JP6472185B2 - 免震建物 - Google Patents

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Description

本発明は、免震装置を有する建物に関する。特には、免震装置上の上部構造における地震力低減効果を利用するとともに、該上部構造の戸内間仕切り壁の一部をRC構造の壁柱とするなどの新規な工夫を加えることにより、柱型や梁型があまり室内に出っ張らないように改良した免震建物に関する。
本特許出願の出願人は、各種の免震建物を開発するとともに、免震建物に関するいくつかの特許(下記参照)を取得している。
特許第3962758号公報 特許第4898207号公報 特許第4914940号公報
本発明は、建物を免震構造とすることで得られる上部構造の地震力低減効果をフルに利用すべく、免震階の構造を抜本的に見直し、柱型や梁型があまり室内に出っ張らないように改良した集合住宅用の建物を提供することを目的とする。これにより、バルコニー側の開放性(透明感)を向上させる、あるいは間取り自由度を高めるなどの利点を有する集合住宅用の建物を提供することを目的とする。
本発明の免震建物は、 免震装置上に支持された強化コンクリート構造(RC構造)の免震階を含む集合住宅用の建物であって、 いずれもRC構造の、 前記免震装置上に載置された免震直上床下梁と、 前記免震直上床下梁の上に立てられた、建物の端部に位置する端壁柱と、 前記免震直上床下梁の上に立てられた間仕切り壁柱と、 前記端壁柱及び/又は前記間仕切り壁柱に接続された各階の床梁と、を備えることを特徴とする。
ここで、「壁柱」とは柱の役割もする壁のことであり、厚さは通常の柱の800mmや950mmよりも薄い250〜500mmである。壁柱は、鉛直荷重(軸力)及び水平荷重(地震力など)の両方を受ける。壁柱内に配設されている鉄筋は、縦筋及び横筋のフープ筋(せん断補強筋)の両方である。一方、単なる「壁」は、水平荷重(地震力など)を受けるのみであり、鉄筋は縦横筋のみである。
本発明の建物においては、戸内間仕切り壁の一部を壁柱とすることにより、壁柱でない普通の柱をなくすか、極力少なくする。これにより、柱型がほとんど無くなり(柱が壁からあまり出っ張らなくなり)、部屋を隅から隅まで広く使えるようになる。また、バルコニー側の窓の幅を広くでき、開放性(透明感)も向上する。
ここで、間仕切り壁柱は、具体的には、トイレや浴室の壁や、レンジ奥の壁、冷蔵庫・食器棚設置スペースの奥壁、物入の奥の壁などを適当な長さだけ間仕切り壁柱とすることができる。こうすれば、間取りの自由度をあまり落とすことなく、柱を壁に吸収できる。
本発明においては、 前記床梁を扁平床梁とすることが好ましい。ここで、「扁平床梁」とは、梁背が比較的低い床兼梁のことであり、梁背は通常の梁の800mmや950mmよりも低い250〜470mmである。扁平床梁は、長期荷重(鉛直力)及び地震荷重(水平力など)の両方受け、内部の鉄筋は横筋及び縦筋のスターラップ筋(せん断補強筋)である。一方、単なる床(RC構造床)は、長期荷重(鉛直力など)を受けるのみであり、鉄筋は横筋のみである。
この場合、梁が床(天井)の下からあまり出っ張らないので、部屋の上下を隅から隅まで使える。また、バルコニー側の窓の高さが高くなって、開放性(透明感)がより向上する。
本発明においては、 前記端壁柱が妻壁又は戸境壁の端部を構成し、 前記間仕切り壁柱が、前記妻壁又は戸境壁と交差する方向に延びるものであり、 前記建物の長辺外壁がRC構造でないものとすることも好ましい。RC構造でない壁とは、乾式壁やALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete )、ボードプラス断熱・遮音材などである。例えば、廊下側の外壁は、ALC+ドア・窓サッシ、バルコニー側は前面窓サッシも可能である。これにより、建物の軽量化・ベランダ側の開放性のより一層の向上などを図れる。
妻壁・戸境壁の延びる方向は、一般的に建物の短辺方向であり、その直行方向が長辺方向である。長辺方向の剛性を間仕切り壁柱で確保し、短辺方向の剛性を端壁柱で確保することができる。
本発明によれば、部屋を隅から隅まで使え、居住スペースの利用効率の高い集合住宅用の建物を提供できる。また、バルコニー側の開放性(透明感)が向上した建物を提供できる。それでいて、間取りの自由度を低下させることもない。
本発明の第1の実施形態に係る建物(2LDKマンション)の間取りなどを示す平面図である。 図1の建物における、免震上層階のRC構造の構成を示す平面断面図である。 図1・2の建物の、RC構造の構成を示す正面断面図(軸組図、図2のY1a断面)である。 図1・2の建物の、RC構造の構成を示す側面断面図(軸組図、図2のX4断面)である。 図1の建物の、免震直上床下梁及び免震最下階床のRC構造の構成を示す平面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る建物(2LDKマンション)の間取りなどを示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る建物(1Kマンション)の間取りなどを示す平面図である。 14階建ての建物に各種地震波が作用した場合における、各階の層せん断力係数Ciを計算した結果をまとめたグラフである。 14階建ての建物に各種地震波が作用した場合における、各階の変位を計算した結果をまとめたグラフである。
1;建物(マンション)、3;外廊下、5;各戸(室)、7;バルコニー
8;エレベータ、9;階段
11;妻壁、11a;端壁柱、11b;壁、11c;中壁柱、
13;戸境壁、13a;端壁柱、13b;壁、13bx;単なる壁、13by;床下壁梁
15−1・2・3;間仕切り壁柱、
17;廊下側外壁、19;バルコニー側外壁、21;戸内間仕切り
26a;端扁平床梁、26b;床、26c;内扁平床梁、
31;床下梁(免震装置直上梁)、33;長辺床下梁、35;短辺床下梁、
37;間仕切り壁柱対応床下梁
41;免震装置(ゴム・鉛プラグ支承)、43;免震装置(滑り支承)、
61;ユニットバス、63;トイレ、65;レンジ
71・72;洋室、73;台所、75;LDK
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る建物を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る建物(2LDKマンション)の間取りなどを示す平面図である。
図1に示すように、この例の建物1は、一つの階に4戸の2LDKの室5が配置されている(左端の室は図示省略)、いわゆるマンションである。階数は、一応6階及び10階を想定した例である。なお、当然のことながら、一階あたりの戸数や階数によって本発明の範囲が限定されるものではない。図の上部に示すように、各戸5に行き来する人などが通る外廊下3が、建物1の長辺に沿って設けられている。外廊下3の図の上側には、エレベータ8と階段9が設けられている。
各戸5には、この例では、6畳程度の洋室2部屋(洋室71・72)と、12畳程度のLDK75、浴室(ユニットバス)61、洗面所62、トイレ63などが設けられている。各戸5の外廊下3側には外壁17やドア、窓などが設けられている。図の一番右側の戸5-1の左隣の戸5-2は、戸5-1と左右勝手違い(線対称)の間取りであり、さらに左隣の戸5-3は、戸5-1と同じ間取りである。
各戸5の外廊下3の反対側(図の下側)は、バルコニー7となっている。バルコニー7とLDK75・洋室72の境は、バルコニー側外壁19となっている。バルコニー側外壁19は、この例では前面窓サッシである。廊下側外壁17は、この例ではALC製などの乾式壁である(窓サッシやドアなどが付設されている)。建物1の階数や床面積などの条件によっては、建物1の長辺に沿う外壁の一部をRC構造としてもよい。
建物1の最外側の短辺、すなわち室5-1の図の右側の辺は、妻壁11となっている(建物1の左端の妻壁は図示省略)。各室5の間には戸境壁13が設けられている。妻壁11及び戸境壁13はRC構造のスラブ壁であり、一部建物の端部は「壁柱」(柱の役割もする壁、図2を参照しつつ後述)となっている。
この建物1においては、戸内の間仕切り壁の一部も、RC構造の壁柱となっている。すなわち、一番右側の戸5-1においては、図の上下方向のほぼ中央部において、図の右側の妻壁11から長辺方向に突出するように、間仕切り壁柱15-1が設けられている。この間仕切り壁柱15-1は、二つの洋室71と洋室72の間の戸内間仕切りの一部となっている。なお、これら以外の間仕切り壁21(太い実線で示す)は乾式壁である。
戸5-1の図の左側の戸境壁13-1からも、二列の間仕切り壁柱15-2・15-3が室内に突出するように設けられている。図の上側の間仕切り壁柱15-2は、浴室61と台所73との間仕切りとなっている。図の下側の間仕切り壁柱15-3は、台所73とLDK75との間仕切りであり、レンジ65の奥側の壁となっている。上述のように、この戸5-1の隣の戸5-2は、戸5-1と左右勝手違い(線対称)の間取り及び間仕切り壁柱配置である。
ここで、図1の建物における免震上層階のRC構造の構成を説明する。図2は、図1の建物の上層階における、RC構造の構成を示す平面断面図(軸組図)である。図3は、図1・2の建物における、RC構造の構成を示す正面断面図(図2のY1a断面、軸組図)である。図4は、図1・2の建物における、RC構造の構成を示す側面断面図(図2のX4
断面、軸組図)である。図5は、図1の建物の、免震直上床下梁及び免震最下階床のRC構造の構成を示す平面断面図(軸組図)である。
図2の右端には、図の上下方向(短辺方向)に延びる妻壁11が示されており、その左側には、同じく図の上下方向に延びる戸境壁13-1や戸境壁13-2が示されている。
妻壁11は、図2の建物1の短辺方向に沿って、上(外廊下3)から図の下(バルコニー7)に向かって、端壁柱11a、壁11b、中壁柱11c、壁11b、間仕切り壁柱15-1の端部、壁11b、端壁柱11aがつながった構造となっている。これらのうち、端壁柱11aと中壁柱11c、間仕切り壁柱15-1は、壁と柱の両方の役割果たす建築用語にいう「壁柱」である。「壁柱」は、鉛直荷重(軸力)及び水平荷重(地震力など)の両方に耐える。壁柱の中に配設される鉄筋は、縦筋及び横筋のフープ筋(せん断補強筋)である。
一方、壁11bは、図4の側面図に示す戸境壁13の壁13b同様に、天井(上の階の床26)の下に沿って短辺方向に延びる床下壁梁13byと、その下に広がる単なる壁13bxとがつながったものである。床下壁梁13byは、鉛直荷重及び水平荷重に耐えうるように構造設計されている。床下壁梁13byの中に配設される鉄筋は、横筋及び縦筋のスターラップ筋(せん断補強筋)である。単なる壁13bxは、水平荷重(地震力など)のみに耐えうるように構造設計されている。単なる壁13bxの中に配設される鉄筋は、縦横筋のみである。
中壁柱11c・13cは、この建物1の場合、妻壁11及び長辺方向中央の戸境壁13-2の、中央部やや廊下3寄り、に入れられている。この中壁柱11c・13cは、間仕切り壁柱15の少ない部位の強度を補うものである。図の右端の戸5-1とその隣の戸5-2との間の戸境壁13-1には、その短辺方向両端部に端壁柱11aが設けられているが、中壁柱11cは設けられていない。それは、同戸境壁13-1の左右両側には、二列の間仕切り壁柱15-2・15-3が設けられていて、強度が十分だからである。端壁柱11a・13aと中壁柱11c・13cの構造上の違いは、通常はない。ただし、端部鉄筋の納り上、柱形状が異なる場合がある。
右端の戸5-1とその隣の戸5-2の間の戸境壁13-1は、建物1の短辺方向に沿って、図2の上(外廊下3)から図の下(バルコニー7)に向かって、端壁柱13a、壁13b、間仕切り壁柱15-2の中央部、壁13b、間仕切り壁柱15-3の中央部、壁13b、端壁柱13aがつながった構造となっている。長辺方向中央の戸境壁13-2は、図の上(外廊下3)から図の下(バルコニー7)に向かって、端壁柱13a、壁13b、壁柱13c、壁13b、間仕切り壁柱15-1の中央部、壁13b、端壁柱13aがつながった構造となっている。各壁柱、各壁の構造・作用は、妻壁11の場合と同じである。
次に、建物1の床構造について説明する。各戸の床は、図2の上(外廊下3)から図の下(バルコニー7)に向かって、端扁平床梁26a、床26b、内扁平床梁26c、床26b、内扁平床梁26c、床26b、端扁平床梁26aがつながった構造となっている。ここで、各扁平床梁は、床と床下(上)梁の両方の役割果たす比較的フラットな床構造体である。扁平床梁は、鉛直荷重及び水平荷重に耐える。扁平床梁の中に配設される鉄筋は、横筋及び縦筋のスターラップ筋(せん断補強筋)である。一方、床26bは、鉛直荷重のみに耐えうるように構造設計されている。床26bの中に配設される鉄筋は、横筋のみである。
端扁平床梁26aは端壁柱11aに接続されており、内扁平床梁26cは間仕切り壁柱15及び中壁柱11cに接続されている。
ここで各部の厚さの通常の範囲と例(図1〜5の建物の例、カッコ内は階数)を紹介する。
端壁柱11a・13aの厚さ;250mm
間仕切り壁柱15の厚さ;250〜450mm、250mm(6階)、250mm(10階)、
450mm(14階)
中壁柱11c・13cの厚さ;250mm
単なる壁13bxの厚さ;200mm(200mm+50mmのフカシ)
床下壁梁13byの厚さ;250mm
端扁平床梁26aの厚さ;250〜320mm、250mm(6階)、270mm(10階)
320mm(14階)
床26b厚さ;250mm
内扁平床梁26cの厚さ;250〜370mm、270mm(6階)、320mm(10階)
370mm(14階)
床下梁11byの梁背;550〜600mm(枠梁)
このように、図1の建物においては、「端壁柱の厚さ ≧ 間仕切り壁柱の厚さ」となっている。この理由は、端部梁鉄筋の定着納りのためである。
また、「端扁平床梁の厚さ ≧ 内扁平床梁の厚さ」となっている。この理由は、地震力の配分割合が異なるためである。
この建物1(7階程度以下)では、妻壁11又は戸境壁13の、端壁柱11a・13a、壁11b・13b及び中壁柱11c・13c端壁柱の厚さが同じ250mmである。このようにすることにより、妻壁11又は戸境壁13のコンクリート打設用型枠を段差なしとすることができ、型枠形状がシンプルとなって型枠作業費を低減している。
また、5階以下程度の建物の場合、端扁平床梁26a、床26b及び内扁平床梁26cについても、厚さを同じ(250mm)にすることができる。この場合も、床のコンクリート打設用型枠の段差を無くすことができ、型枠作業費を低減できる。
図1の建物1における各間仕切り壁柱15の長さは、壁柱15-1が1.8m、壁柱15-2が1.8m、壁15-3が1m、合計4.6mである。なお、長さは、妻壁11や戸境壁13の壁芯からの長さである。この建物1の各戸5の面積(壁芯計算)は55平米である。間仕切り壁柱の長さは、各戸の面積10平米あたり0.84mである。
上述の間仕切り壁柱15以外の間仕切り壁21は乾式壁である。
図5を主に参照して、免震直上床下梁31について説明する。図5は、図1・2の建物の、免震直上床下梁及び免震最下階床の構成を示す平面断面図(軸組図)である。
免震直上床下梁31は、RC構造であり、この例では、一階の床下に設けられている(中間層免震の建物では2階以上の階の床下に設けることもできるし、地下の階の床下に設けてもよい)。この床下梁31は免震装置41・43の上に載せられている。床下梁31は、長辺方向に延びる床下梁33・37と、短辺方向に延びる床下梁35とを格子状に配置したものである。
長辺床下梁33は、建物1の外廊下3側の外壁17(図2・1参照)、及び、バルコニー7側の外壁19の下に沿って、建物1の長辺方向に貫通して延びている。この例の建物1では、両外壁17・19は乾式壁あるいはサッシであるが、その下の長辺床下梁33はRC構造としている。これは、床下梁31の剛性を高めるためである。
床下梁31の短辺中央部にも、長辺方向に延びる間仕切り壁柱15対応の床下梁37が二列設けられている。これらの床下梁37は、前述の間仕切り壁柱15の下に位置する。前述のように、間仕切り壁柱15は、建物の長辺方向の一部分にしか設けられていないが、その対応床下梁37は、建物の長辺方向を貫くように切れ目なく設けられている。これは、床下梁31の剛性を高めるためである。
短辺方向の床下梁35は、妻壁11の下と、戸境壁13の下に設けられている。
床下梁(免震装置上大梁)31の高さは、この例(7階)では1300mmである。
免震装置41、43は、建物1の四隅と、戸境壁13の両端部に配置されている。四隅の免震装置41は、鉛プラグ入りの積層ゴム型のいわゆる復元支承である。戸境壁13の両端部の免震装置43は、コロ式の滑り支承である。これらの免震装置41・43は、図示せぬ基礎上に置かれている。一階の床39は床下梁31の上に張られており、厚さは200mmである。
この実施形態の建物は以下の利点を有する。
ア)柱や梁が壁や天井からあまり出っ張らないので、部屋を隅から隅まで使える。また、バルコニー側の外壁19を広いサッシとすることができ、開放性(透明感)が向上する。なお、本実施形態と同等の通常のマンションでは、柱が800mm角、梁成が800mm程度であり、室内への出っ張りが、それぞれ300mm、600mm程度である。この出っ張りが小さくなることは、室内の使い勝手向上や、窓面積拡大の効果が大である。
イ)間仕切り壁柱15は、室内の一部に設けるだけでよいので、間取り自由度をほとんど阻害することもない。
図6は、第2の実施形態に係る建物101(2LDKマンション)の部分平面図である。図中の符号は、図1の符号に100を足したものを使用してある。
この建物101においては、図の左上に示す洋室121と台所129との間に、図の左側に示す妻壁111から図の右方向に突出するように、間仕切り壁柱15-3が設けられている。また、台所129のレンジ台130の奥壁にも、間仕切り壁柱115−4が設けられている。さらに、図の右側に示す戸境壁113-1から図の左方向に突出するように、洗面所121と便所124の間に間仕切り壁柱115−1が設けられている。また、ウォークインクロゼット126と洋室137との間にも間仕切り壁柱115-2が設けられている。
各間仕切り壁柱の厚さは、6階の建物で250mmであり、250mm(10階)、14階の建物で450mmである。間仕切り壁柱の合計の長さは、一室あたりで5.85mである(床面積は50平米)。間仕切り壁柱の長さは、各戸の面積10平米あたり0.6m程度である。なお、間仕切り壁柱115-3の長さは、台所129の食器棚置き場128の長さにほぼ対応している。食器棚置き場128の隣は冷蔵庫置き場127となっているが、奥行きが冷蔵庫置き場127のほうが深い。この食器棚置き場128と冷蔵庫置き場127の段差に間仕切り壁柱115-3の端部が位置するようにしている。
この例では、妻壁111の短辺方向中央部に二箇所の壁柱115-3・4が存在するので、図2の例のような妻壁11の中壁柱11cは設けられていない。
図7は、第3の実施形態に係る建物201(1ルームマンション)の部分平面図である。図中の符号は、図1の符号に200を足したものを使用してある。
この建物201においては、隣り合う二室205-1・205-2の1ルームの間は、乾式の間仕切り壁214である。そして、二室おきにRC構造の間仕切り壁213が設けられている。室内の洗面所221と便所223との間には、間仕切り壁柱215−1が設けられている。また、ウォークインクロゼット224と洋室217との間にも、間仕切り壁柱215−2が設けられている。各間仕切り壁柱の厚さは250mm(6階)、250mm(10階)、14階の建物で450mmである。間仕切り壁柱の合計の長さは、1ルーム二室あたりで5.8mである(床面積は二室で50平米)。間仕切り壁柱の長さは、各戸の面積10平米あたり0.58mである。
東京近辺の6〜10階立てマンションの場合、間仕切り壁柱の長さは、各戸の面積10平米あたり0.5〜0.8m程度とすれば、十分な耐震性を有しつつ、従来RC構造の太い柱のない建物を実現できる。
次に、14階建ての建物(間取り・軸組図などは図1〜5の、各部の厚さなどは上述のもの)における各種地震波に対する建物の応答の計算結果を、グラフを参照しつつ説明する。
図8は、14階建ての建物に各種地震波が作用した場合における、各階の層せん断力係数Ciを計算した結果をまとめたグラフである。横軸は各階の層せん断力係数Ciであり、縦軸は階数である。
各地震波は、いずれも関東地方沿海部で想定されている地震をモデル化した波形であり、白丸プロットの地震波Aは「6T3KKJ ElcenNSp nLs」、黒丸プロットの地震波Bは「6T3SITE TBN NS nL」、×プロットの地震波Cは「SS2 HachiNSp nLs」である。また、グラフ中の太い実線は設計用の限界値を示し、太い破線は弾性限を示す。グラフから分かるように、本発明の実施形態の建物は、各階とも層せん断力係数Ciが、設計用の限界値や弾性限未満となっており、地震に対する耐性が十分であることが分かる。
図9は、14階建ての建物に各種地震波が作用した場合における、各階の変位を計算した結果をまとめたグラフである。横軸は各階の変位であり、縦軸は階数である(15階はルーフである)。各地震波は図8のものと同じである。グラフから分かるように、本発明の実施形態の建物は、各階とも変位が、設計用の限界値である500mm未満となっており、
地震に対する耐性が十分であることが分かる。

Claims (8)

  1. 免震装置上に支持された強化コンクリート構造(RC構造)の免震階を含む集合住宅用の建物であって、
    いずれもRC構造の、
    前記免震装置上に載置された免震直上床下梁と、
    前記免震直上床下梁の上に立てられた、建物の端部に位置する端壁柱と、
    前記免震直上床下梁の上に立てられた間仕切り壁柱と、
    前記端壁柱及び/又は前記間仕切り壁柱に接続された各階の床梁と、
    を備え
    前記端壁柱が、妻壁又は戸境壁の端部を構成し、
    前記間仕切り壁柱が、前記妻壁又は戸境壁と交差する方向に延びるものであることを特徴とする建物。
  2. 前記建物の長辺外壁がRC構造でないことを特徴とする請求項1記載の建物。
  3. 前記床梁が、扁平床梁であることを特徴とする請求項1又は2記載の建物。
  4. 前記妻壁又は戸境壁における、前記端壁柱とそれ以外の部分の厚さが同じであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の建物。
  5. 前記扁平床梁として、
    前記端壁柱に接続された端扁平床梁と、
    前記間仕切り壁柱に接続された内扁平床梁と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の建物。
  6. 前記端壁柱の厚さ ≧ 前記間仕切り壁柱の厚さであり、
    前記端扁平床梁の厚さ ≧ 前記内扁平床梁の厚さであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の建物。
  7. 前記建物の床が、前記扁平床梁と床とからなり、
    前記扁平床梁と前記床の厚さが同じであることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の建物。
  8. 前記免震直上床下梁が、建物の長辺方向に延びる長辺床梁と、建物の短辺方向に延びる短辺床梁と、からなり、
    前記長辺外壁の下にも前記長辺床梁が設けられていることを特徴とする請求項に記載の建物。
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