JP6833528B2 - 集合住宅 - Google Patents
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Description
特許文献1には、建物のほぼ中央部に吹き抜けを備えた高層集合住宅用建物が記載されている。
特許文献2には、センターコア方式の集合住宅の建築構造が記載されている。
特許文献3には、吹抜き空間が形成された環状平面形の建物が記載されている。
このような集合住宅の建物の平面形は、通常、矩形である。建物は、直線的な住戸列が屈曲して建物のコーナー部が形成され、住戸列の内周側に共用廊下、住戸列の外周側にバルコニーを備え、建物のコーナー部は矩形状の住戸ブロックにより構成されるのが一般的である。建物のコーナー部に位置する住戸は、二面採光が得られ眺望に優れるため、商品価値が高い。
そして、上記のような塔状の集合住宅に係る建物の構造は、柱と梁とを剛接合するラーメン構造が一般的である。
しかし、ラーメン構造の建物は、柱や梁形が室内に多く突出するほか、建物の外周架構に関し、前記特許文献に示されるように、住戸内部とバルコニーとの境に柱と梁を設けるインフレーム構法によって、サッシ(住戸内部とバルコニーとの境界部に設けられる掃き出し窓、開口部)の上方に梁があるため、サッシ高さに制約が生じ、充分な採光、眺望が得られにくい。
前記建物のコーナー部は平面視矩形状のコーナー住戸ブロックにより構成され、
前記コーナー住戸ブロックにおける住戸内部と屋外との境界をなす一方の面部の外側には、バルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される外周側架構を備え、
前記コーナー住戸ブロックにおける住戸内部と屋外との境界をなし、かつ前記一方の面部と垂直の方向にある他方の面部の外側には、バルコニー外縁部に、逆梁を含む梁と柱とによる外周側架構が配設されず、かつ、
前記コーナー住戸ブロックの住戸内部とその屋外側で平面視ほぼL字状をなすバルコニーとの境界に、柱と梁による架構を含む構面が配設されていない、集合住宅である。
(2)前記コーナー住戸ブロックのバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される外周側架構と対向する側に接続する住戸列は、該住戸列のバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁により構成される外周側架構を複数スパンにわたり備えるとともに、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がなく、
前記コーナー住戸ブロックのバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される前記外周側架構の伸長方向に接続する住戸列は、該住戸列のバルコニー外縁部に、逆梁を含む梁と柱とによる外周側架構が配設されず、かつ、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がない、集合住宅である。
(3)少なくとも二つの前記コーナー住戸ブロック6,7を備え、該二つの前記コーナー住戸ブロックが、前記コーナー住戸ブロックのバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される前記外周側架構の伸長方向において、一の住戸列4を挟んで互いに平面視ほぼ左右対称となるように配置され、
前記一の住戸列4は、該住戸列のバルコニー外縁部に、逆梁を含む梁と柱とによる外周側架構が配設されず、かつ、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がない、集合住宅である。
(4)二つの前記コーナー住戸ブロック6,7のバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される外周側架構と対向する側に接続する住戸列3,5は、それぞれ該住戸列のバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁により構成される外周側架構を複数スパンにわたり備えるとともに、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がない、集合住宅である。
また、外周側架構(アウトフレーム)は部分的に配置されているため、逆梁によって光を通さない部分が抑えられ、また地下掘削量の増大等の施工費用も抑えられる。
(2)前記コーナー住戸ブロックのバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される外周側架構と対向する側に接続する住戸列は、該住戸列のバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁により構成される外周側架構を複数スパンにわたり備えるとともに、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がなく、前記コーナー住戸ブロックのバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される前記外周側架構の伸長方向に接続する住戸列は、該住戸列のバルコニー外縁部に、逆梁を含む梁と柱とによる外周側架構が配設されず、かつ、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がない構成により、コーナー住戸ブロックのみならず、これに接続する両住戸列において、各住戸とバルコニーとの境界部には、構面がなく、梁もないため、該境界部に設けるサッシ高さに制約がなくなり、充分な採光、眺望を得ることができる。
(3)少なくとも二つの前記コーナー住戸ブロック6,7を備え、該二つの前記コーナー住戸ブロックが、前記コーナー住戸ブロックのバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される前記外周側架構の伸長方向において、一の住戸列4を挟んで互いに平面視ほぼ左右対称となるように配置され、前記一の住戸列4は、該住戸列のバルコニー外縁部に、逆梁を含む梁と柱とによる外周側架構が配設されず、かつ、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がない構成により、建物のコーナー部に位置する両コーナー住戸ブロック6,7と、両コーナーブロックの間に位置する住戸列4とにおいて、
各住戸とバルコニーとの境界部には、構面がなく、梁もないため、該境界部に設けるサッシ高さに制約がなくなり、充分な採光、眺望を得ることができる。
(4)二つの前記コーナー住戸ブロック6,7のバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される外周側架構と対向する側に接続する住戸列3,5は、それぞれ該住戸列のバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁により構成される外周側架構を複数スパンにわたり備えるとともに、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がない構成により、コーナー住戸ブロックのみならず、これに接続する住戸列を含めて、該境界部に設けるサッシ高さに制約がなくなり、少なくとも三面にわたり充分な採光、眺望を得ることができ、開放感のある住戸空間が得られる。
建物1は、直線状に配列された住戸3a,3b,3c,3dからなる住戸列3と、直線状に配列された住戸4a,4bからなる住戸列4と、直線状に配列された住戸5a,5b,5c,5dからなる住戸列5を備えている。住戸列3と住戸列4とは互いに直角の方向にあり、住戸列4と住戸列5とは互いに直角の方向にある。また、住戸列3と住戸列5とは対向するように配置されている。
コーナー住戸ブロック6は、住戸割りされた住戸6a,6bを備え、コーナー住戸ブロック7は、住戸割りされた住戸7a,7bを備えている。コーナー住戸ブロック6,7における住戸割り(住戸配置)の変更等は任意である。
住戸列3,4,5の内周側には、吹き抜け2を包囲するように共用廊下8が設けられ、また、住戸列の外周側にはバルコニー9が各住戸の外周に沿って連続するように設けられている。住戸列3と住戸列5の、それぞれコーナー住戸ブロック6,7に接続しない側の端部(住戸3aと住戸5a)の間に、エレベータ20、階段21等の共用部分が配置されている。該共用部分の周囲は柱及び梁による架構が設けられている。
直線状に配列された住戸3a,3b,3c,3dからなる住戸列3について説明する。図示のとおり、共用廊下8側ほかに、柱11,11,…と該柱11,11間に架設された梁を12,12,…を備えている(ラーメン構造)。
また、この外周側架構の一部を構成する柱13と共用廊下側に位置する柱11(共用廊下と住戸との境界部に位置する柱)とは、住戸間を仕切る戸境壁を形成すると共に構造体として機能する壁体15で連結されている架構を部分的に有している。この壁体15は変断面の壁梁として構成され、その架構は、全体としてラーメン構造体を構成しているものである(特許第3356414号公報参照)。
そして、住戸列3において、各住戸3a,3b,3c,3dと直線状のバルコニー9との境界部には、構面がなく、梁もないため、該境界部に設けるサッシ高さに制約がなくなり、充分な採光、眺望を得ることができる。住戸3dにおけるA−A端面図を図2に示す。
矩形状のコーナー住戸ブロック6における一方の外周部(住戸列3と接続しない側:図の底辺部)には、バルコニー9の外縁部に立設された複数本の柱13,13とその柱13,13に架設された逆梁14とにより構成される外周側架構(アウトフレーム)を備えている(図示の例では2スパン)。
住戸列4との境に位置する柱13,11,11は、梁12,12,と剛接合されて構面を形成している。
そして、コーナー住戸ブロック6の住戸内部とその外側でほぼL字状をなすバルコニー9との境界には、外周側の二方向(二面)いずれにも、柱と梁による架構、構面は配設されていない。
このため、コーナー住戸ブロック6において、互いに垂直な外側の二方向いずれにおいても、住戸内部とバルコニー9との境に設けるサッシ高さに制約がなくなり、充分な採光、眺望を得ることができる。住戸6aにおけるB−B端面図を図3に示す。
住戸列4は、図示のとおり、共用廊下側に、柱11,11,…と該柱11,11間に架設された梁を12,12,…を備えている(ラーメン構造)。
上記のような構成により、住戸列4における住戸の室内空間への柱及び梁の突出ができるだけ抑えられている。
そして、住戸列4において、各住戸4a,4bとバルコニー9との境界部には、架構面がなく、梁もないため、該境界部に設けるサッシ高さに制約がなくなり、充分な採光、眺望を得ることができる。
住戸列5は、住戸列3とほぼ同様に構成されているため、その説明を省略する。
<コーナー住戸ブロック7>
コーナー住戸ブロック7は、コーナー住戸ブロック6とほぼ同様に構成されており、該コーナー住戸ブロック7と住戸列5又は住戸列4との関係は、コーナー住戸ブロック6と住戸列3又は住戸列4との関係と同様であるため、その説明を省略する。
コーナー住戸ブロックが二つあるものを例示したが、これに限定されず、住戸ゾーンがL字状に配置された建物等にも適用することができる。センターコア型の建物として構成することもできる。また、本発明のコーナー住戸ブロックの形態を、1フロアのすべてのコーナー部に適用する必要はなく、また、建物の階層の全部ではなく、その一部に適用することも可能である。
2 吹き抜け
3 住戸列
4 住戸列
5 住戸列
6 コーナー住戸ブロック
7 コーナー住戸ブロック
8 共用廊下
9 バルコニー
11 柱
12 梁
13 柱
14 逆梁
15 壁体
Claims (4)
- 住戸列が屈曲して建物のコーナー部が形成され、前記住戸列の内周側に共用廊下を備え、前記住戸列の外周側に連続するバルコニーを備えた、多層の建物として構成される集合住宅であって、
前記建物のコーナー部は平面視矩形状のコーナー住戸ブロックにより構成され、
前記コーナー住戸ブロックにおける住戸内部と屋外との境界をなす一方の面部の外側には、バルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される外周側架構を備え、
前記コーナー住戸ブロックにおける住戸内部と屋外との境界をなし、かつ前記一方の面部と垂直の方向にある他方の面部の外側には、バルコニー外縁部に、逆梁を含む梁と柱とによる外周側架構が配設されず、かつ、
前記コーナー住戸ブロックの住戸内部とその屋外側で平面視ほぼL字状をなすバルコニーとの境界に、柱と梁による架構を含む構面が配設されていない、
集合住宅。 - 前記コーナー住戸ブロックのバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される外周側架構と対向する側に接続する住戸列は、該住戸列のバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁により構成される外周側架構を複数スパンにわたり備えるとともに、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がなく、
前記コーナー住戸ブロックのバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される前記外周側架構の伸長方向に接続する住戸列は、該住戸列のバルコニー外縁部に、逆梁を含む梁と柱とによる外周側架構が配設されず、かつ、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がない、
請求項1に記載の集合住宅。 - 少なくとも二つの前記コーナー住戸ブロックを備え、該二つの前記コーナー住戸ブロックが、前記コーナー住戸ブロックのバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される前記外周側架構の伸長方向において、一の住戸列を挟んで互いに平面視ほぼ左右対称となるように配置され、
前記一の住戸列は、該住戸列のバルコニー外縁部に、逆梁を含む梁と柱とによる外周側架構が配設されず、かつ、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がない、
請求項1に記載の集合住宅。 - 二つの前記コーナー住戸ブロックのバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁とにより構成される外周側架構と対向する側に接続する住戸列は、それぞれ該住戸列のバルコニー外縁部に立設された柱とその柱に架設された逆梁により構成される外周側架構を複数スパンにわたり備えるとともに、各住戸とバルコニーとの境界部に構面がない、
請求項3に記載の集合住宅。
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