図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能になっているが、他の画像形成装置、すなわち、モノクロ機や、複写機、プリンタ、ファクシミリの単体、あるいは複写機とプリンタとの複合機等他の複合機であっても良い。画像形成装置100は、プリンタとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体としての記録体である記録紙たる転写紙の両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
画像形成装置100は、上下方向において中央位置を占めプリンタ部として機能する本体101と、本体101の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての読取装置21および原稿を積載され積載された原稿を読取装置21に向けて送り出すADFといわれる原稿自動搬送装置である自動原稿給紙装置22と、本体101の下側に位置し感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと転写ベルト11との間に向けて搬送される転写紙を積載した給紙テーブルとしての給紙装置であるシート給送装置23とを有している。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体である感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを並設したタンデム構造を採用したタンデム型の画像形成装置である。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、同一径であり、画像形成装置100の本体101の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである中間転写体たる中間転写ベルトとしての転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら図中時計方向である矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、転写紙に一括転写されるようになっている。このように画像形成装置100は間接転写方式を採用している。よって画像形成装置100はタンデム型間接転写方式の電子写真装置となっている。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのそれぞれに対向する位置に配設され転写ベルト11の内周面に接触配置された転写チャージャとしての転写用帯電手段たる1次転写装置である1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの真下の位置すなわち1次転写位置である転写位置にて行われる。
各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するための、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
画像形成装置100は、4つの画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによって構成される画像形成部としての画像形成手段である作像部60と、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写ユニットであるベルトユニットとしての転写ベルトユニット10と、転写ベルト11を挟んで作像部60と反対の側において、転写ベルト11に対向して配設され、転写ベルト11に当接し、転写ベルト11への当接位置において転写ベルト11と同方向に回転し無端移動する転写部材としての紙搬送ベルトである2次転写ベルト5を備え転写ベルト11上のトナー像を転写紙に転写するとともに搬送する転写部たる2次転写装置としての2次転写ユニット76とを有している。
画像形成装置100はまた、シート給送装置23から搬送されてきた転写紙を、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、転写ベルト11と2次転写ベルト5との間に向けて繰り出すレジストローラ対13と、転写紙の先端がレジストローラ対13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、2次転写ユニット76によって転写ベルト11上のトナー像を転写され搬送されてきた転写紙が進入し、転写紙にトナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着手段である定着装置6と、定着済みの転写紙を本体101外に排出する排紙経路と再度レジストローラ対13に向けて搬送する反転経路とを備え転写紙を何れかの経路に搬送する排紙ユニット79と、2次転写ユニット76および定着装置6の下方に、作像部60と平行に配設され、転写紙の両面に画像を記録すべく、排紙ユニット79が一方の面に画像を形成された転写紙を反転経路に搬送した場合に、その転写紙をスイッチバックして反転させ、再度、レジストローラ対13に向けて搬送する再給紙ユニットとしてのシート反転装置である両面ユニット96とを有している。
画像形成装置100はまた、本体101外部に配設され画像形成済みの転写紙を積載するスタック部としての排紙トレイ75と、図1における本体101の右側面に配設された手差し給紙装置33と、画像形成装置100の操作を行う図示しない操作パネルと、画像形成装置100全体の動作を制御する制御部としての図示しない制御手段とを有している。
図2に示すように、転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写手段としての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられ掛け回した第1ないし第3の支持ローラである、テンションローラ72、転写入口ローラ73および転写ベルト11を回転駆動する回転駆動ローラとしての張架ローラである駆動ローラ74と、駆動ローラ74との間に転写ベルト11を挟み込み転写ベルト11表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置14と、駆動ローラ72を回転駆動することで転写ベルト11をA1方向に無端移動させる図示しないベルト駆動モータと、画像形成が2色以上の多色画像で行われるか黒色のみの単色画像すなわちモノクロ画像で行われるかに応じて転写ベルト11等を変位させる図示しない転写ベルトユニット駆動手段とを有している。なお回転駆動ローラはテンションローラ72または転写入口ローラ73によって構成してもよく、この場合はその他のローラが従動回転することとなる。
転写ベルト11のような中間転写ベルトとしては、従来からフッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されていたが、近年では、ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
転写ベルトユニット駆動手段は、画像形成が2色以上の多色画像で行われるときには、転写ベルト11が図1に示すように略水平に張架される態位として転写ベルト11を各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに接触させ、画像形成がモノクロ画像で行われるときには、同図左方を下側に変位させるようにして転写ベルト11を感光体ドラム20Y、20M、20Cから離間させ転写ベルト11が各感光体ドラム20BKのみに接触する態位とする。なお、画像形成がモノクロ画像で行われるときには、感光体ドラム20Y、20M、20Cの回転をはじめとして画像ステーション60Y、60M、60Cの各構成の動作が停止される。なお、このような構成においては、4つの画像ステーション60Y、60M、60C、60BKは、A1方向上流から、画像ステーション60C、60M、60Y、60BKの順で横に並べ、後述のような現像を行うことが好ましいが、何れにしても、作像部60は、テンションローラ72と駆動ローラ74との間に張り渡した転写ベルト11上に配置される。また、このように、画像を形成する色の順番は、画像形成装置100の持つ狙いや特性によって異なってくるものであり、限定されるものではない。
中間転写ベルトクリーニング装置14は、図示しないクリーニング部材としての転写ベルト11に当接したファーブラシと、このファーブラシに当接したブレードとを有している。ファーブラシは、転写ベルト11に対して接触してカウンタ方向に回転するように設けられている。中間転写ベルトクリーニング装置14は、転写ベルト11のA1方向への回転とともに、ファーブラシを用いて転写ベルト11表面のクリーニングを行い、このクリーニングにより転写ベルト11からファーブラシ側に転移したトナーをさらにブレードにより掻き落とす。
2次転写ユニット76は、2次転写ベルト5の他に、2次転写ベルト5を巻き掛けた張架ローラである、駆動ローラ15及び従動ローラ16と、2次転写ベルト5に対向して配設され転写ベルト11を介して押圧された対向ローラとしてのバックアップローラである転写入口ローラ73と、トナーと逆極性の2次転写バイアスを駆動ローラ15に印加する図示しない電源とを有している。
駆動ローラ15と転写入口ローラ73とは、これらの間に転写ベルト11と2次転写ベルト5とを挟み込んでおり、この挟み込みにより、転写ベルト11と2次転写ベルト5とが接触する2次転写ニップが形成されている。2次転写ニップには、2次転写バイアスの印加により、後述するようにして転写ベルト11上に担持された4色トナー像を、転写ベルト11側から駆動ローラ15側に向けて静電移動させる、2次転写電界が形成される。かかる4色トナー像は、後述するようにしてレジストローラ13により転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙に、2次転写電界、ニップ圧によって転写される。
2次転写ユニット76は、転写ベルト11からトナー像を転写された転写紙を定着装置6へと搬送するシート搬送機能も備えているが、2次転写ユニット76としては、転写ローラや非接触のチャージャを採用した構成を用いても良く、この場合には他に転写紙を定着装置6に向けて搬送する部材を要する。
定着装置6は、熱源を内部に有する加熱ローラ62と、加熱ローラ62に巻き掛けられた定着ベルト64と、加熱ローラ62とともに定着ベルト64を巻き掛けた定着ローラ65と、定着ローラ65との間で定着ベルト64に圧接し圧接部である定着部としての定着ニップを形成する加圧ローラ63とを有している。加熱ローラ62と、定着ベルト64と、定着ローラ65とは、定着ベルト64が無端移動するベルトユニットを構成している。定着装置6は、トナー像を担持した転写紙を定着ニップに通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙の表面に定着するようになっている。
図1に示すように、排紙ユニット79は、定着装置6から搬送されてきた定着済みの転写紙を、両面ユニット96に向けて搬送する搬送ローラ97と、本体101外に排出する排紙ローラ98と、定着済みの転写紙を搬送ローラ97のある排紙経路に導いて本体101外に排出するか、排紙ローラ98のある反転経路に導いて両面ユニット96に進入させるかを切り換える切換爪94とを備えている。
両面ユニット96は、排紙ユニット79から搬送されてきた、一方の面に画像形成された転写紙を一旦積載する給紙ボックスとしてのトレイ92と、トレイ92上の転写紙をスイッチバックさせる反転ローラ93と、反転ローラ93によってスイッチバックされた転写紙をレジストローラ13に向けて送り出す給紙ローラ95等を有している。
シート給送装置23は、複数枚の転写紙を紙束の状態で収容可能な給紙カセット25を鉛直方向に複数重なるように配置した給紙ボックスとしてのペーパーバンク26と、給紙カセット25に積載された転写紙のうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ24と、給送ローラ24により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する分離ローラ27と、給紙ローラ24及び分離ローラ27により送り出された転写紙が通過する給紙路29とを有している。
給紙路29は、給紙ローラ24及び分離ローラ27により送り出された転写紙をレジストローラ対13に向けて搬送する搬送ローラ28と、転写紙の搬送方向下流端に位置するレジストローラ13とを備え、搬送ローラ28によって搬送される転写紙シート給送装置23から本体101内に連続するように設けられており、本体101内の給紙路29にも搬送ローラ28が配設されている。
シート給送装置23は、給送ローラ24が図中反時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ27が作用することにより、最上位の転写紙を給紙路29内に導き、搬送ローラ28の回転によりレジストローラ対13に向けて給送し、搬送された転写紙がレジストローラ対13に突き当てて止められるようになっている。
手差し給紙装置33は、転写紙を積載する給紙ボックスとしての手差しトレイ34と、手差しトレイ34に積載された転写紙のうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ35と、給送ローラ35により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する分離ローラ36と、手差しトレイ34上に転写紙が載置されたことを検知する用紙センサとを有している。
手差し給紙装置33は、給送ローラ35が図中時計回り方向に回転駆動され、分離ローラ36が作用することにより、最上位の転写紙を本体101側の給紙路29内に導くとともにレジストローラ対13に向けて給送し、搬送された転写紙がレジストローラ対13に突き当てて止められるようになっている。
読取装置21は、原稿を載置するコンタクトガラス21a、コンタクトガラス21aに載置された原稿に光を照射する図示しない光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する図示しない第1の反射体を備え図1における左右方向に走行する第1走行体21b、第1走行体21bの反射体によって反射された光を反射する図示しない第2の反射体を備えた第2走行体21c、第2走行体21cからの光を結像するための結像レンズ21d、結像レンズ21dを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ21e等を備えている。
自動原稿給紙装置22は原稿を載置する原稿台22aを有している。自動原稿給紙装置22は読取装置21に対して回動自在であって、上方に向けて回動したときコンタクトガラス21aを露出させるようになっている。
操作パネルは、液晶ディスプレイ、複写を開始するためのコピースタートスイッチ等として機能するスタートボタン、複写枚数等を入力するためのテンキー等の各種キーボタン等を有する操作表示部となっている。操作パネルにおいては、画像形成を多色画像で行うかモノクロ画像で行うかを指定可能となっているとともに、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードを設定可能となっている。片面プリントモードには、ダイレクト排出モード、反転排出モード、反転デカール排出モードが含まれ、このうちの1つが選択される。
制御手段は、CPU、記憶手段としてのメモリ等を備えている。
画像ステーション60Y、60C、60M、60BKについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像ステーションの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーションの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像ステーションの構成に付し、詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にY、C、M、Kが付されたものはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
図3に示すように、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図中反時計方向であるその移動方向である回転方向B1に沿って、転写部たる1次転写ローラ12Yと、クリーナ部たるクリーニング手段としての感光体クリーニング装置である1次転写クリーニング装置たるクリーニング装置70Yと、除電部たる除電手段としての除電装置90Yと、帯電部たる帯電手段である帯電ユニットとしての帯電器たる帯電装置30Yと、露光部たる露光手段としての書き込み手段である光り書き込み装置としての光書き込みユニットである露光装置8Yと、現像部たる現像手段としての現像ユニットである現像装置80Yとを有している。
画像ステーション60Yはまた、クリーニング装置70Yで回収したトナーを現像装置80Yにおいて再利用するために現像装置80Yへと戻すトナーリサイクル手段としてのトナーリサイクル装置50Yと、感光体ドラム20Yの周囲のこれらの構成を一体化したカートリッジケース59Yとを有している。
感光体ドラム20Yと、クリーニング装置70Yと、除電装置90Yと、帯電装置30Yと、露光装置8Yと、現像装置80Yと、トナーリサイクル装置50Yとはカートリッジケース59Yによって一体化されており、プロセスカートリッジとしての画像ステーション60Yを構成している。プロセスカートリッジとしての画像ステーション60Yは、カートリッジケース59Yを、本体101に固定された図示しないガイドレールに沿って本体101に対して引き出し自在であるとともに、本体101に押し込むことが可能であり、本体101に対して着脱自在に設置されている。
プロセスカートリッジとしての画像ステーション60Yは、本体101に押し込むと、画像形成に適した所定の位置に装填され、位置決めされるようになっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことが可能であるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。またプロセスカートリッジの要素である各部の寿命が同等とされているため、不要な交換が防止、抑制され、さらに好ましい構成となっている。
プロセスカートリッジとしての画像ステーション60Yは、感光体ドラム20Yと、クリーニング装置70Yと、除電装置90Yと、帯電装置30Yと、現像装置80Yと、トナーリサイクル装置50Yとのうち、少なくとも感光体ドラム20Yと露光装置8Yとが、一体化されることによって構成され、本体101に着脱自在に設置されるユニットである。
1次転写ローラ12Yが転写ベルト11を感光体ドラム20Yに向けて押圧して形成された、転写ベルト11と感光体ドラム20Yとの当接位置である1次転写ニップは、感光体ドラム20Y上のトナー像が転写ベルト11に転写される転写位置NPを構成している。なお1次転写装置は本形態のようなローラ状に限らず、導電性のブラシ形状、非接触のコロナチャージャなどによって構成してもよい。
感光体ドラム20Yは、A1方向への回転の回転中心となる駆動軸である軸20aYを有している。感光体ドラム20Yの線速は200mm/s、直径はφ50mm、厚みは30μmである。
感光体ドラム20Yの詳細については後述する。
除電装置90Yは、感光体ドラム20Yの表面に近接して配設された図示しない除電ランプを備えており、感光体ドラム20Yの表面を除電して電気的に清浄な状態とすることでかかる表面の電位を初期化するものである。
帯電装置30Yは、感光体ドラム20Yの表面に当接して従動回転する帯電部材としての帯電ローラ31Yと、帯電ローラ31Yに当接し従動回転する帯電クリーニング部材としてのクリーニングローラ32Yとを有している。
帯電ローラ31Yには、直流に交流成分のバイアスを重畳印加する図示しない電圧印加手段が接続されており、感光体ドラム20Yと対向する帯電領域において、除電装置90Yによって除電された感光体ドラム20Yの表面を所定の極性に一様に帯電するようになっている。帯電ローラ31Yによる感光体ドラム20Yの帯電電位すなわち露光前電位V0は−700Vである。
クリーニングローラ32Yは帯電ローラ31Yに従動回転することで帯電ローラ31Yをクリーニングするようになっている。
このように、本形態では、接触ローラを用いた帯電システムを採用しているが、帯電システムは、近接ローラを用いたものであっても良いし、非接触のスコロトロンチャージャを採用したものであっても良い。
現像装置80Yは、感光体ドラム20Yに近接対向して配設されたトナーとキャリアとを含む二成分現像剤(以下、現像剤)を担持する現像部材としての現像ローラ81Yと、現像ローラ81Y上の現像剤を一定の高さに規制するドクターブレード82Yと、互いに平行に配設され、現像剤を攪拌するとともに現像ローラ81Yに現像剤を供給するためのスクリュである第1搬送スクリュ83Y及び第2搬送スクリュ84Yと、第1搬送スクリュ83Yと第2搬送スクリュ84Yとの間に設けられた仕切り板である仕切り壁87Yと、これらを収容した、カートリッジケース59Yの一部によって構成された現像ケース85Yとを有している。
現像装置80Yはまた、第1搬送スクリュ83Yの下方において現像ケース85Yに取り付けられたトナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサ86Yと、イエロートナーを収容したトナーボトル88Yと、直流成分の現像バイアスを現像ローラ81Yに印加する図示しないバイアス印加手段と、現像ローラ81Y、第1搬送スクリュ83Y、第2搬送スクリュ84Y等を駆動する図示しない駆動手段としての現像駆動手段等とを有している。
第1搬送スクリュ83Yと第2搬送スクリュ84Yと仕切り壁87Yとは、現像剤を撹拌しながら搬送し現像ローラ81Yに供給して付着させる撹拌部38Yを構成している。
現像ローラ81Yとドクターブレード82Yとは、撹拌部38Yよりも高い位置を占め、現像ローラ81Yに付着した現像剤のうちのトナーを感光体ドラム20Yに転移させる現像部39Yを構成している。
現像ローラ81Yは、その表面に現像剤を担持する現像剤担持体である図示しない現像スリーブと、現像スリーブの内部に固設された図示しない複数のマグネットとを有している。
現像スリーブは、直径φ18mmの非磁性の回転可能なスリーブ状の形状をなしている。現像スリーブの表面はサンドブラストまたは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行いRzが10〜30μmの範囲に入るように形成されている。現像スリーブの線速は240mm/sとなっている。現像スリーブと感光体ドラム20Yとの間隙である現像ギャップGpは小さいほど現像効率の向上に有利であり、本形態では0.4〜0.8mmの範囲で設定可能となっている。
マグネットは、ドクターブレード82Yに対向する箇所から現像スリーブの回転方向にN1、S1、N2、S2、S3の5磁極を有する。これら磁極及びマグネットは固定されており、現像剤が所定の場所を通過するときに磁力を作用させ、現像スリーブ上に磁気ブラシとして担持されるようになっている。マグネットのS1の磁極は感光体ドラム20Yに対向しており、感光体ドラム20Yの表面を摺擦する磁気ブラシを、感光体ドラム20Yとの対向領域において現像スリーブ上に担持させる。
ドクターブレード82Yは、その先端が現像スリーブに近接するように配設されている。ドクターブレード82Yの先端と現像スリーブとの最近接部におけるこれらの間隔は500μmとなっている。
バイアス印加手段は現像スリーブに、感光体ドラム20Yの、露光部と非露光部との間の適当な大きさの現像バイアスを印加する。具体的には、現像バイアス電圧は−470Vであり、現像ポテンシャル350Vとして現像を行うようになっている。
現像装置80Y内には、仕切り壁87Yにより、現像ローラ81Yと第1搬送スクリュ83Yとを収容した第1供給部と、第2搬送スクリュ84Yを収容した第2供給部とが分かれた状態で形成されている。
第1搬送スクリュ83Yは、駆動手段によって回転駆動されることで、第1供給部内の現像剤を図3における紙面奥側から手前側へと搬送しながら現像ローラ81Yに供給する。第1搬送スクリュ83Yによって第1供給部内の端部付近まで搬送された現像剤は、仕切り壁87Yに形成された図示しない開口部を通って第2供給部内に進入する。
第2供給部内において、第2搬送スクリュ84Yは、駆動手段によって回転駆動されることで第1供給部から送られてくる現像剤を第1搬送スクリュ83Yとは逆方向に搬送する。第2搬送スクリュ84Yによって第2供給部の端部付近まで搬送された現像剤は、仕切壁87Yに設けられたもう一方の図示しない開口部を通って第1供給部内に戻る。
トナーの帯電量は、現像スリーブ上で−10〜−30μC/gの範囲が好適であり、第1搬送スクリュ83Y及び第2搬送スクリュ84Yはこれを満たすように現像剤の撹拌を行う。
現像ケース85Y内の現像剤は、磁性キャリアと、帯電極性がマイナスのカラートナーであるイエロートナーとを含む二成分現像剤であって、この現像剤には、トナーボトル88Yからイエロートナーが補給、供給され、第1搬送スクリュ83Y及び第2搬送スクリュ84Yによって、供給されたイエロートナーと現像剤とが攪拌搬送されながら攪拌混合され、摩擦帯電され、現像ローラ81Yに供給され、マグネットローラによって汲み上げられて現像スリーブに保持され、現像スリーブ上に磁気ブラシが形成される態様で担持される。
現像ローラ81Yは、現像スリーブの回転により、ドクターブレード82Yによって現像剤の担持量を規制され層厚を規制されて磁気ブラシが適正な量に穂切りされ、切り落とされた現像剤は撹拌部38Yに戻される。現像ローラ81Yはまたその回転及びバイアス印加手段による現像バイアスにより、現像ローラ81Yと感光体ドラム20Yとの間の現像領域に、ドクターブレード82Yによって量を適量とされた現像剤を運び、現像剤中のイエロートナーが感光体ドラム20Yの表面に形成された静電潜像に静電的に移行して、静電潜像をイエロートナー像として顕在化させ画像として可視像化するようになっている。
現像によりイエロートナーを消費した現像剤は、現像ローラ81Yの回転に伴ってマグネットローラの磁力が減少した位置で現像スリーブから離れ、撹拌部38Yに戻る。
この繰り返しにより撹拌部38Y内のトナー濃度が低くなり、これがトナー濃度センサ86Yによって検知されると、トナー濃度が所定の濃度に達したことがトナー濃度センサ86Yによって検知されるまで、トナーボトル88Yからトナーが補給、供給される。
本形態では、バイアス印加手段により直流成分の現像バイアスを印加しているが、現像バイアスは、交流成分であっても良いし、直流成分に交流成分を重畳したものであっても良い。
クリーニング装置70Yは、その筐体をなした、カートリッジケース59Yの一部によって構成されたクリーニングケース71Yと、クリーニングケース71Yの内部に収納されその先端が感光体ドラム20Yに当接し感光体ドラム20Y上の転写残留物である転写残トナー、キャリア、紙粉等の異物を掻き取って回収しクリーニングするクリーニング部材としてのクリーニングブレード78Yと、クリーニングブレード78Yをクリーニングケース71Yに対して支持したブレード支持体73Yと、ブレード支持体73Yをクリーニングケース71Yに回動可能に支持した支軸69Yと、クリーニングブレード78Yをそのエッジが感光体ドラム20Yに圧接するように感光体ドラム20Yに所定の弾性力で押し当てるばね79Yとを有している。
クリーニング装置70Yはまた、クリーニングケース71Yに回転自在に支持され、クリーニングブレード78Yによって、感光体ドラム20Y上から転写残トナー等が掻き取られ、また除去されることによって生じた廃トナー等の不要物を図3における紙面手前側の片側に寄せトナーリサイクル装置50Yに搬送する廃トナー搬送スクリュとしての回収スクリュである排出スクリュ67Yと、感光体ドラム20Yを保護する滑剤である潤滑剤としての保護剤42Yを感光体ドラム20Yに塗布する保護膜形成手段である滑剤塗布装置である潤滑剤塗布装置としての感光体保護層形成部たる保護膜形成装置40Yとを有している。
クリーニング装置70Yはまた、クリーニングケース71Yに回転自在に支持され、保護膜形成装置40Yに係合した電界ローラ77Yと、電界ローラ77Yに当接したスクレーパ91Yと、電界ローラ77Yに、後述するブラシローラ47Yとの間でバイアスを形成させる図示しない電圧印加手段とを有している。
保護膜形成装置40Yは、バー状に成形された固形の潤滑剤である像担持体保護剤、像搬送体保護剤としての保護剤42Yと、感光体ドラム20Yの回転方向B1に対し逆方向すなわちカウンタ方向となるD1方向に回転し、感光体ドラム20Yを保護するために保護剤42Yを掻き取り感光体ドラム20Yに供給して塗布する保護剤供給部材である掻き取り部材としての潤滑剤塗布部材たる潤滑剤塗布ブラシとしてのファーブラシたる塗布ブラシである滑剤塗布用ブラシローラたるブラシローラ47Yとを有している。
保護膜形成装置40Yはまた、保護剤42Yを保持してクリーニングケース71Yに対して支持し、保護剤42Yをブラシローラ47Yに接離する方向に支持した潤滑剤保持部材としての支持体49Yと、支持体49Yを介して保護剤42Yをブラシローラ47Yに押圧する押圧手段としての弾性部材たる加圧バネである潤滑剤加圧バネとしてのバネ部材たるバネ48Yとを有している。
保護膜形成装置40Yはまた、クリーニングブレード78Yと、電界ローラ77Yと、スクレーパ91Yと、電圧印加手段と、現像駆動手段によって構成されブラシローラ47Y及び電界ローラ77Yを回転駆動するための駆動手段としての潤滑剤塗布駆動手段とを有している。
保護剤42Yは、たとえば乾燥した固体疎水性潤滑剤からなる。この潤滑剤の代表例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸銅、パルチミン酸、亜鉛パルチミン酸コバルト、パルチミン酸銅、パルチミン酸マグネシウム、パルチミン酸アルミニウム、パルチミン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、及びリコリノレン酸カドミウムの如き比較的高次の脂肪酸などが挙げられる。また、カルナウバワックスのような天然ワックスであってもよい。ただし、保護剤42Yとしては、ステアリン酸亜鉛が好適であり、本形態ではこれを用いている。
ブラシローラ47Yは、その幅方向における長さを、少なくとも感光体ドラム20Yの幅方向全域に接触するように調整されている。ブラシローラ47Yは、B1方向において転写位置NPよりも下流側且つ後述するクリーニング位置CPよりも上流側の位置TPで感光体ドラム20Yに当接し、この位置TPで保護剤42Yを感光体ドラム20Yに塗布することが可能となっている。この位置TPは潤滑剤塗布位置となっている。
ブラシローラ47Yは、潤滑剤塗布駆動手段からの回転駆動力の伝達によってD1方向に回転する。この回転により、保護剤42Yを掻き取って付着させた後、ブラシローラ47Yが感光体ドラム20Yに当接している状態において、潤滑剤塗布位置TPで感光体ドラム20Y表面に塗布される。
クリーニングブレード78Yは、ポリウレタンゴム製であり、いわゆるカウンタータイプ言い換えるとリーディングタイプに類する角度で感光体ドラム20Yに当接している。クリーニングブレード78Yが感光体ドラム20Yに当接し感光体ドラム20Y上の転写残トナー等の不要物がクリーニングされる位置はクリーニング位置CPとなっている。
クリーニングブレード78Yは、クリーニング位置CPにおいて、ブラシローラ47Yによって潤滑剤塗布位置TPで感光体ドラム20Yに塗布ないし供給された保護剤42Yを感光体ドラム20Y上に塗布し感光体ドラム20Y表面に皮膜状の保護層である保護膜を形成する塗布ブレードとして機能する。クリーニングブレード78Yは、感光体ドラム20Y上の保護剤42Yに多少の分布ムラがあってもこれを解消するように感光体ドラム20Y上に保護剤42Yを均す。
このように、ブラシローラ47Yが回転駆動するとクリーニング装置70Yが保護膜形成装置40Yとして駆動していることになる。なお、ブラシローラ47Yの回転方向はB1方向と逆方向でなく順方向でも良い。
保護剤42Yによって感光体ドラム20Y表面に形成される皮膜は、近接放電による感光体ドラム20Y表面の劣化を防止する機能を有しており、保護膜形成装置40Yは放電劣化防止手段として機能するものである。ここでいう劣化とは、放電による感光体ドラム20Yの磨耗及びこの磨耗の加速、ならびに感光体ドラム20Y表面の活性化の両方を指している。
また、かかる皮膜は、感光体ドラム20Yとクリーニングブレード78Yとが互いに摩擦しあうことによって生じる磨耗等の劣化も防止し、保護膜形成装置40Yは摩擦劣化防止手段として機能するものである。
このように、保護膜形成装置40Yは、保護剤42Yを感光体ドラム20Y表面に塗布することにより、これら劣化を抑制している。
さらに、保護膜形成装置40Yは、ブラシローラ47Yが感光体ドラム20Yに接触した接触ブラシとなっており、クリーニングブレード78と同様に、感光体ドラム20Y上の転写残トナー等の不要物をクリーニングするクリーニング部材としてのクリーニングブラシとして機能する。
電界ローラ77Yは、ブラシローラ47Yに当接しているとともに、潤滑剤塗布駆動手段によってブラシローラ47Yとの対向位置でブラシローラ47Yと逆方向すなわちカウンタ方向に回転駆動される。電界ローラ77Yは、このように回転駆動されることと、電圧印加手段によってバイアスを印加させることとで、ブラシローラ47Y上の転写残トナー等の不要物をクリーニングする。
スクレーパ91Yは、回転する電界ローラ77Y上の転写残トナー等の不要物をクリーニングする。スクレーパ91Yによって電界ローラ77Yから除去された不要物は、クリーニングブレード78Yによって感光体ドラム20Y上から除去された不要物とともに、排出スクリュ67Yによってトナーリサイクル装置50Yに搬送される。
露光装置8Yは、感光体ドラム20Yに帯電装置30Yが対向した帯電領域と現像装置80Yが対向した現像領域との間の領域に、光を照射して、帯電装置30Yにより帯電された後の感光体ドラム20Yの表面の被走査面を露光し、現像装置80Yによってイエロートナー像として可視像化される、画像情報に応じた静電潜像を書き込むようになっている。
露光装置8Yの詳細については後述する。
感光体ドラム20Yは、軸20aYを除く本体部分に、一般に暗所において絶縁性を示し、光を照射されることにより導電性を示す物質で構成された部分を有している。具体的には、図示を省略するが、感光体ドラム20Yは、光の照射によって電荷を発生する層である電荷発生層と、その発生した電荷を感光体ドラム20Y表面まで輸送する働きをする層である電荷輸送層に大別される層構造をなしている。感光体ドラム20Yは、帯電装置30Yで発生した電荷を表面に保持し、露光装置8Yによって光が照射されるまで一定の電荷を保持する。感光体ドラム20Yは、露光装置8Yから、電荷を保持した表面に向かって、画像のデータに応じた光束を照射されると、光が照射された部分には、表面の電荷と符号が逆の電荷が電荷発生層で発生し、その電荷が表面に送られ、表面の電荷と結合する。これにより、感光体ドラム20Y表面に画像データに応じて電荷の存在する部分としない部分ができ、静電潜像が形成されるようになっている。
以上のような構成の画像ステーション60Yにおいては、画像形成時において、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30Yにより表面を一様に帯電され、露光装置8Yからの光の露光走査により、露光部言い換えると照射部における感光体ドラム20Yの電位が減衰してイエロー色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Yによりイエロー色のトナーにより現像され、現像により得られたイエロー色のトナー像を1次転写ローラ12Yによって形成される一次転写電界、ニップ圧によりA1方向に移動する転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置70Yにより除去されて除電装置90Y、帯電装置30Yによる次の除電、帯電に供される。
このとき、保護膜形成装置40Yは、ブラシローラ47Yの回転によって潤滑剤42Yを粉体状に削り、削った潤滑剤42Yを感光体ドラム20Yに移し、感光体ドラム20Yに移された潤滑剤42Yがクリーニングブレード78Yによって感光体ドラム20Y上に延ばされることで、保護剤42Yによって感光体ドラム20Y表面に皮膜が形成され、近接放電や感光体ドラム20Yとクリーニングブレード78Yとが互いに摩擦しあうことによって生じる感光体ドラム20Y表面の劣化を防止するようになっており、これにより、経時的にも、転写性能が維持され、トナーフィルミングが抑制ないし防止されて、良好な画像形成が図られている。
このような構成の画像形成装置100において、複写を行うときには、自動原稿給紙装置22の原稿台22aに原稿をセットするか、自動原稿給紙装置22を上方に回動してコンタクトガラス21a上に原稿を載置したうえで自動原稿給紙装置22を下方に回動して閉じ原稿を押さえた状態としたうえで、操作パネルのスタートボタンを押下する。なお、自動原稿給紙装置22にセットされる原稿は、たとえば束状のシート原稿であり、コンタクトガラス21a上にセットされる原稿は、たとえば本状に綴じられている片綴じ原稿である。画像形成装置100をプリンタとして使用する場合には、画像形成装置100に接続したPC等の外部入力装置において画像形成を行う画像データを選択、入力等したうえで画像形成開始の操作を行う。
複写を行う場合であって、原稿を原稿台22aにセットした場合には、セットした原稿がコンタクトガラス21a上に送り出されてから読取装置21による原稿の読み取りが行われ、また、原稿をコンタクトガラス21a上に載置したときにはスタートボタンの押下によって読取装置21による原稿の読み取りが行われ、画像データが生成される。
生成された画像データ又は入力された画像データに基づいて、上述の構成の画像ステーション60Y、60M、60C、60BKが作動する。また、かかる原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジである画像ステーション60Y、60M、60C、60BK内の各機器や、転写ベルトユニット10、2次転写ユニット76、定着装置6等がそれぞれ駆動を開始する。
画像ステーション60Yにおいては、上述したように、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電装置30Yにより表面を一様に帯電され、露光装置8Yにより静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Yによりイエロー色のトナーにより現像され、イエロー色のトナー像を1次転写ローラ12Yによって転写ベルト11に1次転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置70Yにより除去されて除電装置90Y、帯電装置30Yによる次の除電、帯電に供される。このとき、潤滑剤42Yは感光体ドラム20Yに塗布され、感光体ドラム20Yの状態が良好に保たれること等により、イエロー色のトナー像が良好に形成される。
他の感光体ドラム20C、20M、20BKにおいてもその状態が良好に保たれながら同様に各色のトナー像が良好に形成等され、形成された各色のトナー像は、1次転写ローラ12C、12M、12BKにより、A1方向に移動する転写ベルト11上の同じ位置に順次1次転写される。転写ベルト11上に重ね合わされたトナー像によって構成された4色重ね合わせトナー像すなわち4色トナー像は、転写ベルト11のA1方向の回転に伴い、2次転写ローラ5との対向位置である2次転写ニップまで移動し、転写紙に2次転写され、転写紙上にフルカラー画像が担持される。
転写ベルト11と2次転写ローラ5との間に搬送されてきた転写紙は、スタートボタンの押下により、シート給送装置23の1つの給送ローラ24が選択されこの回転によって対応する給紙カセット25から繰り出されてフィードされたものであるか、または、手差し給紙装置33の給送ローラ35の回転によって手差しトレイ34から繰り出されてフィードされたものであるか、または、両面ユニット96から給紙ローラ95によって繰り出されてフィードされたものであるかの何れかであって、レジストローラ対13によって、センサによる検出信号に基づいて、転写ベルト11上のトナー像の先端部が2次転写ベルト5に対向するタイミングで送り出されたものである。かかるフィード動作は、上述の原稿読取動作と略同時に開始される。
転写紙は、すべての色のトナー像を転写され、担持すると、定着装置6に進入し、定着ベルト64と加圧ローラ63との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、転写紙上に良好なカラー画像が形成される。定着装置6を通過した定着済みの転写紙は、切換爪94の態位に応じて、排紙ローラ98を経て排紙トレイ75上にスタックされるか、または搬送ローラ97を経て両面ユニット96に進入して両面画像形成に備える。一方、2次転写を終えた転写ベルト11は、中間転写ベルトクリーニング装置14によってこれに残留する残留トナー等を除去されてクリーニングされ、次の画像形成に備える。
このような画像形成動作を良好に行うにあたって、感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKの露光を良好に行なうことは重要である。
一般に、露光装置の種類として、光源とポリゴンモータなどの偏光器を組み合わせた光走査装置を備えたタイプと、発光素子を一次元または二次元に配列し、像担持体の表面を走査方向に一括露光するアレイ光源装置を備えたタイプとがある。
前者のタイプに対する後者のタイプの利点として、1.小型である、2.像担持体に書き込むビーム径が細い、3.寿命が長い、等が挙げられ、露光装置が小型であることは画像形成装置の小型化に、ビーム径が細いことは高画質化に、寿命が長いことは画像形成装置の長寿命化及び露光装置のリサイクル化に、それぞれ寄与する。
そこで、画像形成装置100に備えられている露光装置8Y、8C、8M、8BKは、後者のタイプを採用している。
ただし、後者のタイプは、焦点位置におけるビーム深度が狭いという特性があるため、感光体ドラム20Y、20C、20M、20BK表面に対する位置決め精度を高くする必要がある。
そこで、露光装置8Y、8C、8M、8BKは、次のような構成を採用している。以下、露光装置8Y、8C、8M、8BKの構成について説明するが、それぞれの構成は互いに同様であるため、符号の末尾のY、C、M、Kは省略する。感光体ドラム20Y、20C、20M、20BK、その他の構成についても同様である。
図4に示すように、露光装置8は、感光体ドラム20に光を照射して露光を行なう発光手段としてのプリントヘッド180と、プリントヘッド180と感光体ドラム20表面との間隔をロッドレンズの共役長TCと等しい距離に保持するために感光体ドラム20に対するプリントヘッド180の間隔を規制して位置決めを行なう間隔規制手段としての位置決め手段である位置決め部材190とを有している。
位置決め部材190は、感光体ドラム20の両端に対応するように、プリントヘッド180の各端部に配設されている(図11参照)。したがって、位置決め部材190は一対で備えられているが、各位置決め部材190の構成は互いに同一であるため、以下においては、その一方の構成について説明する。
図5に示すように、プリントヘッド180は、発光素子としての光源素子である複数のLED181を一定間隔で一次元に配列したライン状の発光素子アレイとしての光源保持部材であるLEDアレイ182と、LED181を駆動するための駆動ドライバとしてのドライバIC183と、LEDアレイ182に対して不図示のフレームで保持され位置決めされた結像素子アレイ184とを有し、アレイ光源装置となっている。
結像素子アレイ184は、屈折率分布型の結像素子である図示しないロッドレンズを複数個束ねたロッドレンズアレイを用いている。LEDアレイ182と感光体ドラム20表面との距離はロッドレンズの共役長TCと等しくし、その中心にロッドレンズアレイが配置される。
このような構成のプリントヘッド180では、LEDアレイ182を構成する各LED181から放出された光は、結像素子アレイ184で結像されて、像面である感光体ドラム20の表面に光スポットを形成し、一括露光する。なお、発光素子はLEDでなく、有機ELなどの他の発光素子であっても良く、またその配列は一次元でなく二次元であっても良い。ロッドレンズアレイの代わりにマイクロレンズアレイ等を用いても良い。
図4に示すように、位置決め部材190は、感光体ドラム20表面に当接して感光体ドラム20のB1方向への回転に従動回転する回転部材としての球体である間隔部材191と、間隔部材191を感光体ドラム20の反対側から回転自在に保持する外側保持部材である球体保持部材としての球体保持機構たる間隔部材支持部材である保持部材192とを有している。
保持部材192は、間隔部材191の一部を外部に位置させるとともに、それ以外の部分を収納した、間隔部材191の回転半径rよりも大きな半径Rを有する凹部192aを有している。保持部材192は、凹部192aにおいて、感光体ドラム20がB1方向に回転するときに間隔部材191が感光体ドラム20との摩擦によって回転するように、間隔部材191を保持している。これにより、プリントヘッド180を支持する不動の部材を感光体ドラム20に当接させる構成よりも、感光体ドラム20と位置決め部材190との間の摩擦、磨耗が低減され、また、感光体ドラム20の表面にうねりがある場合にも感光体ドラム20とプリントヘッド180との間隔が保たれることにより、プリントヘッド180が感光体ドラム20表面に対して長期にわたって高精度で位置決めされ、長期的に高精度で良好な露光が行われる。
図6において符号193で示すように、間隔部材191は、その表面に潤滑剤を塗布されていると、間隔部材191と保持部材192との間の摩擦、磨耗が低減され、またこれとともに間隔部材191と感光体ドラム20との間の摩擦、磨耗が低減され、感光体ドラム20と位置決め部材190との間の摩擦、磨耗の低減度合いが向上し、より長期にわたってプリントヘッド180が感光体ドラム20表面に対して高精度で位置決めされ、より長期的に高精度で良好な露光が行われる。
間隔部材191表面に潤滑剤193を塗布するには、図6に示すように、潤滑剤193を凹部192aに単に充填している構成であっても良いが、経時的に間隔部材191表面に潤滑剤193が塗布された状態に保つには、潤滑剤193を間隔部材191に経時的に供給し続けるようにすることが好ましい。そのための構成としては、保護膜形成装置40によって感光体ドラム20表面に供給された保護剤42を潤滑剤193として間隔部材191に塗布する構成と、露光装置8が、間隔部材191表面に潤滑剤193を供給するようにする構成とが挙げられる。
図7に、後者の構成を採用した露光装置8を示す。
同図において、すでに説明したのと同様の構成については同じ符号を付して適宜説明を省略する。このことは図8以下の図及びその説明においても同じである。
図7に示した露光装置8は、位置決め部材190、具体的には保持部材192が、回転部材表面に潤滑剤193を供給する回転部材潤滑剤供給手段としての潤滑剤供給手段194を有している。潤滑剤供給手段194は、経時的に供給可能な量の液状の潤滑剤193を蓄えた潤滑剤貯蓄部194aと、潤滑剤貯蓄部194aに蓄えられた潤滑剤193を凹部192aに導いて間隔部材191に供給する潤滑剤流路194bとを有している。これにより、間隔部材191の回転によってその表面に付着している潤滑剤193が感光体ドラム20に転移し消費されても、適量の潤滑剤193が間隔部材191の表面に適時供給され、間隔部材191表面は潤滑剤193を塗布された状態が維持される。
図8ないし図10にそれぞれ、潤滑剤供給手段194の他の構成例を示す。これらの構成例はすべて、間隔部材191が感光体ドラム20に当接したことを潤滑剤193が間隔部材191に供給される条件としているが、図9、図10に示した構成例はさらに、間隔部材191が感光体ドラム20に従動回転する状態となることを潤滑剤193が間隔部材191に供給される条件としている。
図8に示す潤滑剤供給手段194は、間隔部材191が感光体ドラム20に当接し、間隔部材191により感光体ドラム20の表面に垂直な方向に押圧されたときに、間隔部材191に潤滑剤193を供給するように構成されている。そのため、潤滑剤供給手段194は、潤滑剤流路194bを開閉する開閉体としての蓋194cと、感光体ドラム20の表面に垂直な方向に延在し、一端が蓋194cに接続され他端が凹部192aに進退自在であって間隔部材191に当接可能な開閉駆動部材としての弾性部材であるバネ194dとを有している。なお同図において潤滑剤貯蓄部194aの図示は省略している。このように蓋付きバネ構造を採用した潤滑剤供給手段194は、間隔部材191が感光体ドラム20に当接し間隔部材191によりバネ194dが一定の力で感光体ドラム20の表面に垂直な方向に押圧されると蓋194cが開いて潤滑剤流路194bと凹部192とが連通して潤滑剤193が間隔部材191に供給される。よって間隔部材191が感光体ドラム20に当接していない場合に潤滑剤193の漏れが防止される。
図9に示す潤滑剤供給手段194は、間隔部材191が感光体ドラム20に当接して感光体ドラム20に従動回転し、間隔部材191により、間隔部材191が当接した部分における感光体ドラム20の表面に平行な方向である法線方向に押圧されたときに、間隔部材191に潤滑剤193を供給するように構成されている。そのため、潤滑剤供給手段194は、バネ194dが、間隔部材191が当接する部分における感光体ドラム20の表面に平行な方向すなわち法線方向に延在している。なお同図において潤滑剤貯蓄部194aの図示は省略している。このように蓋付きバネ構造を採用した潤滑剤供給手段194は、間隔部材191が感光体ドラム20に当接して感光体ドラム20に従動回転し、間隔部材191がその回転半径rより大きな半径を有する凹部192内で、感光体ドラム20に当接した位置における法線方向すなわちB1方向に沿った方向に移動することで、間隔部材191によりバネ194dが一定の力で同方向に押圧されると、蓋194cが開いて潤滑剤流路194bと凹部192とが連通して潤滑剤193が間隔部材191に供給される。よって間隔部材191が感光体ドラム20に当接していない場合、感光体ドラム20が回転していない場合に潤滑剤193の漏れが防止される。
図10に示す潤滑剤供給手段194は、潤滑剤193が固形状であり、潤滑剤貯蓄部194a及び潤滑剤流路194bを有していない。この潤滑剤供給手段194は、間隔部材191が感光体ドラム20に当接して感光体ドラム20に従動回転したときに、潤滑剤193が間隔部材191に付着することで潤滑剤193が供給されるように構成されている。そのため、潤滑剤供給手段194は、固形状の潤滑剤103を間隔部材191に向けて付勢した付勢部材である弾性部材としてのバネ194eを有している。よって間隔部材191が感光体ドラム20に当接し、感光体ドラム20に従動回転しているときのみ潤滑剤193が供給される。
なお、潤滑剤193の成分について説明すると、保護膜形成装置40によって感光体ドラム20表面に供給された保護剤42を潤滑剤193として間隔部材191に塗布する構成を採る場合には、保護剤42がステアリン酸亜鉛であることから、潤滑剤193もステアリン酸亜鉛とする。また、図6ないし図10に示して説明した構成を採る場合も、同様の理由により潤滑剤193をステアリン酸亜鉛とすることが好ましい。バネ194d、194eを採用した構成では、これらの弾性力を調整することで、潤滑剤193の供給量、補給量が調整される。
以上の構成例において、間隔部材191は、位置決め部材190に1つのみ備えられているが、複数備えられていても良い。また、間隔部材191は、以下にも述べるように、感光体ドラム20表面に対して備えられ感光体ドラム20に従動回転するのに限らず、感光体ドラム20に一体の、感光体ドラム20とともに回転する部材、たとえば軸20a等の駆動軸、軸20aその他の駆動軸に固定された部材、その他感光体ドラム20に固定された部材に対して備えられ、これに従動回転するものであってもよい。間隔部材191は球体すなわち球形状でなく、円柱体すなわち円柱形状であっても良い。間隔部材191が軸20aに従動回転する場合、潤滑剤193を用いる構成においては、その成分は軸20aの潤滑剤と同一とすることが望ましい。
間隔部材191を球体である球状部材、円柱体である円柱状部材とすることについてさらに述べる。プリントヘッド180と感光体ドラム20との間隔を高精度に保つためには、間隔部材191等の位置決め部材は高精度に形成された部材であるほど良い。間隔部材191と感光体ドラム20あるいは感光体ドラム20とともに回動する部材との摩擦を減らすためには、間隔部材191の面粗さが小さいほど良い。しかし、ただ単純に、そのような部品を要求しても、技術的に達成できないばかりか、達成できたとしても非常に高コストとなってしまう。この点、間隔部材191を球状部材、円柱状部材とすると、作製方法の特徴上、非常に高精度で、且つ面粗さの小さなものが、低コストで実現されるため、間隔部材191を球状部材、円柱状部材とすることは、低コスト且つ高精度に、プリントヘッド180と感光体ドラム20との間隔を一定に保つことに適しており、また間隔部材191と感光体ドラム20あるいは感光体ドラム20とともに回動する部材との間の摩擦も小さく抑えられ、プリントヘッド180と感光体ドラム20表面との間隔が、経時で変化することが抑制される。
また、球状部材、円柱状部材の何れによらず、間隔部材191を固定してしまうと、感光体ドラム20あるいは感光体ドラム20とともに回動する部材と間隔部材191との間で摩擦が発生してしまい、磨耗による精度劣化や、発熱による精度劣化につながるおそれがあるとともに、駆動部分に対して負荷が発生することになり、駆動むらを引き起こすおそれがある。それらを避けるため、間隔部材191を、保持部材192で回転自在に支持していることは、間隔部材191と、感光体ドラム20あるいは感光体ドラム20とともに回動する部材との間で摩擦が発生するのを抑制し、プリントヘッド180と感光体ドラム20との間隔を、経時でも高精度に維持し、また駆動むらを引き起こすこともない点において優れている。なお、球状部材と円柱状部材とを比較すると、球状部材の方が、高精度且つ低コストに作製しやすく、摩擦の低減もしやすいため、球状部材を用いる方がより望ましい。間隔部材191が球体である場合における球体保持部材、球体保持機構である保持部材192は、間隔部材191が円柱体である場合、円柱体保持部材、円柱体保持機構となる。
図11に、位置決め部材190、具体的には保持部材192が、間隔部材191を、B1方向に回転する感光体ドラム20と一体で回転する軸20の移動方向である回転方向すなわちB1方向に沿って複数有する構成例を示す。なお、以下の構成例においても、上述の、潤滑剤193が間隔部材191表面に塗布されているようにされた構成を適宜適用可能である。
位置決め部材190は、間隔部材191と、間隔部材191を感光体ドラム20の反対側から回転自在に保持する保持部材192との他に、軸20aに固定され間隔部材191を感光体ドラム20の側から回転自在に保持する間隔部材支持部材である内側保持部材195と、保持部材192とプリントヘッド180とを連結する連結部材としてのロッド状部材196とを有している。
保持部材192及び内側保持部材195はともにリング状であって同心円状に配設され、それらの間で複数の間隔部材191を等間隔で支持している。よって、複数の間隔部材191はリング状に配設されている。
プリントヘッド180は、軸20aの回転が、内側保持部材195、間隔部材191、保持部材192、ロッド壌部材196を介して伝達されることによって回転することのないように、露光装置8本体側の図示しない部材に接触してかかる回転を規制されている。このように、プリントヘッド180が不要な移動をしないように構成されているのは、上述の構成例も同様である。
ロッド状部材196は、保持部材192の、プリントヘッド180に対向する位置に設けられた平坦部192bに一端を突き当てた状態で固定されているとともに、他端をプリントヘッド180に固定されている。これにより、ロッド状部材196は、プリントヘッド180と感光体ドラム20との間隔を設定する間隔設定部材として機能しているとともに、かかる間隔を保持するためにプリントヘッド180と感光体ドラム20との相対的な位置決めを行なうとともにかかる間隔を定める方向と異なる方向すなわちたとえば同図の左右方向においても感光体ドラム20に対するプリンタヘッド180の位置決めを行なう発光手段位置決め手段を構成している。ただし、ロッド状部材196を省略して、図4、図6ないし図10に示したように、プリントヘッド180を直接、保持部材192に突き当てて固定しても良い。
図12に示すように、位置決め部材190は、保持部材192と間隔部材191との間に位置し、間隔部材191に当接する面が曲面の曲面部材197と、保持部材192と間隔部材191との間にトナーや埃等の異物が進入することを防止するための異物進入防止部材であるごみ進入防止部材198とを有していていも良い。
曲面部材197は間隔部材191と同様に球体であって、3つ備えられており、1つの間隔部材191とともに逆円錐形状をなすように配設されている。曲面部材197は回転自在であり、間隔部材191が感光体ドラム20に従動回転するときに、間隔部材191に従動回転可能である。曲面部材197は固定であっても良いが、回転可能である方が、間隔部材191との摩擦、磨耗が低減されるとともに、間隔部材191と感光体ドラム20との摩擦、磨耗も低減され、間隔部材191が感光体ドラム20に滑らかに従動回転する。なお、曲面部材197が間隔部材191に従動回転可能であるときは、曲面部材197は間隔部材としても機能するものであるといえ、曲面部材197が固定であるときは、曲面部材197は保持部材192としても機能するものであるといえる。なお曲面部材197同士は、本形態では接しているが、接していなくても良い。
曲面部材197は、球体であることから、間隔部材191と同様に、面粗さを小さくすることが可能であって、その面粗さを、間隔部材191の面粗さとほぼ同一となるように小さくされている。また、曲面部材197の材質は、間隔部材191の材質と同一とされている。これにより、曲面部材197と間隔部材191との摩擦、また曲面部材197相互間の摩擦もきわめて小さくなり、間隔部材191との摩擦、磨耗が低減されるとともに、間隔部材191と感光体ドラム20との摩擦、磨耗も低減され、間隔部材191が感光体ドラム20に滑らかに従動回転する。
ここで、間隔部材191の表面粗さは1μm以下、より望ましくは0.5μm以下にするのが良く、真球度は5μm以下、より望ましくは2μm以下とするのが良い。間隔部材191が円柱部材のときの真球度は、任意の1断面の真円度とする。表面粗さは、球状部材の赤道または円柱部材の任意の1つの円周を測定し、平均粗さとして求める。真球度は、互いに90度をなす2又は3赤道表面の輪郭を測定し、それぞれの最小外接円から鋼球表面までの半径方向の距離の最大の値として求める。真円度は、2つの同心の幾何学的円で挟んだとき、同心円の間隔が最小となる場合の、2つ円の半径の差として求める。
ごみ進入防止部材198は、保持部材192とともに、各曲面部材197の全体と、間隔部材191の大部分とを収納する空間を形成している。この空間は、曲面部材197の位置が変化せず、かつ間隔部材191の一部が、ごみ進入防止部材198に形成された孔198aから、外部に露出し、感光体ドラム20に当接するように構成されている。孔198aの大きさは、間隔部材191が落下せず孔198aの周縁に軽く接触する大きさとされている。
ごみ進入防止部材198は、孔198aの大きさ、形状が、保持部材192と間隔部材191との間にトナーや埃等の異物が進入することが防止ないし抑制されるようになっている。これにより、異物が間隔部材191と曲面部材197との間に介在することが防止ないし抑制されるため、異物によって間隔部材191の回転が阻害されること、摩擦や磨耗が発生することが防止ないし抑制される。なお、図11に示した内側保持部材195もごみ進入防止部材として機能し得るが、同図に示した構成例では、保持部材192、内側保持部材195の両端面を覆う部材をごみ進入防止部材としてさらに設けることが望ましい。
ごみ進入防止部材198の材質は、少なくとも間隔部材191と当接する部分については、間隔部材191の材質よりも高度が低い、樹脂等によって構成される材質とすることが良い。このようにすれば、間隔部材191の磨耗が防止ないし抑制され、プリントヘッド180と感光体ドラム20表面との間隔が、経時で変化することが抑止されるためである。
図12に示した構成例では、曲面部材197の径よりも間隔部材191の径のほうが小さい。これらの径の大小関係は、図13に示すように互いに同じにしてもよいし、図14、図15に示すように、図12に示したのと逆にしても良いが、図12あるいは図13に示した関係とすると、曲面部材197が回転可能な場合、曲面部材197がより回転しにくくなり、曲面部材197と保持部材192との間での摩擦がより低減されるという利点がある。さらに、図13に示した関係とすると、曲面部材197と間隔部材191を共通化して低コスト化されるという利点がある。
曲面部材197の個数は、複数であれば良いが、3つにすると、間隔部材191と3点で接するため、間隔部材191のガタが発生しにくくなり、また間隔部材191との間で発生する摩擦が低減されて好ましい。図15は、曲面部材197を、保持部材192の、球の一部の形状となった内面に沿って多数並べた場合の構成を示している。
曲面部材197の形状は、間隔部材191と同様に、球形状でなく、円柱形状としても良く、この場合、間隔部材191を円柱形状として1つ備え、曲面部材197を円柱状として2つ備えるようにすることが可能である。曲面部材197の径と間隔部材191の径との大小関係は上述したのと同様に適宜設定可能であり、曲面部材197の数も上述したのと同様にどのようにしても良い。間隔部材191、曲面部材197は、その何れか一方が球形状、他方が円柱形状であっても良い。
保持部材192の、間隔部材191に当接して間隔部材191を回転自在に支持する凹部192aの形状は、図4、図6〜図10、図14、図15に示した球の一部をなす形状、図11に示した円柱形状、図12、図13に示した方形状のみならず、図16に示すように、四角錘形状とするなど、三角錐以上の角錐形状すなわち多角錘形状としても良いし、V溝形状としても良い。このようにしても間隔部材191が回転しやすく、間隔部材191、感光体ドラム20の摩擦による磨耗や発熱が防止ないし抑制され、プリントヘッド180と感光体ドラム20表面との間隔が、経時で変化することが抑止されるためである。
ただし、凹部192aをV溝形状とすると、とくに間隔部材191が球体である場合には溝の延在方向において間隔部材191が移動するのを防止するための構成を要し、また五角錘以上の多角錘形状とすると、間隔部材191との接触箇所が多くなるため、間隔部材191及びこれに当接する部位での摩擦が若干増え得る。よって、凹部192aの形状としては、図16に示した四角錘形状か、三角錘形状とすることが望ましい。なお、図12ないし図14に示した構成でも、曲面部材197の間隔部材191に当接する位置が凹部192aを形成していると捉えれば、凹部192aの形状は三角形状であるものと捉えることが可能である。また、間隔部材191を円柱形状とした場合には、凹部192aをV溝形状とすれば良いが、間隔部材191と凹部192aとの接触領域が増える点から、間隔部材191は球形状の方が好ましい。
図11に示したロッド状部材196は、図12ないし図16に示した構成に採用しても良く、たとえば、図12に示した構成、図16に示した構成にロット状部材196を適用すると、それぞれ、図17(a)、図17(b)に示す構成となる。また、図11に示した構成であって平坦部192bを省略した構成に適用しても良く、この場合は図17(c)に示す構成となる。
図11に示した例では、ロッド状部材196によって間隔設定部材及び発光手段位置決め手段を構成したが、図18に示すように、プリンタヘッド180に固定され保持部材192側の端部が球状に尖ったロッド状部材196によって間隔設定部材を構成し、ロット状部材196と、保持部材192のプリントヘッド180に対向する面に設けたV字状の凹部によって形成された嵌合部192cとにより、発光手段位置決め手段199を構成してもよい。このように、発光手段位置決め手段199が、間隔設定部材196とこれに嵌合する嵌合部192cとを有することにより、プリントヘッド180と感光体ドラム20との間隔が保持されるのみならず、ロッド状部材196がプリントヘッド180と保持部材192との間隔を定める方向と異なる方向においてもプリントヘッド180の位置決めが行われる。
図19に示すように、発光手段位置決め手段199は、保持部材192に固定された間隔設定部材196と、プリンタヘッド180に形成された嵌合部180aとを備えていても良い。
嵌合部192c、180aは、図18、図19に示したような凹形状の凹部でなく凸形状の凸部であってもよく、嵌合部193cを凸形状とした場合には、間隔設定部材側を凹形状とする。また、凹形状はV字状でなく、他の形状であっても良い。
図20に示すように、間隔設定部材196は、プリントヘッド180と感光体ドラム20との間隔に対応する大きさすなわちその長さが調整可能であり、かかる間隔を調整可能な間隔調整部材として機能することが好ましい。間隔調整部材196を備えていれば、プリントヘッド180と感光体ドラム20との間隔を高精度で設定するために、露光装置8の各構成部品を高精度で形成することによるコストの上昇を回避することが可能となる。
間隔調整部材196は、その長さを調整可能なものであるのに限らず、プリントヘッド180及び/又は保持部材192に対する取り付け位置が、プリントヘッド180と感光体ドラム20との間隔を調整可能に可変であるものであっても良い。この場合、間隔調整部材196は、プリントヘッド180と感光体ドラム20との間隔を調整後に当該プリントヘッド180及び/又は保持部材192に接着等によって固定しても良いし、ねじ等の固定手段により当該プリントヘッド180及び/又は保持部材192に固定してもよい。
図21に示すように、間隔調整部材は、間隔設定部材196と別体の偏心コロ200であっても良い。この間隔調整部材200は、プリントヘッド180に回転自在に支持されている軸200aと、間隔設定部材196の先端に形成された凹部196aに嵌合した円柱部200bとを有し、間隔設定部材としての機能も有している。軸200aが円柱部200bの中心から偏心した位置に配設されていることにより、間隔調整部材200を軸200aに回転することで、プリントヘッド180と感光体ドラム20との間隔が調整される。間隔調整部材196は、プリントヘッド180と感光体ドラム20との間隔を調整後にプリントヘッド180に接着等によって固定しても良いし、ねじ等の固定手段によりプリントヘッド180に固定してもよい。間隔調整部材200を保持部材192に設け、間隔設定部材196をプリントヘッド180側に設けても良い。
以上述べた各構成例において、間隔部材191は、感光体ドラム20表面と、軸20a等の感光体ドラム20に一体の、感光体ドラム20とともに回転する部材との、いずれか一方に対して配設されていれば良い。
ここで、間隔部材191と、これが当接する感光体ドラム20表面又はかかる部材と、保持部材192との、表面粗さ、硬度等について述べる。
間隔部材191と、これが当接する感光体ドラム20表面又はかかる部材との、表面粗さについては、間隔部材191の表面粗さが感光体ドラム20表面又はかかる部材の表面粗さ以下であることを要し、より好ましくは、感光体ドラム20表面又はかかる部材の表面粗さをより粗くするのがよい。間隔部材191の従動回転が良好に生じ、また感光体ドラム20表面又はかかる部材の表面の加工コストが低減するためである。
間隔部材191と、これが当接する感光体ドラム20表面又はかかる部材との、硬度については、かかる表面粗さの関係に加えて、間隔部材191の硬度が感光体ドラム20表面又はかかる部材の硬度より高いことが、間隔部材191の従動回転を良好とし、また感光体ドラム20又はかかる部材のコスト低減のうえで好ましいとともに、間隔部材191と感光体ドラム20又はかかる部材との両方の磨耗が抑制される。かりに、間隔部材191の硬度が感光体ドラム20表面又はかかる部材の硬度より高く、間隔部材191の表面粗さが感光体ドラム20表面又はかかる部材の表面粗さよりも大きいと、感光体ドラム20表面又はかかる部材の表面を磨耗させてしまう。一方、間隔部材191の硬度が感光体ドラム20表面又はかかる部材の硬度より低く、間隔部材191の表面粗さが感光体ドラム20表面又はかかる部材の表面粗さよりも大きいと、間隔部材191の従動回転が良好に生じるとともに、間隔部材191と感光体ドラム20又はかかる部材との両方の磨耗が抑制されるが、コスト高となる。
また、間隔部材191と保持部材192とについては、間隔部材191の硬度が保持部材192の硬度より高く、間隔部材191の表面粗さが保持部材192の表面粗さより小さいことが、両者の磨耗低減のうえで好ましい。
このような、間隔部材191と、これが当接する感光体ドラム20表面又はかかる部材と、保持部材192との、表面粗さ、硬度の関係から、感光体ドラム20に、アルミの上に感光材料が塗布された一般的なOPCが用いられる場合、間隔部材191の材質は高炭素高クロム鋼材等のクロム、カーボン、ステンレス、セラミック等とすることが好適であり、保持部材192の材質はアルミ、樹脂等とすることが好適である。
なお、間隔部材191は、感光体ドラム20表面に対して配設される場合、感光体ドラム20のどの部分に接しても良いが、感光体ドラム20の金属部すなわち感光体ドラムが上述のOPCである場合にはアルミ部分に接するのがよく、このとき、間隔部材191の材質を上述のクロムとし、保持部材192の材質をアルミとすることが好ましい。一方、間隔部材191が感光体ドラム20の、感光材料が塗布された部分に接するときは、間隔部材191の材質をセラミックとし、保持部材192の材質を樹脂とすることが好ましい。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、画像形成装置は、タンデム型であっても、上述した間接転写方式でなく、図22に示すように、直接転写方式を採用可能である。図22はタンデム型直接転写方式の画像形成装置の一部を示しており、上述の形態と同様の構成には同じ符号を付している。この画像形成装置では、上述の転写ベルト11に代えて像担持体としての記録媒体搬送体であるシート搬送ベルト11’を有しており、シート搬送ベルト11’で搬送されている過程の転写紙に、画像ステーション60BK、60C、60M、60Yで形成した各色のトナー像を順次重ね転写する。
直接転写方式と間接転写方式とを比較すると、前者は、転写紙の搬送方向において、画像ステーション60BK、60C、60M、60Yの上流側に図示しない給紙装置を、下流側に定着装置6を配置しなければならず、かかる搬送方向に大型化する傾向にあるのに対し、後者は、2次転写位置を比較的自由に設置可能であるため、給紙装置、定着装置6を画像ステーション60BK、60C、60M、60Yと重ねて配置可能であり、小型化が可能となる利点がある。また、前者は、転写紙の搬送方向における大型化を抑制するためには、定着装置6をシート搬送ベルト11’に接近して配置することとなる。そのため、転写紙が撓む十分な余裕をもって定着装置6を配置することが難しく、転写紙の先端が定着装置6に進入するときの衝撃(特に厚い転写紙で顕著となる)や、定着装置6を通過するときの転写紙の搬送速度と、シート搬送ベルト11’による転写紙の搬送速度との速度差により、定着装置6が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすいのに対し、後者は、転写紙が撓む十分な余裕をもって定着装置6を配置可能であり、定着装置6がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにし得る。これらの点では、近年では、タンデム型において、間接転写方式が注目されてきている。
また、画像形成装置は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することが可能である。
1ドラム型とタンデム型とを比較すると、前者は、感光体ドラムが1つであるから、比較的小型化可能であり、コストも低減可能な利点はあるものの、1つの感光体ドラムを用いて複数回(通常4回)画像形成を繰り返してフルカラー画像を形成するから、画像形成の高速化が難しく、これに対し、後者には、逆に大型化し、コスト高となり得るものの、画像形成の高速化が容易である利点がある。近年では、フルカラーもモノクロ並みのスピード要求が望まれることから、タンデム型が注目されてきている。
その他、画像形成装置は、近年では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーのものが多くなってきているが、画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
このような画像形成装置に用いる現像剤は、二成分現像剤に限らず、一成分現像剤であっても良い。
画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。