以下、パチンコ機の一実施形態を説明する。
図1には、パチンコ機100が略示されている。パチンコ機100の機体の外郭をなす外枠Y1の開口前面側には、各種の遊技構成部材をセットする縦長方形の中枠Y2が開放及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠Y2の前面側には前枠Y3が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠Y3は、図1に示すようにパチンコ機100の機正面側から見た場合において、中枠Y2に重なるように組み付けられている。
また、前枠Y3は、中央部に窓口Y3aを有するとともに、当該窓口Y3aの下方にパチンコ機100の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)Y4を一体形成した構成とされている。前枠Y3の裏側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、且つ窓口Y3aを覆う大きさのガラスを支持するガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。なお、遊技盤YBは、中枠Y2に装着される。また、前枠Y3の前面側には、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯や点滅)により、発光演出を実行する発光手段としての装飾ランプSLが設けられている。また、外枠Y1の下部には、各種音声を音声出力し、音声出力に基づく遊技演出を行う音声出力手段としてのスピーカSPが配置されている。
また、中枠Y2の前面側であって前枠Y3の下部には、上皿Y4から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)Y5が装着されている。また、中枠Y2の前面側であって下皿Y5の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作(発射操作)される発射装置Y6が装着されている。遊技者が発射装置Y6の発射ハンドルY6aを把持して回動操作すると、上皿Y4に貯留されている遊技球が1個ずつ機内部に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。また、発射装置Y6の発射ハンドルY6aの回動操作する回動量に応じて、遊技盤YBに向けて遊技球を発射させる強さ(遊技球を打ち出す方向)が変化するようになっている。このため、遊技者は、発射ハンドルY6aを回動操作する回動量を調節して、遊技盤YBにおいて遊技球を打ち出す方向を調節することができる。
次に、遊技盤YBの構成を詳しく説明する。
図2において、遊技盤YBの中央には、各種の飾りを施した表示枠体HWが装着されている。表示枠体HWの略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口11aが形成されており、当該セット口11aに整合して表示枠体HWには、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。
また、遊技盤YBの左下方には、特図表示器H1が配置されている。また、特図表示器H1では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。演出表示装置11では、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲームに係わる表示演出が行われるようになっている。具体的には、演出表示装置11では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出や、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲームが行われる。
そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特別図柄を表示する。この特別図柄は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。以下、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲームを「特別図柄変動ゲーム」と示す場合がある。一方、図柄変動ゲームに係わる表示演出において演出表示装置11では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す場合がある)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾り図柄を表示する。この飾り図柄は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
そして、特図表示器H1では、図柄変動ゲームの開始により同時に特別図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特別図柄が停止表示される。また、演出表示装置11では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾り図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に各列の飾り図柄が停止表示される。また、特図表示器H1と演出表示装置11では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
本実施形態において特図表示器H1には、複数種類の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって停止表示される。複数種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となるはずれ図柄とに分類される。なお、大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。本実施形態の大当り遊技については後で詳細に説明する。
また、本実施形態において演出表示装置11には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。そして、本実施形態において演出表示装置11は、特図表示器H1に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾り図柄は特別図柄に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置11に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。演出表示装置11に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り図柄)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置11に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([678][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ図柄)となる。
また、本実施形態において、演出表示装置11における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が停止表示されるようになっている。
また、演出表示装置11には、特図表示器H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器H1に表示される特別図柄と、演出表示装置11に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置11では、特別図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる演出図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、遊技盤YBの左下方であって、特図表示器H1の下方に、2つのLEDから構成される普通図柄表示器H10が配設されている。この普通図柄表示器H10では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普通図柄による図柄組み合わせゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す場合がある)が行われるようになっている。本実施形態では、普図を2つのLEDの発光態様にて3種類示しており、具体的には、2つのLEDが共に点灯する、右側のLEDだけが点灯する、左側のLEDだけが点灯することにより、複数種類の普図を示している。なお、以下では、説明の都合上、2つのLEDが共に点灯することにより示す普図を普図「0」とし、右側のLEDだけが点灯することにより示す普図を普図「1」とし、左側のLEDだけが点灯することにより示す普図を普図「2」とする。
遊技者は、普図ゲームで最終的に表示された図柄組み合わせ(普図ゲームで導出された表示結果)から普通当り又ははずれを認識できる。普通図柄表示器H10に表示された普図が「1」「2」の場合には、普通当りを認識できる。この普通当りを認識できる普図が普通当りの表示結果となる。普通当りの表示結果が表示された場合、遊技者には、普通当り遊技が付与される。また、普通図柄表示器H10に表示された普図が「0」である場合には、その普図からはずれを認識できる。このはずれを認識できる普図がはずれの表示結果となる。
図2に示すように、演出表示装置11の下方には、常時遊技球が入球可能な第1始動入賞口25が配設されている。第1始動入賞口25の奥方には、入球した遊技球を検知する始動入賞口検知手段及び入賞検知手段としての第1始動口センサSE1が設けられている。
図3に示すように、この第1始動口センサSE1は、遊技盤YBの裏側において、第1始動入賞口25の下方に配置されている。第1始動口センサSE1は、第1始動入賞口25に入球した遊技球を検知することを契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、第1始動口センサSE1は、第1始動入賞口25に入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(例えば3個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。
また、図2に示すように、演出表示装置11の下方には、駆動部材としての普通電動役物ソレノイドSOL2の作動により開閉動作を行う始動入賞口用開閉部材としての開閉羽根(普通電動役物)26を備えた第2始動入賞口27が配設されている。第2始動入賞口27の奥方には、入球した遊技球を検知する始動入賞口検知手段及び入賞検知手段としての第2始動口センサSE2が設けられている。なお、普通電動役物ソレノイドSOL2が、始動入賞口用駆動部材となる。また、第2始動入賞口が開閉手段付き始動入賞口となる。
図3に示すように、この第2始動口センサSE2は、遊技盤YBの裏側において、第2始動入賞口27の下方に配置されている。また、普通電動役物ソレノイドSOL2は、遊技盤YBの裏側において、第2始動入賞口27の右側に配置されている。
第2始動口センサSE2は、第2始動入賞口27に入球した遊技球を検知することを契機に、特別図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。第2始動口センサSE2は、第2始動入賞口27に入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(例えば3個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。
第2始動入賞口27は、常には開閉羽根26が閉状態とされて閉鎖されている。開閉羽根26が閉状態とされているときにおいて第2始動入賞口27は、入球不能な状態(入球が規制された状態)とされる。そして、第2始動入賞口27は、予め定めた開放条件が成立すると、開閉羽根26が閉状態から開状態に作動することにより、1回又は複数回だけ予め定めた開放時間の間、開放される。開閉羽根26が開状態とされているときにおいて第2始動入賞口27は、入球可能な状態(入球が許容された状態)とされる。
また、図2に示すように、演出表示装置11の下方(第1始動入賞口25の下方であって第2始動入賞口27の下方)には、駆動部材としての大入賞口ソレノイドSOL1の作動により開閉動作を行う大入賞口用開閉手段としての大入賞口扉28を備えた大入賞口29が配設されている。
なお、図3に示すように、大入賞口ソレノイドSOL1は、遊技盤YBの裏側において、大入賞口29の左側に配置されている。本実施形態では、大入賞口ソレノイドSOL1が、大入賞口用駆動部材となる。また、大入賞口29の奥方には、入球した遊技球を検知する大入賞口検知手段及び入賞検知手段としてのカウントセンサSE3が配設されている。大入賞口29のカウントセンサSE3は、大入賞口29に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば8個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。カウントセンサSE3は、遊技盤YBの裏側において、大入賞口29の右側に配置されている。
また、図2に示すように、予め決められた第1流下経路RY1を遊技球が流れた場合に、当該遊技球の一部が第1始動入賞口25や大入賞口29に誘導されるように、遊技球の流下態様を変化させることが可能な遊技釘や、演出表示装置11等の障害部材や、第1始動入賞口25及び大入賞口29が配置されている。つまり、発射装置Y6により遊技盤YB上に発射され、演出表示装置11の左側を通過する遊技球の一部は、遊技盤YBを流下する際、遊技盤YB上に配置された遊技釘等により第1始動入賞口25や大入賞口29に誘導される。
また、発射装置Y6により遊技盤YB上の遊技領域に遊技球が発射され、第1流下経路RY1とは異なる予め決められた第2流下経路RY2を遊技球が流れた場合に、当該遊技球の一部が第2始動入賞口27や大入賞口29に誘導されるように、遊技盤YB上に配置された遊技釘等の障害部材や、第2始動入賞口27及び大入賞口29が配置されている。つまり、発射装置Y6により遊技盤YB上に発射され、演出表示装置11の右側を通過する遊技球の一部は、遊技盤YBを流下する際、遊技盤YB上に配置された遊技釘等により第2始動入賞口27又は大入賞口29に誘導される。
そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉28が開状態となり、大入賞口29が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
また、図2に示すように、演出表示装置11の右方には、作動ゲート24が配設されている。
そして、図3に示すように、作動ゲート24内には、入賞(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE4が設けられている。作動ゲート24(のゲートセンサSE4)は、遊技球の入賞検知(通過検知)を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口27が備える開閉羽根26を開状態とするか否か(第2始動入賞口27に遊技球を入賞可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。第2始動入賞口27は、開閉羽根26により常には入り口が閉鎖された閉状態となっており、この閉状態では遊技球を入賞させることができない。
その一方で、第2始動入賞口27は、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根26が開放されることにより第2始動入賞口27が開状態となり、遊技球を入賞させることができる。即ち、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根26の開放によって第2始動入賞口27に遊技球を入賞させることができるため、第2始動入賞口27に遊技球を入賞させやすくなり、遊技者は、図柄変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できるチャンスを得ることができる。なお、第1始動入賞口25へは常に同じ条件で遊技球を入賞させることができるようになっている。
本実施形態のパチンコ機に規定する大当り遊技について、詳しく説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて大当り図柄が停止表示されて該ゲームが終了した後、開始される。大当り遊技が開始すると、オープニング時間が設定される。このオープニング時間において、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、オープニング時間が終了すると、大入賞口29が開放されるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口29は、入球上限個数(本実施形態では8個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(大入賞口29の開放時間の規定時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、すべてのラウンド遊技が終了すると、エンディング時間が設定される。このエンディング時間において、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。また、エンディング時間が終了すると、大当り遊技は終了される。
また、図2に示すように、表示枠体HWの下方には、可動体用駆動部材としての電動モータM1が駆動することにより可動体演出を行う演出用可動体としての可動体50が収容されている。より詳しくは、可動体50は、左右に分離可能に構成されている。そして、左側可動体50aと、右側可動体50bは、それぞれ表示枠体HWの左右方向中央において回動可能に固定されている。そして、左側可動体50aと、右側可動体50bは、左右方向中央において連結可能に構成されており、連結した際に1つの意味のある飾り(キャラクタ若しくは文字など)が出現するようになっている。なお、左側可動体50aの中央側端部、又は右側可動体50bの中央側端部には、磁石が取付けられており、左側可動体50aと、右側可動体50bが上方向に回動された場合、磁力によって互いに連結するようになっている。
また、左側可動体50aと、右側可動体50bは、表示枠体HWのセット口11aの下方に設けられた収容部にそれぞれ収容可能に構成されており、普段は、この収容部に収容されて、遊技者から見えないようになっている。そして、電動モータM1が駆動することにより、左側可動体50aと、右側可動体50bは、それぞれ矢印に示すように上方向に回動することで、収容部から出現し、中央部分において連結するようになっている。この可動体50は、上方向に回動したとき、画像表示部GHの表示領域の一部を覆うように、画像表示部GHの前面側に配置される。
なお、図3に示すように、可動体50を動作させる電動モータM1は、遊技盤YBの裏側において、演出表示装置11の左下側(第1始動入賞口25の左側)に配置されている。
次に、図4に基づいて、パチンコ機の制御構成について説明する。
パチンコ機の機裏側には、パチンコ機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可動体50の動作態様や、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、遊技盤YBの裏側に配置される磁気センサGSからの磁界検知信号を主制御基板30に中継する中継基板32が設けられている。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、主制御用CPU30aが備えられている。該主制御用CPU30aには、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cが接続されている。主制御用CPU30aには、第1始動口センサSE1と、第2始動口センサSE2と、カウントセンサSE3が接続されている。また、主制御用CPU30aには、特図表示器H1が接続されている。また、主制御用CPU30aには、大入賞口ソレノイドSOL1と、普通電動役物ソレノイドSOL2が接続されている。また、主制御用CPU30aは、普通図柄表示器H10と、ゲートセンサSE4が接続されている。また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
主制御用ROM30bには、パチンコ機全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出、可動体演出)のベースとなるパターンを示すものである。
また、主制御基板30は、不正防止用のケース40に覆われており、ケース40を破壊しなければ、主制御用ROM30b等の主制御基板30に設置された素子に直接触れられないようになっている。
次に、図4に基づき演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、演出制御用CPU31aが備えられている。該演出制御用CPU31aには、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cが接続されている。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、演出制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。そして、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されており、各種の画像データに基づき、制御コマンドを出力することにより演出表示装置11の演出内容を制御することができる。
また、演出制御用ROM31bには、可動体演出用の制御データ(可動体の動作パターンや動作タイミングなどのデータ)が記憶されている。そして、演出制御用CPU31aは、可動体50を動作させる電動モータM1と接続されており、可動体演出用の制御データに基づき、制御コマンドを出力することにより、可動体50の動作を制御することができる。
また、演出制御用ROM31bには、発光演出用の制御データ(発光パターンや発光タイミングを示すデータ)が記憶されている。そして、演出制御用CPU31aは、装飾ランプSLと接続されており、発光演出用の制御データに基づき、制御コマンドを出力することにより、装飾ランプSLの発光態様を制御することができる。
また、演出制御用ROM31bには、音声演出用の制御データ(音声データ)が記憶されている。そして、演出制御用CPU31aは、スピーカSPと接続されており、音声演出用の制御データに基づき、制御コマンドを出力することにより、スピーカSPからの音声出力態様を制御することができる。
次に、図4に基づき中継基板32について説明する。中継基板32には、主制御基板30と接続されている。また、中継基板32は、磁界を検知する磁気センサGSが接続されており、磁気センサGSから磁界検知信号を入力した場合には、主制御基板30に当該磁界検知信号を出力するようになっている。また、中継基板32には、磁気センサGSの設定に係わる設定用操作手段としての設定スイッチ32aが設けられている。
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
まず、主制御用CPU30aは、第1始動入賞口25又は第2始動入賞口27に遊技球が入賞したか否かを判定する。すなわち、主制御用CPU30aは、第1始動口センサSE1又は第2始動口センサSE2が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。そして、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、まず、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示中であるか否か、及び大当り遊技中であるか否か判定する。図柄変動ゲーム中でなく、且つ、大当り遊技中でないと判定した場合、主制御用CPU30aは、遊技球が検知されたことを契機に主制御用RAM30cに記憶された各種乱数に基づき、図柄変動ゲームが大当りとなるか否かについて判定する大当り判定を行う。
大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り遊技の付与を決定すると共に、特別図柄による大当り図柄の中から特図表示器H1にて停止表示される最終停止図柄を決定する。そして、主制御用CPU30aは、大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄によるはずれ図柄の中から特図表示器H1にて停止表示される最終停止図柄を決定する。そして、主制御用CPU30aは、はずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特図を変動開始させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、最終停止図柄及び大当り遊技の種類を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。以下、主制御用CPU30aが実行する制御内容について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、オープニング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを演出制御基板31に出力する。
次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31に出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技毎に、大入賞口29の開放及び閉鎖を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数の遊技球が入賞するまでの間(カウントセンサSE3が入球上限個数の遊技球を検知するまでの間)、又はラウンド遊技毎に予め決められた規定時間が経過するまでの間、大入賞口29を開放する。
そして、主制御用CPU30aは、大入賞口29を閉鎖した場合には、ラウンド遊技毎に予め決められたインターバル時間を経過するまで、閉鎖を維持し、その後、ラウンド遊技を終了する。これらの一連の制御を、規定ラウンド数に達するまで実行する。なお、大入賞口29を開放させる際には、主制御用CPU30aは、大入賞口扉28を開放させるように大入賞口ソレノイドSOL1を制御する。また、大入賞口29を閉鎖させる際には、主制御用CPU30aは、大入賞口扉28を閉鎖させるように大入賞口ソレノイドSOL1を制御する。
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、エンディング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを演出制御基板31に出力する。そして、エンディング時間を経過すると、主制御用CPU30aは、大当り遊技を終了させる。
次に、普通図柄変動ゲームに係わる処理について説明する。
主制御用CPU30aは、遊技球が作動ゲート24を通過したか否かを判定する。すなわち、主制御用CPU30aは、ゲートセンサSE4が遊技球を検知した時に出力するゲートセンサ検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普通当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。
その後、主制御用CPU30aは、普図が変動表示中でなく、普図当り遊技中でも無い場合、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普通当り判定用乱数の値を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した普通当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かを判定して普通当り判定を行う。
そして、普通当りの場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示器H10にて確定停止表示される最終停止図柄を、普通図柄の当り図柄[1][2]の中から決定する。はずれの場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示器H10にて確定停止表示される最終停止図柄を、普通図柄のはずれ図柄[0]に決定する。
その後、主制御用CPU30aは、変動時間を定める普図変動パターンを決定する。普図変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、普図ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、普通図柄を変動開始させるように普通図柄表示器H10の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普通図柄を通知する普通図柄指定コマンド及び普図ゲームの開始及び普図ゲームの時間を指示する普図変動パターンを演出制御基板31に出力する。また、同時に、主制御用CPU30aは、普図変動ゲームの変動時間の計測を開始する。その後、主制御用CPU30aは、決定した普図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように普通図柄表示器H10の表示内容を制御する。
そして、主制御用CPU30aは、普通当りを決定した場合、決定した普図変動パターンに基づく普図ゲームの終了後、普図当り遊技に関する制御を実行する。すなわち、主制御用CPU30aは、開閉羽根26を所定回数開放させるとともに、1回の開放において開放してから所定時間が経過するまで開放状態を維持するよう普通電動役物ソレノイドSOL2を制御する。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
例えば、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置11、装飾ランプSL、スピーカSP、可動体50を制御する。すなわち、演出制御用CPU31aは、変動パターンに基づき、図柄変動ゲームに関する表示内容を演出表示装置11に表示させる。演出制御用CPU31aは、変動パターンに基づき、図柄変動ゲームに関する発光演出を装飾ランプSLに実行させる。同様に、演出制御用CPU31aは、変動パターンに基づき、図柄変動ゲームに関する音声出力をスピーカSPから出力させる。また、演出制御用CPU31aは、変動パターンにより特定される演出内容に可動体演出が行われる場合には、変動パターンに基づき、図柄変動ゲームに関する可動体演出を可動体50に実行させる。つまり、演出制御用CPU31aは、所定のタイミングで電動モータM1を駆動させることにより、左側可動体50a及び右側可動体50bを回動させる。そして、演出制御用CPU31aは、画像表示部GHの前面側中央部分で左側可動体50a及び右側可動体50bを連結させて、可動体50を出現させる。
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、決定した飾り図柄による図柄組み合わせを全図柄停止コマンドの入力に応じて確定停止表示させる。また、演出制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させ、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行させ、エンディングコマンドを入力するとエンディング演出を実行させる。
次に磁気センサGSについて説明する。
図3に示すように、磁気センサGSは、遊技盤YBの裏側であって、演出表示装置11の右下方(第1始動入賞口25の右上)に位置するように配置されている。
そして、図5に示すように、磁気センサGSを中心として、磁気センサGSが検知可能な磁界の検知範囲が略球体状に設定されている。磁気センサGSは、検知範囲として、異なる2種類の範囲を同時に設定可能に構成されている。本実施形態において、2種類の検知範囲のうち狭い検知範囲を第1検知範囲FAとし、当該第1検知範囲FAよりも広範囲の検知範囲を第2検知範囲FBとして説明する。
また、磁気センサGSは、第1検知範囲FAにおいて、磁界の大きさ(強さ)が予め決められた第1閾値以上である磁界が存在する場合には、当該磁界を検知するようになっている。また、磁気センサGSは、第1検知範囲FAよりも広い第2検知範囲FBにおいて、磁界の大きさが第1閾値よりも大きく設定された第2閾値以上である磁界が存在する場合には、当該磁界を検知するようになっている。
また、磁気センサGSは、中継基板32に配置された設定スイッチ32aによって第1検知範囲FAの閾値を第2閾値に変更可能に構成されている。以下、検知範囲について詳しく説明する。
図5に示すように、第1検知範囲FAにおいて、磁気センサGSは、磁気センサGSを中心として、第1始動入賞口25、第2始動入賞口27、大入賞口29を全て検知範囲とする。また、第1検知範囲FAにおいて、磁気センサGSは、第1始動口センサSE1、第2始動口センサSE2、カウントセンサSE3、大入賞口ソレノイドSOL1、普通電動役物ソレノイドSOL2を全て検知範囲とする。その一方、第1検知範囲FAにおいて、磁気センサGSは、電動モータM1を検知範囲としていない。
また、第2検知範囲FBにおいて、磁気センサGSは、磁気センサGSを中心として、第1始動入賞口25、第2始動入賞口27、大入賞口29を全て検知範囲とする。また、第2検知範囲FBにおいて、磁気センサGSは、第1始動口センサSE1、第2始動口センサSE2、カウントセンサSE3、大入賞口ソレノイドSOL1、普通電動役物ソレノイドSOL2を全て検知範囲とする。また、第2検知範囲FBにおいて、磁気センサGSは、電動モータM1を検知範囲としている。
なお、設定スイッチ32aは、遊技者が直接触れることがないように、パチンコ機100の機裏側に配置されている。そして、パチンコ機100の中枠Y2を開放したときに操作可能となっており、パチンコ店の店員のみが操作可能となっている。なお、中枠Y2は、遊技者が開放できないように施錠されている。
次に、第1検知範囲FAに第1閾値が設定され、第2検知範囲FBに第2閾値が設定されるときにおける磁気センサGSの作用について説明する。
磁気センサGSは、パチンコ機100への電源投入後、設定スイッチ32aの設定に基づき、第1検知範囲FAの閾値及び第2検知範囲FBの閾値を設定する。ここでは、前提より、第1検知範囲FAに第1閾値が設定され、第2検知範囲FBに第2閾値が設定される。そして、磁気センサGSは、第1検知範囲FAにおいて、第1閾値以上の大きさの磁界を検知した場合には、中継基板32を介して、磁界検知信号を主制御基板30に出力する。同様に、磁気センサGSは、第2検知範囲FBにおいて、第1閾値よりも大きい第2閾値以上の大きさの磁界を検知した場合には、中継基板32を介して、磁界検知信号を主制御基板30に出力する。
主制御基板30の主制御用CPU30aは、当該磁界検知信号を入力した場合、遊技演出に関する処理を中断して磁界を検知したことを報知するエラー報知を実行させる。具体的には、主制御用CPU30aは、演出制御基板31に対してエラー報知を実行させるエラーコマンドを出力する。演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、当該エラーコマンドを入力すると、エラー報知を実行させるように演出表示装置11やスピーカSPを制御する。これにより、画像表示部GHには、エラー報知に関する画像が表示され、スピーカSPからエラー報知に関する音声出力が行われる。また、主制御用CPU30aは、パチンコ機100に接続されている図示しないホールコンピュータにエラーコマンドを出力するようになっている。これにより、店側もエラーが生じたことをすぐに認識できるようになっている。
そして、本実施形態において、第1検知範囲FA内には、第1始動入賞口25、第2始動入賞口27、大入賞口29、第1始動口センサSE1、第2始動口センサSE2、カウントセンサSE3、大入賞口ソレノイドSOL1、普通電動役物ソレノイドSOL2が配置されている。一方、第1検知範囲FA内には、電動モータM1が存在していない。そして、一般的に、大入賞口ソレノイドSOL1又は普通電動役物ソレノイドSOL2が駆動することにより発生する磁界の大きさは、電動モータM1が駆動することにより発生する磁界の大きさ及び電動モータM1が有する磁石の磁界の大きさよりも小さくなっている。そして、本実施形態では、第1検知範囲FAにおける第1閾値は、大入賞口ソレノイドSOL1又は普通電動役物ソレノイドSOL2が駆動する際に発生する磁界の大きさよりも大きく設定されている。このため、第1検知範囲FAにおいて、大入賞口ソレノイドSOL1によって大入賞口29(大入賞口扉)が開閉しても、その際に発生する磁界が検知され、エラー報知されることはない。同様に、第1検知範囲FAにおいて、普通電動役物ソレノイドSOL2によって開閉羽根が開閉しても、その際に発生する磁界が検知され、エラー報知されることはない。
なお、第1検知範囲FAにおける第1閾値は、電動モータM1が駆動する際に発生する磁界及び磁石の磁界の大きさよりも小さく設定されている。しかしながら、電動モータM1は、第1検知範囲FA外に配置されているため、電動モータM1によって可動体50が動作しても、その際に発生する磁界及び磁石の磁界が検知され、エラー報知されることはない。
一方、第2検知範囲FBにおける第2閾値は、大入賞口ソレノイドSOL1、普通電動役物ソレノイドSOL2、及び電動モータM1が駆動する際に発生する磁界の大きさよりも大きく設定されている。また、第2検知範囲FBにおける第2閾値は、電動モータM1が有する磁石の磁界の大きさよりも大きく設定されている。このため、第2検知範囲FBにおいて、大入賞口ソレノイドSOL1によって大入賞口29(大入賞口扉28)が開閉しても、その際に発生する磁界が検知され、エラー報知されることはない。同様に、第2検知範囲FBにおいて、普通電動役物ソレノイドSOL2によって開閉羽根26が開閉しても、その際に発生する磁界が検知され、エラー報知されることはない。また、第2検知範囲FBにおいて、電動モータM1によって可動体50が動作しても、その際に発生する磁界又は磁石の磁界が検知され、エラー報知されることはない。
また、第1検知範囲FAでは、第2検知範囲FBでは検知できない磁界(すなわち、第2閾値よりも小さい磁界)のうち、第2閾値よりも小さい第1閾値以上の磁界であれば、検知することができる。このため、第1始動入賞口25、第2始動入賞口27、大入賞口29の周りで不正な磁界が発生する場合には、第2検知範囲FBよりも精度良く発見することができる。すなわち、可動体50に対して不正が行われるよりも遊技への影響が大きい第1始動入賞口25、第2始動入賞口27、大入賞口29の周りで不正が行われることをより精度よく防止できる。
また、第2検知範囲FBは、第1検知範囲FAよりも広い範囲で不正な磁界を検知することができる。その一方で、第2検知範囲FB内に可動体50等の駆動により正当な磁界が発生したとしても、その正当な磁界の大きさよりも第2閾値を大きくしているために、正当な磁界によって誤検知が行われない。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)磁気センサGSは、第1検知範囲FA内において、第1閾値以上である磁界が存在する場合には、その磁界を検知する。一方、磁気センサGSは、第2検知範囲FB内において、磁界の大きさが前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である磁界が存在する場合には、その磁界を検知する。そして、駆動する際に発生する磁界の大きさが第1閾値よりも小さい駆動部材(大入賞口ソレノイドSOL1、普通電動役物ソレノイドSOL2)が、第1検知範囲FA内に配置される。このため、磁気センサGSが、第1検知範囲FAにおいて磁界の大きさが予め決められた第1閾値以上である磁界が存在すると検知したとき、当該磁界の発生原因が、大入賞口ソレノイドSOL1及び普通電動役物ソレノイドSOL2以外の不正な手段によるものであると判断することができる。
一方、駆動する際に発生する磁界の大きさが第2閾値よりも小さい駆動部材(電動モータM1等)が、第2検知範囲FB内に配置される。このため、磁気センサGSが、第2検知範囲FBにおいて磁界の大きさが予め決められた第2閾値以上である磁界が存在すると検知したとき、当該磁界の発生原因が、電動モータM1以外の不正な手段によるものであると判断することができる。
また、第1検知範囲FAと、第2検知範囲FBとでは、それぞれ閾値を異ならせることができる。このため、駆動する際に発生する磁界の大きさが異なる駆動部材を複数備えている場合であっても、駆動部材が駆動したときにおける磁界を検知することなく、正確に不正な磁界を検知することができる。また、駆動部材が駆動することにより発生する磁界のうちもっとも大きいもの(本実施形態では、電動モータM1による磁界)を基準として全ての検知範囲における閾値を決めなくても良くなる。すなわち、第1検知範囲FAでは、第2閾値よりも小さい第1閾値によって磁界を検知することができるため、第2閾値では検知することができない、より小さな不正な磁界を検知することができる。
(2)第2閾値よりも小さい第1閾値では、誤検知を生じてしまう場合などにおいて、設定スイッチ32aにより、第1検知範囲FAの閾値を第2閾値に変更することが可能となっている。このように、パチンコ機100の構成により、柔軟に設定を変更して、誤検知を防止できる。
(3)磁気センサGSは、第1始動入賞口25、第2始動入賞口27及び大入賞口29が配置される範囲を第1検知範囲FAとして少なくとも設定可能に構成されている。これにより、通常は、閾値の小さい第1検知範囲FA内に、図柄変動ゲームに関して重要な役割を有する第1始動入賞口25、第2始動入賞口27及び大入賞口29を含ませて、不正を防止することができる。その一方で、第1検知範囲FAにおける第1閾値以上の磁界を発生する可動体50(の電動モータM1)が存在する場合には、閾値が第2閾値である第2検知範囲FBを設定して誤検知を防ぐとともに、第2検知範囲FB内で異常な磁界を発生した場合には、検知することができる。
(4)設定スイッチ32aは、中継基板32に配置されている。このため、主制御基板30を不正防止対策のためにケースで覆う場合、主制御基板30に設定スイッチ32aを配置するスペースや操作のための構造を設ける必要が無い。すなわち、設定スイッチ32aの為にケースに孔を設ける必要がない。その一方、中継基板32に配置しているため、操作しやすい位置に設定スイッチ32aを配置することができる。
(5)磁気センサGSは、検知範囲が変更されても必ず第1始動入賞口25を検知範囲内とする。このため、磁石によって最も不正の対象となりやすい第1始動入賞口25を検知範囲とすることができ、不正を効果的に防止できる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、磁気センサGSは、閾値が異なる2種類の検知範囲を設定可能に構成されていたが、閾値が異なる3種類以上の検知範囲を設定可能としても良い。
・上記実施形態において、各検知範囲の閾値は任意に設定してもよい。また、設定スイッチ32aにより店員などの従業員が設定できるようにしてもよい。また、閾値に応じて検知範囲が変更されるように構成しても良い。また、各検知範囲の閾値を任意に設定できなくしてもよい。つまり、閾値が範囲毎に予め決められていても良い。
・上記実施形態において、磁気センサGSの配置を任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、可動体を複数設けても良い。また、可動体を駆動させる駆動部材(アクチュエータ)は、電動モータに限らず、ソレノイドなどでも構わない。
・上記実施形態において、磁気センサGSを複数備えても良い。この場合、1つの設定スイッチ32aで検知範囲を変更できるようにしても良いし、磁気センサGS毎に設定スイッチ32aを設けて、検知範囲を変更できるようにしてもよい。
・上記実施形態において、検知範囲をそれぞれ変更可能に構成されていたが、変更できなくても良い。
・上記実施形態において、第1検知範囲FAは、第1始動入賞口25、第2始動入賞口27及び大入賞口29のうち全てが検知範囲に入っていれば、その範囲を任意に変更しても良い。但し、駆動時に発生する正当な磁界の大きさが、第1閾値以上である駆動部材が第1検知範囲FA外に配置されるように設定する必要がある。
・上記実施形態において、第2検知範囲FBは、可動体50が検知範囲に入っていれば、その範囲を任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、最も閾値が低い第1検知範囲FA内に、第1始動入賞口25、第2始動入賞口27及び大入賞口29のうち、いずれかが配置されていれば、第1検知範囲FAの広さ、及び各入賞口の配置を任意に変更しても良い。また、第1検知範囲FA内に演出用可動体を駆動させる駆動部材(電動モータM1等)が配置されていても良い。この場合、演出用可動体を駆動させる駆動部材により発生する磁界の大きさよりも大きい第1閾値が設定される必要がある。
・上記実施形態において、第1検知範囲FAにおける第1閾値は、第1検知範囲FA内に配置される駆動部材(大入賞口ソレノイドSOL1等)により発生する磁界の大きさよりも大きければ、任意に変更しても良い。なお、第1検知範囲FA内に配置される駆動部材により発生する磁界のうちもっとも大きい値よりも僅かに大きい値が第1閾値として設定されることが望ましい。
・上記実施形態において、第2検知範囲FB内だけに、第1始動入賞口25、第2始動入賞口27及び大入賞口29のうち、いずれかが配置されていてもよい。また、第2検知範囲FBの広さを任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、第2検知範囲FBにおける第2閾値は、第2検知範囲内に配置される駆動部材(電動モータM1等)により発生する磁界の大きさよりも大きければ、任意に変更しても良い。なお、第2検知範囲FB内に配置される駆動部材により発生する磁界のうちもっとも大きい値よりも僅かに大きい値が第2閾値として設定されることが望ましい。
・上記実施形態において、第1始動入賞口25及び第2始動入賞口27の位置を任意に変更しても良い。例えば、第1始動入賞口25と第2始動入賞口27は、離れて設置してもよい。詳しくは、第2始動入賞口27を遊技盤YBの右側に配置しても良い。
・上記実施形態において、大入賞口29は、遊技盤YBの中央下方に配置されていたが、任意にその位置を変更してもよい。例えば、遊技盤YBの右側に配置しても良い。
・上記実施形態において、大入賞口を2以上設けても良い。例えば、新たな大入賞口を、遊技盤YBの右側に設けても良い。また、大入賞口を複数設けた場合、大入賞口毎に入球上限個数や賞球数を変更しても良い。また、この場合、大当り遊技の種類を複数設け、大当り遊技の種類毎に開放する大入賞口を変更しても良い。
・上記実施形態において、入賞口全体を範囲に含まれるときに検知範囲に含まれるとしたが、入賞口の上方が範囲に含まれるときに検知範囲に含まれるとしてもよい。すなわち、磁石による不正は、入賞口よりも上方で行われることが普通であることから、入賞口の上方が範囲に含まれるときに検知範囲含まれるとしても良い。
・上記実施形態において、常時開放しており、図柄変動ゲームの始動条件を付与することなく、賞球の払出条件だけを付与する普通入賞口を配置しても良い。そして、この場合、磁気センサGSの検知範囲に、普通入賞口が含まれるようにして、不正を検知できるようにしても良い。
・上記実施形態において、磁気センサGSの第2検知範囲FB又は第1検知範囲FAに、作動ゲート24が含まれるようにしても良い。
・上記実施形態において、始動入賞口の上方に配置され、且つ、遊技球が転動するステージに向かって遊技球を流入させるルート(所謂、ワープルート)が設けられる場合、その入口が、磁気センサGSの検知範囲に含まれるようにしても良い。
・上記実施形態において、遊技球を複数のルートに物理的に振分ける振分部材(例えば、クルーン)が遊技盤YB上に設けられる場合、振分部材が、磁気センサGSの検知範囲に含まれるようにしても良い。
・上記実施形態において、中継基板32を設けたが、演出制御基板31と一緒にしても良い。すなわち、演出制御基板31に設定スイッチ32aを設置しても良い。
・上記実施形態において、中継基板32は、磁気センサGSからの磁界検知信号を中継したが、他の制御コマンドを中継しても良い。例えば、第1始動入賞口25からの検知信号を中継しても良い。
・上記実施形態において、磁気センサGSが、設定スイッチ32aの設定に基づき、各種設定を行っていたが、中継基板にCPU等の設定手段を備え、当該設定手段が、設定スイッチ32aの設定に基づき各種設定を行い、当該設定を磁気センサGSに指示するようにしてもよい。磁気センサGSは、指示に従って各種設定を行うようにすればよい。
・上記実施形態において、磁気センサGSを、入力される電圧値に応じて広さが異なる複数の検知範囲を設定可能に構成してもよい。つまり、中継基板32に配置された設定スイッチ32aによって磁気センサGSに入力される電圧値を異ならせる(変更する)ことにより、第1検知範囲FA及び第2検知範囲FBをそれぞれ変更可能としてもよい。これにより、設定スイッチ32aへの操作に基づき、検知範囲を設定することができるため、可動体50等の演出用可動体や、第1始動入賞口25、第2始動入賞口27、大入賞口29等の入賞口の配置に応じて検知範囲を変更することができる。すなわち、遊技盤YB上に可動体50を有し、当該可動体50を動作させる電動モータM1(駆動部材)の駆動により発生した磁界を第1検知範囲に含んでいるときには、含まないように第1検知範囲を変更し、可動体50の正常な動作時における磁界を検知しないようにすることができる。同様に、検知範囲を変更することにより、パチンコ機100の枠(前枠Y3、中枠Y2)が開閉されたときにおいて生じる可能性がある磁界を検知しないようにすることができる。また、検知範囲を変更することができるため、入賞口の配置や数が変更されても、磁気センサGSの数や配置を変更しなくても良い。すなわち、リサイクルなどにより、遊技盤YBや主制御基板30等を変更する場合であっても、磁気センサGSを共通使用することができ、製造コストを安くすることができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)入賞口に入賞した遊技球を検知する入賞検知手段を備えた遊技機において、検知範囲における磁界を検知する磁気センサと、予め決められた条件が成立したとき、予め決められたパターンで駆動する駆動部材を備え、前記磁気センサは、予め決められた第1検知範囲内において、磁界の大きさが予め決められた第1閾値以上である磁界が存在する場合には、その磁界を検知する一方、第1検知範囲とは異なる第2検知範囲内において、磁界の大きさが前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上である磁界が存在する場合には、その磁界を検知し、前記駆動部材には、駆動する際に発生する磁界の大きさが異なる複数種類の駆動部材が存在し、駆動する際に発生する磁界の大きさが第1閾値よりも小さい駆動部材が、第1検知範囲内に配置される一方、駆動する際に発生する磁界の大きさが第2閾値よりも小さい駆動部材が、第2検知範囲内に配置されることを特徴とする遊技機。
(ロ)上記遊技機において、前記入賞口には、遊技球が入賞可能に構成された始動入賞口と、開閉動作を行う大入賞口用開閉手段を有し、当該大入賞口用開閉手段が大当り遊技中に開閉動作を行うことにより、開閉される大入賞口が少なくとも存在し、前記入賞検知手段には、前記始動入賞口へ入賞した遊技球を検知したことを契機に図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動入賞口検知手段と、前記大入賞口に入賞した遊技球を検知したことを契機に賞球払出条件を付与する大入賞口検知手段が存在し、駆動部材には、大入賞口用開閉手段を開閉動作させる大入賞口用駆動部材と、可動体演出を実行する演出用可動体を駆動させる可動体用駆動部材が、存在し、前記磁気センサは、前記始動入賞口及び前記大入賞口を検知範囲とする第1検知範囲と、前記可動体用駆動部材を検知範囲とする第2検知範囲を、少なくとも設定可能に構成されていてもよい。
(ハ)上記遊技機において、前記第1検知範囲は、第2検知範囲よりも範囲が狭くても良い。
(ニ)上記遊技機において、前記始動入賞口には、開閉動作を行う始動入賞口用開閉手段を有し、当該始動入賞口用開閉手段が開閉動作することにより、開閉される開閉手段付き始動入賞口が含まれ、前記駆動部材には、始動入賞口用開閉手段を開閉動作させる始動入賞口用駆動部材が含まれ、前記開閉手段付き始動入賞口は、第1検知範囲内に配置されるようにしてもよい。
(ホ)上記遊技機において前記磁気センサは、検知範囲が変更されても必ず始動入賞口を第1検知範囲内とするようにしてもよい。
(ヘ)上記遊技機において、前記磁気センサの検知範囲は、複数段階に設定可能にしてもよい。