JP6634673B2 - 画像形成装置、画像形成方法、およびトナー - Google Patents

画像形成装置、画像形成方法、およびトナー Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置、画像形成方法、およびトナーに関する。
ローエンドプリンターには、小型化や省エネが要求されている。近年、小型化する方法の1つとして、露光装置にLEDを採用したものが開発され、上市されている。
露光装置にLEDを使用した場合、LEDと感光体の距離を一定に保つために感光体に接触するように光学ヘッドと感光体との距離を一定にする規制部材(以下、「規制部材」と表現する)が使われることがある。これにより画像の安定性が向上する。例えば特許文献1の特開平11‐249049号公報には、光走査装置と感光体の距離を保つ手段を搭載することにより、感光体上のスポット径を均一にする技術が開示されている。
しかし、規制部材を用いた画像形成装置においては、静電潜像担持体の典型例としての感光体が常に規制部材と接触しており、その接触部分(以下、規制部材接触部)において以下の問題があった。
1)摩擦帯電により電荷が蓄積し、特に粒径の小さい粒子(小粒径シリカなど)が静電付着していく。この付着物が増加していき、やがて長手方向に拡散し、画像が実際に形成される領域にまで広がる。画像が形成される領域に付着汚染物が形成されると、露光手段による画像形成のための露光ができなくなり、印字画像に欠損が生じる。さらに、汚染付着物がクリーニングブレードなどのクリーニング手段によって除去できない場合は、汚染付着物が残るばかりか、この汚染付着物が基点となってトナー母体や無機微粒子が堆積していき、印字画像欠損領域の拡大、さらには汚染付着物の肥大化によりクリーニングブレードの破壊に至り、印字画像に着色スジが発生し著しく画像品位が損なわれる。

規制部材接触部における感光体汚染について説明すると、画像形成中において、規制部材と感光体の間には、若干の隙間ができる。そこにトナーが入り込み、感光体上にシリカを主成分とし、離型剤や結着剤樹脂を含む付着物が形成され、クリーニング工程で感光体汚染が生じてしまう。これは離型剤や結晶性ポリエステルを含有したトナーの場合に発生する頻度が高い。
2)また、光学式ヘッドと静電潜像担持体の間の距離を一定に保つための規制部材においては、接触する部材が摩擦により徐々に磨耗していくことで、光学式ヘッドと静電潜像担持体の間の距離が徐々に小さくなり、光学式ヘッドからの露光の焦点がずれていき、画像全般の先鋭性が失われていく。特に無機微粒子の粒子径が大きいほど磨耗に与える影響が大きい。
そこで例えば、特許文献2の特開2012‐208495号公報、特許文献3の特開2007−271766号公報には、感光体の汚染防止を1つの目的として、2種類の帯電極性の異なる外添剤を添加して外添剤の遊離を静電的に制御する技術が開示されている。しかし外添剤凝集体を生成するほどのシリコーンオイル含有シリカを使わず、単に静電的な方策のみを採用した外添剤を用いたトナーでは、本発明において期待するような効果については、これを発揮させることは難しかった。
本発明は、上記従来技術に鑑みて、静電潜像担持体と接触摩擦する部材の間に発生する付着汚染物による印字画像品位悪化、および、接触摩擦する部材の磨耗を抑制し、たとえば接触摩擦する部材が光学式ヘッドと静電潜像担持体の表面との間の距離を一定に規制する規制部材である場合には、光学式ヘッドと静電潜像担持体の間の距離変動による印字画像品位の低下を解決することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、前記本発明の目的は、つぎの(1)に記載の「画像形成装置」によって解決される。
(1)「 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記露光手段として前記静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段を有しており、前記書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、前記静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材を有しており、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成装置。」
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、静電潜像担持体と接触摩擦する部材の間に発生する付着汚染物による、印字画像品位悪化を抑制することができる。
さらに、接触摩擦する部材の磨耗を抑制し、たとえば接触摩擦する部材が光学式ヘッドと静電潜像担持体の表面との間の距離を一定に規制する規制部材である場合には、光学式ヘッドと静電潜像担持体の間の距離を一定に保つことができ、長期にわたり安定した静電潜像を形成し続け、印字画像品位の低下を抑制することができる。
本発明の画像形成装置の1例の中央断面概略構成図である。 本発明の1プロセスカートリッジ例における主要部品の配置について説明する断面図である。 本発明の1静電潜像形成用書込手段の1例としての光書込ヘッド例の位置決め構成について説明する図である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、上記(1)に記載の構成を有する「画像形成装置」に係るものであるが、この「画像形成装置」は、以降の詳細な説明から理解されるように、つぎの(2)〜(11)に記載される態様の「画像形成装置」、「画像形成方法」及び「プロセスカートリッジ」をも包含するので、これらについても併せて詳細に説明する。
(2)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が1nm〜40nmの微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。」

(3)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が70nm以上の微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の画像形成装置。」
(4)「 前記トナーが離型剤又は結晶性樹脂を含むことを特徴とする前記(1)〜乃至(3)のいずれかに記載の画像形成装置。」
(5)「 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段を用いた現像工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記静電潜像担持体は長手方向に延伸する円筒形状を有しており、前記露光手段は前記静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段であり、該書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、前記静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材が用いられ、前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成方法。」
(6)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が1nm〜40nmの微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(5)に記載の画像形成方法。」
(7)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が70nm以上の微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(5)または(6)に記載の画像形成方法。」
(8)「 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する画像形成装置に使用するトナーであって、
前記静電潜像担持体は長手方向に延伸する円筒形状を有しており、前記露光手段として前記静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段を有しており、前記書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、前記静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材を有しており、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とするトナー。」
(9)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が1nm〜40nmの微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(8)に記載のトナー。」
(10)「 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が70nm以上の微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする前記(8)または(9)に記載のトナー。」
(11)「 静電潜像担持体と、帯電手段、静電潜像を、トナーを用いて現像する現像手段及びクリーニング手段のうち少なくとも一つを備え、前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ。」
上述のように本発明においては、トナーに含まれる無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、さらにその量が0.3〜1.5%にある現像手段を有する画像形成装置により、無機微粒子が静電付着した場合にもシリコーンオイルによるすべりにより摩擦により容易に掻き取られ、付着物の増加を抑えることができる。さらに、シリコーンオイルによるすべり効果で部材の磨耗をも抑制することができる。
遊離シリコーンオイルの量が1.5%を超える場合には、トナーの流動性の確保が困難になり画像形成装置内でのトナーが装置内で固まってしまったり、現像スリーブや現像ローラに均一に行き渡らないなど、ハンドリングが難しくなる。一方、遊離シリコーンオイルの量が0.3%を下回る場合には、本発明の効果であるところの付着物増加抑制や部材の磨耗抑制が発揮されない。
[無機微粒子]
本発明に使用する無機微粒子としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ微粒子あるいはその凝集体と二酸化チタン微粒子あるいはその凝集体が特に好ましい。
一次粒子の平均粒径は1nm〜120nmが好ましく、5nm〜90nmの無機微粒子がより好ましい。また、一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ70nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。なお、無機微粒子としては一次粒子として存在するものであってもよいし、後に詳細に説明するような微粒子凝集体であっても構わない。
また、BET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。
このような微粒子凝集体は、例えばシリカ凝集体の場合、数百nm〜数十μm径の二次凝集体(アグロマレート;agglomerates)であり得る。すなわち、知られるように、粒子径が数十nm(比表面積から計算される)までの一次粒子が3〜数μm(数千nm)程度にまで凝集してなる一次凝集体(アグリゲート;aggregates)が、さらに凝集して形成された物理凝集体がアグロマレートであり、本明細書でいう凝集体は、主にこれを意味する(アグリゲートは現実的には最小構成単位である)。そしてこのような2種類のシリカ凝集体を分散処理した場合、一次粒子まで分散することは通常はなく、一次凝集体(アグリゲート)レベルまでの分散にとどまると云われている。知られているように、凝集は、必ず内部潜熱の放出(エンタルピーの減少)を伴う発熱反応であり、二次凝集体(アグロマレート)の場合も例外ではない。しかし、二次凝集体への凝集は物理凝集であることもあって、放出−吸収熱量幅が格段に小さい。本発明におけるこのようなアグロマレートの性質は、トナー母体粒子中への無機微粒子の没入を回避し、かつ、アグリゲートへの崩壊が可能であることによって、静電潜像担持体表面、これと接触しこれとの距離を規制する規制部材の接触面を、疵つけることなく、クリーニングするのに適しているものと本発明者らは考えている。二酸化チタン微粒子凝集体の場合も同様である。
したがって本明細書における「凝集体」とは、通常「アグロマレート」、又は、(「アグロマレート」+「アグリゲート」)、を意味する。
しかし、これも知られるように、一次粒子の平均粒径はBET法による比表面積によっても、また例えば凝集体のTEM像解析によっても、明確に測定することができる。そして、一次粒子の凝集し易さは、一次粒径(比表面積の大きさ)にほぼ比例するとも云われるが、シリカの場合、凝集し易さは一次粒径製法の違いや凝集態様にもよる。すなわち一般的に、一次粒径の極めて小さい粒子は鎖状に連なったものが網目状に凝集した(強固な崩壊し難い)アグリゲート、及びアグロマレート(BET比表面性は最大)を形成し、一次粒径が中庸な粒子は小さなアグリゲート及びアグロマレートを形成し、一次粒径が極めて大きな粒子は、また、大きく、かつ密実な(網目構造でない)、しかし比較的崩壊し易いアグリゲート及びアグロマレートを形成する傾向がある(外添処理工程、実機での使用経過に伴って粒径が時々刻々変化し得る)。二酸化チタン微粒子凝集体の場合も同様である。
当然のことながらこのような属性を考慮すると、本発明における「前記平均粒径の一次粒子からの凝集体」使用による効果は、よく肯首できるものと思われる。
ただし、叙上の説明は、本発明についての理解を容易ならしめるためのものであって、本発明における凝集体は、無機酸化物の種類、同じ種類の場合の成因により限定されるとの意味では、無論ない。
このような凝集体を形成させる手段としては、粘性を持った表面処理剤を多く処理した無機微粒子を使用する方法や、無機微粒子同士の静電的な凝集力を上げる方法を用いることが好ましい。前者としては、本件発明におけるように、先ず適正量のシリコーンオイルで処理された無機微粒子を添加することが挙げられる。後者としては、例えば帯電性(帯電の程度)の調節や、正帯電性と負帯電性の無機微粒子の両方を使用する方法が挙げられる。正帯電性と負帯電性の無機微粒子の併用は、帯電的に凝集しやすく、無機微粒子凝集体の形成に寄与する。
そのため例えば、シランカップリング剤のような有機珪素化合物により表面処理された無機微粒子(例えば、アグリゲートシリカ)を用いることができる。このような有機珪素化合物としては負極性の帯電極性を付与できるヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メトルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。
また、逆極性の帯電性を付与できるものとして含窒素シランカップリング剤、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジンアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール等がある。
そして、これらの有機珪素化合物を1種あるいは2種以上の混合物の形で用いることにより、耐湿性の付与だけでなく、シリカ凝集体の凝集度調節に貢献させることができ、かつ、使用時の機械的ストレス印加等により、トナー母体粒子に埋没しない程度の前述のような適度なアグロマレートを含み、アグロマレートからアグリゲートへの崩壊が少なくとも一部可能な程度の硬度に調節された外添剤シリカを得ることが可能になる。
トナーの凝集度は従来から知られているように、主に小径無機微粒子の量によって調整できる。更に、無機微粒子凝集体の量はアグレゲート無機微粒子とトナーの混合時間や攪拌羽根の周速によっても調整することができる。
本発明の遊離シリコーンオイルを含む無機微粒子は、無機微粒子に対してシリコーンオイル処理を実施することにより得ることができる。(シリコーンオイル処理無機微粒子)
前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。
また、シリコーンオイル処理のほかに、上述したようにシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤などにより表面処理を同時あるいは逐次的に行い、無機微粒子の流動性や疎水性、帯電性、帯電極性、電気特性を調整しても良い。
本発明に使用する無機微粒子あるいはそれからの凝集体(以下、単に「無機微粒子」と略称することがある)は、2種類以上使用することが好ましいが、すべての種類の無機微粒子凝集体がシリコーンオイル処理された無機微粒子あるいはその凝集体であっても良いし、一部のみシとおリコーンオイル処理された無機微粒子であっても構わない。
遊離シリコーンオイルを含む無機微粒子(あるいはその凝集体)のうち1種は、その一次粒子の平均粒径が1nm〜40nmであることが好ましい。一次粒子の平均粒径が1nm〜40nmのように小さい無機微粒子あるいはその凝集体は、トナーの流動性や帯電性を確保するために広く使用されているが、一次粒子の平均粒径が小さい無機微粒子あるいはその凝集体は単位体積あたりの接触点が多いために、感光体などへの付着性が高い。特にクリーニングブレードや転写部材など、感光体に加圧接触している部材により小さい無機微粒子あるいはその凝集体は押し付けられ付着性が増し、感光体汚染の引き金になることがある。このように感光体などへ付着しやすい無機微粒子あるいはその凝集体に遊離シリコーンオイルを直接含ませておくことにより、感光体などへの付着性を低減させることができ、感光体への付着汚染をより効果的に抑制することができる。
また、遊離シリコーンオイルを含む無機微粒子あるいはその凝集体のうち1種は、その一次粒子の平均粒径が70nm以上であることが好ましい。一次粒子の平均粒径が70nm以上のような大きい無機微粒子あるいはその凝集体からなり大きな粒子にかつ比較的弛く凝集したものは、トナー粒子同士の間やトナーと画像形成装置内の各部材の間に介在し、トナー粒子表面が直接相手と接触することを避けるため、トナー粒子表面の変化を抑え、画像形成装置内における攪拌や規制、摺擦といった機械的ストレスからトナーの劣化を遅らせる機能を果たす一方、トナー表面に存在する、あるいはトナー表面から遊離した大きい無機微粒子あるいはその凝集体は感光体や中間転写体などのクリーニング部に留まり、感光体や中間転写体の表面に付着あるいは固着した物質を掻き取るクリーニング機能の一翼を担うことがある。しかし、光学式ヘッドと感光体との間の距離を一定に保つための規制部にこのような大きい無機微粒子あるいはその凝集体が進入すると、従動しない規制部材は大きい無機微粒子あるいはその凝集体により研磨され徐々に小さくなってしまう。その結果、感光体と光学式ヘッドの間の距離が縮まってしまい、光学式ヘッドからの書き込み光の焦点深度が感光体表面からずれていくために画像の先鋭性が損なわれてしまう。このように、規制部材を研磨しうる無機微粒子あるいはその凝集体にあらかじめ遊離シリコーンオイルを直接含浸させておくことで、感光体と規制部材の間に侵入したとしてもシリコーンオイルによりすべりにより規制部材への研磨効果を抑制することができる。
本発明のトナー母体は、結着樹脂、着色剤、離型剤等を含有することが好ましい。
結着樹脂は、トナー用樹脂として一般に用いられているものであれば特に限定されず、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、エポキシ樹脂、ビニル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。中でも、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂及びこれらのブロック共重合体、グラフト共重合体が好ましい。
着色剤としては、公知の染料及び顔料を用いることができ、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、p−クロロ−o−ニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びこれらの混合物が挙げられる。トナー中の着色剤の含有量は、通常、1〜15重量%であり、3〜10重量%が好ましい。
離型剤としては、公知のものを用いることができ、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、フィッシャートロプシュワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸アミド、高級アルコールの高級脂肪酸エステル、エチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル、グリセリンの高級脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトールの高級脂肪酸テトラエステル、ジペンタエリスリトールの高級脂肪酸ヘキサエステル等の合成ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ライスワックス、カルナバワックス、ラノリンワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス等が挙げられる。
本発明のトナーの製造方法は、特に限定されないが、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化凝集法等の公知の湿式造粒法、粉砕法が挙げられる。特に、湿式造粒法を用いて製造されるトナーは、荷電制御剤の水性溶媒への移行やトナー表面への偏在が抑制されるため、帯電性を制御することが可能となる。
溶解懸濁法を用いてトナーを製造する方法としては、少なくとも、結着樹脂、着色剤及びビスフェノール化合物からなるトナー組成物を、有機溶媒に溶解又は分散させることにより得られる溶解液又は分散液を、無機分散剤又は樹脂微粒子の存在する水性溶媒中で、通常の撹拌機、ホモミキサー、ホモジナイザー等を用いて、所望の粒度分布を有するトナーが得られるように分散させた後、有機溶媒を除去することによりトナースラリーを得る方法が挙げられる。トナーは、公知の方法に従い、洗浄・濾過により回収し、乾燥することにより単離することができる。
有機溶媒は、容易に除去することが可能となるため、沸点が100℃未満であるものを用いることが好ましい。このような有機溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、単独又は2種以上を組合せて用いることができる。
水性溶媒は、水単独でもよいが、水と混和可能な溶媒を併用することもできる。混和可能な溶媒としては、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類等が挙げられる。トナー材料100重量部に対する水性溶媒の使用量は、通常、50〜2000重量部であり、100〜1000重量部が好ましい。水性溶媒の使用量が50重量部未満では、トナー材料の分散状態が悪くなる。また、2000重量部を超えると経済的でない。
無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等を用いることができる。
樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成することができる樹脂であれば特に限定されないが、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれでもよく、二種以上を併用してもよい。中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいことから、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの併用が好ましい。特に結晶性ポリエステル樹脂を併用するとトナーの低温定着性向上が期待でき好ましい。
また、トナー組成物として、ポリエステル等のプレポリマーを加え、トナーを製造する工程の中で重付加反応させてもよい。
乳化凝集法を用いてトナーを製造する方法としては、少なくとも、ビスフェノール化合物をモノマーに溶解又は分散させたものを、乳化剤を用いて水性溶媒中で乳化させ、重合開始剤を用いて重合することにより得られるビスフェノール化合物を含有する樹脂分散体を、着色剤の分散体、ワックスの分散体等と凝集、融着させることによりトナースラリーを得る方法、ビスフェノール化合物の分散液を調製し、樹脂の分散体、着色剤の分散体、ワックスの分散体等と凝集、融着させることにより、トナースラリーを得る方法が挙げられる。トナーは、公知の方法に従い、洗浄・濾過により回収し、乾燥することにより単離することができる。
モノマーとしては、ビニル系モノマーを用いることができ、スチレン、p−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸、p−クロロスチレン、p−カルボキシスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン及びその誘導体、ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート等の(メタ)アクリル酸及びそのエステル、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、イタコン酸及びそのエステル、各種ビニルエステル等が挙げられる。
乳化剤としては、公知のものを用いることができ、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシプロピルアルキルエーテル、ゾルビタン脂肪酸エステル等のノニオン性乳化剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド等のカチオン性乳化剤、アルキルベタイン等の両性乳化剤等が挙げられる。中でも、アニオン性乳化剤が乳化安定性に優れるため好ましい。また、親水基及び重合可能な官能基の両方を有する反応性乳化剤を用いることにより、重合された分散体の分散状態を安定にすることもできる。
重合開始剤としては、公知のものを用いることができ、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)及びその塩、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等の水溶性の重合開始剤、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(イソブチロニトリル)等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、過酸化ラウロイル等の油溶性の重合開始剤等が挙げられる。
懸濁重合法を用いてトナーを製造する方法としては、モノマー中に着色剤、ビスフェノール化合物、重合開始剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等を用いて均一に溶解又は分散させた溶解液又は分散液を、通常の撹拌機、ホモミキサー、ホモジナイザー等を用いて、分散安定剤を含有する水性溶媒中で分散させ、重合する方法が挙げられる。モノマーの液滴が所望のトナーの粒子径を有するように撹拌速度及び時間を調整し、造粒することが好ましい。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、粒子が沈降しないように撹拌すればよい。重合温度は、通常、40℃以上であり、50〜90℃が好ましい。また、重合反応の後半に昇温してもよい。さらに、トナーを定着させる際の臭気の原因等となる未反応のモノマー、副生成物等を除去するために、重合反応の後半又は終了後に、水性溶媒を留去してもよい。重合反応の終了後に、生成したトナーは、洗浄・濾過により回収し、乾燥する。
分散安定剤としては、無機化合物として、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。有機化合物としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等が挙げられる。これらは、水性溶媒に分散させて用いることができる。なお、分散安定剤は、モノマーに対して、0.2〜20重量%を添加することが好ましい。分散安定剤として、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、細かい粒子を得るために、分散媒体中で無機化合物の微粒子を生成してもよい。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合するとよい。
粉砕法を用いてトナーを製造する方法としては、従来公知の手段に従い、少なくとも、結着樹脂、ビスフェノール化合物及び着色剤からなるトナー組成物を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程を有するトナーの製造方法が挙げられる。なお、機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕又は分級する工程で得られる製品となるトナー以外のものを再利用してもよい。
機械的に混合する工程は、攪拌羽根を有する混合機等を用いて通常の条件で行えばよく、特に制限されない。この工程が終了したら、混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機やロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。具体的には、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型押出機(東芝機械社製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、PCM型2軸押出機(池貝鉄工所社製)、コニーダー(ブス社製)等が挙げられる。溶融混練は、結着樹脂の分子鎖を切断しないような条件で行う必要がある。溶融混練温度が結着樹脂の軟化点より低過ぎると、分子鎖の切断が起こり、高過ぎると、ビスフェノール化合物、着色剤等の分散が進まないため、溶融混練温度は、樹脂の軟化点に応じて適宜設定されることが好ましい。
溶融混練する工程が終了したら、混練物を粉砕する。粉砕する工程においては、粗粉砕した後に、微粉砕することが好ましい。このような粉砕方法としては、ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕する方法、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕する方法、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方法が挙げられる。この工程が終了した後に、遠心力等を用いて粉砕物を気流中で分級することにより、所定の粒子径を有するトナーを得ることができる。
得られたトナー母体に対して、前記の無機微粒子を混合することにより、本発明で使用されるトナーを得ることができる。
混合に用いる装置は、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなど公知の混合装置を用いることができる。混合時間は15秒以上60分以下が好ましい。15秒未満であればトナー母体と無機微粒子が十分に混ざりきらず、得られたトナーは流動性や帯電性などの均一性が低いため、画像品位の低い印字になる。60分を超えての混合は実施してもトナーの特性に変化が無く、生産にかかるエネルギーの浪費になるため環境保全の観点から好ましいものとはいえない。なお、混合において摩擦熱が発生し、トナーのガラス転移温度や軟化点を超えるとトナーが混合装置内で溶融し凝集体や融着体を生成してしまうことがあるため、適宜チラーなどにより混合物の温度を調整することが好ましい。
トナー母体100質量部に対して、無機微粒子の添加量は0.5質量部から10.0質量部の範囲が好ましい。0.5質量部未満であると、トナーの流動性や帯電性の確保が困難であり、さらに本発明においては遊離シリコーンオイルの量が十分得られないため本発明の効果が発揮できない。一方10.0質量部を超える場合、無機微粒子がトナー表面を完全に覆ってしまうため定着性が著しく低下するか、完全に覆わない場合はトナー表面から離れて存在する無機微粒子が増えるために、この独立して存在する無機微粒子が画像形成装置内の至る所に付着汚染するため、汚染された箇所の機能が十分に発現できなくなるため好ましくない。たとえば帯電ローラのような帯電部材が無機微粒子に汚染されると、帯電部材表面の電気抵抗が変動してしまい、電気抵抗上昇する場合には十分に静電潜像担持体表面を帯電させることができなくなる。
なお、本発明の画像形成装置において、静電潜像担持体と、帯電装置、現像装置及びクリーニング装置のうち少なくとも一つを備え、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジの形態を取ることにより、画像形成装置全体の寿命をプロセスカートリッジの交換により延ばすことができるため好ましい。
[プロセスカートリッジ、画像形成装置]
(画像形成装置)
以下、本発明の実施形態に係る書込手段の位置決め手段、これを用いた電子写真装置(画像形成装置)の1例について、図面を用いて説明する。まずは電子写真装置の構成および動作を図1とともに説明する。
図1は電子写真装置の1例の中央断面概略構成図である。
この例の電子写真装置1は、機枠体のほぼ中央部にトナーカートリッジ2を配置しており、トナーカートリッジ2内部の感光体3の上に配置された感光体(静電潜像担持体)3に潜像を形成するための書込手段の1例として光書込ヘッド60を配置している。
トナーカートリッジ2の下側に転写ローラ70を設置し、その下側には記録媒体を積載・収容する給紙カセット11を配置する。給紙装置12にて給紙された記録媒体は転写ローラ70と感光体(静電潜像担持体)3との間を通り、定着器80へ導かれて記録媒体にトナー像を熱定着させる。排紙装置15により電子写真装置1の上面の排紙トレーに排紙される。
(プロセスカートリッジ)
図2は、本発明のプロセスカートリッジ例における主要部品の配置について説明する断面図である。
図2のように感光体(静電潜像担持体)3の回転方向に対し、現像ローラ4、クリーニング部材5、帯電ローラ6、光書込ヘッド(書込手段)61が配置されており、スペーサ部材(潜像担持体との距離を規制する規制部材)21は感光体3と光書込ヘッド61の間に設けられ、感光体3と光書込ヘッド61の間隔を決める役目と果たしている。
(潜像担持体、プロセスカートリッジ、潜像担持体との距離を規制する規制部材)
図3は、光書込ヘッド(書込手段)の位置決め構成の1例について説明する図である。
この例において、光書込ヘッド(書込手段)は、図示しない発光基板及びレンズアレイ62を保持するヘッドフレーム63で構成されている。
スペーサ部材21は、感光体(静電潜像担持体)3の長手方向に2ヶ所設けられており、光書込ヘッド(書込手段)61に接触する第1面211と感光体(静電潜像担持体)3に接触する第2面212と有している。スペーサ部材21の第1面211はレンズアレイ62の長手方向外側のヘッドフレーム63に接触するよう配置されている。
また、本発明における「規制部材」は、前記特許文献1に記載されるようなものであってもよい。
(遊離シリコーンオイル量の測定方法)
本発明におけるトナーの含まれる無機微粒子の遊離シリコーンオイルの定量方法は、以下のとおりである。
1.110mlのサンプル管に、第一薬品工業製ノニオン性界面活性剤 ET-165の0.5質量%水溶液を25g調製する。
2.トナー 1gを秤量し、1.に投入して蓋をする。
3.ボールミルで毎分60〜100回転の速さでサンプル管を10分間静かに混ぜ、その後、15分間静置する。
4.サンプル管を氷水に浸した状態で、超音波ホモジナイザ(VCX-750)を用い、40Wで2分間超音波を照射する。
5.50mlの遠沈管に移し、KOKUSAN社製遠心分離機(H-38F)を使用し2000rpmで2分かけて遠心分離を行う。
6.上澄み液を3つのメンブランフィルタを用い、日本ミリポア(株)FHLP02500:孔径5μm、GSEP047S0:孔径0.22μm、VSWP02500:0.025μmの順にフィルタをかけ抽出液を得る。
7.得られた抽出液を100℃で15分乾燥し、測定用サンプルとする。
8.測定用サンプルをNMR測定し、シリコーンオイルに由来するシグナルの積分値から遊離シリコーンオイルの量を定量する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
[無機微粒子 I-1, I-8, I-9の製造方法]
表1に示す無機微粒子原体100質量部を反応容器に投入し、窒素雰囲気下、攪拌を行いながらヘキサメチルジシラザン 8質量部を滴下し、200℃で60min混合した後、冷却して無機微粒子を得た。
[無機微粒子 I−2〜I−7, I−10〜I−15の製造方法]
表1に示す平均一次粒子径を有する乾式の無機微粒子100質量部を反応容器に投入し、窒素雰囲気下、攪拌を行いながら表1に示す部数のジメチルポリシロキサン(信越化学工業社 KF96(-50cs))をスプレーし、300℃で60min混合した後、冷却してシリコーンオイル処理をした無機微粒子を得た。
Figure 0006634673
Figure 0006634673
[シリカ-aの製造方法]
滴下ロート、攪拌機、温度計を備えた3Lの反応器にメタノール630g、水42g、28質量%アンモニア水50gを投入し、窒素雰囲気下35℃に加温した。
次に、撹拌を行いながら、テトラメトキシシラン1180gおよび5質量%アンモニア水450gを同時に滴下を開始した。
テトラメトキシシランは6時間かけて、アンモニア水は5時間かけて滴下を行った。
滴下終了後、さらに1時間攪拌を継続した後、エバポレータにてメタノールを減圧留去し、
フラッシュジェット乾燥、およびナウターミキサーで残ったメタノールと水分を除去することで、シリカ原体(シリカ-a、一次粒子径80nm)を得た。
[実施例1]
[ポリエステル1の合成]
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部、及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、[ポリエステル1]を合成した。
得られた[ポリエステル1]は、数平均分子量が2500、重量平均分子量が6700、ガラス転移温度が43℃、酸価が25mgKOH/gであった。
[イソシアネート変性ポリエステルの合成]
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[イソシアネート変性ポリエステル1]を得た。[イソシアネート変性ポリエステル1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
[マスターバッチ1の製造]
カーボンブラック:40部、ポリエステル1:60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130&℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
[ビニル系樹脂微粒子分散液1の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム0.7部、イオン交換水498部をいれ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム2.6部をイオン交換水104部に溶解させたものを加え、その15分後に 、スチレンモノマー200部、n−オクタンチオール4.2部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却して白色のビニル系樹脂微粒子分散液1を得た。得られた分散液を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が8300、重量平均分子量が16900、Tg 83℃であった。
<水相作成工程>
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液95部、酢酸エチル98部を混合撹拌したところpH6.2となった。これに、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH9.5に調整し、[水相1]を得た。
<油相作製工程>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]545部、[パラフィンワックス(融点74℃)]181部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]976部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]88部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合して[油相1]を得た。得られた[油相1]の固形分を測定したところ52.0重量%であり、固形分に対する酢酸エチルの量は92重量%であった。
<芯粒子作成工程>
得られた[油相1]に[水相1]1200部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数8,000〜15,000rpmで調整して2分間混合したのち、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、芯粒子となる油相の液滴が水相に分散された[芯粒子スラリー1]を得た。
<樹脂微粒子付着工程>
[芯粒子スラリー1]を、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整して攪拌しながら、液温が22℃の状態で、[ビニル系樹脂微粒子分散液1]106部とイオン交換水71部を混合したもの(固形分濃度15%)を3分間かけて滴下した。滴下後、回転数を200〜450rpmの間に調整して30分間攪拌を続け、[複合粒子スラリー1]を得た。この[複合粒子スラリー1]を1ml取って10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
<脱溶工程>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[複合粒子スラリー1]を投入し、攪拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]を少量スライドグラス上に置き、カバーガラスを挟んで光学顕微鏡にて200倍の倍率で様子を観察したところ、均一な着色粒子が観察された。また[分散スラリー1]を1ml取って10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
<洗浄・乾燥工程>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体1](体積平均粒径(Dv)は6.1μm、Dv/Dnは1.14)を得た。得られた[トナー母体1]を走査電子顕微鏡で観察したところ、芯粒子の表面にビニル樹脂が均一に付着していた。
[トナー母体1]に対して、表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー1]を得た。
[実施例2〜8]
実施例1で得られる[トナー母体1]に対して、実施例1で用いた無機微粒子に代えて、表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー2〜8]を得た。
[実施例9]
<樹脂1の作成>
スチレン系モノマーとして、スチレン590g、アクリル系モノマーとして、アクリル酸−2−エチルヘキシル120g、アクリル酸30g、及び重合開始剤としてジクミルパーオキサイド30gを滴下ロートに入れた。ポリエステルの単量体として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1260g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン130g、イソドデセニル無水コハク酸200g、テレフタル酸380g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸270g、及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド7g、ワックスとしてW1(パラフィンワックス、酸価0.1mgKOH/g未満、融点73.3℃、示差走査型熱量計で測定される昇温時の吸熱ピークの半値幅は3.9℃)を250gを、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下に、160℃の温度で撹拌しつつ、滴下ロートよりビニル系モノマー樹脂と重合開始剤の混合液を一時間かけて滴下した。160℃に保持したまま2時間付加重合反応を熟成させた後、230℃に昇温して縮重合反応を行なわせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行ない、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂1を得た。
<樹脂3の作成>
ポリエステル単量体として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1650g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン660g、イソドデセニル無水コハク酸190g、テレフタル酸750g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸190g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド0.3gを、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下230℃に昇温して縮重合反応を行なわせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行ない、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂3を得た。
(トナー母体の製造方法)
樹脂1 74部
樹脂3 26部
着色剤(カーボンブラック) 6部
上記材料をブレンダーで充分混合したのち2軸押出し機にて混練し、冷却後粉砕、分級し体積平均粒径約6.6μmの黒色の[トナー母体9]を得た。
[トナー母体9]に対して、表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー9]を得た。
[実施例10]
(トナー母体の製造方法)
樹脂1 74部
樹脂3 26部
着色剤(PigmentBlue 15:3) 6部
上記材料をブレンダーで充分混合したのち2軸押出し機にて混練し、冷却後粉砕、分級し体積平均粒径約6.7μmのシアン色の[トナー母体10]を得た。
[トナー母体10]に対して、表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー10]を得た。
[実施例11]
(トナー母体の製造方法)
樹脂1 74部
樹脂3 26部
着色剤(PigmentRed 269) 7部
上記材料をブレンダーで充分混合したのち2軸押出し機にて混練し、冷却後粉砕、分級し体積平均粒径約6.9μmの黒色の[トナー母体11]を得た。
[トナー母体11]に対して、表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー11]を得た。
[実施例12]
実施例1で得られる[トナー母体1]に対して、実施例1で用いた無機微粒子に代えて、表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー12]を得た。
[比較例1〜比較例4]
実施例1で得られる[トナー母体1]に対して、実施例1で用いた無機微粒子に代えて、それぞれ表2に示す無機微粒子をヘンシェルミキサーで8分間混合し、[トナー101〜トナー104]を得た。
Figure 0006634673
Figure 0006634673
得られたトナーを図1の画像形成装置を使用し、20〜24℃、相対湿度40〜60%の環境下、印字率5%でA4用紙10,000枚印字を印字した後、以下の評価を実施した。
[感光体汚染]
感光体を取り外しエアブローにてトナーなどの付着物を取り除いた後、感光体を顕微鏡あるいは目視で観察した。当然、汚染物がないことが最も好ましいが、付着物が目視で観察できない程度の小さいものであれば、少なくともその時点においては印刷画像上問題になることはない。
A:全く汚染物は見当たらない
B:目視では見当たらないが、顕微鏡で感光体を観察すると、
長さが10〜100μm程度の汚染物が観察される。
C:目視では見当たらないが、顕微鏡で感光体を観察すると、
長さ画100μmを超える汚染物が観察される。
D:目視で感光体を観察しても、いくつかの汚染物が確認できる。
E:目視で感光体を観察すると、感光体の周方向に線状の汚染物が確認される、
[画像欠損]
全面ベタ画像を出力し、その画像上における欠損を目視で観察した。詳細に観察しないと白く抜けている箇所がわからなければ、品質上致命的な問題ではない。
A:全く欠損は見られない。
B:画像を詳細に観察すると、白く抜けている箇所が見られる、
C:画像を観察すると、数mmの白く抜けている箇所があることがわかる。
D:画像を確認すると、長いもので1cmを超えるような白抜け箇所があった。
E:画像上に、白く抜けているスジが見られる、
[画像尖鋭性]
明朝体6ptで「轟」の文字を印刷したときの、文字の様子を光学顕微鏡を用いて観察、評価した。
A:細線の欠損や線間の黒潰れは見られない。
B:わずかに再選の欠損や千間の黒つぶれが見られる。
C:明らかに細線の欠損や線間の黒潰れが見られるものの、文字の識別は可能。
D:明らかに細線の欠損や線間の黒潰れが見られ、文字の識別が困難。
E:文字の痕跡が見られない程度に文字がつぶれている
1 電子写真装置
2 プロセスカートリッジ
3 感光体
4 現像ローラ
5 クリーニング部材
6 帯電ローラ
11 給紙カセット
12 給紙装置
15 排紙装置
21 スペーサ部材(規制部材)
60 光書込ヘッド(書込手段)
61 光書込ヘッド(書込手段)
62 レンズアレイ
63 ヘッドフレーム
70 転写ローラ
80 定着器
211 光書込ヘッド(書込手段)61に接触する第1面
212 感光体3に接触する第2面
特開平11−249049号公報 特開2012‐208495号公報 特開2007−271766号公報

Claims (7)

  1. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記露光手段として前記静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段を有しており、前記書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、前記静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材を有しており、
    前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が1nm〜40nmの微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が70nm以上の微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記トナーが離型剤又は結晶性樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段を用いた現像工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
    前記静電潜像担持体は長手方向に延伸する円筒形状を有しており、前記露光手段は前記静電潜像担持体の長手方向に延伸する書込手段であり、該書込手段と前記静電潜像担持体の表面との間の距離を規制し、前記静電潜像担持体の回転に対して従動しない少なくとも1つの規制部材が用いられ、前記トナーは、少なくとも結着樹脂を主成分とするトナー母体と、無機微粒子からなるものであり、前記無機微粒子が遊離シリコーンオイルを含み、前記トナーに対して前記遊離シリコーンオイルの量が、0.3〜1.5%であることを特徴とする画像形成方法。
  6. 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が1nm〜40nmの微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 前記無機微粒子が、少なくとも一次粒子径が70nm以上の微粒子あるいはその凝集体を含むものであることを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成方法。
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