JP4750625B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
弾球遊技機であるパチンコ機、スロットマシンなどの遊技機においては、多くの賞球を得ることができる大当り遊技状態と、賞球を得る機会の少ない通常遊技状態とを備えるものが知られている。大当り遊技状態にあるときには、賞球をより多く得やすくなることから、遊技者は、通常遊技状態から大当り遊技状態に移行することを目指して遊技を行い、興味を増大させるものである。また、通常遊技状態のほかに、通常遊技状態よりも大当り遊技状態への移行確率が高い特定遊技状態、たとえば確率変動遊技状態(以下「確変遊技状態」という)が設定されたものも知られている。特定遊技状態には、大当り遊技状態が終了した後に移行し、次の大当り遊技状態に移行する際に特定遊技状態が終了する。
これに対して、特定遊技状態中に、大当り遊技状態に移行することなく通常遊技状態に移行する遊技機も知られている(たとえば特許文献1、特許文献2)。これらの遊技機では、特定遊技状態中に、大当り遊技状態への移行判定である大当り判定のほかに、通常遊技状態へ移行する転落判定を行っており、この転落判定に当選することによって、特定遊技状態が終了して通常遊技状態へと移行するものである。
特開2005−296076号公報 特開2005−342352号公報
しかし、上記特許文献1,特許文献2に開示された遊技機では、始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機として、コンピュータによって転落判定を行っていた。このため、遊技者は、判定結果を知らされるのみで、転落判定のための抽選過程を楽しむことができないという問題があった。
そこで、本発明の課題は、特定遊技状態中における転落判定のための抽選過程を遊技者に楽しませることができ、遊技の興趣向上に寄与することができる遊技機を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る遊技機は、遊技球が入球可能な始動入賞口と、始動入賞口への遊技球の入球を検出する始動入賞口検出手段と、始動入賞口検出手段によって始動入賞口への入球が検出された際に、遊技状態を遊技者にとって有利な大当り遊技状態へ移行させる大当り判定を行う大当り判定手段と、始動入賞口検出手段によって始動入賞口への入球が検出された遊技球を、遊技状態移行領域と遊技状態移行領域と異なる一般領域とを備える入球可能領域の間で振り分けるとともに、振分け状況を視認可能とされた振分け装置と、遊技状態移行領域への遊技球の入球を検出する遊技状態移行領域検出手段と、遊技状態移行領域検出手段によって遊技状態移行領域への遊技球の入球が検出されたことに基づいて、遊技状態を大当り遊技状態に移行しやすい特定遊技状態から、特定遊技状態よりも大当り遊技状態に移行しにくい通常遊技状態へ移行させる遊技状態移行手段と、遊技状態が特定遊技状態にあるか否かを検出する遊技状態検出手段と、を備え、遊技状態移行手段は、遊技状態検出手段によって遊技状態が特定遊技状態にあると検出されるとともに遊技状態移行領域検出手段によって遊技状態移行領域への遊技球の入球が検出されることに基づいて、遊技状態を特定遊技状態から通常遊技状態へ移行させ、遊技状態検出手段によって遊技状態が特定遊技状態以外の遊技状態にあると検出されるとともに遊技状態移行領域検出手段によって遊技状態移行領域への遊技球の入球が検出されることに基づいて、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態を特定遊技状態に移行させるものである。
本発明に係る遊技機においては、始動入賞口への入球が検出された遊技球を、遊技状態移行領域と一般領域とを備える入球可能領域の間で振り分ける振分け装置が設けられている。この振分け装置に入球した遊技球が遊技状態移行領域と一般領域のいずれに入球するかによって特定遊技状態から通常遊技状態に遊技状態が移行してしまうか否かが決定する遊技状態移行判定(転落判定)が行われる。この振分け装置は、振分け状況が視認可能とされていることから、転落判定のための振分けを遊技者に視認させることができる。したがって、特定遊技状態中における転落判定のための抽選過程を遊技者に楽しませることができる。また、この振分け装置は、始動入賞口に入球して始動入賞口検出手段によって検出され、大当り判定が行われた後の遊技球を転落領域と一般領域とに振り分けるものである。このため、1つの遊技球で大当り抽選と転落抽選とを行うことができるとともに、転落領域に遊技球が入球するまでに、少なくとも一回は特定遊技状態における大当り判定が確保されることになる。したがって、大当り判定前に特定遊技状態が終了してしまい、特定遊技状態中に大当り判定が行われないという事態を防止することができ、遊技の興趣向上に寄与することができる。
ここで、入球可能領域には、遊技状態移行領域とは異なる特定遊技領域が備えられ、特定遊技領域への遊技球の入球を検出する特定遊技領域検出手段と、特定遊技領域検出手段によって、特定遊技領域への遊技球の入球が検出されたことに基づいて、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態を特定遊技状態に移行させる特定遊技状態移行手段と、をさらに備える態様とすることができる。
本発明に係る遊技機では、大当り遊技状態が終了した後に通常遊技状態に移行するか特定遊技状態に移行するかの特定遊技状態移行判定が特定遊技領域への入球によって行われる。この特定遊技領域が、始動入賞口検出手段によって検出され大当り判定が行われた遊技球が入球する位置に設けられていることにより、大当り遊技状態に移行する際には常に大当り遊技状態の終了後の特定遊技状態への移行の期待を持たせることができる。このため、特定遊技状態への移行に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣の向上に寄与することができる。また、この特定遊技領域が、始動入賞口検出手段によって検出され大当り判定が行われた遊技球が入球する位置に設けられていることにより、大当り判定は行われたが、特定遊技状態移行判定が行われなかったという不満を遊技者に与えないようにすることができる。さらに、転落判定のほかに、特定遊技状態移行判定も振分け装置による振分けによって行われるので、振分け装置内における遊技球の挙動を遊技者に注目させることができ、さらなる遊技の興趣向上に寄与することができる。
また、特定遊技状態から通常遊技状態への転落判定と、大当り遊技状態終了後に特定遊技状態に移行させる特定遊技状態移行判定とを行うにあたり、特定遊技状態以外の遊技状態(通常遊技状態および大当り遊技状態)にあるときには転落判定は不要となる。このため、転落判定を行うための転落領域と特定遊技状態移行判定を行うための特定遊技領域とを兼用する遊技状態移行領域を形成することにより、検出手段を共通化したり、振分け構造を簡素なものとしたりすることができる。したがって、その分装置構成を簡素化することができる。
本発明に係る遊技機によれば、特定遊技状態中における転落判定のための抽選過程を遊技者に楽しませることができ、遊技の興趣向上に寄与することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は本発明の第一の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図、図2は図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図、図3は図1に示すパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図、図4は図2に示す遊技盤の正面図、図5は振分け装置の斜視図である。
(遊技機の構成)
図1に示すパチンコ遊技機1は、遊技場(ホール)の所定の設置枠に収容されて設置される外枠2を備えている。外枠2の正面側には、外枠2に対して回動可能に設けられたベースドア(内枠)3が配設され、ベースドア3内には、図2に示す遊技盤4が組み込まれている。また、外枠2の正面には、フロント扉5が設けられている。フロント扉5は、遊技盤4の正面を覆うとともに、ベースドア3の正面側に回動可能に設置されている。なお、図2においては、遊技盤4に設けられた始動入賞口などの図示は省略している。
また、パチンコ遊技機1には、プリペイドカードなどが挿入されると、当該プリペイドカードの残高に応じて、遊技球が貸し出されるように構成されたカードユニット84が隣接して併設されている。
フロント扉5は、その中央の略全域にガラス板5aを備え、その内側の遊技盤4が視認可能な構成とされている。フロント扉5の下部には、カードユニット84のカード返却操作や遊技球の貸し出し(玉貸し)操作等を行う玉貸し操作関連ボタンを有する玉貸し操作パネル28が設けられている。また、この玉貸し操作パネル28には、所定の操作を行う決定ボタン20aおよび選択ボタン20b,20cが設けられている。
また、フロント扉5の下側には、外枠2に対して開閉可能な皿パネル6が設置されている。この皿パネル6の正面側には、カードユニット84により貸し出された遊技球および後述する入賞口に入球した場合に払い出される遊技球を受け止める上皿6aと、この上皿6aの満杯時に球出口6dの内方で溢れた遊技球を受け止める下皿6bと、この下皿6bの右側に設けられた発射ハンドル6cと、が配置されている。
発射ハンドル6cは、上皿6aに受け止められている遊技球を発射するためのもので、皿パネル6に対して回動自在に設けられ、遊技者は発射ハンドル6cを操作することによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル6cが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて、発射ハンドル6cの背面側に設けられた発射モータに電力が供給され、遊技球が遊技盤4に順次発射される。
発射された遊技球は、図4に示すように、遊技盤4の左側に設けられたガイドレール7により案内され、遊技盤4の上部に移動し、その後、図示しない遊技釘等との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤4の下方に向かって流下する。
遊技盤4には、遊技状態において遊技球が流下する領域となる遊技領域4a(図2参照)が形成されており、この遊技領域4a内に、遊技球の流下方向を変更させる多数の遊技釘が設けられている。また、図4に示すように、遊技領域4a上において、遊技盤面を左右に仕切る中心線上であって、高さ方向の中央部には始動入賞口8が設けられており、始動入賞口8の下方位置には、振分け装置9が設けられている。さらに、その中心線の左側であって高さ方向の中央部には、普通図柄作動ゲート10が設けられている。
さらに、振分け装置9のやや下側位置に大入賞口11が設けられ、始動入賞口8の側方には、一般入賞口12a〜12dが設けられている。また、遊技領域4aの中央部下端部には、アウト口13が設けられている。
始動入賞口8は、遊技球が入賞(入球)可能とされている。また、始動入賞口8には、一対の羽根8a,8aが設けられており、羽根8a,8aが開放した状態では、始動入賞口8への遊技球の入賞が容易となり、羽根8a,8aが閉鎖した状態では始動入賞口8への遊技球の入賞が困難となる。始動入賞口8には、始動入賞口検出手段である始動入賞口スイッチ8Sが設けられており、始動入賞口8に遊技球が入賞することにより、始動入賞口スイッチ8Sが遊技球を検出する。始動入賞口スイッチ8Sが遊技球を検出すると、主制御回路30におけるメインCPU31では、大当り判定するための大当り乱数等の抽出を行う。
また、始動入賞口8に入賞した遊技球は、始動入賞口スイッチ8Sによって入賞が検出された後、始動入賞口8の下方に設けられた振分け装置9に誘導される。図5に示すように、振分け装置9は、誘導路9Aおよびクルーン9Bを備えている。誘導路9Aは、始動入賞口8に入賞した遊技球をクルーン9Bまで誘導する。クルーン9Bには、遊技球が入球可能とされた遊技状態移行領域である転落領域9C、特定遊技領域である確変領域9D、および一般領域9Eが形成されている。クルーン9Bは、始動入賞口8に入賞し、誘導路9Aによって誘導された遊技球を、これらの領域9C〜9Eのいずれかに入球するように振り分ける。
また、転落領域9Cおよび確変領域9Dには、それぞれ遊技状態移行領域検出手段である転落領域検出スイッチ9CS,特定遊技領域検出手段である確変領域検出スイッチ9DS(図6)が設けられており、転落領域9C,確変領域9Dに遊技球が入賞することにより、転落領域検出スイッチ9CS,確変領域検出スイッチ9DSが遊技球を検出する。転落領域検出スイッチ9CSが遊技球を検出すると、主制御回路30におけるメインCPU31では、確変遊技状態を終了させる。また、確変有効時間内に確変領域検出スイッチ9DSが遊技球を検出すると、確変移行フラグが成立する。
また、振分け装置9は、透明な蓋部9Fを備えており、この蓋部9F内に誘導路9Aおよびクルーン9Bが設けられている。蓋部9Fが透明であることにより、クルーン9Bにおける振分け状況が遊技者から視認可能となっている。
普通図柄作動ゲート10は、遊技球が通過可能とされており、遊技球が通過したことを条件として普通図柄当り判定用乱数を抽出するトリガーとなる通過ゲートとされている。この普通図柄当り判定用乱数の抽出により普通図柄の当り判定を行い、当り判定に当選した場合に、普通図柄Nに当り普通図柄を表示するとともに、始動入賞口8に具備されている1対の羽根8aが所定秒数の間開放する。
大入賞口11は、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、上述した大当り乱数に基づいて大当り判定を行い、特別図柄が大当りの表示結果となり、遊技状態が大当り状態となったときに、閉じているシャッタが所定の態様で開閉する。このシャッタが開いている状態が遊技球を受け入れやすい開状態となり、シャッタが閉じている状態が遊技球を受け入れ難い閉状態となる。大入賞口11は、遊技球が入球(入賞)すると、所定数の遊技球(たとえば15個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。また、大入賞口11は、開状態と閉状態との一回の開閉動作を1ラウンドとした開閉動作を行う。ここでの1ラウンド中における開状態としては、1ラウンド中大入賞口11が一定時間開放し続ける状態のほか、1ラウンド中に開閉を断続的または間欠的に継続して、結果として遊技球を受け入れやすくする状態も含むものである。
一般入賞口12a〜12dは、遊技球が入賞すると、所定数の遊技球(たとえば10個)が賞球として払出されるトリガーとなる入賞口とされている。これらの一般入賞口12a〜12dは、透光性基板15に設けられている。
アウト口13は、始動入賞口8、大入賞口11、一般入賞口12a〜12dなどの何れにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。
また、遊技盤4は、透光性を有する透光性基板15からなっている。この透光性基板15は、たとえばポリカーボネートなどの合成樹脂あるいはその他の透明な部材(透光性部材)で形成された透明部を有している。ここで、「透明な部材」とは、その部材を通して対象を視認可能な程度に光透過率が高いものをいう。本実施形態の遊技領域4aはその大半が透明遊技領域となっている。この透光性基板15には、遊技釘が少なくともその先端部を埋設されて固定され、この透光性基板15とフロント扉5のガラス板5aにより形成された領域が遊技領域4aとなっている。そして、図2および図4に示すように、この透光性基板15の背面側に各種の画像を表示する大画面の表示領域16aを備えた表示手段である液晶表示装置16が配置されている。液晶表示装置16に表示された画像は、透光性基板15の略中央における遊技釘が設けられていない部分と、その周辺の遊技釘が設けられている部分を通して、遊技者がパチンコ遊技機1の正面側から視認できるようになっている。
この表示領域16aには、図4に示すように、装飾図柄Dが可変表示される。装飾図柄Dは、表示領域16aの中央部に大きく表示されている。装飾図柄Dは、複数列(本実施形態においては3列)からなる右装飾図柄DR、中装飾図柄DC、および左装飾図柄DLで構成され、これらはすべて1桁の数字で表されており、その結果、装飾図柄Dは3桁の数字列で表示される。装飾図柄Dは、表示領域16aの中央部に3桁の数字で表示され、遊技者が視認し易い状態で大きく表示される。
装飾図柄Dにおける各図柄要素DR,DC,DLは、いずれも、「0」→「1」→「2」→・・・→「9」→「0」→「1」→・・・の順番で順次高速で連続的に繰り返して変動表示され、左図柄DL→右図柄DR→中図柄DCの順で停止表示される。他方、表示領域16aには、装飾図柄Dの他にも、背景画像、キャラクタ画像等が表示される。また、ここで言う「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、たとえば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。
さらに、パチンコ遊技機1は、図2に示すように、液晶表示装置16の上方に、所定の遊技状態となったことを遊技者に報知する効果音や音声などを出力するスピーカ18L,18R、図4に示すように、遊技盤4の下部に、所定の遊技状態となったことを所定のパターンで点灯・消灯することによって報知する装飾ランプ19L,19R、上述したカードユニット84により貸し出された遊技球および始動入賞口8、大入賞口11、一般入賞口12a〜12dにより賞球された遊技球を上皿6aに払い出す払出装置81(図6参照)等を具備している。
また、パチンコ遊技機1の背面側には、図3に示すように、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行するか否かを判定する主制御回路30を備える主制御基板21、映像および音声等の演出を制御する副制御回路40を備える副制御基板22、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路80を備える払出・発射制御基板23、電源を供給する電源供給ユニット24、電源スイッチ25、およびバックアップクリアスイッチ26が、それぞれ配置されている。
さらに、図4に示すように、遊技領域4aの上部には、特別図柄を変動表示させる保留球数(特別図柄保留個数)を報知する4つの特別図柄保留ランプR1〜R4が設けられており、左側の2つの特別図柄保留ランプR1,R2と右側の2つの特別図柄保留ランプR3,R4との間には、特別図柄Jおよび普通図柄Nを表示する図柄表示装置16bが設けられている。特別図柄Jは、大当りか否の判定の結果を示す図柄であり、特別図柄Jとしては、「F」、「H」、「−」の3種類の図柄が表示される。また、普通図柄表示装置は、特別図柄Jの表示位置の側方に配置されたLEDランプからなり、普通図柄Nは、普通図柄表示装置の色によって表示される。さらに、図柄表示装置16bと表示領域16aの間には、普通図柄を変動表示させる保留球数(普通図柄保留個数)を報知する普通図柄保留ランプr1〜r4が設けられている。
これらの特別図柄Jのうち、「F」、「H」が大当り特別図柄となる。「F」は、大当り遊技状態終了後に時短遊技状態に移行する時短大当り特別図柄、「H」は、大当り遊技状態終了後に非時短遊技状態に移行する通常大当り特別図柄となる。また、大当り遊技状態終了後に確変遊技状態に移行するか否かは、確変移行フラグが成立しているか否かによって決定され、大当り遊技状態が終了したときに確変移行フラグが成立している場合には確変遊技状態に移行し、確変移行フラグが成立していない場合には、通常遊技状態に移行する。また、時短遊技状態および非時短遊技状態のいずれであっても、確変遊技状態および通常遊技状態のいずれとなっていることもある。さらに、「−」ははずれ特別図柄となる。他方、普通図柄Nとしては、LEDランプが赤く点灯したときにはずれ普通図柄となり、緑色に点灯したときに当り普通図柄となる。
表示領域16aに停止表示される装飾図柄Dは、特別図柄Jに対応しており、特別図柄Jが「−」である場合には、3桁の数字列がゾロ目でない数字列(はずれ図柄)が停止表示され、特別図柄Jが「H」のときには、偶数の3桁からなるゾロ目の数字列(非時短大当り図柄)が停止表示され、特別図柄Jが「F」のときには、奇数の3桁からなるゾロ目の数字列(時短大当り図柄)の停止表示がなされる。
図6は、図1〜図5に示すパチンコ遊技機1の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。パチンコ遊技機1は、上述した主制御回路30、副制御回路40、払出・発射制御回路80、電源供給ユニット24を中心に複数の構成要素を有し、この電源供給ユニット24は、主制御回路30、副制御回路40および払出・発射制御回路80にそれぞれ接続され各々への電力供給が可能とされている。主制御回路30は、1チップマイコンより構成されているメインCPU(Central Processing Unit)31、メインROM(Read Only Memory)32およびメインRAM(Random Access Memory)33を有し、他に初期リセット回路34とコマンド出力ポート35を有している。
メインCPU31は、後述するカウントスイッチ11CSなどから遊技球の検出信号を入力する一方、メインROM32に記憶されている制御プログラムにしたがい作動して、パチンコ遊技機1における大当り抽選や、賞球排出といったパチンコ遊技機1全体の動作制御を司り、コマンド出力ポート35を介して副制御回路40に各種のコマンドを送信する。メインCPU31は、大当り抽選の結果や遊技状態の消化などにより、通常遊技状態と大当り遊技状態との間を移行制御している。
また、遊技状態としては、通常遊技状態および大当り遊技状態のほか、通常遊技状態よりも大当り遊技状態に移行しやすい確変遊技状態が設定されている。さらに、時短遊技状態と、時短遊技状態よりも大当り遊技状態に移行しにくい非時短遊技状態とが設定されている。確変遊技状態では、大当り判定手段によって大当り遊技状態に移行させると判定される確率が高くなっている。すなわち、通常遊技状態よりも、メインCPU31における大当り抽選の当選確率を高く設定して、大当り遊技状態に移行しやすくしている。また、時短遊技状態では、通常遊技状態よりも普通図柄の変動時間を短縮する。こうして、始動入賞口8の羽根8aを開きやすくし、場合によっては普通図柄の当選確率を高く設定して、さらに始動入賞口8の羽根8aの開放時間を延長して始動入賞口8への入賞割合を高めている。こうして、短時間で多くの大当り抽選を行うことを可能とすることにより、結果として非時短遊技状態よりも大当り遊技状態に移行しやすくしている。なお、大当り遊技状態以外の遊技状態では、確変遊技状態と時短遊技状態、通常遊技状態と時短遊技状態とが同時に進行する場合もあり、確変遊技状態と非時短遊技状態、通常遊技状態と非時短遊技状態とが同時に進行する場合もある。
メインCPU31は、時短大当り遊技状態が終了した後は遊技状態を時短遊技状態に移行させ、非時短遊技状態が終了した後は遊技状態を時短遊技状態に移行させる。また、大当り遊技状態が終了したときに確変移行フラグが成立していれば、確変状態フラグを成立させて遊技状態を確変遊技状態に移行させ、確変移行フラグが成立していなければ遊技状態を通常遊技状態へと移行させる。確変遊技状態は、次の大当り抽選または転落抽選に当選するまで継続する。また、時短遊技状態は、次に大当り抽選に当選するか、所定回数、たとえば100回の特別図柄の変動表示が終了するまで継続する。
さらに、メインCPU31は、大当り遊技状態以外の遊技状態にある際、確変状態フラグを参照して、現在の遊技状態が確変遊技状態にあるか通常遊技状態を判断している。ここで、確変状態フラグが成立していて遊技状態が確変遊技状態にあるとき転落領域検出スイッチ9CSによって転落領域9Cへの遊技球の入賞が検出された際、遊技状態を確変遊技状態から通常遊技状態へ移行させる。
このように、メインCPU31では、大当り遊技状態、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、および非時短遊技状態のいずれに移行するかを制御している。メインCPU31は、大当り判定手段、遊技状態移行判定手段、遊技状態移行手段、および遊技状態検出手段を構成する。
また、メインROM32には、メインCPU31が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。具体的には、図7に示す特別図柄決定テーブル(大当り判定テーブル)、図8に示す変動パターンテーブル、および図9に示す確変有効時間決定テーブルが記憶されている。さらに、メインRAM33は、メインCPU31が作動する際に用いるデータやプログラムが一時的に記憶されるようになっている。このメインRAM33に、図柄指定コマンドおよび変動パターンコマンドなどの各種コマンドを副制御回路40に送信するための送信バッファが設けられている。
メインCPU31は、図7に示す特別図柄決定テーブルから選択された特別図柄を図柄表示装置16bに表示させる。メインCPU31は、始動入賞口スイッチ8Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を送信し、主制御回路30がその検出信号を受信したときに大当り抽選を行う。大当り抽選では、大当り判定用乱数カウンタを用いて、大当り乱数(0〜299)から1つの大当り乱数を抽出して大当り抽選を行う。通常遊技状態中、抽出した大当り乱数が「7」である場合には、大当りと判定し、その他の数である場合にははずれと判定する。また、確変遊技状態中では、抽出した大当り乱数が「3」「5」「7」「11」「13」のいずれかである場合には大当りと判定し、その他の数である場合にははずれと判定する。
また、始動入賞口スイッチ8Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を送信し、主制御回路30がその検出信号を受信したときに行われる大当り抽選では、大当り特別図柄抽選も同時に行っている。大当り特別図柄抽選では、大当り特別図柄判定用カウンタを用いて大当り特別図柄乱数(0〜9)から1つを取得する。ここで取得された大当り特別図柄乱数値によって、特別図柄の種類、図柄指定コマンド、および大当り遊技状態の内容が決定される。大当り特別図柄抽選で取得された大当り特別図柄乱数は、大当り抽選で大当りと判定された場合に用いられ、大当り抽選ではずれと判定された場合には破棄される。
さらに、メインCPU31は、選択された図柄に基づいて、図柄指定コマンドを決定する。具体的に、選択された図柄が「−」である場合には、図柄指定コマンドをz2と決定する。また、選択された図柄が「F」である場合には、図柄指定コマンドをz0と決定する。さらに、選択された図柄が「H」である場合には、図柄指定コマンドをz1と決定する。主制御回路30は、メインCPU31で決定した図柄指定コマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
また、メインCPU31は、図8に示す変動パターンテーブルを参照して、変動パターンコマンドを決定する。そのため、上記の大当り抽選および大当り特別図柄抽選とはさらに別個に変動パターン決定抽選を行う。変動パターン決定抽選では、複数、たとえば0〜99の乱数から1つの変動パターン決定乱数を取得する。ここで取得された変動パターン決定乱数のほか、大当り抽選の当落、現在の遊技状態を図8に示す変動パターンテーブルに参照して、変動パターンコマンドを決定するとともに、変動パターンコマンドに対応する変動時間および演出内容を決定する。主制御回路30は、メインCPU31で決定した変動パターンコマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。また、メインCPU31は、転落領域検出スイッチ9CSまたは確変領域検出スイッチ9DSから検出信号が送信された際、転落領域検出コマンドまたは確変領域検出コマンドを送信バッファにセットする。なお、これらの転落領域検出コマンドや確変領域検出コマンドを送信する態様に代えて、転落領域検出スイッチ9CSまたは確変領域検出スイッチ9DSからの検出信号を直接副制御回路40に送信する態様とすることもできる。
メインRAM33は、送信バッファにセットされている図柄指定コマンドや変動パターン指定コマンドなどの各種コマンドをコマンド出力ポート35より、副制御回路40に送信する。初期リセット回路34は、リセット信号をメインCPU31に定期的に出力する。このリセット信号により、メインCPU31は制御プログラムの先頭から処理を実行する。
また、主制御回路30は、図9に示す確変有効時間決定テーブルを参照して、フラグ成立有効時間である確変有効時間を設定している。本実施形態では、確変有効時間が、装飾図柄Dの変動時、大当り発生時、大当り終了時、および特定ラウンド時のそれぞれに設定されている。装飾図柄Dの変動時には、始動入賞口スイッチ8Sが送信した検出信号に基づいて、図8に示す変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定した際、決定した変動パターンに応じた確変有効時間を設定する。また、制御状態フラグが大当り発生時、大当り終了時、および特定ラウンドを示す時となった場合に、それぞれ確変有効時間を設定する。さらに、メインCPU31は、フラグ成立有効時間中に確変領域検出スイッチ92ASから検出信号が出力された際、特定遊技フラグである確変フラグを成立させる。また、転落領域検出スイッチ94ASから検出信号が出力された際、確変フラグを消去させる。メインCPU31は、フラグ成立手段、フラグ消去手段、およびフラグ成立有効時間設定手段を構成する。
確変有効時間が設定されたら、確変有効時間の残存時間がメインCPU31によって計測される。確変有効時間の残存時間内に確変領域検出スイッチ9DSによって確変領域9Dへの遊技球の入球が検出されることによって確変移行フラグが成立し、大当り終了後、遊技状態が確変遊技状態に移行する。このように、メインCPU31は、残存時間計測手段を構成する。
また、主制御回路30には、カウントスイッチ11CSをはじめとする各スイッチ等が接続されている。カウントスイッチ11CSは大入賞口11に入賞した遊技球の個数を計測し、計測結果を示す検出信号を主制御回路30に出力する。一般入賞口スイッチ12Sは各一般入賞口12a〜12dに入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。作動ゲートスイッチ10Sは普通図柄作動ゲート10を通過する遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。始動入賞口スイッチ8Sは始動入賞口8に入賞した遊技球の検出信号を主制御回路30に出力する。
始動口ソレノイド8Lは始動入賞口8に設けられた一対の羽根8a,8aを開閉させ、大入賞口ソレノイド11Lは大入賞口11に設けられたシャッタを開閉させる。バックアップクリアスイッチ26は、電断時等におけるバックアップデータを操作者の操作に応じてクリアする。
また、パチンコ遊技機1では、始動入賞口スイッチ8Sが遊技球の入賞を検出して検出信号を送信し、主制御回路30がその検出信号を受信したときに、主制御回路30におけるメインCPU31は、上記の大当り抽選を行う。大当り抽選の結果、通常大当りまたは確変大当りが決定された場合には、遊技状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行する。
メインRAM33には、始動入賞口スイッチ8Sから出力される検出信号に基づく保留データを保留する特別図柄記憶領域が設定されており、メインRAM33は、最大4つの保留データをそれぞれデータ1〜データ4として記憶する。また、データ0となる検出信号に基づいてメインCPU31によって大当り抽選が行われ、この大当り抽選の結果を報知する識別図柄の変動表示が行われている最中、メインRAM33は検出信号に基づいて生成される保留データを保留する。メインCPU31は、メインRAM33に保留されたデータの個数と同数の特別図柄保留ランプR1〜R4を点灯させる。
識別図柄Dの変動表示が終了したら、データ1〜データ4はそれぞれデータ0〜データ3にシフトされる。これらのデータがシフトされた後、改めてデータ0に基づく大当り抽選が行われるとともに、新たに始動入賞口スイッチ8Sから検出信号が送信された際には、この検出信号に基づく保留データをデータ4として記憶する。また、特別図柄記憶領域に空きがある場合、データ0がなければ、出力された検出信号に基づいて即座に大当り抽選が行われ、データ0がある場合には、若い番号のデータとして順番に保存される。
さらに、大当り抽選の結果の大当りが時短大当りである場合は、大当り遊技状態終了後に、時短遊技状態に移行する。また、大当りが非時短大当りである場合は、大当り遊技状態終了後に非時短遊技状態に移行する。さらに、大当り遊技状態が終了したときに確変移行フラグが成立していれば確変遊技状態に移行し、確変移行フラグが成立していなければ通常遊技状態に移行する。一方、大当り抽選の結果がはずれとなった場合には、大入賞口11の開閉制御を行うことはないが、大当りとなった場合には、大入賞口11を開閉制御する。大入賞口11の開閉制御では、大入賞口11の開状態と閉状態との1回の開閉動作を1ラウンドとして、大当り特別図柄乱数値に基づいて決定されたラウンド数まで大入賞口11開閉動作の駆動制御を行う。
また、メインRAM33には、作動ゲートスイッチ10Sから出力される検出信号に基づく保留データを保留する普通図柄記憶領域が設定されており、最大4つの保留データをそれぞれデータ1〜データ4として記憶する。また、データ0となる検出信号に基づいて普通図柄当り判定が行われ、普通図柄の変動表示が終了したら、データ1〜データ4はそれぞれデータ0〜データ3にシフトされる。さらに、データがシフトされた後、改めてデータ0に基づく大当り抽選が行われるとともに、新たに作動ゲートスイッチ10Sから検出信号が送信された際には、この検出信号に基づく保留データをもっとも若い番号のデータとして順番に保留する。メインCPU31は、保留されたデータの個数と同数の普通図柄保留ランプr1〜r4を点灯させる。
副制御回路40は、主制御回路30からコマンドを入力し、その入力したコマンドにしたがい、液晶表示装置16を用いた識別図柄の可変表示、リーチ演出、予告演出といった演出に必要な制御を行う一方、所定の画像を液晶表示装置16に表示させる。また、副制御回路40は、スピーカ18L、18Rを用いた音声出力による演出や装飾ランプ19L、19Rを用いた点滅表示による演出を行うのに必要な制御も行う。
この副制御回路40は、サブCPU41を中心に構成され、サブROM42と、サブRAM43およびコマンド入力ポート48を有し、画像制御回路50と、音声制御回路60、およびランプ制御回路70を有している。
サブCPU41は、主制御回路30から入力したコマンドにしたがいサブROM42に記憶されているプログラムに沿った処理を実行し、画像制御回路50、音声制御回路60およびランプ制御回路70を作動させる一方、選択ボタン20b,20c、決定ボタン20aからの信号等にしたがい電源供給ユニット24を制御する。
サブROM42にはサブCPU41が実行するプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。具体的には、図10に示す表示パターンテーブルや図11に示す特別演出パターンテーブル等が記憶されている。さらに、サブRAM43はサブCPU41が作動する際に用いるデータやプログラムおよび主制御回路30から送信される図柄指定コマンドおよび変動パターンコマンドなどの各種コマンドを格納するための受信バッファが設けられている。
サブCPU41は、図10に示す表示パターンテーブルから選択された表示パターンに沿って、所定の演出を液晶表示装置16の表示領域16aに表示させる。サブCPU41は、表示パターン決定抽選を行う。表示パターン決定抽選では、複数、たとえば0〜9の乱数から、1つの表示パターン決定乱数値を取得する。このときに取得された表示パターン決定乱数値と、主制御回路30から送信された変動パターンコマンドを表示パターンテーブルに参照して、表示パターンおよび表示内容を決定する。
さらに、サブCPU41は、図11に示す特別演出パターンテーブルを参照して特別演出パターンを決定する。サブCPU41は、主制御回路30から送信された変動パターンコマンド、転落領域検出コマンド、および確変領域検出コマンドを解析し、これらのコマンドを図11に示す特別演出パターンテーブルに参照して特別演出の有無またはその内容を決定する。サブCPU41は、主制御回路30から送信される転落コマンドおよび確変コマンドを検出することにより、図11に示す特別演出パターンテーブルを参照して特別演出としての確変領域検出演出または転落領域検出演出を決定する。サブCPU41は、特別演出決定手段を構成する。
また、サブCPU41は、決定した表示パターンおよび装飾図柄に基づいて、各図柄表示領域における図柄を可変表示させ、変動表示から停止表示に至るまでの表示制御を行う。
さらに、サブROM42には、装飾図柄と同時に表示領域16aに表示される各種の表示パターンが記憶されている。
画像制御回路50は、VDP(Video Display Processor)51と、D/Aコンバータ52と、初期リセット回路53と、画像データROM(画像記憶手段)54a,54bとを有している。VDP51は、サブCPU41で決定された液晶表示装置16に表示させる内容に応じた画像を形成し、その形成された画像をD/Aコンバータ52に出力する。D/Aコンバータ52はVDP51から出力される画像データをD/A変換して、変換により得られたアナログ信号を液晶表示装置16に出力し、画像を表示させる。初期リセット回路53はサブCPU41からのリセット命令を受けて、VDP51を初期状態に戻す処理を実行する。画像データROM54aには、装飾図柄、キャラクタ、背景などを示す画像のデータ(画像データ)を記憶し、画像データROM54bには、各種画像データを液晶表示装置16に表示させるための画像データを記憶している。VDP51は、サブCPU41から出力される装飾図柄および特別図柄に対応する画像データを画像データROM54a,54bから読み出し、この画像データに基づく図柄等の画像を液晶表示装置16に表示させる。
音声制御回路60は、音源IC61と、アンプ(以下「AMP」という)62と、音声データROM63とを有している。音源IC61は、サブCPU41からの指示にしたがい、音声データROM63に記憶されている音声データを用いて音声信号を生成する。AMP62は、音源IC61により生成された音声信号を適切なレベルに増幅し、増幅した音声信号をスピーカ18L、18Rに供給して音声を出力させる。音声データROM63は予告演出、リーチ演出、大当り演出などに用いられる音楽、音声、効果音などのデータ(音声データ)を記憶している。
ランプ制御回路70は、装飾ランプ19L、19Rの点滅パターンを示す装飾データを記憶した装飾データROM71と、サブCPU41からの指示にしたがい、装飾データROM71に記憶されている装飾データを用いて装飾ランプ19L、19Rを点滅させるドライブ回路72とを有している。
払出・発射制御回路80は、主制御回路30の制御にしたがい払出装置81と、発射ハンドル6cおよび発射モータを有する発射装置82とを作動させて、所定数の遊技球を賞球として払出させるとともに、遊技球を遊技盤4上の遊技領域4aに向けて発射させる。
電源供給ユニット24は、副制御回路40の制御にしたがい副制御回路40、主制御回路30および払出・発射制御回路80への電力供給を行う。
(パチンコ遊技機の動作内容)
次に、パチンコ遊技機1の動作内容のうち、主制御回路30および副制御回路40による制御処理の手順について、図12〜図31までのフローチャートを参照して説明する。図12はパチンコ遊技機1において、電源を投入したあとに主制御回路30により繰返し実行されるメイン制御処理の動作手順を示すフローチャート(メインフローチャート)である。
(メイン制御処理の動作手順)
図12に示すように、パチンコ遊技機1は、電源投入に伴い主制御回路30のメインCPU31がメイン制御処理を開始し、初期値設定処理を行い(S1)、次に、特別図柄制御処理(S2)を行い、その後、普通図柄制御処理を行う(S3)。これらの特別図柄制御処理および普通図柄制御処理については、後に説明する。さらに図柄表示装置制御処理(S4)を行った後、乱数更新処理を行う(S5)。以後、このステップS2〜ステップS5の工程を順次実行する繰返ルーチンに進む。なお、このメイン制御処理には、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、割込許可フラグの設定を条件に定期的(たとえば2msごと)にシステムタイマ割込み処理が割込んで実行される。このシステムタイマ割込処理のコマンド出力処理により、図柄指定コマンド等の各種コマンドが主制御回路30から副制御回路40に出力される。
特別図柄制御処理(S2)は、図13に示すフローチャートのようにして行われる。特別図柄制御処理を開始すると、まず、制御状態フラグをロードする(S11)。この制御状態フラグは、液晶表示装置16における図柄の可変表示画像を用いた特別図柄ゲームの状態を示すフラグであって、メインCPU31が後続の各ステップのいずれを実行するかを判定するためのデータが設定されている。
次に、特別図柄記憶チェック処理(S12)が図14に示すフローチャートの手順に沿って行われる。この特別図柄記憶チェック処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示すデータ“00”であるか否かを判断する(S21)。その結果、 制御状態フラグが“00”でなければ処理を終了する。また、“00”である場合には、確変状態フラグが 成立し“01”であるか否かを判断する(S22)。確変状態フラグは、ステップS107で成立するフラグであり、確変状態フラグが成立している場合には、大当り遊技状態が終了した後、確変遊技状態に移行する。確変状態フラグが成立し“01”であるときは、確変遊技状態となる高確率状態となっており、確変状態フラグが消去され“00”であるときには、通常遊技状態となっている。
その結果、確変状態フラグが“01”でないと判断した場合には、ステップS26に進む。一方、確変状態フラグが“01”であると判断した場合には、転落移行フラグが“01”であるか否かを判断する(S23)。転落移行フラグは、転落領域検出スイッチ9CSが遊技球を検出した際に成立するフラグである。
その結果、転落移行フラグが“01”でないと判断したと判断した場合には、ステップS26に進む。一方、転落フラグが“01”であると判断した場合には、確変状態フラグを消去して“00”とし(S24)、確変遊技状態から通常遊技状態へ移行させる。それから、転落移行フラグを消去して“00”とする(S25)。
続いて保留個数が“0”であるか否かを判定する(S26)。その結果、保留個数が“0”であればデモ表示処理を行い(S27)、その後、処理を終了する。一方、保留個数が“0”でなければ、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理処理を示す特別図柄変動時間管理値“01”をセットする(S28)。
制御状態フラグに特別図柄変動時間管理値“01”をセットしたら、大当り判定用前処理を行う(S29)。このとき、メインCPU31は高確率フラグを読み出して大当り判定テーブルを選択し、大当り乱数を用いて選択された大当り判定テーブルをサーチする。
それから、大当り判定用前処理において大当り判定テーブルをサーチした結果に基づいて、大当り判定として、大当りであるか否かの判断を行う(S30)。その結果、大当りである場合には、大当り図柄の決定処理を行い(S31)、大当りでなければはずれ図柄の決定処理を行う(S32)。
大当り図柄の決定処理では、遊技球が始動入賞口8に入賞するときに行われる大当り特別図柄抽選で抽出される大当り特別図柄乱数値に基づいて大当りの種別を決定する。大当り乱数値が「0〜7」である場合には、特別図柄として「F」が選択される。また、大当り乱数値が「8」「9」である場合には、特別図柄として「H」が選択される。さらに、大当り乱数値「0」〜「9」に応じた図柄指定コマンド「z0」「z1」を選択し、選択した図柄指定コマンドをメインRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
また、はずれ図柄の決定処理では、特別図柄として「−」を選択するとともに図柄指定コマンド「z2」を選択し、選択した図柄指定コマンド「z2」をRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
その後、メインCPU31は変動パターンの決定を行う(S33)。変動パターンの決定では、図示しない変動パターンテーブルを用い、複数、たとえば0〜99の乱数のうちから1つの乱数を取得し、ステップS26における大当り判定の結果を図9に示す変動パターンテーブルに参照して変動パターンコマンドを選択して決定する。メインCPU31は、決定した変動パターンコマンドをRAM33に設けられた送信バッファにセットする。
それから、変動時の確変有効時間をセットする(S34)。ここでは、ステップS33で決定された変動パターンを図9に示す確変有効時間決定テーブルに参照し、変動パターンに応じた確変有効時間を設定する。ここでの確変有効時間は、変動パターンに応じた変動時間と同一の時間に設定される。このように、確変有効時間を変動パターンに応じた変動時間と同一とすることにより、装飾図柄Dの変動表示が行われている間(=特別図柄Jの変動表示が行われている間)に、確変領域9Dに遊技球が入球することによって確変移行フラグが成立することになる。したがって、遊技者は、装飾図柄Dの変動表示が行われている間に、確変領域9Dへの遊技球の入球を目指して遊技球を打ち出すことになるので、装飾図柄Dの変動表示中における止め打ちを防止することができ、遊技機の稼働向上に寄与することができる。
その後、決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマ(t)にセットする(S35)。それから、今回の変動に用いられた記憶領域をクリアし(S36)、特別図柄記憶チェック処理が終了する。
図13に示すフローに戻り、特別図柄記憶チェック処理が済んだら、特別図柄変動時間管理処理を行う(S13)。特別図柄変動時間管理処理は、図15に示すフローチャートの手順に沿って行われる。特別図柄変動時間管理処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理値“01”であるか否かを判断する(S41)。ここで、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理値“01”でないと判断した場合には特別図柄変動時間管理処理を終了する。一方、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理値“01”であると判断した場合には、ステップS35でセットされた待ち時間タイマ(t)が経過して“0”となっている否かを判定する(S42)。ここで、待ち時間タイマ(t)が0でないと判断した場合には特別図柄変動時間管理処理を終了する。また、待ち時間タイマ(t)が“0”であると判断した場合には、制御状態フラグに特別図柄表示時間管理処理を示す特別図柄表示時間管理値“02”にセットし(S43)、図柄確定表示時間、ここでは1秒を待ち時間タイマ(t)にセットして(S44)、特別図柄変動時間管理処理を終了する。
特別図柄変動時間管理処理が済んだら、特別図柄表示時間管理処理(S14)を行う。特別図柄表示時間管理処理は、図16に示すフローチャートの手順に沿って行われる。特別図柄表示時間管理処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理値“02”であるか否かを判断する(S51)。ここで、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理値“02”でないと判断した場合には特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理値“02”であると判断した場合には、ステップS44でセットした図柄確定表示時間が経過して“0”である否かを判断する(S52)。その結果、図柄確定表示時間が“0”でないと判断した場合には、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
一方、図柄確定表示時間が“0”であると判断した場合には、ステップS30における大当り判定処理の結果が大当りであるか否かを判断する(S53)。その結果、大当りでないと判断した場合には、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了値“08”をセットし(S59)、特別図柄表示時間管理処理を終了する。また、大当りであると判断した場合には、確変状態フラグを消去し、低確率を示す“00”をセットする(S54)。続いて、時短状態フラグを消去し、非時短状態を示す“00”をセットする(S55)。
それから、制御状態フラグに、大当り開始インターバル管理処理を示す大当り開始インターバル管理値“03”をセットする(S56)。その後、大当り発生時の確変有効時間、ここでは大当り開始インターバル時間と同じ5秒をセットする(S57)。続いて、大当り開始インターバル時間、ここでは5秒をセットし(S58)、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
特別図柄表示時間管理処理が済んだら、大当り開始インターバル管理処理(S15)を行う。大当り開始インターバル管理処理は、図17に示すフローチャートの手順に沿って行われる。大当り開始インターバル管理処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す大当り開始インターバル管理値“03”であるか否かを判断する(S61)。その結果、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理値“03”でないと判断した場合には、大当り開始インターバル管理処理を終了する。
また、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理値“03”であると判断した場合には、ステップS58でセットした大当り開始インターバル時間が経過して“0”となっているか否かを判断する(S62)。その結果、大当り開始インターバル時間が“0”でないと判断した場合には、大当り開始インターバル管理処理を終了する。
また、大当り開始インターバル時間が“0”であると判断した場合には、大入賞口開放設定を行う(S63)。それから、制御状態フラグに大入賞口開放中処理を示す大入賞口開放中値“04”をセットする(S64)。その後、大入賞口開放時間、ここでは29秒をセットし(S65)、大当り開始インターバル管理処理を終了する。
大当り開始インターバル管理処理が済んだら、大入賞口開放中処理(S16)を行う。大入賞口開放中処理は、図18に示すフローチャートの手順に沿って行われる。大入賞口開放中処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが大入賞口開放中値“04”であるか否かを判断する(S71)。その結果、制御状態フラグが大入賞口開放中値“04”でないと判断した場合には、大入賞口開放処理を終了する。
また、制御状態フラグが大入賞口開放中値“04”であると判断した場合には、大入賞口入賞カウンタが10以上となっているか否かを判断する(S72)。その結果、大入賞口入賞カウンタが10以上となっていないと判断した場合には、ステップS65で設定した大入賞口開放時間が0となっている否かを判断する(S73)。その結果、大入賞口開放時間が0になっていないと判断した場合には、大入賞口開放中処理を終了する。
また、ステップS72で大入賞口入賞カウンタが10以上となっていると判断した場合には、特定ラウンド、本実施形態では第10ラウンド時にステップS95で設定される確変有効時間が設定されている場合に、この確変有効時間をクリアする(S74)。確変有効時間をクリアし、またはステップS73で大入賞口開放時間が0となっていると判断した場合には、制御状態フラグに大入賞口内残留球監視処理を示す大入賞口内残留球監視値“05”をセットする(S75)。その後、大入賞口閉鎖設定を行って(S76)、大入賞口11を閉鎖し、大入賞口内残留監視時間、ここでは2秒をセットする(S77)。こうして、大入賞口開放中処理を終了する。
続いて、大入賞口内残留球監視処理(S17)を行う。大入賞口内残留球監視処理は、図19に示すフローチャートに沿って行われる。大入賞口内残留球監視処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視値“05”であるか否かを判断する(S81)。その結果、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視値“05”でないと判断した場合には、大入賞口内残留球監視処理を終了する。
一方、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視値“05”であると判断した場合には、ステップS77で設定した大入賞口内残留球監視時間が経過して“0”となっているか否かを判断する(S82)。その結果、大入賞口内残留球監視時間が “0”でないと判断した場合には、大入賞口内残留球監視処理を終了する。また、大入賞口内残留球監視時間が“0”であると判断した場合には、開放回数カウンタが15以上となっているか否かを判断する(S83)。
その結果、開放回数カウンタが15以上となってないと判断した場合には、制御状態フラグに大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す大入賞口再開放待ち時間管理値“06”をセットし(S84)、ラウンド間インターバル時間、ここでは1.5秒をセットする(S85)。こうして、大入賞口内残留球監視処理を終了する。
一方、ステップS83で開放回数カウンタが15以上ではないと判断した場合には、制御状態フラグに大当り終了インターバル処理を示す大当り終了インターバル値“07”をセットする(S86)。それから、大当り終了時の確変有効時間、ここでは大当り終了インターバル時間と同じ5秒をセットする(S87)。続いて、大当り終了インターバル時間、ここでは5秒をセットする(S88)。こうして、大入賞口内残留球監視処理を終了する。
大入賞口内残留球監視処理が済んだら、大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S18)を行う。大入賞口再開放前待ち時間管理処理は、図20に示すフローチャートに沿って行われる。大入賞口再開放前待ち時間管理処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理値“06”であるか否かを判断する(S91)。その結果、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理値“06”でないと判断した場合には、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を終了する。
一方、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理値“06”であると判断した場合には、ステップS85で設定したラウンド間インターバル時間が経過して“0”となっているか否かを判断する(S92)。その結果、ラウンド間インターバル時間が“0”でないと判断した場合には、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を終了する。また、ラウンド間インターバル時間が“0”であると判断した場合には、開放回数カウンタに1を加算する(S93)。
それから、開放回数カウンタが特定の回数、ここでは10回目(10ラウンド)となっているか否かを判断する(S94)。その結果、開放回数カウンタが特定の回数である10回目となっていると判断した場合には、特定ラウンド中の確変有効時間、ここでは大入賞口開放時間タイマと同じ29秒をセットする(S95)。
ステップS94で開放回数カウンタが特定の回数となっていない場合、またはステップS95で特定ラウンド中の確変有効時間をセットしたら、大入賞口開放設定を行い(S96)、大入賞口11を開放させる。このとき、大入賞口入賞カウンタをクリアして0にする。その後、制御状態フラグに大入賞口開放中処理を示す大入賞口開放中値“04”をセットする(S97)。続いて、大入賞口開放時間タイマを、たとえば29秒にセットする(S98)。こうして、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を終了する。
大入賞口再開放前待ち時間管理処理が済んだら、大当り終了インターバル処理(S19)を行う。大当り終了インターバル処理は、図21に示すフローチャートに沿って行われる。大当り終了インターバル処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す大当り終了インターバル値“07”であるか否かを判断する(S101)。その結果、制御状態フラグが大当り終了インターバル値“07”でないと判断した場合には、大当り終了インターバル処理を終了する。
一方、制御状態フラグが大当り終了インターバル値“07”であると判断した場合には、ステップS88で設定した大当り終了インターバル時間が経過して“0”であるか否かを判断する(S102)。その結果、大当り終了インターバル時間が “0”でないと判断した場合には、大当り終了インターバル処理を終了する。また、大当り終了インターバル時間が“0”であると判断した場合には、大当り図柄(特別図柄)が時短大当り図柄「F」であるか否かを判断する(S103)。
その結果、大当り図柄が時短大当り図柄「F」であると判断した場合には、時短状態フラグに “01”をセット(S104)して時短状態フラグを成立させ、さらに、時短回数カウンタに“100”をセットする(S105)。ステップS103で大当り図柄が時短大当り図柄「F」でないと判断し、またはステップS105で時短回数をセットした後、確変移行フラグが “01”であるか否かを判断する(S106)。
その結果、確変移行フラグが“01”であると判断した場合には、確変状態フラグに “01”をセットして(S107)確変状態フラグを成立させる。それから、確変移行フラグに“00”をセットして(S108)確変移行フラグを消去する。ステップS106で確変移行フラグが“01”でないと判断し、またはステップS108で確変移行フラグに“00”をセットしたら、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す特別図柄ゲーム終了値“08”をセットする(S109)。こうして、大当り終了インターバル処理を終了する。
大当り終了インターバル処理が済んだら、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S20)。特別図柄ゲーム終了処理は、図22に示すフローチャートの手順に沿って行われる。特別図柄ゲーム終了処理を開始すると、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す特別図柄ゲーム終了値“08”であるか否かを判断する(S111)。その結果、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了値“08”でないと判断した場合には、特別図柄ゲーム終了処理を終了する。
一方、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了値“08”であると判断した場合には、保留個数を示すデータを“1”減らすように更新する(S112)。続いて、メインRAM33に設定された特別図柄記憶領域に記憶されているデータ1〜4をそれぞれデータ0〜3へシフトさせ(S113)、特別図柄記憶領域のデータ4にクリアデータをセットする(S114)。
その後、制御状態フラグに特別図柄記憶チェック処理を示す特別図柄記憶チェック値“00”をセットする(S115)。それから、時短状態フラグに“01”がセットされ時短状態フラグが成立しているか否かを判断する(S116)。その結果、時短状態フラグに“01”がセットされていないと判断した場合には、特別図柄ゲーム終了処理を終了する。
また、時短状態フラグに“01”がセットされていると判断した場合には、時短回数カウンタから1を減算する(S117)。その後、時短回数カウンタが0であるか否かを判断する(S118)。その結果、時短回数カウンタが0でないと判断した場合には、特別図柄ゲーム終了処理を終了し、時短回数カウンタが0であると判断した場合には、時短状態フラグに“00”をセットし(S119)、時短状態フラグを消去して、特別図柄ゲーム終了処理を終了する。こうして、特別図柄ゲーム終了処理が終了することにより、図12に示すステップS2の特別図柄制御処理が終了する。
こうして特別図柄制御処理が終了すると、図12に戻り、普通図柄制御処理を行う(S3)。普通図柄制御処理は、図23に示すフローチャートに沿って行われる。普通図柄制御処理を開始すると、まず、普通図柄制御状態フラグをロードする(S121)。
続いて、普通図柄記憶チェック処理が行われる(S122)。普通図柄記憶チェック処理では、遊技球の普通図柄作動ゲート10の通過により抽出された普通図柄当り判定用乱数値に基づき、メインCPU31が普通図柄当り判定を行い、判定結果に基づいて普通図柄の停止図柄をセットする。普通図柄当り判定用乱数値が所定の当り判定値と一致したときが当りになり、当りフラグに“77”がセットされる。その後に時短状態フラグに“01”がセットされているか否かが判定され、“01”であるときはメインCPU31が変動表示時間に対応する普通図柄待ち時間タイマに “5.1秒”をセットし、“01”でなく“00”であるときは“30秒”をセットする。このように、普通図柄Nの変動表示時間として、時短状態フラグに“01”がセットされているときは、時短状態フラグに“00”がセットされているときの“30秒”よりも短い“5.1秒”がセットされ、普通図柄Nの変動表示時間が短縮される。
続いて、普通図柄変動時間監視処理が行われる(S123)。普通図柄変動時間監視処理では、普通図柄待ち時間タイマが“0”となっているか否かを判断し、普通図柄待ち時間タイマが“0”のときに確定待ち時間(0.5秒)を示すデータを待ち時間タイマにセットする。
次に、普通図柄表示時間監視処理が行われる(S124)。普通図柄表示時間監視処理では、当りフラグが“77”であるか否かの判定が行われ、“77”のときには、時短状態フラグに“01”がセットされているか否かの判定が行われる。そして、時短状態フラグに“01”がセットされていないときは、始動入賞口8の羽根8a、8aの開放パターンをたとえば0.3秒間の開放を1回にするデータがセットされ、時短状態フラグに“01”がセットされているときには、たとえば1.8秒間の開放を3回にするデータがセットされる。それにより、遊技状態が時短遊技状態(時短状態フラグに“01”がセットされた状態)であるときにおける始動入賞口8(普通電動役物)の羽根8a、8aの開放パターンが、通常遊技状態のときよりも始動入賞口8に遊技球が入賞しやすくなり、これにより大当り判定の機会が増え、結果として遊技状態が大当り遊技状態に移行しやすくなっている。
続いて、普通電動役物開放処理が行われる(S125)。普通電動役物開放処理では、始動口ソレノイド8Lを駆動させる指示を出力して始動入賞口8を開放させる。続いて、普通図柄記憶領域のデータのシフト、制御状態フラグへの普通図柄記憶チェック処理を示す“00”のセットが行われる普通図柄ゲーム終了処理が実行されて(S126)、普通図柄制御処理が終了する。
普通図柄制御処理に続いて図柄表示装置制御処理を行う(S4)。図柄表示装置制御処理では、ステップS2における特別図柄制御処理およびステップS3における普通図柄制御処理の結果に基づいて、図4に示す特別図柄J、普通図柄Nなどの可変表示の表示制御を行う。
その後、乱数更新処理を行う(S5)。ここでは、はずれ図柄用乱数、リーチ判定用乱数、演出条件選択用乱数などを所定の演算方法により更新する乱数更新処理を行って処理を終了する。そして、ステップS2に戻り繰返しルーチンが繰り返し行われる。
(システムタイマ割込処理の動作手順)
主制御回路30では、上述したメイン制御処理とともに、割込許可フラグが設定されていることを条件に、主として、メイン制御処理で用いられる乱数を更新するため、定期的(たとえば2msごと)にメイン制御処理に割込むシステムタイマ割込処理を図24に示すフローチャートに沿って実行している。以下、システムタイマ割込処理の手順を図24に示すフローチャートを参照して説明する。
図24に示すように、パチンコ遊技機1は、システムタイマ割込処理を開始すると、メモリ内の記憶領域(レジスタ)に記憶された、メイン制御処理における実行中のプログラムアドレスデータ等を一旦退避させ(S131)、乱数更新処理を行う(S132)。乱数更新処理では、メインCPU31が、大当り判定用の乱数や大当り図柄決定用の乱数を更新する処理を行う。乱数更新処理が済んだら、入力信号処理を行う(S133)。
入力信号処理は、図25に示すフローチャートに沿って行われる。図25に示すように、入力信号処理では、まず、大入賞口入賞処理を行う(S141)。大入賞口入賞処理では、カウントスイッチ11CSから出力される検出信号に基づいて、大入賞口11に入賞した遊技球の個数を検出する。この大入賞口入賞処理で検出された大入賞口11に入賞した遊技球の個数を、大入賞口入賞カウンタに加算する。また、大入賞口11に入賞した遊技球の個数に応じた払出要求コマンドをメインRAM33に格納する。
大入賞口入賞処理が済んだら、一般入賞口入賞処理を行う(S142)。一般入賞口入賞処理では、一般入賞口スイッチ12Sから出力される検出信号に基づいて、一般入賞口12a〜12dに入賞した遊技球の個数を検出する。また、一般入賞口12a〜12dに入賞した遊技球の個数に応じた払出要求コマンドをメインRAM33に格納する。一般入賞口入賞処理に続いて、特別図柄始動入賞口入賞処理を行う(S143)。特別図柄始動入賞口入賞処理は、図26に示すフローチャートに沿って行われる。
図26に示すように、特別図柄始動入賞口入賞処理では、始動入賞口8に遊技球が入賞したか否かを判断する(S151)。始動入賞口8への遊技球の入賞の有無は、始動入賞口スイッチ8Sから出力される検出信号に基づいて判断する。その結果、始動入賞口8への遊技球の入賞がないと判断した場合には、特別図柄始動入賞口入賞処理を終了する。
また、始動入賞口8への遊技球の入賞があると判断した場合には、払出要求コマンドをメインRAM33に格納する(S152)。続いて、メインRAM33に設定された特別図柄記憶領域を参照し、保留データがデータ4まであり、始動記憶(保留データ)は上限であるか否かを判断する(S153)。
その結果、始動記憶は上限であると判断した場合には、特別図柄始動入賞口入賞処理を終了する。また、始動記憶は上限ではないと判断した場合には、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを抽出し、データ0〜4のうち、クリアされたもっとも若い番号のデータとして特別図柄記憶領域に格納する(S154)。こうして、特別図柄始動入賞口入賞処理を終了する。
図25に示すフローチャートに戻り、特別図柄始動入賞口入賞処理が済んだら普通図柄通過口入賞処理が行われる(S144)。普通図柄通過口入賞処理では、作動ゲートスイッチ10Sから出力される検出信号に基づいて、払出要求コマンドをメインRAM33に格納する。続いて、メインRAM33に設定された普通図柄記憶領域を参照し、保留データが上限となっていない場合には、普通図柄当り判定用乱数を抽出し、クリアされたデータのうち、もっとも若い番号のデータとして普通図柄記憶領域に格納する。その後、普通図柄通過口入賞処理を終了する。また、保留データが上限となっている場合には、普通図柄当り判定用乱数の抽出を行うことなく普通図柄通過口入賞処理を終了する。
続いて、確変領域入賞処理を行う(S145)。確変領域入賞処理は、図27に示すフローチャートに沿って行われる。図27に示すように、確変領域入賞処理では、まず、確変領域9Dに遊技球が入賞したか否かを判断する(S161)。確変領域9Dへの遊技球の入賞は、確変領域検出スイッチ9DSから出力される検出信号の有無によって判断される。
ここで、確変領域9Dへ遊技球が入賞していないと判断した場合には、確変領域入賞処理を終了する。一方、確変領域9Dへ遊技球が入賞していると判断した場合には、残存時間が残っておらず、確変有効時間が0となっているか否かを判断する(S162)。その結果、確変有効時間が0となっていない場合には、残存時間が残っていることから、確変移行フラグに“01”をセットして(S163)確変移行フラグを成立させるとともに、副制御回路40へ送信するための確変領域検出コマンドを送信バッファにセットする。そして、確変領域入賞処理を終了する。また、確変有効時間が0となっている場合には、確変移行フラグを成立させることなく、確変領域入賞処理を終了する。
確変領域入賞処理が済んだら、転落領域入賞処理を行う(S146)。転落領域入賞処理は、図28に示すフローチャートに沿って行われる。図28に示すように、転落領域入賞処理では、まず、転落領域9Cに遊技球が入賞したか否かを判断する(S165)。転落領域9Cへの遊技球の入賞は、転落領域検出スイッチ9CSから出力される検出信号の有無によって判断される。
ここで、転落領域9Cへ遊技球が入賞していないと判断した場合には、転落領域入賞処理を終了する。一方、転落領域9Cへ遊技球が入賞していると判断した場合には、確変遊技状態を終了させるため、転落移行フラグに“01”をセットして(S166)転落移行フラグを成立させるとともに、副制御回路40へ送信するための転落領域検出コマンドを送信バッファにセットする。転落移行フラグを成立させることによりステップS23〜S24において、確変状態フラグが消去される。
その後、大当り遊技状態が終了した後に確変遊技状態に移行させないようにするため、確変移行フラグに“00”をセットして(S167)確変移行フラグを消去する。ここでは、確変確変状態フラグの消去による通常遊技状態への移行とともに確変移行フラグが消去するが、ステップS167を設けず、通常遊技状態に移行しても、一旦成立した確変移行フラグを次の大当り遊技状態への移行まで保持する態様とすることもできる。こうして、転落領域入賞処理を終了する。
転落領域入賞処理(S146)を終了することにより、入力信号処理を終了する。
図24に示すフローチャートに戻り、入力信号処理が済んだら、タイマ更新処理を行う(S134)。タイマ更新処理では、待ち時間タイマ(t)、大入賞口開放時間タイマ(t)等の値を更新する。なお、待ち時間タイマ(t)とは、後述する図柄制御処理の各処理において、メインCPU31が次の処理に移るまでの待ち時間がセットされるタイマである。また、大入賞口開放タイマ(t)とは、大入賞口の開放の1ラウンド内において、大入賞口11が開放状態とされる最大時間(大入賞口開放時間)がセットされるタイマである。
タイマ更新処理が済んだら、駆動信号出力処理を行う(S135)。駆動信号出力処理では、所定の条件を満たすことにより、始動口ソレノイド8L、大入賞口ソレノイド11Lに対して、所定の開放処理を行うための信号を出力する。
駆動信号出力処理の次に、演出コマンド出力処理を行う(S136)。演出コマンド出力処理では、変動パターン指定コマンドや停止図柄指定コマンドなどのセットされたコマンドを副制御回路40に出力する。副制御回路40では、出力されたコマンドに基づいて、図柄変動処理、音声出力処理、ランプ制御等を行う。
演出コマンド出力処理に続いて、払出処理を行う(S137)。払出処理では、遊技球が入賞した入賞口の種類(始動入賞口8、大入賞口11、一般入賞口12a〜12d)および各入賞口への遊技球の入賞個数に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出すことを指示する払出コマンドを払出・発射制御回路80に出力する。
こうして、各処理が終了した後、ステップS131で退避させた情報を各レジスタに復帰させる(S138)。このようにして、システムタイマの割込処理が終了する。
(副制御回路の動作手順)
次に、副制御回路40の動作について説明する。副制御回路40では、主制御回路30から送信されたコマンドを受信することにより、図柄制御、音制御、およびランプ制御等を行う。図29は、副制御回路40により繰返し実行されるサブ制御処理の手順を示すフローチャートである。
図29に示すように、サブCPU41では、最初に所定の初期化処理を行い(S201)、次に乱数更新処理を行う(S202)。続いて、主制御回路30から送信され、受信バッファに格納されている各種コマンドのコマンド解析制御処理を行う(S203)。それから、このコマンド解析制御処理の結果に基づいて表示制御処理を行う(S204)。表示制御処理では、コマンド解析処理で決定された装飾図柄および表示パターンなどに基づいて、図柄表示制御を行い、続いて背景表示制御処理を行う。コマンド解析制御処理については、さらに後に説明する。
その後、音制御処理を行う(S205)。音制御処理では、主制御回路30からのコマンドに基づいてスピーカ18L,18Rから発生させる音声に関する音声制御処理を行う。この音声制御処理では、音源IC61は、音声データROM63から音声データを読み出し、音声データを所定の音声信号に変換して、その音声信号をAMP62に供給する。このAMP62は、音声信号を増幅して、スピーカ18L,18Rから音声を発生させる。
続いて、ランプ制御処理を行う(S206)。ランプ制御処理では、主制御回路30からのコマンドに基づいて装飾ランプ19L,19Rの点滅に関するランプ制御処理を実行する。このランプ制御処理では、サブCPU41は、装飾データROM71からランプ装飾パターンを読み出し、ドライブ回路72を介して、装飾ランプ19L,19Rを点滅させる。以降ステップS202〜ステップS206を繰り返し実行する。
次に、主制御回路30から送信されたコマンドを受信した際の処理について説明する。図30に示すように、主制御回路30から送信されたコマンドを副制御回路40が受信したら、まず保護レジスタを退避する(S211)。次に、主制御回路30からの送信で入力されたコマンドをサブRAM43における受信バッファに格納する(S212)。続いて、レジスタを復帰させる(S213)。こうしてコマンドを受信した際の処理は終了する。
続いて、図29のステップS203に示すコマンド解析制御処理について説明する。図31は、コマンド解析制御処理の手順を示すフローチャートである。図31に示すように、コマンド解析制御処理では、まず主制御回路30から送信される変動パターンコマンドを副制御回路40が受信したか否かを判断する(S221)。具体的には、受信バッファに変動パターンコマンドが格納されているかを確認する。その結果、変動パターンコマンドを受信していなければ、その他、受信したコマンドに対応する処理を実行し(S227)コマンド解析制御処理を終了する。
また、変動パターンコマンドを受信していると判断した場合には、図10に示す表示パターンテーブルを参照して演出内容を決定し、決定した演出内容に対応する通常演出データをセットする(S222)。続いて、確変領域検出コマンドを受信しているか否かを判断する(S223)。具体的には、受信バッファに確変領域検出コマンドが格納されているかを確認する。その結果、確変領域検出コマンドを受信していると判断した場合には、図11に示す特別演出パターンテーブルにおける確変領域検出演出を参照して、ステップS222でセットした通常演出データによる通常演出に確変領域検出演出を加味した演出内容を決定し、決定した演出内容に対応する確変領域検出演出データをセットする(S224)。
一方、確変領域検出コマンドを受信していないと判断した場合には、転落領域検出コマンドを受信しているか否かを判断する(S225)。具体的には、受信バッファに転落領域検出コマンドが格納されているかを確認する。その結果、転落領域検出コマンドを受信していると判断した場合には、図11に示す特別演出パターンテーブルにおける転落領域検出演出を参照して、ステップS222でセットした通常演出データによる通常演出に転落領域検出演出を加味した演出内容を決定し、決定した演出内容に対応する転落領域検出演出データをセットする(S226)。
また、転落領域検出コマンドを受信していないと判断した場合には、ステップS222で決定した通常演出を決定したままとする。こうして、ステップS222,S224,S226で演出データをセットしたら、コマンド解析制御処理を終了する。
以上の構成を有する本実施形態に係るパチンコ遊技機1においては、始動入賞口8に入賞した遊技球は、振分け装置9に誘導される。振分け装置9には、入球可能領域として転落領域9C、確変領域9D、および一般領域9Eが形成されており、クルーン9Bは、遊技球をいずれかの入球可能領域に振り分けている。ここで、遊技状態が確変遊技状態中にあるときには、転落領域9Cに遊技球が入賞すると、確変遊技状態から通常遊技状態へ移行してしまい、大当りを目指す遊技者が望まない状態となる。したがって、遊技者は転落領域9Cへの入賞を望まない状態となるが、クルーン9Bが設けられる蓋部9Fは透明であるため、クルーン9Bによる振分け状況を遊技者に視認させることができる。したがって、振分け装置9における遊技球の挙動を遊技者に注目させることができ、特定遊技状態中における転落判定のための抽選過程を遊技者に楽しませることができる。
また、振分け装置9は、始動入賞口8に入球して始動入賞口スイッチ8Sによって検出され、大当り判定が行われた後の遊技球を転落領域9C、確変領域9D、および一般領域9Eに振り分けるものである。このため、転落領域9Cに遊技球が入球するまでに、少なくとも一回は始動入賞口8に入賞することから、確変遊技状態という大当たりし易い状態での大当り判定が少なくとも一回は確保されることになる。したがって、確変遊技状態中に大当り判定が行われないという事態を防止することができ、遊技の興趣向上に寄与することができる。
さらに、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態が終了した後に確変遊技状態へ移行するか否かを確変領域9Dに入賞したか否かによって判断している。したがって、大当り遊技状態に移行した際には、常に大当り遊技状態の終了後に確変遊技状態への移行を期待させることができる。このため、特定遊技状態への移行に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣の向上に寄与することができる。
また、確変領域9Dが、始動入賞口スイッチ8Sによって検出され大当り判定が行われた遊技球が入球する位置に設けられている。このため、大当り判定は行われたが、確変移行判定(確変状態フラグ成立のための判定)が行われなかったという不満を遊技者に与えないようにすることができる。しかも、確変領域9Dへの入賞も視認させることができるので、振分け装置9における遊技球の挙動を遊技者に注目させることができ、さらなる遊技の興趣向上に寄与することができる。
さらに、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、転落領域9Cに遊技球が入賞することにより、転落移行フラグが成立するとともに、確変移行フラグが消去される。このように、転落領域9Cへの入賞によって転落移行フラグが消去されることにより、大当り遊技状態終了後に確変遊技状態に移行した後、確変状態フラグが一旦消去された後であっても、遊技者に対して、さらに確変領域9Dへ遊技球を入球させようとする意欲を掻き立てることができる。このため、遊技意欲を高めることができる。また、確変移行フラグが消去された状態では、遊技者は、常に確変移行フラグを成立させるために確変領域9Dへの遊技球の入球を目指すことになる。したがって、遊技球の打ち出しを止める、いわゆる止め打ちを防止することができ、遊技機の稼働率の低下を防止することができる。
さらに、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、フラグ成立有効時間の残存時間を計測し、この残存時間内に遊技球が確変領域9Dに入球することによって、確変移行フラグを成立させる。このため、遊技球が確変領域9Dに入球するタイミングに対しても、遊技者に興味を抱かせることができるので、さらなる遊技の興趣向上を図ることができる。また、遊技者が不正行為を行うことによって、確変領域9Dへ遊技球を入球させて不正に確変遊技状態への移行を図ることが考えられるが、フラグ成立有効時間の残存時間内に遊技球を確変領域9Dに入球させなければ特定遊技状態へ移行しないため、不正行為の抑制に寄与することができる。
また、フラグ成立有効時間は、ステップS34における特別図柄Jの変動時(装飾図柄Dの変動時)、ステップS57における大当り発生時、ステップS87における大当り終了時、またはステップS95における特定ラウンド時に設定される。ここで、特別図柄Jの変動時に設定するフラグ有効時間を特別図柄Jの変動時間と同じ時間に設定している。このため、特別図柄Jが変動していないときの止め打ちを防止することができ、パチンコ遊技機1の稼働率向上に寄与することができる。また、大当り発生時に設定するフラグ有効時間を大当り開始インターバル時間と同じに設定している。このため、大当り開始インターバル時が終了し、大入賞口11が開放したときには、確変移行判定が既に終了しているため、その後の大当り遊技状態に遊技者を集中させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、大当り終了時におけるフラグ成立有効時間を大当り終了インターバル時間と同じ時間に設定している。このため、止め打ち防止による稼働率向上のほか、大当り遊技状態における大入賞口11の開放が終了した後にも確変遊技状態への移行に対する期待感を遊技者に抱かせることができ、その分遊技の興趣向上に寄与することができる。
また、特定ラウンド時におけるフラグ成立有効時間を大入賞口11の開放時間と同じに時間に設定している。このため、大当り遊技状態中における楽しみが向上するとともに、フラグ成立時間が大入賞口11の開放時間と同じ時間となることから、フラグ成立有効時間を明確に遊技者に知らせることができる。
なお、本実施形態では、特別図柄Jの変動時、大当り開始時、大当り終了時、および特定ラウンド時にフラグ成立有効時間を設定しているが、これらのうちの1つ、2つ、または3つに設定する態様とすることもできる。また、これらの時以外にフラグ成立有効時間を設定することもできるし、それぞれにおいて、特別図柄Jの変動時間、大当り開始インターバル時間、大当り終了インターバル時間、および大入賞口11の開放中時間と異なる時間に設定することもできる。
また、図31に示すコマンド解析制御処理におけるステップS222,S224,S225によって演出内容が決定されてデータがセットされた場合、図29に示す表示制御処理S204によって装飾図柄Dの変動表示中に、それぞれの演出内容が表示領域16aに表示される。まず、ステップS222によって通常演出を示す表示パターンデータがセットされた場合、受信コマンドがh0、h1であり、hz0、hz1の表示パターンがセットされている場合には、図32(a)に示すように、善玉キャラクタGCと悪玉キャラクタBCが対峙した状態が表示される。このとき、画面左上方の隅の位置に装飾図柄DL,DC,DRが小さく表示される。また、受信コマンドがh2〜h5のいずれかであり、hz2〜hz9の表示パターンがセットされている場合には、図32(a)に続いて、図32(b)に示すように、リーチ演出が行われる。リーチ演出では、対峙した状態の善玉キャラクタGCと悪玉キャラクタBCとが対決を始める。ここで、表示パターンがhz2、hz3、hz6、hz7のいずれかである場合には、ノーマルリーチとして、善玉キャラクタGCが悪玉キャラクタBCにパンチを浴びせる演出を行う。それから、悪玉キャラクタBCの反撃が表示される。その後、表示パターンがhz6、hz7のいずれかであれば図32(c)に示すように、最終的に善玉キャラクタGCが勝利し、装飾図柄DL,DC,DRがゾロ目で揃って大当りが報知される。一方、表示パターンがhz2、hz3のいずれかであれば図32(d)に示すように、悪玉キャラクタBCが勝利し、装飾図柄DL,DC,DRがゾロ目で揃うことなく、はずれが報知される。
また、表示パターンがhz4、hz8のいずれかである場合には、スーパーリーチAとして、善玉キャラクタGCが悪玉キャラクタBCに対して、剣を振り下ろす演出を行う。さらに、表示パターンがhz5、hz9のいずれかである場合には、スーパーリーチBとして、善玉キャラクタGCの持つ剣から悪玉キャラクタBCに対して光線を照射する演出を行う。また、スーパーリーチは、大当りの時に選択されやすい演出となっていることから、スーパーリーチが表示されることにより、大当りへの期待感を高めている。これらの善玉キャラクタGCの攻撃の後は、ノーマルリーチの場合と同様に、悪玉キャラクタBCが反撃を行う表示がなされ、善玉キャラクタGCと悪玉キャラクタBCのいずれが勝利するかによって大当りかはずれかが報知される。
ここで、ステップS224で確変領域検出演出データがセットされている場合には、通常演出に対して、確変領域検出演出が加味される。確変領域検出演出は、図33(a)に示すように、善玉キャラクタGCの台詞GWによって現される。図33(a)に示す画面では、図11に示す特別演出パターンテーブルから確変領域検出演出ta0が選択され、「チャンス演出(小)」が表示された状態を示している。ここでは、善玉キャラクタGCが「こい!悪者」と言葉を発することにより、チャンス演出(小)を現している。このように、善玉キャラクタGCの台詞GWが表示されることにより、遊技球が確変領域9Dに入賞したことを表現することができる。
また、確変領域検出演出では、そのほかチャンス演出(中)、リーチ予告演出、スーパーリーチ予告演出、大当り確定予告演出が設定されている。チャンス演出(中)では、台詞GWとして、「必殺技をくらえ!」という表示がされる。また、リーチ予告演出では、「悪者、勝負だ!」という表示がなされ、スーパーリーチ予告では、「きさまもこれで最後だ!」という表示がなされる。さらに、大当り確定予告演出では、「大当りだ!」という表示がなされる。このように、チャンス演出(小)、チャンス演出(中)、リーチ予告演出、スーパーリーチ予告演出、大当り確定予告演出の順番で善玉キャラクタGCが勝利しそうな台詞GWが表示され、大当りへの期待感を高めている。
また、ステップS226で転落領域検出演出データがセットされている場合には、通常演出に対して、転落領域検出演出が加味される。転落領域検出演出は、図33(b)に示すように、悪玉キャラクタBCの台詞BWによって現される。図33(b)に示す画面では、図11に示す特別演出パターンテーブルから転落領域検出演出tb0が選択され、「チャンス演出(小)」が表示された状態を示している。ここでは、悪玉キャラクタBCが「おまえなどに負けるものか」と言葉を発することにより、チャンス演出(小)を現している。このように、悪玉キャラクタBCの台詞BWが表示されることにより、遊技球が転落領域9Cに入賞したことを表現することができる。
また、転落領域検出演出では、そのほかチャンス演出(中)、リーチ予告演出、スーパーリーチ予告演出、大当り確定予告演出が設定されている。チャンス演出(中)では、台詞GWとして、「もうだめだ」という表示がされる。また、リーチ予告演出では、「俺様に勝てるかな?」という表示がなされ、スーパーリーチ予告では、「ま、まってくれ」という表示がなされる。さらに、大当り確定予告演出では、「俺の負けだ・・・」という表示がなされる。このように、チャンス演出(小)、チャンス演出(中)、リーチ予告演出、スーパーリーチ予告演出、大当り確定予告演出の順番で悪玉キャラクタBCが敗北しそうな台詞BWが表示され、大当りへの期待感を高めている。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機は、上記第一の実施形態と比較して、振分け装置および振分け装置に設けられる検出センサが主に異なっており、その他の部分の構成については、上記第一の実施形態と同様である。図34は、本実施形態に係る振分け装置の斜視図、図35は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。
本実施形態に係る振分け装置90は、図34に示すように、上記第一の実施形態と同様、誘導路90Aおよびクルーン90Bを備えている。クルーン90Bには、遊技球が入球可能とされた特別領域90Cおよび2つの一般領域90Dが形成されている。クルーン90Bは、始動入賞口8に入賞し、誘導路90Aによって誘導された遊技球を、これらの領域90C,90Eのいずれかに入球するように振り分ける。
また、特別領域90Cには、特別領域検出スイッチ90CS(図35)が設けられており、特別領域90Cに遊技球が入賞することにより、特別領域検出スイッチ90CSが遊技球を検出する。図35に示すように、特別領域検出スイッチ90CSは、主制御回路30に接続されており、特別領域90Cに遊技球が入賞した際に、検出信号を主制御回路30に出力する。主制御回路30におけるメインCPU31では、確変状態フラグを参照して、遊技状態が確変状態にあるか否かを判断している。ここで、確変遊技状態にあるときに特別領域検出スイッチ90CSが遊技球を検出すると、主制御回路30におけるメインCPU31では、確変遊技状態を終了させる。また、確変遊技状態以外の遊技状態にあり、かつ確変有効時間内に特別領域検出スイッチ90CSが遊技球を検出すると、確変移行フラグが成立する。
また、振分け装置90には、第一の実施形態と同様、透明な蓋部90Fが設けられており、この蓋部90F内に誘導路90Aおよびクルーン90Bが設けられている。蓋部90Fが透明であることにより、クルーン90Bにおける振分け状況が遊技者から視認可能となっている。
以上の構成を有する本実施形態に係るパチンコ遊技機の動作内容のうち、主制御回路30による制御処理の手順であって、上記第一の実施形態と異なる部分について、図36および図37に示すフローチャートを参照して説明する。
本実施形態に係るパチンコ遊技機では、上記第一の実施形態における図25に示す入力信号処理の手順が異なる。図36に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機における入力信号処理では、上記の第一の実施形態と同様手順によって、大入賞口入賞処理(S301)、一般入賞口入賞処置(S302)、特別図柄始動入賞口入賞処理(S303)、および普通図柄始動入賞処理(S304)を行う。
特別図柄始動入賞口入賞処理が済んだら特別領域入賞処理を行う(S305)。特別領域入賞処理は、図37に示すフローチャートに沿って行われる。図37に示すように、特別図柄入賞処理では、まず、特別領域90Cに遊技球が入賞したか否かを判断する(S311)。特別領域90Cへの遊技球の入賞は、特別領域検出スイッチ90CSから出力される検出信号の有無によって判断される。
ここで、特別領域90Cへ遊技球が入賞していないと判断した場合には、特別領域入賞処理を終了する。一方、特別領域90Cへ遊技球が入賞していると判断した場合には、確変状態フラグが“01”であり、確変遊技状態であるか否かを判断する(S312)。その結果、確変状態フラグが“01”であり、確変遊技状態であると判断した場合には、残存時間が残っておらず、確変有効時間が0となっているか否かを判断する(S313)。その結果、確変有効時間が0となっていない場合には、残存時間が残っていることから、確変移行フラグに“01”をセットして(S314)確変移行フラグを成立させる。そして、確変領域入賞処理を終了する。また、確変有効時間が0となっている場合には、確変移行フラグに“01”をセットすることなく、特別領域入賞処理を終了する。
一方、ステップS312において確変状態フラグが“01”でなく、確変遊技状態でないと判断した場合には、転落移行フラグに“01”をセットして(S315)転落移行フラグを成立させる。転落移行フラグを成立させることによりステップS23〜S24において、確変状態フラグが消去される。こうして、転落領域入賞処理を終了する。
このように、本実施形態に係るパチンコ遊技機においては、特別領域90Cに遊技球が入賞した際、確変遊技状態にあるか否かによって確変遊技状態への移行と確変遊技状態からの転落とを判断している。このため、転落判定を行うための転落領域と確変移行判定を行うための確変領域とを兼用する特別領域を形成することにより、検出手段を共通化したり、振分け構造を簡素なものとしたりすることができる。したがって、その分装置構成を簡素化することができる。
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機は、上記第一の実施形態と比較して、始動入賞口の態様が主に異なっている。図38は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
図38に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、始動入賞口95を備えている。この始動入賞口95は、上記第一の実施形態のような羽根が設けられておらず、始動入賞口95への入賞割合が一定とされている。始動入賞口95には、始動入賞口スイッチ95Sが設けられており、始動入賞口95に遊技球が入賞することにより、始動入賞口スイッチ95Sが遊技球を検出する。始動入賞口スイッチ95Sが遊技球を検出すると、主制御回路30におけるメインCPU31では、大当り判定するための大当り乱数等の抽出を行う。また、上記第一の実施形態で設けられている普通図柄作動ゲートは設けられておらず、普通図柄当り判定なども行われない。このように、始動入賞口95に入賞割合が一定とされていることにより、遊技者は、始動入賞口が入賞し易い状態にあるときにあわてて遊技球を打ち出すなどの必要がなくなる。したがって、落ち着いてパチンコ遊技を楽しむことができる。
次に、本発明の第四の実施形態について説明する。本実施形態は、上記第一の実施形態と比較して、振分け装置の構造が主に異なっており、その他の点については、上記第一の実施形態と同様の構成を有している。図39は、本実施形態に係るパチンコ遊技機における振分け装置の斜視図である。
図39に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機の振分け装置100は、2段式の振分け装置となっており、上段誘導路101、上段クルーン102、下段誘導路103、および下段クルーン104を備えている。上段誘導路101は、始動入賞口8に入賞した遊技球を上段クルーン102まで誘導する。
上段クルーン102には、遊技球が入球可能とされた転落領域102A、一般領域102B、および落下領域102Cが形成されている。上段クルーン102は、始動入賞口8に入賞し、上段誘導路101によって誘導された遊技球を、これらの領域102A〜102Cのいずれかに入球するように振り分ける。転落領域102Aには、図示しない転落領域検出スイッチが設けられており、転落領域102Aに遊技球が入賞することにより、転落領域検出スイッチが遊技球を検出する。転落領域検出スイッチは、遊技球の転落領域への入賞を検出すると、検出信号を主制御回路30に出力する。
落下領域102Cに入球した遊技球は、下段誘導路103へ案内される。下段誘導路103は、落下領域102Cに入球した遊技球を下段クルーン104まで誘導する。下段クルーン104には、確変領域104Aおよび一般領域104Bが形成されている。確変領域104Aには、確変領域検出スイッチが設けられており、確変領域104Aへの遊技球の入賞を検出する。確変領域検出スイッチは、確変領域104Aへの遊技球の入賞を検出したら、検出信号を主制御回路30に出力する。
また、振分け装置100は、透明な蓋部105を備えており、この蓋部105内に上段誘導路101、上段クルーン102、下段誘導路103、および下段クルーン104が設けられている。蓋部105が透明であることにより、上段クルーン102および下段クルーン104における振分け状況が遊技者から視認可能となっている。
以上の構成を有する本実施形態に係るパチンコ遊技機においては、始動入賞口8に入賞した遊技球について、上段クルーン102において、転落判定のための抽選が行われる。また、確変領域104Aは下段クルーン104に形成されており、下段クルーン104には、落下領域102Cに入球し、転落判定のための抽選に外れた遊技球が誘導される。このため、上段クルーン102での転落判定を経た後でなければ確変判定のための抽選を受けることができない。したがって、確変遊技状態中、次の大当り遊技状態終了後に確変遊技状態に移行するための確変移行判定を受けるためには、転落移行判定を受けなければならなくなるので、確変遊技状態中の興趣向上を図ることができる。
しかも、クルーン102,104が設けられる蓋部105は透明であるため、クルーン102,104による振分け状況を遊技者に視認させることができる。したがって、振分け装置100における遊技球の挙動を遊技者に注目させることができ、特定遊技状態中における転落判定や確変移行判定のための抽選過程を遊技者に楽しませることができる。
続いて、本発明の第五の実施形態について説明する本実施形態は、上記第一の実施形態と比較して、振分け装置の構造が主に異なっており、その他の点については、上記第一の実施形態と同様の構成を有している。図40は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図、図41は、本実施形態に係るパチンコ遊技機における振分け装置の斜視図である。
図40に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、第一始動入賞口110および第二始動入賞口111を備えている。第一始動入賞口110は、遊技領域の右側上部に設けられており、第二始動入賞口111は、遊技盤面を左右に仕切る中心線のやや左側であって、高さ方向の中央部に設けられている。
第一始動入賞口110の左側上部には、上記第一の実施形態と同様の普通図柄作動ゲート10が設けられている。第一始動入賞口110には、1対の羽根110aが設けられており、上記第一の実施形態と同様、普通図柄作動ゲート10を遊技球が通過することで行われる普通図柄の当り判定に当選した場合に、1対の羽根110aが所定秒数の間開放する。また、第一始動入賞口110の上部には、入賞阻止部材112が設けられている。この入賞阻止部材112によって第一始動入賞口110への遊技球の入賞が阻止され、羽根110aが閉じた状態では、遊技球が第一始動入賞口110へ入球不能とされている。また、第二始動入賞口111には、羽根が設けられておらず、第二始動入賞口111への入賞割合が一定とされている。第一始動入賞口110および第二始動入賞口111には、それぞれ第一始動入賞口スイッチ110Sおよび第二始動入賞口スイッチ111Sが設けられており、始動入賞口110,111に遊技球が入賞することにより、始動入賞口スイッチ110S,111Sが遊技球を検出する。始動入賞口スイッチ110S,111Sが遊技球を検出すると、主制御回路30におけるメインCPU31では、大当り判定するための大当り乱数等の抽出を行う。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機には、2段式の振分け装置120が設けられている。振分け装置120は、図41に示すように、上段誘導路121、上段クルーン122、下段誘導路123、下段クルーン124、および下段直接誘導路125を備えている。
上段誘導路121は、第一始動入賞口110に入賞した遊技球を上段クルーン122まで誘導する。上段クルーン122には、遊技球が入球可能とされた一般領域122A、および落下領域122Bが形成されている。上段クルーン122は、第一始動入賞口110に入賞し、上段誘導路121によって誘導された遊技球を、これらの領域122A,122Bのいずれかに入球するように振り分ける。
落下領域122Bに入球した遊技球は、下段誘導路123へ案内される。下段誘導路123は、落下領域122Bに入球した遊技球を下段クルーン124まで誘導する。下段クルーン124には、転落領域124A、および一般領域124Bが形成されている。転落領域124Aには、転落領域検出スイッチが設けられており、転落領域124Aへの入賞を検出する。転落領域検出スイッチは、転落領域124Aへの遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御回路30に出力する。
以上の構成を有する本実施形態に係るパチンコ遊技機においては、第一始動入賞口110に入賞した遊技球は、上段クルーン122に誘導され、第二始動入賞口111に入賞した遊技球は下段クルーン124に誘導される。また、上段クルーン122に誘導された遊技球は、複数の領域のうちから落下領域に振り分けられて入球することにより、下段クルーン124へと誘導される。このため、第一始動入賞口110に入賞した方が、第二始動入賞口111に入賞した場合よりも、転落領域124Aに入賞する確率が高くなる。このため、確変遊技状態中、転落領域124Aへの入賞を望まない遊技者は、第二始動入賞口111を狙って遊技球の発射操作を行う。したがって、遊技者に対して、発射操作による技術介入性を与えることができ、遊技の興趣向上に寄与することができる。
また、本実施形態では、下段クルーンに転落領域および一般領域のほかに確変領域を形成することもできるし、転落領域や確変領域に代えて特別領域を形成することもできる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記第一の実施形態では、クルーンに転落領域、確変領域、および一般領域を形成しているが、転落領域と一般領域のみ、または転落領域と確変領域のみを形成する態様とすることができる。また、上記各実施形態では、クルーンには3つの入球可能領域が形成されているが、2つまたは4つ以上の入球可能領域を形成することもできる。さらに、転落領域、確変領域、および特別領域などはそれぞれ単数のみ形成されているが、これらの入球可能領域をそれぞれ複数形成することもでき、それらの組み合わせは任意に行うことができる。
また、上記実施形態では、特定遊技領域として確変領域を設定し、大当り遊技状態が終了した後は、所定回数の時短遊技状態に移行するとともに、確変領域に遊技球が入賞した場合には確変遊技状態に移行するようにしているが、これに代えて、大当り遊技状態が終了した後に、時短遊技状態に移行する時短領域を設定することもできるし、確変遊技状態と時短遊技状態のいずれかまたは両方に移行する態様とすることもできる。さらに、上記実施形態では、確変遊技状態中に転落領域に遊技球が入賞した場合には、必ず通常遊技状態に移行するようにしているが、確変遊技状態中に転落領域に遊技球が入賞した際に、メインCPU31などによる転落抽選が行われる態様とすることもできる。
また、上記実施形態では、時短遊技状態と確変遊技状態とは無関係に進行するものであるが、両者の遊技状態に関係を持たせ、たとえば時短遊技状態が終了するまで確変遊技状態は終了しない態様としたり、逆に確変遊技状態が終了するまで時短遊技状態が終了しない態様としたりすることもできる。あるいは、確変遊技状態に移行する際には、必ず時短遊技状態に移行する態様としたり、通常遊技状態に移行する際には、必ず非時短遊技状態に移行する態様としたりすることもできる。さらには、大当り遊技状態の種類として、時短大当り遊技状態および通常大当り遊技状態のほか、確変領域への入賞とは無関係に、大当り遊技状態が終了した後、確変遊技状態に移行する確変遊技状態を設定することもできる。
さらに、上記第四および第五の実施形態では、上段クルーンと下段クルーンを上下に配置するとともに、上段クルーンに落下領域を設けて、この落下領域に入球した遊技球が下段領域に誘導されるようにしている。これに対して、たとえば二つのクルーンを並設し、一方のクルーンに入球可能領域としてクルーン間移動領域を形成するとともに、クルーン間移動領域に移動装置を設け、この移動装置によって他方のクルーンに移動させる態様とすることもできる。
また、上記実施形態では、振分け装置としてクルーンを用いているが、他の振分け装置たとえば複数の入球可能領域が設けられたステージを有し、このステージが回転する回転振分け装置や、フィギア形の役物を用いて、この役物の動作によって振分けを行う振分け装置などを用いることもできる。
本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機を正面側から示す斜視図である。 図1に示すパチンコ遊技機の分解斜視図である。 図1に示すパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図である。 図1に示す遊技盤の正面図である。 振分け装置の斜視図である。 パチンコ遊技機の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。 特別図柄決定テーブルを示す図である。 変動パターンテーブルを示す図である。 確変有効時間決定テーブルを示す図である。 表示パターンテーブルを示す図である。 特別演出パターンテーブルを示す図である。 電源を投入したあとに主制御回路により繰返し実行されるメイン制御処理の手順を示すフローチャートである。 特別図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。 特別図柄記憶チェック処理の手順を示すフローチャートである。 特別図柄変動時間管理処理の手順を示すフローチャートである。 特別図柄表示時間管理処理の手順を示すフローチャートである。 大当り開始インターバル管理処理の手順を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理の手順を示すフローチャートである。 大入賞口内残留球監視処理の手順を示すフローチャートである。 大入賞口再開放前待ち時間管理処理の手順を示すフローチャートである。 大当り終了インターバル処理の手順を示すフローチャートである。 特別図柄ゲーム終了処理の手順を示すフローチャートである。 普通図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。 メイン制御処理に割込むシステムタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。 信号入力処理の手順を示すフローチャートである。 特別図柄始動入賞口入賞処理の手順を示すフローチャートである。 確変領域入賞処理の手順を示すフローチャートである。 転落領域入賞処理の手順を示すフローチャートである。 副制御回路により繰返し実行されるサブ制御処理の手順を示すフローチャートである。 副制御回路におけるコマンド受信割込処理の手順を示すフローチャートである。 コマンド解析制御処理の手順を示すフローチャートである。 特別図柄ゲームにおいて確変領域検出演出として表示される内容を時系列的に示す図であり、(a)は確変領域検出演出を開始した状態、(b)は大当り時の確変領域検出演出の終盤の表示状態、(c)ははずれ時の確変領域検出演出の終盤の表示状態を示している。 特別図柄ゲームにおいて転落領域検出演出として表示される内容を時系列的に示す図であり、(a)は転落領域検出演出を開始した状態、(b)は大当り時の転落領域検出演出の終盤の表示状態、(c)ははずれ時の転落領域検出演出の終盤の表示状態を示している。 第二の実施形態に係る振分け装置の斜視図である。 第二の実施形態に係るパチンコ遊技機の内部の構成を中心に示すブロック構成図である。 第二の実施形態における入力信号処理の手順を示すフローチャートである。 第二の実施形態における特別領域入賞処理の手順を示すフローチャートである。 第三の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。 第四の実施形態に係るパチンコ遊技機における振分け装置の斜視図である。 第五の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。 第五の実施形態に係るパチンコ遊技機における振分け装置の斜視図である。
符号の説明
1…パチンコ遊技機、4…遊技盤、8…始動入賞口、9…振分け装置、9B…クルーン、9C…転落領域、9D…確変領域、9F…蓋部、11…大入賞口、16…液晶表示装置、16a…表示領域、21…主制御基板、22…副制御基板、30…主制御回路、31…メインCPU、40…副制御回路、41…サブCPU、50…画像制御回路、60…音声制御回路、70…ランプ制御回路、80…払出・発射制御回路。

Claims (2)

  1. 遊技球が入球可能な始動入賞口と、
    前記始動入賞口への遊技球の入球を検出する始動入賞口検出手段と、
    前記始動入賞口検出手段によって前記始動入賞口への入球が検出された際に、遊技状態を遊技者にとって有利な大当り遊技状態へ移行させる大当り判定を行う大当り判定手段と、
    前記始動入賞口検出手段によって前記始動入賞口への入球が検出された遊技球を、遊技状態移行領域と前記遊技状態移行領域と異なる一般領域とを備える入球可能領域の間で振り分けるとともに、振分け状況を視認可能とされた振分け装置と、
    前記遊技状態移行領域への遊技球の入球を検出する遊技状態移行領域検出手段と、
    前記遊技状態移行領域検出手段によって前記遊技状態移行領域への遊技球の入球が検出されたことに基づいて、遊技状態を前記大当り遊技状態に移行しやすい特定遊技状態から、前記特定遊技状態よりも前記大当り遊技状態に移行しにくい通常遊技状態へ移行させる遊技状態移行手段と、
    遊技状態が特定遊技状態にあるか否かを検出する遊技状態検出手段と、
    を備え
    前記遊技状態移行手段は、前記遊技状態検出手段によって遊技状態が特定遊技状態にあると検出されるとともに前記遊技状態移行領域検出手段によって前記遊技状態移行領域への遊技球の入球が検出されることに基づいて、遊技状態を特定遊技状態から通常遊技状態へ移行させ、前記遊技状態検出手段によって遊技状態が特定遊技状態以外の遊技状態にあると検出されるとともに前記遊技状態移行領域検出手段によって前記遊技状態移行領域への遊技球の入球が検出されることに基づいて、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態を特定遊技状態に移行させることを特徴とする遊技機。
  2. 前記入球可能領域には、前記遊技状態移行領域とは異なる特定遊技領域が備えられ、
    前記特定遊技領域への遊技球の入球を検出する特定遊技領域検出手段と、
    前記特定遊技領域検出手段によって前記特定遊技領域への遊技球の入球が検出されたことに基づいて、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態を特定遊技状態に移行させる特定遊技状態移行手段と、をさらに備える請求項1に記載の遊技機。
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