JP2017122855A - 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
前記表面調整剤が、シリコーン材料、フッ素系材料、ビニル系材料及びアクリル系材料のうち少なくとも一種を含有し、
フィルム両面のうち表面粗さRaが高い面の表面粗さRaが、3.0〜50.0nmの範囲内であることを特徴とする光学フィルム。
フィルム両面の表面粗さRaの差が、1.0nm以上であることを特徴とする第1項に記載の光学フィルム。
二種以上の溶媒を用いた溶液流延法により製造することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
第1項から第3項までのいずれか一項に記載の光学フィルムと、を備えることを特徴とする偏光板。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
一般に、光学フィルムの組成物を含有するドープを支持体上に流延し、当該膜状物から溶媒を乾燥させてフィルムを得る溶液流延法により光学フィルムを製造する際、支持体から膜状物を剥離するときの剥離性の観点から、ドープに低沸点溶媒を良溶媒として含有させることが好ましい。
当該方法により光学フィルムを作製する場合において、上記した微粒子と表面調整剤とはドープや膜状物の中で会合体を形成しており、当該会合体は良溶媒との親和性が高いものと推察している。このため、支持体上に流延された膜状物が乾燥する過程で、膜状物から揮発する良溶媒とともに、上記会合体が膜状物の空気界面側の表面に移動し、この状態で固定化されて光学フィルムが製造される。これにより、微粒子を表面調整剤とともに光学フィルムの片面に偏在させることができ、光学フィルムの両面のうち一方の面(空気界面側の表面)が選択的に荒れる結果、顕著な滑り性を発現する。光学フィルムに滑り性が付与されることで搬送性が向上し、プロテクトフィルムやハードコート層を設けることなく、ツレやシワの発生を抑制し、偏光板を高収率で作製することができる。また、微粒子を表面調整剤とともに含有させることで、微粒子を光学フィルムの片面に偏在させて選択的に滑り性を付与することができるため、微粒子の含有量を低減でき、ヘイズの低い光学フィルムとすることができる。更には、光学フィルム製造時の巻き取り工程においても、光学フィルムの片面に滑り性が付与されることで、巻きずれ等の発生を抑制することができる。
本発明においては、フィルム両面のうち表面粗さRaが低い面の表面粗さRaが、2.0〜20.0nmの範囲内であり、フィルム両面の表面粗さRaの差が、1.0nm以上であることが好ましい。これにより、上記表面粗さRaが低い面に偏光子を貼り合わせて偏光板を作製したときに、もう一方の面よりも凹凸が少ない分、当該偏光子との接着界面に隙間が生じにくく光の散乱を抑制でき、画像表示装置に搭載したときに光漏れ等の不具合を効果的に抑制できる。また、上記表面粗さRaが低い面の表面粗さRaが上記範囲内であることで、当該面にも滑り性が発現し、搬送性を更に向上させることができる。また、フィルム両面の表面粗さRaに差があることで、ヘイズ値を低く保ちつつ光学フィルムの搬送性を向上させることができる。
また、本発明においては、前記微粒子が、ケイ素化合物を含有することが好ましい。これにより、微粒子と表面調整剤との親和性が向上し、より確実に光学フィルム製膜時に微粒子をフィルム内で移動させることができ、良好な搬送性をより確実に得ることができる。
本発明においては、前記偏光子が、前記光学フィルムの両面のうち表面粗さRaが低い面に接着されていることが好ましい。これにより、偏光板作製時に光学フィルムの搬送性を確保することができ、偏光板を高収率で得ることができる。
本発明の光学フィルムは、シクロオレフィン樹脂と、微粒子と、表面調整剤と、を含有する光学フィルムであって、表面調整剤が、シリコーン材料、フッ素系材料、ビニル系材料及びアクリル系材料のうち少なくとも一種を含有し、フィルム両面のうち表面粗さRaが高い面の表面粗さRaが、3.0〜50.0nmの範囲内であることを特徴とする。なお、本発明の光学フィルムは、後述する各種添加剤や、フィルム製膜時に用いられる溶媒を残留溶媒として更に含有するものであっても良い。
本発明の光学フィルムに含有されるシクロオレフィン樹脂は、シクロオレフィン単量体の重合体、又はシクロオレフィン単量体とそれ以外の共重合性単量体との共重合体であることが好ましい。
(2)シクロオレフィン単量体と、それと開環共重合可能な共重合性単量体との開環共重合体
(3)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体の水素添加物
(4)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフツ反応により環化した後、水素添加した(共)重合体
(5)シクロオレフィン単量体と、不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体
(6)シクロオレフィン単量体のビニル系環状炭化水素単量体との付加共重合体及びその水素添加物
(7)シクロオレフィン単量体と、(メタ)アクリレートとの交互共重合体
本発明に係る微粒子とは、透過型電子顕微鏡により測定した場合における数平均粒子径が400nm以下である粒子を指す。この場合、各粒子の粒径は透過型電子顕微鏡における投影面を同面積の円に換算した場合の直径として定義される。不要な散乱を発生させないためには、微粒子の粒径は可視光の波長より十分に小さいことが好ましく、具体的には1〜200nmが好ましい範囲であり、より好ましくは1〜100nmの範囲であり、特に好ましくは5〜60nmの範囲である。粒子の形状は、球状に限定されず不定形の形状であっても良い。
無機微粒子としては、例えば、ケイ素を含む化合物(ケイ素化合物)、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等であることが好ましく、更に好ましくは、ケイ素化合物や酸化アルミニウムであるが、二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。これらは、球状、平板状又は無定形状等の形状の粒子が挙げられる。
本発明において表面調整剤とは、シリコーン材料、フッ素系材料、ビニル系材料及びアクリル系材料のうち少なくとも一種を含有するものをいう。
フッ素系材料とは、フッ素原子を少なくとも1つ繰り返し単位中に含有するオリゴマー又はポリマーである。この含フッ素繰り返し構造は、主鎖として有していても良いし、グラフトされた側鎖として有していても良い。
ビニル系材料とは、ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基のうち少なくとも1種を繰り返し単位中に有するオリゴマー又はポリマーである。このビニル基含有繰り返し構造は、主鎖として有していても良いし、グラフトされた側鎖として有していても良い。
アクリル系材料とは、アクリロイル基を繰り返し単位中に有するオリゴマー又はポリマーである。このビニル基含有繰り返し構造は、主鎖として有していても良いし、グラフトされた側鎖として有していても良い。
上記したように、本発明の光学フィルムには、更に他の添加剤が含有されていても良い。そのような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の光学フィルムは、添加剤として紫外線吸収剤を含有していても良い。
紫外線吸収剤は、400nm以下の紫外線を吸収するため、光学フィルムの耐久性を向上させることができる。紫外線吸収剤は、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下である。
紫外線吸収剤の具体例としては特に限定されないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられ、特に好ましくはベンゾトリアゾール系化合物及びベンゾフェノン系化合物等である。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、市販品であるBASFジャパン社製のチヌビン400(2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシランとの反応生成物)、チヌビン460(2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン)、チヌビン405(2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物)等を用いることができる。
本発明の光学フィルムは、その他の添加剤として酸化防止剤(劣化防止剤)を含有していても良い。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート等を挙げることができる。
(表面粗さRa)
本発明の光学フィルムの両面のうち表面粗さRaが高い面の表面粗さRaは、3.0〜50.0nmの範囲内であり、4.0〜40.0nmの範囲内であることが好ましい。表面粗さRaが3.0nm以上であると、光学フィルムの滑り性が向上し、搬送中のツレやシワを抑制できる。表面粗さRaが50nm以下であると、光学フィルム表面の凹凸による光の散乱を抑制でき、ヘイズ値を低い値にすることができる。なお、本発明における表面粗さRaは、JIS B0601:2001で規定される算術平均粗さ(Ra)であるものとする。
これは、光学フィルムの製造における膜状物の乾燥工程において、溶媒は良溶媒から優先して揮発するが、乾燥の最終段階まで揮発しない良溶媒成分も若干存在するため、その良溶媒に溶媒和された上記会合体はフィルムの他方の面にも存在すると考えられる。このため、フィルムの一方の面に比べれば微粒子及び表面調整剤の存在量は少ないが、微粒子と表面調整剤とが会合体を形成している分、粒径が大きく、上記したような範囲の表面粗さRaを得ることができる。
上記他方の面の表面粗さRaを上記範囲内に制御する方法としては、微粒子及び表面調整剤の含有量や、フィルム製造時の延伸条件を適宜調整する方法が挙げられる。
光学フィルムは、全光線透過率が90%以上であることが好ましく、より好ましくは92%以上である。また、現実的な上限としては99%程度である。ヘイズ値は10%以下であることが好ましく、より好ましくは2%以下である。全光線透過率及びヘイズ値は、それぞれJIS K7361及びJIS K7136に準じて測定することができる。
本発明の光学フィルムの使用用途は特に限定されず、偏光板保護フィルムとして用いられても良いし、位相差フィルムとして用いられても良い。位相差フィルムとして用いられる場合は、その用途に応じて種々のリターデーション値をとり得る。
式(i):Ro=(nx−ny)×d
式(ii):Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
(式(i)及び(ii)中、nxは光学フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyは光学フィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率、nzは光学フィルムの厚さ方向の屈折率、dは光学フィルムの厚さ(nm)をそれぞれ表す。)
光学フィルムの厚さは、上記リターデーション値RoとRtが上記範囲を満たし、かつ薄膜化の観点から、例えば3〜200μmであることが好ましく、5〜100μmであることがより好ましく、7〜40μmであることが更に好ましい。特に、本発明の光学フィルムは、滑り性が付与されているため搬送張力を緩和することができ、薄膜化しても良好な搬送性を有し得る。
本発明の光学フィルムは、二種以上の溶媒を用いた溶液流延法で製造される。すなわち、本発明の光学フィルムの製造方法は、少なくともシクロオレフィン樹脂と微粒子と表面調整剤とを二種類以上の溶媒に溶解させてドープ(樹脂溶液)を得る工程(ドープ調製工程)と、ドープを支持体上に流延した後、剥離して膜状物を得る工程(流延・剥離工程)と、膜状物を乾燥させる工程(乾燥工程)と、を有することが好ましい。また、本発明の光学フィルムの製造方法は、流延・剥離工程と乾燥工程との間に、膜状物を延伸する工程(延伸工程)を有することが好ましく、乾燥工程の後に、得られた光学フィルムを巻取る工程(巻き取り工程)を有することが好ましい。
ドープ調製工程について説明する。ドープ中の樹脂濃度は、濃い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、樹脂の濃度が濃過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜45質量%が好ましく、更に好ましくは、15〜40質量%である。
濾圧は小さい方が好ましい。具体的には、濾圧が1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることが更に好ましい。
得られたドープを流延ダイから吐出させて金属支持体上に流延し、得られた流延膜を乾燥及び剥離して膜状物を得る。流延幅は、例えば1〜4mとすることができる。金属支持体としては、ステンレススティールベルト又は鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムを用いることができる。金属支持体の表面は、鏡面仕上げされていることが好ましい。なお、ドープが流延される支持体は金属製に限られるものではなく、樹脂製等、いずれの材質であっても良い。
温風を用いる場合は溶媒の蒸発潜熱によるウェブの温度低下を考慮して、溶媒の沸点以上の温風を使用しつつ、発泡も防ぎながら目的の温度よりも高い温度の風を使用する場合がある。
ここで、膜状物の残留溶媒量は、下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
(上記式中、Mは、膜状物の質量を示し、Nは、当該膜状物を120℃で1時間加熱した後の質量を示す。)
乾燥工程は、金属支持体より剥離した膜状物を、残留溶媒量が1質量%以下になるまで乾燥することが好ましく、更に好ましくは0.1質量%以下、特に好ましくは0〜0.01質量%の範囲内である。これにより、光学フィルムを得ることができる。
特に、流延から剥離するまでの間で、上記金属支持体の温度及び乾燥風の温度を変更し、効率的に乾燥を行うことが好ましい。
これにより、二種以上の溶媒を用いた溶液流延法で光学フィルムを製造することで、光学フィルムに滑り性を付与して搬送性を向上させることができ、プロテクトフィルムを用いることなく高収率で偏光板等を作製することができる。
延伸工程では、剥離して得られた膜状物を延伸して位相差の調整を行う。
延伸は、少なくとも一方向に行うことができる。延伸方向は、膜状物の長手方向(MD方向)、膜状物の長手方向と直交する幅手方向(TD方向)、及び膜状物の長手方向に対して斜め方向のいずれであっても良い。延伸は、逐次延伸でも良いし、同時延伸でも良い。
巻き取り工程では、得られた光学フィルムを、巻き取り機で巻き取る。巻き取り方法は、一般に使用される方法を採用でき、例えば、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等を用いることができる。
本発明の偏光板は、偏光子と、上記光学フィルムと、を備えることを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、上記光学フィルムを備えることを特徴とする。これにより、視認性やムラに優れる性能が発揮される点で好ましい。画像表示装置としては、反射型、透過型、半透過型液晶表示装置又は、TN型、STN型、OCB型、VA型、IPS型、ECB型等の各種駆動方式の液晶表示装置、タッチパネル表示装置、有機EL表示装置やプラズマディスプレイ等が挙げられる。
また、本発明の光学フィルムは、例えば液晶表示装置(上面側偏光板/液晶セル/下面側偏光板構成)の上面側偏光板の下にタッチパネル部材を用いたインナータッチパネルや静電容量方式のタッチパネル等にも使用することができる。
アートンG7810:ARTON−G7810(JSR社製)、シクロオレフィン樹脂(式(A−2)で表される単量体と他の単量体との共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量Mw=140000)
アートンR5000:ARTON−R5000(JSR社製)、シクロオレフィン樹脂(式(A−1)で表される単量体と、式(A−2)で表される単量体と、他の単量体との共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量Mw=50000)
アートンRX4500:ARTON−RX4500(JSR社製)、シクロオレフィン樹脂(式(A−1)で表される単量体と、式(A−2)で表される単量体と、他の単量体との共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量Mw=63000)
アートンRH4900:ARTON−RH4900(JSR社製)、シクロオレフィン樹脂(式(A−1)で表される単量体と、式(A−2)で表される単量体と、他の単量体との共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量Mw=57000)
(2−1)ケイ素化合物を含有する微粒子
R812:トリメチルシリル基で表面修飾されたシリカ微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径7nm
R816:アクリル基で表面修飾されたシリカ微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径12nm
R106:オクタメチルシクロテトラシリル基で表面修飾されたシリカ微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径7nm
R972V:ジメチルシリル基で表面修飾されたシリカ微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径12nm
200V:シリカ微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径12nm
300V:シリカ微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径7nm
RY300:ジメチルシリコーンオイルで表面修飾されたシリカ微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径12nm
RA200HS:トリメチルシリル基とアミノ基で表面修飾されたシリカ微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径12nm
R711:メタクリロキシシランで表面修飾されたシリカ微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径12nm
MOX170:シリカ/アルミナ微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径13nm
Alu130:アルミナ微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径20nm
TiO2P90:チタニア微粒子(日本アエロジル社製)、平均一次粒径20nm
クレイトンRP6935:スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(クレイトンポリマージャパン株式会社製)、平均一次粒径18nm
(3−1)シリコーン材料
GL−01:アクリル変性シリコーン(共栄社化学社製)、重量平均分子量Mw=5200
GL−03:アクリル変性シリコーン(共栄社化学社製)、重量平均分子量Mw=4100
GL−04R:アクリル変性シリコーン(共栄社化学社製)、重量平均分子量Mw=4700
SAG005:ポリエーテル変性シリコーン(日信化学工業社製、シルフェイスSAG005)、重量平均分子量Mw=2800
SAG008:ポリエーテル変性シリコーン(日信化学工業社製、シルフェイスSAG008)、重量平均分子量Mw=7900
ルブロン:四フッ化エチレン樹脂(ダイキン社製)、重量平均分子量Mw=2000
P−410EF:ビニル重合体(楠本化成社製)、重量平均分子量Mw=4500
LF−1984:アクリル重合体(楠本化成社製)、重量平均分子量Mw=3000
230:アクリル重合体(楠本化成社製)、重量平均分子量Mw=3500
(二酸化ケイ素分散希釈液の調製)
10質量部のアエロジルR812と、80質量部のエタノールとをディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行い、二酸化ケイ素分散液を調製した。調製した二酸化ケイ素分散液に、80質量部のジクロロメタンを撹拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間撹拌混合した後、微粒子分散希釈液濾過器(アドバンテック東洋(株):ポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1N)で濾過して二酸化ケイ素分散希釈液を調製した。
シクロオレフィン樹脂:アートンG7810 120質量部
表面調整剤:GL−01 3.0質量部
紫外線吸収剤:TINUVIN 928(BASFジャパン(株)製)
3質量部
微粒子:二酸化ケイ素分散希釈液 10質量部
ジクロロメタン 357質量部
エタノール 19質量部
上記光学フィルム101の作製において、表面調整剤を表1に記載のとおりに変更した以外は同様にして、光学フィルム102〜109を作製した。
上記光学フィルム102の作製において、最終的に得られるフィルムの微粒子及び表面調整剤の含有量が表1に記載のとおりになるように微粒子及び表面調整剤の添加量を変更した以外は同様にして、光学フィルム110〜116を作製した。
上記光学フィルム102の作製において、微粒子を表2に記載のとおりに変更した以外は同様にして、光学フィルム117〜128を作製した。
上記光学フィルム102の作製において、シクロオレフィン樹脂を表2に記載のとおりに変更した以外は同様にして、光学フィルム129〜131を作製した。
上記光学フィルム102の作製において、最終的に得られるフィルムの微粒子及び表面調整剤の含有量が表2に記載のとおりになるように微粒子及び表面調整剤の添加量を変更した以外は同様にして、光学フィルム132を作製した。
上記光学フィルム101の作製において、ドープ調製時に表面調整剤を添加しなかった以外は同様にして、光学フィルム133を作製した。
上記光学フィルム101の作製において、ドープ調製時に微粒子及び表面調整剤を添加しなかった以外は同様にして、光学フィルム134を作製した。
市販の日本ゼオン社製、ゼオノアフィルムZF14から、プロテクトフィルムを剥離・除去したものを光学フィルム135とした。
作製した光学フィルム101〜135に対して、以下の物性測定及び評価を行った。測定結果及び評価結果を表1及び表2に示す。
作製した各光学フィルムの両面の算術表面粗さRaの値を、JIS B0601に準じ、23℃・55%RHの条件下、光学干渉式表面粗さ計RST/PLUS(WYKO社製)にて測定した。
このとき、各光学フィルムの両面のうち、光学フィルム作製時に空気界面と触れていた面をA面、光学フィルム作製時にステンレスバンド支持体に触れていた面をB面とした。
作製した各光学フィルムを3.0cm×3.0cmのサイズに切り出して試験片とした。この試験片を、JIS K7136に準じ、23℃・55%RHの条件下、ヘーズメーターNDH−2000(日本電色工業株式会社製)にてヘイズ値を測定し、以下の基準に基づき評価した。
○:ヘイズ値が2.0未満
△:ヘイズ値が2.0以上5.0未満
×:ヘイズ値が5.0以上
(偏光子の作製)
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、フィルムの長手方向に一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥して、厚さ20μmの偏光子を得た。偏光子の吸収軸は、その長手方向に平行であった。
次いで、下記工程1〜4に従って、上記作製した偏光子の一方の面に上記作製した光学フィルム102を貼り合わせ、他方の面にコニカミノルタ社製KC4UA(偏光子保護フィルム)を貼り合わせて、偏光板を作製した。
工程1:作製した光学フィルム102のB面に対し、コロナ放電を行い、コロナ処理を施した。別途、コニカミノルタ社製KC4UA(偏光子保護フィルム)を60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬した後、水洗及び乾燥させて、偏光子と貼合する側の面をケン化した。
工程2:偏光子を、固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した。次いで、偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除いた後、工程1でコロナ処理を施した光学フィルム102のB面上に配置した。
工程3:光学フィルム102及び偏光子と、工程1でケン化処理した偏光子保護フィルムとを、圧力20〜30N/cm2、搬送スピードは約2m/分で貼り合わせて、積層体を得た。
工程4:工程3で得られた積層体を、80℃の乾燥機中で2分間乾燥させて、KC4UA(偏光子保護フィルム)/偏光子/光学フィルム102の積層構造を有する第1の偏光板を得た。
第1の偏光板の作製と同様にして、光学フィルム102/偏光子/KC4UA(偏光子保護フィルム)の積層構造を有する第2の偏光板を作製した。
携帯用液晶表示装置として、IPS方式のXperia Z2 D6502(Sony株式会社製)を準備した。この装置から2枚の偏光板を剥がしとり、液晶セルの視認側の面に上記作製した第1の偏光板を、バックライト側の面に上記作製した第2の偏光板を、それぞれ粘着剤を介して貼り付けて画像表示装置1を作製した。
第1の偏光板の貼り付けは、KC4UAが視認側となるように行った。また、第2の偏光板の貼り付けは、KC4UAがバックライト側となるように行った。
上記液晶表示装置201の作製において、光学フィルム102を表3に記載のとおりに変更した以外は同様にして、画像表示装置202〜216を作製した。
上記液晶表示装置201の作製において、光学フィルム102の代わりに、プロテクトフィルムが剥離・除去される前の状態の光学フィルム135(表3中、「135(PF有)」と示す。)を用いた以外は同様にして、画像表示装置217を作製した。
作製した画像表示装置201〜217に対して、以下の評価を行った。評価結果を表3に示す。
上記第1の偏光板を作製する際に、偏光子との貼り合わせ直前における搬送中光学フィルムを目視にて確認し、以下の基準に従って評価した。
○:ツレが全く認識できない
△:シワがフィルム端にツレが確認される
×:ツレがフィルム全体に確認される
上記第1の偏光板を作製する際に、偏光子との貼り合わせ直前における搬送中光学フィルムを目視にて確認し、以下の基準に従って評価した。
○:シワが全く認識できない
△:シワがフィルム端に確認される
×:シワがフィルム全体に確認される
プロテクトフィルム起因の欠陥転写について、次のようにして評価した。
すなわち、上記作製した第1の偏光板を1m2サイズに切り取って試験片とし、当該試験片を光源に向けた状態で、点状に輝く点の個数を目視にて測定し、以下の基準に従って評価した。測定された点状に輝く点を、プロテクトフィルムから転写された欠陥であるものとした。
○:欠陥の個数が1個/m2未満
×:欠陥の個数が1個/m2以上
23℃55%RHの環境で、上記作製した画像表示装置201〜217のバックライトを1週間連続点灯した後、当該画像表示装置の表示画面の法線方向から60°傾けた方向におけるコントラスト(60°コントラスト)を測定した。具体的には、ELDIM社製EZ−Contrast160Dを用いて、画像表示装置を白表示させたときの60°方向の輝度と、黒表示させたときの60°方向の輝度をそれぞれ測定し、それらの比(60°コントラスト=60°方向における白表示時の輝度/60°方向における黒表示時の輝度)を求めた。正面からのコントラストを100としたとき、60°コントラストを以下の基準に基づき評価した。
○:60°コントラストが90以上100未満
△:60°コントラストが80以上90未満
×:60°コントラストが80未満
また、光学フィルムのB面のRa値がA面に比べて十分に小さく、光学フィルムと偏光子とが十分に接着しているため、光漏れが生じていない。
Claims (7)
- シクロオレフィン樹脂と、微粒子と、表面調整剤と、を含有する光学フィルムであって、
前記表面調整剤が、シリコーン材料、フッ素系材料、ビニル系材料及びアクリル系材料のうち少なくとも一種を含有し、
フィルム両面のうち表面粗さRaが高い面の表面粗さRaが、3.0〜50.0nmの範囲内であることを特徴とする光学フィルム。 - フィルム両面のうち表面粗さRaが低い面の表面粗さRaが、2.0〜20.0nmの範囲内であり、
フィルム両面の表面粗さRaの差が、1.0nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。 - 前記微粒子が、ケイ素化合物を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学フィルム。
- 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法であって、
二種以上の溶媒を用いた溶液流延法により製造することを特徴とする光学フィルムの製造方法。 - 偏光子と、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光学フィルムと、を備えることを特徴とする偏光板。 - 前記偏光子が、前記光学フィルムの両面のうち表面粗さRaが低い面に接着されていることを特徴とする請求項5に記載の偏光板。
- 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光学フィルムを備えることを特徴とする画像表示装置。
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