JP5378783B2 - 壁式ラーメン構造建物 - Google Patents

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Description

本発明は、壁柱と壁梁とを有する壁式ラーメン構造建物に関し、集合住宅やオフィスビルなどに適用することができる。
従来、マンションやアパートなどの集合住宅では、ラーメン構造が多く採用されている。近年では、平面上の2軸に沿って設けた耐力壁によって建物を支えることにより、柱型や梁型が居室に突出することのない壁式構造や、ラーメン構造と壁式構造とを組み合わせたものであって、壁柱と壁梁とで桁行方向の荷重を支え、戸境壁として設けられた耐力壁によって梁間方向の荷重を支える壁式ラーメン構造(例えば、特許文献1参照)も採用されている。
一方、これまでマンションなどの集合住宅では、略直方体に形成した板状住宅を、縦方向については所定の階高に設けたスラブにより、横方向についてはそれぞれ設定した間口寸法に設けた戸境壁により、複数の住戸が各階層において直方体に画成されることが多かった。そして、近年では、居住性の向上や、戸建て感の創出などを図るため、居住空間に変化を与えた集合住宅が増えている。このような集合住宅として、最上階の住戸について階高を大きく設定したものや、複数階のフロアを有するメゾネット住戸を設けたもの(例えば、特許文献2参照)、半階分の天井高の収納用空間を上下に隣接する住戸の間に設けたもの(特許文献3参照)などが知られている。
また、集合住宅では通常、北側にエントランスが設けられ、南側にリビングスペースが設けられる。そして最近は、リビングスペースの採光性を高め、開放感を得るために、南側の窓を可能な限り大きく設けた住戸が好まれる傾向にある。ところが、上記したラーメン構造、壁式構造および壁式ラーメン構造では、建物の南側にも柱や梁が設けられるため、南面の窓を大きくするには限度があった。
比較的階層の少ない建物では、例えば南北方向に延びる壁を東西方向に複数設け、これら複数の壁を柱や梁を用いることなくスラブのみで連結したフラットプレート構造を採用することにより、建物の南面に躯体を設けず、略全面をガラス張りにすることが可能となる。そして、フラットプレート構造の建物の階層を高めるべく、複数戸の間口間隔でメガストラクチャ柱を設けるとともに、複数階層ごとにメガストラクチャ大梁を設けた免震建物なども提案されている(特許文献4参照)。
特開平5−247997号公報 特開平11−159161号公報 特許第4092350号公報 特開平10−306614号公報
しかしながら、これまでの壁式ラーメン構造で板状住宅を計画する場合、梁間方向の剛性および耐力は確保し易いが、各住戸間に壁柱を設けたとしても、桁行方向の剛性および耐力が不足する傾向にあった。そして、桁行方向の剛性や耐力を高めるために壁柱や壁梁の断面寸法を大きくすれば、居住空間の開放性や採光性が低下し、開放感や採光性を高めるために壁柱および壁梁の断面寸法を小さくすれば、桁行方向の剛性および耐力が小さくなる。そのため、建物の剛性や耐力を確保しつつ、十分な開放感や採光性を得ることは困難であった。
この問題に対し、建物を免震構造とすることにより、上記剛性不足を軽減することはできるが、建物を中高層にすることはなお困難であった。また、建物の梁間方向中間部にも壁柱や壁梁を設け、桁行方向の剛性を高める方法も考えられるが、それでもなお十分な剛性を得ることはできない。また、梁間方向中間部に壁柱や壁梁を設ければ、居住空間は突出する壁柱などにより開放感あるいは快適性が失われ、間取りの自由度も低下する。
一方、メガストラクチャ柱またはメガストラクチャ大梁を設けると、これらが設けられない住戸では柱や梁がなくなるため、開放的な居住空間が得られ、自由な間取りとすることができるが、これらメガストラクチャが設けられた住戸では、通常の壁柱よりも大きな柱によって間取りが制限されるとともに、通常の壁梁よりも大きな梁成の分だけ階高を大きくする必要が生ずる。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、壁式ラーメン構造建物の剛性および耐力を高めるとともに、居住空間において壁梁による開放性や快適性の低下を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、発明は、桁行方向に所定の間隔をもって配置され、横断面が桁行方向に長い複数の壁柱(7)と、壁柱(7)を連結する壁梁(8)と、壁梁(8)によって支持されるスラブ(9,10)とを備えた壁式ラーメン構造建物(1)であって、スラブ(9,10)は壁梁(8)に対して梁間方向の両側に配置され、一側(北側)に配置された一側スラブ(9または10)が壁梁(8)の上部(8b)に連結され、他側(南側)に配置された他側スラブ(9または10)が壁梁(8)の下部(8a)に連結されるように構成する。
この構成によれば、一側スラブと他側スラブとの間に設けられた壁梁が、両スラブの段差部に位置するため、壁梁の梁成を大きくしても居住空間の開放性および快適性が低下することがない。そのため、居住空間の開放性および快適性を阻害せずに壁梁の梁成を大きくして建物の剛性および耐力を向上させることができる。また、剛性の高い壁梁がスラブの中間部に設けられるため、建物外部に望む面の壁梁を小さくし、あるいは省略し、建物外部に望む面を開放的にすることも可能である。
そして本発明の一側面によれば、梁間方向に沿って延在し、壁柱(7)における他側(南側)に配置された第1耐力壁(11)を更に有し、第1耐力壁(11)が、壁柱(7)と反対側の端部においてフラットプレート構造をなすように構成する。
この構成によれば、壁柱と反対側の第1耐力壁の端部、すなわち建物外部に望む面に柱も梁も形成されないため、この面の全面をガラス張りにして開放感を高めるとともに、視界を広げて優れた眺望を確保することが可能である。
また、本発明の一側面によれば、第1耐力壁(11)壁柱(7)における桁行方向の一端側(7a)に連結、梁間方向に沿って延在し、壁柱における一側(北側)に配置されるとともに、壁柱(7)における桁行方向の他端(7b)側に連結する第2耐力壁(12)更に有するように構成する。
この構成によれば、平面視で耐力壁と壁柱とがクランク形状となり、居住空間に壁柱が突出することがない、あるいはその突出量が小さいため、間取りの自由度を高めるとともに、開放的な空間の実現が可能となる。また、壁柱が桁行方向の両側において耐力壁に拘束されるため、壁柱の剛性も高まる。
また、本発明の一側面によれば、他側スラブ(10)が、一側スラブ(9)に対して略半階分高さが異なるフロア(4s)を形成するように構成する。
この構成によれば、建物の剛性を向上させつつ、ラーメン構造では構造が複雑になりがちであったスキップフロアを比較的簡単な構造で実現し、居住空間に変化を与えて快適性を高めることができる。なお、各階にスキップフロアを形成すれば、階高を大きくする必要は生じるが、スキップフロアの一部に床下収納やロフトなどを設けることも可能である。逆に、このような空間を設けずに、天井高の大きな空間として利用することも可能であり、同一の躯体構造であっても利用者のニーズに沿った空間設計が可能となる。
また、本発明の一側面によれば、前記他側スラブ(9N+1)が、前記一側スラブ(9N+2)に対して1階層異なるフロアを形成するように構成する。
この構成によれば、壁梁の梁成が大きくなり、建物の剛性および耐力を大幅に高めることができる。そして壁梁が設けられない階層には、梁のないフラットなスラブが形成され、高い開放感が実現される。なお、壁梁が設けられた階層の一方の空間をその上方に隣接する階層からアクセス可能とし、他方の空間をその下方に隣接する階層からアクセス可能とすれば、3階層に2つのメゾネット住戸を形成することができる。そして2つのメゾネット住戸の一部が同一階層に隣接しても、遮音性の高い壁梁が戸境壁となるため、躯体構造と別個のコンクリート遮音壁などを設ける必要もない。
発明によれば、一側スラブと他側スラブとの間に設けられた壁梁が、両スラブの段差部に位置するため、壁梁の梁成を大きくても居住空間の開放性および快適性を低下させることがない。そして、壁梁の梁成を大きくすることが可能であるため、建物の剛性および耐力を向上させることができる。また、壁梁がスラブの中間部に設けられるため、建物外部に望む面を開放的にすることも可能である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
≪第1実施形態≫
先ず、図1〜図4を参照して本発明に係る第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る壁式ラーメン構造建物(以下、単に建物1と称する)の縦断面図を示し、図2は図1中のII−II断面を示し、図3は図1中のIII−III断面を示している。なお、図1〜図3はともに、図面右側が南方向であり、図面左側が北方向となっている。図1に示すように、建物1は、地上8階建ての鉄筋コンクリート造(以下、RC造と記す)の集合住宅であり、その下面1aと基礎杭2との間に積層ゴムなどからなる免震装置3が介装されて免震構造とされている。
建物1の一縦断面には、5戸の住戸4(そのうち、3戸がメゾネット住戸4Mで、2戸が一階層住戸4S)が形成されており、同一階には6戸の住戸4が設けられている(図2の断面では6戸全てがメゾネット住戸4M)。各住戸4のエントランス4eは建物1の北側に設けられた共用廊下5に面しており、建物1の南側には住戸4ごとに1つのバルコニー4bが設けられている。建物1の各階には、後に詳しく説明する壁柱7および壁梁8によって支持されるスラブ9が形成されており、2階スラブ9と3階スラブ9との間、および5階スラブ9と6階スラブ9との間の半階位置には、半階スラブ10(特許請求の範囲に記す他側スラブに相当)が形成されている。
3階スラブ9は居住空間における南北方向の全面に形成されている。2.5階に位置する半階スラブ102.5は北側の端面が後述する壁梁8の下端8aに連結しており、半階スラブ102.5によって3階スラブ9との間に形成されたスキップフロア4sは、3階の住戸4の床下収納スペースとして利用されている。一方、6階スラブ9は、居住空間における北側のみに形成され、壁梁8の上端8bに連結しており、5.5階に位置する半階スラブ105.5によって形成されたスキップフロア4sは、1階層の天井高hよりも大きな天井高h1.5となっている。具体的には天井高h1.5は1.5階層分となっている(h1.5≒h×1.5)。なお、3階スラブ9および6階スラブ9の北側部分が特許請求の範囲に記す一側スラブを構成する。
他方、2階スラブ9が北側のみに形成されることにより、1階フロアの南側部分が吹き抜け4tとされて(図3参照)略1.5階層分の天井高h1.5となっている。また、2階スラブ9は、1階スラブ9との間に設けられた階段15によってアクセス可能となっており、1階および2階の大部分を占める空間が1つのメゾネット住戸4Mとされている。そして、2階の建物北側には共用廊下5ではなくバルコニー4bが形成されている。また、5階スラブ9も北側のみに形成され、4階および5階の大部分を占める空間が1つのメゾネット住戸4Mとされている。なお、8階スラブ9も居住空間の北側のみに形成され、7階の南側のフロアは吹き抜け4tとされている。7階および8階にわたる全空間が1つのメゾネット住戸4Mを形成しているが、このメゾネット住戸4Mは吹き抜け4t部分が2階層分の天井高h(h≒h×2)を有する従来のメゾネット住戸4Mとなっている。
図4は図1、図2中のIV−IV断面図を示している。図2、図4に示すように、建物1は東西(桁行方向)に所定の間隔をもって建物1の外壁13の内側に配置された4本の壁柱7を有している。これら各壁柱7は、断面が(平面視において)桁行方向に長手となるように配置されている。図4に示すように、各壁柱7は、高さ方向の2箇所の中間部において、桁行方向に延在する壁梁8によって連結されている。壁梁8は、これら4本の壁柱7を連結する他、両端に配置された壁柱7と外壁13とをも連結している。
図2に示すように、各壁柱7の一端7aには、梁間方向に延在し、且つ壁柱7から南側へ延びる第1耐力壁11が連結されており、各壁柱7の他端7bには、同じく梁間方向に延在し、且つ壁柱7から北側へ延びる第2耐力壁12が連結されている。なお、建物1の東西両端に配置された外壁13および、建物1の東西方向の中央部に配置された内壁14も耐力壁として機能する。
図1、図2に示すように、第1耐力壁11は、その南側端部の近傍に躯体となる柱や梁が配置されておらず、いわゆるフラットプレート構造をなしており、各住戸4の南面は全面窓となっている。なお、サッシを固定するために、住戸の南面にも窓16と第1耐力壁11との間に断面寸法の小さな鉄筋コンクリート枠が形成されている。
一方、第2耐力壁12も、その北側端部の近傍に躯体となる柱や梁が配置されずにフラットプレート構造をなしており、隣接する2つの第2耐力壁12は、共用廊下5やバルコニー4bと居室とを区画するRC造の壁や窓、玄関扉などによって連結されている。そのため、図2に示すように、エントランス4eを居室側に凹ませてプライバシーを確保するなど、柱や梁による制約を受けることなく共用廊下5側の壁面を様々なレイアウトにすることができるだけでなく、北側に配置される居室や浴室なども柱の影響を受けずにレイアウトすることができる。
このように、2階および5階において南側の半階スラブ10と北側の3階スラブ9,6階スラブ9との間に壁梁8がそれぞれ設けられたことにより、壁柱7が梁成の大きな壁梁8で連結され、建物1に大きな剛性および耐力が確保され、壁式ラーメン構造によるスキップフロア計画が可能となっている。また、壁梁8が両スラブ(3階スラブ9と半階スラブ102.5、および6階スラブ9と半階スラブ105.5)の段差部に位置するため、梁成が大きくても居住空間の開放性および快適性が確保されている。そして、居住空間の開放性および快適性を損なうことなく壁梁8の梁成を大きくすることが可能であるため、壁梁8を建物1における南北方向に中間部のみに配置し、建物1の南面および北面に柱および梁を設けないフラットプレート構造を採用することができ、住戸4の南面を開放的な全面ガラス窓とし、住戸4の北面は自由なレイアウトとすることが可能となっている。そして居住空間には柱型や梁型などによる凹凸がなく、ラーメン構造に比べて空間の無駄が少なくなっている。
また、スキップフロア4sを形成する場合、ラーメン構造ではその構造が複雑となってしまうが、建物1が壁式ラーメン構造であり且つスキップフロア4sの段差部を壁梁8として利用することにより、簡単な構造でスキップフロア4sが実現され、居住空間に変化を与えるとともに、その快適性が高まっている。すなわち、壁構造の壁梁8がスキップフロア4sの段差を利用して配置されることにより、意匠(空間)計画と構造計画との融合が図られ、建物1の剛性の確保と空間の有効利用との両立が可能となっている。
また、第1耐力壁11が壁柱7の一端7aに連結し、第2耐力壁12が壁柱7の他端7bに連結することにより、耐力壁11,12と壁柱7とが平面視でクランク形状となり、居住空間に壁柱7が突出することがなく、高い間取りの自由度と開放的な空間とが実現される。また、壁柱7が長手方向の両側において耐力壁11,12によって拘束されるため、壁柱7の剛性も高まる。なお、第1および第2耐力壁11,12は、壁柱7の端部ではなく端部近傍に連結させることも可能であり、間取りに合わせて連結位置を変化させることにより、設計自由度が更に高まる。
他方、6階スラブ9が北側のみに設けられ、7階スラブ9の全面が同一高さに設けられたことにより、5.5階に位置する半階スラブ105.5によって形成されるスキップフロア4sの天井高h1.5が大きくなり、優れた開放感および眺望を実現する広い視界が提供される。そして、6階の住戸4のスキップフロア4sおよびその下方のフロア(4階フロア)の天井高h1.5がともに1.5階層分となることにより、次のような効果が得られる。すなわち、7階に示すような従来の吹き抜け4tでは、必要以上に天井高hが大きくなって冷暖房の調整が困難となったり、天井部の照明のメンテナンスに危険が伴ったりするという不具合や、吹き抜け4sを有するメゾネット住戸4Mの床面積に対する建設コストが割高となるという問題があったが、スキップフロア4sおよびその下方のフロア(4階フロア)の天井高h1.5がヒューマンスケールに合った適度なものとなったことにより、このような不具合や問題を抑制しつつ、適度に大きな天井高h1.5により十分な開放感と空間の一体性とが得られる。
一方、2.5階に位置する半階スラブ102.5の上方には3階スラブ9が設けられたことにより、広い居住空間よりも高い収納性を重視する居住者に対しては、2.5階に位置する半階スラブ102.5と3階スラブ9との間に形成された空間を床下収納として提供することができ、利用者のニーズに合わせた空間設計が可能となっている。また、所定の天井高の床下収納やロフトなどは、建築基準法の床面積に算入されないため、同一床面積でも活用できる空間を増やすことができる。この場合、床下収納が騒音の緩衝領域となるため、3階スラブ9から伝わる足音などの騒音が低減し、下方に隣接するフロア(1階フロア)における遮音性を向上させることができる。なお、3階スラブ9の南側部分に、RC造ではなく木造を採用すれば、将来ライフスタイルに合わせて収納庫を廃止して天井高の大きなリビングに変更することなども容易である。
また、建物1は、免震装置3を備えることにより、壁式ラーメン構造でありながら中高層にすることも可能である。
<第1変形実施形態>
次に、第1実施形態における変形実施形態について図5を参照しながら説明する。なお、説明にあたり、第1実施形態と同一の作用、機能を有する要素については同一の符号を付し、主に第1実施形態と異なる点について説明する。また、以下の実施形態においても同様とする。図5は、本変形実施形態に係る建物1の平断面図であり、第1実施形態における図2に相当するものである。本変形実施形態では、各住戸4の平面が略矩形とされている。すなわち、戸境壁となる第1耐力壁11および第2耐力壁12が、ともに壁柱7の長手方向中央部に連結し、直線的な戸境壁を形成している。そして、壁柱7が1戸おきに配置され、壁柱7が配置されない戸境には、梁間方向の耐力壁として、内壁14が第1および第2耐力壁11,12と平行に配置されている。このような形態をとっても第1実施形態と同様の効果を得ることができ、第1実施形態と組み合わせれば、空間設計の自由度を更に高めることができる。
≪第2実施形態≫
次に、図6を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態に係る建物1の一部を示す縦断面図である。本実施形態では、壁梁8の梁成が1階層の階高Hと略同一とされており、N+1階の居住空間が北側と南側とに2分割されている。N+1階の北側の居住空間は、N+1階スラブの北側に設けられた開口17と、この開口17とN階スラブ9との間に設けられた階段15とによってN階からアクセス可能となっている。一方、N+1階の南側の居住空間は、N+2階スラブ9N+2の南側に設けられた開口17と、この開口からN+1階スラブ9N+1との間に設けられた階段15によってアクセス可能となっている。すなわち、N階からN+2階の3階層が、N階とN+1階の一部とを占めるメゾネット住戸4Mと、N+2階とN+1階の他の一部とを占めるメゾネット住戸4Mとの2つのメゾネット住戸4Mを形成している。共用廊下5は建物1の北側に設けられており、本実施形態では、下側のメゾネット住戸4Mのエントランス4eがN階に設けられ、N+1階の建物1の北側にはバルコニー4bが設けられている。なお、下側のメゾネット住戸4Mのエントランス4eをN+1階に設け、バルコニー4bをN階に設けてもよい。
このように、本実施形態では、壁梁8の梁成が第1実施形態よりも大きくなっているため、建物1の剛性および耐力が大幅に向上し、建物1の更なる高層化を図ることができる。また、N階およびN+2階には、壁梁8のないフラットなスラブ9,9N+2が形成され、居住空間に高い開放感が与えられる。そして、壁梁8が設けられた階層の一方の空間がその上方に隣接する階層からアクセス可能とされ、他方の空間がその下方に隣接する階層からアクセス可能とされるため、3階層ごとに2つのメゾネット住戸4Mを形成し、建物1に形成される住戸4の全てをメゾネットタイプにすることもできる。そしてN+1階において異なる住戸4が同一階で隣接しても、遮音性の高いRC造の壁梁8が戸境壁となっているため、躯体構造とは別にコンクリート製の遮音壁を設ける必要もない。なお、N+1階スラブ9N+1の北側またはN+2階スラブ9N+2の南側を設けずに吹き抜けとすることも当然に可能である。
≪第3実施形態≫
次に、図7を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。本実施形態では、壁梁8の下端8aに半階スラブ10(特許請求の範囲に記す他側スラブに相当)が連結された第1変形実施形態とは異なり、壁梁8は、その上端8bに半階スラブ10(特許請求の範囲に記す一側スラブに相当)が連結される位置に配置されている。したがって、壁梁8の下方の住戸4は、南側の居住空間が1.5階層分の天井高h1.5を有している。一方、壁梁8の上方の住戸4は、半階スラブ10によって形成された南側のスキップフロア4sが1.5階層分の天井高h1.5を有するとともに、北側に2階層のフロアを有するメゾネット住戸4Mとなっている。
本実施形態では、N階およびN+2階の建物北側に共用廊下5が設けられている。したがって、メゾネット住戸4Mのエントランス4eはN+2階に設けられ、N+1階の建物北側部分に寝室などが配置される。そのため、就寝時に上方に隣接する他の住戸4からの足音などが寝室に届くことがなく、快適な居住性が確保されている。なお、N+1階にエントランス4eを設けることも当然に可能である。
このように、本実施形態では、下側の住戸4と上側のメゾネット住戸4Mとの南側部分に天井高h1.5の大きな開放的な空間が形成される。また、スキップフロア4sがメゾネット住戸4Mの半階位置に形成されてメゾネット住戸4Mの上層階(N+2階)と下層階(N+1階)とを結ぶ階段15の踊り場となるため、安全性が増すとともに、老人や子供にとっても暮らし易い快適なメゾネット住戸4Mとなる。
なお、下側の住戸4の占有空間内において、N+1階の高さ位置の南側にスラブを設け、このスラブと半階スラブ10との間に形成される空間をロフトとして利用してもよい。この場合もロフトの床をRC造ではなく木造とすれば、将来ライフスタイルに応じてロフトの床を撤去して天井高の大きなリビングスペースを造ること等も容易である。
≪第4実施形態≫
更に、図8を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。本実施形態では、建物1は、各階の階高H1.5が通常の階高Hの1.5倍程度大きく設定されており、1階層ごとに形成された各住戸4には、スラブ9よりも通常の半階分程度、すなわち、本実施形態の階高H1.5の3分の1程度下方に配置された半階スラブ10によってスキップフロア4sが形成されている。N階の住戸4の北側部分には、通常の階高Hとなる高さ位置、すなわち、N+1階の住戸の半階スラブ10と同じ高さ位置に、開口17を有するRC造のスラブ18が設けられ、このスラブ18とN+1階スラブ9N+1との間の空間が収納庫として利用可能なロフトとされている。一方、N+1階の住戸は平面の全領域にわたって1.5階層分の天井高h1.5を有している。なお、ロフトの床をRC造ではなく木造にすることが可能であることは上記第3実施形態と同様である。また、第1実施形態の図1に示す3階スラブ9のようにスキップフロア4sの上方に別途スラブを設けることも当然可能である。
本実施形態によれば、全階層の住戸4にスキップフロア4sを設けることができる。また、壁梁8が各階層に設けられるため、建物1の剛性および耐力を大幅に高めることができる。更に、各階の階高H1.5が通常の階高Hよりも大きいため、大きな天井高h1.5が必要でない部分にはロフトや床下収納を設け、同一床面積の通常の住戸よりも大きな空間を活用することができる。そして、第1実施形態と同様に、床下収納を設けた場合、下方のフロアにおける遮音性を向上させ、一方、ロフトを設けた場合、上方に隣接するフロアから伝わる足音などの騒音が遮断され、居住空間の遮音性を向上させることができる。
≪第5実施形態≫
最後に、図9を参照して本発明に係る第5実施形態について説明する。本実施形態では、建物1は、各階の階高H1.5が通常の階高Hの1.5倍程度に大きく設定され、1階層ごとに形成された各住戸4には、第4実施形態とは逆に、通常の階高Hの半階分程度上方に半階スラブ10が配置されている。そして、N階およびN+2階の北側には、半階スラブ10と同じ高さ位置にRC造のスラブ18が形成されており、北側の共用廊下5がこのスラブ18の高さに設けられている。一方、N+1階の北側部分は天井高h1.5の大きな空間とされており、共用廊下5も通常通りN+1階スラブ9N+1の高さに設けられている。
本実施形態によっても、第4実施形態と同様に、全階層の住戸4にスキップフロア4sが形成可能とされ、壁梁8が各階層に設けられるため、建物1の剛性および耐力を大幅に高めることなどができる。
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、半階スラブ10は上下に隣接する2つのスラブ9,9N+1の中央あるいは通常の階高Hの0.5階位置に配置されているが、これと異なる高さ位置に設けられてもよい。また、建物1は免震建物である必要はなく、一般的な杭基礎を有する建物など、他の型式のものであってもよい。また、壁柱7の桁行方向の配置位置や梁間方向の配置列数、壁梁8の高さ方向の設置間隔や同一高さ位置に設ける壁梁8の列数なども上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、壁柱7および壁梁8を梁間方向に複数列設け、壁梁を列毎に異なる高さ位置に設けることなども可能である。これら変更の他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
第1実施形態に係る建物の縦断面図 図1中のII−II断面図 図1中のIII−III断面図 図1中のIV−IV断面図 変形実施形態に係る建物の平断面図 第3実施形態に係る建物の一部を示す縦断面図 第3実施形態に係る建物の一部を示す縦断面図 第4実施形態に係る建物の一部を示す縦断面図 第5実施形態に係る建物の一部を示す縦断面図
符号の説明
1 壁式ラーメン構造建物
3 免震装置
4 住戸
4M メゾネット住戸
4e エントランス
4b バルコニー
4s スキップフロア
4t 吹き抜け
5 共用廊下
7 壁柱
8 壁梁
9 スラブ
10 半階スラブ
11 第1耐力壁
12 第2耐力壁
15 階段
h 天井高
H 階高

Claims (4)

  1. 桁行方向に所定の間隔をもって配置され、横断面が桁行方向に長い複数の壁柱と、当該壁柱を連結する壁梁と、当該壁梁によって支持されるスラブとを備えた壁式ラーメン構造建物であって、
    前記スラブは前記壁梁に対して梁間方向の両側に配置され、一側に配置された一側スラブが前記壁梁の上部に連結され、他側に配置された他側スラブが前記壁梁の下部に連結され、
    梁間方向に沿って延在し、前記壁柱における前記他側に配置された第1耐力壁を更に有し、
    前記第1耐力壁が、前記壁柱と反対側の端部においてフラットプレート構造をなすことを特徴とする壁式ラーメン構造建物。
  2. 前記第1耐力壁が前記壁柱における桁行方向の一端側に連結
    梁間方向に沿って延在し、前記壁柱における前記一側に配置されるとともに、当該壁柱における桁行方向の他端側に連結する第2耐力壁更に有することを特徴とする、請求項1に記載の壁式ラーメン構造建物。
  3. 前記他側スラブが、前記一側スラブに対して略半階分高さが異なるフロアを形成することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の壁式ラーメン構造建物。
  4. 前記他側スラブが、前記一側スラブに対して1階層異なるフロアを形成することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の壁式ラーメン構造建物。
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