JP2004149689A - 光学フィルム用芳香族ポリアミドフィルムおよび位相差フィルム - Google Patents

光学フィルム用芳香族ポリアミドフィルムおよび位相差フィルム Download PDF

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Akimitsu Tsukuda
佃  明光
Hideki Moriyama
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Abstract

【課題】耐熱性、剛性に優れ、薄膜であっても光学特性に優れたフィルムを提供する。
【解決手段】厚みが1〜30μm、波長550nmにおける位相差が50〜3,000nmである光学フィルム用芳香族ポリアミドフィルムとする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、剛性に優れ、且つ極薄膜でも優れた光学特性を有する光学フィルム用芳香族ポリアミドフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディスプレー市場においては、従来のブラウン管に替わり、プラズマディスプレーパネル(PDP)、液晶ディスプレー(LCD)、有機/無機ELディスプレー(ELD)など種々の方式を用いたディスプレーが提案されており、それに伴い様々な有機高分子体フィルムを用いることが提案されている。例えば、液晶ディスプレーの場合、薄膜・軽量化を図るため、また、画像の色調を向上させるため、偏光フィルム、1/2λ板、1/4λ板などの位相差板、プラスチック基板、導光板などに有機高分子体フィルムが用いられている。特に位相差板(フィルム)は、液晶の光学特性を補償するため、また、外部光の反射、干渉を抑制することにより色調を向上させるためのキーデバイスとなっており、種々のポリマーフィルムが提案されている。例えば、ポリカーボネート樹脂を用いた例として、特許文献1、2、セルロース系樹脂を用いた例として、特許文献3、ポリビニルアルコール樹脂を用いた例として、特許文献4、環状ポリオレフィン樹脂を用いた例として、特許文献5などが挙げられる。
【0003】
【特許文献1】特開平9−304619号公報
【0004】
【特許文献2】国際公開第00/026705号パンフレット
【0005】
【特許文献3】特開2002−267847号公報
【0006】
【特許文献4】特開2001−316491号公報
【0007】
【特許文献5】特開2001−350017号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなポリマーフィルムは、延伸を施して位相差フィルムとして成形されるが、基本的に配向性に乏しいため、均一で十分な位相差を発現させるためには、50〜150μm以上といった厚膜フィルムとしないと、実用的に用いることが困難となる場合がある。更に、上記のようなポリマーは、非晶性であり、耐熱性がガラス転移温度として高々150℃程度であるため、加工時の熱処理による寸法変化、また光学特性の変化が起こる場合がある。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決し、耐熱性、剛性に優れ、且つ従来のポリマーフィルムでは達成できなかった薄膜の光学フィルム、特に位相差フィルムとして有用な光学フィルム用芳香族ポリアミドフィルムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、厚みが1〜30μm、波長550nmにおける位相差が50〜3,000nmである光学フィルム用芳香族ポリアミドフィルムを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルムは、厚みが1〜30μmである。厚みが1μm未満であると、高剛性、高耐熱性の芳香族ポリアミドフィルムを用いたとしても、使用時の加熱により平面性が悪化したり、位相差斑が大きくなったりすることがある。また、30μmを超えると、薄膜化が図れなくなったり、光線透過率が小さくなり実用に適さないことがある。厚みは好ましくは2〜15μmであり、より好ましくは3〜10μm、更に好ましくは3〜8μmである。
【0012】
また、本発明のフィルムは、波長550nmにおける位相差が50〜3,000nmである。好ましくは、60〜500nm、より好ましくは60〜380nm、更に好ましくは、80〜280nmである。フィルムの位相差は用途により、例えば、1/2λ板、1/4λ板のように適切に設計されるべきものであるが、位相差が上記範囲であると、芳香族ポリアミドを用いて薄膜化しても光学特性、加工適性に優れたフィルムとすることができる。
【0013】
本発明で用いる芳香族ポリアミドとしては、たとえば次の一般式(I)および/または一般式(II)で表わされる繰り返し単位を50モル%以上含むものが好ましく、70モル%以上からなるものがより好ましい。
一般式(I)
【0014】
【化1】
Figure 2004149689
【0015】
一般式(II)
【0016】
【化2】
Figure 2004149689
【0017】
ここで、Ar,Ar、Arは 例えば、
【0018】
【化3】
Figure 2004149689
【0019】
フルオレン残基などが挙げられ、X、Yは、−O−、−CH−、−CO−、−SO−、−S−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。更にこれらの芳香環上の水素原子の一部が、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン基、ニトロ基、およびメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基(特にメチル基)、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基などの置換基で置換されているものも含み、また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されているものも含む。
【0020】
特性面からは上記の芳香環がパラ配向位で結合されたものが、全芳香環の50モル%以上、好ましくは75モル%以上を占める重合体が、フィルムの剛性が高く耐熱性も良好となるため好ましい。ここでいうパラ配向位とは結合位が直線となるものである。また芳香環上の水素原子の一部がハロゲン(特にフッ素)を含有する基置換された芳香環が全体の30モル%以上であると耐湿性が向上すると共に、透明性、特に短波長側(400〜450nm)の透過率が向上するため好ましい。また、耐熱性、剛性を損なわない範囲で、Ar、Ar、Arがフルオレン残基である構成、また、X,Yが−SO−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−から選ばれた構成であると、透明性、特に短波長側(400〜450nm)での透過率が向上するため好ましい。
【0021】
本発明で用いる芳香族ポリアミドは、一般式(I)および/または一般式(II)で表される繰り返し単位を50モル%以上含むものが好ましく、50モル%未満は他の繰り返し単位が共重合、またはブレンドされていても差し支えない。
【0022】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、遅相軸方向および遅相軸方向と直交する方向の150℃における寸法変化率が2%以下であると、貼り合わせなどの加工時に皺が発生せず、また、加温下での張力変動による光学特性の変化が抑えられるため好ましい。より好ましくは、1.5%以下であり、更に好ましくは1%以下である。ここでいう遅相軸とは平面内において、位相差が最も大きくなる方向であり、位相差フィルムの場合、一般に最も延伸倍率が大きい方向となる。光学用フィルム、特に位相差フィルムの場合、加工時に温度、外力に曝された場合、光弾性の効果により部分的に位相差が変化し、LCDの色調が全面あるいは部分的に低下する場合がある。このため、光弾性係数の大きいポリカーボネートに替わり、光弾性係数の小さい環状ポリオレフィンが用いられることがあるが、それと裏腹に環状ポリオレフィンでは、延伸しても複屈折が大きくなりにくいため、必要な位相差を得るためにはフィルムを厚くせざるを得ないことがある。それに対し、本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、従来フィルムに較べて大きな複屈折(ひいては位相差)が得られやすく、光弾性係数の大きいフィルムであるため、薄膜化が可能であり、且つ、耐熱性、剛性に優れているため、高温下、高張力下でも歪みが発生しにくく、上記のような問題を本質的に回避できるものである。上記した寸法変化率の下限は、低いほど好ましく、最も好ましくは0%である。
【0023】
また、本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、450nmから700nmまでの全ての波長において光線透過率が80%以上であることがLCDとした時の色調が改善されるために好ましい。さらに好ましくは光線透過率が85%以上、最も好ましくは90%以上である。
【0024】
更に、本発明の本発明の芳香族ポリアミドフィルムは400nmの光線透過率が65%以上であることが好ましい。さらに好ましくは400nmの光線透過率が75%以上、最も好ましくは90%以上である。近紫外領域である400nmの光線透過率が65%以上であることにより、さらに良好な透明度となる。
【0025】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、JIS−C2318に準拠した測定において、少なくとも一方向のヤング率が4GPa以上であることが加工時、使用時に負荷される力に対して抵抗でき、平面性が一層良好となるため好ましい。また少なくとも一方向のヤング率が4GPa以上であることにより薄膜化が可能になる。
【0026】
全ての方向のヤング率が4GPa未満であると、加工時に変形を起こすことがある。また、ヤング率に上限はないがヤング率が20GPaを超えると、フィルムの靱性が低下し、製膜、加工が困難になることがある。ヤング率は、より好ましくは、8GPa以上であり、更に好ましくは、10GPa以上である。
【0027】
また、ヤング率の最大値(Em)とそれと直交する方向のヤング率(Ep)の比、Em/Epが、1.1〜3であると、加工時の裁断性が向上するため好ましい。より好ましくは、1.2〜2.5であり、更に好ましくは1.5〜2.5である。Em/Epが3を超えると、却って、破断しやすくなることがある。
【0028】
また、本発明のフィルムは、JIS−C2318に準拠した測定において、少なくとも一方向の破断伸度が、5%以上、より好ましくは10%以上であると成形、加工時の破断が少なくなるため好ましい。破断伸度の上限は特に限定されるものではないが、現実的には、250%程度である。
【0029】
また、本発明のフィルムにおいて、位相差分散性、すなわち位相差の波長依存性は下式を満たすことが、1/4波長位相差板用途に用いる場合の好ましい実施様態となる。
【0030】
R(450)/R(550)=1.03〜1.25
R(650)/R(550)=0.80〜0.95
ここで、Rは位相差(nm)であり、括弧内の数値は、波長(nm)を表す。
【0031】
1/4波長位相差板は、可視光波長域で、位相差をそれぞれの波長の1/4にすることが求められる。そのためには、一般に位相差分散性の異なるフィルムを、その主軸が平行にならないように積層する方法が用いられる。積層する対手には、環状ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、酢酸トリアセテート系、アクリル系のフィルムが用いられ、特に環状ポリオレフィンが好ましく用いられる。
【0032】
本発明のフィルムにおいて、位相差分散性が上記範囲であると、このようなポリマーフィルムと積層したときに、従来用いられてきたポリカーボネートや、酢酸トリアセテート系フィルムに較べて、1/4波長位相差板として、一層良好な位相差分散性を発現することが可能となる。
【0033】
本発明のフィルムの位相差分散性は、より好ましくは、
R(450)/R(550)=1.1〜1.22
R(650)/R(550)=0.82〜0.93
である。
【0034】
本発明のフィルムは、25℃/75RH%での吸湿率が3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは0.5%以下であると、使用時、加工時の湿度変化による特性の変化が少なくなるため好ましい。ここでいう吸湿率は以下の方法で測定するものである。まず、試料フィルムを約0.5g採取し、脱湿のため120℃で3時間の加熱を行った後、吸湿しないようにして25℃まで降温した後、重量を0.1mg単位まで正確に秤量する(この時の重量をW0とする)。次いで、25℃で75RH%の雰囲気下に48時間静置し、その後の重量を測定し、W1として以下の式で吸湿率を求める。
【0035】
吸湿率(%)=((W1−W0)/W1)×100
吸湿率は低い方が好ましいが、現実的には下限は0.03%程度である。
【0036】
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、80℃から120℃の熱膨張係数が50〜0ppm/℃であることが好ましい。熱膨張係数は、TMAを用いて150℃まで昇温した後に降温過程に於いて測定する。25℃、75RH%における初期試料長をL0、温度T1の時の試料長をL1、温度T2の時の試料長をL2とするとT1からT2の熱膨張係数は以下の式で求められる。
【0037】
熱膨張係数(ppm/℃)=((L2−L1)/L0)/(T2/T1)×10
熱膨張係数はより好ましくは30〜0ppm/℃であり、さらに好ましくは20〜0ppm/℃である。また、本発明の芳香族ポリアミドフィルムは25℃における30%RHから80%RHの湿度膨張係数が50〜0ppm/%RHであることが好ましい。湿度膨張係数高温高湿槽に幅1cm、試長15cmになるように固定し、一定湿度(約30%RH)まで脱湿し、フィルム長が一定になった後、加湿(約80%RH)すると吸湿により伸び始める。約24時間後吸湿は平衡に達してフィルムの伸びも平衡に達する。この時の伸び量から下式により計算する。
【0038】
湿度膨張係数((cm/cm)/%RH)=伸び量/(試長×湿度差)
湿度膨張係数はより好ましくは30〜0ppm/%RHであり、さらに好ましくは20〜0ppm/%RHである。熱膨張係数、湿度膨張係数が小さいことで環境による寸法変化が小さくなり、位相差などの光学特性に関しムラが生じにくくなる。
【0039】
本発明のフィルムは、少なくとも片面の中心線平均粗さが5nm以下であることが好ましい。中心線平均粗さが5nmを超えると、フィルムに光を透過したときに曇り、像のゆがみなどが発生することがあり、高性能の光学用フィルムとして機能しなくなることがある。これらの曇りや像のゆがみは、表面の粗れ、斑などにより、光線が乱反射し易くなることにより発生する。また、フィルム成形時に内部構造が不均一になることにより生じる場合もあり、そのような場合においても中心線平均粗さも5nmを超えやすい。従って、フィルム表面の中心線平均粗さを指標として制御することにより、表面、内部構造ともに高機能の光学フィルムを得やすくなる。中心線平均粗さはより好ましくは3nm以下であり、更に好ましくは1nm以下である。中心線平均粗さの下限は特に限定されるものではないが、成形時、加工時のハンドリング性の観点から、0.1nm以上であることが好ましい。また、中心線平均粗さは、フィルムの両面において上記範囲を充たすことが、フィルムの曇り、像のゆがみをより低減できることから、一層好ましい。
【0040】
なお、中心線平均粗さは以下の測定法により得られる値をいう。
【0041】
Digital Instruments社製原子間力顕微鏡Nano Scope III ver.3.20を用いて、以下の条件で10ヶ所測定し、平均値を求める。
【0042】
カンチレバ−:シリコン単結晶
走査モ−ド:タッピングモ−ド
走査範囲:5μm×5μm
走査速度:1.0Hz
走査線数:256本
測定環境:25℃、相対湿度65%
以下に本発明の芳香族ポリアミド組成物の製造方法や成形体としてフィルムを製造する例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
芳香族ポリアミドを得る方法は種々の方法が利用可能であり、例えば、低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法などを用いることができる。低温溶液重合法つまりカルボン酸ジクロライドとジアミンから得る場合には、非プロトン性有機極性溶媒中で合成される。
【0044】
カルボン酸ジクロライドとしてはテレフタル酸ジクロライド、2−クロロ−テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ナフタレンジカルボニルクロライド、ビフェニルジカルボニルクロライド、ターフェニルジカルボニルクロライドなどが挙げられるが、本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得るためには、2−クロロ−テレフタル酸ジクロライドまたは、テレフタル酸ジクロライドが用いられる。
【0045】
芳香族ポリアミド溶液は、単量体として酸ジクロライドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
【0046】
2種類以上のジアミンを用いて重合を行う場合、ジアミンは1種類づつ添加し、該ジアミンに対し10〜99モル%の酸ジクロライドを添加して反応させ、この後に他のジアミンを添加して、さらに酸ジクロライドを添加して反応させる段階的な反応方法、およびすべてのジアミンを混合して添加し、この後に酸ジクロライドを添加して反応させる方法などが利用可能である。また、2種類以上の酸ジクロライドを利用する場合も同様に段階的な方法、同時に添加する方法などが利用できる。いずれの場合においても全ジアミンと全酸ジクロライドのモル比は95〜105:105〜95が好ましく、この値を外れた場合、成形に適したポリマー溶液を得ることが困難となる。
【0047】
本発明の芳香族ポリアミドの製造において、使用する非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。さらにはポリマーの溶解を促進する目的で溶媒には50重量%以下のアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の塩を添加することができる。
【0048】
また、単量体として芳香族ジ酸クロリドと芳香族ジアミンを用いると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの周期律表I族かII族のカチオンと水酸化物イオン、炭酸イオンなどのアニオンからなる塩に代表される無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、基材フィルムの湿度特性を改善する目的で、塩化ベンゾイル、無水フタル酸、酢酸クロリド、アニリン等を重合の完了した系に添加し、ポリマ−の末端を封鎖しても良い。また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれる。
【0049】
更に、本発明の芳香族ポリアミドには、表面形成、加工性改善などを目的として10重量%以下の無機質または有機質の添加物を含有させてもよい。添加物は無色であっても有色であっても構わないが、本発明の透明芳香族ポリアミドフィルムの特徴を損ねないためには無色透明の物が好ましい。表面形成を目的とした添加剤としては例えば、無機粒子ではSiO、TiO、Al、CaSO、BaSO、CaCO、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、ゼオライト、その他の金属微粉末等が挙げられる。また、好ましい有機粒子としては、例えば、架橋ポリビニルベンゼン、架橋アクリル、架橋ポリスチレン、ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、ポリアミド粒子、フッ素樹脂粒子等の有機高分子からなる粒子、あるいは、表面に上記有機高分子で被覆等の処理を施した無機粒子が挙げられる。
【0050】
さらには本発明の芳香族ポリアミドに色素を添加し、着色フィルムとすることが可能である。色素としてはコバルトブルーなどの無機顔料、フタロシアニンなどの有機色素のいずれも好適に使用することができる。
【0051】
これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液として使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してから上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製膜原液として使用しても良い。
【0052】
次にフィルム化について説明する。上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいずれの方法で製膜されても差し支えないが、ここでは乾湿式法を例にとって説明する。
【0053】
乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金からドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は例えば、室温〜220℃、60分以内の範囲で行うことができる。またこの乾燥工程で用いられるドラム、エンドレスベルトの表面はなるだけ平滑であれば表面の平滑なフィルムが得られる。乾式工程を終えたフィルムは支持体から剥離されて湿式工程に導入され、脱塩、脱溶媒などが行なわれ、さらに延伸、乾燥、熱処理が行なわれてフィルムとなる。
【0054】
延伸は延伸倍率として面倍率で0.8〜8(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味する。)の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは1.3〜8である。また、熱処理としては200℃〜500℃、好ましくは250℃〜400℃の温度で数秒から数分間熱処理が好ましく実施される。さらに、延伸あるいは熱処理後のフィルムを徐冷することは有効であり、50℃/秒以下の速度で冷却することが有効である。本発明の芳香族ポリアミドから得られるフィルムは単層フィルムでも、積層フィルムであっても良い。
【0055】
本発明のフィルムは、耐熱性、剛性に優れた芳香族ポリアミドフィルムを用いることにより、極めて薄膜の位相差フィルムとして使用できるため、位相差を必要とする用途、例えば1/4位相差フィルム、1/2位相差フィルム、反射防止板、偏光フィルム用ベースフィルム等の光学フィルム用に好適に用いることができる。
【0056】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0057】
本発明における物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
【0058】
(1)位相差
下記測定器を用いて測定した。
【0059】
装置:セルギャップ検査装置RETS−1100(大塚電子社製)
測定径:φ5mm
測定波長:400〜800nm
上記測定で、波長450nm,550nm、650nmの時の位相差をそれぞれR(450)、R(550)、R(650)とした。
【0060】
(2)150℃での寸法変化率
A.遅相軸の決定
サンプルをユニバーサルステージ上に置き、偏光顕微鏡にてクロスニコル下で観察し、最も複屈折性の大きくなる方向を遅相軸とした。また、配向計(例えば、神崎製紙(株)製MOA−2001A)を用いて、分子配向の最も大きくなる方向を採っても差し支えない。
【0061】
B.寸法変化率の測定
遅相軸方向およびそれと直交する方向に、150mm(幅10mm)の大きさにサンプルを切り出し、長さ方向に100mm間隔の標線を入れる。このサンプルを熱風オーブン中に荷重が掛からないように設置し、150℃、10分間熱処理後、サンプルを採りだし、常温まで冷却後、塩ビシート上にしわが入らないように展開して、標線間の距離(L:mm)を測定し、以下の式で求める。
【0062】
寸法変化率(%)=(|L−100|/100)×100
(3)フィルムの透明性(光線透過率)
下記装置を用いて測定し、各波長の光に対応する透過率(%)を求めた。
【0063】
透過率(%)=T1/T0
ただしT1は試料を通過した光の強度、T0は試料を通過しない以外は同一の距離の空気中を通過した光の強度である。
【0064】
装置:UV測定器U−3410(日立計測社製)
波長範囲:300nm〜800nm
測定速度:120nm/分
測定モード:透過
(4)ヤング率
ロボットテンシロンRTA(オリエンテック社製)を用いて、温度23℃、相対湿度65%において測定した。試験片は10mm幅で50mm長さ、引張速度は300mm/分である。但し、試験を開始してから荷重が1Nを通過した点を伸びの原点とした。
【0065】
(実施例1)
N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMP)に芳香族ジアミン成分として85モル%に相当する2−クロルパラフェニレンジアミンと、15モル%に相当する4、4’−ジアミノジフェニルエーテルとを溶解させ、これに99モル%に相当する2−クロルテレフタル酸ジクロリドを添加し、2時間撹拌して重合を完了した。この溶液を水酸化リチウムで中和してポリマー濃度10重量%の芳香族ポリアミド溶液を得た。
【0066】
このポリマー溶液をエンドレスベルト上にキャストし、150℃の熱風で自己支持性を得るまで乾燥後、ベルトから剥離した。ベルトから剥離されたフィルムは、続いて40℃の水浴中にてフィルムの長手方向に1.10倍の延伸を施しつつ、残存の溶媒、無機塩等を除去し、テンターに導入した。テンター中では、280℃の熱風により乾燥・熱処理を行った。また、テンター中で幅方向に1.5倍の延伸を行い、厚さ4.0μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。
【0067】
このフィルムの位相差は、R(550)=140nm、R(450)=164nm、R(650)=126nmと従来の1/10以下の厚さのフィルムであっても、1/4λ板用フィルムとして機能しうる位相差を持つものであった。
【0068】
また、このフィルムの遅相軸は、幅方向と一致しており、その方向の寸法変化率は0.02%、直交方向の寸法変化率は0.0%、長手方向(MD)、幅方向(TD)のヤング率はそれぞれ10GPa、16GPaと極めて耐熱性、抗張力性の高いものであった。
【0069】
また、このフィルムの450〜700nmにおける光線透過率の最低値は80%、400nmにおける光線透過率は24%であった。
【0070】
(実施例2)
実施例1で用いたポリマー溶液をベルトにキャスト後、自己支持性を得たフィルムをベルトから剥離した。このフィルムを、100℃に加熱したロールに接触させ、長手方向に1.8倍のロール間延伸を施した。次いで、MD方向に延伸したフィルムを40℃の水浴中に導入し、残存の溶媒、無機塩等を除去し、テンターに導入した。テンター中では、300℃の熱風により乾燥・熱処理を行った。また、テンター中で幅方向に2.2倍の延伸を行い、厚さ3.0μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。
【0071】
このフィルムの位相差は、R(550)=278nm、R(450)=326nm、R(650)=252nmと従来の1/10以下の厚さのフィルムであっても、1/2λ板用フィルムとして機能しうる位相差を持つものであった。
【0072】
また、このフィルムの遅相軸は、長手方向と一致しており、その方向の寸法変化率は0.04%、直交方向の寸法変化率は0.0%、長手方向(MD)、幅方向(TD)のヤング率はそれぞれ19GPa、9GPaと極めて耐熱性、抗張力性の高いものであった。
【0073】
また、このフィルムの450〜700nmにおける光線透過率の最低値は79%、400nmにおける光線透過率は22%であった。
【0074】
(実施例3)
NMPに芳香族ジアミン成分として100モル%に相当する2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’ジアミノビフェニルを溶解させ、これに99モル%に相当する2−クロロテレフタル酸ジクロリドを添加し、2時間撹拌して重合を完了した。この溶液を炭酸リチウムで中和してポリマー濃度8重量%の芳香族ポリアミド溶液を得た。
【0075】
このポリマー溶液を、SUS板上にキャストし、オーブン中で150℃で自己支持性を得るまで乾燥してSUS板から剥離した。続いてこのフィルムを100℃の雰囲気下中で1.5倍延伸し、その後、四辺を固定したまま40℃の水浴中で残存の溶媒、無機塩を除去した。水浴を経たフィルムは、表面の水分をふき取った後、260℃で熱処理し、厚さ10μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。
【0076】
このフィルムの位相差は、R(550)=612nm、R(450)=700nm、R(650)=561nmと薄膜でも位相差の大きいものであった。
【0077】
また、このフィルムの遅相軸は、延伸方向と一致しており、その方向の寸法変化率は0.2%、直交方向の寸法変化率は0.1%、延伸方向(MD)、非延伸方向(TD)のヤング率はそれぞれ18GPa、10GPaと極めて耐熱性、抗張力性の高いものであった。
【0078】
また、このフィルムの450〜700nmにおける光線透過率の最低値は85%、400nmにおける光線透過率は82%であった。
【0079】
(比較例1)
ポリカーボネート(出光石油化学(株)製、“タフロン”、以下PCと略す)をジクロロエタンにポリマー濃度が10重量%となるように溶解させた。
【0080】
このポリマー溶液を、ガラス板上にキャストし、40℃から70℃まで段階的にオーブン中で乾燥させ、自己支持性を得たフィルムを剥離した。続いて四辺を固定し、120℃で熱処理して、残存溶媒を除去し、厚さ16μmの未延伸フィルムを得た。次いで、位相差フィルムとするために一軸延伸を試みたが、フィルムが弱いためか、延伸温度を180℃まで上げても、均一な延伸を施すことができなかった。
【0081】
(比較例2)
比較例1と同様の方法で、厚さ60μmの未延伸フィルムを作製し、180℃で1.6倍の一軸延伸を行い、厚さ41μmのポリカーボネートフィルムを得た。
【0082】
このフィルムの位相差は、R(550)=240nm、R(450)=258nm、R(650)=230nmと位相差は発現したが、芳香族ポリアミドフィルムほど薄膜化はできなかった。
【0083】
また、このフィルムの遅相軸は、延伸方向と一致しており、その方向の寸法変化率は24%、直交方向の寸法変化率は13%、延伸方向(MD)、非延伸方向(TD)のヤング率はそれぞれ2.7GPa、1.6GPaと耐熱性、抗張力性の低いものであった。
【0084】
また、このフィルムの450〜700nmにおける光線透過率の最低値は89%、400nmにおける光線透過率は88%であった。
【0085】
【発明の効果】
本発明のフィルムは、耐熱性、剛性に優れ、且つ極薄膜であっても、位相差などの光学特性の優れたフィルムであるため、光学用フィルムとして使用した場合に、加工適性に優れ、更にLCDなどの薄膜、軽量化を図れるものである。本発明のフィルムは、ディスプレーなどの表示用部材、光記録部材など光学用フィルムとして好適に使用することができるが、特に、延伸により優れた位相差特性を発現するため、位相差板用途に好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 厚みが1〜30μmであり、かつ、波長550nmの光の位相差が50〜3,000nmである光学フィルム用芳香族ポリアミドフィルム。
  2. 遅相軸方向および遅相軸方向と直交する方向の150℃における寸法変化率が2%以下である、請求項1に記載の光学フィルム用芳香族ポリアミドフィルム。
  3. 請求項1または2に記載の光学フィルム用芳香族ポリアミドフィルムを用いる位相差フィルム。
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