JP2019196666A - 高層建物 - Google Patents
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Abstract
Description
高層建物においては、高層階用のエレベータと低層階用のエレベータとが設けられることがある。低層階のエレベータバンクが高層建物の上部まで達していない場合、その低層階のエレベータバンクの鉛直方向の上側の領域には、連続する層を貫通する吹き抜けが設けられたり、層ごとに居室や廊下などが設けられたりしている。
しかしながら、低層階のエレベータバンクの鉛直方向の上側の領域に設けられた居室は、高層建物の内側に配置されるため、平面視における外周部の領域となる外周領域に配置され窓が設けられた居室と比べると眺望が良くなく、採光を十分に得られないなど、その価値が低くなることがある。
これにより、高層建物が例えば賃貸ビルの場合では、低層階のエレベータバンクの上部の居室は、価値が低くなる分、その賃料を下げなければならないこともあり、賃貸事業の事業性が低下する虞がある。
下部側シャフトよりも上側の層における下部側シャフトの鉛直方向の上側の領域に設けられた居室は、高層建物の外周領域に位置するため、窓を設けることができる。これにより、下部側シャフトよりも上側の層における下部側シャフトの鉛直方向の上側の領域に設けられた居室は、眺望がよく、採光を十分に得ることができ、その価値を高めることができる。外周領域とは、平面視における外周部となる領域を示している。
このような構成とすることにより、低層階用エレベータバンクの鉛直方向の上側の領域を窓が設けられた居室とすることができ、その居室の価値を高めることができる。
このような構成とすることにより、高層階用エレベータバンクおよび低層階用エレベータバンクを、建物の計画に合わせて配置することができる。中央領域とは、平面視における中央部となる領域を示している。
このような構成とすることにより、ロビーからの高層階用エレベータホールおよび低層階用エレベータホールへのアクセスが良いとともに、高層階用エレベータホールおよび低層階用エレベータホールを開放的なスペースとすることができる。また、ロビーに窓が設けられている場合には、高層階用エレベータホールおよび低層階用エレベータホールがロビーを介して高層建物の外部から採光および眺望を得ることができる。
このような構成とすることにより、高層階用エレベータバンクおよび前記低層階用エレベータバンクを、建物の計画に合わせて配置することができる。また、高層階エレベータホールと低層階用エレベータホールとが設けられる層において、低層階用エレベータホールに窓が設けられている場合には、高層階用エレベータホールが低層階用エレベータホールを介して高層建物の外部から採光および眺望を得ることができる。
このような構成とすることにより、異なる高さの第1下部側シャフトおよび第2下部側シャフトが設けられている場合でも、その両方の鉛直方向の上側の領域に高層建物の外周領域に窓が設けられた居室を設けることができる。
このような構成とすることにより、低層階における中層階用エレベータの乗降が無い階では、中層階用エレベータのエレベータホールを設置する必要がなく、その領域に吹き抜けを設けたり、倉庫などを設けたりすることができる。
このような構成とすることにより、下部側シャフトを、構造コア部の構造と分けて設計することができる。
図1に示すように、本実施形態による高層建物1は、例えばオフィスビルなどで、1階に外部からのアクセスに主に使用される出入口11が設けられている。高層建物1の各階は、下部側の低層階12、中間部の中層階13および上部側の高層階14の3つに区分されている。低層階12には、低層階用エレベータ2が設けられ、中層階13には中層階用エレベータ3が設けられ、高層階14には、高層階用エレベータ4が設けられている。いずれのエレベータ2,3,4も1階から使用可能となっている。
高層建物1には、低層階用エレベータ2が設けられた低層階用エレベータバンク(下部側シャフト、第1下部側シャフト)21と、中層階用エレベータ3が設けられた中層階用エレベータバンク(下部側シャフト、第2下部側シャフト)31と、高層階用エレベータ4が設けられた高層階用エレベータバンク41と、が設けられている。
本実施形態では、高層建物1の中央領域18には、耐震壁、ブレース、制振部材などの耐震要素や制振要素が設けられた構造コア部19が構築されている。本実施形態の耐震要素や制振要素(以下、耐震制振要素191とする)は、高層建物1の中央領域18の外周(外周領域16と中央領域18との境界)に沿って設けられている。
また、高層建物1の中央領域18には、高層建物1の全体にわたって上下方向に貫通する階段室や設備配管スペースなどのシャフトが設けられている。
低層階用エレベータバンク21は、高層建物1の外周領域16に外壁15寄りに設けられている。
中層階用エレベータバンク31は、高層建物1の外周領域16に中央領域18寄りに設けられている。中層階用エレベータバンク31は、低層階用エレベータバンク21よりも高層建物1の中央側に配置され、低層階用エレベータバンク21に隣接して設けられている。
高層階用エレベータバンク41は、高層建物1の中央領域18に設けられている。高層階用エレベータバンク41は、中層階用エレベータバンク31よりも高層建物1の中央側に配置され、中層階用エレベータバンク31に隣接して設けられている。本実施形態では、高層階用エレベータバンク41と中層階用エレベータバンク31とは、耐震制振要素191を介して隣接している。
中層階13の各階における低層階用エレベータバンク21の鉛直方向の上側の領域131は、高層建物1の外周領域16に位置し、外壁15に沿った空間となる。外壁15には窓17が設けられているため、中層階13の各階における低層階用エレベータバンク21の鉛直方向の上側の領域131は、窓17が設けられた空間とすることができる。
高層階14における低層階用エレベータバンク21の鉛直方向の上側の領域143(中層階13における低層階用エレベータバンク21の鉛直方向の上側の領域131の鉛直方向上側の領域)は、吹き抜けとならずに、各階に第3床144が設けられ、居室や廊下などとして使用可能となっている。高層階14における低層階用エレベータバンク21の鉛直方向の上側の領域143は、外周領域16に位置している。
本実施形態では、高層階14の各階における中層階用エレベータバンク31の鉛直方向の上側の領域141は、低層階用エレベータバンク21の鉛直方向の上側の領域143と連続した空間となり、高層階14の各階における中層階用エレベータバンク31の鉛直方向の上側の領域141に設けられた第2床142は、低層階用エレベータバンク21の鉛直方向の上側の領域143に設けられた第3床144と連続している。
高層階14の各階における中層階用エレベータバンク31の鉛直方向の上側の領域141は、高層階14の各階における低層階用エレベータバンク21の鉛直方向の上側の領域143よりも中央領域18寄りに設けられている。
図2に示すように、1階においては、低層階用エレベータ2のエレベータホール22、中層階用エレベータ3のエレベータホール32、および高層階用エレベータ4のエレベータホール42それぞれの第1方向の一方側(図2乃至図4における上側)にロビー20が設けられている。ロビー20は、低層階用エレベータ2のエレベータホール22、中層階用エレベータ3のエレベータホール32、および高層階用エレベータ4のエレベータホール42のいずれとも連通しており、いずれにもアクセスできるように設計されている。
上述した本実施形態による高層建物1では、中層階13の各階における低層階用エレベータバンク21の鉛直方向の上側の領域131に第1床132が設けられ、高層階14の各階における中層階用エレベータバンク31の鉛直方向の上側の領域141に第2床142が設けられ、低層階用エレベータバンク21の鉛直方向の上側の領域143に第3床144が設けられている。
このため、低層階用エレベータバンク21の鉛直方向の上側の領域131,143および中層階用エレベータバンク31の鉛直方向の上側の領域141を吹き抜けとして使用する場合と比べて、高層建物1における居室として利用可能な有効面積を大きくすることができる。
その結果、高層建物1の階数や床面積を増大させなくても所望の有効面積を確保することができ、経済性をよくすることができる。さらに、高層建物1が賃貸オフィスビルの場合は、床面積に対する有効面積の割合(レンタブル比)を向上させることができるため、賃貸事業の事業性を向上させることができる。
その結果、高層建物1が賃貸オフィスビルの場合は、賃貸事業の事業性を向上させることができる。
また、低層階用エレベータバンク21は、高層建物1の外周領域16に設けられていることにより、低層階12からの眺望が期待される場合は、低層階用エレベータ2をシースルーエレベータにすることができ、低層階12についてもその価値を高めることができる。
例えば、上記の実施形態では、高層建物1は、その階が下部側の低層階12、中間部の中層階13および上部側の高層階14の3つに区分され、低層階用エレベータ2が設けられた低層階用エレベータバンク21、中層階用エレベータ3が設けられた中層階用エレベータバンク31、および高層階用エレベータ4が設けられた高層階用エレベータバンク41が設けられている。
また、上記の実施形態では、1階がエントランス階となり、外部からのアクセスに主に使用される出入口11が設けられているが、2階や地下階などにエントランス階が設けられていてもよいし、2以上の階にエントランス階が設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、耐震制振要素191は、高層建物1の中央領域18の外周(外周領域16と中央領域18との境界)に沿って設けられているが、中央領域18に設けられていてもよいし、中央領域18および中央領域18の外周それぞれに設けられていてもよい。
このようにすることにより、低層階における中層階用エレベータ3の乗降が無い階では、中層階用エレベータ3のエレベータホール32を設置せずにその領域に吹き抜けを設けたり、倉庫などを設けたりすることができる。
また、避難階以外の各階における避難経路は、中央領域18に設けられていてもよい。
これに対し、図5に示す高層建物1Bのように、低層階用エレベータ2Bのエレベータホール22B、中層階用エレベータ3Bのエレベータホール32B、および高層階用エレベータ4Bのエレベータホール42Bは、平面視において、高層建物1Bの中央領域18から外周領域16に向かう方向に連通するように設けられていてもよい。
これに対し、図5に示す高層建物1Bでは、図5(b)に示す中層階13における低層階用エレベータバンク21Bの鉛直方向の上側の領域131Bに設けられた第1床132Bの奥行き寸法(図5における左右方向の寸法)と、図5(c)に示す高層階14における中層階用エレベータバンク31Bおよび低層階用エレベータバンク21Bの鉛直方向の上側の領域141B,143Bに設けられた床(第2床142Bおよび第3床144Bを合わせた床)の奥行き寸法とを統一することができる。
2,2B 低層階用エレベータ
3,3B 中層階用エレベータ
4,4B 高層階用エレベータ
12 低層階
13 中層階
14 高層階
16 外周領域
17 窓
18 中央領域
19 構造コア部
20 ロビー
21,21B 低層階用エレベータバンク(下部側シャフト、第1下部側シャフト)
22,22B エレベータホール(低層階用エレベータホール)
31,31B 中層階用エレベータバンク(下部側シャフト、第2下部側シャフト)
32,32B エレベータホール(中層階用エレベータホール)
41 高層階用エレベータバンク
42,42B エレベータホール(高層階用エレベータホール)
132,132B 第1床
142,142B 第2床
144,144B 第3床
131,141,143,131B,141B,143B 領域
191 耐震制振要素(耐震要素、制振要素)
Claims (8)
- 複数の層を有する高層建物において、
上部側の層を除く連続する複数の層を貫通する下部側シャフトを有し、
前記下部側シャフトは、前記高層建物の外周領域に設けられ、
前記下部側シャフトよりも上側の層には、前記下部側シャフトの鉛直方向の上側となる領域に床が設けられていることを特徴とする高層建物。 - 前記下部側シャフトは、低層階用エレベータが設けられる低層階用エレベータバンクであることを特徴とする請求項1に記載の高層建物。
- 前記高層建物における前記外周領域よりも中央側となる中央領域には、高層階用エレベータが設置される高層階用エレベータバンクが設けられ、
前記高層階用エレベータの高層階用エレベータホールと、前記低層階用エレベータの低層階用エレベータホールとが設けられる層では、前記高層階用エレベータホールと、前記低層階用エレベータホールとが平行に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の高層建物。 - 前記高層階用エレベータホールと、前記低層階用エレベータホールとが設けられる層には、前記高層階用エレベータホールおよび前記低層階用エレベータホールのいずれにもアプローチ可能なロビーが設けられ、
前記ロビーは、前記高層建物の外周領域に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の高層建物。 - 前記高層建物における前記外周領域よりも中央側となる中央領域には、高層階用エレベータが設置される高層階用エレベータバンクが設けられ、
前記高層階用エレベータの高層階用エレベータホールと、前記低層階用エレベータの低層階用エレベータホールとが設けられる層では、前記高層階用エレベータホールと、前記低層階用エレベータホールとが前記高層建物の中央領域から外周領域に向かう方向に連通するように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の高層建物。 - 前記下部側シャフトは、上部側の層を除く連続する複数の層を貫通する第1下部側シャフトと、
前記第1下部側シャフトに隣接して設けられ上部側の層を除く連続する複数の層を貫通し前記第1下部側シャフトよりも上側の層まで達する第2下部側シャフトと、を有し、
前記第1下部側シャフトは、前記第2下部側シャフトよりも前記高層建物の外周側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の高層建物。 - 前記第1下部側シャフトは、低層階用エレベータが設けられる低層階用エレベータバンクであり、前記第2下部側シャフトは、中層階用エレベータが設けられる中層階用エレベータバンクであり、
高層階用エレベータが設けられる高層階用エレベータバンクは、前記高層建物における前記外周領域よりも中央側となる中央領域に設けられ、
災害時の避難経路には、中層階用エレベータの中層階用エレベータホールが含まれていないことを特徴とする請求項6に記載の高層建物。 - 前記複数の層に上下方向に連続して設けられた耐震要素および制振要素の少なくとも一方を有する構造コア部を有し、
前記構造コア部は、前記高層建物における前記外周領域よりも中央側となる中央領域に設けられ、
前記下部側シャフトは、前記構造コア部よりも前記高層建物の外周側となる前記高層建物の外周領域に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の高層建物。
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