JP2012136612A - 基材レス両面粘着シート用ポリエステルフィルム - Google Patents

基材レス両面粘着シート用ポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 基材レス両面粘着シートを光学用途に用いるときの離型ポリエステルフィルムの課題は、粘着剤に貼り合わせる際に用いる2枚の離型ポリエステルフィルムの剥離力差を持たせるために、剥離力の軽い離型ポリエステルフィルム側の剥離力を可能な限りの低剥離化させる、さらには、その離型フィルムにおける工程汚染や粘着剤への異物軽減、等が挙げられる。
【解決手段】 ポリビニルアルコールを含有する塗布液をポリエステルフィルムの片面に塗布して得られた塗布層を有し、当該塗布層上に無溶剤系付加反応硬化型シリコーンを含有する塗布剤を塗布して設けられた離型層を片面に有する離型フィルムであり、当該離型層のテープ剥離力が15mN/cm以下であり、かつ、シリコーン系成分の移行性評価接着率が90%以上であることを特徴とする基材レス両面粘着シート用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学用途向けとして好適な基材レス両面粘着シート用ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、物体間を面接着する粘着シートは種々知られており、粘着シートの1つとして基材レス両面粘着シートが知られている。基材レス両面粘着シートは、粘着剤層の両面に剥離力の相対的に低い軽剥離シートと、剥離力の相対的に高い重剥離シートが積層されて構成され、両面の剥離シートを除去した後には、支持基材を有さない粘着剤層のみとなる両面粘着シートである。基材レス両面粘着シートは、まず軽剥離シートが剥がされ、露出された粘着剤層の一方の面が物体面に接着され、その接着後、さらに重剥離シートが剥がされ、露出された粘着剤層の他方の面が、異なる物体面に接着され、これにより物体間が面接着される。
近年、基材レス両面粘着シートは、ユニット毎に保存できることから歩留まりが上がることや、多用途に転用できる等の利点から、その用途が広がりつつあり、各種光学用途の部材等にも用いられている。例えば、LCDの部材として、基材レス両面粘着剤シートの剥離力の軽い方の離型フィルムを剥がして、その面に偏光板を貼り合わせて、その反対面側に剥離力の重い離型フィルムを用いられることがある。
生産上の作業性から、離型フィルムの剥離力差が大きくなければならない。しかし、重剥離側の離型フィルムの剥離力コントロールが難しい等の問題があるために、軽剥離側の離型フィルムの剥離力はできるだけ軽いものが求められている。
また、離型フィルムの剥離力の軽減を図るためには、1つの方法として、低分子成分の移行性を利用する方法が挙げられる。しかし、低分子成分の移行性が高過ぎる場合、その成分原因物が接着する粘着剤付き偏光板等に転写し、異物、汚れ、粘着力低下、さらに、凹み等の欠陥、等の問題を引き起こす事が懸念される。
上記のように偏光板基材などの光学用途に離型ポリエステルフィルムを用いる場合は、偏光板を貼り付けたまま、異物など発見のための光学検査を行うことがある。そのため、今まで以上に異物等の欠点が重要な問題となっている。
異物の発生原因の一つとして、ポリエステルフィルム中に含まれているオリゴマー(以後、OLと略記する場合がある)が考えられている。ポリエステルの低分子性昇華物と考えられるOLは製造工程内でフィルム表面に析出し、フィルムと接触するロール等に付着して異物となる。また、異物を低減するため、ロールに付着したオリゴマーを取り除く作業を行うが、生産効率が悪くなる問題点も挙げられる。
特開2009−220496号公報 特開2003−231214号公報 特開2002−361737号公報 特開2001−301024号公報 特開2009−220496号公報 特開2010−132561号公報 特開平10−158519号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、粘着剤に貼り合わせる際に用いる2枚の離型ポリエステルフィルムの剥離力差を持たせるために、剥離力の軽い離型ポリエステルフィルム側の剥離力を可能な限りの低剥離化させる、さらには、その離型フィルムにおける工程汚染や粘着剤への異物軽減、等が挙げられ、その問題を解決した、安価な基材レス両面粘着シート用ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリビニルアルコールを含有する塗布液をポリエステルフィルムの片面に塗布して得られた塗布層を有し、当該塗布層上に無溶剤系付加反応硬化型シリコーンを含有する塗布剤を塗布して設けられた離型層を片面に有する離型フィルムであり、当該離型層のテープ剥離力が15mN/cm以下であり、かつ、シリコーン系成分の移行性評価接着率が90%以上であることを特徴とする基材レス両面粘着シート用ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、剥離力が軽く、低分子シリコーン成分の移行性が低く、かつ、空気暴露性に優れた離型ポリエステルフィルムを提供することができるため、その工業的価値は高い。
本発明でいうポリエステルフィルムとは、いわゆる押出法に従い押出口金から溶融押出されたシートを延伸したフィルムである。
上記のフィルムを構成するポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸から重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2、6−ナフタレート等が例示される。
本発明のフィルム中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されているような耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.1〜2μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、易滑性を十分に付与できない場合がある。一方、3μmを超える場合には、フィルムの製膜時に、その粒子の凝集物のために透明性が低下することがある他に、破断などを起こし易くなり、生産性の面で問題になることがある。
さらにポリエステル中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合には、フィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常10〜350μm、好ましくは15〜100μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常90〜140℃、好ましくは95〜120℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常90〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルム製造に関しては、同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常90〜140℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
ポリエステルフィルムの表面に塗布層を形成する方法は、特に制限されないが、ポリエステルフィルムを製造する工程中で塗布液を塗布する方法が好適に採用される。具体的には、未延伸シート表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法、二軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。これらの中では、未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルム表面に塗布液を塗布後、フィルムに熱処理を行う過程で同時に塗布層を乾燥硬化する方法が経済的である。また、塗布層を形成する方法として、必要に応じ、前述の塗布方法の幾つかを併用した方法も採用し得る。具体的には、未延伸シート表面に第一層を塗布して乾燥し、その後、一軸方向に延伸後、第二層を塗布して乾燥する方法等が挙げられる。ポリエステルフィルムの表面に塗布液を塗布する方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター等を使用することができる。
本発明において用いる塗布液は、通常、安全性や衛生性の観点から水を主たる媒体として調整されていることが好ましい。水を主たる媒体とする限りにおいて、水への分散を改良する目的あるいは造膜性能を改良する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は、主たる媒体である水と混合して使用する場合、水に溶解する範囲で使用することが好ましいが、長時間の放置で分離しないような安定した乳濁液(エマルジョン)であれば、水に溶解しない状態で使用してもよい。有機溶剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
次に本発明のポリエステルフィルムを構成するOL封止目的の塗布層の形成について説明する。塗布層に関しては、ポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよく、両者を併用してもよい。製膜と同時に塗布が可能であるため、製造が安価に対応可能であり、塗布層の厚みを延伸倍率により変化させることができるという点でインラインコーティングが好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に塗布層を高温で処理することができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明において、塗布層にバインダーポリマーを使用することが通常であるが、バインダーポリマーとは、高分子化合物安全性評価フロースキーム(昭和60年11月 化学物質審議会主催)に準じて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が1000以上の高分子化合物で、かつ造膜性を有するものと定義する。
塗布層中の成分の分析は、例えば、TOF−SIMS等の表面分析によって行うことができる。
インラインコーティングによって塗布層を設ける場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
上記の目的を果たすため、本発明では、塗布によりフィルム表面にオリゴマーの析出防止層を形成し、当該層がポリビニルアルコールを10〜100重量%、好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは30〜90重量%含有するものとする。ポリビニルアルコールの含有量が10重量%未満では、オリゴマー封止効果が不十分で好ましくない。
本発明で用いるポリビニルアルコールは、通常の重合反応によって合成することができ、水溶性であることが好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、特に限定されるものではないが、通常100以上、好ましくは300〜40000のものが用いられる。重合度が100以下の場合、塗布層の耐水性が低下する傾向がある。本発明で用いるポリビニルアルコールのけん化度は、特に限定されるものではないが、通常70モル%以上、好ましくは80モル%以上、99.9モル%以下であるポリ酢酸ビニルけん化物が実用上用いられる。
本発明におけるオリゴマー析出防止層には、必要に応じて上記のポリビニルアルコール以外の水溶性または水分散性のバインダー樹脂を併用してもよい。かかるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アクリレート樹脂、等が挙げられる。これらは、それぞれの骨格構造が共重合等により実質的に複合構造を有していてもよい。複合構造を持つバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂グラフトポリエステル、アクリル樹脂グラフトポリウレタン、ビニル樹脂グラフトポリエステル、ビニル樹脂グラフトポリウレタン、アクリレート樹脂グラフトポリエチレングリコール、等が挙げられる。バインダー成分の配合量は、塗布層に対する重量部で50重量部以下、さらには30重量部以下の範が好ましい。さらに本発明のフィルムの塗布層中には、必要に応じて架橋反応性化合物を含んでいてもよい。
架橋反応性化合物としては、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系などの化合物、ポリアミン類、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネート系カップリング剤、金属キレート、有機酸無水物、有機過酸化物、熱または光反応性のビニル化合物や感光性樹脂などの多官能低分子化合物および高分子化合物から選択される。
架橋反応性化合物は、主に易接着樹脂層に含まれる樹脂が有する官能基と架橋反応することで、易接着樹脂層の凝集性、表面硬度、耐擦傷性、耐溶剤性、耐水性を改良することができる。例えば、易接着樹脂の官能基が水酸基の場合、架橋反応性化合物としては、メラミン系化合物、ブロックイソシアネート化合物、有機酸無水物などが好ましく、易接着ポリエステルの官能基が有機酸およびその無水物の場合、架橋反応性化合物としてはエポキシ系化合物、メラミン系化合物、オキサゾリン系化合物、金属キレートなどが好ましく、易接着樹脂の官能基がアミン類の場合、架橋反応性化合物としてはエポキシ系化合物などが好ましく、易接着樹脂に含まれる官能基と架橋反応効率が高いものを選択して用いることが好ましい。本発明におけるメラミン化合物としては、アルキロールまたはアルコキシアルキロール化したメラミン系化合物であるメトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン等が例示され、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できる。
架橋反応性化合物は反応性官能基が1分子中に2官能以上必ず含まれる限りにおいて、低分子量化合物であっても、反応性官能基を有する高分子重合体のいずれであってもよい。架橋反応性化合物の配合量は、易接着樹脂層に対する重量部で50重量部以下、さらには30重量部以下、特に15重量部以下の範囲が好ましい。
さらに本発明の易接着樹脂層中には、必要に応じて塗布層の滑り性改良のために不活性粒子を含んでいてもよい。
不活性粒子としては、無機不活性粒子、有機不活性粒子があり、無機不活性粒子としては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、炭酸カルシウム、酸化チタン等が挙げられる。
有機不活性粒子としては、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂による単独あるいは共重合体を含む微粒子、またはこれらと架橋成分を複合した架橋粒子に代表される有機粒子が挙げられる。これらの不活性粒子は軟化温度または分解温度が約200℃以上、さらには250℃以上、特に300℃以上であることが好ましい。不活性粒子の平均粒径(d)は、易接着樹脂層の平均膜厚を(L)とした際、1/3≦d/L≦3、さらには1/2≦d/L≦2の関係を満足するように選択するのが好ましい。
本発明のOL封止層は、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、低分子帯電防止剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料等の添加剤を少量含有していてもよい。これらの添加剤は単独で用いてもよいが、必要に応じて二種以上を併用してもよい。本発明のフィルムの塗布層は、ポリエステルフィルムの片面だけに形成してもよいし、両面に形成してもよい。片面のみに形成する場合、その反対面には必要に応じて別種の塗布層を形成させ、さらに他の特性を付与することもできる。なお、塗布液のフィルムへの塗布性および接着性を改良するため、塗布前のフィルムに化学処理や放電処理等を施してもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルム上に設けられる塗布層の膜厚は、通常0.002〜1.0g/m、より好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.01〜0.2g/mの範囲である。膜厚が0.002g/m未満の場合は十分な密着性が得られない可能性があり、1.0g/mを超える場合は、外観や透明性、フィルムのブロッキング性が悪化する可能性がある。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、塗布層を設ける方法は、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を挙げることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては、特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
一方、インラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明のポリエステルフィルムのOL封止層は、バインダー樹脂と架橋剤とを任意割合で配合することで形成することが好ましいく、その場合、層が密にバリア層を形成するためOLを抑制することができる。このため、ポリエステルフィルムからのOLを極力、粘着剤に付着させない、また、先の加工工程内で出さない効果がある。よって、本発明のポリエステルフィルムのOL封止層の層構成は、両面が好ましく、用途に応じて、少なくとも片面に塗布することが必要とされる。
本発明おいて、OL(オリゴマー)とは、熱処理後、結晶化してフィルム表面に析出する低分子量物のうちの環状三量体と定義する。
本発明のポリエステルフィルムを熱処理(180℃、10分間)した後、塗布層表面からジメチルホルムアミドにより抽出されるOL量は、3.0mg/m以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.0mg/m以下である。OLが3.0mg/mを超える場合、工程汚染があり、粘着剤貼り合わせ時に、異物が発生し、製品の歩留まりが落ちるなどの不具合が生じることがある。
本発明のフィルムの塗布層上に形成する離型層は、離型性を有する材料を含有するものであり、具体的には、無溶剤系付加反応硬化型シリコーンを含有する塗布剤を塗布することにより設けられた離型層であり、当該離型層によれば、離型性が良好となるので好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
本発明で用いる硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型を主体とし、エマルジョン型でも可能だが、主に比較的分子量の小さい無溶剤型の付加反応硬化タイプを用いる。
本発明において使用する、シリコーン樹脂の例としては以下のようなものが挙げられる。
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリジオルガノシロキサン
(B)SiH基を含有するポリオルガノシロキサン
ここで、(A)成分は、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するポリジオルガノシロキサンであり、このようなアルケニル基含有ポリジオルガノシロキサンとしては、下記一般式(1)で示されるものが例示できる。
(3−a)SiO−(RXSiO)m−(R2SiO)n−(RXSiO)p−R(3-a)SiO …(1)
上記一般式(1)において、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、Xはアルケニル基含有の有機基である。aは0〜3の整数で1が好ましく、m は0以上であるが、a=0の場合、mは2以上であり、mおよびnは、それぞれ100≦m+n≦20000 を満足する数であり、pは2以上である。Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基などが挙げられるが、特にメチル基、フェニル基が好ましい。Xはアルケニル基含有の有機基で炭素数2〜10のものが好ましく、具体的にはビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、アクリロイルプロピル基、アクリロイルメチル基、メタクリロイルプロピル基、シクロヘキセニルエチル基、ビニルオキシプロピル基等が挙げられるが、特にビニル基、ヘキセニル基などが好ましい。
このポリジオルガノシロキサンの性状は、オイル状、生ゴム状であればよく、(A)成分の粘度は、25℃において100mPa・s以上、特に1000mPa・s以上が好ましい。なお、上限としては、特に限定されないが、他成分との混合の容易さから、重合度が20000以下となるように選定することが好ましい。また、(A)成分は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)成分であるSiH基を含有するポリオルガノシロキサンは架橋剤であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2 個、好ましくは3 個以上有するオルガノヒドロポリシロキサンで、直鎖状、分岐状、環状のものなどを使用することができる。(B)成分としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができるが、これらのものには限定されない。
b1 (3-b)SiO−(HR1SiO)x−(R1 2SiO)y−SiR1 (3-b)b …(2)
上記一般式(2)において、R1は炭素数1〜6の脂肪族不飽和結合を含有しない1価炭化水素基である。bは0〜3の整数、x、yはそれぞれ整数であり、このオルガノヒドロポリシロキサンの25℃における粘度が1〜5000mPa・sとなる数を示す。このオルガノヒドロポリシロキサンの2 5 ℃ における粘度は、1〜5000mPa・s、特に5〜1000mPa・sであることが好ましく、また2種以上の混合物でもよい。
付加反応による架橋は、(A)成分と架橋剤の(B)成分の間で生じ、硬化後の粘着層のゲル分率は架橋成分の割合によって決まる。(B)成分の使用量は、(A)成分中のアルケニル基に対する(B)成分中のSiH基のモル比が0.5〜20、特に0.8〜15の範囲となるように配合することが好ましい。0.5未満では架橋密度が低くなり、これにともない保持力が低くなることがある。一方で、20を越えると粘着力が低下したり、処理液の使用可能時間が短くなったりする場合がある。
また、耐熱保持力などの耐熱性や溶剤浸透抑制などの耐溶媒性を向上させるためには、組成物中の架橋成分の割合を増やせばよいが、過剰に増やすと粘着力の低下や膜の柔軟性が低下するなどの影響が発生する場合がある。このような点から、(A)/(B)成分の配合質量比は20/80〜80/20とすればよく、特に45/55〜70/30とすることが好ましい。(A)成分の配合割合が20/80より少ないと、粘着特性が低下することがあり、また、80/20より多いと十分な耐熱性が得られないことがある。
本発明において、記載の剥離力、シリコーンの移行性を達成するためには、上記のように配合した無溶剤系付加反応硬化型シリコーンを使用しなければならない。その配合した無溶剤系付加反応硬化型シリコーンの25℃における粘度は、5〜1000mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜500mPa・s、さらに好ましくは、50〜250mPa・sであり、本発明の実施例、比較例で用いられた無溶剤系付加反応硬化型シリコーンの25℃における粘度は、150〜250mPa・sの範囲のものであった。
無溶剤型シリコーン系樹脂塗剤の具体例を挙げると、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製のDEHESIVEシリーズのうち、DEHESIVE 636、919、920、921、924、929等が挙げられる。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。また、上述のとおり、離型層中にアミノ基を有するシラン化合物を添加することもある。
本発明におけるポリエステルフィルムでは、無溶剤系付加反応硬化型シリコーンの離型層中の含有量は、通常0.5〜5.0重量部の範囲である。好ましくは、1.0〜3.0重量部である。0.5重量部よりも少ない含有量では、目的の軽剥離が満足できないことがある。また、5.0重量部よりも大きい値では、低分子量シリコーンの移行性分が多く存在しているため、生産性に影響を及ぼすことがある。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法としては、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。本発明における離型層の塗布量は、通常0.01〜1g/mの範囲である。
本発明において、離型層が設けられていない面には、接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層等の塗布層を設けてもよく、また、ポリエステルフィルムにはコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
また、粘着剤層または離型層の塗膜の乾燥および/または硬化(熱硬化、電離放射線硬化等)は、それぞれ個別または同時に行うことができる。同時に行う場合には、80℃以上の温度で行うことが好ましい。乾燥および硬化の条件としては、80℃以上で10秒以上が好ましい。乾燥温度が80℃未満または硬化時間が10秒未満では塗膜の硬化が不完全であり、塗膜が脱落しやすくなるため好ましくない。
本発明におけるポリエステルフィルムでは、離型層をきれいかつ頑丈にするため、付加型の反応を促進する白金系触媒を用いる。本成分としては、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体等の白金系化合物、白金黒、白金担持シリカ、白金担持活性炭が例示される。
また、付加型の反応は非常に反応性が高いため、場合によっては、不可反応抑制剤として、アセチレンアルコールを添加することがある。その成分は炭素−炭素3重結合と水酸基を有する有機化合物であるが、好ましくは、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールおよびフェニルブチノールからなる群から選択される化合物である。
本発明における、剥離力とは、両面粘着テープ(日東電工製「No.31B」)を離型層面に貼り付け、室温にて1時間放置した後に、基材フィルムと剥離角度180°、任意の引張速度でテープを剥離したときに引張試験機で測定した値を言う。本発明において特定の剥離力を調整する方法は、離型層中の組成を選択することにより達成することができるが、その他の手段も採用でき、主にシリコーン離型層の離型剤の種類を、所望の剥離力に応じて変更することが好ましく、さらには、剥離力は用いる離型剤の塗布量に大きく依存するため、その離型剤の塗布量を調整する方法がさらに好ましい。本発明の離型フィルムにおける剥離力は10〜15mN/cmの範囲である。当該剥離力が10mN/cm未満の場合、剥離力が軽くなりすぎて本来剥離する必要がない場面においても容易に剥離する不具合を生じる。本発明におけるポリエステルフィルムにおける上記剥離力を達成させる手段は、25℃における粘度が5〜1000mPa・sである無溶剤系付加反応硬化型シリコーンを一定量配合したシリコーンを塗布膜として、ポリエステルフィルムの外層に積層することである。
本発明における離型層のシリコーン系成分の移行性評価接着率とは、フィルムで挟んで温度60℃、圧力1MPaの条件で2時間プレスしたときの、粘着テープ(日東電工(株)製「No.31B」)を用いた剥離力を測定し、処理前との剥離力の比を取った値で示される。剥離力は(株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」を使用し、引張速度0.3(m/分)の条件下、180°剥離を行った。当該移行性評価接着率は、90%以上である必要がある。移行性評価接着率が90%よりも低い場合、移行成分が異物等の不具合となったり、巻き取り時に離型コート面と反対面へ移行して、先の工程で当該離型フィルムを剥離する際に不具合を生じたりする。
本発明において、ポリエステルフィルムにおける上記移行性を達成させる手段は、例えば、25℃における粘度が5〜1000mPa・sである無溶剤系付加反応硬化型シリコーンを一定量配合したシリコーンを塗布膜として、ポリエステルフィルムの外層に積層することが挙げられる。
本発明における離型層の空気暴露性の評価は、室温23℃湿度50%RHの非クリーン室で24時間つり下げた(暴露)後、粘着テープ(日東電工(株)製「No.31B」)を用いた剥離力を測定し、暴露前との剥離力の比を取った値で示される。剥離力は(株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」を使用し、引張速度0.3(m/分)の条件下、180°剥離を行った。空気暴露後の剥離力は、15mN/cmよりも小さく、かつ、暴露前後の剥離力変動が±10%以内であることが好ましい。この範囲を外れる場合、製品として、温度、湿度の変化に著しく弱いフィルムとなり、保管コントロールが難しいなどの不具合となることがある。
本発明において、ポリエステルフィルムにおける上記耐空気暴露性を達成させる手段は、例えば、25℃における粘度が5〜1000mPa・sである無溶剤系付加反応硬化型シリコーンを一定量配合したシリコーンを塗布膜として、ポリエステルフィルムの外層に積層することが挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)ポリエステルフィルムの透過率測定
JIS − K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−300Aによりポリエステルフィルムの全光線透過率を測定した。次のような基準で判断する。
(4)ポリエステルフィルムのヘーズ(濁度)測定
JIS−K7105に準じ、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−20Dにより、フィルムのヘーズを測定した。
(5)ポリエステルフィルムの加熱収縮率測定
ポリエステルフィルムを縦長さの方向(以後、MDと略する)と横幅の方向(以後、TDと略する)にそれぞれ、任意の長さL(cm)でサンプリングする。続いて、そのサンプルをオーブンで160℃、5分の加熱を行い、そのサンプルをオーブンから取り出して長さl(cm)を測定する。この操作を3回行い、平均値を加熱収縮率の値として採用する。下記式で加熱収縮率は算出できる。
加熱収縮率(%)={(L−l)/L}×100
(6)塗布層中触媒量測定
SAICASを用いて、試料フィルムに斜め切削を行い、断面を露出させた。その後、TOF−SIMS(飛行時間型質量分析マススペクトル)を用いて、ポリエステルフィルム塗布層中に含まれる白金を含む触媒量を求めた。
(7)塗布層中の触媒量測定
SAICASを用いて、試料フィルムに斜め切削を行い、断面を露出させた。その後、TOF−SIMS(飛行時間型質量分析マススペクトル)を用いて、ポリエステルフィルム塗布層中に含まれる白金を含む触媒量を求めた。
(8)離型フィルムの剥離力(F)の評価
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.31B」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分で、180°剥離を行った。次のような基準で判断する。
○:15mN/cm以下
×:15mN/cmより大きい
(9)離型フィルムのシリコーン低分子成分移行性の評価(XRF)
蛍光X線測定装置((株)島津製作所(製)型式「XRF−1500」)を用いてFP(Fundamental Parameter Method)法により、下記測定条件下、離型フィルムの離型層が設けられた面および離型層がない面の珪素元素量を測定し、その差をもって、離型層中の珪素元素量とした。次に得られた珪素元素量を用いて、−SiO(CHのユニットとしての塗布量(Si)(g/m)を算出した。
《測定条件》
分光結晶:PET(ペンタエリスリトール)
2θ:108.88°
管電流:95mA
管電圧:40kv
(10)離型フィルムのシリコーン低分子成分移行性の評価
試料フィルムをA4大に切り取り、離型面に75μm厚2軸延伸PETフィルム(三菱樹脂株式会社製:ダイアホイルT100−75)を重ねて温度60℃、圧力1MPaの条件で2時間プレスする。この離型面に押し当てた75μm厚フィルムを移行性評価フィルムとする。未処理のPETフィルムにも同様にして75μm厚2軸延伸PETフィルム(同)を押し当て、基準フィルムとする。それぞれのフィルムの押し当てた面に粘着テープ(日東電工(株)製「No.31B」)を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定した。剥離力は(株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」を使用し、引張速度0.3(m/分)の条件下、180°剥離を行った。
移行性評価接着率(%)=(移行性評価フィルムの剥離力/基準フィルムの剥離力)×100
得られた結果を次の基準で判断する。
○:90%以上
×:90%より小さい
(11)離型フィルムの耐空気暴露性の評価
試料フィルムをA4大に切り取り、室温23℃湿度50%RHに調節された実験室(非クリーン環境)内に渡した紐に24時間つり下げる。離型面に粘着テープ(日東電工(株)製「No.31B」)を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定した。剥離力は(株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」を使用し、引張速度0.3(m/分)の条件下、180°剥離を行った。
次の基準で判断する。
○:15mN/cm以下
×:15mN/cmより大きい
(12)アンカー層表面から抽出されるOLの測定
あらかじめ、未熱処理の離型フィルムを空気中、180℃で10分間加熱する。その後、熱処理をした該フィルムを上部が開いている縦横10cm、高さ3cmの箱の内面にできるだけ密着させて箱形の形状とする。塗布層を設けている場合は塗布層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にDMF(ジメチルホルムアミド)4mlを入れて3分間放置した後、DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のOL量を求め、この値を、DMFを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面OL量(mg/m)とする。
DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。標準試料の作成は、あらかじめ分取したOL(環状三量体)を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し作成した。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(13)離型特性
粘着層を有する積層フィルムより離型フィルムを剥がした時の状況より、離型特性を評価した。
○:離型フィルムがきれいに剥がれ、粘着剤が離型層に付着する現象、または、離型層由来のシリコーン低分子成分が粘着剤に付着しない
△:離型フィルムは剥がれるが、速い速度で剥離した場合に粘着剤が離型層に付着する、または、離型層由来のシリコーン低分子成分が少量ながら粘着剤に付着する
×:離型フィルムに粘着剤が付着する、上手く剥がれない、または、離型層由来のシリコーン低分子成分が粘着剤に付着する
(14)総合評価
製膜性、生産性、検査特性全てを考慮に入れた評価を行う。次の基準で判断する。
○:生産しても充分に製品として供給できる。また、OL量が1.0mg/mより少ない。
△:生産性が良い、かつ、不具合の頻度が少ない。また、OL量が1.0mg/mより少ない。
×:生産性が悪い。不具合が多発する。また、OL量が1.0mg/mより多い。
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(a)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.61に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.61のポリエステル(a)を得た。
<ポリエステル(b)の製造方法>
ポリエステル(a)の製造方法において、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.0μmのシリカ粒子0.2部を加えて、極限粘度0.61に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(a)の製造方法と同様の方法を用いて、極限粘度0.61のポリエステル(b)を得た。
実施例1:
〈ポリエステルフィルムの製造〉
表層の原料としてポリエステル(a)77重量%と、ポリエステル(b)23重量%を混合し、中間層の原料として、ポリエステル(a)を使用し、2台のベント付き押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、次に下記塗布剤を塗布量(乾燥後)が0.03g/mになるように塗布した後、テンターに導き、テンター内で予熱工程を経て120℃で4.3倍の横延伸を施した後、220℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4%の弛緩を加え、幅4000mmのマスターロールを得た。このマスターロールの端から1400mmの位置よりスリットを行い、コアに1000m巻き取りし、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの全厚みは38μm(層構成:表層4μm/中間層30μm/表層4μm)であった。
なお、塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・ケン化度88モル%、重合度350のポリビニルアルコールバインダーポリマー:A
・メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリロニトリル/N−メチロールメタアクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)バインダーポリマー:B
・架橋剤 ヘキサメトキシメラミン架橋剤:C
・粒子 コロイダルシリカ(平均粒径:70nm):D
固形分配合比:A/B/C/D=30/24/42/4
得られたポリエステルフィルムに、下記に示す離型剤組成−Aからなる離型剤を塗布量(乾燥後)が0.12g/mになるようにリバースグラビアコート方式により塗布し、ドライヤー温度120℃、ライン速度30m/分の条件でロール状の離型ポリエステルフィルムを得た。得られた離型ポリエステルフィルムは、剥離力が12mN/cm離型フィルムで、シリコーン系成分の移行性評価接着率が95%、耐空気暴露性試験で空気暴露1日後の剥離力が13mN/cm以下、空気暴露前後の剥離力変動比は8%、OL量が0.82mg/mであった。
<離型剤組成−A>
付加型硬化シリコーン樹脂(BY24−561 30%:東レ・ダウコーニング社製)6.7部
無溶剤系付加型硬化シリコーン樹脂(DEHEISIVE 929 固形分濃度100重量%:旭化成ワッカーシリコーン社製) 1.0部
硬化剤(V24 固形分濃度100重量%:旭化成ワッカーシリコーン社製)
0.08部
付加型白金触媒(BY24−835 固形分濃度100重量%:東レ・ダウコーニング社製) 0.30部
MEK/トルエン/n−ヘプタン混合溶媒(混合比率は1:1:1.5)
得られたポリエステルフィルムは、下記方法で偏向板を作成し、剥離特性の評価を行った。得られた離型フィルムは偏光板きれいに剥がれ、粘着剤が離型層に付着する、シリコーン低分子成分起因の粘着剤への異物発生等の現象が見られなかった。
<離型フィルム付き偏光板の製造>
偏光板に下記に示すアクリル粘着剤を、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、130℃の乾燥炉内を30秒で通過させた後、離型フィルムを貼り合わせ、粘着剤を介して離型フィルムと偏光フィルムが密着された離型フィルム付き偏光板を作成した。フィルムの貼り合せ方向は、離型フィルムの幅方向が、偏光フィルムの配向軸と平行となるように行った。
・アクリル粘着剤塗布液
アクリル粘着剤(オリバインBPS429−4:東洋インキ製) 100部
硬化剤(BPS8515:東洋インキ製) 3部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 50部
実施例2〜6:
実施例1において、ポリエステルフィルム製造時のOL封止層の塗布量(乾燥後)を変更する、塗布層中離型剤組成の無溶剤系シリコーン含有量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られた結果をまとめて下記表1に示す。
Figure 2012136612
比較例1〜4:
実施例1において、ポリエステルフィルム製造時のOL封止層の塗布量(乾燥後)を変更する、塗布層中離型剤組成の無溶剤系シリコーン含有量を変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られた結果をまとめて下記表2に示す。
Figure 2012136612
本発明のポリエステルフィルムは、需要が大きい光学用途における基材レス両面粘着シート用分野で、工程汚染や粘着剤への異物軽減を図ることで生産性生産性がよく、剥離力が小さい離型ポリエステルフィルムとして好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. ポリビニルアルコールを含有する塗布液をポリエステルフィルムの片面に塗布して得られた塗布層を有し、当該塗布層上に無溶剤系付加反応硬化型シリコーンを含有する塗布剤を塗布して設けられた離型層を有する離型フィルムであり、当該離型層のテープ剥離力が15mN/cm以下であり、かつ、シリコーン系成分の移行性評価接着率が90%以上であることを特徴とする基材レス両面粘着シート用ポリエステルフィルム。
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