JP2019202266A - 分散方法、及び電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

分散方法、及び電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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和宏 江川
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修治 笠井
久義 後藤
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久義 後藤
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弘文 山南
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Abstract

【課題】分散媒とフィラーを含む分散液をボールミルを用いて分散することにより、フィラーを良好に分散させ、経時的保存安定性に優れた分散液を得ることができる分散方法の提供。【解決手段】分散媒とフィラーを含む分散液をボールミルで分散する分散方法であって、ボールミルに用いるメディアの真球度が0.20mm以下である分散方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、分散方法、及び電子写真感光体の製造方法に関する。
電子写真画像形成装置に用いられる感光体として有機の光導電材料を用いた有機感光体(OPC)の開発が進められ、次第に普及してきた。感光体の構成も、電荷移動型錯体構造や電荷発生材料を結着樹脂中に分散した単層型の感光体から、電荷発生層と電荷輸送層とを分離した機能分離型の感光体構成へと変遷し、性能も向上してきている。
ところで、感光層の接着性向上、感光層の塗工性改善、帯電性改善、支持体からの不要な電荷注入の阻止、支持体上の欠陥の被覆等のために、下引き層を設けることが行われている。
例えば、機能分離型感光体においては、導電性支持体上に、下引き層を形成し、その後、電荷発生層、電荷輸送層を形成した構成のものが主流となっている。
下引き層は、樹脂中に酸化チタン等の無機金属からなる無機顔料を分散されることが行われている。
樹脂および溶媒に無機顔料が分散された分散液を導電性支持体上に塗布することにより、下引き層を形成する。しかしその際、分散液中の無機顔料の分散が不十分であると、無機顔料の凝集体が塗工の際に付着し塗膜欠陥となったり、無機顔料の凝集体が沈降しやすいため分散液の保存性が十分確保できない。そのような分散が不十分な分散液を用いて形成された下引き層を有する感光体を用いて、電子写真画像形成装置において画像を出力すると、トリム画像を出力した際、微小黒点の異常画像が発生しやすくなる。そのため下引き層の塗工に用いる分散液において、無機顔料を十分に分散することは重要である。
下引き層を形成する分散液(塗工液)を製造するため、フィラーを分散させる分散方法について様々な検討がなされている。
下引き層用塗工液製造時の分散時間が短く、生産性が高い電子写真感光体の製造方法、および画像形成装置に装備し画像を出力した際、微小黒点の異常画像が発生しない電子写真感光体の提供を目的として、以下の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、導電性支持体上に、下引き層と、感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、下引き層用塗工液がボールミルにより分散され、使用されるメディアの量がボールミル容積の25%以上50%以下である電子写真感光体の製造方法が記載されている。
本発明は、分散媒とフィラーを含む分散液をボールミルを用いて分散することにより、フィラーを良好に分散させ、経時的保存安定性に優れた分散液を得ることができる分散方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段としての本発明の分散方法は、
分散媒とフィラーを含む分散液をボールミルで分散する分散方法であって、ボールミルに用いるメディアの真球度が0.20mm以下であることを特徴とする。
本発明によると、分散媒とフィラーを含む分散液をボールミルを用いて分散することにより、フィラーを良好に分散させ、経時的保存安定性に優れた分散液を得ることができる分散方法を提供することができる。
図1は、電子写真感光体の構成の一例を示す断面図である。 図2は、電子写真感光体の構成の他の一例を示す断面図である。 図3は、ボールミル分散装置の一例を示す概略図である。 図4は、メディアの真球度の測定方法について説明するための概略図である。
本発明者らは、分散媒とフィラーを含む分散液をボールミルで分散する際の分散条件について種々検討を行なった。
その結果、以下のことがわかった。
分散に要する時間が長くなると、分散に使用するメディアの摩耗が大きくなる。メディアが摩耗すると、メディアの粒径が小さくなり、また形状が歪になる。メディアが小粒径化、及び異形化すると、フィラーの分散不良を招く。フィラーの分散性が悪い分散液を用いて下引き層を形成すると、電子写真感光体の静電特性に悪影響を及ぼす。特に暗抵抗の経時的低下が著しい。長期使用後における暗抵抗が低下した下引き層を有する電子写真感光体を用いて、電子写真画像形成装置において画像を出力すると、微小黒点の異常画像を誘発してしまう。
上記特許文献1に記載の方法は、短い分散時間で、ある程度良好な分散液を得ることができる。そして、かかる分散液で形成した下引き層を有する電子写真感光体は、画像を出力した際、微小黒点の異常画像の発生をある程度抑制することができる。しかし、より高いレベルで、フィラーが良好に分散された、経時的保存安定性に優れた分散液を得ようとすると改良の余地があった。暗抵抗が経時的に低下せず、かつ画像を出力した際に微小黒点の異常画像の発生を防止できる下引き層を形成するには、改良の余地があった。
分散媒とフィラーを含む分散液をボールミルを用いて分散する分散方法において、以下の構成の分散方法が、フィラーをより良好に分散でき、経時的保存安定性に優れた分散液を得ることができることを見出した。この分散方法により得られた分散液を塗布して下引き層を形成すると、使用経過時においても暗抵抗が低下しない電子写真感光体を得ることができる。そして、このような下引き層を有する電子写真感光体は、画像を出力した際に微小黒点の異常画像の発生をより効果的に防止することができる。
(電子写真感光体の製造方法)
本発明の電子写真感光体の製造方法は、導電性支持体上に、下引き層と、感光層とを有する電子写真感光体の製造方法である。
本発明の電子写真感光体の製造方法において、電子写真感光体における下引き層は、以下に記載する本発明の分散方法により得られた分散液を導電性支持体上に塗布することにより形成される。
ここで、本発明の分散方法とは、分散媒とフィラーを含む分散液をボールミルで分散する分散方法であって、ボールミルに用いるメディアの真球度が0.20mm以下である分散方法をいう。係る分散方法についての説明は、後述する。
電子写真感光体について図に基づいて説明する。
図1は、電子写真感光体の構成の一例を示す断面図である。導電性支持体(1)の上に少なくとも下引き層(2)及び感光層(3)を積層した構成をとっている。
感光層(3)は、例えば、電荷発生層と電荷輸送層とに分離した層構成としてもよい。この場合は、図2で示すような電子写真感光体の構成となる。
図2は、電子写真感光体の構成の他の一例を示す断面図である。導電性支持体(1)の上に下引き層(2)、電荷発生層(3A)、電荷輸送層(3B)を積層した構成をとっている。
<下引き層>
下引き層には、樹脂中に、フィラーが分散されている。
本発明において、この下引き層は、分散媒とフィラーを含む分散液(塗工液)を導電性支持体上に塗布することにより形成される。
フィラーとしては、無機金属粒子、例えば、金属酸化物粒子が挙げられる。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の粒子が挙げられる。中でも、酸化チタンが好ましい。
酸化チタンの純度は99.0%以上であることが好ましい。酸化チタンに含有される不純物は、NaO、KO等の吸湿性物質およびイオン性物質が主であり、酸化チタンの純度が99.0%より低い場合には、感光体特性が環境(特に湿度)および繰り返しの使用により大きく変動する原因となるので好ましくない。また、これら不純物は黒ポチ、黒斑点の画像欠陥の原因となりやすい。本発明における下引き層中の酸化チタンの純度は、JIS K5116に示される測定法により、求めることができる。
下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、カゼインなどの水溶性樹脂、共重合ナイロン樹脂などのアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂など三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。中でも、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネートなどが好ましい。また、アルキド樹脂は、環境依存性が小さく、より好ましい。
さらに、アルキド樹脂の中でもオイルフリーアルキド樹脂が好ましい。
オイルフリーアルキド樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとからなる飽和ポリエステル樹脂で、脂肪酸を含まないエステル結合で結ばれた直鎖の構造を持つといった特徴を持ち、材料とする多塩基酸と多価アルコール、さらに変性剤により、数多くの種類がある。
水酸基を含有するオイルフリーアルキド樹脂の好適な具体例としては、ベッコライトM−6401−50、M−6402−50、M−6003−60、M−6005−60、46−118、46−119、52−584、M−6154−50、M−6301−45、55−530、54−707、46−169−S、M−6201−40−1M、M−6205−50、54−409(大日本インキ化学工業(株)製:オイルフリーアルキド樹脂の商品名)、エスペル103、110、124、135(日立化成工業(株)製オイルフリーアルキド樹脂の商品名)などが挙げられる。
下引き層には、硬化剤樹脂が含有されていてもよい。アルキド樹脂の有する官能基と硬化剤の有する官能基が化学結合し、樹脂が硬化することで成膜性や、支持体および感光層の接着性を向上させることができる。
硬化剤の好適な例としては、ブロックイソシアネート化合物、メラミン樹脂、エポキシ化合物などが挙げられ、硬化に用いる官能基が過不足なく反応することが望ましい。
下引き層に含有される固形分中のフィラー(例えば酸化チタン)(P)と樹脂(R)との比率P/Rは、体積比で90/100〜300/100の範囲にあることが好ましく、90/100〜200/100の範囲にあることがより好ましい。下引き層のP/Rが、90/100以上であれば、下引き層の特性が樹脂の特性に左右され、特に温湿度の変化および繰り返し使用で感光体特性が大きく変化してしまうという問題を有効に防止することができる。P/Rが、300/100以下であれば、空気がたまるようになり、これが、感光層の塗布乾燥時において気泡の原因となり塗布欠陥となってしまうという問題を有効に防止することができる。また、P/Rが、200/100以下であれば、下引き層の層中に空隙が多くなり、感光層あるいは電荷発生層との接着性が低下するという問題を有効に防止することができる。
下引き層を形成するため、分散液で用いられる分散媒としては、樹脂に対する溶解性が良好で、フィラーに対する分散性が良好であれば、特に制限はなく、適宜選択することができる。例えば、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる。メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランがより好ましく、中でもメチルエチルケトンが、フィラー、特に酸化チタンに対する分散性がよく、塗膜形成し乾燥した後の分散媒の残存が少ないため、特に好ましい。上記分散媒は、2種類以上を適宜混合して用いることもできる。
下引き層(2)を形成するための分散液(塗工液)は、分散媒中に、少なくともフィラーと樹脂を分散することにより作製する。
本発明では、ボールミルを用いて分散する。
<<分散方法>>
本発明の分散方法は、分散媒とフィラーを含む分散液をボールミルで分散する分散方法であり、ボールミルに用いるメディアの真球度が0.20mm以下である。
図3は、ボールミル分散装置の一例を示す概略図である。
ボールミル分散装置は、円筒形のポット(ボールミル)(4)と、その中にあるメディア(5)から構成される。ボールミル分散装置の中に、フィラー、樹脂、分散媒等からなるミルベース(塗料等の粘性材料、ここでは分散液をいう)を入れる。ポットを回転させることでメディアが運動し、メディアやポットの運動により、分散液中でフィラーが分散される。
ボールミルポット(4)は一般に使用されているものが適用できる。内壁の材質としてはガラス、ナイロン等の材質が用いられるが、分散での磨耗が少なく分散液へのコンタミネーションの少ないものが好ましい。
ポットの大きさについては特に制限はない。内容積が数十mLから数百Lであるポットが使用できる。ポットの径も数cmのものから数mのものまで使用できるが、ポットの径が大きいほど分散の際に大きなエネルギーを得ることができ、分散されるまでの時間が早くなり、生産性がよくなる。
<<<メディア>>>
本発明においてボールミルに用いられるメディア(5)は、真球度が0.20mm以下である。真球度は0.20mmよりも大きいと、形状が歪となり、フィラーの解砕、分散に必要なエネルギーが得られない。
ここで、真球度は、例えば、真円度測定器を用いて、以下のようにして求めることができる。
図4に示すように、メディア1個を真円度測定器で互いに90度をなす2ないし3つの赤道表面の輪郭を測定する。そして、それぞれの最小外接円からフィラー表面までの半径方向の距離の最大値(rc)と最小値(rs)の差を真球度として求める。
本発明においてメディアの真球度の測定は、少なくとも使用するメディア量の10%以上の量に相当するメディアを無作為に選び、それぞれの真球度を測定し、その平均値を求めることで行う。
また、本発明においてボールミルに用いられるメディアは、表面粗さが0.12μm以下であるとよい。
表面粗さが0.12μm以下であると、分散時の転がり摩擦で力が分散し、フィラーの解砕、分散に必要なエネルギーが得られないという問題を有効に防止することができる。
表面粗さの測定は、例えば、JIS B0601(触針式表面粗さ測定器)で規定する測定器を用いて、メディアの赤道を測定することにより行う。1メディアにおいて、測定箇所3ヶ所以上の測定結果をもとに、中心線の平均粗さとして求める。
本発明において表面粗さの測定は、少なくとも使用するメディア量の10%以上の量に相当するメディアを無作為に選び、それぞれの表面粗さを測定し、その平均値を求めることで行う。
メディアの材質は、アルミナ、ジルコニア、鉄等種々が使用できる。中でもアルミナ、ジルコニアが好ましく、さらにはアルミナがより好ましい。
使用するメディアは、平均粒子径が3mm以上20mm以下の球状メディアであるとよい。
メディアの平均粒子径が、3mm以上10mm以下であるとより好ましい。メディアの平均粒子径が3mm以上であれば、フィラーを十分粉砕できる。また、10mm以下であれば、分散効率が悪くなり、十分分散されるまで時間がかかってしまうという問題を有効に防止できる。
平均粒子径の測定は、例えば、ノギス等の計測器具を用いることにより行う。1メディアに対し測定箇所3ヶ所以上を測定した結果をもとに平均粒子径を求める。
本発明において平均粒子径の測定は、少なくとも使用するメディア量の10%以上の量に相当するメディアを無作為に選び、それぞれの平均粒子径を測定し、その平均値を求めることで行う。
メディアの量は、ポット容積に対し25%以上50%以下の割合であることが好ましい。25%以上45%以下がより好ましく、35%以上45%以下がさらに好ましい。メディアの量が25%以上であれば、分散効率が悪くなるため分散時間が長くなるという問題を有効に防止できる。50%以下であれば、投入できるミルベースの量が減少し、生産効率が低下するという問題を有効に防止できる。
ここでのメディアの量は、メディア間の空隙を含まない量のことで、ポット容積に対するメディアの割合は次の式で求められる。
(ポット容積に対するメディアの割合(%))=[(メディア質量)/メディア比重]/(ポット容積)×100
ボールミルの回転数は、下記式2から算出される回転数(rpm)であることが好ましい。

ここで回転数比kとしては、1以上2以下の範囲の所定の値が適用できる。d(feet)はポットの内径の1/2(半径)である。kは材料、固形分、メディアや材料の量等で適宜適当な値を用いることができるが、1.5以上2.0以下であることが好ましい。中でも1.7であることがより好ましい。rが式2より算出される値より小さいと、メディアがボールミル内を十分上昇せず、分散効率が下がる。また、rが式2より算出される値より大きくなるとメディアが遠心力のためボールミルの内壁に沿ってポットにつられて、まわって回転してしまい分散効率が落ちる。
ポットに入れるミルベースの量は、ポットの容積に対し25%以上50%以下であると好ましく、35%以上50%以下であるとより好ましい。ミルベースの量がポット容積の25%以上であれば、生産性は落ちない。またメディアの摩擦による温度上昇の影響は受けない。一方、50%以下であれば、分散効率が下がるのを有効に防止できる。
ボールミルで分散する際の、ミルベースにおける固形分は40%〜75%であると好ましい。また、55%〜70%であるとより好ましく、60%〜65%であるとさらに好ましい。固形分の割合が高すぎると分散液の粘度が高すぎてフィラーを十分分散できず、低すぎるとフィラーが十分分散されるまでの時間がかかる。
<<下引き層の形成方法>>
上記本発明の分散方法を用いて得られた分散液(塗工液)を導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより、電子写真感光体の下引き層を形成することができる。下引き層を形成するための分散液(塗工液)を塗布する方法としては、特に制限はないが、例えば、浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、スパイラル塗布、ブレード塗布などが挙げられる。
また、下引き層の膜厚は、適宜設定することができるが、例えば、1μm〜5μmの範囲であることが好ましい。
次に、導電性支持体(1)及び感光層(3)について説明する。
<導電性支持体>
導電性支持体としては、例えば、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属や、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したものを使用することができる。あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などの表面処理した管などを使用することができる。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
その他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明において導電性支持体として用いることができる。
導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラックなどの炭素粉、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化チタン、導電性酸化スズ,ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
また、同時に用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルが挙げられる。また、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂も挙げられる。また、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂が挙げられる。上述したように、結着樹脂としては、熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂などが挙げられる。
これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより、支持体上に導電性層を設け、導電性支持体を形成することができる。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、導電性支持体として良好に用いることができる。
<感光層>
感光層は、単層の感光層(単層型感光層)であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層してなる複数の層からなる感光層(積層型感光層)であっても、いずれの態様でもよい。
以下、積層型感光層について説明する。
<<積層型感光層>>
積層型感光層は、電荷発生機能及び電荷輸送機能をそれぞれ独立した層が担うため、感光層の層構成としては、少なくとも導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層が積層された構成を取る。積層順については特に限定されないが、多くの電荷発生材料は化学的安定性に乏しく、電子写真作像プロセスにおける帯電器周辺での放電生成物のような酸性ガスにさらされると電荷発生効率の低下などを引き起こす。このため、電荷発生層の上に電荷輸送層を積層することが好ましい。
<<<電荷発生層>>>
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じて結着樹脂を併用することもできる。
電荷発生層(3A)に用いられる結着樹脂としては、本発明の実施例においては主成分(50質量%以上)としてブチラール樹脂を用いたが、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を必要なら併用してもよい。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100質量部に対し10質量部〜500質量部が好ましく、25質量部〜300質量部がより好ましい。
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる。
電荷発生層(3A)は、これら成分を適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散して得られた分散液を、下引き層(2)上に塗布し、乾燥することにより形成する。
また、電荷発生層の膜厚は0.01μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜2μmがより好ましい。
<<<電荷輸送層>>>
電荷輸送層は、電荷輸送機能を有する層であり、電荷輸送性物質と結着樹脂を主成分とする層である。
電荷輸送層(3B)は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。
また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
ここで用いられる溶剤としては、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
電荷輸送層(3B)に含有される電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体、その他ポリマー化された正孔輸送物質等公知の材料が挙げられる。
電荷輸送層(3B)に用いられる結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の材料を適宜選択することができる。例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は、結着樹脂100質量部に対し、20質量部〜300質量部が好ましく、40質量部〜150質量部がより好ましい。
また、電荷輸送層(3B)の膜厚は、5μm〜50μmが好ましい。
本発明においては、電荷輸送層(3B)中にレベリング剤、酸化防止剤を添加してもよい。
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用できる。その使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0〜1質量部が好ましい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、硫黄系化合物、燐系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ピリジン誘導体、ピペリジン誘導体、モルホリン誘導体等の酸化防止剤が使用できる。その使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0〜5質量部が好ましい。
本発明の電子写真感光体の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート、マイヤーバーコート、ローラコート、カーテンコート等の方法を用いることができる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(比較例1)
(下引き層用分散液(塗工液)の作製、及び下引き層の形成)
酸化チタン(CR−EL 石原産業株式会社製)100質量部、オイルフリーアルキド樹脂(M6401−50(固形分50質量%):DIC株式会社製)60質量部、ブロックイソシアネート樹脂(バーノックB7−887−60(固形分60質量%):DIC株式会社製)50質量部、メチルエチルケトン80質量部からなる混合物を、内径15cmのガラス製ボールミルに内容積の20%入れた。次に、平均粒子径20mm、真球度0.75mm、表面粗さ0.20μmの球形アルミナメディアをポット内容積の20%入れた。そして、回転数70rpmで80時間分散し下引き層用分散液(塗工液)を得た。
得られた下引き層用分散液を、直径60mm、長さ334mmのアルミニウムドラム上に塗布した。130℃で20分間乾燥して、膜厚3.8μmの下引き層を形成したアルミニウムドラムを作製した。尚、本明細書において、メチルエチルケトンはMEKとも表記する。
(電荷発生層用塗工液の作製、及び電荷発生層の形成)
τ型無金属フタロシアニン(TPA−891:東洋インキ株式会社製)12質量部、下記構造式(1)のジスアゾ顔料24質量部をシクロヘキサノン330質量部中、ボールミルにて216時間分散を行った。分散終了後、ポリビニルブチラール(XYHL:UCC社製)6質量部をメチルエチルケトン850質量部、シクロヘキサノン1,100質量部に溶解した樹脂液を添加し、3時間分散を行い、電荷発生層用塗工液を作製した。これを上記で得た下引き層を形成したアルミニウムドラムに塗布し、100℃で20分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層用塗工液の作製、及び電荷輸送層の形成)
下記構造式(2)で示される電荷輸送物質8質量部、ポリカーボネート(Zタイプ:粘度平均分子量5万)10質量部、シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業株式会社製)0.002質量部を、テトラヒドロフラン100質量部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を作製した。これを上記電荷発生層上に塗布し、140℃で20分間乾燥して膜厚29μmの電荷輸送層を形成した。
これにより、比較例1の電子写真感光体を得た。
(比較例2)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径10mm、真球度0.50mm、表面粗さ0.15μmの球形アルミナメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(比較例3)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径3mm、真球度0.25mm、表面粗さ0.16μmの球形アルミナメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例1)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径20mm、真球度0.20mm、表面粗さ0.16μmの球形アルミナメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例2)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径20mm、真球度0.10mm、表面粗さ0.13μmの球形アルミナメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例3)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径20mm、真球度0.06mm、表面粗さ0.10μmの球形アルミナメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例4)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径3mm、真球度0.20mm、表面粗さ0.15μmの球形アルミナメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例5)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径3mm、真球度0.12mm、表面粗さ0.13μmの球形アルミナメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例6)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径3mm、真球度0.05mm、表面粗さ0.11μmの球形アルミナメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例7)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径10mm、真球度0.18mm、表面粗さ0.14μmの球形アルミナメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例8)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径10mm、真球度0.11mm、表面粗さ0.11μmの球形アルミナメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例9)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径10mm、真球度0.07mm、表面粗さ0.09μmの球形アルミナメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例10)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径10mm、真球度0.05mm、表面粗さ0.11μmの球形ジルコニアPSZメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。ここで、ジルコニアPSZ(Partially stabilized Zirconia)とは、イットリウムを添加した部分安定化ジルコニアをいう。
(実施例11)
比較例1の下引き層用分散液の作製において、使用するメディアを平均粒子径10mm、真球度0.20mm、表面粗さ0.14μmの球形ガラスメディアに変更した以外は、比較例1と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例12)
実施例8の下引き層用分散液の作製において、フィラーを酸化チタンから酸化亜鉛に変更した以外は、実施例8と同じ方法で電子写真感光体を得た。
(実施例13)
実施例8の下引き層用分散液の作製において、分散溶媒をメチルエチルケトンからシクロヘキサノンに変更した以外は、実施例8と同じ方法で電子写真感光体を得た。
上記比較例1〜3、及び上記実施例1〜13で得られた電子写真感光体について、次の評価を行なった。
結果を下記表1に示す。
[地汚れ評価]
電子写真感光体についてはIPSiO SP 8300(株式会社リコー製プリンター)に設置し、サンプル毎に5万枚プリントを実施した。所定枚数のプリント後に、トリム画像を出力し、地汚れ評価を行った。ここで、トリム画像とは、画像の淵に黒線が一周プリントされた画像で、黒線の枠内が白い(トナーを転写していない)画像パターンのものをいう。
評価は、得られたトリム画像をセイコーエプソン株式会社製スキャナーGT−X980(4,800dpi)で読み取り、ある閾値で二値化し単位面積あたりの黒色部の面積で、以下のようにランク分けした。
ランク5:黒色部面積0.01%未満
ランク4:黒色部面積0.01%以上〜0.05%未満
ランク3:黒色部面積0.05%以上〜0.10%未満
ランク2:黒色部面積0.10%以上〜0.15%未満
ランク1:黒色部面積0.15%以上
[疲労後暗抵抗評価]
−抵抗の測定−
抵抗の測定は、電子写真感光体を低速(1,000rpm)で回転させ、所定の電位に到達するまで帯電させることにより実施した。その後、回転を停止し、下記の抵抗測定方法により抵抗を算出した。−810Vから−790Vに減衰するまでの時間から、抵抗を算出するため、−810Vを超えた時点で帯電を切り測定した。
電子写真感光体の抵抗を算出する方法については、帯電手段で電子写真感光体を所定の電位に帯電にさせ、その後の自然放電により減衰する電位(暗減衰)を一定時間サンプリングする。この帯電手段による帯電を停止してから暗減衰する電子写真感光体の帯電電位は、電子写真感光体を抵抗Rと、静電容量Cで並列した等価回路とに置き換え、暗減衰開始電位をV0とすると、V=V0e−t/RCとなる。
そこで、コントローラにより暗減衰開始電位V0と一定時間経過後の帯電電位Vより1/RCを算出し、先に算出した静電容量Cから電子写真感光体の単位面積あたりの暗抵抗Rを算出することができる。これを5万枚プリント後に測定し、疲労後の暗抵抗とした。
比較例1〜3に比べ実施例1〜13では、使用経時におけるトリム画像の地汚れの評価において地汚れの程度が低いことがわかった。特に、上記実施例から、メディアの平均粒子径が3mm以上10mm以下で、真球度が0.05mm〜0.2mmのメディアを用いて分散すると、より好ましい結果が得られることがわかった。
本発明の分散方法により、フィラーが良好に分散された経時的保存安定性に優れた分散液を得ることができる。この分散液を塗布することにより形成された下引き層を有する電子写真感光体は、画像を出力した際に微小黒点の異常画像の発生をより効果的に防止することができるものとなる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 分散媒とフィラーを含む分散液をボールミルで分散する分散方法であって、ボールミルに用いるメディアの真球度が0.20mm以下であることを特徴とする分散方法である。
<2> 前記メディアの表面粗さが、0.12μm以下である、前記<1>に記載の分散方法である。
<3> 前記メディアの平均粒子径が、3mm以上10mm以下である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の分散方法である。
<4> 前記メディアの材質が、アルミナ又はジルコニアである、前記<1>から<3>のいずれかに記載の分散方法である。
<5> 前記フィラーが、酸化チタンである、前記<1>から<4>のいずれかに記載の分散方法である。
<6> 前記分散媒が、メチルエチルケトンである、前記<1>から<5>のいずれかに記載の分散方法である。
<7> 導電性支持体上に、下引き層と、感光層とを有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、前記<1>から<6>のいずれかに記載の分散方法により得られた分散液を塗布して、前記下引き層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
前記<1>から<6>のいずれかに記載の分散方法、及び前記<7>に記載の電子写真感光体の製造方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
本発明の分散方法を用いて形成された下引き層を有する電子写真感光体は、レーザープリンタ、デジタル複写機、レーザーファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置に好ましく適用できる。
特開2007−079174号公報
1 導電性支持体
2 下引き層
3 感光層
3A 電荷発生層
3B 電荷輸送層
4 ポット
5 メディア

Claims (7)

  1. 分散媒とフィラーを含む分散液をボールミルで分散する分散方法であって、ボールミルに用いるメディアの真球度が0.20mm以下であることを特徴とする分散方法。
  2. 前記メディアの表面粗さが、0.12μm以下である、請求項1に記載の分散方法。
  3. 前記メディアの平均粒子径が、3mm以上10mm以下である、請求項1から2のいずれかに記載の分散方法。
  4. 前記メディアの材質が、アルミナ又はジルコニアである、請求項1から3のいずれかに記載の分散方法。
  5. 前記フィラーが、酸化チタンである、請求項1から4のいずれかに記載の分散方法。
  6. 前記分散媒が、メチルエチルケトンである、請求項1から5のいずれかに記載の分散方法。
  7. 導電性支持体上に、下引き層と、感光層とを有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、請求項1から6のいずれかに記載の分散方法により得られた分散液を塗布して、前記下引き層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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