JP2009209593A - 多層建築物 - Google Patents
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Abstract
【課題】センターコアの多層建築物のように、複数のエレベータシャフトと複数のエレベータホールを平面的に直線状に並べて設置するエレベータの配置計画を採用しているにもかかわらず外壁面から相当離れた位置に来る一番奥のエレベータホールまで自然光が入って照明エネルギーの削減が可能であると共に、スペースが広く感じられる開放的な環境を実現し得る多層建築物を提供する。
【解決手段】複数のエレベータシャフト1と複数のエレベータホール2が平面的に直線状に並んで設置された多層建築物において、複数のエレベータシャフト1における並び方向と直角な壁面を透明材料で構成することにより、端部に位置するエレベータシャフト1の壁面に入射した外部からの自然光が複数のエレベータシャフト1を透過して一番奥のエレベータホール2まで届くように構成する。
【選択図】図3
【解決手段】複数のエレベータシャフト1と複数のエレベータホール2が平面的に直線状に並んで設置された多層建築物において、複数のエレベータシャフト1における並び方向と直角な壁面を透明材料で構成することにより、端部に位置するエレベータシャフト1の壁面に入射した外部からの自然光が複数のエレベータシャフト1を透過して一番奥のエレベータホール2まで届くように構成する。
【選択図】図3
Description
本発明は、 複数のエレベータシャフトと複数のエレベータホールが平面的に直線状に並んで設置された多層建築物に関する。
センターコアの多層建築物においては、複数のエレベータを配置する場合、センターコアの内側に複数のエレベータシャフトと複数のエレベータホールを平面的に直線状に並べて設置することが多い。しかし、このエレベータの配置計画では、エレベータ群の周囲がコア壁で取り囲まれた状態となるので、エレベータホールには自然光が入らず、閉鎖的な環境になりがちである。
外壁をガラスカーテンウォールとした多層建築物や、吹抜けを有する多層建築物においては、外壁や吹抜けに面したエレベータがエレベータシャフトや昇降ケージの壁面をガラス等の透明材料で構成したシースルーエレベータとされることがある。例えば、特許文献1には、外周壁及び内周壁が強化ガラスで構成された吹抜けに面してシースルーエレベータを設け、吹抜けを床材で所定階ごとに区画して、複数の展示空間を形成し、シースルーエレベータ内部やエレベータホールから展示空間が見えるようにした多層建築物が開示されている。
このようなシースルーエレベータを複数配置するにあたっては、特許文献2に見られるように、複数のシースルーエレベータを外壁面に沿って並べるか、あるいは、特許文献3に見られるように、吹抜けを取り囲むように複数のシースルーエレベータを並べるといった横並びの配置計画が採用されることが多い。
しかし、このようなエレベータの配置計画では、シースルーエレベータの台数が多い場合、外壁面の横幅や吹抜けの周囲長さの大部分が横並びしたシースルーエレベータによって占有されることになり、多層建築物の平面計画に支障を来たす。
本発明は、上記の問題点を踏まえてなされたものであって、その目的とするところは、センターコアの多層建築物のように、複数のエレベータシャフトと複数のエレベータホールを平面的に直線状に並べて設置するエレベータの配置計画を採用しているにもかかわらず外壁面から相当離れた位置に来る一番奥のエレベータホールまで自然光が入って照明エネルギーの削減が可能であると共に、スペースが広く感じられる開放的な環境を実現し得る多層建築物を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明が講じた技術手段は次の通りである。即ち、請求項1に記載の発明は、複数のエレベータシャフトと複数のエレベータホールが平面的に直線状に並んで設置された多層建築物において、複数のエレベータシャフトにおける並び方向と直角な壁面を透明材料で構成することにより、端部に位置するエレベータシャフトの壁面に入射した外部からの自然光が複数のエレベータシャフトを透過して一番奥のエレベー
タホールまで届くように構成したことを特徴としている。
タホールまで届くように構成したことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多層建築物であって、エレベータホールを隔てて位置する一対のエレベータシャフトから成り、且つ、最上着床階の異なる低層用バンク、中層用バンク、高層用バンクが吹抜けに隣接して吹抜け側からこの順に階段状に設置されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の多層建築物であって、低層用バンクのエレベータシャフトには、最下着床階よりも下方にエレベータ機械室を設け、且つ、エレベータシャフトの天井面を透明材料で構成することにより、最上着床階のエレベータホールに対して吹抜けからの自然光が上方からも入射するように構成したことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、センターコアの多層建築物のように、複数のエレベータシャフトと複数のエレベータホールを平面的に直線状に並べて設置するエレベータの配置計画を採用しているにもかかわらず、複数のエレベータシャフトにおける並び方向と直角な壁面を透明材料で構成することにより、端部に位置するエレベータシャフトの壁面に入射した外部からの自然光が複数のエレベータシャフトを透過して一番奥のエレベータホールまで届くようにしたので、外壁面から相当離れた位置に来る一番奥のエレベータホールにおいても自然光による快適な明るさが得られ、昼間の照明エネルギーの削減が可能である。
また、複数のエレベータシャフトにおける並び方向と直角な壁面を透明材料で構成することにより、複数のエレベータシャフトが視覚的に連続するため、スペースが広く感じられ、開放的な環境を実現し得る。
請求項2に記載の発明によれば、上記の効果に加え、最上着床階の異なる低層用バンク、中層用バンク、高層用バンクが吹抜けに隣接して吹抜け側からこの順に階段状に設置されているので、どのバンクにも、隣のバンクに遮られない透明な壁面、つまり、吹抜けからの自然光が直接入射する透明な側面が設けられることになり、低層用バンクよりも建物の奥に位置する中層用バンクや高層用バンクにおいても、側面からの採光量を確保できるという効果がある。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の発明による効果に加え、低層用バンクにおいては、最上着床階のエレベータホールに対して吹抜けからの自然光が上方からも入射するので、最上着床階のエレベータホールを自然光によって一層明るくすることができるという効果がある。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る多層建築物における一般階の横断形状を略示す。この多層建築物は、複数(図示の例では四つ)のエレベータシャフト1と複数(図示の例では二つ)のエレベータホール2が平面的に直線状に並んで設置されており、各エレベータシャフト1における並び方向と直角な壁面をガラス等の透明材料で構成することにより、端部に位置するエレベータシャフト1の壁面に入射した外部からの自然光が複数のエレベータシャフト1を透過して一番奥のエレベータホール2と、複数のエレベータホール2を連絡する通路3の奥まで届くように構成したものである。端部のエレベータシャフト1は、ガラスカーテンウォールから成る透明な外壁に面して設けられるか、或いは、エレベータシャフト1の透明な壁面が建物内外を区画する透明な外壁面となるように設けられる。
各エレベータシャフト1には3台の昇降ケージ4が配置され、3台のエレベータが横並びした状態に構成されている。各エレベータホール2には、両側に位置する3台のエレベータに対する搭乗口が互いに向かい合うように配置され、搭乗口にはガラス等の透明材料で構成したドア(図示せず)が設けられている。5はオフィス等のスペースである。
図2は本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、端部のエレベータシャフト1を吹抜け6に面して設けて、外部の自然光が吹抜け6を経て端部に位置するエレベータシャフト1の壁面に入射するように構成した点に特徴がある。その他の構成は、図1の実施形態と同じであるため、同一構成部材に同一符号を付し、説明を省略する。
これらの構成によれば、図3に破線矢印で示すように、外部(屋外又は吹抜け)からの自然光が複数のエレベータシャフト1を透過して一番奥のエレベータホール2と、複数のエレベータホール2を連絡する通路3の奥まで届くので、外壁面から相当離れた位置に来る一番奥のエレベータホール2や通路3においても自然光による快適な明るさが得られ、昼間の照明エネルギーの削減が可能である。
また、複数のエレベータシャフト1における並び方向と直角な壁面を透明材料で構成することにより、複数のエレベータシャフト1が視覚的に連続するため、スペースが広く感じられ、開放的な環境を実現し得るのである。
尚、上記の各実施形態においては、各エレベータシャフト1における並び方向と直角な壁面だけを透明材料で構成したが、エレベータシャフト1における並び方向と直角な壁面だけでなく、その2面を含む3面又はエレベータシャフト1の四周の壁面全部を透明材料で構成してもよい。また、昇降ケージ4の壁面は不透明であってもよく、少なくとも、エレベータシャフト1の透明な壁面に対向する2面を透明材料で構成して、シースルーの昇降ケージ4としてもよい。
図4〜図7は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態においては、エレベータホール2を隔てて位置する一対のエレベータシャフト1a,1bから成り、且つ、最上着床階の異なる低層用バンクA、中層用バンクB、高層用バンクCが3面を透明ガラスで囲んだ吹抜け6に隣接して吹抜け6側からこの順に階段状に設置されている。
従って、低層部においては、図5に示すように、三対(6個)のエレベータシャフト1a,1bと三つのエレベータホール2が平面的に直線状に並んで設置され、中層部においては、図6に示すように、二対(4個)のエレベータシャフト1a,1bと二つのエレベータホール2が平面的に直線状に並んで設置され、高層部においては、図7に示すように、一対のエレベータシャフト1a,1bと一つのエレベータホール2が平面的に直線状に並んで設置されることになる。図5に示すように、各エレベータシャフト1a,1bには3台の昇降ケージ4が配置され、3台のエレベータが横並びした状態に構成されている。3は複数のエレベータホール2を連絡する通路である。各エレベータホール2には、両側に位置する3台のエレベータに対する搭乗口が互いに向かい合うように配置され、搭乗口にはガラス等の透明材料で構成したドア(図示せず)が設けられている。5はオフィス等のスペース、7はトイレットルームである。
低層用バンクAと中層用バンクBにおける各対のエレベータシャフト1a,1bは、エレベータシャフト1a,1bの並び方向と直角な壁面が全て透明材料で構成されているが、高層用バンクCにおける一対のエレベータシャフト1a,1bは、エレベータシャフト1a,1bの並び方向と直角な壁面のうち、トイレットルーム7との区画壁となる壁面だけが不透明とされ、それ以外が透明材料で構成されている。昇降ケージ4は、少なくとも、エレベータシャフト1a,1bの透明な壁面に対向する2面を透明材料で構成して、シ
ースルーの昇降ケージ4とされている。
ースルーの昇降ケージ4とされている。
中層用バンクBと高層用バンクCにおいては、エレベータシャフト1a,1bの最上着床階よりも上方にエレベータ機械室8が設けられているが、低層用バンクAにおいては、エレベータシャフト1a,1bの最下着床階よりも下方にエレベータ機械室8が設けられている。そして、低層用バンクAにおいては、エレベータシャフト1a,1bの天井面9がガラス等の透明材料で構成されており、図4に矢印xで示すように、最上着床階のエレベータホール2に対して吹抜け6からの自然光が上方からも入射するように構成されている。
上記の構成によれば、図4と図5に矢印aで示すように、低層用バンクAの端部に位置するエレベータシャフト1aの壁面に入射した吹抜け6からの自然光が、図5に破線矢印で示すように、複数のエレベータシャフト1a,1b…を透過して一番奥のエレベータホール2と、高層用バンクCにおける奥のエレベータシャフト1b内まで届くことになる。
従って、自然光による快適な明るさが得られ、昼間の照明エネルギーの削減が可能であり、しかも、複数のエレベータシャフト1a,1b…における並び方向と直角な壁面を透明材料で構成することにより、全てのエレベータシャフト1が視覚的に連続するため、スペースが広く感じられ、開放的な環境を実現し得る。
殊に、最上着床階の異なる低層用バンクA、中層用バンクB、高層用バンクCが吹抜け6に隣接して吹抜け6側からこの順に階段状に設置されているので、どのバンクにも、隣のバンクに遮られない透明な壁面、つまり、図4に矢印a,b,cで示すように、吹抜けからの自然光が直接入射する透明な側面が設けられることになり、低層用バンクAよりも奥に位置する中層用バンクBや高層用バンクCにおいても、側面からの採光量を確保できる。
しかも、低層用バンクAにおいては、最上着床階のエレベータホール2に対して吹抜け6からの自然光が上方からも入射するので、最上着床階のエレベータホール2を自然光によって一層明るくすることができる。
以上、複数の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態を採用できることは勿論である。
1,1a,1b エレベータシャフト
2 エレベータホール
3 通路
4 昇降ケージ
5 オフィス等のスペース
6 吹抜け
7 トイレットルーム
8 エレベータ機械室
9 天井面
A 低層用バンク
B 中層用バンク
C 高層用バンク
a 矢印(自然光)
b 矢印(自然光)
c 矢印(自然光)
x 矢印(自然光)
2 エレベータホール
3 通路
4 昇降ケージ
5 オフィス等のスペース
6 吹抜け
7 トイレットルーム
8 エレベータ機械室
9 天井面
A 低層用バンク
B 中層用バンク
C 高層用バンク
a 矢印(自然光)
b 矢印(自然光)
c 矢印(自然光)
x 矢印(自然光)
Claims (3)
- 複数のエレベータシャフトと複数のエレベータホールが平面的に直線状に並んで設置された多層建築物において、複数のエレベータシャフトにおける並び方向と直角な壁面を透明材料で構成することにより、端部に位置するエレベータシャフトの壁面に入射した外部からの自然光が複数のエレベータシャフトを透過して一番奥のエレベータホールまで届くように構成したことを特徴とする多層建築物。
- エレベータホールを隔てて位置する一対のエレベータシャフトから成り、且つ、最上着床階の異なる低層用バンク、中層用バンク、高層用バンクが吹抜けに隣接して吹抜け側からこの順に階段状に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の多層建築物。
- 低層用バンクのエレベータシャフトには、最下着床階よりも下方にエレベータ機械室を設け、且つ、エレベータシャフトの天井面を透明材料で構成することにより、最上着床階のエレベータホールに対して吹抜けからの自然光が上方からも入射するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の多層建築物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008054391A JP2009209593A (ja) | 2008-03-05 | 2008-03-05 | 多層建築物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008054391A JP2009209593A (ja) | 2008-03-05 | 2008-03-05 | 多層建築物 |
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JP2009209593A true JP2009209593A (ja) | 2009-09-17 |
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JP (1) | JP2009209593A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011068434A (ja) * | 2009-09-24 | 2011-04-07 | Takenaka Komuten Co Ltd | 建物 |
JP2019196666A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 清水建設株式会社 | 高層建物 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10273276A (ja) * | 1997-03-28 | 1998-10-13 | Sekisui Chem Co Ltd | エレベータ付き建物 |
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2008
- 2008-03-05 JP JP2008054391A patent/JP2009209593A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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JPH10273276A (ja) * | 1997-03-28 | 1998-10-13 | Sekisui Chem Co Ltd | エレベータ付き建物 |
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Title |
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JPN6012046433; 新建築 第66巻第8号 6月臨時増刊 「建築20世紀 PART2」 , 19910620, 230頁, 株式会社 新建築社 * |
JPN6012046435; 新宿NSビル テナント募集 * |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019196666A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 清水建設株式会社 | 高層建物 |
JP7097227B2 (ja) | 2018-05-11 | 2022-07-07 | 清水建設株式会社 | 高層建物 |
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