JP2020034673A - 位相差フィルム、位相差層付き偏光板、および位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

位相差フィルム、位相差層付き偏光板、および位相差フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐ブロッキング性に優れた位相差フィルムを提供する。【解決手段】延伸処理された樹脂フィルムからなり、少なくとも一方の面の算術平均粗さRaが2nm以上であり、ヘイズ値が2.6%未満である位相差フィルムであって、あるいはさらに延伸軸に直交する方向に沿った畝形状を有し、あるいはさらに樹脂フィルムがポリカーボネート系樹脂フィルムであり、あるいはさらに延伸処理が一軸延伸である。さらに、延伸処理された樹脂フィルムを、樹脂フィルムに対する良溶媒と貧溶媒とを含む液体に浸漬することを含む、位相差フィルムの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、位相差フィルム、位相差層付き偏光板、および位相差フィルムの製造方法に関する。
近年、薄型ディスプレイの普及と共に、有機ELパネルを搭載した画像表示装置(有機EL表示装置)が提案されている。有機ELパネルは反射性の高い金属層を有しており、外光反射や背景の映り込み等の問題を生じやすい。そこで、位相差層付き偏光板(円偏光板)を視認側に設けることにより、これらの問題を防ぐことが知られている。また、液晶表示パネルの視認側に位相差層付き偏光板を設けることで、視野角を改善することが知られている。一般的な位相差層付き偏光板として、位相差フィルムと偏光子とを、その遅相軸と吸収軸とが用途に応じた所定の角度(例えば、45°)をなすように積層したものが知られている。また、代表的な位相差フィルムとして、樹脂フィルムを延伸することにより延伸方向に遅相軸を発現させたものが知られている(特許文献1)。しかしながら、長尺状の位相差フィルムを作製して巻き取ったときに、ブロッキングが生じる場合がある。
特許第3325560号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、耐ブロッキング性に優れた位相差フィルム、そのような位相差フィルムを備える位相差層付き偏光板、および位相差フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明の位相差フィルムは、延伸処理された樹脂フィルムからなり、少なくとも一方の面の算術平均粗さRaが2nm以上であり、ヘイズ値が2.6%未満である。
1つの実施形態においては、位相差フィルムは、延伸軸に直交する方向に沿った畝形状を有する。
1つの実施形態においては、位相差フィルムは、上記樹脂フィルムがポリカーボネート系樹脂フィルムである。
1つの実施形態においては、位相差フィルムは、一軸延伸された樹脂フィルムからなる。
本発明の別の局面によれば、位相差層付き偏光板が提供される。この位相差層付き偏光板は、偏光板と位相差層とを備え、上記位相差層が上記位相差フィルムにより構成される。
本発明の別の局面によれば、上記位相差フィルムの製造方法が提供される。この製造方法は、上記延伸処理された樹脂フィルムを、上記樹脂フィルムに対する良溶媒と貧溶媒とを含む液体に浸漬することを含む。
1つの実施形態においては、上記樹脂フィルムの上記液体への浸漬時間が1秒〜110秒である。
本発明の実施形態によれば、延伸処理された樹脂フィルムからなる位相差フィルムにおいて、少なくとも一方の面の算術平均粗さRaが2nm以上であり、ヘイズ値が2.6%未満であることにより、耐ブロッキング性に優れた位相差フィルムを実現することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.位相差フィルム
本発明の1つの実施形態による位相差フィルムは、延伸処理された樹脂フィルムからなる。位相差フィルムは、少なくとも一方の面の算術平均粗さRaが2nm以上であり、ヘイズ値が2.6%未満である。
これにより、上記位相差フィルムは、従来の位相差フィルムに比べて、光学特性(例えば、光透過率)を損なうことなく、耐ブロッキング性が向上され得る。したがって、本実施形態による位相差フィルムによれば、アンチブロッキング処理を施したり、工程紙を介在させたりすることなく、巻き取った際のブロッキングを防止することができる。
位相差フィルムの少なくとも一方の面の算術平均粗さRaは、好ましくは2nm〜5nmであり、より好ましくは2nm〜4nmであり、さらに好ましくは2nm〜3nmである。位相差フィルムのヘイズ値は、好ましくは0.1%〜2.6%であり、より好ましくは0.1%〜2.0%であり、さらに好ましくは0.1%〜1.3%であり、特に好ましくは0.1%〜1.1%である。
位相差フィルムを構成する樹脂フィルムは、代表的には、ポリカーボネート系樹脂フィルムである。位相差フィルムは、代表的には、一軸延伸された樹脂フィルムからなる。位相差フィルムは、代表的には、延伸軸に直交する方向に沿った畝形状を有する。位相差フィルムの上記算術平均粗さRaおよび上記ヘイズ値は、上記畝形状によって実現され得る。このような畝形状は、例えば、後述のC項で説明する浸漬処理により形成され得る。
位相差フィルムの厚みおよび光学特性(面内位相差、厚み方向位相差、波長分散特性等)は、用途および目的に応じて適切に設定され得る。例えば、位相差フィルムをλ/4板として用いる場合、面内位相差は、好ましくは100nm〜160nmである。
B.樹脂フィルム
位相差フィルムは、上記のとおり、延伸処理された樹脂フィルムからなる。上記樹脂フィルムを構成する樹脂としては、得られる位相差フィルムが上記特性を満足する限りにおいて、任意の適切な樹脂を用いることができ、例えば、ポリカーボネート系樹脂、環状オレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート系樹脂が好適に用いられ得る。
上記ポリカーボネート樹脂としては、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切なポリカーボネート樹脂を用いることができる。好ましくは、ポリカーボネート樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジオール、脂環式ジメタノール、ジ、トリまたはポリエチレングリコール、ならびに、アルキレングリコールまたはスピログリコールからなる群から選択される少なくとも1つのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、を含む。好ましくは、ポリカーボネート樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジメタノールに由来する構造単位ならびに/あるいはジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含み;さらに好ましくは、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、ジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含む。ポリカーボネート樹脂は、必要に応じてその他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。なお、本発明に好適に用いられ得るポリカーボネート樹脂の詳細は、例えば、特開2014−10291号公報、特開2014−26266号公報に記載されており、当該記載は本明細書に参考として援用される。
1つの実施形態においては、下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する単位構造を含むポリカーボネート系樹脂が用いられ得る。
Figure 2020034673
(上記一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜炭素数20のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6〜炭素数20のシクロアルキル基、または、置換若しくは無置換の炭素数6〜炭素数20のアリール基を表し、Xは置換若しくは無置換の炭素数2〜炭素数10のアルキレン基、置換若しくは無置換の炭素数6〜炭素数20のシクロアルキレン基、または、置換若しくは無置換の炭素数6〜炭素数20のアリーレン基を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数である。)
一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物の具体例としては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン等が挙げられる。
上記ポリカーボネート系樹脂は、上記ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の他に、イソソルビド、イソマンニド、イソイデット、スピログリコール、ジオキサングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ビスフェノール類などのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。
ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカーボネート系樹脂の詳細は、例えば、特許5204200号、特開2012−67300号公報、特許第3325560号、WO2014/061677号等に記載されている。当該特許文献の記載は、本明細書に参考として援用される。
1つの実施形態においては、オリゴフルオレン構造単位を含むポリカーボネート系樹脂が用いられ得る。オリゴフルオレン構造単位を含むポリカーボネート系樹脂としては、例えば、下記一般式(2)で表される構造単位および/または下記一般式(3)で表される構造単位を含む樹脂が挙げられる。
Figure 2020034673
(上記一般式(2)および上記一般式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立に、直接結合、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキレン基(好ましくは、主鎖上の炭素数が2〜3であるアルキレン基)である。Rは、直接結合、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキレン基(好ましくは、主鎖上の炭素数が1〜2であるアルキレン基)である。R〜R13はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜10(好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2)のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数4〜10(好ましくは4〜8、より好ましくは4〜7)のアリール基、置換若しくは無置換の炭素数1〜10(好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2)のアシル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜10(好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2)のアルコキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜10(好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2)のアリールオキシ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜10(好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2)のアシルオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜10(好ましくは1〜4)のビニル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜10(好ましくは1〜4)のエチニル基、置換基を有する硫黄原子、置換基を有するケイ素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、またはシアノ基である。R〜R13のうち隣接する少なくとも2つの基が互いに結合して環を形成していてもよい。)
1つの実施形態においては、オリゴフルオレン構造単位に含まれるフルオレン環は、R〜R13の全てが水素原子である構成を有するか、あるいは、R及び/又はR13がハロゲン原子、アシル基、ニトロ基、シアノ基、及びスルホ基からなる群から選ばれるいずれかであり、かつ、R〜R12が水素原子である構成を有する。
オリゴフルオレン構造単位を含むポリカーボネート系樹脂の詳細は、例えば、特開2015−212816号公報等に記載されている。当該特許文献の記載は、本明細書に参考として援用される。
1つの実施形態においては、位相差フィルムは、樹脂フィルムを一軸延伸もしくは固定端一軸延伸することにより作製される。固定端一軸延伸の具体例としては、樹脂フィルムを長手方向に走行させながら、幅方向(横方向)に延伸する方法が挙げられる。延伸倍率は、好ましくは1.1倍〜3.5倍である。
別の実施形態においては、位相差フィルムは、長尺状の樹脂フィルムを長手方向に対して角度θの方向に連続的に斜め延伸することにより作製される。斜め延伸を採用することにより、フィルムの長手方向に対して角度θの配向角(角度θの方向に遅相軸)を有する長尺状の延伸フィルムが得られ、例えば、偏光子との積層に際してロールツーロールが可能となり、製造工程を簡略化することができる。
斜め延伸に用いる延伸機としては、例えば、横および/または縦方向に、左右異なる速度の送り力もしくは引張り力または引き取り力を付加し得るテンター式延伸機が挙げられる。テンター式延伸機には、横一軸延伸機、同時二軸延伸機等があるが、長尺状の樹脂フィルムを連続的に斜め延伸し得る限り、任意の適切な延伸機が用いられ得る。
C.位相差フィルムの製造方法
上記A項に記載の位相差フィルムは、本発明の製造方法により製造することができる。本発明の製造方法は、延伸処理された樹脂フィルムを、樹脂フィルムに対する良溶媒と貧溶媒とを含む液体に浸漬することを含む。上記延伸処理された樹脂フィルムは、上記項で説明した樹脂フィルムである。
上記液体は、上記のとおり、樹脂フィルムに対する良溶媒と貧溶媒とを含む。良溶媒および貧溶媒としては、上記A項で説明した位相差フィルムが得られる限り、任意の適切な溶媒を用いることができる。良溶媒としては、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどが挙げられる。貧溶媒としては、イソプロピルアルコールが挙げられる。良溶媒と貧溶媒との質量比は、好ましくは45:55〜55:45である。良溶媒の比率が大きすぎると、樹脂フィルムが溶解してしまう場合がある。貧溶媒の比率が大きすぎると、樹脂フィルム表面に及ぼす効果が不十分となり、上記のような畝形状が形成されない場合がある。
樹脂フィルムの上記液体への浸漬時間は、好ましくは1秒〜110秒であり、より好ましくは2秒〜60秒であり、さらに好ましくは3秒〜30秒である。延伸処理された樹脂フィルムを上記液体に浸漬することにより、樹脂フィルムの表面に経時的に凹凸形状(代表的には、樹脂フィルムの延伸軸に直交する方向に沿った畝形状)が形成され得る。これにより、浸漬時間に応じて、樹脂フィルムの表面の算術平均粗さRaおよびヘイズ値が増大し得る。したがって、樹脂フィルムの上記液体への浸漬時間を適切に設定することにより、所望の算術平均粗さRaおよびヘイズ値を有する位相差フィルムが得られ得る。
1つの実施形態においては、上記樹脂フィルムを上記液体に浸漬した後、乾燥処理を施す。乾燥条件は、適切に設定することができ、例えば、乾燥温度が80℃〜120℃であり、乾燥時間が30秒〜3分である。
D.位相差層付き偏光板
上記A項に記載の位相差フィルムは、位相差層付き偏光板などの光学部材に適用され得る。したがって、本発明は、上記位相差フィルムを有する位相差層付き偏光板を包含する。本発明の実施形態による位相差層付き偏光板は、偏光板と上記位相差フィルムにより構成された位相差層とを備える。偏光板の吸収軸と、位相差フィルムの遅相軸とのなす角度は、用途および目的に応じて適切に設定され得る。上記角度は、例えば、38°〜52°である。
偏光板は、代表的には、偏光子と、偏光子の少なくとも片側に配置された保護層と、を有する。偏光子は、代表的には吸収型偏光子である。
偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、偏光子を形成する樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理および延伸処理が施されたもの、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。好ましくは、光学特性に優れることから、PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子が用いられる。
上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3〜7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012−73580号公報に記載されている。当該公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みは、例えば1μm〜80μmである。1つの実施形態においては、偏光子の厚みは、好ましくは1μm〜25μmであり、さらに好ましくは3μm〜10μmであり、特に好ましくは3μm〜8μmである。偏光子の厚みがこのような範囲であれば、加熱時のカールを良好に抑制することができ、および、良好な加熱時の外観耐久性が得られる。
保護層は、偏光子を保護するフィルムとして使用できる任意の適切な保護フィルムで形成される。当該保護フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
保護フィルムの厚みは、好ましくは10μm〜100μmである。保護フィルムは、接着層(具体的には、接着剤層、粘着剤層)を介して偏光子に積層されていてもよく、偏光子に密着(接着層を介さずに)積層されていてもよい。必要に応じて、位相差層付き偏光板の最表面に配置される保護フィルムには、ハードコート層、防眩層および反射防止層などの表面処理層が形成され得る。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各特性の測定方法および評価方法は以下の通りである。
(1)位相差フィルムの表面の算術平均粗さRa
Veeco Instruments社製 走査型プローブ顕微鏡「NanoscopeIV」AFMタッピングモードを用いて、位相差フィルムの表面の1μm×1μmの領域における算術平均粗さRaを測定した。
(2)ヘイズ値
JIS 7136で定める方法により、ヘイズメーター(村上色彩科学研究所社製、商品名「HM−150」)を用いて測定した。
(3)耐ブロッキング性
2枚の位相差フィルムを重ねた状態で、上側に配置した位相差フィルムを滑らせることにより、以下の基準で耐ブロッキング性を評価した。
○・・・位相差フィルムが滑らかに滑った。
×・・・位相差フィルム同士が密着し、上側に配置した位相差フィルムは滑らなかった。
(4)輝度
位相差層付き偏光板の位相差層側の面を、有機EL表示装置(LGディスプレイ製、製品名「55C7P」)の有機ELパネルの視認側に、粘着剤層を介して貼り合せ、有機ELパネルを得た。
有機ELパネルに白画像を表示させ、TOPCON社製の分光放射計(商品名「BM−9A」)を用いて正面輝度を測定した。
(5)反射率
上記(4)の有機ELパネルに黒画像を表示させ、コニカミノルタ製分光測色計(CM−2600d)を用いて正面反射率を測定した。
[実施例1]
1.偏光板の作製
厚み60μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレ製、製品名「PE6000」)の長尺ロールを、ロール延伸機により長尺方向に5.9倍になるように長尺方向に一軸延伸しながら同時に膨潤、染色、架橋、洗浄処理を施し、最後に乾燥処理を施すことにより厚み22μmの偏光子を作製した。
具体的には、膨潤処理は20℃の純水で処理しながら2.2倍に延伸した。次いで、染色処理は作製される偏光膜の透過率が43.0%になるようにヨウ素濃度が調整されたヨウ素とヨウ化カリウムの重量比が1:7である30℃の水溶液中において処理しながら1.4倍に延伸した。更に、架橋処理は、2段階の架橋処理を採用し、1段階目の架橋処理は40℃のホウ酸とヨウ化カリウムを溶解した水溶液において処理しながら1.2倍に延伸した。1段階目の架橋処理の水溶液のホウ酸含有量は5.0重量%で、ヨウ化カリウム含有量は3.0重量%とした。2段階目の架橋処理は65℃のホウ酸とヨウ化カリウムとを溶解した水溶液において処理しながら1.6倍に延伸した。2段階目の架橋処理の水溶液のホウ酸含有量は4.3重量%で、ヨウ化カリウム含有量は5.0重量%とした。また、洗浄処理は、20℃のヨウ化カリウム水溶液で処理した。洗浄処理の水溶液のヨウ化カリウム含有量は2.6重量%とした。最後に、乾燥処理は70℃で5分間乾燥させて偏光子を得た。
得られた偏光子の片面に、ポリビニルアルコール系接着剤を介して、TACフィルムの片面に低反射ハードコート処理により形成されたハードコート(HC)層を有する低反射TACフィルム(厚み:72μm、大日本印刷株式会社製、製品名「DSG−03HL」)を貼り合わせて、保護フィルム/偏光子の構成を有する偏光板を得た。
2.位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板の作製
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン(化合物3)29.60質量部(0.046mol)、ISB 29.21質量部(0.200mol)、SPG 42.28質量部(0.139mol)、DPC 63.77質量部(0.298mol)及び触媒として酢酸カルシウム1水和物1.19×10−2質量部(6.78×10−5mol)を仕込んだ。反応器内を減圧窒素置換した後、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は45℃の凝縮器に導いて回収した。第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、生成したポリエステルカーボネートを水中に押し出し、ストランドをカッティングしてペレットを得た。
得られたポリカーボネート樹脂を80℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東芝機械社製、シリンダー設定温度:250℃)、Tダイ(幅300mm、設定温度:250℃)、チルロール(設定温度:120〜130℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み135μmのポリカーボネート樹脂フィルムを作製した。
未延伸の上記ポリカーボネート樹脂フィルムを、延伸装置を用いて延伸することにより、延伸処理された樹脂フィルムを得た。予熱温度は145℃、および延伸温度は138℃とした。延伸倍率は2.8倍とした。延伸後の樹脂フィルムのRe(550)は140nmであった。
上記延伸後の樹脂フィルムの片面を、メチルエチルケトンとイソプロピルアルコールとが質量比50:50で混合された液体に5秒間浸漬する(浸漬処理)ことにより、位相差フィルムを得た。位相差フィルムの表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、延伸軸に直交する方向に沿った畝形状が形成されていた。
上記偏光板の偏光子側の面に、粘着剤を介して位相差フィルムが積層された位相差層付き偏光板を作製した。
[実施例2]
上記液体への浸漬時間を10秒間としたこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[実施例3]
上記液体への浸漬時間を15秒間としたこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[実施例4]
上記液体への浸漬時間を20秒間としたこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[実施例5]
上記液体への浸漬時間を25秒間としたこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[実施例6]
上記液体への浸漬時間を30秒間としたこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[実施例7]
延伸後の樹脂フィルムの片面を、酢酸エチルとイソプロピルアルコールとが質量比50:50で混合された液体に15秒間浸漬したこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[実施例8]
上記液体への浸漬時間を20秒間としたこと以外は実施例7と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[比較例1]
延伸後の樹脂フィルムを液体に浸漬しなかったこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[比較例2]
延伸後の樹脂フィルムの片面を、メチルエチルケトンとイソプロピルアルコールとが質量比60:40で混合された液体に120秒間浸漬したこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[比較例3]
延伸後の樹脂フィルムの片面を、メチルエチルケトンとイソプロピルアルコールとが質量比40:60で混合された液体に120秒間浸漬したこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[比較例4]
イソソルビド81.98質量部に対して、トリシクロデカンジメタノール47.19質量部、ジフェニルカーボネート175.1質量部、および触媒として、炭酸セシウム0.2質量%水溶液0.979質量部を反応容器に投入し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。 次いで、圧力を常圧から13.3kPaにし、加熱槽温度を190℃まで1時間で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。反応容器全体を190℃で15分保持した後、第2段目の工程として、反応容器内の圧力を6.67kPaとし、加熱槽温度を230℃まで、15分で上昇させ、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。攪拌機の攪拌トルクが上昇してくるので、8分で250℃まで昇温し、さらに発生するフェノールを取り除くため、反応容器内の圧力を0.200kPa以下に到達させた。所定の攪拌トルクに到達後、反応を終了し、生成した反応物を水中に押し出して、ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。
得られたポリカーボネート樹脂を80℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(いすず化工機社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度:220℃)、Tダイ(幅200mm、設定温度:220℃)、チルロール(設定温度:120〜130℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み120μmのポリカーボネート樹脂フィルムを作製した。
未延伸の樹脂フィルムとして上記ポリカーボネート樹脂フィルムを用いたこと、および、延伸後の樹脂フィルムを液体に浸漬しなかったこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[比較例5]
延伸処理された樹脂フィルムとして比較例4の樹脂フィルムを用いたこと、および、上記液体への浸漬時間を120秒間としたこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[比較例6]
メチルエチルケトンとイソプロピルアルコールとが質量比80:20で混合された液体を用いたこと以外は比較例5と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[比較例7]
上記液体への浸漬時間を300秒間としたこと以外は比較例6と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
[比較例8]
未延伸の樹脂フィルムとして厚み65μmのノルボルネン系樹脂フィルム(JSR社製、製品名「アートン」)を用いたこと、および、延伸後の樹脂フィルムの片面を、シクロペンチルメチルエーテルとメチルイソブチルケトンとが質量比50:50で混合された液体に120秒間浸漬したこと以外は実施例1と同様にして、位相差フィルムおよび位相差層付き偏光板を得た。
実施例および比較例の位相差フィルムを、上記(1)〜(3)の評価に供した。(3)の耐ブロッキング性が良好であった位相差フィルムを用いた位相差層付き偏光板のみを、2次評価として上記(4)〜(5)の評価に供した。なお、上記(4)については、比較のために、浸漬処理を施さずに作製した位相差フィルムを有する位相差層付き偏光板も作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2020034673
表1に示すように、比較例1〜6および8の位相差フィルムは耐ブロッキング性が低く、比較例7の位相差フィルムは、画像表示装置に用いたときに十分な輝度が得られなかった。実施例の位相差フィルムは耐ブロッキング性に優れており、かつ、画像表示装置に用いたときに十分な輝度が得られた。さらに、実施例1〜4と実施例5〜6との比較から、浸漬処理の時間が長くなるとヘイズが高くなり、結果として反射率が高くなることがわかる。
本発明の実施形態による位相差フィルムは、画像表示装置に好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 延伸処理された樹脂フィルムからなり、
    少なくとも一方の面の算術平均粗さRaが2nm以上であり、
    ヘイズ値が2.6%未満である、位相差フィルム。
  2. 延伸軸に直交する方向に沿った畝形状を有する、請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 前記樹脂フィルムがポリカーボネート系樹脂フィルムである、請求項1または2に記載の位相差フィルム。
  4. 前記延伸処理が一軸延伸である、請求項1から3のいずれかに記載の位相差フィルム。
  5. 偏光板と位相差層とを備え、
    前記位相差層が請求項1から4のいずれかに記載の位相差フィルムにより構成される、位相差層付き偏光板。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の位相差フィルムの製造方法であって、
    前記延伸処理された樹脂フィルムを、前記樹脂フィルムに対する良溶媒と貧溶媒とを含む液体に浸漬することを含む、位相差フィルムの製造方法。
  7. 前記樹脂フィルムの前記液体への浸漬時間が1秒〜110秒である、請求項6に記載の製造方法。

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