による球切れの検知が解消されると解除され、満杯エラーは、満杯スイッチ75による下受け皿12の満杯の検知が解消されると解除されるものなどとする。なお、磁気エラーや入球エラーなどにパチンコ機1の電源の再投入やRAMクリアを解除条件に含めなくてもよいし、未払出エラーや払出不足エラーなどにパチンコ機1の電源の再投入やRAMクリアを解除条件に含めてもよい。なお、電源の再投入やRAMクリアを行わずにエラーが解除された場合には、エラーが解除した旨を示すエラー解除コマンドを払出制御装置70とサブ統合制御装置90とに送信するものとする。エラーの対処が開始されたと判定すると、エラー対処中であることを示すエラー対処中コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S616)、エラー関連処理を終了し、エラーの対処が開始されていないと判定すると、S616をスキップしてエラー関連処理を終了する。
[演出制御処理]
次に、主制御装置60から各種コマンドを受信したサブ統合制御装置90により実行される処理について説明する。サブ統合制御装置90が主制御装置60から受信するコマンドとしては、上述したように、初期コマンド、復帰コマンド、変動指示コマンド、図柄停止コマンド、遊技状態指定コマンド、大当り遊技開始演出コマンド、大当り遊技終了演出コマンド、エラーコマンド、エラー対処中コマンド、などがある。図17は、サブ統合制御装置90のCPU90aにより実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。演出制御処理は、図柄変動演出処理(S700)と、大当り遊技演出処理(S710)と、エラー報知演出処理(S720)とを繰り返し実行することにより行なわれる。なお、サブ統合制御装置90は、これらの演出処理を所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行する。サブ統合制御装置90は、図柄変動演出処理では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示に合わせて演出図柄表示装置37で演出図柄371L,371C,371Rの変動表示を開始して、第1特別図柄や第2特別図柄の停止表示に合わせて演出図柄371L,371C,371Rを停止する処理などを実行する。また、大当り遊技演出処理では、大当り遊技の開始に合わせて演出図柄表示装置37で大当り遊技演出を開始し、大当り遊技の終了に合わせて大当り遊技演出を終了する処理などを実行する。これらの処理は、本発明の要旨をなさないから詳細な説明を省略する。以下、エラー報知演出処理の詳細を説明する。図18,図19は、エラー報知演出処理の一例を示すフローチャートである。
[エラー報知演出処理]
図18,図19のエラー報知演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、図15のエラー関連処理のS608で主制御装置60により送信されるエラーコマンドを受信したか否かを判定し(S800)、エラーコマンドを受信していないと判定すると、S810の処理に進む。一方、エラーコマンドを受信したと判定すると、受信したエラーコマンドに基づいて今回発生したエラーが遊技不能エラーであるか否かを判定する(S802)。なお、上述したように、本実施例では、磁気エラーや入球エラー、未払出エラー、払出不足エラーが遊技不能エラーに該当し、満杯エラーが遊技可能エラーに該当する(図16参照)。今回発生したエラーが遊技不能エラーでなく遊技可能エラーであると判定すると、演出図柄表示装置37で実行中(表示中)の演出を継続したまま、エラー表示を画面隅に小さく表示して(S804)、S810の処理に進む。
図20は、遊技可能エラーが発生した場合の演出の様子の一例を示す説明図であり、図柄変動演出処理中に遊技可能エラーが発生した場合を示す。図示するように、演出図柄371L,371C,371Rが上から下へスクロールするように変動表示され(図20(a))、左の演出図柄371Lが徐々にゆっくり変動表示して停止表示する(図20(b))。そして、例えば右の演出図柄371Rが徐々にゆっくり変動表示しているときに、満杯エラーが発生したことを示すエラー表示が画面右下隅に表示される(図20(c))。図柄変動演出は中断されることなく継続され、右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致する図柄で停止表示してリーチとなる(図20(d))。なお、以降はリーチ演出に移行し、エラー表示はエラーが解除されるまで表示される。このように、発生したエラーが遊技不能エラーでなければ、遊技や演出を中断することなく実行中の演出を継続したまま、エラー表示を画面隅に小さく表示してエラーが発生したことを遊技者に報知するのである。
また、S802で今回発生したエラーが遊技不能エラーであると判定すると、演出図柄表示装置37で実行中(表示中)の演出を中断してエラー表示を画面上段に表示すると共に(S806)、店員呼び出し確認を画面下段に表示して(S808)、S810の処理に進む。図21は、遊技不能エラーが発生した場合の演出の様子の一例を示す説明図であり、図柄変動演出処理中に遊技不能エラーが発生した場合を示す。図示するように、演出図柄371L,371C,371Rが上から下へスクロールするように変動表示され(図21(a))、左の演出図柄371Lが徐々にゆっくり変動表示して停止表示した後に(図21(b))、払出不足エラーが発生した様子を示す(図21(c))。遊技不能エラーが発生したために図柄変動演出の表示が中断され、演出図柄表示装置37の画面上段37Uに払出不足エラーが発生したことを示すエラー表示が表示されると共に画面下段37Dに店員呼び出し確認が表示される。店員呼び出し確認は、図15のエラー関連処理のS612で呼び出しコマンドを送信させるために、遊技者が呼び出しボタン66を操作したか否かを確認するために表示される。この確認表示は、この後に店員待ち演出が実行されると、その演出に気を取られて遊技者が呼び出しボタン66の操作を忘れるのを防止するために行なわれる。なお、店員待ち演出は、店員によりエラーが解除されるのを待つ間に行なわれる演出である。また、画面上段37Uの表示範囲は、画面下段37Dの表示範囲よりも大きな表示範囲として設定されている。
次に、S804またはS806で実行したエラー表示中であるか否かを判定し(S810)、エラー表示中でないと判定すると、エラー報知演出処理を終了する。一方、エラー表示中であると判定すると、店員呼び出し確認の表示中に店員呼び出し済みの確認がとれたか否かを判定し(S812)、店員呼び出し済みの確認がとれていないと判定すると、S820の処理に進む。なお、店員呼び出し確認を表示中でなければ、店員呼び出し済みの確認はとれないから、そのままS820の処理に進む。S812の判定は、S808の店員呼び出し確認を表示中に、演出ボタン16と十字ボタン17の操作により呼び出した旨(図21のYES)が選択決定されることに基づいて行なわれる。なお、図15のエラー関連処理のS612で主制御装置60により送信される呼び出しコマンドを、サブ統合制御装置90にも送信されるようにして、その呼び出しコマンドの受信に基づいて店員呼び出し済みの確認がとれるようにしてもよい。
S812で店員呼び出し済みの確認がとれたと判定すると、店員呼び出し確認を消去して(S814)、今回発生したエラーが所定エラーであるか否かを判定する(S816)。ここで、所定エラーは、意図的なエラーではなく且つ店員によるエラー対処を待つ必要がある(店員待ちとなる)エラーであり、本実施例では未払出エラーと払出不足エラーが該当する(図16参照)。所定エラーであると判定すると、店員待ち演出の種類を遊技者に選択させる選択画面を演出図柄表示装置37の画面下段37Dに表示して(S818)、S820の処理に進む。また、磁気エラーや入球エラーなどの意図的なエラーである場合や満杯エラーなどの店員待ちとならずに遊技可能なエラーである場合には、所定エラーでないと判定し、S818をスキップしてS820の処理に進む。
図22は、店員待ち演出の様子の一例を示す説明図であり、図23は、店員待ち演出の内容の一例を示す説明図である。図23に示すように、複数種類の店員待ち演出を有しており、一例として、遊技説明演出と、ミニゲーム演出と、キャラクタ演出と、遊技履歴演出との4つの演出を有する。遊技説明演出は、例えばパチンコ機1の遊技性やスペック、キャラクタの種類、各演出の種類などを表示して説明する演出である。ミニゲーム演出は、例えば演出ボタン16や十字ボタン17により遊技者が操作可能なゲームや占いなどを実行する演出である。なお、ミニゲーム演出で好成績を収めた場合に、遊技中に使用可能なポイントを遊技者に付与したり、大当り確率の設定(設定値1〜3のいずれか)を遊技者に示唆したりしてもよい。なお、ポイントは、例えば遊技中に演出上の特典(特別な画像やキャラクタ、音楽など)などを獲得するために使用可能である。キャラクタ演出は、演出に登場する各キャラクタを用いた4コママンガやストーリーなどを表示する演出である。遊技履歴演出は、大当り発生回数や獲得賞球数、特別図柄の変動回数(回転数)等の履歴を表示する演出である。そして、図22(a)に示すように、演出図柄表示装置37の画面下段37Dに表示される選択画面では、演出ボタン16や十字ボタン17の操作により、遊技説明演出と、ミニゲーム演出と、キャラクタ演出と、遊技履歴演出との4種類の店員待ち演出のいずれかを遊技者が選択することができる。
次に、選択画面の表示中に、店員待ち演出の選択操作(選択の決定)が実行されたか否かを判定し(S820)、選択画面を表示中でなかったり、店員待ち演出の選択操作が実行されていないと判定すると、S824に進む。また、S820で店員待ち演出の選択操作が実行されたと判定すると、選択された店員待ち演出を画面下段37Dに表示して店員待ち演出を実行する(S822)。上述したように、画面上段37Uの表示範囲が画面下段37Dの表示範囲よりも大きな表示範囲として設定されているから、店員待ち演出は、エラー表示よりも小さな表示範囲に表示されることになる。このため、エラー表示よりも目立たない態様で表示されることになる。なお、図22(b)は、遊技説明演出が選択された場合を示しており、さらに演出ボタン16と十字ボタン17の操作により、キャラクタか遊技性かリーチ演出か予告演出のうちいずれの説明演出を実行するかが選択可能となっている。また、図22(c)は、ミニゲーム演出が選択された場合を示している。この例では、バットをもったキャラクタと、キャラクタに向けて投げられたボールとが表示されており、演出ボタン16の操作によりバットをタイミングよく操作してボールを打つゲームを実行することができる。
続いて、店員待ち演出を実行(表示)中であるか否か(S824)、図15のエラー関連処理のS616で主制御装置60により送信されるエラー対処中コマンドを受信したか否か(S826)、をそれぞれ判定する。店員待ち演出を実行中でないと判定したり、エラー対処中コマンドを受信していないと判定すると、S830の処理に進む。一方、店員待ち演出の実行中にエラー対処中コマンドを受信したと判定すると、実行中の店員待ち演出を非表示としてエラー対処中のメッセージを表示して(S828,図22(d))、S830の処理に進む。店員待ち演出が非表示とされることで、遊技者が店員待ち演出を見続けようとすることにより、店員のエラー対処の妨げになるのを防止することができる。そして、エラーが解除されたか否かを判定する(S830)。なお、エラーの解除は、主制御装置60により送信されるエラー解除コマンドを受信したことなどに基づいて判定する。S830でエラーが解除されていないと判定すると、そのままエラー報知演出処理を終了し、エラーが解除されたと判定すると、エラー表示を終了して(S832)、エラー報知演出処理を終了する。なお、店員待ち演出を伴うエラーであれば、S832で店員待ち演出も終了する。
以上説明した実施例のパチンコ機1では、エラーの発生を報知するエラー表示と共に、店員によりエラーが解除されるのを待つ間に店員待ち演出を演出図柄表示装置37に表示可能であり、複数種類の店員待ち演出の中からいずれか1の店員待ち演出を表示する。これにより、エラーの発生により遊技不能状態となっても、店員が来てエラー状態を解除するのをただ待つのではなく、店員待ち演出を見ながら待つことができる。したがって、エラーによって遊技不能状態となった場合に、遊技者に不快感を与えるのを抑制することができる。
また、複数種類の店員待ち演出の中から演出ボタン16や十字ボタン17を用いた遊技者の操作により選択された1の店員待ち演出を表示するため、遊技者は、好みの店員待ち演出を見ることができるから、遊技者に不快感を与えるのをさらに抑制することができる。なお、遊技者は、好みの店員待ち演出があれば同じ店員待ち演出を見ることもできる。
また、エラー表示が表示される画面上段37Uよりも狭い表示範囲の画面下段37Dに店員待ち演出を表示することで、エラー表示に比べて目立たない表示態様で店員待ち演出を表示するから、重要なエラー表示が分かりにくくなるのを防止して遊技者にエラーを確実に認識させることができる。
また、磁気エラーや入球エラーなどの意図的なエラーおよび満杯エラーなどの遊技者が対処可能なエラーでは店員待ち演出を実行せず、未払出エラーや払出不足エラーなど意図的なエラーでなく店員を待つ必要があるエラーの場合(所定エラーの場合)に店員待ち演出を実行する(図16参照)。このため、所定のエラーであるか否かによって店員待ち演出の表示の有無を異ならせることができる。また、遊技者の意図的でないエラーが発生し店員を待つ必要がある場合には店員待ち演出により、遊技者の不快感を適切に抑えることができる。また、遊技者の意図的なエラーの場合には、店員待ち演出を見せないから、遊技者が店員待ち演出を見るためにエラーを発生させるのを防止することができる。
また、エラーには、遊技不能状態とするエラーと、遊技不能状態とすることなく遊技の進行を可能とするエラーとがある。所定エラーは、遊技不能状態となるエラーとしたから、遊技不能状態となって遊技者に不快感を与えるような場合に、店員待ち演出を表示して遊技者の不快感を適切に抑えることができる。
実施例では、遊技者により選択された1の店員待ち演出を表示したが、これに限られず、遊技者による店員待ち演出の選択を行なわないものとしてもよい。その場合、エラーの発生が判定されると、サブ統合制御装置90が選択した店員待ち演出が表示されるようにすればよい。
図24は、変形例のエラー報知演出処理を示すフローチャートである。このエラー報知演出処理では、S816で所定エラーであると判定すると、複数種類の店員待ち演出の中から前回(前回実行した店員待ち演出)とは異なる店員待ち演出を、予め定められた順番またはランダムで選択し(S819)、画面下段37Dに表示する(S822)。なお、予め定められた順番は、図23の番号(1〜4)の順(昇順または降順)などとすればよい。また、ランダムでの選択は、抽選により行なえばよいが、前回とは異なる演出とするため、前回実行した店員待ち演出を除いた残りの店員待ち演出の中から、抽選により選択すればよい。この変形例では、遊技者は、エラーが発生する度に新たな気分で店員待ち演出を見ることができるから、遊技者に不快感を与えるのをより抑制することができる。なお、毎回異なる店員待ち演出とするものに限られず、同じ店員待ち演出が繰り返し表示される場合があってもよい。例えば、予め定められた順番で店員待ち演出を選択する場合に同じ店員待ち演出を複数回ずつ選択するものなどとしてもよい。また、同じ内容の店員待ち演出であっても、登場するキャラクタが異なれば、異なる店員待ち演出としてもよい。例えば、第1キャラクタが登場して行なうミニゲームと、第2キャラクタが登場して行なうミニゲームとが同じ内容(例えば上述したようにバットでボールを打つ内容)であっても、異なる店員待ち演出として取り扱えばよい。
実施例では、複数種類の店員待ち演出の中からいずれか1の店員待ち演出を表示したが、これに限られず、店員待ち演出を1種類のみ有するものとし、毎回同じ店員待ち演出を表示してもよい。
実施例では、エラー表示が表示される画面上段37Uよりも狭い表示範囲の画面下段37Dに店員待ち演出を表示することで、エラー表示に比べて目立たない表示態様で店員待ち演出を表示したが、これに限られるものではない。例えば、狭い表示範囲の画面下段37Dに、店員待ち演出を薄く表示したり暗く表示したりするなど輝度を抑えた態様で表示してもよい。あるいは、エラー表示と店員待ち演出とを同じ表示範囲に表示しつつ、店員待ち演出を輝度を抑えた態様で表示してもよい。
実施例では、店員待ち演出をエラー表示に比べて目立たない態様で表示したが、これに限られず、店員待ち演出をエラー表示と同様な態様(同様の表示範囲、同様の輝度など)で表示してもよいし、店員待ち演出をエラー表示に比べて目立つ態様で表示してもよい。
実施例では、磁気エラーや入球エラーなどの意図的なエラーおよび満杯エラーなどの遊技者が対処可能なエラーでは店員待ち演出を実行(表示)せず、未払出エラーや払出不足エラーなどの意図的なエラーでなく店員を待つ必要があるエラーの場合(所定エラーの場合)に店員待ち演出を実行したが、これに限られるものではない。例えば、意図的なエラーであれば店員待ち演出を表示せず、意図的なエラーでなければ店員待ち演出を表示するものなどとしてもよい。あるいは、遊技不能状態とするエラーでなければ店員待ち演出を表示せず、遊技不能状態とするエラーであれば店員待ち演出を表示するものなどとしてもよい。これにより、例えば磁気エラーなどの意図的なエラーであっても、磁気センサ28の断線など遊技者の意図によらない原因で発生して遊技不能状態となった場合に、遊技者に不快感を与えるのを抑制することができる。あるいは、エラーの種類に拘わらず、全てのエラーで店員待ち演出を実行してもよい。
実施例では、遊技不能状態とするエラーと、遊技不能状態とすることなく遊技の進行を可能とするエラーとがあるものとしたが、これに限られず、全てのエラーを遊技不能状態としてもよい。そのようにしても、店員待ち演出を表示することで遊技者の不快感を適切に抑えることができる。
実施例では、店員によるエラーの対処中は店員待ち演出を非表示としたが、これに限られず、エラー対処中も店員待ち演出を表示してもよい。また、エラー解除を判定した場合にエラー表示と共に店員待ち演出を終了したが、これに限られず、エラー解除の判定前でも所定の演出時間が終了すると店員待ち演出を終了してもよい。なお、店員待ち演出を終了後に所定時間が経過してもエラーが解除されてなければ、店員待ち演出を再度表示するものとしてもよい。そのようにする場合、前回と同じ店員待ち演出を表示してもよいし、前回と異なる店員待ち演出を表示してもよい。
実施例では、上受け皿11の上面に呼び出しボタン66が配設されていたが、これに限られず、遊技ホールの島設備に設置されるパチンコ機1の各々に対応する上方位置などに呼び出しボタンが配設されるものなどとしてもよい。
実施例では、遊技機としてパチンコ機1を例示して説明したが、遊技の進行に伴って各種演出を表示する表示装置(例えば演出図柄表示装置37)を備えるものであれば、例えばスロットマシン等如何なるタイプの遊技機に適用してもよい。
実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を賞球や貸球として上受け皿11に払い出す構成としたが、いわゆる封入式のパチンコ機であってもよい。封入式のパチンコ機は、内部に封入した遊技球を循環させることにより遊技を行なうものである。また、実施例や変形例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機に適用されてもよい。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを制限するものであり、枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)から主制御装置へは特定情報(遊技の性能に影響を与える情報や、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報)以外を送信可能とし、枠制御装置はCRユニットと接続され、枠制御装置を介してのみ外部と通信可能に構成されたものである。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、演出図柄表示装置37が「表示装置」に相当し、エラー関連処理のS600,S602の処理を実行する主制御装置60が「エラー判定手段」に相当し、エラー関連処理のS604,S606の処理を実行する主制御装置60が「遊技停止手段」に相当し、エラー報知演出処理を実行するサブ統合制御装置90と演出図柄制御装置91とが「表示制御手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。