JP2016114689A - 画像形成装置、画像形成方法、およびトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】露光手段として静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段を有しており、書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材を有しており、トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、トナーに対して遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図1
Description
露光装置にLEDを使用した場合、LEDと感光体の距離を一定に保つために感光体に接触するように光学ヘッドと感光体との距離を一定にする規制部材(以下、「規制部材」と表現する)が使われることがある。これにより画像の安定性が向上する。例えば特許文献1の特開平11‐249049号公報には、光走査装置と感光体の距離を保つ手段を搭載することにより、感光体上のスポット径を均一にする技術が開示されている。
1)摩擦帯電により電荷が蓄積し、特に粒径の小さい粒子(小粒径シリカなど)が静電付着していく。この付着物が増加していき、やがて長手方向に拡散し、画像が実際に形成される領域にまで広がる。画像が形成される領域に付着汚染物が形成されると、露光手段による画像形成のための露光ができなくなり、印字画像に欠損が生じる。さらに、汚染付着物がクリーニングブレードなどのクリーニング手段によって除去できない場合は、汚染付着物が残るばかりか、この汚染付着物が基点となってトナー母体や無機微粒子が堆積していき、印字画像欠損領域の拡大、さらには汚染付着物の肥大化によりクリーニングブレードの破壊に至り、印字画像に着色スジが発生し著しく画像品位が損なわれる。
規制部材接触部における感光体汚染について説明すると、画像形成中において、規制部材と感光体の間には、若干の隙間ができる。そこにトナーが入り込み、感光体上にシリカを主成分とし、離型剤や結着剤樹脂を含む付着物が形成され、クリーニング工程で感光体汚染が生じてしまう。これは離型剤や結晶性ポリエステルを含有したトナーの場合に発生する頻度が高い。
そこで例えば、特許文献2の特開2012‐208495号公報、特許文献3の特開2007−271766号公報には、感光体の汚染防止を1つの目的として、2種類の帯電極性の異なる外添剤を添加して外添剤の遊離を静電的に制御する技術が開示されている。しかし外添剤凝集体を生成するほどのシリコーンオイル含有シリカを使わず、単に静電的な方策のみを採用した外添剤を用いたトナーでは、本発明において期待するような効果については、これを発揮させることは難しかった。
(1)「 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記露光手段として前記静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段を有しており、前記書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、前記静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材を有しており、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成装置。」
さらに、接触摩擦する部材の磨耗を抑制し、たとえば接触摩擦する部材が光学式ヘッドと静電潜像担持体の表面との間の距離を一定に規制する規制部材である場合には、光学式ヘッドと静電潜像担持体の間の距離を一定に保つことができ、長期にわたり安定した静電潜像を形成し続け、印字画像品位の低下を抑制することができる。
(2)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が1nm〜40nmの微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。」
(3)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が70nm以上の微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の画像形成装置。」
(4)「 前記トナーが離型剤又は結晶性樹脂を含むことを特徴とする前記(1)〜乃至(3)のいずれかに記載の画像形成装置。」
(5)「 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段を用いた現像工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記静電潜像担持体は長手方向に延伸する円筒形状を有しており、前記露光手段は前記静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段であり、該書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、前記静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材が用いられ、前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成方法。」
(6)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が1nm〜40nmの微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(5)に記載の画像形成方法。」
(7)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が70nm以上の微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(5)または(6)に記載の画像形成方法。」
(8)「 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する画像形成装置に使用するトナーであって、
前記静電潜像担持体は長手方向に延伸する円筒形状を有しており、前記露光手段として前記静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段を有しており、前記書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、前記静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材を有しており、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とするトナー。」
(9)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が1nm〜40nmの微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(8)に記載のトナー。」
(10)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が70nm以上の微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(8)または(9)に記載のトナー。」
(11)「 静電潜像担持体と、帯電手段、静電潜像を、トナーを用いて現像する現像手段及びクリーニング手段のうち少なくとも一つを備え、前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ。」
本発明に使用する無機微粒子としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ微粒子あるいはその凝集体と二酸化チタン微粒子あるいはその凝集体が特に好ましい。
また、BET法による比表面積は、20m2/g〜500m2/gであることが好ましい。
このような微粒子凝集体は、例えばシリカ凝集体の場合、数百nm〜数十μm径の二次凝集体(アグロマレート;agglomerates)であり得る。すなわち、知られるように、粒子径が数十nm(比表面積から計算される)までの一次粒子が3〜数μm(数千nm)程度にまで凝集してなる一次凝集体(アグリゲート;aggregates)が、さらに凝集して形成された物理凝集体がアグロマレートであり、本明細書でいう凝集体は、主にこれを意味する(アグリゲートは現実的には最小構成単位である)。そしてこのような2種類のシリカ凝集体を分散処理した場合、一次粒子まで分散することは通常はなく、一次凝集体(アグリゲート)レベルまでの分散にとどまると云われている。知られているように、凝集は、必ず内部潜熱の放出(エンタルピーの減少)を伴う発熱反応であり、二次凝集体(アグロマレート)の場合も例外ではない。しかし、二次凝集体への凝集は物理凝集であることもあって、放出−吸収熱量幅が格段に小さい。本発明におけるこのようなアグロマレートの性質は、トナー母体粒子中への無機微粒子の没入を回避し、かつ、アグリゲートへの崩壊が可能であることによって、静電潜像担持体表面、これと接触しこれとの距離を規制する規制部材の接触面を、疵つけることなく、クリーニングするのに適しているものと本発明者らは考えている。二酸化チタン微粒子凝集体の場合も同様である。
したがって本明細書における「凝集体」とは、通常「アグロマレート」、又は、(「アグロマレート」+「アグリゲート」)、を意味する。
しかし、これも知られるように、一次粒子の平均粒径はBET法による比表面積によっても、また例えば凝集体のTEM像解析によっても、明確に測定することができる。そして、一次粒子の凝集し易さは、一次粒径(比表面積の大きさ)にほぼ比例するとも云われるが、シリカの場合、凝集し易さは一次粒径製法の違いや凝集態様にもよる。すなわち一般的に、一次粒径の極めて小さい粒子は鎖状に連なったものが網目状に凝集した(強固な崩壊し難い)アグリゲート、及びアグロマレート(BET比表面性は最大)を形成し、一次粒径が中庸な粒子は小さなアグリゲート及びアグロマレートを形成し、一次粒径が極めて大きな粒子は、また、大きく、かつ密実な(網目構造でない)、しかし比較的崩壊し易いアグリゲート及びアグロマレートを形成する傾向がある(外添処理工程、実機での使用経過に伴って粒径が時々刻々変化し得る)。二酸化チタン微粒子凝集体の場合も同様である。
当然のことながらこのような属性を考慮すると、本発明における「前記平均粒径の一次粒子からの凝集体」使用による効果は、よく肯首できるものと思われる。
ただし、叙上の説明は、本発明についての理解を容易ならしめるためのものであって、本発明における凝集体は、無機酸化物の種類、同じ種類の場合の成因により限定されるとの意味では、無論ない。
また、逆極性の帯電性を付与できるものとして含窒素シランカップリング剤、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジンアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール等がある。
そして、これらの有機珪素化合物を1種あるいは2種以上の混合物の形で用いることにより、耐湿性の付与だけでなく、シリカ凝集体の凝集度調節に貢献させることができ、かつ、使用時の機械的ストレス印加等により、トナー母体粒子に埋没しない程度の前述のような適度なアグロマレートを含み、アグロマレートからアグリゲートへの崩壊が少なくとも一部可能な程度の硬度に調節された外添剤シリカを得ることが可能になる。
また、トナー組成物として、ポリエステル等のプレポリマーを加え、トナーを製造する工程の中で重付加反応させてもよい。
混合に用いる装置は、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなど公知の混合装置を用いることができる。混合時間は15秒以上60分以下が好ましい。15秒未満であればトナー母体と無機微粒子が十分に混ざりきらず、得られたトナーは流動性や帯電性などの均一性が低いため、画像品位の低い印字になる。60分を超えての混合は実施してもトナーの特性に変化が無く、生産にかかるエネルギーの浪費になるため環境保全の観点から好ましいものとはいえない。なお、混合において摩擦熱が発生し、トナーのガラス転移温度や軟化点を超えるとトナーが混合装置内で溶融し凝集体や融着体を生成してしまうことがあるため、適宜チラーなどにより混合物の温度を調整することが好ましい。
(画像形成装置)
以下、本発明の実施形態に係る書込手段の位置決め手段、これを用いた電子写真装置(画像形成装置)の1例について、図面を用いて説明する。まずは電子写真装置の構成および動作を図1とともに説明する。
図1は電子写真装置の1例の中央断面概略構成図である。
この例の電子写真装置1は、機枠体のほぼ中央部にトナーカートリッジ2を配置しており、トナーカートリッジ2内部の感光体3の上に配置された感光体(静電潜像担持体)3に潜像を形成するための書込手段の1例として光書込ヘッド60を配置している。
トナーカートリッジ2の下側に転写ローラ70を設置し、その下側には記録媒体を積載・収容する給紙カセット11を配置する。給紙装置12にて給紙された記録媒体は転写ローラ70と感光体(静電潜像担持体)3との間を通り、定着器80へ導かれて記録媒体にトナー像を熱定着させる。排紙装置15により電子写真装置1の上面の排紙トレーに排紙される。
図2は、本発明のプロセスカートリッジ例における主要部品の配置について説明する断面図である。
図2のように感光体(静電潜像担持体)3の回転方向に対し、現像ローラ4、クリーニング部材5、帯電ローラ6、光書込ヘッド(書込手段)61が配置されており、スペーサ部材(潜像担持体との距離を規制する規制部材)21は感光体3と光書込ヘッド61の間に設けられ、感光体3と光書込ヘッド61の間隔を決める役目と果たしている。
図3は、光書込ヘッド(書込手段)の位置決め構成の1例について説明する図である。
この例において、光書込ヘッド(書込手段)は、図示しない発光基板及びレンズアレイ62を保持するヘッドフレーム63で構成されている。
スペーサ部材21は、感光体(静電潜像担持体)3の長手方向に2ヶ所設けられており、光書込ヘッド(書込手段)61に接触する第1面211と感光体(静電潜像担持体)3に接触する第2面212と有している。スペーサ部材21の第1面211はレンズアレイ62の長手方向外側のヘッドフレーム63に接触するよう配置されている。
また、本発明における「規制部材」は、前記特許文献1に記載されるようなものであってもよい。
本発明におけるトナーの含まれる無機微粒子の遊離シリコーンオイルの定量方法は、以下のとおりである。
1.110mlのサンプル管に、第一薬品工業製ノニオン性界面活性剤 ET-165の0.5質量%水溶液を25g調製する。
2.トナー 1gを秤量し、1.に投入して蓋をする。
3.ボールミルで毎分60〜100回転の速さでサンプル管を10分間静かに混ぜ、その後、15分間静置する。
4.サンプル管を氷水に浸した状態で、超音波ホモジナイザ(VCX-750)を用い、40Wで2分間超音波を照射する。
5.50mlの遠沈管に移し、KOKUSAN社製遠心分離機(H-38F)を使用し2000rpmで2分かけて遠心分離を行う。
6.上澄み液を3つのメンブランフィルタを用い、日本ミリポア(株)FHLP02500:孔径5μm、GSEP047S0:孔径0.22μm、VSWP02500:0.025μmの順にフィルタをかけ抽出液を得る。
7.得られた抽出液を100℃で15分乾燥し、測定用サンプルとする。
8.測定用サンプルをNMR測定し、シリコーンオイルに由来するシグナルの積分値から遊離シリコーンオイルの量を定量する。
表1に示す無機微粒子原体100質量部を反応容器に投入し、窒素雰囲気下、攪拌を行いながらヘキサメチルジシラザン 8質量部を滴下し、200℃で60min混合した後、冷却して無機微粒子を得た。
表1に示す平均一次粒子径を有する乾式の無機微粒子100質量部を反応容器に投入し、窒素雰囲気下、攪拌を行いながら表1に示す部数のジメチルポリシロキサン(信越化学工業社 KF96(-50cs))をスプレーし、300℃で60min混合した後、冷却してシリコーンオイル処理をした無機微粒子を得た。
滴下ロート、攪拌機、温度計を備えた3Lの反応器にメタノール630g、水42g、28質量%アンモニア水50gを投入し、窒素雰囲気下35℃に加温した。
次に、撹拌を行いながら、テトラメトキシシラン1180gおよび5質量%アンモニア水450gを同時に滴下を開始した。
テトラメトキシシランは6時間かけて、アンモニア水は5時間かけて滴下を行った。
滴下終了後、さらに1時間攪拌を継続した後、エバポレータにてメタノールを減圧留去し、
フラッシュジェット乾燥、およびナウターミキサーで残ったメタノールと水分を除去することで、シリカ原体(シリカ-a、一次粒子径80nm)を得た。
[ポリエステル1の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部、及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、[ポリエステル1]を合成した。
得られた[ポリエステル1]は、数平均分子量が2500、重量平均分子量が6700、ガラス転移温度が43℃、酸価が25mgKOH/gであった。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[イソシアネート変性ポリエステル1]を得た。[イソシアネート変性ポリエステル1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
カーボンブラック:40部、ポリエステル1:60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130&℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、イオン交換水498部をいれ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたものを加え、その15分後に 、スチレンモノマー200部、n−オクタンチオール4.2部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却して白色のビニル系樹脂微粒子分散液1を得た。得られた分散液を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が8300、重量平均分子量が16900、Tg 83℃であった。
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液95部、酢酸エチル98部を混合撹拌したところpH6.2となった。これに、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH9.5に調整し、[水相1]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]545部、[パラフィンワックス(融点74℃)]181部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]976部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]88部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合して[油相1]を得た。得られた[油相1]の固形分を測定したところ52.0重量%であり、固形分に対する酢酸エチルの量は92重量%であった。
得られた[油相1]に[水相1]1200部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数8,000〜15,000rpmで調整して2分間混合したのち、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、芯粒子となる油相の液滴が水相に分散された[芯粒子スラリー1]を得た。
[芯粒子スラリー1]を、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整して攪拌しながら、液温が22℃の状態で、[ビニル系樹脂微粒子分散液1]106部とイオン交換水71部を混合したもの(固形分濃度15%)を3分間かけて滴下した。滴下後、回転数を200〜450rpmの間に調整して30分間攪拌を続け、[複合粒子スラリー1]を得た。この[複合粒子スラリー1]を1ml取って10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[複合粒子スラリー1]を投入し、攪拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]を少量スライドグラス上に置き、カバーガラスを挟んで光学顕微鏡にて200倍の倍率で様子を観察したところ、均一な着色粒子が観察された。また[分散スラリー1]を1ml取って10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体1](体積平均粒径(Dv)は6.1μm、Dv/Dnは1.14)を得た。得られた[トナー母体1]を走査電子顕微鏡で観察したところ、芯粒子の表面にビニル樹脂が均一に付着していた。
[トナー母体1]に対して、表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー1]を得た。
実施例1で得られる[トナー母体1]に対して、実施例1で用いた無機微粒子に代えて、表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー2〜8]を得た。
<樹脂1の作成>
スチレン系モノマーとして、スチレン590g、アクリル系モノマーとして、アクリル酸−2−エチルヘキシル120g、アクリル酸30g、及び重合開始剤としてジクミルパーオキサイド30gを滴下ロートに入れた。ポリエステルの単量体として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1260g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン130g、イソドデセニル無水コハク酸200g、テレフタル酸380g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸270g、及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド7g、ワックスとしてW1(パラフィンワックス、酸価0.1mgKOH/g未満、融点73.3℃、示差走査型熱量計で測定される昇温時の吸熱ピークの半値幅は3.9℃)を250gを、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下に、160℃の温度で撹拌しつつ、滴下ロートよりビニル系モノマー樹脂と重合開始剤の混合液を一時間かけて滴下した。160℃に保持したまま2時間付加重合反応を熟成させた後、230℃に昇温して縮重合反応を行なわせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行ない、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂1を得た。
ポリエステル単量体として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1650g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン660g、イソドデセニル無水コハク酸190g、テレフタル酸750g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸190g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド0.3gを、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下230℃に昇温して縮重合反応を行なわせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行ない、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂3を得た。
樹脂1 74部
樹脂3 26部
着色剤(カーボンブラック) 6部
上記材料をブレンダーで充分混合したのち2軸押出し機にて混練し、冷却後粉砕、分級し体積平均粒径約6.6μmの黒色の[トナー母体9]を得た。
[トナー母体9]に対して、表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー9]を得た。
(トナー母体の製造方法)
樹脂1 74部
樹脂3 26部
着色剤(PigmentBlue 15:3) 6部
上記材料をブレンダーで充分混合したのち2軸押出し機にて混練し、冷却後粉砕、分級し体積平均粒径約6.7μmのシアン色の[トナー母体10]を得た。
(トナー母体の製造方法)
樹脂1 74部
樹脂3 26部
着色剤(PigmentRed 269) 7部
上記材料をブレンダーで充分混合したのち2軸押出し機にて混練し、冷却後粉砕、分級し体積平均粒径約6.9μmの黒色の[トナー母体11]を得た。
[トナー母体11]に対して、表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー11]を得た。
実施例1で得られる[トナー母体1]に対して、実施例1で用いた無機微粒子に代えて、表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー12]を得た。
実施例1で得られる[トナー母体1]に対して、実施例1で用いた無機微粒子に代えて、それぞれ表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー101〜トナー104]を得た。
感光体を取り外しエアブローにてトナーなどの付着物を取り除いた後、感光体を顕微鏡あるいは目視で観察した。当然、汚染物がないことが最も好ましいが、付着物が目視で観察できない程度の小さいものであれば、少なくともその時点においては印刷画像上問題になることはない。
A:全く汚染物は見当たらない
B:目視では見当たらないが、顕微鏡で感光体を観察すると、
長さが10〜100μm程度の汚染物が観察される。
C:目視では見当たらないが、顕微鏡で感光体を観察すると、
長さ画100μmを超える汚染物が観察される。
D:目視で感光体を観察しても、いくつかの汚染物が確認できる。
E:目視で感光体を観察すると、感光体の周方向に線状の汚染物が確認される、
全面ベタ画像を出力し、その画像上における欠損を目視で観察した。詳細に観察しないと白く抜けている箇所がわからなければ、品質上致命的な問題ではない。
A:全く欠損は見られない。
B:画像を詳細に観察すると、白く抜けている箇所が見られる、
C:画像を観察すると、数mmの白く抜けている箇所があることがわかる。
D:画像を確認すると、長いもので1cmを超えるような白抜け箇所があった。
E:画像上に、白く抜けているスジが見られる、
明朝体6ptで「轟」の文字を印刷したときの、文字の様子を光学顕微鏡を用いて観察、評価した。
A:細線の欠損や線間の黒潰れは見られない。
B:わずかに再選の欠損や千間の黒つぶれが見られる。
C:明らかに細線の欠損や線間の黒潰れが見られるものの、文字の識別は可能。
D:明らかに細線の欠損や線間の黒潰れが見られ、文字の識別が困難。
E:文字の痕跡が見られない程度に文字がつぶれている
2 プロセスカートリッジ
3 感光体
4 現像ローラ
5 クリーニング部材
6 帯電ローラ
11 給紙カセット
12 給紙装置
15 排紙装置
21 スペーサ部材(規制部材)
60 光書込ヘッド(書込手段)
61 光書込ヘッド(書込手段)
62 レンズアレイ
63 ヘッドフレーム
70 転写ローラ
80 定着器
211 光書込ヘッド(書込手段)61に接触する第1面
212 感光体3に接触する第2面
Claims (11)
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記露光手段として前記静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段を有しており、前記書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、前記静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材を有しており、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が1nm〜40nmの微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が70nm以上の微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記トナーが離型剤又は結晶性樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段を用いた現像工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記静電潜像担持体は長手方向に延伸する円筒形状を有しており、前記露光手段は前記静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段であり、該書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、前記静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材が用いられ、前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が1nm〜40nmの微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
- 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が70nm以上の微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成方法。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する画像形成装置に使用するトナーであって、
前記静電潜像担持体は長手方向に延伸する円筒形状を有しており、前記露光手段として前記静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段を有しており、前記書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、前記静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材を有しており、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とするトナー。 - 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が1nm〜40nmの微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする請求項8に記載のトナー。
- 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が70nm以上の微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする請求項8または9に記載のトナー。
- 静電潜像担持体と、帯電手段、静電潜像を、トナーを用いて現像する現像手段及びクリーニング手段のうち少なくとも一つを備え、前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ。
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