以下、本発明の遊技機をパチンコ機10に具体化した一実施形態を図面に基づき説明する。
(1)パチンコ機10全体の概略構成
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されている。このパチンコ機10は機体の外郭をなす縦長方形状の外枠11を備えている。外枠11の開口前面側には、機体を構成する縦長方形状の中枠12が、開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、前枠14が横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、窓口14aの下方に上球皿15が一体的に組み付けられた構造を有している。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス(図示略)が組み付けられている。
また、前枠14の前面には、上側枠ランプ16a、左側枠ランプ16b及び右側枠ランプ16cが設けられている。各枠ランプ16a〜16cは、図示しない発光体(発光ダイオードなど)を備え、同発光体にレンズ部材を覆い被せて構成されている。これらの枠ランプ16a〜16cでは、パチンコ機10の各種遊技の演出態様(大当り、リーチなど)に応じて点灯(点滅)・消灯などの発光装飾が行われるようになっている。
図1に示されるように、前枠14の左上部には左スピーカ17aが配設され、前枠14の右上部には右スピーカ17bが配設されている。左スピーカ17a及び右スピーカ17bは、各種音声を出力して音声演出を行うためのものである。左スピーカ17a及び右スピーカ17bは前枠14の裏面側に装着され、前枠14の前面側において左スピーカ17a及び右スピーカ17bと対応する箇所には複数の放音孔(図示略)が形成されている。
さらに、中枠12の前面側において前枠14の下方には、下球皿18が開閉可能に組み付けられている。下球皿18の右方には、遊技球を発射する際に遊技者によって回動操作される操作ハンドル19が装着されている。また、下球皿18の左方には、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ17cが配設されている。なお、下スピーカ17cは中枠12に装着されている。
(2)中枠12の概略構成
図2に示されるように、中枠12は、上辺部21、下辺部22、左辺部23及び右辺部24によって外枠11の開口前面と略同じ外形に形成されている。そして、各辺部21〜24によって、遊技盤13を取り付けるための遊技盤取付孔25が構成されている。なお、下辺部22には、下スピーカ17c及び操作ハンドル19等が装着されている。また、左辺部23には、遊技盤13の左側端部を回転及び着脱可能に保持する2個の回転保持具26が上下に離間した状態に設けられている。上辺部21及び下辺部22における右端部には、遊技盤13を位置決め固定するための係止保持部27がそれぞれ設けられている。
(3)遊技盤13の構成
図3,図4等に示されるように、遊技盤13は、透明板31と、透明板31の背面に重ねて配置された裏ユニット板41とを備えている。透明板31及び裏ユニット板41は、複数のネジ(図示略)によって互いに固定されている。透明板31は、無色透明の樹脂材料(例えばアクリル等)の射出成形によって略矩形板状に形成されている。一方、裏ユニット板41は、透明板31と略同じ外形を有し、黒色に着色された樹脂材料(例えばABS樹脂等)の射出成形によって略矩形枠状に形成されている。なお、裏ユニット板41の裏側には、図柄表示装置42が着脱自在に取り付けられるようになっている。本実施形態の図柄表示装置42は液晶式であるが、ドットマトリクス式、エレクトロルミネッセンス素子式、7セグメント式の図柄表示装置であってもよい。図柄表示装置42では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、図柄表示装置42では、表示演出に関連して、複数種類の演出図柄を3列で変動させて図柄組み合わせを導出させる演出図柄変動ゲームが表示されるようになっている。
(3−1)透明板31の構成
図1,図3に示されるように、透明板31の前面(即ち、遊技盤13の遊技盤面13a)には、遊技球が流下可能な遊技領域32を区画する内レール33a及び外レール33bが略円形状に敷設されている。内レール33aと外レール33bとの間に生じる発射経路には、操作ハンドル19を操作した際に発射された遊技球が通過するようになっている。そして、発射経路を通過した遊技球は、発射経路の終端部から遊技領域32に進入し、遊技領域32内を流下するようになっている。
遊技盤面13aの略中央部には、枠状の装飾部材50が装着されている。また、遊技盤面13a上における装飾部材50の下方位置には、上側始動入賞口51a及び下側始動入賞口51bが形成された『入賞装置』である始動入賞装置51が配設されている。始動入賞装置51の奥方には、上側始動入賞口51aに入賞した遊技球を検知する上側始動口スイッチSE1(図4,図7参照)と、下側始動入賞口51bに入賞した遊技球を検知する下側始動口スイッチSE2(図4,図7参照)とが設けられている。始動口スイッチSE1,SE2は、始動入賞装置51に入賞した遊技球を検知したことを契機としてオン状態となり、図柄変動ゲームの開始条件となる入賞信号を出力するようになっている。一方、始動口スイッチSE1,SE2は、遊技球を検知していないときにオフ状態となり、入賞信号を出力しなくなる。なお、入賞信号が出力された場合には、後述する特別図柄表示装置55による特別図柄変動ゲームが行われるとともに、該特別図柄変動ゲームに関連して図柄表示装置42による演出図柄変動ゲームが行われ、所定数(本実施形態では3個)の賞球の払い出しが行われるようになっている。
図1,図3に示されるように、始動入賞装置51には、一対の開閉片51cからなる普通電動役物が一体的に構成されている。一対の開閉片51cは、普通電動役物ソレノイドSOL(図7参照)の励磁作用により、遊技球が入賞不能な閉状態、及び、遊技球が入賞可能な開状態に切替可能となっている。本実施形態において、「閉状態」とは、一対の開閉片51cが閉じることにより、上側始動入賞口51aと下側始動入賞口51bとの間に生じる空間が塞がれている状態をいう。一方、「開状態」とは、一対の開閉片51cが開くことにより、遊技球を、上側始動入賞口51aと下側始動入賞口51bとの間に生じる空間を介して下側始動入賞口51bに入賞させることが可能となる状態をいう。
また、遊技盤面13a上における始動入賞装置51の下方には、『入賞装置』及び『大入賞装置』である第1大入賞装置52が配設されている。第1大入賞装置52の大入賞口扉52aは、第1大入賞口ソレノイドSOL1(図7参照)の励磁作用により、遊技球が入賞不能な第1閉鎖状態、及び、遊技球が入賞可能な第1開放状態に切替可能になっている。本実施形態において、「第1閉鎖状態」とは、大入賞口扉52aが完全に閉じている状態をいい、「第1開放状態」とは、大入賞口扉52aが完全に開いた状態をいう。また、第1大入賞装置52の奥方には、入賞した遊技球を検知する第1カウントスイッチSE3(図4,図7参照)が設けられている。なお、第1カウントスイッチSE3にて遊技球が検知された場合には、所定数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しが行われるようになっている。即ち、第1大入賞装置52への遊技球の入賞を契機として獲得できる賞球数は、始動入賞装置51の遊技球の入賞を契機として獲得できる賞球数(3個)よりも多く設定されている。
図1,図3に示されるように、遊技盤面13a上における装飾部材50の左側には、遊技球の通過を検知する機能を有するゲート53が設けられている。ゲート53の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSE5(図4,図7参照)が設けられている。なお、ゲートスイッチSE5にて遊技球が検知された場合に乱数を取得し、取得した乱数が所定の乱数値であるか否かを判定した結果に基づいて普通電動役物ソレノイドSOLが駆動される。このような判定(当り判定)によって普通電動役物の一対の開閉片51cが開放されるため、下側始動入賞口51bに遊技球が入賞しやすくなる。
また、装飾部材50の左上部には、『入賞装置』及び『大入賞装置』である第2大入賞装置54が配設されている。第2大入賞装置54には、1枚の羽根部材54aからなる特別電動役物が一体的に構成されている。羽根部材54aは、第2大入賞口ソレノイドSOL2(図7参照)の励磁作用により、遊技球が入賞不能な第2閉鎖状態、及び、遊技球が入賞可能な第2開放状態に切替可能となっている。本実施形態において、「第2閉鎖状態」とは、羽根部材54aが完全に閉じている状態をいい、「第2開放状態」とは、羽根部材54aが完全に開いている状態をいう。なお、羽根部材54aは、演出図柄変動ゲームにおいて所定の図柄組み合わせが導出された場合、具体的には、第1大入賞装置52の大入賞口扉52aが開放する図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせが導出された場合に、第2開放状態に切り替えられるようになっている。また、第2大入賞装置54の奥方には、入賞した遊技球を検知する第2カウントスイッチSE4(図7参照)が設けられている。そして、第2カウントスイッチSE4にて遊技球が検知された場合には、所定数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しが行われるようになっている。即ち、第2大入賞装置54への遊技球の入賞を契機として獲得できる賞球数は、第1大入賞装置52への遊技球の入賞を契機として獲得できる賞球数(15個)と等しく設定されるとともに、始動入賞装置51の遊技球の入賞を契機として獲得できる賞球数(3個)よりも多く設定されている。
図3(b)等に示されるように、遊技盤面13a上における装飾部材50の左下方には、複数(14個)のランプ55aからなる特別図柄表示装置55が配設されている。特別図柄表示装置55では、始動入賞装置51への遊技球の入賞を契機として、特別図柄を変動させる特別図柄変動ゲームが表示され、該特別図柄変動ゲームの結果として、大当り及びハズレの表示結果が表示されるようになっている。本実施形態では、発光するランプ55aの組み合わせに応じて、大当り及びハズレの図柄が表示されるようになっている。
なお本実施形態では、特別図柄表示装置55での特別図柄変動ゲームに合わせて、図柄表示装置42による演出図柄変動ゲームが行われる。具体的には、特別図柄変動ゲームの開始とほぼ同時に演出図柄変動ゲームが開始され、特別図柄変動ゲームの終了(大当りまたはハズレの表示結果が表示)とほぼ同時に演出図柄変動ゲームの結果が表示されるようになっている。
図3(b)等に示されるように、特別図柄表示装置55の下方には、特別図柄保留表示装置Cが配設されている。特別図柄保留表示装置Cは、第1保留ランプC1及び第2保留ランプC2からなる複数(2個)の発光手段によって構成されている。保留ランプC1,C2は、始動入賞装置51への入賞を契機として記憶された遊技球(特別図柄保留球)が存在する場合に点灯し、特別図柄保留球が存在しない場合に消灯する。各保留ランプC1,C2は、特別図柄保留球の数(特別図柄保留球数)を示すためのものである。例えば、特別図柄保留球が1個である場合、1個の保留ランプC1が点灯する。
ここで、「特別図柄保留球数」とは、特別図柄(演出図柄)の変動中に始動入賞装置51に入賞した遊技球の数を所定の最大値(本実施形態では2)の範囲で記憶した値である。特別図柄保留球数は、始動入賞装置51への遊技球の入賞により「+1」され、図柄変動ゲームの開始により「−1」される。
図3(b)等に示されるように、特別図柄表示装置55の右下方には、複数(2個)のランプ56aからなる普通図柄表示装置56が配設されている。この普通図柄表示装置56では、ゲート53への遊技球の通過を契機として、普通図柄を変動させる普通図柄変動ゲームが実行され、該普通図柄変動ゲームの結果として、当り及びハズレの表示結果が表示されるようになっている。本実施形態では、発光するランプ56aの組み合わせに応じて、当り及びハズレの図柄が表示されるようになっている。そして、当りの図柄が導出された場合(普通図柄変動ゲームに当選した場合)、普通電動役物ソレノイドSOLが所定時間だけ駆動され、一対の開閉片51cが開放されるようになっている。
また、普通図柄表示装置56の上方であって、特別図柄保留表示装置Cの右下方には、普通図柄保留表示装置Dが配設されている。普通図柄保留表示装置Dは、第1保留ランプD1及び第2保留ランプD2からなる複数(2個)の発光手段によって構成されている。保留ランプD1,D2は、ゲート53の通過を契機として記憶された遊技球(普通図柄保留球)が存在する場合に点灯し、普通図柄保留球が存在しない場合に消灯する。各保留ランプD1,D2は、普通図柄保留球の数(普通図柄保留球数)を示すためのものである。例えば、普通図柄保留球が1個である場合、1個の保留ランプD1が点灯する。
ここで、「普通図柄保留球数」とは、ゲート53を通過した遊技球の数を所定の最大値(本実施形態では2)の範囲で記憶した値である。普通図柄保留球数は、ゲート53への遊技球の通過により「+1」され、普通図柄変動ゲームの開始により「−1」される。
図1,図3に示されるように、遊技盤面13aにおいて始動入賞装置51の左方には、『入賞装置』及び『普通入賞装置』である左下外普通入賞装置58a、左下中普通入賞装置58b及び左下内普通入賞装置58cが配設されている。各普通入賞装置58a〜58cは、遊技球が常時入賞可能となっており、遊技盤13の横方向に対して傾斜する仮想線L1上において、互いに連なった状態に配置されている。また、各普通入賞装置58a〜58cの奥方には、入賞した遊技球を検知する左下入賞口スイッチSE6(図4,図5,図7参照)が設けられている。即ち、普通入賞装置58a〜58cでは、1つの左下入賞口スイッチSE6で遊技球の入賞を検知している。また、遊技盤面13aにおいて始動入賞装置51の右方には、右下普通入賞装置59が配設されている。右下普通入賞装置59は、遊技球が常時入賞可能となっており、左下内普通入賞装置58cと同じ高さに配置されている。また、右下普通入賞装置59の奥方には、入賞した遊技球を検知する右下入賞口スイッチSE7(図4,図7参照)が設けられている。なお、これらの普通入賞装置58a〜58c,59は、遊技球の入賞を契機として、所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しが行われるようになっている。即ち、普通入賞装置58a〜58c,59への遊技球の入賞を契機として獲得できる賞球数は、大入賞装置52,54への遊技球の入賞を契機として獲得できる賞球数(15個)よりも少ないが、始動入賞装置51への遊技球の入賞を契機として獲得できる賞球数(3個)よりは多く設定されている。
また図3等に示されるように、左下外普通入賞装置58a及び左下中普通入賞装置58bは、透明板31にネジ止めされた側部装飾部品81に設けられている。この側部装飾部品81は、前面側に所定の装飾が施された不透明な部品である。また、左下内普通入賞装置58c及び右下普通入賞装置59は、透明板31にネジ止めされた中央装飾部品82に設けられ、第1大入賞装置52の両側に配置されている。この中央装飾部品82も、前面側に所定の装飾が施された不透明な部品である。
図1,図3に示されるように、遊技領域32内には風車34が配設され、遊技領域32のほぼ全域には複数の遊技釘35が植設されている。風車34及び遊技釘35は、遊技領域32内を流下する遊技球の方向を変更するとともに、各入賞装置51,52,54,58a〜58c,59に向けて遊技球を誘導可能となっている。また、遊技領域32の最下部(内レール33aの下端部)には、いずれの入賞装置51,52,54,58a〜58c,59にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口57が配置されている。さらに、遊技領域32における複数箇所には、遊技状態に応じて点灯(点滅)・消灯などの発光装飾による演出を行う盤面ランプ16dが配設されている。
(3−2)裏ユニット板41の構成
図4に示されるように、裏ユニット板41の略中央部には、略矩形状の可視表示部41aが設けられている。可視表示部41aは、図柄表示装置42の表示画面とほぼ同じ大きさ及び形状をなしている。よって、図柄表示装置42の表示画面は、可視表示部41a及び装飾部材50の開口部50aを介して透明板31の前面側から視認可能となる。また、裏ユニット板41において可視表示部41aの上側、下側、左側及び右側の部位には、それぞれフランジ部40が形成されている。これらフランジ部40を含む裏ユニット板41全体の外形は、透明板31とほぼ整合する大きさ及び形状をなしている。そして、各フランジ部40の前面を透明板31の裏面に当接させることにより、裏ユニット板41と透明板31との間に所定の空間が形成されるようになっている。なお、形成された空間内には、装飾品や可動体等の各種の部品が収容されるようになっている。
図5に示されるように、裏ユニット板41における可視表示部41aの下方位置には、収容部43が形成されている。収容部43は、前側にて開口する形状をなしており、上部領域に始動入賞装置51の後部が収容されるとともに、下部領域に第1大入賞装置52の後部が収容されるようになっている。また、裏ユニット板41には、透明板31において側部装飾部品81の裏側となる位置に、普通入賞装置58a〜58cに入賞した遊技球を排出させる排出球通路44が配設されている。排出球通路44は、前側にて開口する形状をなしており、3つの球受通路44aと1つの集合通路44bとからなっている。各球受通路44aは、普通入賞装置58a〜58cに連通するとともに普通入賞装置58a〜58cから下方に延びている。集合通路44bは、各球受通路44aの下端部に連通するとともに右下方に延びている。なお、集合通路44bの下流側端部には、左下入賞口スイッチSE6が設けられている。よって、球受通路44aに進入した遊技球は、集合通路44b及び左下入賞口スイッチSE6を通過して、遊技盤13の下方に排出されるようになる。
図5に示されるように、裏ユニット板41における排出球通路44の上側位置には、所定形状に形成された飾り部材46が着脱可能に配設されている。飾り部材46は、一部が透明板31を介して前側から視認可能となっている。また、裏ユニット板41における飾り部材46の右側位置には、ケース体45が配設されている。ケース体45は、黒色等に着色した樹脂材料によって形成された不透明な部品である。さらに、排出球通路44の裏側には、裏ユニット板41の上下方向に延びる球排出路部材47が取り付けられている。球排出路部材47は、上流側端部が球通路部材(図示略)に連通するとともに、下流側端部が排出口48に連通している。そして、球排出路部材47は、球通路部材を流下してきた遊技球を、排出口48を介して遊技盤13の下方に排出させるようになっている。なお、球通路部材は、第2大入賞装置54の入賞口に連通する部材であり、第2大入賞装置54に入賞した遊技球を球排出路部材47に案内するためのものである。
(3−3)磁気センサ91の構成
図3〜図5に示されるように、裏ユニット板41において収容部43の左方には、磁石による不正行為を検出するための磁気センサ91が配設されている。また、磁気センサ91は、左下中普通入賞装置58bから下方に延びる球受通路44aの右方に配置されるとともに、左下内普通入賞装置58cから下方に延びる球受通路44aの上方に配置されている。さらに、磁気センサ91は、不透明な部品であるケース体45の裏側に配置されている。よって、磁気センサ91は、遊技球が接触しない位置において視認不能に設けられる。また、磁気センサ91は、直方体状をなしており、裏ユニット板41の正面と対向配置される第1面(図示略)、及び、透明板31の背面と対向配置される第2面(図示略)を有している。磁気センサ91の第1面及び第2面は、遊技盤13の遊技盤面13aに対して平行に配置されるとともに、裏ユニット板41(及び透明板31)の下辺と平行に配置されている。
なお、磁気センサ91は、内部に磁気素子(図示略)が配設されるとともに、一端から配線92(図7参照)が延出している。なお、磁気素子としては、例えばホール素子や磁気抵抗素子等、磁気を検出するものを適宜採用することができる。また、配線92は、裏ユニット板41に配設された中継基板71(図5,図7参照)が有する磁気センサ用コネクタホルダ(図示略)に対して、配線92の一端に設けたコネクタを差し込むことにより、磁気センサ用コネクタホルダに接続されるようになっている。
なお、磁気センサ91は、不正行為が行われる際にパチンコ機10に近付けられる磁石の磁気を検知するようになっている。そして、磁気センサ91は、磁気を検知するとオン状態となり、磁気検知信号を中継基板71を介して主制御基板61のメインCPU61a(図7,図8参照)に出力するようになっている。また、磁気センサ91は、磁気を検知していないときにオフ状態となり、磁気検知信号を出力しなくなる。なお、本実施形態の磁気センサ91は、4.5mT以上の磁気を検知可能となっている。また、磁気センサ91の検知範囲内には、始動入賞装置51、第1大入賞装置52及び普通入賞装置58a〜58c等が位置している。
(3−4)非接触センサ101の構成
図3〜図5に示されるように、裏ユニット板41には、普通入賞装置58a〜58cの近傍(例えば、図3(a)に示す特定地点P1など)を通過する遊技球を検知する非接触センサ101(オムロン アミューズメント株式会社製「TL−PP98T」)が配設されている。非接触センサ101は、集合通路44bの上側であって、左下外普通入賞装置58aから下方に延びる球受通路44aと、左下中普通入賞装置58bから下方に延びる球受通路44aとの間に配置されている。さらに、非接触センサ101は、不透明な部品である側部装飾部品81の裏側に配置されている。よって、非接触センサ101は、遊技球が接触しない位置において視認不能に設けられる。また、非接触センサ101は、矩形平板状をなしており、裏ユニット板41の正面と対向配置される設置面(図示略)、及び、設置面の裏側に位置する検知面105を有している。さらに、非接触センサ101は、設置面及び検知面105と垂直な位置関係にあり、設置面及び検知面105を構成する長辺に接続される一対の側面106を有している。なお、非接触センサ101の設置面及び検知面105は、遊技盤13の遊技盤面13aに対して平行に配置されている。また、非接触センサ101の両側面106は、仮想線L1(図3(a),図5参照)と平行に配置されている。
図6に示されるように、本実施形態の非接触センサ101は、センサ本体102及びコネクタ部103を備えている。センサ本体102の内部には、高周波発信回路の検出コイル(図示略)が配設されている。コネクタ部103には、配線104(図7参照)の一端に設けたコネクタが接続されるようになっている。そして、配線104は、中継基板71(図5,図7参照)が有する非接触センサ用コネクタホルダ(図示略)に対して、配線104の他端に設けたコネクタを差し込むことにより、非接触センサ用コネクタホルダに接続されるようになっている。
なお、非接触センサ101は、接近する遊技球を検知するようになっており、特には、普通入賞装置58a〜58cへの入賞を狙って発射された遊技球を検知するようになっている。そして、非接触センサ101は、遊技球を検知するとオン状態となり、遊技球検知信号を中継基板71を介して主制御基板61のメインCPU61a(図7,図8参照)に出力するようになっている。また、非接触センサ101は、遊技球を検知しないときにオフ状態となり、遊技球検知信号を出力しなくなる。なお、非接触センサ101の検知範囲内には、普通入賞装置58a〜58c等が位置している。
(4)パチンコ機10の電気的構成
図7,図8に示されるように、パチンコ機10は、主制御基板61、統括制御基板62、表示制御基板63及び音声・ランプ制御基板64を備えている。主制御基板61には統括制御基板62が電気的に接続され、統括制御基板62には、表示制御基板63及び音声・ランプ制御基板64が電気的に接続されている。
(4−1)主制御基板61の電気的構成
主制御基板61は、パチンコ機10全体を制御する『遊技制御手段』としてのメインCPU61aを備えている。メインCPU61aには、上側始動口スイッチSE1、下側始動口スイッチSE2、第1カウントスイッチSE3、第2カウントスイッチSE4、ゲートスイッチSE5、左下入賞口スイッチSE6及び右下入賞口スイッチSE7が接続されている。また、メインCPU61aには、特別図柄表示装置55、特別図柄保留表示装置C、普通図柄表示装置56及び普通図柄保留表示装置Dが接続されている。さらに、メインCPU61aには、普通電動役物ソレノイドSOL、第1大入賞口ソレノイドSOL1及び第2大入賞口ソレノイドSOL2が接続されている。また、メインCPU61aには、中継基板71を介して磁気センサ91及び非接触センサ101が接続されている。即ち本実施形態では、磁気センサ91から延びる配線92と非接触センサ101から延びる配線104とが、同じ基板(主制御基板61及び中継基板71)に接続されている。
図8に示されるように、メインCPU61aには、メインROM61b及びメインRAM61cが電気的に接続されている。メインCPU61aは、図柄変動ゲームに係る各種抽選に用いる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、メインCPU61aは、更新後の値をメインRAM61cの乱数記憶領域に設定して更新前の値を書き換えている。また、メインRAM61cのタイマ記憶領域には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種のタイマが記憶(設定)されるようになっている。
メインROM61bには、特別図柄変動ゲーム(演出図柄変動ゲーム)用の変動パターンが振り分けられた変動パターン振分テーブルが記憶されている。変動パターン振分テーブルには、ハズレ演出用の変動パターン、ハズレリーチ演出用の変動パターン、及び、大当り演出用の変動パターンが振り分けられている。なお、各変動パターンは、図柄表示装置42に表示される各列の図柄(演出図柄)が変動を開始(演出図柄変動ゲームを開始)してから全列の図柄が停止(演出図柄変動ゲームが終了)するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)の時間及び内容を特定するためのものである。また、各変動パターンには、変動パターン振分乱数の値が振り分けられている。なお、ハズレ演出用の変動パターンは、ハズレ図柄組み合わせ(大当りまたはリーチとなる図柄組み合わせが導出されない図柄組み合わせ)を導出するハズレ演出のベースとなるパターンを示している。ハズレリーチ演出用の変動パターンは、中図柄が、左図柄及び右図柄とは異なる図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。大当り演出用の変動パターンは、中図柄が、左図柄及び右図柄と同一の図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。
次に、図7,図8に示されるメインCPU61aが実行する特別図柄変動ゲームに係る各種処理(大当り判定、リーチ判定、大当り図柄、ハズレ図柄、変動パターンの決定など)を説明する。
まず、メインCPU61aは、始動口スイッチSE1,SE2からの入賞信号の入力を契機として、乱数抽選によって抽出されて所定の周期毎に更新される大当り判定用乱数の値及び大当り図柄用乱数の値をメインRAM61cから取得し、取得した値をメインRAM61cの乱数記憶領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU61aは、図柄変動ゲームの開始直前に、メインRAM61cの乱数記憶領域に格納されている大当り判定用乱数の値とメインROM61bに記憶されている大当り判定値とを比較して図柄変動ゲームの当否を判定する大当り判定(当り抽選)を行う。なお本実施形態では、大当り判定用乱数の採りうる数値を0〜946(全947通りの整数)としている。そして、メインCPU61aは、大当り判定用乱数の採りうる数値の中から3個の大当り判定値を用いて、大当りの抽選確率を947分の3(=315.7分の1)として大当り判定を行う。
大当り判定による判定結果がハズレ(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)となる場合、図7,図8に示されるメインCPU61aは、メインRAM61cから読み出したリーチ判定用乱数の値とメインROM61bに記憶されているリーチ判定値とを比較してハズレリーチを実行するか否かのリーチ判定を行う。そして、メインCPU61aは、ハズレ図柄を特別図柄として決定する。
一方、大当り判定による判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)となる場合、メインCPU61aは大当りを決定する。そして、メインCPU61aは、メインRAM61cの乱数記憶領域に記憶された大当り図柄用乱数の値に基づいて、大当り図柄を特別図柄として決定する。
そして、メインCPU61aは、図柄変動ゲームが開始された場合に、大当り判定及びリーチ判定の判定結果に基づいて変動パターンを決定する。具体的に言うと、大当り判定において大当りが決定された場合、メインCPU61aは、メインRAM61cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、変動パターン振分テーブルに記憶されている大当り演出用の変動パターンを決定する。リーチ判定においてハズレリーチが決定された場合、メインCPU61aは、メインRAM61cから読み出した変動パターン振分乱数の値に基づき、変動パターン振分テーブルからハズレリーチ変動用の変動パターンを決定する。リーチ判定においてハズレが決定された場合、メインCPU61aは、メインRAM61cから読み出した変動パターン振分乱数の値に基づき、変動パターン振分テーブルからハズレ演出用の変動パターンを決定する。
さらに、図7,図8に示されるメインCPU61aは、特別図柄表示装置55に特別図柄を表示させる制御を行う。詳述すると、メインCPU61aは、特別図柄及び変動パターンを決定すると、変動パターンごとに対応付けられた変動時間を変動タイマとしてメインRAM61cのタイマ記憶領域に設定(記憶)し、特別図柄表示装置55に特別図柄の変動を開始させる。
また、メインCPU61aは、統括制御基板62の統括制御CPU62aに対して制御を指示する際、制御コマンドなどを制御信号(8ビット信号)とし、その信号を出力ポート65及び出力バッファ66を介して所定のタイミングで出力する。具体的に言うと、メインCPU61aは、最初に、変動パターンを指定するとともに図柄の変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、制御コマンドとして設定(メインRAM61cに記憶)する。そして、ここでセットされた制御コマンドは、次回以降の出力処理で出力される。次に、メインCPU61aは、特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを、制御コマンドとして設定(メインRAM61cに記憶)する。そして、ここでセットされた制御コマンドは、次回以降の出力処理で出力される。また、メインCPU61aは、変動開始時に設定した変動タイマを割込み(4ms)ごとに減算する。そして、変動タイマが0msになると、メインCPU61aは、特別図柄及び演出図柄の停止を指示する図柄停止コマンドを、制御コマンドとして設定(出力)する。
また、図7,図8に示されるメインCPU61aは、大当り判定による判定結果が大当りとなる場合に、第1大入賞装置52の大入賞口扉52aが第1開放状態となる第1大当り遊技状態、または、第2大入賞装置54の羽根部材54aが第2開放状態となる第2大当り遊技状態を付与するようになっている。
次に、メインCPU61aが実行する不正検知に係る各種処理を説明する。なお、メインROM61bには、上記の各種処理に用いられるプログラム(報知信号出力プログラム、遊技球検知信号入力判定プログラム、検知時間測定プログラム、検知時間判定プログラム、磁気検知信号入力判定プログラム)が記憶されている。
磁気検知信号入力判定プログラムとは、メインCPU61aを『磁気検知信号入力判定手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU61aは、磁気センサ91から磁気検知信号が入力されたか否かを判定するようになっている。また、遊技球検知信号入力判定プログラムとは、メインCPU61aを『遊技球検知信号入力判定手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU61aは、非接触センサ101から遊技球検知信号が入力されたか否かを判定するようになっている。
検知時間測定プログラムとは、図7,図8に示されるメインCPU61aを『検知時間測定手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU61aは、遊技球検知信号が入力されたと判定された場合に、非接触センサ101の遊技球検知時間を測定するようになっている。
検知時間判定プログラムとは、メインCPU61aを『検知時間判定手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU61aは、測定された遊技球検知時間が、あらかじめ設定された所定時間(本実施形態では32ms)よりも長いか否かを判定するようになっている。なお、所定時間に関するデータは、メインROM61bにあらかじめ記憶されている。なお本実施形態では、所定時間を、左下外普通入賞装置58aの上方にある特定地点P1(図3(a)参照)を遊技球が通過するのに要する時間よりも多少長い時間に設定することにした。その理由は、遊技球の通過速度が遊技釘35との衝突などにより遅くなる可能性を考えたからである。また、遊技球の通過速度が32msよりも長くなることは、まずあり得ないからである。
報知信号出力プログラムとは、図7,図8に示されるメインCPU61aを『報知信号出力手段』として機能させるためのプログラムである。即ち、メインCPU61aは、磁気検知信号及び遊技球検知信号の入力状況に基づいて、統括制御CPU62aに対して遊技機用エラーコマンド(報知信号)を出力するとともに、ホールコンピュータ60に対してホール用エラーコマンド(報知信号)を出力するようになっている。具体的に言うと、メインCPU61aは、磁気検知信号が入力されたと判定された場合に、遊技機用エラーコマンド及びホール用エラーコマンドを生成し、制御コマンドとして設定(メインRAM61cに記憶)する。また、メインCPU61aは、遊技球検知時間が所定時間(32ms)よりも長いと判定された場合であっても、遊技機用エラーコマンド及びホール用エラーコマンドを生成し、制御コマンドとして設定(メインRAM61cに記憶)する。なお、ここでセットされた制御コマンドは、次回以降のコマンド出力処理(図10のステップS220参照)で出力されるようになっている。
また、図7,図8に示されるメインCPU61aは、制御信号の出力タイミングにあわせて、統括制御基板62に対して制御コマンドの読み込みを指示するための読込信号(INT信号、または、ストローブ信号)を出力ポート65及び出力バッファ66を介して出力するようになっている。
なお、メインCPU61aは、ホール用エラーコマンドを出力する際に、ホール用エラーコマンドを出力ポート65を介してホールコンピュータ60に出力するようになっている。ホール用エラーコマンドの出力は、メインCPU61aが肯定判定している間継続される。
また、メインCPU61aは、磁気検知信号が入力されたと判定された場合に、大当り判定や賞球の払い出しを停止するようになっている。また、メインCPU61aは、遊技球検知時間が所定時間(32ms)よりも長いと判定された場合であっても、大当り判定や賞球の払い出しを停止するようになっている。
(4−2)統括制御基板62の電気的構成
図8に示されるように、統括制御基板62は統括制御CPU62aを備えており、統括制御CPU62aには、メインCPU61aが出力した制御信号及び読込信号を入力する入力バッファ67が電気的に接続されている。さらに、入力バッファ67には入力ポート68が電気的に接続されており、制御信号及び読込信号は入力ポート68を介して統括制御CPU62aに入力されるようになっている。
また、統括制御CPU62aには、統括ROM62b及び統括RAM62cが接続されている。統括制御CPU62aは、遊技演出の決定のために用いる各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、統括制御CPU62aは、更新後の値を統括RAM62cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。例えば、統括RAM62cの乱数記憶領域には、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数、ハズレ右図柄用乱数などが記憶されている。
ところで、変動パターン指定コマンドが入力されると、図7,図8に示される統括制御CPU62aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを統括RAM62cに記憶するようになっている。また、特別図柄指定コマンドが入力されると、統括制御CPU62aは、特別図柄指定コマンドが指定する特別図柄を統括RAM62cに記憶するようになっている。
さらに、統括制御CPU62aは、統括RAM62cに記憶されている特別図柄に基づいて、演出図柄変動ゲームの終了時に図柄表示装置42に停止表示される演出図柄を生成するようになっている。例えば、統括RAM62cに記憶されている特別図柄が大当り図柄である場合、統括RAM62cに記憶されている変動パターンは大当り演出用の変動パターンとなる。この場合、統括制御CPU62aは、図柄表示装置42に最終的に停止させる演出図柄(演出図柄左、中、右)を、全列が同一種類の図柄となるように生成する。具体的に言うと、統括制御CPU62aは、特別図柄に基づいて、演出図柄左、演出図柄中及び演出図柄右(各演出図柄は同一種類)を生成する。この生成された演出図柄(演出図柄左、中、右)が、図柄表示装置42に最終的な図柄組み合わせとして導出される。そして、統括制御CPU62aは、生成した演出図柄左、演出図柄中、演出図柄右に対応したデータを統括RAM62cに記憶する。
統括RAM62cに記憶されている特別図柄がハズレ図柄であって、統括RAM62cに記憶されている変動パターンがハズレリーチ演出用の変動パターンである場合、図7,図8に示される統括制御CPU62aはハズレリーチを決定する。この場合、統括制御CPU62aは、演出図柄左、中、右を、左列と右列が同一種類の図柄で、中列が左右2列とは異なる種類の図柄となるように決定する。具体的には、ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて演出図柄左及び演出図柄右(両演出図柄は同一種類)を生成する。そして、ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて演出図柄中を生成する。ハズレ中図柄用乱数の値とハズレ左図柄用乱数の値(またはハズレ右図柄用乱数の値)とが一致していた場合、統括制御CPU62aは、演出図柄中と演出図柄左(または演出図柄右)とが一致しないように演出図柄中を生成する。そして、統括制御CPU62aは、生成した演出図柄左、演出図柄中、演出図柄右に対応したデータを統括RAM62cに記憶する。
統括RAM62cに記憶されている特別図柄がハズレ図柄であって、統括RAM62cに記憶されている変動パターンがハズレ演出用の変動パターンである場合、図7,図8に示される統括制御CPU62aはハズレを決定する。この場合、統括制御CPU62aは、演出図柄左、中、右を、全列が同一種類の図柄とならないように生成する。具体的には、ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて演出図柄左を生成し、ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて演出図柄中を生成し、ハズレ右図柄用乱数の値に基づいて演出図柄右を生成する。ハズレ左図柄用乱数の値とハズレ右図柄用乱数の値とが一致していた場合、統括制御CPU62aは、演出図柄左と演出図柄右とが一致しないように演出図柄右を生成する。そして、統括制御CPU62aは、生成した演出図柄左、演出図柄中、演出図柄右に対応したデータを統括RAM62cに記憶する。
なお、統括制御CPU62aは、統括RAM62cに記憶されている変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを、制御コマンドとして表示制御基板63の表示制御CPU63a、及び、音声・ランプ制御基板64の音声・ランプ制御CPU64aに出力するようになっている。これにより、表示制御基板63及び音声・ランプ制御基板64が実行する遊技演出の具体的な内容が、統括制御基板62によって統括的に制御される。
さらに、図7,図8に示される統括制御CPU62aは、演出図柄の演出図柄左を指定する演出図柄左指定コマンドを、制御コマンドとして表示制御CPU63aに出力する。同様に、統括制御CPU62aは、演出図柄の演出図柄右を指定する演出図柄右指定コマンド、及び、演出図柄の演出図柄中を指定する演出図柄中指定コマンドを、制御コマンドとして表示制御CPU63aに出力する。その後、メインCPU61aから図柄停止コマンドが入力されると、統括制御CPU62aは、入力された図柄停止コマンドを、制御コマンドとして表示制御CPU63a及び音声・ランプ制御CPU64aに出力する。また、メインCPU61aから遊技機用エラーコマンドが入力されると、統括制御CPU62aは、入力された遊技機用エラーコマンドを、表示制御CPU63a及び音声・ランプ制御CPU64aに出力する。
なお、図7,図8に示される統括制御CPU62aは、上記各制御コマンドなどを制御信号(8ビット信号)とし、その信号を出力ポート69及び出力バッファ70を介して所定のタイミングで出力する。また、統括制御CPU62aは、制御信号の出力タイミングにあわせて、表示制御基板63及び音声・ランプ制御基板64に対して制御コマンドの読み込みを指示するための読込信号(INT信号またはストローブ信号)を出力ポート69及び出力バッファ70を介して出力する。
(4−3)表示制御基板63の電気的構成
図7に示されるように、表示制御基板63は表示制御CPU63aを備えており、表示制御CPU63aには表示ROM(図示略)及び表示RAM(図示略)が接続されている。表示RAMには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。
また、表示ROMには、演出図柄変動ゲームが行われる際に用いられる複数種類の表示演出データと、遊技者による不正行為を報知する際に用いられる報知用表示演出データとが記憶されている。表示演出データ及び報知用表示演出データとは、表示制御CPU63aが、図柄表示装置42の表示内容(図柄変動など)を制御するための情報、即ち、図柄表示装置42に表示演出の実行を指示するための情報である。
そして、図7,図8に示される統括制御CPU62aから変動パターン指定コマンドが入力されると、表示制御CPU63aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを表示RAMに記憶するようになっている。また、表示制御CPU63aは、統括制御CPU62aから演出図柄左指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する演出図柄左を表示RAMに記憶するようになっている。同様に、表示制御CPU63aは、統括制御CPU62aから演出図柄右指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する演出図柄右を表示RAMに記憶し、演出図柄中指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する演出図柄中を表示RAMに記憶するようになっている。
その後、統括制御CPU62aから図柄停止コマンドが入力されると、表示制御CPU63aは、変動開始時に入力されて表示RAMに記憶された演出図柄左、右、中に基づいて、図柄表示装置42に演出図柄の停止を指示するようになっている。これにより、指定された演出図柄が停止して、図柄表示装置42に表示される。
また、変動パターン指定コマンドが入力されると、図7に示される表示制御CPU63aは、表示ROMに記憶された複数種類の表示演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した表示演出データを表示RAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、表示制御CPU63aは、変動パターン指定コマンドや表示演出データに基づいて表示制御を行うようになる。より詳しくは、表示制御CPU63aは、表示RAMに記憶されている表示演出データを図柄信号に変換し、図柄表示装置42に出力する。その結果、図柄表示装置42は、図柄信号に基づき所定の表示(演出図柄変動ゲームなど)を行うことができるようになる。
なお、図7,図8に示される統括制御CPU62aから遊技機用エラーコマンドが入力されると、表示制御CPU63aは、表示ROMに記憶された報知用表示演出データを設定(生成)して、設定した報知用表示演出データを表示RAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、表示制御CPU63aは、報知用表示演出データに基づいて表示制御を行うようになる。より詳しくは、表示制御CPU63aは、表示RAMに記憶されている報知用表示演出データを報知用図柄信号に変換し、図柄表示装置42に出力する。その結果、図柄表示装置42は、報知用図柄信号に基づき、不正が行われている旨の報知を行うことができるようになる。即ち、図柄表示装置42は、『報知手段』としての機能を有している。本実施形態では、図柄表示装置42に「センサに反応しました」という文字を表示させることにより、不正が行われている旨を報知するようになっている。なお、図柄表示装置42による報知は、パチンコ機10の電源が遮断されるまでの間継続して行われる。
(4−4)音声・ランプ制御基板64の電気的構成
図7に示されるように、音声・ランプ制御基板64は音声・ランプ制御CPU64aを備えており、音声・ランプ制御CPU64aには音声・ランプROM(図示略)及び音声・ランプRAM(図示略)が接続されている。音声・ランプRAMには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。
また、音声・ランプROMには、演出図柄変動ゲームが行われる際に用いられる複数種類の発光演出データと、遊技者による不正行為を報知する際に用いられる報知用発光演出データとが記憶されている。発光演出データ及び報知用発光演出データとは、音声・ランプ制御CPU64aが、ランプ類16(枠ランプ16a〜16c及び盤面ランプ16d)の発光出力態様を制御するための情報である。
また、音声・ランプROMには、演出図柄変動ゲームが行われる際に用いられる複数種類の音声演出データと、遊技者による不正行為を報知する際に用いられる報知用音声演出データとが記憶されている。音声演出データ及び報知用音声演出データとは、音声・ランプ制御CPU64aが、スピーカ17a〜17cの音声出力態様(効果音の種類、言語音声の種類、音声出力時間など)を制御するための情報である。
そして、図7,図8に示される統括制御CPU62aから変動パターン指定コマンドが入力されると、音声・ランプ制御CPU64aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを音声・ランプRAMに記憶するようになっている。その後、統括制御CPU62aから図柄停止コマンドが入力されると、音声・ランプ制御CPU64aは、ランプ類16の発光停止を指示するとともに、スピーカ17a〜17cの音声出力停止を指示するようになっている。
また、変動パターン指定コマンドが入力されると、音声・ランプ制御CPU64aは、音声・ランプROMに記憶された複数種類の発光演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した発光演出データを音声・ランプRAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、音声・ランプ制御CPU64aは、変動パターン指定コマンドに対応する発光演出データに基づいて発光制御を行うようになる。より詳しくは、音声・ランプ制御CPU64aは、音声・ランプRAMに記憶されている発光演出データを発光制御信号に変換し、ランプ類16に出力する。その結果、ランプ類16は、発光制御信号に基づき所定の発光動作(点灯、点滅など)を行うことができるようになる。
そして、図7,図8に示される統括制御CPU62aから遊技機用エラーコマンドが入力されると、音声・ランプ制御CPU64aは、音声・ランプROMに記憶された報知用発光演出データを設定(生成)して、設定した報知用発光演出データを音声・ランプRAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、音声・ランプ制御CPU64aは、報知用発光演出データに基づいて発光制御を行うようになる。より詳しくは、音声・ランプ制御CPU64aは、音声・ランプRAMに記憶されている報知用発光演出データを報知用発光制御信号に変換し、ランプ類16に出力する。その結果、ランプ類16は、報知用発光制御信号に基づき不正が行われている旨の報知を行うことができるようになる。即ち、ランプ類16は、『報知手段』としての機能を有している。本実施形態では、盤面ランプ16dを全て消灯させるとともに、枠ランプ16a〜16cを全て点灯させることにより、不正が行われている旨を報知するようになっている。なお、ランプ類16による報知は、パチンコ機10の電源が遮断されるまでの間継続して行われる。
また、変動パターン指定コマンドが入力されると、図7に示される音声・ランプ制御CPU64aは、音声・ランプROMに記憶された複数種類の音声演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した音声演出データを音声・ランプRAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、音声・ランプ制御CPU64aは、変動パターン指定コマンドに対応する音声演出データに基づいて音声制御を行うようになる。より詳しくは、音声・ランプ制御CPU64aは、音声・ランプRAMに記憶されている音声演出データを音声信号に変換し、スピーカ17a〜17cに出力する。その結果、スピーカ17a〜17cは、音声信号に基づき所定の出力動作(音声の出力)を行うことができるようになる。
そして、図7,図8に示される統括制御CPU62aから遊技機用エラーコマンドが入力されると、音声・ランプ制御CPU64aは、音声・ランプROMに記憶された報知用音声演出データを設定(生成)して、設定した報知用音声演出データを音声・ランプRAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、音声・ランプ制御CPU64aは、報知用音声演出データに基づいて音声制御を行うようになる。より詳しくは、音声・ランプ制御CPU64aは、音声・ランプRAMに記憶されている報知用音声演出データを報知用音声制御信号に変換し、スピーカ17a〜17cに出力する。その結果、スピーカ17a〜17cは、報知用音声制御信号に基づき、不正が行われている旨の報知を行うことができるようになる。即ち、スピーカ17a〜17cは、『報知手段』としての機能を有している。本実施形態では、スピーカ17a〜17cから「センサに反応しました」という音声を出力させることにより、不正が行われている旨を報知するようになっている。なお、スピーカ17a〜17cによる報知は、パチンコ機10の電源が遮断されるまでの間継続して行われる。
次に、主制御基板61のメインCPU61aによって行われる処理(センサチェック処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、所定の割込み周期ごとに(4msごとに)繰り返し実行される。
図9に示されるように、まずメインCPU61aは、非接触センサ101がオン状態であるか否か、即ち、メインCPU61aに遊技球検知信号が入力されたか否かを判定する(ステップS10)。非接触センサ101がオフ状態である場合、即ち、遊技球検知信号が入力されていない場合(ステップS10:N)、メインCPU61aはステップS80の処理へ移行する。
ステップS80において、メインCPU61aは、磁気センサ91がオン状態であるか否か、即ち、メインCPU61aに磁気検知信号が入力されたか否かを判定する。磁気センサ91がオフ状態である場合、即ち、磁気検知信号も遊技球検知信号も入力されていない場合(ステップS80:N)、メインCPU61aは、判定データとして00HをメインCPU61aにセット(一時的に記憶)して(ステップS90)、ステップS100の処理へ移行する。ステップS100において、メインCPU61aは、エラータイマに32msをメインRAM61cにセット(一時的に記憶)し、ステップS110の処理へ移行する。
ステップS110において、メインCPU61aは、再び磁気センサ91がオン状態であるか否かを判定する。この時点では、磁気センサ91がオフ状態であることが既に判定されているため(ステップS80)、メインCPU61aは、ステップS110での判定を「N」として、ステップS120の処理を行わずにステップS130の処理(コマンド設定処理)へ移行する。
ステップS130において、メインCPU61aは、図10に示すサブルーチンを実行する。図10のサブルーチンは、ステップS210〜S230の処理からなる。ステップS210において、メインCPU61aは、メインRAM61cに記憶されている判定データが01Hであるか否かを判定する。この時点では、判定データとして00Hがセットされているため(ステップS90)、メインCPU61aは、ステップS210での判定を「N」として、ステップS230の処理へ移行する。ステップS230において、メインCPU61aは、ホールコンピュータ60へのホール用エラーコマンドの出力を行わずに、本サブルーチンを終了する。
図10に示されるサブルーチンが終了すると、メインCPU61aは、図9に示す処理(センサチェック処理)を終了する。なお、ステップS10,S80〜S110,S130の処理は、磁気センサ91または非接触センサ101がオン状態になるまでの間、実行され続ける。そして、磁気センサ91がオン状態になった場合、メインCPU61aは、ステップS10での判定を「N」とし、ステップS80,S110での判定を「Y」として、ステップS120の処理へ移行する。ステップS120において、メインCPU61aは、判定データとして01HをメインRAM61cにセット(一時的に記憶)し、ステップS130の処理へ移行し、図10に示すサブルーチンを実行する。
そして、メインCPU61aは、判定データとして01Hがセットされているため(ステップS120)、ステップS210での判定を「Y」として、ステップS220の処理へ移行する。ステップS220において、メインCPU61aは、統括制御CPU62aに対して遊技機用エラーコマンドを出力するとともに、ホールコンピュータ60に対してホール用エラーコマンドを出力し、本サブルーチンを終了して、図9に示す処理を終了する。
また、非接触センサ101がオン状態になった場合、メインCPU61aは、磁気センサ91がオン状態であるか否かにかかわらず、ステップS10での判定を「Y」として、ステップS20の処理へ移行する。ステップS20において、メインCPU61aは、判定データとして01HをメインRAM61cにセット(一時的に記憶)し、ステップS30の処理へ移行する。ステップS30において、メインCPU61aは、メインRAM61cに記憶されているエラータイマを確認して、ステップS40の処理へ移行する。ステップS40において、メインCPU61aは、ステップS100においてメインRAM61cに記憶されたエラータイマが0msになったか否か、即ち、遊技球検知時間があらかじめ設定された所定時間(本実施形態では32ms)よりも長いか否かを判定する。エラータイマが0msになっていない場合(ステップS40:Y)、メインCPU61aは、遊技球検知時間が32msよりも短いと判定して、ステップS50の処理へ移行する。ステップS50において、メインCPU61aは、メインRAM61cに記憶されているエラータイマを減算する。なお、エラータイマは、所定の割込み周期(4ms)ごとに減算されるようになっている。そして、メインCPU61aは、ステップS60において、エラータイマが0msになったか否かを再度判定する。エラータイマが0msになっていない場合(ステップS60:Y)、メインCPU61aは、遊技球検知時間が32msよりも短いと判定して、ステップS70の処理へ移行する。
ステップS70において、メインCPU61aは、磁気センサ91がオン状態であるか否かを判定する。磁気センサ91がオン状態である場合(ステップS70:Y)、メインCPU61aは、ステップS130の処理へ移行し、図10に示すサブルーチンを実行する。一方、磁気センサ91がオフ状態である場合(ステップS70:N)、メインCPU61aはここでの処理を終了する。
なお、ステップS10〜S70の処理は、ステップS60においてエラータイマが0msになったと判定されるまで繰り返し実行される。そして、エラータイマが0msになったと判定されると(ステップS60:N)、メインCPU61aは、ステップS130の処理へ移行し、図10に示すサブルーチンを実行する。また、エラータイマが0msになったと判定された後の状態(即ち、遊技球検知時間が32msを超えた状態)において、メインCPU61aは、ステップS40での判定を「N」としてステップS130の処理ヘ移行し、図10に示すサブルーチンを実行する。
図10のサブルーチンにおいて、メインCPU61aはステップS210の処理を行う。ステップS210において、メインCPU61aは、判定データの値が01Hであるか否かを判定する。この時点で、判定データの値は01Hであるため(ステップS20)、メインCPU61aは、ステップS210での判定を「Y」として、ステップS220の処理へ移行する。ステップS220において、メインCPU61aは、統括制御CPU62aに対して遊技機用エラーコマンドを出力するとともに、ホールコンピュータ60に対してホール用エラーコマンドを出力し、本サブルーチンを終了して、図9に示す処理(センサチェック処理)を終了する。
その後、磁気センサ91及び非接触センサ101の両方がオフ状態になると、ステップS90において判定データとして00HがメインRAM61cにセットされるため、メインCPU61aは、ステップS110での判定を「N」とし、ステップS130の処理へ移行する。ステップS210では、判定データの値が01Hではない(00Hである)と判定されるため(ステップS210:N)、メインCPU61aはステップS230の処理へ移行する。ステップS230において、メインCPU61aは、ホールコンピュータ60へのホール用エラーコマンドの出力を停止し、本サブルーチンを終了して、図9に示す処理(センサチェック処理)を終了する。
次に、遊技者による不正が行われた場合の対策を説明する。
(A)遊技領域32における装飾部材50の左下領域は、普通入賞装置58a〜58cへの遊技球の入賞確率を調節する遊技釘35が多数存在し、遊技球が詰まりやすい構造となっている。このため、前枠14に組み付けられたガラスに磁石を近付けて、多数の遊技球を普通入賞装置58a〜58cの入賞口付近に集めて滞留状態(いわゆる「ぶどう状態」)にした後、滞留状態にある遊技球を一気に放出させることにより、普通入賞装置58a〜58cへの遊技球の入賞を容易にする不正行為が行われやすい。
そこで本実施形態では、左下中普通入賞装置58bから下方に延びる球受通路44aの右方であって、左下内普通入賞装置58cから下方に延びる球受通路44aの上方となる位置に、磁気センサ91を配設している(図5参照)。これにより、ガラスに近付けた磁石の磁気が磁気センサ91によって検知されるため、磁石を用いて遊技球を滞留させる不正行為を確実に検知することができる。
(B)また、上球皿15や前枠14などを引っ張ることによって、ガラスと遊技領域32内の遊技釘35との間に隙間を生じさせた後、生じた隙間に異物(遊技球など)を挟み込むことにより、遊技球を滞留させやすくする不正行為が行われることもある。
そこで本実施形態では、左下外普通入賞装置58aから下方に延びる球受通路44aと、左下中普通入賞装置58bから下方に延びる球受通路44aとの間に、非接触センサ101を配設している(図5参照)。これにより、磁気が磁気センサ91によって検知されない場合であっても、滞留している遊技球が非接触センサ101によって検知されるため、上記した隙間に異物を挟み込んで遊技球を滞留させる不正行為を確実に検知することができる。
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態のパチンコ機10では、磁気センサ91によって磁石の磁気が検知された場合に、不正が行われている旨を報知させるための報知信号(遊技機用エラーコマンド)が報知手段(ランプ類16、スピーカ17a〜17c、図柄表示装置42)に出力されるため、磁石等を用いて遊技球を滞留させる不正行為を確実に検知することができる。また、磁気センサ91によって磁気が検知されなくても、非接触センサ101によって接近する遊技球が検知された場合には、報知信号が報知手段に出力される。このため、ガラスと遊技釘35との隙間に異物を挟み込んで遊技球を滞留させる不正行為が行われている場合であっても、不正行為を確実に検知することができる。さらに、報知信号(ホール用エラーコマンド)がホールコンピュータ60に出力される場合、遊技店の店員が不正を行っている遊技者の傍にいなくても、不正が行われている旨を知ることができる。
(2)特開2004−147955号公報に記載の従来技術には、遊技球センサを、多数の遊技釘のうちの所望の隣接する一対の遊技釘相互間に設けた構造が開示されている(段落[0012],[0021],[0023]、図1,図2参照)。しかし、遊技球センサは、遊技盤に設けたスイッチの取付孔内に挿入されており、遊技者から視認できる状態となっている。その結果、パチンコ機の意匠性に悪影響を与えてしまう可能性がある。しかも、遊技球センサの検知範囲を避けながら不正行為が行われてしまう可能性がある。
そこで本実施形態では、磁気センサ91及び非接触センサ101を視認不能に設けている。このため、パチンコ機10の意匠性に影響を与えなくて済む。また、遊技者は、磁気センサ91及び非接触センサ101の存在や位置を認識できないため、磁気センサ91及び非接触センサ101による検知ができない部位での不正行為を防止することができる。しかも、磁気センサ91及び非接触センサ101を隠すための部品を新たに設けなくても済むため、部品点数の増加に伴うコスト上昇を抑えることができる。
(3)本実施形態では、非接触センサ101による遊技球検知時間が所定時間よりも長いと判定された場合(図9に示すステップS60にて「N」となる場合)にはじめて、図柄表示装置42、ランプ類16、スピーカ17a〜17c及びホールコンピュータ60による不正が行われている旨の報知が可能となる(図10に示すステップS220参照)。このため、遊技球が非接触センサ101に接近しただけで即座に報知されることが防止される。即ち、図柄表示装置42、ランプ類16及びスピーカ17a〜17cによる報知や、ホールコンピュータ60への報知は、実際に不正行為が行われた場合となる。以上により、遊技者が行う不正行為を正確に検知でき、しかも無実の遊技者を遊技球の接近に起因した報知に基づいて疑わなくて済む。
(4)本実施形態では、排出球通路44を裏ユニット板41に取り付けた際に空きスペースとなる部分、即ち、左下外普通入賞装置58aから下方に延びる球受通路44aと、左下中普通入賞装置58bから下方に延びる球受通路44aとの間に、非接触センサ101が配置している。このため、非接触センサ101の配置が容易になる。
(5)本実施形態では、磁気センサ91の第2面(第1面)及び非接触センサ101の検知面105(設置面)が、遊技盤13の遊技盤面13aに対して平行に配置されているため、検知範囲は遊技盤13の面方向に広がるようになる。このため、磁気センサ91の第2面や非接触センサ101の検知面105を、遊技盤13の遊技盤面13aに対して直交した状態で配置する場合に比べて、広範囲での検知を行うことができる。
(6)本実施形態の遊技盤13は、透明板31及び裏ユニット板41から構成され、透明板31の厚さは、従来の単体の遊技盤より薄くなっている。このため、遊技盤13の裏面側にある磁気センサ91と、前枠14に組み付けられたガラスとの離間距離が、従来よりも短くなる。これに伴い、遊技盤13の裏面側にある非接触センサ101と遊技盤面13aとの離間距離も短くなる。従って、磁気センサ91及び非接触センサ101に要求される検知感度を、従来の単体の遊技盤13に用いていたものより低く設定しても、離間距離が短くなったことで同等の検知能力を発揮することができる。また、磁気センサ91及び非接触センサ101として従来よりも検知能力が低いものを用いることができるため、センサ91,101にかかるコストを低く抑えることができる。
なお、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の磁気センサ91は、左下内普通入賞装置58cから下方に延びる球受通路44aの上方に配置されていた。しかし、磁気センサ91の配置態様を適宜変更してもよい。例えば、磁気センサ91を、左下外普通入賞装置58aから下方に延びる球受通路44aの上方や、左下中普通入賞装置58bから下方に延びる球受通路44aの上方に配置してもよい。また、磁気センサ91を、普通入賞装置58a〜58cの近傍にそれぞれ配置してもよいし、右下普通入賞装置59の近傍に配置してもよい。さらに、磁気センサ91を、始動入賞装置51の近傍、第1大入賞装置52の近傍、第2大入賞装置54の近傍などに配置してもよい。
・上記実施形態の非接触センサ101は、左下外普通入賞装置58aから下方に延びる球受通路44aと、左下中普通入賞装置58bから下方に延びる球受通路44aとの間に配置されていた。しかし、非接触センサ101の配置態様を適宜変更してもよい。例えば、非接触センサ101を、左下中普通入賞装置58bから下方に延びる球受通路44aと、左下内普通入賞装置58cから下方に延びる球受通路44aとの間に配置してもよい。また、非接触センサ101を、普通入賞装置58a〜58cの近傍にそれぞれ配置してもよいし、右下普通入賞装置59の近傍に配置してもよい。さらに、非接触センサ101を、始動入賞装置51の近傍、第1大入賞装置52の近傍、第2大入賞装置54の近傍などに配置してもよい。
・上記実施形態の非接触センサ101は、排出球通路44を構成する集合通路44bの上側に配置されていた。しかし、非接触センサ101を、集合通路44bの下側に配置してもよい。また、非接触センサ101を、集合通路44bの前側(集合通路44bと透明板31との間)や、集合通路44bの裏側(集合通路44bと裏ユニット板41との間)などに配置してもよい。
・上記実施形態の磁気センサ91及び非接触センサ101は裏ユニット板41に配設されていたが、透明板31に装着した装飾部材50、側部装飾部品81及び中央装飾部品82の裏側などに配設してもよい。
・上記実施形態のメインCPU61aは、磁気センサ91からの磁気検知信号と非接触センサ101からの遊技球検知信号とを判別できないため、磁気検知信号に基づいて出力される報知信号、及び、遊技球検知信号に基づいて出力される報知信号は、同じ信号(遊技機用エラーコマンド、ホール用エラーコマンド)であった。しかし、メインCPU61aに、磁気検知信号と遊技球検知信号とを判別する信号判別手段としての機能を持たせるようにしてもよい。そして、磁気検知信号であると判別された場合、メインCPU61aは、統括制御CPU62aに対して第1遊技機用エラーコマンドを出力するとともに、ホールコンピュータ60に対して第1ホール用エラーコマンドを出力してもよい。また、遊技球検知信号であると判別された場合、メインCPU61aは、統括制御CPU62aに対して第2遊技機用エラーコマンドを出力するとともに、ホールコンピュータ60に対して第2ホール用エラーコマンドを出力してもよい。
このようにすれば、図柄表示装置42、ランプ類16及びスピーカ17a〜17cは、第1遊技機用エラーコマンドが入力された場合と第2遊技機用エラーコマンドが入力された場合とで、異なる報知を行うことができる。例えば、遊技者が不正行為を行っていないにもかかわらず、遊技球が複数の遊技釘35の間などに引っ掛かり、滞留することがある。この場合、非接触センサ101による遊技球検知時間が所定時間よりも長いと判定されて、不正が行われている旨の報知が行われてしまうため、遊技者との間でトラブルになる可能性がある。そこで、非接触センサ101による検知が行われた場合(即ち、第2遊技機用エラーコマンドが入力された場合)に実行される報知を、磁気センサ91による検知が行われた場合(即ち、第1遊技機用エラーコマンドが入力された場合)に実行される報知よりも軽度の報知にしてもよい。例えば、非接触センサ101による検知が行われた場合、図柄表示装置42に「確認に伺います」という文字を表示させる報知や、スピーカ17a〜17cから「確認に伺います」という音声を出力させる報知を行う一方、ランプ類16による報知を行わないことなどが挙げられる。
また、磁気センサ91及び非接触センサ101の両方による検知が行われた場合に実行される報知を、磁気センサ91及び非接触センサ101のいずれかによる検知が行われた場合に実行される報知よりも重度の報知にしてもよい。例えば、非接触センサ101による検知が行われた場合、図柄表示装置42に「違法行為を検知しました」という文字を表示させる報知や、枠ランプ16a〜16c及び盤面ランプ16dの全てを激しく点滅させる報知や、スピーカ17a〜17cから「違法行為を検知しました」という音声を出力させる報知を行うことなどが挙げられる。
・上記実施形態では、非接触センサ101による遊技球の検知(図9に示すステップS10参照)を行った後、磁気センサ91による磁気の検知(図9に示すステップS70,S80,S110参照)を行っていた。しかし、磁気センサ91による磁気の検知を行った後で、非接触センサ101による遊技球の検知を行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、磁気センサ91からの磁気検知信号、及び、非接触センサ101からの遊技球検知信号が、中継基板71を介してメインCPU61aに入力されるようになっていたが、中継基板71を介さずに直接メインCPU61aに入力されるようになっていてもよい。
・上記実施形態では、遊技盤面13aにおける始動入賞装置51の左方に、3つの普通入賞装置58a〜58cが配設されていた。しかし、普通入賞装置は、1つだけ配設されていてもよいし、2つまたは4つ以上配設されていてもよい。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)上記手段1乃至3のいずれか1つにおいて、前記遊技制御手段は、前記遊技球検知信号が入力されたか否かを判定する遊技球検知信号入力判定手段と、前記遊技球検知信号入力判定手段によって前記遊技球検知信号が入力されたと判定された場合に、前記非接触センサの遊技球検知時間を測定する検知時間測定手段と、前記検知時間測定手段によって測定された前記遊技球検知時間が、あらかじめ設定された所定時間よりも長いか否かを判定する検知時間判定手段とを備え、前記報知信号出力手段は、前記検知時間判定手段によって前記遊技球検知時間が前記所定時間よりも長いと判定された場合に、前記報知信号を出力することを特徴とする遊技機。
(2)技術的思想(1)において、前記遊技制御手段は、前記磁気検知信号が入力されたか否かを判定する磁気検知信号入力判定手段を備え、前記報知信号出力手段は、前記磁気検知信号入力判定手段によって前記磁気検知信号が入力されたと判定された場合に、前記報知信号を出力することを特徴とする遊技機。
(3)上記手段2において、前記非接触センサは、前記複数の普通入賞装置の近傍に配置されていることを特徴とする遊技機。
(4)上記手段3において、前記同じ基板は、遊技機全体を制御する主制御基板であることを特徴とする遊技機。
(5)上記手段1乃至3のいずれか1つにおいて、前記報知手段は、不正が行われている旨を点灯または消灯によって報知する発光手段、不正が行われている旨を音声にて報知する音声出力手段、及び、不正が行われている旨を表示にて報知する表示手段のうちの少なくとも1つであることを特徴とする遊技機。