以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図24は、本発明の実施の形態に係る遊技機を示している。
本実施の形態に係る遊技機1は、遊技盤2に形成された遊技領域17に遊技球を発射してゲームを行うパチンコ機である。なお、遊技機1には、有価価値カードの挿入により、遊技球を貸し出すためのカードユニット(CR球貸機)b(図12参照)が付設されている。
先ず、遊技機1全体の概要を説明する。
図1は、遊技機1全体を示す正面図である。本遊技機1は、発射された遊技球が落下しゲームを進行させる各種部品が取り付けられた遊技盤2と、遊技盤2の正面を覆うガラスを固定するガラス枠11と、特定遊技状態の発生を点灯によって報知する遊技機状態ランプ422等を有している。なお、ガラス枠11には、装飾装置であるランプ・LED等が組み付けられている。
前記ガラス枠11の下方には、遊技球である貸球や賞球を貯留する上受け皿3と、上受け皿3から溢れた遊技球を貯留する下受け皿4と、上受け皿3に貯留した遊技球を抜き出すための上受け皿球抜きレバー7と、下受け皿4に貯留した遊技球を抜き出すための下受け皿球抜きレバー8と、遊技球の発射操作を遊技者が行うためのハンドル5等が設けられている。
図2は、遊技盤2上の遊技領域17を示す正面図であり、図3は、遊技盤2上の遊技領域17を示す斜視図である。遊技盤2の正面には、発射された遊技球を遊技領域17へ導くための誘導レール16と、遊技領域17に導かれた遊技球の流れに変化を与えるための遊技釘や風車(図示せず)と、各種の入賞口と、普通図柄作動ゲート26と、特別図柄表示を行う特別図柄表示装置320と、特別図柄表示に対応させる可変表示遊技を実行する可変表示装置310と、普通図柄表示を行う普通図柄表示装置140等が設けられている。
可変表示装置310は、遊技領域17の略中央に配設され、該可変表示装置310の直ぐ上側に、可変表示装置310の表示遊技に連動して演出動作を行う可動式の演出装置400が配設されている。可変表示装置310および演出装置400は、遊技領域17上にて最も大きな配置スペースを占める役物である。可変表示装置310の表示部311の前側には遊技球転動部330が設けられている。なお、演出装置400は、必ずしも表示遊技に連動して演出動作を行うような可動式の装置である必要はなく、表示遊技とは無関係の動作を行う役物や、全く動作しない役物であっても良い。
また、遊技領域17には、その上端付近から前記誘導レール16と反対側の一側端に沿うようにレール状に延びる遊技球誘導部材18aと、該遊技球誘導部材18aの外側を流下した遊技球を中央下方付近に導くための遊技球誘導樋18bとが設けられている。遊技球誘導部材18aは、前記誘導レール16と略同一高さのフランジ状に突設され、遊技球が転動・流下する割合が低い領域(図2中で遊技領域17の右半分)に設けられている。遊技球誘導部材18aの内側には、遊技球が流下することがなく、前記演出装置400の一部を成す装飾部材が配されている。
前記各種の入賞口としては、第1始動入賞口21a、第2始動入賞口21b、上袖入賞口22a、下袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23b、大入賞口24等がある。遊技球が各種入賞口に入賞すると、それぞれ付設されたスイッチにより検出される。スイッチとしては、図12、図13に示すように、第1始動入賞口スイッチ121a、第2始動入賞口スイッチ121b、上袖入賞口スイッチ122a、下袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123b等が、それぞれの入賞口内部ないし経路上に設置されている。また、大入賞口24の内部には、カウントスイッチ125が設置されている。さらに、普通図柄作動ゲート26の内部には、普通図柄作動ゲートスイッチ126が設置されている。
前記スイッチによって遊技球が検出されると、検出される度に入賞口ごとに割り当てられた所定数の賞球の払い出しが行われる。本実施の形態では、第1始動入賞口21a、第2始動入賞口21bには5個、上袖入賞口22a、下袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23bにはそれぞれ8個、大入賞口24には15個と、賞球数が割り当てられている。ただし、前記普通図柄作動ゲート26は通過ゲートであり、遊技球が通過しても賞球の払い出しはない。なお、遊技盤2の最下部には、遊技領域17内の何れの入賞口にも入らずに落下した遊技球を、外部に排出するためのアウト口29が設けられている。
次に、遊技盤2上の主要な構成要素について、さらに詳細に説明する。
本実施の形態では、遊技球の入賞により前記表示遊技の表示開始条件を付与可能な複数の始動入賞口として、可変表示装置310の下側に設けられた一の始動入賞口である第1始動入賞口21aと、後述する遊技球転動部330に設けられた他の始動入賞口である第2始動入賞口21bとを有している。
前記第1始動入賞口21aは、一般に始動チャッカーと称されるものであり、図2に示すように、第1始動入賞口21aの左右両端に一対の可動片が揺動可能に設けられている。各可動片は、普通電動役物ソレノイド136(図13参照)によって拡縮動作する。第1始動入賞口21aは、各可動片の拡縮動作により、遊技球が入賞し難い縮状態と入賞し易い拡状態とに作動する普通電動役物として構成されている。
第1始動入賞口21aの各可動片は、前記普通図柄表示装置140における普通図柄表示の表示結果に基づき作動する。図2に示す普通図柄表示装置140は、上下2つのLEDの点灯によって普通図柄表示を行い、上側のLEDが「当たり」、下側のLEDが「外れ」と割り当てられている。普通図柄表示の結果が「当たり」に相当すると、前記第1始動入賞口21aの各可動片が、通常の縮状態から拡状態に所定時間の経過または所定個数の遊技球が入賞するまで作動する。なお、前記2つのLEDの点灯以外にも普通図柄表示として、7セグメント表示器を使用したり、可変表示装置310の表示領域の一部に表示しても良い。
普通図柄表示装置140では、前記普通図柄作動ゲートスイッチ126により遊技球の通過が検出されると、普通図柄表示の権利が獲得されて、該権利に基づいて普通図柄表示が行われる。普通図柄表示が開始されると、前述した上下2つのLEDが交互に点滅し、所定時間が経過すると点滅が停止して、上下何れか一方が点灯表示により選択され、この表示結果を遊技者は目視により確認することができる。なお、普通図柄作動ゲートスイッチ126は、例えば、光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すれば良い。
普通図柄表示装置140における普通図柄表示の実行中に、普通図柄作動ゲートスイッチ126によって遊技球の通過が検出された場合は、普通図柄表示装置140における普通図柄表示の権利を獲得するが保留とされ、現在進行中の普通図柄表示が終了した後、保留にされた権利が順次消化される。普通図柄表示の保留数は、例えば上限値4個であり、普通図柄表示装置140の両側にある普通図柄保留LED421の4個のLEDの個々の点灯によって報知される。
第1始動入賞口21aに遊技球が入賞することが、次述する可変表示装置310で表示遊技が実行されるための「表示開始条件」として設定されている。第1始動入賞口21aの内部にある第1始動入賞口スイッチ121aによって遊技球の入賞が検出されると、可変表示装置310において表示遊技を実行する権利が獲得され、該権利に基づき表示遊技が実行される。なお、第1始動入賞口スイッチ121aは、例えば、光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すれば良い。
前記可変表示装置310は、液晶ユニットからなる表示部311を有している。表示部311は、表示遊技の結果に関わる識別情報等の各種画像を変動表示するものである。なお、表示部311は液晶ユニット以外にも各種画像を表示可能なものであれば良く、他に例えば、CRT(陰極線管)表示器、有機ELディスプレー表示器等を採用して構成してもかまわない。
表示遊技は、前記表示開始条件の成立に基づき開始され、基本的には表示部311に、左側の第1図柄、右側の第2図柄、中央の第3図柄と横3列に識別情報である各種図柄が表示され、各列ごとに識別情報がスクロール変動する。変動開始から所定時間が経過すると、各列ごとに1つずつ任意の識別情報が停止確定する。表示遊技の実行中には、識別情報の変動表示に合わせて、キャラクタ画像や背景画像等も表示部311に適宜表示される。なお、変動表示する識別情報の数は横3列に限られるものではなく、他に例えば、縦横に複数ずつ並べてマトリックス状に変動表示させても良い。
前記表示遊技に関して、その開始から表示結果が導出されるまでの演出表示態様には、変動時間や表示内容がそれぞれ異なる複数種類の変動パターンが予め用意されている。各変動パターンごとに、表示遊技の表示結果として特定表示態様が導出されることに対する信頼度が互いに異なるように設定されている。各変動パターンは、後述する主基板1100から送信される制御コマンドに基づき演出制御基板1300により表示制御される。なお変動パターンの種類に応じて、前記演出装置400の演出動作を異なるように設定すると良い。
前記演出表示態様の何れの変動パターンに関しても、前記表示遊技の表示結果として、停止確定した識別情報が、予め定めた特定の組み合わせ(例えば「333」等と全て同一種類に揃った状態)となった場合が「特定表示態様(大当たり)」と定められている。また、特定表示態様が確定する前に、特定表示態様となる識別情報の組み合わせのうち、1つの識別情報を除く他の識別情報が特定表示態様となる組み合わせとなり、前記1つの識別情報が未確定である状態が「リーチ表示態様」に相当する。
前記表示遊技の表示結果が最終的に特定表示態様に確定すると、後述する大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が実行されるように設定されている。一方、表示遊技の表示結果が、最終的に前記特定表示態様に確定しなかった場合は、「外れ表示態様(ハズレ)」に該当し、特別遊技状態は実行されない。なお、表示遊技に用いる識別情報は、0〜9の数字や記号等の単純な図柄に限定されるものではなく、例えば特定のキャラクタを模したものを用いても良い。
また、前記表示遊技の表示結果が、識別情報のうち確変図柄(例えば奇数図柄「1」、「3」、「5」、「7」、「9」)の何れかで全て同一種類に揃う特定表示態様(確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴う特別遊技状態が発生することになる。すなわち、確変図柄で揃った特定表示態様(確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、次回の特別遊技状態が発生するまで、表示遊技の表示結果が特定表示態様に確定する大当たり確率が高確率に変化する。
このように、通常の遊技状態(低確率状態)に比べて、特定表示態様に確定する大当たり確率が高まった遊技状態が、高確率状態(または「確変状態」、「確変モード」とも言う。)である。また、高確率状態中には、可変表示装置310における表示遊技の変動時間が短縮される時間短縮状態(または「時短状態」、「時短モード」とも言う。)も併せて発生するように設定されている。さらに、本実施の形態における時間短縮状態では、前記普通図柄表示装置140における普通図柄表示の変動時間も短縮されるように設定しても良い。
一方、前記表示遊技の表示結果が、識別情報のうち非確変図柄(例えば偶数図柄「0」、「2」、「4」、「6」、「8」)の何れかで全て同一種類に揃う特定表示態様(非確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴わない特別遊技状態が発生することになる。ここで、非確変図柄で揃った特定表示態様(非確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)を限度に、次回以降の表示遊技および普通図柄表示における変動時間が短縮されるように設定しても良い。
前記表示遊技の実行中あるいは前記特別遊技状態の発生中に、前記表示開始条件が成立した場合には、表示遊技を実行する権利が保留として獲得され、現在進行中の表示遊技等が終了した後、保留されていた権利が順次消化されるようになっている。前記表示遊技の保留数は、例えば最大で4個と設定されており、実際の保留数は遊技者が目視で確認できるように、特別図柄保留LED420のLEDの個々の点灯によって報知される。
また、特別図柄保留LED420では、その点灯するLEDの組み合わせにより、前記表示遊技の保留数の他、例えば、特定遊技状態中あるいは高確率状態中であるか否か等の遊技状態を表示できるようにしても良い。なお、特別図柄保留LED420の構成を省いて、可変表示装置310に保留球数を表示するようにしてもかまわない。
前記特別図柄表示装置320は、前記可変表示装置310で実行される表示遊技の表示結果の元となる大当たり判定結果、および確率変動大当たりまたは非確率変動大当たりの区別が可能な特別図柄を、前記表示遊技の実行に対応させて同時に変動表示するものであり、例えば、7セグメントLED等を利用して構成されている。特別図柄表示装置320における特別図柄表示の実行に併せて、前記可変表示装置310における表示遊技が実行されることになる。
前記大入賞口24は、一般にはアタッカーと称されるものであり、大入賞口ソレノイド134(図12、図13参照)の作動により、遊技球が入賞し易い開状態(入賞可能状態)と、遊技球が入賞できない通常の閉状態(入賞不可能状態)とに変化するように構成されている。なお、大入賞口24の入賞口を開閉する扉は、その下端を揺動中心として前方に傾倒することで開くようになっている。
大入賞口ソレノイド134は、前記特別遊技状態が成立した際に大入賞口24の扉の開閉動作を行うために作動する。すなわち、大入賞口24は、前記表示遊技の表示結果が特定表示態様となった場合に、特別遊技状態を形成するように開閉制御される。ここで特別遊技状態は、大入賞口24の扉が開いて遊技球が入賞し易い開状態となり、所定時間(例えば30秒)の経過または遊技球の所定個数(例えば10個)の入賞により扉が閉鎖されて入賞し難い閉状態となる動作を、所定の回数(例えば15回)を上限に繰り返す状態である。
図3に示すように、前記可変表示装置310および前記演出装置400は、遊技領域17の表面より奥行方向の後側に配設されている。遊技盤2には、可変表示装置310および演出装置400を収納して前方より視認することができる開口部が設けられており、該開口部の内側に遊技領域17の表面よりも前方に突出しない状態で、可変表示装置310および演出装置400が配設されている。また、前記開口部の外周に沿って、遊技領域17の表面上に突出し、可変表示装置310の表示部311の前面側周囲を縁取る窓枠構造を成すセンターケース350が設けられている。
センターケース350は、可変表示装置310を取り囲むように形成され、該センターケース350に演出装置400は一体に取り付けられている。前記表示部311の下辺部は、センターケース350の下辺部に一体成形された遊技球転動部330によって縁取られている。また、後述するがセンターケース350には、遊技領域17を流下する遊技球を受け入れて、遊技球転動部330に遊技球を流出させるワープ通路360等も設けられている。
次に、本発明の主要な構成である遊技球転動部330について説明する。
図5は、遊技球転動部330の上面を示す遊技盤2の横断面図であり、図6(a),(b)は、遊技球転動部330を左右別々の角度から見た斜視図である。遊技球転動部330は、前記可変表示装置310の表示部311の下側にて、該表示部311の下辺部を縁取るように配設されている。遊技球転動部330は、遊技領域17からセンターケース350内に受け入れられた遊技球が左右方向に転動可能な転動面331と、該転動面331上の遊技球を第1始動入賞口21aへ導出可能な導出部332とを有している。
図5、図6に示すように、転動面331の中央は、第1始動入賞口21aの真上位置に配されており、当該位置における転動面331の前端縁に沿ったフランジ縁が一部切り欠かれて、第1始動入賞口21aへ遊技球を導出可能な溝状の導出部332を成している。また、転動面331上における導出部332の後方に、第2始動入賞口21bが開設されている。第2始動入賞口21bは、前記第1始動入賞口21aとは別に、遊技球が入賞することにより、前述した可変表示装置310で表示遊技が実行されるための「表示開始条件」を成すものである。
図4に示すように、遊技盤2の背面側において、前記遊技球転動部330の下側には、第2始動入賞口21bに入賞した遊技球を下方へ導くための遊技球排出路19が設けられている。また、遊技球排出路19の上流側には、第2始動入賞口21bに入賞した遊技球を検出する第2始動入賞口スイッチ121bが設けられている。第2始動入賞口スイッチ121bは、例えば、光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すれば良い。なお、第2始動入賞口21bには、前記普通電動役物ソレノイド136により拡縮動作する各可動片は設けられておらず、丸孔として常に開口している。
転動面331上において第2始動入賞口21bの近傍には、第1始動入賞口21aや第2始動入賞口21bへの遊技球の入賞を抑制するための規制部334が設けられている。規制部334は、転動面331上において前記第2始動入賞口21bの後端より前記表示部311側に近接する位置に設けられ、該表示部311側より第2始動入賞口21bの略中心に向かうに従い、左右方向の横幅が拡がると共に高さが高くなるように傾斜した山型状に形成されている。
転動面331の両端側は、それぞれ中央に向かい下方へ傾斜した一対の傾斜端面333,333を成している。また、転動面331における前記導出部332の左右には、遊技球を落下させるための一対の誘導溝335,335が所定位置に設けられている。すなわち、前記導出部332、第2始動入賞口21b、および規制部334が前後に並ぶ転動面331の中央と、両端側の各傾斜端面333との間の部分には、それぞれ中央よりも低くなるように下方に緩やかに湾曲しており、該湾曲した底位置に、前方に拡がるように傾斜した窪みが形成されて一対の誘導溝335,335を成している。
このような転動面331は、その左右方向の全長に亘って前後幅方向に遊技球が1個は転動可能かつ2個は並列不能な前後幅に設定されている。具体的には例えば、転動面331の前後幅は、遊技球の直径の1.5倍程度に設定すると最適である。また、転動面331の前記フランジ縁の下側に連なるように規制部材370が一体に設けられている。規制部材370は、前記導出部332から遊技球が落下する落下面において、前記第1始動入賞口21aへの遊技球の入賞を抑制するための部材である。
本実施の形態では、規制部材370は、センターケース350の下辺側を飾るための装飾部材として形成されている。また、規制部材370は、前記各誘導溝335より遊技球が落下する落下面まで位置するように設けられている。また、転動面331の後端縁に沿って、後方の壁面を成す立壁面336が設けられている。さらに、立壁面336の上端縁に沿って、前記可変表示装置310の表示部311の下辺側に当接する突出壁337が後方に折曲するように設けられている。
また、前記遊技球転動部330に関連して、前記センターケース350の一側部(図3中で左側下方部分)には、前記転動面331に遊技球を流出させるワープ通路360が設けられている。ワープ通路360は、可変表示装置310の側方における遊技領域17を流下する遊技球を受け入れて、転動面331に遊技球を流出させる遊技球の経路を成している。
ワープ通路360は、センターケース350に一体に設けられており、センターケース350の一側部に開設された遊技球入口361と、遊技球を転動面331に流出させる遊技球出口362とを有している。なお、ワープ通路360が設けられているセンターケース350の一側部のうち、少なくともワープ通路360に正面から重なる部分は、遊技球の動きを視認することができるように、半透明または透明の合成樹脂等の透光性材質によって形成されている。
次に、遊技機1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
図12は、遊技機1の制御に用いられる各種制御基板およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。図12に示すように、本実施の形態では制御基板として、主基板1100、演出制御基板1300、払出制御基板200、発射制御基板600、電源基板2700等を有している。主基板1100は、遊技機1全体の制御を掌る制御基板であり、演出制御基板1300は、可変表示装置310の表示制御、LED・ランプの点灯制御、演出装置400のモータ制御、スピーカー180の音声制御をそれぞれ統括して行う制御基板である。
特に、演出制御基板1300は、主基板1100から受信したデータ(確変・時短・低確率を示す確率情報、表示遊技の実行権利を獲得した始動入賞口21a,21bの種類)に基づいて、各始動入賞口21a,21bに対する入賞ごとの入賞割合を算出して表示する機能を有している。かかる機能では、低確率時のみの各始動入賞口21a,21bへの入賞に基づいて、各始動入賞口21a,21bごとの入賞割合を算出・表示するように設定されている。ここで各始動入賞口21a,21bごとの入賞割合は、前記可変表示装置310の表示部311や、あるいは別途設けた表示部に表示すると良い。
始動入賞口21a,21bごとのスタート回数(表示遊技の実行回数)を表示するよりも、後述する図21に示すスタート割合算出処理において算出される入賞割合(「第1始動入賞口21aの入賞割合」、「第2始動入賞口21bの入賞割合」)を表示することで、どちらの始動入賞口21a,21bにどれ位の入賞があったかをイメージし易くなる、という効果がある。また、所定操作により、始動入賞口21a,21bごとの入賞割合を表示するように構成すると、遊技者や従業員の所望するタイミングで、始動入賞口21a,21bごとの入賞割合を表示することができる。
ここで所定操作としては、具体的には例えば、押ボタン式の設定手段100を外部入力スイッチとして設けること等が考えられる。本実施の形態では、図1に示すように、設定手段100を上受け皿3の縁に設けている。この設定手段100は、図14に示すように、演出制御基板1300に接続されている。なお、設定手段100は押ボタン式のものに限られることなく、他に例えば、可変表示装置310の画面やガラス枠11内のガラス面上にタッチパネルとして構成しても良い。
このような演出制御基板1300における機能は、次のような従来の問題点に基づき付加されたものである。すなわち、従来の遊技機においては、始動入賞口が複数あっても、全ての始動入賞口のスタート回数の合算を、遊技機上部に設けた呼び出しランプの表示部等に表示していた。このため、遊技者は、どの始動入賞口にどれ位の入賞があったかを知ることができなかったため、各始動入賞口のうち、何れの始動入賞口へ遊技球を入賞させた方が有利か(入賞し易いか)を知ることができなかった。
また、遊技店の従業員は、各始動入賞口の近傍の釘調整を行う場合でも、全ての始動入賞口のスタート回数の合算に基づき釘調整を行わなければならないため、複数の始動入賞口を備えた遊技機の特性を活かすことができない場合があった。
本実施の形態に係る遊技機1により、前記スタート割合算出処理において算出される入賞割合を表示することにより、前述した従来の問題点を解決することができる。
ところで、スタート割合算出処理に関わるデータ処理として、主基板1100ないし演出制御基板1300により、以下のような機能も付加すると良い。先ず、データリセットに関する機能として、「第1始動入賞口21a入賞回数」、「第2始動入賞口21b入賞回数」、「第1始動入賞口21aの入賞割合」、「第2始動入賞口21bの入賞割合」は、遊技機1の電源がOFFになった時に、リセットするように設定する。これにより、営業日ごとのデータに基づいて、釘調整を行うことが可能となる。
また、バックアップに関する機能として、遊技機1の電源をOFFした時に、データをバックアップ可能とし、次(翌営業日)に遊技機1の電源をONすると、バックアップデータの有無をチェックし、バックアップデータがある場合に、バックアップデータに基づいて各始動入賞口21a,21bごとの入賞割合を表示するように設定する。また、バックアップデータのリセット条件が成立した場合に、バックアップデータをリセットするように設定する。これにより、翌営業日の営業開始前に釘調整を行うことが可能となる。なお、バックアップデータのリセット条件としては、遊技機1の電源OFFや、別途設けられたリセットボタンの操作等が考えられる。
また、入賞割合表示制限に関する機能として、入賞割合データ表示条件が成立した場合に、各始動入賞口21a,21bごとの入賞割合の表示が可能となるように設定すると良い。ここで入賞割合データ表示条件としては、例えば、ガラス枠11の開放中に、設定手段100による所定のボタン操作が行われた場合等が考えられる。この場合、主基板1100から演出制御基板1300に、ガラス枠開放検出スイッチ132のON/OFF情報も送信するように設定する。
これにより、従業員だけがデータを見ることが可能となる。また、営業開始前にバックアップデータに基づいて釘調整をした後に、遊技機1の電源OFF等を忘れてしまった場合、前営業日の各始動入賞口21a,21bごとの入賞割合を遊技者に表示することになるが、バックアップデータを見られるのを従業員に限定するようにしたので、仮に、遊技機1の電源OFF等を忘れてしまったとしても、前営業日の各始動入賞口21a,21bごとの入賞割合を遊技者に表示することを防止することができる。
また、複数日分のバックアップに関する機能として、前述した入賞割合表示制限に関する機能に加え、複数日分のバックアップを記憶可能に設定すると良い。これにより、釘調整が正しく行われたかの確認が容易になる。また、入賞割合表示制限を設けてあるので、バックアップデータをリセットしなくても良い。
また、バックアップデータの自動リセットに関する機能として、前述した入賞割合表示制限に関する機能に加え、バックアップデータに基づいて各始動入賞口21a,21bごとの入賞割合を表示してから所定時間(例えば1時間)が経過したり、遊技機1の電源ONから所定時間(例えば1時間)が経過すると、バックアップデータをリセットするように設定しても良い。
これにより、従業員の操作によりバックアップデータをリセットする手間が省けるようになる。また、バックアップデータに基づいて各始動入賞口21a,21bごとの入賞割合を表示してから所定時間が経過した後にバックアップデータをリセットするようにすると、釘調整前にバックアップデータがリセットされてしまうことを防止することができる。
また、不正な始動入賞に関する機能として、ガラス枠11が開いている時に、各始動入賞口21a,21bに入賞した回数は、各始動入賞口21a,21bの入賞割合を算出するデータから除外するように設定すると良い。これにより、遊技者が遊技を行う場合や、従業員が釘調整を行う場合のデータの信憑性を格段に高くすることができる。
また、データの外部出力に関する機能として、低確率時以外(高確率・特別遊技状態中)に各始動入賞口21a,21bへ入賞した全スタート回数と、ガラス枠11が開いている時に各始動入賞口21a,21bに入賞した回数を、図示省略したホールコンピュータへ出力するように設定すると良い。これにより、全スタート回数中に、不正に始動入賞口21a,21bへ入賞した回数や、従業員によるサービス球がどの位の割合であるかの把握が可能となる。この場合、始動入賞口21a,21b別のスタート回数も一緒に出力するように設定しても良い。
さらに、全スタート回数の表示に関する機能として、各始動入賞口21a,21bの入賞割合に加えて、全ての始動入賞口21a,21bのスタート回数の合算も表示するように設定しても良い。これにより、稼動状態も一緒に把握できるようになるので、各始動入賞口21a,21bの入賞割合の信憑性の判断基準として活用することができる。
図13は、主基板1100の詳細を示している。
主基板1100は、主基板1100内部のクロック回路1110が生成するクロックを基準に動作する。また、クロック回路1110が生成したクロックを内部タイマー1107で分周して得た一定時間間隔の割り込み信号をCPU1102に入力することで、一定時間ごとに該CPU1102でタイマー割り込み処理を実行する。CPU1102は、タイマー設定時間の間隔よりも短い時間で終了するように分割した処理を割り込みごとに実行することで一連の動作を遂行する。
第1始動入賞口スイッチ121a、第2始動入賞口スイッチ121b、普通図柄作動ゲートスイッチ126、上袖入賞口スイッチ122a、下袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bは、それぞれ遊技球の入賞を検出するためのスイッチであり、これらのスイッチからの入力信号は、入力インターフェイス回路1115aに入力される。カウントスイッチ125、シュート球切れスイッチ131、ガラス枠開放検出スイッチ132、オーバーフロースイッチ133からの各入力信号は、入力インターフェイス回路1115bに入力される。
入力インターフェイス回路1115a,1115bのアドレスは、CPU1102のアドレス空間にメモリマップドI/O方式で設定されている。CPU1102が出力するアドレス信号およびリード/ライトの制御信号を、CPU1102が出力するシステムクロックに従って、アドレスデコード回路1113でデコードすることによりチップセレクト信号を生成する。
前記チップセレクト信号にて、入力インターフェイス回路1115a,1115bがセレクトされると、第1始動入賞口スイッチ121a等からの各入力信号が各入力インターフェイス回路1115a,1115bを通じてデータバスに出力される。データバス上の各入力信号は、一定時間ごとに発生する割り込み信号によって、次の割り込み処理が実行されるまでの間に複数回検出されてチャタリング防止処理が行われた後、入力信号ごとに指定されたRAM領域(RAM1104)に記憶される。
第1始動入賞口スイッチ121a、第2始動入賞口スイッチ121bからの入力信号は5個賞球の賞球信号として、また上袖入賞口スイッチ122a、下袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bからの入力信号はそれぞれ8個賞球の賞球信号として、さらに、カウントスイッチ125からの入力信号は15個賞球の賞球信号として扱われ、それぞれのスイッチで検出された入賞個数が指定された各RAM領域に記憶される。またこれと同時に、賞球総数がCPU1102で演算処理され、指定のRAM領域に記憶される。なお、各入賞口に設けられたスイッチの賞球払い出し数は、固定となっているが、遊技機の仕様により払い出し個数を変更することができる。
その他、第1始動入賞口スイッチ121a、第2始動入賞口スイッチ121b、普通図柄作動ゲートスイッチ126からの入力信号に対してそれぞれ乱数値を取得し、これらの値がRAM領域の各乱数値記憶領域に記憶され、このデータを基にして、遊技機1の遊技状態や遊技演出等が設定され、各制御基板に遊技状態や遊技演出等のデータが順次出力される。各制御基板への出力データは、データバスの途中に設けたバッファ1114を通り、さらに出力データバスを通してラッチ回路1116a〜1116eに出力される。出力用のラッチ回路1116a〜1116eとCPU1102とを結ぶデータバスの途中に、バッファ1114を配置することでバス信号が一方向の流れになり、不正防止の対策となる。
始動入賞口スイッチ5個賞球RAM領域、上下袖入賞口スイッチ、左右落とし入賞口スイッチ8個賞球RAM領域、カウントスイッチ15個賞球RAM領域にデータがあることにより、CPU1102は、各賞球数に設定された8ビット賞球データを順次、データバス、出力データバスを通じてラッチ回路1116aに出力する。これと同調するように払出制御基板200に対する割り込み信号、ストローブ信号の制御信号をデータバス、出力データバスを通じてラッチ回路1116cに出力する。
メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路1113でデコードして得たチップセレクト信号がラッチ回路1116a、ラッチ回路1116cに順次出力されると、8ビット賞球データがラッチ回路1116aに、割り込み信号、ストローブ信号の制御信号がラッチ回路1116cにそれぞれラッチされ、8ビットパラレル賞球出力信号と割り込み信号、ストローブ信号の2ビットの制御信号で構成された出力信号が、払出制御基板200に賞球データとして出力される。
賞球データが入力された払出制御基板200は、球排出機構を制御して、入力された賞球データに対応した数の賞球排出を行う。実際に払い出された賞球総数はCPU1102で演算処理され、その値がRAM領域(RAM1104)の記憶データから減算処理され、リアルタイムに賞球総数のデータが更新される。また、排出賞球数の設定数ごとに出力信号がラッチ回路1116dに出力され、アドレスデコード回路1113のチップセレクト信号に同期して外部へパルス出力され、枠用外部端子板800を介して管理用コンピュータ(図示せず)等に出力される。
第1始動入賞口スイッチ121a、第2始動入賞口スイッチ121b、普通図柄作動ゲートスイッチ126の入力信号に対応した乱数値が格納されているRAM領域(RAM1104)に乱数値が記憶されている場合は、普通図柄表示装置140、可変表示装置310における表示の開始直前に前述した変動パターンコマンド等が決定され、該決定された変動パターンコマンド等を演出制御基板1300に送信すると共に、決定された情報をRAM領域(RAM1104)に記憶する。
普通図柄に係わる乱数値が記憶されている場合は、普通図柄表示装置140の普通図柄表示を実行するための表示制御データが生成され、表示制御データがCPU1102からデータバスを通じてラッチ回路1116eに出力される。そして、アドレスデコード回路1113からチップセレクト信号が出力されるごとに、前記普通図柄表示装置140において普通図柄表示が一定時間行われる。
普通図柄表示装置140の表示結果が当たりの場合には、前記第1始動入賞口21aの各可動片を拡開動作させる普通電動役物ソレノイド136の制動データが、CPU1102からラッチ回路1116eに出力されると共に、アドレスデコード回路1113からのチップセレクト信号に応じて、ラッチ回路1116eから一定時間出力されて普通電動役物ソレノイド136が制御される。それにより、第1始動入賞口21aが拡状態となり、遊技球が入賞し易い状態が発生する。
第1始動入賞口スイッチ121a、第2始動入賞口スイッチ121bに係わる乱数値が記憶されている場合は、可変表示装置310の表示遊技を行わせるため演出制御基板1300に、前記変動パターンコマンドとこれに対応して停止図柄を定める各停止図柄等に関するデータが、時系列にラッチ回路1116bを介して、演出制御基板1300へ演出出力データとして順次出力され、演出制御基板1300を制御する。また、LED・ランプの点灯演出や音声演出、モータ駆動制御も、それぞれ同調して実行されるようになっている。
特別遊技状態が発生する場合、大入賞口ソレノイド134の制御データがラッチ回路1116eに出力され、かつアドレスデコード回路1113からのチップセレクト信号がラッチ回路1116eに入力される。これによりラッチ回路1116eから大入賞口ソレノイド134の制御データが出力されて、大入賞口ソレノイド134が駆動され、大入賞口24が開閉状態となって遊技球を大入賞口24内に誘導可能となる。
大入賞口24内に配置されたカウントスイッチ125により、入賞した遊技球が計数される。カウントスイッチ125で計数されたデータの総合計数が所定の数量に到達すると、ラッチ回路1116eの出力データが変更され、大入賞口ソレノイド134が非能動状態になり、1回のラウンドが終了する。その後、未だ上限ラウンド回数に到達していない場合には、大当たりラウンドがさらに継続することになる。
遊技機1に電源が供給されると、電源基板2700よりリセット信号が供給され、主基板1100の各デバイスはリセット状態になる。その後システムリセット信号が非能動状態となり、各デバイスは能動状態に遷移する。システムリセット信号が非能動状態に信号変化すると、クロック同期・遅延回路1111による遅延処理により一定時間の経過後にワンチップマイコン1101へのリセット信号が非能動となる。これによりワンチップマイコン1101が稼動状態になり、主基板1100の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン1101の初期設定が行われる。
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板2700から停電検出信号がワンチップマイコン1101のNMI(ノンマスカブルインターラプト)1105に供給され、ワンチップマイコン1101において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間に亘って賞球検出データの検出を行った後、RAM1104に停電処理判定のデータを保存し、RAM1104の保護を行う。すなわち、電源電圧が低下することで、電源基板2700からRAM1104にバックアップ電源DC5VBBが供給され、RAM1104の記憶状態が保持される。
電源が次に供給された時、停電処理判定のデータの有無に基づき停電処理があったことを認識すると、ワンチップマイコン1101は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU1102はI/Oポート1106のデータを検出してRAM1104の初期化を行う。シュート球切れスイッチ131で球切れを検出した信号、およびオーバーフロースイッチ133で遊技機1の下受け皿4にて賞球の球詰まりを検出した信号は、入力インターフェイス回路1115bおよびデータバスを通じてワンチップマイコン1101に取り込まれる。
次に、図14に示す演出制御基板1300について説明する。
演出制御基板1300は、遊技領域17内に配設された可変表示装置310の表示遊技や、遊技盤2上に設置された各種LED・ランプの点滅、スピーカー180での音声、効果音、遊技機1の異常状態を知らせるための警告音等に関する制御、それにモータの駆動制御を行うものである。なお、ここでのモータは、前記演出装置400の演出動作を行うための駆動手段であるモータが該当する。
演出制御基板1300は、マイクロコンピュータ1301を動作させるクロック発信器1316と、演出制御を実行することで取得した情報を一時記憶するための制御用RAM1311と、演出出力データに基づき演出制御を実行するための制御プログラムが記憶された制御用ROM1310を有し、主基板1100からの制御情報を入力する入力インターフェイス1314を通して制御情報を取得し、取得した情報に基づき遊技演出を実行する。
マイクロコンピュータ1301は、クロック発信器1316が生成するクロックを基準に動作し、主基板1100からの制御情報が入力インターフェイス1314を通して、マイクロコンピュータ1301内のPIOa1306a、PIOj1306jに入力され、入力情報に基づき可変表示装置310での演出、各種ランプ・LEDでの光による演出、音による演出等を制御用ROM1310に記憶されたプログラムの手順で実行する。
電源基板2700からのリセット信号は、遊技機1に電源が投入されると、電源基板2700からマイクロコンピュータ1301に入力されて、制御用ROM1310に記憶されている制御手順に従って、マイクロコンピュータ1301のリセットを行うと共に、演出制御基板1300の初期化を行うように設定されている。
演出制御基板1300は、画像処理部と、ランプ・LED・モータ駆動回路部と、音声制御部とを有し、マイクロコンピュータ1301は、それぞれを主基板1100からの制御信号に基づいて制御する。先ず、画像処理部は、可変表示装置310上での演出を行う部位であり、前記マイクロコンピュータ1301は、各制御信号に基づいて画像制御IC1320へ具体的な指示を行う。画像制御IC1320は、クロック発信器1316のクロック信号を基準に動作する。
画像制御IC1320は、マイクロコンピュータ1301からの制御情報に従って、画像データROM1322の画像データを入手し、具体的な映像信号を生成し、可変表示装置310へ出力する。図14では、画像制御IC1320が生成した画像データやパレット(色)情報等を一時的に記憶する領域であるVRAMが図示されていないが、画像制御IC1320の内部にVRAMを内蔵した画像制御ICで構成してある。なお、前記演出表示態様の表示内容に関する画像データは、画像データROM1322に記憶されている。
画像補正IC1321は、画像制御IC1320からの入力画像信号(アナログR,G,B信号、水平、垂直同期信号)を可変表示装置310用に補正し出力する。電源生成回路1324a〜1324fは、電源基板2700からの電源に基づいてDC13V,23V,−5V,3.3V,2.5Vの各電圧を画像処理部へと供給することにより、画像制御IC1320、画像補正IC1321を駆動する。
また、マイクロコンピュータ1301に接続されている設定手段100は、遊技者が遊技を行う場合や、遊技場の従業員が該設定手段100を操作することにより、各始動入賞口21a,21bごとに入賞割合を、前記可変表示装置310の表示部311、あるいは別途設けた表示する指示を出力するものである。
また、前記ランプ・LED・モータ駆動回路部は、光による演出やモータ駆動制御を行う部位であり、遊技機1および遊技盤2上に設置されたランプ・LEDによる具体的な演出を行うLED駆動回路a1400a〜LED駆動回路c1400cと、モータによる演出装置400の演出動作を行う駆動回路1401とを有している。CPU1302の制御に従いPIOb1306b〜PIOe1306e(パラレルI/O)を通し、LED駆動回路a1400a、LED駆動回路b1400b、LED駆動回路c1400cと、駆動回路1401に制御信号を出力して、各駆動回路がランプ・LED・モータを動作させる。
さらに、前記音声制御部は、音による演出を行う部位であり、前記マイクロコンピュータ1301は、遊技機1に設置されたスピーカー180に具体的な演出を行わせるため、音声制御IC1500に制御情報を出力する。音声制御IC1500は、クロック発信器1316のクロック信号を分周器1317で分周し、音声制御IC1500の動作クロックとして使用する。また、マイクロコンピュータ1301の制御情報に従い、音声データROM1501の音声データを入手し、具体的な音声信号を生成し、スピーカー180へと出力する。
前記CPU1302は、パラレルI/OであるPIOf1306f、PIOg1306gを通して、音声制御IC1500に音による制御情報を出力する。PIOf1306fは、データを出力し、PIOg1306gは、制御信号(チップセレクト、リード、ライト等)を出力する。音声制御IC1500は、マイクロコンピュータ1301からの制御情報に基づき、音声データROM1501のデータを入手し音声信号に変換する。
また、擬音や効果音等は、音声制御IC1500に内蔵された発信器で作られ出力される。音声制御IC1500からの音声信号は、フィルター1502で出力電圧調整を行い音声以外のノイズ成分を除去してアンプ1503へと出力され、アンプ1503によりスピーカー駆動可能な電圧レベルに増幅され、スピーカー180から音として出力される。
以下、遊技機1の作用について説明する。
先ず、遊技盤2上における遊技球の流れと遊技状態について説明する。
遊技者がハンドル5を操作すると、遊技球が1個ずつ遊技領域17に発射される。遊技領域17上にて遊技球は、遊技釘や風車等に衝突しながら方向を変えつつ流下し、その途中で各種入賞口に入賞したり、普通図柄作動ゲート26を通過することがある。
遊技領域17内の何れの入賞口にも入らずに落下した遊技球は、アウト口29から外部に排出される。また、図3において、遊技領域17の上端付近より右側に流下した遊技球は、遊技球誘導部材18aの外側に沿って落下した後、遊技球誘導樋18bによって、第1始動入賞口21aのある中央下方付近に導かれるように流下する。
図2および図6において、ワープ通路360は遊技球を次のように案内する。すなわち、可変表示装置310の側方にて遊技領域17を流下していた遊技球が遊技球入口361に流入すると、遊技球はそのままワープ通路360内部を流下する。ワープ通路360を流下し終えた遊技球は、遊技球出口362から排出されて遊技球転動部330の転動面331に流出する。
このように、大型化した可変表示装置310に付随するセンターケース350を、ワープ通路360における遊技球の移動経路として利用することにより、限られた遊技領域17内にて演出装置400および可変表示装置310の大型化に伴い遊技球の流下スペースが侵食されても、遊技球の多様な移動形態を実現することができる。もちろん、遊技球転動部330に導入される遊技球は、ワープ通路360を介して受け入れられる場合のみならず、遊技領域17から直接受け入れられる場合もある。
遊技球転動部330に導入された遊技球は、転動面331を転動して導出部332や第2始動入賞口21bがある側へ向かうが、第2始動入賞口21bの近傍にある規制部334に接触して転動経路が変化する。これにより、第2始動入賞口21bに遊技球がそのまま入賞することが抑制されると共に、遊技球が転動面331をそのまま転動して導出部332へ向かうことも妨げられ、第1始動入賞口21aに遊技球が導出部332を介して入賞することも抑制される。従って、複数の始動入賞口21a,21bへの入賞率が高くなることを防止することができる。
また、転動面331を転動する遊技球は、規制部334に接触することにより、例えば規制部334を乗り越えて反対方向まで転動したり、この遊技球がさらに転動して来た方向へ戻り、再び規制部334を乗り越えられるか否か等、遊技球転動部330に受け入れられた遊技球の動きに様々な変化が生じる。これにより、遊技者に対して始動入賞口21a,21bへの遊技球の入賞に関する楽しみを持続して持たせることができる。
図5、図6に示すように、規制部334は、第2始動入賞口21bの中心に向かって、左右方向の横幅が拡がると共に高さが高くなるように傾斜した山型状であるため、遊技球に勢いがなくても規制部334を乗り越えて反対方向に行き易くなり、また、遊技球は規制部334を乗り越えた際に、第2始動入賞口21bに向かわずに表示部311側に沿うように転動するので、遊技球をより長期に亘り円滑に転動面331上を左右方向に転動させることができる。
また、導出部332から遊技球が落下する落下面に、規制部材370を設けたことにより、導出部332から落下して本来ならそのまま第1始動入賞口21aに誘導される遊技球が、規制部材370に接触することで落下経路が変化する。そのため、遊技球が第1始動入賞口21aに入賞することを抑制することができ、入賞率が高くなることを防止することができる。
特に、規制部材370を遊技球転動部330に設けたことにより、可変表示装置310を大型化したり、さらに大型化した可変表示装置310の周辺に本実施の形態の如く演出装置400を設けた場合でも、前記規制部材370によって遊技領域17が余計に侵食される虞はなく、遊技球の流下に必要な遊技領域17上のスペースを十分に確保することができる。また、規制部材370を装飾部材としたことにより、規制部材370としての役割と同時に、遊技機1を華やかな雰囲気にすることができ遊技者に対して装飾効果が得られる。
また、本実施の形態に係る遊技機1によれば、規制部材370を、各誘導溝335より遊技球が落下する落下面まで設けたので、誘導溝335から落下した遊技球が規制部材370に接触して様々な方向へ落下経路が変化し、これにより第1始動入賞口21aに入賞することもあり得るので、遊技者に第1始動入賞口21aへの入賞に期待感を持たせると共に、遊技球の落下経路に意外性を持たせることができる。
さらに具体的に説明すれば、図7に示す例においては、前記ワープ通路360を介して、あるいは遊技領域17から直接、転動面331上に流出した遊技球は、図中で左側の傾斜端面333ないし誘導溝335を乗り越えるように転動した後、中央にある規制部334に接触して流入して来た方向へ戻され、図中で左側の誘導溝335を再び通って、前方より遊技領域17に落下する。
また、図8に示す例においては、前記ワープ通路360を介して、あるいは遊技領域17から直接、転動面331上に流出した遊技球は、図中で左側の傾斜端面333ないし誘導溝335を乗り越えるように転動した後、さらに中央にある規制部334に接触して乗り越え、反対側にある図中で右側の転動面331を転動した後、図中で右側の誘導溝335を通って、前方より遊技領域17に落下する。
また、図9に示す例においては、前記ワープ通路360を介して、あるいは遊技領域17から直接、転動面331上に流出した遊技球は、図中で左側の傾斜端面333ないし誘導溝335を乗り越えるように転動した後、中央にある規制部334に接触して、第2始動入賞口21bに入賞することなく、その前方にある導出部332を通って落下する。さらに、遊技球は規制部材370に接触することにより、導出部332の真下にある第1始動入賞口21aに入賞することなく、そのまま遊技領域17を落下する。
また、図10に示す例においては、前記ワープ通路360を介して、あるいは遊技領域17から直接、転動面331上に流出した遊技球は、図中で左側の傾斜端面333ないし誘導溝335を乗り越えるように転動した後、中央にある規制部334に接触して流入して来た方向へ戻され、図中で左側の誘導溝335を再び通って、前方より遊技領域17に落下する。さらに、遊技球は規制部材370に接触することにより、導出部332の真下にある第1始動入賞口21aに入賞する。
さらにまた、図11に示す例においては、前記ワープ通路360を介して、あるいは遊技領域17から直接、転動面331上に流出した遊技球は、図中で左側の傾斜端面333ないし誘導溝335を乗り越えるように転動した後、さらに中央にある規制部334に接触して乗り越え、反対側にある図中で右側の転動面331を転動した後、図中で右側の誘導溝335を通って、前方より遊技領域17に落下する。さらに、遊技球は規制部材370に接触することにより、導出部332の真下にある第1始動入賞口21aに入賞する。
以上のような様々な流下経路を経て、第1始動入賞口21aまたは第2始動入賞口21bに遊技球が入賞すると、第1始動入賞口スイッチ121aまたは第2始動入賞口スイッチ121bにより検出されて、該第1始動入賞口スイッチ121aまたは第2始動入賞口スイッチ121bの検出信号に基づき、可変表示装置310の表示部311で複数の識別情報が変動表示する表示遊技が実行される。そして、表示遊技の結果が最終的に特定表示態様に確定すると、大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が発生する。
次に、図15、図16に示すフローチャートに沿って、前記表示遊技に対応する特別図柄遊技処理について説明する。特別図柄遊技処理は、主として主基板1100により実行される。なお、図中で「始動口1」は第1始動入賞口21aを、「始動口2」は第2始動入賞口21bを示している。遊技が開始されて、遊技領域17に発射された遊技球が第1始動入賞口21aまたは第2始動入賞口21bに入賞すると(ステップS101;Y)、第1始動入賞口スイッチ121aまたは第2始動入賞口スイッチ121bによって検出され、主基板1100に検出信号が出力される。
検出信号に基づき、現在保留している表示遊技を実行する権利の数である保留球数が、所定値(例えば4)以下であるか否かを判断する(ステップS102)。ここで保留球数は、第1始動入賞口21aと第2始動入賞口21bとそれぞれ区別して記憶されており、第1始動入賞口21aに係る保留球数と、第2始動入賞口21bに係る保留球数との合計値(総保留球数)が、所定値(例えば4)以下であるか否かを判断する。
保留球数が所定値以下でなければ(ステップS102;N)、今回の表示開始条件の成立による権利を保留せずに放棄するが、保留球数が所定値以下であれば(ステップS102;Y)、入賞した各始動入賞口21a,21b別に、第1始動入賞口21aに入賞した場合は、該第1始動入賞口21aに係る保留球数のインクリメントを行い、第2始動入賞口21bに入賞した場合は、該第2始動入賞口21bに係る保留球数のインクリメントを行う(ステップS103)。
続いて、第1始動入賞口21aに係る保留球数と、第2始動入賞口21bに係る保留球数との合計値である総保留球数に対応する乱数記憶領域を算出する(ステップS104)。そして、大当たり判定用乱数を取得し(ステップS105)、該大当たり判定用乱数を前記乱数記憶領域に記憶する(ステップS106)。さらに、図柄乱数を取得し(ステップS107)、該図柄乱数も前記乱数記憶領域に記憶する(ステップS108)。
第1始動入賞口21aに係る保留球数、または第2始動入賞口21bに係る保留球数のうち、更新された保留球数に係る保留球数情報は、主基板1100から演出制御基板1300に送信される(ステップS109)。演出制御基板1300が前記保留球数情報を受信すると、特別図柄保留LED420が1つ点灯し、また表示遊技の開始に伴い1つ消灯する。なお、本実施の形態では、特別図柄保留LED420により保留球数を表示するように構成したが、前述したように、可変表示装置310に表示するようにしても良い。
続いて、大入賞口24の条件装置が作動中であるか否かを判断する(ステップS110)。後述するが、前記大当たり判定用乱数が所定の大当たり判定値の何れかと一致すれば、大当たりと判定されて大当たりフラグがONにセットされ、これに基づき大入賞口24が作動する。大入賞口24が作動中でなければ(ステップS110;N)、特別図柄が変動中(表示遊技が実行中)であるか否かを判断し(ステップS111)、一方、大入賞口24が作動中であれば(ステップS110;Y)、そのまま処理を終了する。
前記特別図柄の変動中でなければ(ステップS111;N)、特別図柄の停止図柄表示時間中であるか否かを判断する(ステップS112)。ここで停止図柄表示時間とは、予め定められた変動時間だけ実行する表示遊技の終了時から特定遊技状態の開始時までに、可変表示装置310に停止図柄を表示している時間を意味する。停止図柄表示時間中でなければ(ステップS112;N)、現時点における総保留球数の有無を判断し(ステップS113)、停止図柄の表示時間中であれば(ステップS112;Y)、図16に示す停止図柄の表示時間が経過したか否かの判断に移行する(ステップS204)。
前記総保留球数の有無の判断(ステップS113)において、総保留球数があり「0」でなければ(ステップS113;Y)、高確率状態の発生(確率変動機能作動)中であるか否かを判断し(ステップS114)、総保留球数がなく「0」であれば(ステップS113;N)、そのまま処理を終了する。
また、確率変動(確変)機能作動中であれば(ステップS114;Y)、高確率状態における高い大当たり確率により大当たり判定を行い(ステップS115)、確率変動機能作動中でなければ(ステップS114;N)、低確率状態における低い大当たり確率により大当たり判定を行う(ステップS116)。その後、前記図柄乱数に基づいて停止図柄情報を設定して(ステップS117)、さらに、後述する図17に示す変動開始時処理を実行する(ステップS118)。
続いて、図16に示すように、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断し(ステップS201)、変動時間が経過した場合(ステップS201;Y)、図柄停止コマンドを送信すると共に(ステップS202)、特別図柄のうち停止図柄の表示時間を設定し(ステップS203)、該停止図柄の表示時間が経過したか否かを判断する(ステップS204)。一方、特別図柄の変動時間が経過していない場合(ステップS201;N)、そのまま処理を終了する。
前記停止図柄の表示時間が経過したか否かの判断(ステップS204)において、停止図柄表示時間が経過した場合(ステップS204;Y)、大当たり判定用乱数が所定の大当たり判定値の何れかと一致するか否か、すなわち大当たりとなるか否かを判断し(ステップS205)、一方、停止図柄表示時間が経過していない場合(ステップS204;N)、そのまま処理を終了する。
前記大当たりとなるか否かの判断(ステップS205)において、大当たりと判断されなかった場合(ステップS205;N)、続いて、確率変動機能が作動(高確率状態が発生)中であるか否かを判断し(ステップS206)、一方、大当たりと判断された場合(ステップS205;Y)、後述するが大入賞口24の条件装置の作動が開始する(ステップS213)。
続いて、確率変動機能が作動中でなければ(ステップS206;N)、特別図柄の変動に関して時間短縮機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS207)。時間短縮機能が作動中であれば(ステップS207;Y)、特別図柄の変動回数が予め設定された所定回数分だけ終了したか否かを判断し(ステップS208)、時間短縮機能が作動中でなければ(ステップS207;N)、そのまま処理を終了する。
また、特別図柄の変動回数が所定回数分だけ終了していれば(ステップS208;Y)、確率情報コマンド(低確率時情報)を送信し(ステップS209)、特別図柄変動時間(すなわち表示遊技の変動時間)を短縮する時間短縮機能の作動を停止すると共に(ステップS210)、前記普通図柄表示装置140における普通図柄表示の変動時間を短縮する時間短縮機能の作動も停止する(ステップS211)。さらに、普通図柄表示の時間短縮状態において、普通図柄変動役物である前記第1始動入賞口21aの各可動片を拡状態に開放する時間の延長機能の作動も停止する(ステップS212)。
このように本実施の形態では、普通図柄表示における変動時間短縮機能の作動に併せて、普通図柄表示の結果が当たりになった場合に、第1始動入賞口21aの各可動片を拡状態に一時的に作動させる時間も併せて延長(例えば0.5秒→1.7秒)する機能も有している。なお、特別図柄の変動回数が所定回数分だけ終了していなければ(ステップS208;N)、そのまま処理を終了する。
また、前述した大当たりとなるか否かの判断(ステップS205)において、大当たりと判断された場合には(ステップS205;Y)、大当たりフラグONとなり大入賞口24の条件装置が作動を開始し(ステップS213)、確率変動機能の作動(高確率状態の発生)中であるか否かを判断する(ステップS214)。ここで確率変動機能の作動中であれば(ステップS214;Y)、確率情報コマンド(低確率時情報)を送信し(ステップS215)、確率変動機能の作動を停止する(ステップS216)。
一方、確率変動機能の作動中でなければ(ステップS214;N)、特別図柄変動時間(すなわち表示遊技の変動時間)を短縮する時間短縮機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS220)。ここで時間短縮機能の作動中であれば(ステップS220;Y)、確率情報コマンド(低確率時情報)を送信し(ステップS221)、時間短縮機能が作動中でなければ(ステップS220;N)、そのまま処理を終了する。
その後、特別図柄変動時間(すなわち表示遊技の変動時間)に関する時間短縮機能の作動を停止し(ステップS217)、前記普通図柄表示装置140に関する時間短縮機能の作動も停止する(ステップS218)。さらに、普通図柄表示の時間短縮状態において、第1始動入賞口21aの各可動片を拡状態に開放する時間の延長機能の作動も停止する(ステップS219)。
次に、図17に示すフローチャートに沿って、変動開始時処理について説明する。変動開始時処理は前記主基板1100により実行される。本処理では、先ず表示遊技における変動パターンを決定する(ステップS301)。続いて、停止図柄に関する変動開始時データを読み出すと共に(ステップS302)、変動パターンに関する変動開始時データを読み出す(ステップS303)。
これらのデータ読み出しに伴って、前記乱数記憶領域に先入れ先出し形式で記憶しているデータを1つずつシフトさせた後(ステップS304)、第1始動入賞口21aに係る保留球数、または第2始動入賞口21bに係る保留球数のうち、今回の変動対象となる保留球数のデクリメントを行う(ステップS305)。
続いて、第1始動入賞口21aに係る保留球数、または第2始動入賞口21bに係る保留球数のうち、更新された保留球数情報を変動開始時データとして読み出す(ステップS306)。その後、前記変動パターンに対応付けられた変動時間を設定して(ステップS307)、変動開始時データを演出制御基板1300に送信する(ステップS308)。
次に、図18に示すフローチャートに沿って、特定遊技状態に関する大当たり遊技処理について説明する。大当たり遊技処理は、前記主基板1100によって実行される。先ず、大入賞口24の条件装置が作動中であるか否かを判断する(ステップS401)。大入賞口24の条件装置が作動中である場合(ステップS401;Y)、大入賞口24の開放前時間が経過したか否かを判断する(ステップS402)。なお、大入賞口24の条件装置が作動中でない場合(ステップS401;N)、そのまま処理を終了する。
大入賞口24の開放前時間が経過している場合(ステップS402;Y)、連続作動回数(ラウンド数)のインクリメントを行い(ステップS403)、大当たり図柄コマンドを演出制御基板1300に送信する(ステップS404)。続いて、ラウンド動作コマンドを演出制御基板1300に送信して(ステップS405)、大入賞口24を開状態に開放する指示を大入賞口ソレノイド134に出力する(ステップS406)。
大入賞口24を開状態に開放する指示の出力後(ステップS406)、また大入賞口24の開放前時間が経過していない場合(ステップS402;N)、大入賞口24が開状態に開放中であるか否かを判断する(ステップS407)。大入賞口24が開状態に開放中であれば(ステップS407;Y)、所定の開放時間が経過するか(ステップS408;Y)、大入賞口24に規定入賞数の遊技球が入賞すると(ステップS408;N,ステップS409;Y)、大入賞口24を閉状態に閉鎖する指示を大入賞口ソレノイド134に出力する(ステップS410)。そして、インターバルコマンドを演出制御基板1300に送信して(ステップS411)、処理を終了する。
大入賞口24が開状態に開放中でない場合には(ステップS407;N)、残りの連続作動回数が上限値未満であるか否かを判断する(ステップS412)。ここで連続作動回数が上限値未満であれば(ステップS412;Y)、連続作動回数(ラウンド数)のインクリメントを行い(ステップS413)、大当たり図柄コマンドを演出制御基板1300に送信する(ステップS414)。
続いて、ラウンド動作コマンドを演出制御基板1300に送信して(ステップS415)、大入賞口24を開状態に開放する指示を大入賞口ソレノイド134に出力して(ステップS416)、処理を終了する。一方、連続作動回数が上限値未満でなければ(ステップS412;N)、エンディングコマンドを演出制御基板1300に送信する(ステップS417)。その後、図19に示す大当たり終了処理に移行する(ステップS418)。
次に、図19に示すフローチャートに沿って、大当たり終了処理について説明する。大当たり終了処理は前記主基板1100により実行される。先ず、大入賞口24の条件装置の作動を停止(大当たりフラグOFF)して、大入賞口24の作動許可を解除する(ステップS501)。次に、前記停止図柄情報が確変当たりに相当する場合(ステップS502;Y)、確率情報コマンド(高確率情報)を演出制御基板1300に送信して(ステップS503)、確率変動機能の作動を開始する(ステップS504)。
確率変動機能の作動の開始後、また前記停止図柄情報が確変当たりに相当しない場合(ステップS502;N)、すなわち非確変当たりに相当する場合、確率情報コマンド(時短情報)を演出制御基板1300に送信して(ステップS505)、特別図柄変動に係る時間短縮機能の作動を開始する(ステップS506)。続いて、普通図柄変動に係る時間短縮機能の作動を開始し(ステップS507)、普通図柄変動役物である第1始動入賞口21aの各可動片を拡状態に開放する時間の延長機能の作動も開始する(ステップS508)。
次に、図20に示すフローチャートに沿って、スタート回数計数処理について説明する。スタート回数計数処理は、主として主基板1100により実行される。なお、図中で「始動口1」は第1始動入賞口21aを、「始動口2」は第2始動入賞口21bを示している。本処理では、先ず変動開始時データを受信したか否かを判断する(ステップS601)。ここで変動開始時データを受信した場合には(ステップS601;Y)、確率情報コマンドが低確率時情報であるか否かを判断する(ステップS602)。なお、変動開始時データを受信しなかった場合には(ステップS601;N)、そのまま処理を終了する。
確率情報コマンドが低確率時情報であった場合には(ステップS602;Y)、保留球数情報が第1始動入賞口21aに係る情報であるか否かを判断する(ステップS603)。ここで保留球数情報が第1始動入賞口21aに係る情報であれば(ステップS603;Y)、第1始動入賞口21a入賞回数のインクリメントを行い(ステップS604)、保留球数情報が第1始動入賞口21aに係る情報でなければ(ステップS603;N)、第2始動入賞口21b入賞回数のインクリメントを行う(ステップS605)。なお、確率情報コマンドが低確率時情報でない場合には(ステップS602;N)、そのまま処理を終了する。
次に、図21に示すフローチャートに沿って、スタート割合算出処理について説明する。スタート割合算出処理は、主として主基板1100により実行される。なお、図中で「始動口1」は第1始動入賞口21aを、「始動口2」は第2始動入賞口21bを示している。本処理では、先ず設定手段100によるボタン押し下げがなされたか否かを判断する(ステップS701)。ここでボタン押し下げがなされていなければ(ステップS701;N)、そのまま処理を終了する。
ボタン押し下げがなされた場合には(ステップS701;Y)、第1始動入賞口21a入賞回数と第2始動入賞口21b入賞回数とを比較し、第1始動入賞口21a入賞回数の方が第2始動入賞口21b入賞回数よりも多いか否かを判断する(ステップS702)。第1始動入賞口21a入賞回数の方が第2始動入賞口21b入賞回数よりも多い場合には(ステップS702;Y)、先ず第1始動入賞口21aの入賞割合を算出する(ステップS703)。
すなわち、第1始動入賞口21aの入賞割合=第1始動入賞口21a入賞回数÷(第1始動入賞口21a入賞回数+第2始動入賞口21b入賞回数)×100(小数点以下は切捨て)の演算式により、第1始動入賞口21aの入賞割合を算出する。
次に、第2始動入賞口21bの入賞割合を算出する(ステップS704)。すなわち、第2始動入賞口21bの入賞割合=100−第1始動入賞口21aの入賞割合、という演算式により、第2始動入賞口21bの入賞割合を算出する。
また、第1始動入賞口21a入賞回数の方より第2始動入賞口21b入賞回数の方が多い場合には(ステップS702;N)、先ず第2始動入賞口21bの入賞割合を算出する(ステップS705)。すなわち、第2始動入賞口21bの入賞割合=第2始動入賞口21b入賞回数÷(第1始動入賞口21a入賞回数+第2始動入賞口21b入賞回数)×100(小数点以下は切捨て)の演算式により、第2始動入賞口21bの入賞割合を算出する。
次に、第1始動入賞口21aの入賞割合を算出する(ステップS706)。すなわち、第1始動入賞口21aの入賞割合=100−第2始動入賞口21bの入賞割合、という演算式により、第1始動入賞口21aの入賞割合を算出する。
その後、演出制御基板1300の制御(設定手段100による操作も含む。)より、各始動入賞口21a,21bごとの入賞割合を、前記可変表示装置310の表示部311、あるいは別途設けた表示部に表示する(ステップS707)。
さらにまた、図22〜図24に基づき、前述した遊技球転動部330の別の実施の形態を説明する。図22に示す遊技球転動部330において、転動面331を転動する遊技球が、該転動面331に遊技球を流出させる側とは反対側(図22中では右側)の端より転動面331を乗り越えてしまうと、遊技球転動部330に隣接して設けられているセンターケース350(の装飾部材)や演出装置400に遊技球が接触して故障や損傷の原因となる虞があった。
また、遊技球がセンターケース350(の装飾部材)や演出装置400に詰まったり、溜まったりして、演出装置400等が正常動作しなかったり、遊技球が円滑に転動しない原因となる虞があった。このような問題点は、前述した特許文献1〜3についても全く同様に想定される。
そこで、前述しなかったが図22において、遊技球転動部330の転動面331の両端側のうち該転動面331に遊技球を流出させる側とは反対側(図22中では右側)に、遊技球が転動面331を乗り越えないためのストッパ338を形成すると良い。ここでストッパ338は、具体的には図示したように、転動面331の端縁より上方に遊技球が乗り越えられない程度の高さに立ち上がる乗り越え防止壁として、遊技球転動部330の一部として一体成形することができる。
このようなストッパ338を備えることにより、図24(a)に示すように、遊技球出口362から転動面331上に流出した遊技球は、遊技球出口362とは反対側の転動面331の端部まで転動した後、ストッパ338に衝突して遊技球出口362のある方向へ戻るように転動する。そのため、遊技球が遊技球転動部330の外側に配置されているセンターケース350(の装飾部材)や演出装置400等の他の構成部品と接触することがなく、該接触による当該構成部品の故障や損傷を未然に防ぐことができる。また、遊技球が他の構成部品に流入しないため、当該構成部品に詰まったり、溜まったりすることもなく、当該構成部品の正常動作を確実に行うことができると共に、遊技球を転動面331にて円滑に転動させることができる。
また、可変表示装置310の表示部311は、その上端側が後方寄りに傾くように傾斜して設置されているため、図22中に示したように、転動面331に流出した遊技球が可変表示装置310の方向に転動した場合、表示部311上に遊技球が乗り上がることにより、転動面331に対して水平に転動せずに、直ぐに誘導溝335側に誘導されて遊技領域17に落下してしまう虞があった。これにより、第1始動入賞口21aおよび第2始動入賞口21bへの遊技球の入賞率が極端に低下してしまうという問題が生じ得る。また、可変表示装置310の表示部311と遊技球転動部330が接触している隅に、遊技球が挟まるように止まってしまい、遊技球が円滑に転動面331に転動しない虞もあった。
そこで、図23に示すように、遊技球転動部330の転動面331の両端側のうち該転動面331に遊技球を流出させる側とは反対側(図23中では右側)に、表示部311側に転動した遊技球を、表示部311前方の転動面331上に送り返すガイド339を形成すると良い。ここでガイド339は、具体的には図示したように、転動面331の端縁より前記ストッパ338の後方側に沿って延出する球誘導壁として、遊技球転動部330の一部として一体成形することができる。
このようなガイド339を備えることにより、図24(b)に示すように、遊技球は転動面331に沿って転動することとなり、遊技球が表示部311に乗り上げて直ぐに誘導溝335側に誘導されてしまうことがなくなり、各始動入賞口21a,21bへの遊技球の入賞率の極端な低下を防ぐことができる。また、表示部311と遊技球転動部330が接触している隅に遊技球が挟まるように止まってしまうこともなくなり、円滑に転動面331を転動させることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。また、前述した実施の形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ機に適用した場合について説明したが、遊技機はパチンコ機に限られず、プログラム制御されるスマートボールゲーム機、アレンジボールゲーム機といった他の遊技機にも同様に本発明を適用することができる。
また、前記実施の形態では、複数の始動入賞口として、第1始動入賞口21aと第2始動入賞口21bとを設けたが、始動入賞口を3個以上備えるようにしても良い。また、第1始動入賞口21aと第2始動入賞口21bを設ける位置は、図示した位置に限定されるものではなく、例えば、第2始動入賞口21bは、遊技球転動部330における転動面331の中央ではなく端に設けたり、あるいは両端に一対設けるようにしても良い。
さらに、前記実施の形態では、主基板1100に対して、表示遊技の制御やランプ・LEDの点灯制御、音声の出力制御、それにモータの駆動制御を1つの演出制御基板1300によって集中的に行うように構成しているが、他の制御基板の構成として、表示制御基板、ランプ・モータ制御基板、音制御基板との3つの制御基板に分けたり、あるいは表示制御基板、音・ランプ・モータ制御基板との2つの制御基板に分けても良い。