(遊技機の全体構成)
以下、本発明にかかる実施形態について図1〜図3を参照して詳細に説明する。まず、遊技機1の全体構成について簡単に説明する。図1に示されるように、遊技機1は、所定の奥行きを有する額縁形状の機枠10を備える。この機枠10には前面枠12が取り付けられている。前面枠12は、その左側縁が機枠10に回動自在に支持され、前側に開閉可能である。また、前面枠12には、ガラス枠14が取り付けられている。ガラス枠14は、その左側縁が前面枠12に回動自在に支持され、前側に開閉可能である。
ガラス枠14の中央の開口部にはガラス板またはプラスチック板等の透明な板が設けられており、遊技者はこの透明な板を通して前側から遊技盤26を視認できる。また、ガラス枠14の下部には、払い出された遊技球を発射装置に送るまで貯めておく上皿ユニット16が設けられている。上皿ユニット16には、貯留されている遊技球を下皿ユニット20に流下させる上皿スイッチや、貸し出し可能な貸し球を払い出す球貸しスイッチ等が設けられている。また、ガラス枠14の上部左右両側には、スピーカ18が設けられている。
前面枠12の下部には、払い出された遊技球が上皿ユニット16に入りきらない場合等に遊技球を貯めることができる下皿ユニット20や、遊技球を発射操作するためのタッチスイッチを備える発射ハンドル22等が設けられている。下皿ユニット20の左側には、遊技者が押し下げ操作を行うことができる操作ボタン24が設けられている。
遊技盤26は、ほぼ正方形の合板により成形されており、前面枠12に着脱可能に取り付けられている。この遊技盤26には、発射装置から発射された遊技球をガイドする金属製の薄板からなる帯状のガイドレール28が略円弧形状となるように設けられており、このガイドレール28によって遊技領域の外郭の一部が形成されている。
遊技領域には、表示装置30、第一始動入賞口321(いわゆるヘソ)、第二始動入賞口322(いわゆる電チュー)、普通図柄変動開始用ゲート33、大入賞口34、特別入賞口35、アウト口36などが設けられている。表示装置30は、例えば液晶表示装置が用いられ、表示装置30の表示画面(表示部)において特別図柄や普通図柄等が表示される。かかる表示装置30の表示画面は、遊技盤26に形成された開口を通じて視認可能である。
また、遊技盤26の遊技領域には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての図示しない遊技釘が複数設けられている。遊技領域を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
さらに、図2に示すように、遊技盤26には磁気センサ27が取り付けられている。本実施形態では、当該領域に遊技球が入賞した場合に、遊技者にとって有利な遊技状態となる特別入賞口35近傍に磁気センサ27が設けられている。つまり、磁気センサ27は、磁石などを用いて遊技球を強制的に特別入賞口35に入賞させようとする不正行為を防止するためのものである。
また、図3に示すように、遊技機1には、主制御基板40、サブ制御基板42等の各種制御基板が設けられている。サブ制御基板42は、どのような主制御基板40が行った大当たり抽選結果等に基づき、どのような演出を行うか決定する基板である。
このような遊技機1では、発射ハンドル22の操作により、発射装置から遊技領域に遊技球を発射し、遊技領域を流下する遊技球が、始動入賞口321、322や大入賞口34等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
(主制御基板が行う制御処理)
主制御基板40が行う制御処理について説明する。主制御基板40は、ROMに記憶されている制御用プログラムに従いマイクロコンピュータのCPUにより制御処理を行う。図4は主制御基板40が行うメイン処理のフローチャートである。
メイン処理では、まずデバイスの初期設定(S10)が行われる。デバイスの初期設定(S10)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。
次に、割り込み禁止処理(S20)、主要乱数更新処理(S30)、割り込み許可処理(S40)が行われ、その後に再び割り込み禁止処理(S20)に戻るループ処理が行われ、このループ処理の間に割り込み処理(S100)が行われる。
割り込み禁止処理(S20)では、4msecごとに割り込み処理(S100)が入ってきても、割り込み許可となるまで、割り込みを禁止する。次の主要乱数更新処理(S30)では、種々の乱数が主要乱数更新処理(S30)ごとに1加算され、各乱数の設定上限値に至ると次に最小値に戻って再び加算が行われる。更新された乱数は主制御基板40のRAMに記憶される。割り込み許可処理(S40)では、4msecごとに入ってくる割り込み処理(S100)に対して許可をする。
割り込み処理(S100)では、図5に示すように、出力処理(S110)、入力処理(S120)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S130)、入賞検出処理(S140)、普通動作処理(S150)、特別動作処理(S160)、保留球数処理(S170)、電源断監視処理(S180)、その他の処理(S190)が行われる。
出力処理(S110)では、各処理で設定された出力用のコマンド(制御信号)や取得された数値データ等が各制御基板に送信される。入力処理(S120)では、遊技機1に取り付けられている各種センサ(スイッチ)が検知した場合の信号入力が行われる。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S130)では、メイン処理におけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)と同様の処理が行われる。
入賞検出処理(S140)では、図6に示すように、始動入賞口321、322への入賞が検出されたか判断され(S140−1)、入賞が検出されていない場合には普通図柄変動開始用ゲート33への遊技球通過が検出されたか判断される(S140−2)。ゲート33への遊技球通過が検出されていない場合には、この入賞検出処理(S140)が終了する。一方、ゲート33への遊技球通過が検出された場合には、普通図柄変動保留球数が4以上か判断され(S140−3)、4以上の場合にはこの入賞検出処理(S140)が終了する。一方、普通図柄変動保留球数が4未満であれば普通図柄変動保留球数に1加算されると共に(S140−4)、普通図柄乱数値が取得され、取得した普通図柄乱数値(小当たり乱数値)が主制御基板40のRAMにおける対応する領域(アドレス)に記憶され(S140−5)、この入賞検出処理(S140)が終了する。上記S140−1で始動入賞口321、322への入賞が検出されたと判断されると、特別図柄変動保留球数が4以上か判断され(S140−6)、4以上の場合にはこの入賞検出処理(S140)が終了する。一方、特別図柄変動保留球数が4未満であれば、特別図柄変動保留球数に1加算され(S140−7)、大当たり乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値等が取得されて主制御基板40のRAM(保留記憶手段)の対応する領域(アドレス)に記憶され(S140−8)、この入賞検出処理(S140)が終了する。
普通動作処理(S150)では、図7に示すように、まず第二始動入賞口322の手前に設けられた開閉部材322a(図1参照)が開放中か確認される(S150−1)。開閉部材322aが閉鎖中(狭小開放状態)であれば、普通図柄変動保留球数が0かどうか確認され(S150−2)、0であればこの普通動作処理(S150)が終了する。一方、普通図柄変動保留球数が0でない場合には、入賞検出処理(S140)の普通図柄乱数取得処理(S140−5)で取得されて主制御基板40のRAMに記憶されている普通図柄乱数値(小当たり乱数値)が読み出され(S150−3)、現在高確率状態(確率変動状態)かどうか確認される(S150−4)。高確率状態ではなく低確率状態の場合、取得普通図柄乱数値が予め設定されている低確率状態時の小当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での小当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S150−5)。外れの場合には、この普通動作処理(S150)が終了し、一方、小当たりの場合には、開閉部材322aを開放時間1秒、開放回数1回で開放する開閉部材開放処理が行われ(S150−6)、その後にこの普通動作処理(S150)が終了する。それに対して、S150−4で高確率状態と判断されると、取得普通図柄乱数値が予め設定されている高確率状態時の小当たり成立数値(低確率状態よりも数が多い。すなわち当選確率が高く設定されている)と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での小当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S150−7)。外れの場合には、この普通動作処理(S150)が終了し、一方、小当たりの場合には、開閉部材322aを開放時間2秒、開放回数3回で開放する開閉部材開放処理が行われ(S150−8)、その後にこの普通動作処理(S150)が終了する。
また、S150−1で開閉部材322aが開放中と判断されると、開閉部材322aの開放時間が経過(終了)したか確認され(S150−9)、開閉部材322aの開放時間が経過していない場合には、この普通動作処理(S150)が終了し、一方、開閉部材322aの開放時間が経過した場合には、開閉部材322aを閉鎖する(狭小開放状態とする)処理が行われ(S150−10)、その後にこの普通動作処理(S150)が終了する。
特別動作処理(S160)では、図8に示すように、特別動作ステータスが1〜4の何れであるか判断される(S160−1〜S160−3)。特別動作ステータスが1の場合には特別図柄待機処理(S160−4)が行われ、特別動作ステータスが2の場合には変動中処理(S160−5)が行われ、特別動作ステータスが3の場合には特別図柄確定処理(S160−6)が行われ、特別動作ステータスが4の場合には特別電動役物処理(S160−7)が行われる。
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S160−4)では、図9に示すように、特別図柄変動保留球数が0か否か判断され(S160−4−1)、特別図柄変動保留球数が0の場合には表示装置30に表示される画面が特別図柄の変動中ではない待機画面(待ち受け画面)中か否か判断され(S160−4−2)、待機画面(待ち受け画面)中であれば、この特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合には、表示装置30に表示される画面を待機画面(待ち受け画面)にするための待機画面設定処理(S160−4−3)が行われて表示装置30に表示される画面が待機画面にセットされ(S160−4−4)、その後にこの特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。
それに対してS160−4−1で特別図柄変動保留球数が0ではないと判断された場合には、図10に示す特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)が行われる。特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)では、まず入賞検出処理(S140)の特別図柄関係乱数値取得処理(S140−8)で取得された、主制御基板40のRAM(保留記憶手段)に記憶されている大当たり乱数値のうち、一番目の大当たり乱数値が読み出され(S160−4−5−1)、現在高確率状態(確率変動状態)か確認される(S160−4−5−2)。高確率状態ではない低確率状態の場合、取得された大当たり乱数値が予め設定されている低確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S160−4−5−3)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−5−4)、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)が終了する。それに対して、S160−4−5−2で高確率状態と判断されると、取得された大当たり乱数値が予め設定されている高確率状態時の大当たり成立数値(低確率状態よりも数が多い。すなわち当選確率が高く設定されている)と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S160−4−5−5)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−5−4)、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)が終了する。
特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)の次に特別図柄選択処理(S160−4−6)が行われる。特別図柄選択処理(S160−4−6)では、表示装置30で停止表示する特別図柄が決定される。まず、特別図柄選択処理(S160−4−6)では、図11に示すように、大当たりフラグがONか判断され(S160−4−6−1)、大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には当該大当たりの種類に応じた特別図柄の組み合わせが停止する図柄としてセットされる(S160−4−6−2)。一方、大当たりフラグがONではない、すなわち外れの場合には、左・中・右図柄乱数用カウンタによって左・中・右図柄乱数値(以下、左図柄乱数値を特別図柄データ1、中図柄乱数値を特別図柄データ2・右図柄乱数値を特別図柄データ3と称する)を取得し(S160−4−6−3)、特別図柄データ1と特別図柄データ2と特別図柄データ3の乱数値が全て一致しているか判断され(S160−4−6−4)、一致している場合にはリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S160−4−6−5)。リーチ乱数値が予め設定されているリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−6−6)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−6−7)。
上記S160−4−6−4で特別図柄データ1と2と3の乱数値が一致していないと判断された場合には、特別図柄データ1と3の乱数値が一致しているか判断される(S160−4−6−8)。特別図柄データ1と3の乱数値が一致している場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S160−4−6−9)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−6−10)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−6−7)。つまり、リーチを成立させないよう、停止左特別図柄と停止右特別図柄が異なる図柄となるように加算操作がなされる。
上記S160−4−6−8で特別図柄データ1と3の乱数値が一致していない、すなわち特別図柄データ1,2,3が全て異なると判断された場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S160−4−6−11)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、特別図柄データ1と特別図柄データ3の値が特別図柄データ1あるいは特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄と同一になるように停止左特別図柄と停止右特別図柄がセットされると共に、その同一にした特別図柄データ1或いは特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄にセットされる(S160−4−6−12)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−6−10)。
続いて、特別図柄変動態様選択処理(S160−4−7)が行われる。特別図柄変動態様選択処理(S160−4−7)では、図12に示すように、遊技状態が低確率状態中か高確率状態中か確認される(S160−4−7−1)。低確率状態中の場合には大当たりフラグがON(当否判定結果が大当たりか)か確認され(S160−4−7−2)、大当たりフラグがONの場合には、主制御基板40のRAM(保留記憶手段)において読み出し順序が一番目に記憶されている変動態様乱数値がロードされ、予め設定されている低確率状態中の当たりテーブルにおける変動態様乱数値と一致する変動態様が選択される(ここで選択された変動態様を変動態様Aとする)(S160−4−7−3)。一方、上記S160−4−7−2において大当たりフラグがONではない(当否判定結果が外れである)と判断された場合には、主制御基板40のRAM(保留記憶手段)における一番目のリーチ乱数値がロードされて予め設定されているリーチ成立数値と対比され、両者が一致する場合にはリーチ有りとされ、一致しない場合にはリーチ無しとされる(S160−4−7−4)。リーチ有りの場合には、主制御基板40のRAM(保留記憶手段)における一番目の変動態様乱数値がロードされ、予め設定されている低確率状態中のリーチ外れテーブルにおける変動態様乱数値と一致する変動態様が選択される(ここで選択された変動態様を変動態様Cとする)(S160−4−7−5)。また、S160−4−7−4でリーチ無しと判断された場合、主制御基板40のRAM(保留記憶手段)における一番目の変動態様乱数値がロードされ、予め設定されている低確率状態中の外れテーブルにおける変動態様乱数値と一致する変動態様が選択される(ここで選択された変動態様を変動態様Dとする)(S160−4−7−6)。
一方、S160−4−7−1で高確率状態中と判断された場合、大当たりフラグがON(当否判定結果が大当たりか)か確認され(S160−4−7−7)、大当たりフラグがONの場合には、主制御基板40のRAM(保留記憶手段)における一番目の変動態様乱数値がロードされ、予め設定されている高確率状態中の当たりテーブルにおける変動態様乱数値と一致する変動態様が選択される(ここで選択された変動態様を変動態様Bとする)(S160−4−7−8)。一方、上記S160−4−7−7において大当たりフラグがONではない(当否判定結果が外れである)と判断された場合には、主制御基板40のRAM(保留記憶手段)における一番目のリーチ乱数値がロードされてリーチ成立数値と対比され、両者が一致する場合にはリーチ有りとされ、一致しない場合にはリーチ無しとなる(S160−4−7−9)。リーチ有りの場合には、主制御基板40のRAM(保留記憶手段)における一番目の変動態様乱数値がロードされ、予め設定されている高確率状態中のリーチ外れテーブルにおける変動態様乱数値と一致する変動態様が選択される(ここで選択された変動態様を変動態様Eとする)(S160−4−7−10)。また、S160−4−7−9でリーチ無しと判断された場合、主制御基板40のRAM(保留記憶手段)における一番目の変動態様乱数値がロードされ、予め設定されている高確率状態中の外れテーブルにおける変動態様乱数値と一致する変動態様が選択される(ここで選択された変動態様を変動態様Fとする)(S160−4−7−11)。変動態様の選択後、選択した変動コマンドを送信バッファに格納し(S160−4−7−12)、その他必要な処理(S160−4−7−13)が行われた後、この特別図柄変動態様選択処理(S160−4−7)が終了する。なお、ここで選択された変動コマンドはサブ制御基板42へ送信される。
特別図柄変動態様選択処理(S160−4−7)に次いで特別図柄乱数シフト処理(S160−4−8)が行われる。特別図柄乱数シフト処理(S160−4−8)では、主制御基板40のRAMにおける特別図柄変動保留球数のデータ記憶領域において、ロード(読み出し)順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄主要乱数値(大当たり乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値)等のデータが、先の処理でロードされて空席となることに起因して、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄主要乱数値(大当たり乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値)等のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。具体的には、図13に示すように、まず当否判定手段の判定結果に基づく特別図柄(識別情報)の変動表示が行われることにより、主制御基板40のRAMに記憶されていた特別図柄変動保留球数から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S160−4−8−1)、次に各保留に対応するデータが各保留から1減算した保留のRAMアドレスにシフトされ(S160−4−8−2)、続いて最下位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の保留に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S160−4−8−3)。
特別図柄乱数シフト処理(S160−4−8)に次いで、特別図柄変動開始設定処理(S160−4−9)が行われる。特別図柄変動開始設定処理(S160−4−9)では、特別図柄の変動開始に必要なコマンドの準備などの設定が行われる。特別図柄変動開始設定処理(S160−4−9)の次に、特別動作ステータスが2に設定され(S160−4−10)、待機中が解除され(S160−4−11)、特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。
特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S160−5)では図14に示すように、特別動作タイマ判定処理が行われる(S160−5−1)。詳しくは、特別図柄の変動時間(変動態様の変動時間)が終了したか否か(動作タイマ=0か否か)が判断され(S160−5−2)、変動時間が終了していなければこの変動中処理(S160−5)が終了する。一方、変動時間が終了していれば変動停止コマンドがセットされる(S160−5−3)。続いて特別動作ステータスが3にセットされ(S160−5−4)、その他必要な処理(S160−5−5)が行われた後に、この変動中処理(S160−5)が終了する。
特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S160−6)では図15に示すように、まず大当たりフラグがON(「1」)か否か、すなわち大当たりか否か判断される(S160−6−1)。大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、ラウンドカウンタがセットされ(S160−6−2)、特別動作ステータスが4にセットされた(S160−6−3)後、この特別図柄確定処理(S160−6)が終了する。ラウンドカウンタは、成立した大当たりのラウンド数に対応した値にセットされる。一方、S160−6−1で大当たりフラグがOFF、すなわち外れと判断された場合には、特別動作ステータスが1にセットされ(S160−6−4)、この特別図柄確定処理(S160−6)が終了する。
特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S160−7)では、図16に示すように、確変(高確率状態)フラグがOFFされ(S160−7−1)、大当たりのオープニングが実施されたか否か(これから大当たりが始まる旨の映像が表示装置30に表示されたか否か等)が確認される(S160−7−2)。大当たりのオープニングが実施されたことが確認された後、大当たり終了フラグがON(「1」)か否か判断され(S160−7−3)、大当たり終了フラグがONではない、すなわち大当たり遊技終了ではない場合には現在大入賞口34が開放中か否か判断され(S160−7−4)、開放中ではなく閉鎖中の場合には大入賞口34の開放時間か否か判断される(S160−7−5)。大入賞口34の開放時間の場合には大入賞口34の開放処理が行われ(S160−7−6)、その後にこの特別電動役物処理(S160−7)が終了する。それに対して大入賞口34の開放時間となっていないときには、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
一方、S160−7−4で大入賞口34が開放中と判断されると、大入賞口34に10個遊技球が入賞(S160−7−7)、若しくはラウンド終了時間経過(S160−7−8)の何れかであるか否か判断され、何れでもない場合にはそのままこの特別電動役物処理(S160−7)が終了する。それに対して大入賞口34に10個遊技球が入賞、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合には、大入賞口閉鎖処理(S160−7−9)とラウンドカウンタの値から1減算する処理(S160−7−10)が行われる。なお、大入賞口閉鎖処理(S160−7−9)では、大入賞口34閉鎖のコマンドが出力バッファにセットされる。続いて、ラウンドカウンタが0か否か判断され(S160−7−11)、ラウンドカウンタが0ではない場合には、そのままこの特別電動役物処理(S160−7)が終了し、それに対してラウンドカウンタが0の場合には、大当たり終了処理(S160−7−12)が行われる。その後、大当たり終了フラグがONにされ(S160−7−13)、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
それに対し、上記S160−7−1で大当たり終了フラグがON(「1」)、すなわち大当たり終了と判断されると、大当たり終了フラグをOFFにセットする処理(S160−7−14)と、大当たりフラグをOFFにする処理(S160−7−15)が行われ、大当たりが確率変動大当たりか否かが確認される(S160−7−16)。確率変動大当たりの場合には、再び確率変動フラグがONにされる(S160−7−17)。その後、特別動作ステータスが1にセットされ(S160−7−18)、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。一方、上記S160−7−16において、確率変動大当たりでない場合には、確率変動フラグをONにすることなく(OFFにした状態のまま)、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
特別動作処理(S160)の次に保留球数処理(S170)が行われる。保留球数処理(S170)では、図17に示すように現在の特別図柄、普通図柄の保留球数がロードされ(S170−1)、保留球数が特図保留コマンド、普図保留コマンドとして出力バッファにセットされる(S170−2)。この保留球数処理(S170)により、主制御基板40のRAM(保留記憶手段)の保留球数に関する記憶がサブ制御基板42へ出力されるようにセットされる。
前記保留球数処理(S170)の次に電源断監視処理(S180)が行われる。電源断監視処理(S180)では、図18に示すように、電源断信号が入力したか判断され(S180−1)、入力していなければこの電源断監視処理(S180)が終了する。一方、電源断信号が入力している場合には、現在のデータ(状態)が前記主制御基板200のRAMに記憶され(S180−2)、次いで電源断フラグがONにされ(S180−3)、その後ループ処理が行われる。また、電源投入時は設定値を確認し、大当たり時に設定される演出ステータス値をサブ制御基板42に送信するように構成されている。
その他の処理(S190)では、遊技に必要なその他の様々な処理が必要に応じて行われる。
(サブ制御基板が行う制御処理)
次に、上記サブ制御基板42(演出制御手段)が行う制御処理について説明する。上記サブ制御基板42が行うサブ制御メイン処理(S200)では、図19に示すように、電源が投入されたことを契機として、CPU初期化処理が行われる(S201)。詳しくは、スタックの設定、CPUの設定、SIO、CTCの設定等が行われる。そして、サブ制御基板42のRAMの内容が正常であるか否かを判断する処理が行われる(S202)。RAMの内容が正常でない場合には、RAMの初期化を行う(S203)。
その後、初期動作時間設定処理(S204)を行う。初期動作時間設定処理(S204)では、電源投入時に行われる初期動作が完了するまでに要する時間(例えば5秒)を設定する。初期動作は、電源投入後、遊技機1に備えられる各種入賞口を開閉する開閉部材(例えば開閉部材322a)や所定の演出を実行する役物38等、モータやソレノイドといった磁気作用によって駆動する電気的駆動源を駆動源とする可動装置を動作させ、その動作を確認するものである。この可動装置の動作を制御する手段が本発明における可動制御装置に相当し、電源投入時にこの初期動作を実行するよう信号を送信する手段が初期動作手段に相当する。この初期動作時間が経過するまでの間に、役物38等の可動装置の初期動作が完了する。この初期動作開始と同時に、磁気センサ27は動作を開始するため(本実施形態の磁気センサ27は遊技機1への電源投入によって磁気センサ本体に電源が供給されたタイミングで自動的に動作を開始するように構成されている)、当該初期動作が実行されているときにおける磁気状態を検出し、その磁気状態(磁気センサ27が検知する磁気の大きさ)を一次基準値として記憶する。この一次基準値を記憶する手段が本発明における一次記憶手段に相当する。そして、これとともに磁気センサ27によって検知する範囲を図2に示す第一検知範囲S1に設定した上で、当該第一検知範囲S1内における磁気状態の異常の有無を監視する。具体的には、第一検知範囲S1内において磁気センサ27が検知する磁気の大きさと上記第一基準値との差が、予め定められた閾値(許容範囲)を超えているか否かを判定する(以下、当該一次基準値に基づく検知を単に一次検知と称することもある)。この一次検知を行う手段が本発明における一次検知手段に相当する。当該閾値を超えた場合には異常と判定し、閾値を超えない場合には正常と判定する。この判定手段が本発明における異常磁気判定手段に相当する。第一検知範囲S1は、遊技盤26の平面方向で考えれば、磁気センサ27を中心としたある大きさの円の内側の範囲であり、当該範囲の大きさは後述する第二検知範囲S2の大きさよりも小さい(円の大きさが小さい)。また、本実施形態の磁気センサ27は、センサ本体に電源から電力が供給されたタイミングで自動的に磁気状態を記憶するように構成しているが、例えば制御装置からの信号に基づいて磁気状態を記憶するように構成してもよい。
初期動作時間設定処理の後、ウォッチドッグタイマカウンタ1(2ms用)ウォッチドッグタイマカウンタ2(10ms用)の初期化を行う(S205)。ウォッチドッグタイマカウンタの初期化後、割り込みを禁止した上で(S206)、各種演出や各種図柄乱数等の更新処理を行う(乱数シード更新;S207)。更新処理後、割り込みを許可して(S208)ループ処理が行われる。このループ処理では、受信割り込み処理(S300)、2msタイマ割り込み処理(S400)、および10msタイマ割り込み処理(S500)が行われる。
図20に示す受信割り込み処理(S300)は、主制御基板40からのコマンド(制御信号)を受信するための処理である。受信割り込み処理(S300)では、まず上記主制御基板40からのストローブ(STB)信号がONか確認され(S301)、ストローブ信号がON、すなわち外部INT入力部にストローブ信号が入力されると、上記主制御基板40から出力されたコマンド(制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S302)。
一方、ストローブ信号がONになっていなければ、RAM初期化コマンドまたは客待ちコマンドを受信したかどうかが確認される(S303)。RAM初期化コマンドは、遊技機1に備えられているRAMクリアボタン(図示せず)が操作され、RAMがクリアされた場合にサブ制御基板42が主制御基板40から受信する信号である。具体的には、RAMの初期化は、RAMクリアボタンを操作しながら電源を投入することにより行う。この操作によってRAMの初期化が完了した場合に、サブ制御基板42はRAM初期化コマンドを受信するように構成されている。客待ちコマンドは、遊技が所定時間行われず(発射ハンドル22が所定時間操作されず)、遊技機が待機状態に移行した場合(上記S160−4−4の処理が実行された場合)にサブ制御基板42が主制御基板40から受信する信号である。このRAM初期化コマンドまたは客待ちコマンドを受信している場合には、二次記憶準備処理(S304)に移行する。
図21に示す二次記憶準備処理では、まず上記S204の初期動作時間設定処理において設定した初期動作時間(例えば5秒)が経過したか否かを判断する(S304−1)。初期動作時間が経過していない場合には、役物38等の駆動装置の初期動作が完了していない、完了していてもソレノイドやモータ等の駆動源による磁気の乱れが残存しているとみなし、二次記憶準備処理は終了する。つまり、第一検知範囲S1内における異常の有無の監視を継続する。一方、初期動作時間が経過している場合には、客待ち待機中であるか否かを確認する(S304−2)。具体的には、表示装置30に客待ち画面(待機画面)が表示されているか否かを確認する。客待ち待機中でない場合には二次記憶準備処理は終了する。客待ち待機中である場合には磁気センサ27の二次記憶処理が未実行状態(デフォルト状態)であるか否か(X=OFFかどうか)を確認する(S304−3)。二次記憶処理が未実行状態(二次基準値が記憶されていない状態)でない場合、すなわち既に二次基準値の記憶が開始可能な状態である(X=ON1)、記憶を実行中である(X=ON2)、記憶が完了している(X=ON3)のいずれかの状態である場合には二次記憶処理の準備をする必要がないということになり、二次記憶準備処理は終了する。二次記憶処理が未実行状態である場合には、二次基準値の記憶を開始可能な状態とする(X=ON1に設定する)(S304−4)。つまり、初期動作時間が経過し、かつ客待ち待機中である場合となってはじめて、二次記憶処理が開始可能な状態とされる。
図22に示す2msタイマ割り込み処理(S400)は、2ms経過の度に行われる処理であり、10msタイマ割り込み処理より優先して行われる。ランプデータデータ出力処理(S401)では、ランプ点灯パターンや音声パターンなどを2ms毎に作成して出力する。SW/駆動出力処理(S402)では、駆動物(役物38等)を駆動するための制御データを作成して出力する。入力処理(S403)では、操作ボタン24の操作によるエッジデータやレベルデータ(スイッチデータ)の作成を行う。ウォッチドッグタイマカウンタ1初期化処理(S404)では、ウォッチドッグタイマ1を初期化する。
図23に示す10msタイマ割り込み処理(S500)は、10ms経過する度に行われる処理である。メインコマンド解析処理(S501)として、受信割り込み処理で主制御基板40から受信したコマンド(制御信号)を解析し、コマンドに対応した処理を行う。詳細は省略するが、例えば、メインコマンドに基づいて実行する演出を決定する処理等を行う。メインコマンド解析処理(S501)の後、出力するランプデータの作成を行うランプ処理(S502)、およびその他の処理(S503)を行った後、磁気センサ検知処理(S504)を行う。
図24に示す磁気センサ検知処理(S504)では、扉(前面枠12およびガラス枠14)が開放された状態から閉鎖されたか否かが検出される(S504−1)。電源の投入は、扉が開放された状態で行われることが多いため、その扉が開放した状態から変化があったか否かを検出する。10msごとにこの処理を行う手段が、遊技機の状態が変化したか否かを一定期間ごとに検出する本発明における遊技機状態判定手段に相当する。つまり、本実施形態では、扉の開閉状態を遊技機の状態として設定し、扉が開状態の場合に遊技機の状態に変化がない(扉が閉状態となった場合に遊技機の状態に変化があった)と判定するようにしている。なお、扉の開閉状態以外の状態を遊技機の状態の変化の基準として設定してもよい。また、扉の開閉状態に加えてそれ以外の状態を変化の基準として設定し、それら全てに変化がなかった場合に遊技機の状態に変化がないと判定するようにしてもよい。例えば、客待ち状態中の変化を遊技機の状態の変化の基準として設定してもよい。
扉が閉鎖されず開放が維持されている場合、すなわち遊技機の状態に変化がないと判定されるときには、磁気センサ27の二次記憶処理をデフォルト状態に、記憶タイマ(磁気センサ27が磁気状態を記憶するために必要な時間をカウントするセンサ)を0に、記憶ポート(磁気センサ27が磁気状態を記憶するためのポート)をOFFにする(S504−2)。
一方、扉が閉鎖された場合、すなわち遊技機の状態に変化があったことが検出された場合には、磁気状態が異常であるか否かを判断する(S504−3)。異常が検知された場合には、二次基準値の記憶が開始可能な状態であるか、または実行中であるかどうか(X=ON1またはON2であるかどうか)が判断される(S504−4)。二次基準値の記憶が開始可能な状態である、または実行中である場合には、未だ二次基準値の記憶が完了していないということであり、上記磁気状態の異常は一次検知によるものであるということになる。そのため、磁気センサ27の記憶処理をデフォルト状態(X=OFF)に、記憶タイマ(詳細は後述)を0に、記憶ポート(磁気センサ27が磁気状態を記憶するためのポート)をOFFにする(S504−5)。その後、異常報知処理(詳細は後述)を実行する(S504−6(S600))。一方、二次基準値の記憶が開始可能な状態ではない、または実行中でない(X=ON1、ON2でない)場合には、磁気センサ27の二次記憶処理が未実行状態(デフォルト状態)であるかどうか(X=OFFであるかどうか)が確認される(S504−7)。当該未実行状態(X=OFF)である場合には、未だ二次基準値の記憶が完了していないということであり、上記磁気状態の異常は一次検知によるものであるということになる。その後、異常報知処理(詳細は後述)を実行する(S504−6(S600))。一方、磁気センサ27の二次記憶処理が未実行状態(X=OFF)でない、すなわち二次基準値の記憶が完了している状態(X=ON3)である場合には、詳細を後述する二次記憶詳細処理S504−11内で異常報知処理が実行される。
上記S504−3において異常磁気が検知されていないとき、または異常磁気が検知されて上記S504−4〜S504−7の処理を実行した後、二次記憶処理が完了しているかどうか(X=ON3であるかどうか)を確認する(S504−8)。二次記憶処理が完了している場合には、扉の開放が維持されているかどうかを再度確認する(S504−9)。扉が開放中である場合には、詳細を後述する検知タイマ、被検知タイマ、および報知フラグを全てリセットする(検知タイマおよび被検知タイマは0に、報知フラグはOFFにセットする)(S504−10)。すなわち、上記S504−3において異常が検知された場合であっても扉が開放中であれば異常報知を行わないようにしている。そうすることで扉の開放によって発生した磁気の乱れを異常として検知したとしても異常報知が行われることはないから、誤報知の発生を抑制することが可能となる。上記S504−8において二次記憶処理が完了していない場合、上記S504−9において扉が開放中でない場合、上記S504−10においてリセットが完了した場合には、二次記憶詳細処理(S504−11)を行う。
図25に示す二次記憶詳細処理(S504−11)では、まず、二次基準値の記憶が開始可能な状態かどうか(X=ON1であるかどうか)が判断される(S504−11−1)。当該記憶が開始可能な状態である場合には、二次基準値の記憶の実行を開始する。具体的には、X=ON2に設定した上で、記憶が完了するまでの時間を測定する記憶タイマを100msに、磁気状態の異常を報知したかどうかの報知フラグをOFFに、磁気状態が異常であると判断するまでの時間を測定する検知タイマを0に、報知フラグをOFFにするまでの時間を測定する非検知タイマを0にセットする(S504−11−2)。
上記S504−11−1においてX=ON1でない場合には、二次基準値の記憶が実行されている状態かどうか(X=ON2であるかどうか)が判断される(S504−11−3)。X=ON2である場合または上記S504−11−2の処理が行われた後、上記S504−11−2において初期値100msに設定された記憶タイマが0になったかどうかが判断される(S504−11−4)。記憶タイマが0になっているということは、記憶を開始してから記憶が完了するまでの時間100msが経過したということであるから、二次基準値の記憶が完了している状態を設定する(X=ON3に設定する)とともに、記憶ポートがOFFに設定される(S504−11−5)。一方、記憶タイマが0になっていない場合には、記憶を開始してから記憶が完了するまでの時間が経過していないということになるから、タイマの減算を行う。本処理は、10msタイマ割り込み処理(S500)の一部を構成するものであるから、記憶タイマの数値を10ms減算する(S504−11−6)。そして、10ms減算後の記憶タイマの値(残り時間)が60msを超えるかどうかが判断され(S504−11−7)、60msを超えている場合(記憶を開始してから40msが経過していない場合)には、記憶ポートをOFFにする(S504−11−8)。一方、60ms以下である場合には、記憶ポートをONにする(S504−11−9)。これは、本実施形態で用いる磁気センサ27が、実際に記憶を実行する時間として40msが、記憶を維持させる(定着、安定させる)ための時間として60msが必要であるために行われるものである。センサの仕様が異なる場合には、当該工程を適宜変更または削除すればよい。つまり、上記S504−11−4〜S504−11−9の工程は、磁気センサ27に二次基準値を記憶させるための時間を確保するものであればよい。なお、この二次基準値を記憶する手段が本発明における二次記憶手段に相当する。このように、X=ON2である場合には、X=ON3の設定または記憶タイマの減算を行い、二次記憶詳細処理は終了する。
上記S504−11−3においてX=ON2でない場合には、磁気センサ27が二次基準値の記憶が完了しているかどうか(X=ON3であるかどうか)が判断される(S504−11−10)。X=ON3である場合には、磁気センサ27の検知範囲を上記第一検知範囲S1よりも大きい第二検知範囲S2(図2参照)に設定する(S504−11−11)。このように第二検知範囲S2が設定された以降は、第二検知範囲S2内において磁気センサ27が検知する磁気の大きさと上記第二基準値との差が、予め定められた閾値(許容範囲)を超えているか否かを異常磁気判定手段が判定することになる(以下、当該二次基準値に基づく検知を単に二次検知と称することもある)。この二次検知を行う手段が本発明における二次検知手段に相当する。X=ON3に設定後、異常報知処理(詳細は後述)を行い(S504−11−12(S600))、二次記憶詳細処理は終了する。一方、上記S504−11−10においてX=ON3ではない場合には、X≠ON1、ON2、ON3である、すなわち一次検知が継続されるX=OFFの状態であるということになるから、二次記憶詳細処理は終了する。
上記S504−6またはS504−11−12で実行される異常報知処理(S600)では、図26に示すように、まず異常磁気の検知があったか否かが判断される(S600−1)。なお、当該工程における異常には、一次検知によるものおよび二次検知によるものの両方を含む。異常磁気の検知があった場合には、報知フラグがONかどうかが判断される(S600−2)。報知フラグがONである場合には、検知タイマおよび非検知タイマを0にセット(0になっていることを確認)し(S600−3)、異常報知処理を終了する。
一方、報知フラグがONでない場合には、当該異常磁気が意図的なものかどうかを判断するための一連の工程を実行する。まず、検知タイマが100msに達したかどうかが判断される(S600−4)。検知タイマが100msに達していない場合には、検知タイマに10msを加算する操作を行い(S600−5)、異常報知処理を終了する。当該工程は、異常磁気が検知され続けていれば10msタイマ割り込み処理(S500)の度に実行されるものであるから、当該工程で10msが加算されていくことにより検知タイマは100msに達する。このようにして検知タイマが100msに達したときに、報知フラグがONにセットされる(S600−6)。つまり、上記閾値を超える磁気の検出が少なくとも100ms続いたことをもって、異常状態であると判断する。このような工程を経ることにより、偶発的に発生した磁気を異常として判断してしまうことを抑制することが可能となる。検知タイマが100msに達した場合には、報知フラグがONにセットされるとともに、検知タイマおよび非検知タイマは0にセット(リセット)される(S600−6)。
報知フラグをONにセットした後、上記S600−1において検知された異常磁気が一次検知によるものかどうかが判断される(S600−7)。一次検知による異常である場合には、表示装置30に異常が発生している旨表示する(S600−8)。一方、一次検知による異常でない、すなわち二次検知による異常である場合には、表示装置30に異常が発生している旨表示するとともに、スピーカ18を介して警告音を発生させる(S600−9)。このように本実施形態では、一次検知によって異常が検知された場合の報知態様と、二次検知によって異常が検知された場合の報知態様とを異ならせている。具体的には、一次検知に基づく報知は、初期動作時に駆動するモータやソレノイドの影響を受けたために異常と判断されている可能性があることから相対的に穏やかな態様とし、二次検知に基づく報知は、初期動作時に駆動するモータやソレノイドの影響がない状態で発生する異常であって意図的な不正行為による異常である可能性が高いことから相対的に激しい(警告音によって周囲に居る人がすぐに異常の発生を認識できるような)態様としている。なお、このように表示や音によって以上を報知する手段が本発明における報知手段に相当する。このような異常報知後、詳細を後述する磁気検知回数更新処理(S600−10)を実行し、異常報知処理は終了する。
本実施形態では、二次検知による異常が発生した場合には、上記警告音を含む相対的に激しい報知を実行するとともに、遊技動作を停止する。つまり、遊技機のリセット等を実行しない限り、それ以上遊技を続けることができないように(大当たりの抽選を受けられないように)する。これに対し、一次検知による異常が発生した場合には、駆動するモータやソレノイドの影響を受けたためであることが考えられ、その後当該異常が解消される可能性があるため、遊技動作を停止しない。
しかし、一次検知による異常も意図的な不正行為によって発生する可能性がある。そのような場合には、表示装置30に異常が発生している旨表示するだけではその不正が見逃されてしまう可能性があるため、所定時間を超える一次検知による異常の継続が認められた場合には、当該所定時間を超える前と超えた後で異常の報知態様を異ならせるようにするとよい。なお、ここでいう「報知態様が異なる」には、所定時間を超える前に行われる報知態様の一部または全部と、所定時間を超えた後に行われる報知態様の一部が重複する構成も含まれる。例えば、一次検知による異常と判定されてからの異常状態の経過時間を計測するタイマ(本発明における異常時間計測手段に相当する)を備え、そのタイマによって計測される時間が上記所定時間を超えるまで異常状態の継続が認められた場合には、表示装置30への表示に加え、遊技機1に設けられた各種ライトを激しく点滅させるようにする。つまり、所定時間を超える前よりも超えた後の報知の態様を音や光等を用いて激しくする(より認識しやすい態様にする)ことにより、不正行為によって異常が発生しているのではないかということを周囲が認識できるようにしている。
一方、上記S600−1において異常磁気を検知していないと判断される場合には、報知フラグがONかどうかが判断される(S600−11)。報知フラグがONでない場合には、報知フラグをOFFにし(OFFを維持し)、検知タイマおよび非検知タイマを0にセットする(維持する)(S600−12)。これに対し報知フラグがONである場合には、非検知タイマが100msを超えたかどうかが判断される(S600−13)。100msを超えていない場合には、非検知タイマに10msが加算され(S600−14)、異常報知処理は終了する。当該10msの加算工程は、異常磁気が検出されずに報知フラグがONに維持されていれば10msタイマ割り込み処理(S500)が発生する度に実行されるものであるから、当該工程で10msが加算され続けていくと検知タイマは100msを超える。この加算操作により検知タイマが100msを超えると、報知フラグはOFFにされる。つまり、ある異常磁気を検出したことにより一旦ONになった報知フラグは、その異常磁気が検出されない状態となった後、100msを経過したときにOFFになるように設定されている。このように100msの計測を経て報知フラグをOFFにした後、異常報知処理は終了する。
上記S600−10で実行される図27に示す磁気検知回数更新処理は、異常磁気を検出した回数を記憶するための処理である。まず、RAMに記憶している過去の異常磁気の発生回数を読み出す(ロードする)(S600−10−1)。そして、この読み出した発生回数に1加算して得られた値をRAMに書き込む(S600−10−2、S600−10−3)。この値が現時点での異常磁気の発生回数となる(この異常磁気の発生回数を記憶する手段が本発明における磁気異常回数記憶手段に相当する)。この異常磁気の発生回数は、所定の操作によって読み出すことができる。例えば、図28(a)に示すように表示装置30に待機画面が表示されているときに特定のボタンを押すことにより、図28(b)に示すように表示装置30に異常の発生回数が表示される構成とすればよい。なお、本実施形態では、一次検知による異常と二次検知による異常を合わせたものを磁気検知回数として記憶させるが、一次検知による異常と二次検知による異常とを区別して記憶させる構成としてもよい。このような異常磁気の発生回数を記憶し、所定の操作によって表示する手段を設ければ、遊技機1の設置店はいつでも異常の発生回数を確認することが可能となる。
以上説明した磁気センサ検知処理を経て、10msタイマ割り込み処理(S500)を終了する。
以上説明した本実施形態にかかる遊技機1における異常磁気の検出の流れをまとめると、次の通りになる。
1)駆動するモータやソレノイドの影響を受けている可能性がある電源投入時(初期動作時)における磁気状態を基準値(一次基準値)とする一次検知を行う。電源投入時には、自動的に初期動作時間設定処理(S204)が実行され、初期動作のために必要な時間が設定されるとともに、当該時間内に初期動作、一次基準値および第一検知範囲S1の設定が行われ、当該時間経過後(二次検知が開始するまで)一次検知が開示される。一次検知は、図2に示す相対的に小さい(第二検知範囲S2よりも小さい)第一検知範囲S1について行う。
2)扉が閉鎖されない、すなわち遊技機の状態に変化がないとされる場合(S504−1「YES」)、または扉は閉鎖され遊技機の状態に変化があったにも拘わらず上記一次検知による異常が検知された場合(S504「NO」→S504−3「YES」)には、二次検知に突入することなく、一次検知が継続される(上記二条件が成立する場合、二次記憶詳細処理(S504−11)においてX=ON3まで移行しないため)。扉が閉鎖されないということは、電源が投入されてから、通常の遊技が開始されるに至る準備ができていないということであるから一次検知を継続すれば十分である。また、一次検知による異常が検知された場合には、一次検知を継続する(一次検知による異常を報知する)ことによって遊技機の状態の改善や原因の調査を促す。
3)扉が閉鎖される、すなわち遊技機の状態に変化があり(S504−1「NO」)、かつ上記一次検知による異常が検知されていない場合(S504−3「NO」)には、扉が閉鎖されたことにより遊技が開始される可能性があるし、駆動するモータやソレノイド等の電気的駆動源の影響を加味した判断では異常が検知されなかったということであるため、二次検知に移行する(上記条件が成立する場合、二次記憶詳細処理(S504−11)においてX=ON3まで移行するため)。具体的には、遊技機の現在の磁気状態(上記モータやソレノイドの影響(初期動作の影響)を受けていない状態)を基準値(二次基準値)とする二次検知を行う。二次検知は、図2に示す相対的に大きい(第一検知範囲S1よりも大きい)第二検知範囲S2について行う。二次検知により異常が検知された場合は、当該異常の原因が意図的な不正行為に基づく可能性が高いため、一次検知による異常よりも激しい報知を実行する。
以上説明したように、本実施形態にかかる遊技機1では、駆動するモータやソレノイド等から発生する磁気の影響を受ける可能性がある初期動作時には、その時点での磁気状態を一次基準値として設定した上で、この一次基準値に基づき第一検知範囲S1の検知(一次検知)を行う。そして、扉の閉鎖(遊技状態の変化)および一次検知による異常が発生していないことを契機として、その時点での磁気状態を二次基準値として設定した上で、この二次基準値に基づき第二検知範囲S2の検知(二次検知)を行う。つまり、モータやソレノイドの影響が排除されていない可能性があるときにはその影響を加味した基準値を、モータやソレノイドの影響が排除された可能性が高いときには新たにその時点での基準値を設定する構成であるため、磁石を用いた不正の検出の確実性を向上させることが可能である。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。