JP2001290141A - 離型フィルム - Google Patents
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Abstract
合、オリゴマーの析出量が極力少なく、透明性が良好で
あり、光学的評価を伴う検査が容易である離型フィルム
を提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの片面に、塗布層
と残留接着率が80%以上の離型層とが順次設けられた
離型フィルムであり、下記式(1)〜(3)を同時に満
足することを特徴とする液晶偏光板粘着剤層保護用離型
フィルム。 OL≦0.6 …(1) TL≧80 …(2) TL(H)≦8 …(3) (上記式中、OLは180℃、10分間熱処理後の離型
フィルムの離型層表面からジメチルホルムアミドにより
抽出されるオリゴマー量(mg/m2)、TLは離型フ
ィルムの全光線透過率(%)、TL(H)は直交させた
偏光板の間に離型フィルムを挟んだときの全光線透過率
(%)を表す)
Description
るものであり、詳しくは液晶ディスプレイ(以下、LC
Dと略記する場合がある)に用いられる偏光板の粘着剤
層保護用離型フィルムに関するものである。
る離型フィルムが液晶偏光板の粘着剤層保護用に使用さ
れているが、使用上の問題点として、高温下、離型層表
面に析出するオリゴマーが製造工程内において各種不具
合を生じることがある。
して離型フィルムと偏光板が貼り合わされてロール状に
巻き取られる工程等があり、オリゴマーは粘着剤塗布後
の乾燥工程を経て析出するものと考えられる。
合わせている相手方粘着剤層表面へ転着し、オリゴマー
の付着した粘着剤層付きの偏光板をガラス基板と貼り合
わせてLCDを製造した場合、得られるLCDの輝度が
低下する等の不具合を生じる場合がある。
示画面の輝度をより高くする傾向にあり、上記不具合が
深刻な問題となってきている。
減を図ることを目的として、製造工程において高速化が
図られており、特に乾燥工程における乾燥温度をより高
く設定する傾向にあり、上述のオリゴマーがより析出し
やすい状況になっている。
トラスト、異物混入などの光学的評価を伴う検査工程に
おいては、目視あるいは拡大鏡使用による欠陥品の流出
防止対策が講じられているが、離型フィルムを構成する
ポリエステルフィルムの光学的異方性起因により、異物
混入を見落としやすくなる等の不具合を生じる場合があ
るため、検査時に離型フィルムを一旦剥離し、検査終了
後に再度貼付しなければならないという問題を抱えてい
る。
みなされたものであって、その解決課題は、液晶偏光板
粘着剤層保護用として用いた際にオリゴマー析出量が極
力少なく、透明性良好であり、光学的評価を伴う検査が
容易な離型フィルムを提供することにある。
鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる離型フィ
ルムを用いれば、上記課題を容易に解決できることを知
見し、本発明を完成するに至った。
フィルムの片面に、塗布層と残留接着率が80%以上の
離型層とが順次設けられた離型フィルムであり、下記式
(1)〜(3)を同時に満足することを特徴とする液晶
偏光板粘着剤層保護用離型フィルムに存する。
フィルムの離型層表面からジメチルホルムアミドにより
抽出されるオリゴマー量(mg/m2)、TLは離型フ
ィルムの全光線透過率(%)、TL(H)は直交させた
偏光板の間に離型フィルムを挟んだときの全光線透過率
(%)を表す)
する。
用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共
重合ポリエステルであってもよい。
カルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られ
るものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げ
られ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとし
ては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PE
N)等が例示される。
は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体であ
ることが好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸
成分としては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン
酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸な
ど)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成
分として、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール
等の一種または二種以上が挙げられる。
とは、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上
がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレ
フタレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位であ
るポリエチレン−2,6−ナフタレート等であるポリエ
ステルを指す。
滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ま
しい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子で
あれば特に限定されるものではなく、具体例としては、
例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リ
ン酸マグネシウム酸化珪素、カオリン、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭5
9−5216号公報、特開昭59−217755号公報
等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。こ
の他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、
熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベン
ゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステ
ル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分
散させた析出粒子を用いることもできる。
限定されるものではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等
のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等
についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要
に応じて2種類以上を併用してもよい。
01〜3μm、好ましくは0.01〜1μmの範囲であ
る。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝
集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、3μ
mを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりす
ぎて、後工程において離型層を塗設させる場合等に不具
合が生じる場合がある。
通常0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の
範囲である。粒子含有量が0.1重量%未満の場合に
は、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5
重量%を超えて添加する場合には、フィルムの透明性が
不十分な場合がある。
ては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を
採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段
階において添加することができるが、好ましくはエステ
ル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合
反応を進めてもよい。
レングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリ
ーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、
混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料
とをブレンドする方法などによって行われる。
ム中には、上述の粒子以外に従来公知の酸化防止剤、熱
安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を必要に応じて添加する
ことができる。
テルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲
であれば特に限定されるものではないが、通常9〜15
0μm、好ましくは12〜100μm、さらに好ましく
は18〜75μmの範囲である。
ムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例
に何ら限定されるものではない。
使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロール
で冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。
めシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があ
り、静電印加密着法及び/または液体塗布密着法が好ま
しく採用される。
テルフィルム面内の主配向軸のMD方向に対する角度
(θ3)は70度以上であることが好ましく、ポリエス
テルフィルムの延伸配向方法については特に限定される
ものではないが、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法等が
例示される。
ートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機によ
り延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好まし
くは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜
7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目
の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度は、
通常70〜120℃、好ましくは80〜115℃であ
り、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5
〜6倍である。そして、引き続き、170〜250℃の
温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行
い、延伸配向フィルムを得る。
段階以上で行う方法を採用することもできる。その場
合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲とな
るように行うのが好ましい。また、必要に応じて熱処理
を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸
してもよい。
ートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃
で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向
に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、
面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに
好ましくは10〜20倍である。そして、引き続き、1
70〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩
下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。
にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(イン
ラインコーティング)を施すことができる。それは以下
に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸にお
いては特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に
コーティング処理を施すことができる。
ム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布
が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄
くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適な
フィルムを製造できる。
リエステルフィルム上に設けられる塗布層に関して、塗
布層を構成するバインダーポリマ−は特に限定されるも
のではなく、具体例としては、ポリビニルアルコール、
ポリアクリルアミド、ポリアルキレングリコール、ポリ
アルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセル
ロース、でんぷん類、ポリウレタン、ポリエステル、ポ
リアクリレート、塩素系ポリマー(ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体等)、ポリオレフィン等が
挙げられる。
り塗設する場合には、ノニオン系、カチオン系、両性系
の水溶液または水分散体として使用可能な有機ポリマー
が挙げられ、また、その中でもポリウレタン、ポリエス
テル、ポリアクリレートを使用した場合に、上塗り剤層
に対する接着性が特に良好となるので好ましい。これら
のポリマーはそのモノマーの一成分としてノニオン、カ
チオン、または両性系の親水性成分を共重合することに
より、親水性を付与し、水に分散させることが可能とな
る。
℃、10分間)後の離型フィルムの離型層表面からジメ
チルホルムアミドにより抽出されるオリゴマー量を0.
6mg/m2以下に抑える必要があり、離型フィルムを
構成する塗布層中にポリビニルアルコールを配合するこ
とが好ましい。
ル(以下、PVAと略記する場合がある)の含有量は特
に限定される訳ではないが、好ましくは10〜100重
量%、さらに好ましくは20〜90重量%、最も好まし
くは30〜80重量%の範囲がよい。PVAの含有量が
10重量%未満では、オリゴマー析出防止効果が不十分
となる場合がある。
けではないが、通常100以上、好ましくは300〜4
0000のものが用途上好適に用いられる。
わけではないが、70モル%以上、好ましくは80モル
%以上、99.9モル%以下のものが好適に用いられ、
具体例としては酢酸ビニルけん化物等が挙げられる。
く、具体例としてはメチロール化またはアルキロール化
した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミ
ド系、ポリアミド系化合物、エポキシ化合物、アジリジ
ン化合物、ブロックポリイソシアネート、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネー
トカップリング剤等が挙げられる。これらの架橋成分
は、バインダーポリマーと予め結合していてもよい。
として、無機系粒子を含有してもよく、具体例としては
シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、バリウム塩等が挙げられる。さらに、必要に応じ
て消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機
系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤発泡剤、染料
等が含有されてもよい。
量(乾燥後)は、通常0.01〜1g/m2 、好ましく
は0.03〜0.5g/m2 の範囲である。塗布量が
0.01g/m2未満の場合には、塗布厚みの均一性が
不十分な場合があり、一方、1g/m2を超えて塗布す
る場合には、滑り性低下等の不具合を生じる場合があ
る。
後述する離型層を塗設させる場合と同様にバーコート方
式、グラビアコート方式等、従来公知の塗工方式を用い
ることができる。
に、硬化型シリコーン樹脂を含有させると離型性が良好
となるので好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分と
するタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、
アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による
変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型
等、いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。
S−774、KS−775、KS−778、KS−77
9H、KS−856、X−62−2422、X−62−
2461、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3
−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DK
Q3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン
(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR
−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニン
グ(株)製SD7220、SD7226、SD7229
等が挙げられる。さらに離型層の剥離性等を調整するた
めに、剥離コントロール剤を併用してもよい。
型層に、硬化型シリコーン樹脂を含有した上で、さらに
四官能性のシロキサン構造単位を有することにより、オ
リゴマー析出防止効果が一層向上するので好ましい。
(A)に示すように四通りのシロキサン構造単位に分類
される。
有する非置換または置換炭化水素基であり、かつラジカ
ル重合性のない炭化水素基、mは0〜3の整数を表す)
上記(A)式において、mが1以上の場合(一官能性:
M単位;二官能性:D単位;三官能性:T単位)、得ら
れる離型フィルムの離型層自体がオリゴマー析出防止効
果に乏しく、例えば、粘着剤塗布後の乾燥工程におい
て、より高温で離型フィルムを熱処理した場合には離型
層表面からのオリゴマー析出量がさらに増加する場合が
ある。
ち、四官能性のシロキサン構造単位(以下、Q単位と略
記する場合がある)を有する離型層を設けた離型フィル
ムを用いれば、離型層がより緻密な塗膜を形成するた
め、オリゴマー析出防止効果が一層向上するようになる
ので好ましい。
する具体例として、例えば、硬化型シリコーン樹脂にQ
単位のシロキサン構造を有するシリコーン系化合物を添
加する方法等が挙げられ、かかるシリコーン系化合物と
しては、反応性を有するレジンタイプのものが例示され
る。
型層に関して、離型層中のQ単位を有するシリコーン系
化合物の含有量が10重量%以上、さらには20重量%
以上であるとき、オリゴマー析出防止効果がさらに良好
となるので好ましい。Q単位を有する化合物の含有量が
10重量%未満の場合、得られる離型層のオリゴマー析
出防止効果が不十分となる場合がある。
離型層を設ける方法として、リバースロールコート、グ
ラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート
等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
0.01〜1g/m2、好ましくは0.03〜0.5g
/m2の範囲である。塗工量が0.01g/m2未満の場
合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るの
が困難になる場合がある。一方、1g/m2を超えて厚
塗りにすると、離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低
下する場合がある。
型層が設けられていない面には接着層、帯電防止層、オ
リゴマー析出防止層等の塗布層を設けてもよく、ポリエ
ステルフィルムにはコロナ処理、プラズマ処理等の表面
処理を施してもよい。
℃、10分間)した後、離型層表面からジメチルホルム
アミドにより抽出されるオリゴマー量(OL)は、0.
6mg/m2以下であり、好ましくは0.4mg/m2以
下である。OLが0.6mg/m2を超える場合には、
粘着剤塗布後の乾燥工程において、乾燥温度をより高く
設定した場合に、離型フィルムの離型層表面に析出する
オリゴマー量が多くなり、液晶偏光板粘着剤層保護用途
においては、粘着剤の透明性が低下する、あるいは粘着
剤層の粘着力が低下する等の不具合が生じるようにな
る。
L)は80%であることが用途上、必要である。TLが
80%未満の場合、透明性が不十分となり、光学的評価
を伴う検査工程においては異物の混入を見落とし易くな
る等の不具合を生じるようになる。
板の間に挟んで積層状態としたときの全光線透過率(T
L(H))は、8%以下であり、好ましくは5%以下、
さらに好ましくは2%以下である。TL(H)が8%を
超える場合、液晶偏光板の検査工程において、離型フィ
ルムを構成するポリエステルフィルムの光学的異方性起
因により、偏光ムラ等の不具合を生じるようになる。
ステルフィルム面内の主配向軸のMD方向に対する角度
(θ3)が70度以上を満足するのが好ましい。θ3は好
ましくは80度以上である。θ3が70度未満の場合、
光学的評価を伴う検査工程においては異物の混入を見落
としやすくなり、検査時に離型フィルムを一旦剥離し、
検査終了後に再度貼付しなければならない等の不具合を
生じる場合がある。
接着率は貼り合わせる相手方粘着剤層表面または製造工
程における搬送用ロール表面へのシリコーン移行または
転着を抑制することから、80%以上であることが必要
であり、好ましくは90%以上がよい。残留接着率が8
0%未満の場合、製造工程において搬送用ロールのロー
ル表面にシリコーン移行成分が転着したり、離型面と接
する粘着剤層の粘着力が低下する等の不具合を生じる。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた
測定法は次のとおりである。 (1)ポリエステルの固有粘度の測定 ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロ
エタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを
加えて溶解させ、30℃で測定した。 (2)平均粒径(d50:μm)の測定 遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製
SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布にお
ける積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。 (3)離型フィルムの離型層表面から抽出されるオリゴ
マー量(OL)の測定 熱処理後(180℃、10分間)の離型フィルムを、上
部が開放され、底辺の面積が250cm2 となるように
折り、四角の箱を作成する。塗布層を設けている場合は
塗布層面が内側となるようにする。
MF(ジメチルホルムアミド)10mlを入れて3分間
放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体
クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供
給してDMF中のオリゴマー量を求め、この値をDMF
に接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面オリ
ゴマー量(mg/m2 )とする。
ク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた
(絶対検量線法)。
ー(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDM
Fに溶解し作成した。標準試料の濃度は、0.001〜
0.01mg/mlの範囲が好ましい。
とおりとした。
HU カラム温度:40℃ 流速:1ml/分 検出波長:254nm (4)離型フィルムの全光線透過率(TL)の測定 JIS−K−7105に準じて日本電色工業社製積分球
式濁度計「NDH−300A」により、離型フィルムの
全光線透過率(%)を測定した。 (5)離型フィルムにおける、フィルム面内の主配向軸
のMD方向に対する角度(θ3)の測定 カールツァイス社製偏光顕微鏡を用いて、離型フィルム
の配向を観察し、ポリエステルフィルム面内の主配向軸
の方向がポリエステルフィルムのMD方向に対して何度
傾いているかをフィルム幅方向に均等に10点測定し、
それらの測定値の最大値をθ3とした。
場合にはその補角を主配向軸のMD方向に対する角度と
した。 (6)直交偏光板間に離型フィルムを挟んだときの全光
線透過率(TL(H))の測定 JIS−K−7105に準じて日本電色工業社製積分球
式濁度計「NDH−300A」により、直交させた偏光
板(日東電工製:偏光率99.99%)の間に離型フィ
ルムを挟み、積層体の状態での全光線透過率(%)を測
定した。
生じにくく、偏光板の検査が容易に行えるようになる。 (7)離型フィルムの残留接着率の評価 残留接着力 試料フィルムのシリコーン面に日東電工(製)No.3
1B粘着テープを2kgゴムローラーにて1往復圧着
し、100℃で1時間加熱処理する。次いで、圧着した
サンプルから試料フィルムを剥がし、No.31B粘着
テープをJIS−C−2107(ステンレス板に対する
粘着力、180°引き剥がし法)の方法に準じて接着力
を測定する。これを残留接着力とする。 基礎接着力 残留接着力の場合と同じテープ(No.31B)を用い
てJIS−C−2107に準じてステンレス板に粘着テ
ープを圧着して、同様の要領にて測定を行う。この時の
値を基礎接着力とする。これらの測定値を用いて、下記
式に基づいて残留接着率を求める。
o.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×30
0mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後
の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)イ
ンテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用
し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を
行った。 (9)離型フィルムの消光状態評価 異物を付着させた粘着剤層を介して離型フィルムと偏光
板が貼り合わされた積層体において、離型フィルムの側
から光を通して見た際の消光状態の有無を観察した。 (10)離型フィルムの検査容易性評価 異物を付着させた粘着剤層を介して離型フィルムと偏光
板が貼り合わされた積層体において、離型フィルムの側
から光を通して見た際の異物の見えやすさを下記判定基
準により評価した。 《判定基準》 良好:検査可能(実用上問題ないレベル) やや不良:検査困難な場合がある(実用上問題あるレベ
ル) 不良:検査不可能(実用上問題あるレベル) 実施例および比較例において用いた原料ポリエステルお
よびフィルムの製造方法は、以下のとおりである。 〈ポリエステルの製造〉 製造例1(ポリエチレンテレフタレートA1) ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反
応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了し
た。次いで、エチレングリコールスラリーエチルアシッ
ドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.0
3部、平均粒径0.25μmのシリカ粒子を0.3部添
加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mm
Hgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に
0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、
固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートA1を
得た。
2) 製造例1において平均粒径1.54μmのシリカ粒子を
0.1部添加する代わりに平均粒径0.27μmの酸化
チタン粒子を1部添加する以外は製造例1と同様にして
ポリエチレンテレフタレートA2を得た。 〈ポリエステルフィルムの製造〉 製造例3(ポリエステルフィルムF1) 製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA1を
180℃で4時間不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押
出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加
密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール
上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られたシート
を85℃で3.5倍縦方向に延伸した。
た後、フィルムをテンターに導き、100℃で3.7倍
横方向に延伸した後、230℃にて熱固定を行い、中央
部分1000mm幅のみを採取し、塗工量が0.05g
/m2(乾燥後)の塗布層が設けられた、厚さ25μm
のPETフィルムF1を得た。 《塗布層を構成する化合物》 PVA系樹脂:A けん化度=88モル%、重合度=500のポリビニルア
ルコール 水系ポリエステル樹脂:B イソフタール酸、エチレングリコール、ジエチレングリ
コールを主とするポリエステルにネオペンチルグリコー
ル、脂肪族ジカルボン酸無水物を有するジカルボン酸誘
導体を共重合させたポリエステルをアミン化合物で中和
し水系化して得られた水系ポリエステル 架橋性化合物:C ヘキサメトキシメチルメラミン 粒子:D 平均粒径65nmのシリカゾル 《塗布剤組成》 PVA系樹脂(A) 70重量% 水系ポリエステル樹脂(B) 15重量% 架橋性化合物(C) 10重量% 粒子(D) 5重量% 上記塗布液の濃度は2重量%とした。
7(PETフィルムF5)製造例3において、塗布剤組
成を下記表1に示す塗布剤組成に変更する以外は製造例
3と同様にしてPETフィルムF2〜PETフィルムF
5を得た。
1に示すとおりである。
に変更し、かつ塗布層の塗工量を0.7g/m2(乾燥
後)にする以外は製造例3と同様にして製造し、PET
フィルムF6を得た。このPETフィルムの特性を表1
に示す。
変更する以外は製造例3と同様にして製造し、PETフ
ィルムF7を得た。このPETフィルムの特性を表1に
示す。
リエチレンテレフタレートA2に変更する以外は製造例
3と同様にして製造し、PETフィルムF8を得た。こ
のPETフィルムの特性を表1に示す。
様の塗布剤を塗布した後、T.M.Long社製ロング
延伸機を用いて95℃で延伸倍率をMD方向に3.0
倍、TD方向に4.0倍の同時二軸延伸を行った。その
後、230℃にて熱固定し、塗工量が0.05g/m2
(乾燥後)の塗布層が設けられた、厚さ25μmのPE
TフィルムF9を得た。このPETフィルムの特性を表
1に示す。
取する以外は製造例3と同様にしてPETフィルムF1
0を得た。このPETフィルムの特性を表1に示す。
て採取した端部との間の部分において1000mm幅の
フィルムを採取する以外は製造例3と同様にしてPET
フィルムF10を得た。このPETフィルムの特性を表
1に示す
なる離型層を塗布量が0.1g/m2(乾燥後)となる
ように設け、離型フィルムを得た。この離型フィルムの
特性を下記表2に示す。 《離型剤組成》 ジメチルポリシロキサン構造を有する硬化型シリコーン樹脂(KS−847H :信越化学製 固形分濃度30%) 60重量% 硬化剤(PL−50T:信越化学製 固形分濃度 1%) 1重量% Q単位のシロキサン構造を有するシリコーン系化合物(反応性シリコーンレジ ン:固形分濃度30%) 39重量% 上記離型剤をMEK/トルエン混合溶媒(混合比率は
1:1)で希釈し、濃度1.5重量%の塗布液を作成し
た。
は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
この離型フィルムの特性を表2に示す。 《離型剤組成》 ジメチルポリシロキサン構造を有する硬化型シリコーン樹脂(KS−847H :信越化学製 固形分濃度30%) 89重量% 硬化剤(PL−50T:信越化学製 固形分濃度 1%) 1重量% Q単位のシロキサン構造を有するシリコーン系化合物(反応性シリコーンレジ ン:固形分濃度30%) 10重量% 上記離型剤をMEK/トルエン混合溶媒(混合比率は
1:1)で希釈し、濃度1.5重量%の塗布液を作成し
た。
外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得
た。この離型フィルムの特性を表2に示す。 《離型剤組成》 フェニル基を含有するポリシロキサン構造を有する硬化型シリコーン樹脂(K S−774:信越化学製 固形分濃度30%) 60重量% 硬化剤(PL−3:信越化学製 固形分濃度30%) 1重量% Q単位のシロキサン構造を有するシリコーン系化合物(反応性シリコーンレジ ン:固形分濃度30%) 39重量% 上記離型剤をMEK/トルエン混合溶媒(混合比率は
1:1)で希釈し、濃度1.5重量%の塗布液を作成し
た。
TフィルムF2を用いる以外は実施例1と同様にして製
造し、離型フィルムを得た。この離型フィルムの特性を
表2に示す。
TフィルムF3を用いる以外は実施例1と同様にして製
造し、離型フィルムを得た。この離型フィルムの特性を
表2に示す。
TフィルムF4を用いる以外は実施例1と同様にして製
造し、離型フィルムを得た。この離型フィルムの特性を
表2に示す。
フィルムF6を用いる以外は実施例1と同様にして製造
し、離型フィルムを得た。この離型フィルムの特性を表
2に示す。
フィルムF9を用いる以外は実施例1と同様にして製造
し、離型フィルムを得た。この離型フィルムの特性を表
2に示す。
TフィルムF11を用いる以外は実施例1と同様にして
製造し、離型フィルムを得た。この離型フィルムの特性
を表2に示す。
性シリコーンレジンを添加しない以外は実施例1と同様
にして製造し、離型フィルムを得た。この離型フィルム
の特性を表2に示す。
TフィルムF5を用いる以外は実施例1と同様にして離
型フィルムを得た。この離型フィルムの特性を表2に示
す。
は実施例3と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
この離型フィルムの特性を表2に示す。 《離型剤組成》 ジメチルポリシロキサン構造を有する硬化型シリコーン樹脂(KS−847H :信越化学製 固形分濃度30%) 60重量% 硬化剤(PL−50T:信越化学製 固形分濃度 1%) 1重量% Q単位のシロキサン構造を有するシリコーン系化合物(反応性シリコーンレジ ン:固形分濃度30%) 38重量% 非反応性シリコーンオイル(X−22−819:信越化学製 比重0.99( 25℃)) 1重量% 上記離型剤をMEK/トルエン混合溶媒(混合比率は
1:1)で希釈し、濃度1.5重量%の塗布液を作成し
た。
TフィルムF7を用いる以外は実施例1と同様にして製
造し、離型フィルムを得た。この離型フィルムの特性を
表2に示す。
TフィルムF8を用いる以外は実施例1と同様にして製
造し、離型フィルムを得た。この離型フィルムの特性を
表2に示す。
TフィルムF10を用いる以外は実施例1と同様にして
製造し、離型フィルムを得た。この離型フィルムの特性
を表2に示す。
粘着剤層保護用として用いた場合、オリゴマーの析出量
が極力少なく、透明性が良好であり、光学的検査を伴う
検査が容易であり、その工業的価値は極めて高い。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリエステルフィルムの片面に、塗布層
と残留接着率が80%以上の離型層とが順次設けられた
離型フィルムであり、下記式(1)〜(3)を同時に満
足することを特徴とする液晶偏光板粘着剤層保護用離型
フィルム。 OL≦0.6 …(1) TL≧80 …(2) TL(H)≦8 …(3) (上記式中、OLは180℃、10分間熱処理後の離型
フィルムの離型層表面からジメチルホルムアミドにより
抽出されるオリゴマー量(mg/m2)、TLは離型フ
ィルムの全光線透過率(%)、TL(H)は直交させた
偏光板の間に離型フィルムを挟んだときの全光線透過率
(%)を表す) - 【請求項2】 ポリエステルフィルム面内の主配向軸の
MD方向に対する角度(θ3)が70度以上であること
を特徴とする請求項1記載の液晶偏光板粘着剤層保護用
離型フィルム。 - 【請求項3】 離型層が硬化型シリコーン樹脂を含有す
ることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶偏光
板粘着剤層保護用離型フィルム。 - 【請求項4】 離型層が四官能性のシロキサン構造単位
(SiO4/2)を有することを特徴とする請求項1〜3
のいずれかに記載の液晶偏光板粘着剤層保護用離型フィ
ルム。 - 【請求項5】 塗布層がポリビニルアルコールを含有す
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液
晶偏光板粘着剤層保護用離型フィルム。
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