JP4097645B2 - 建物 - Google Patents
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Description
しかし、近年における生活の質の向上や多様化に伴い、生活に使用する物品が多種多様化および多数化する傾向にあり、これらの物品を保管、収容するために従来の収納スペースでは広さや容量が不足し、また、建物が建てられる敷地の有効利用という観点から、屋外物置等の設置は望ましくないため、その内部により大きな収納スペースを備えた建物が望まれている。
このような収納付き建物では、収納階を大きな収納スペースとして有効に活用できるとともに、階段の踊り場から収納室に出入りできるので、物品の搬入、搬出を円滑にできる。
このようなスキップフロア型建物では、収納スペースと水平方向に隣接して居室が配置されるため、収納スペースの出し入れ口を隣接する居室に開口することで、居室から水平方向に物品を搬入、搬出することができ、作業が容易になるという効果を奏する。
また、従来例2のスキップフロア型建物においても、段違い状の上側に隣接配置した構造体の側では、通常の2階建ての建物よりも、段違いの高さ寸法だけ建物全体の高さが高くなってしまう。
従って、従来例1および従来例2の建物では、居室として利用できる階の床面積は、通常の2階建ての建物と同程度でありながら、建物全体の高さが高くなることで建設コストが増加するという問題がある。
この発明によれば、特定フロアの中間床上側空間と小屋裏空間とが連通され、吹き抜け空間が形成されることによって、建物全体の高さが高くならず、建設コストの増加を防止しながら、吹き抜け空間や中間床下側空間を居室や収納スペースとして利用できるので、空間の有効利用を図ることができる。
また、吹き抜け空間を覆う屋根や外壁に採光手段が設けられていることにより、吹き抜け空間に外光を導入することができ、吹き抜け空間の居住環境を良好にすることができる。
また、収納空間の天井高を1.0m以上とすることで、大人が屈んで出入りできる高さを確保し、かつ、天井高を1.4m以下とすることで、収納容量を大きくしながら上部居室空間を圧迫せず、建物全体の高さを抑えることができる。また、上部居室空間の天井高を2.1m以上とすることで、通常の生活に支障がない高さを確保できる。
この発明によれば、小屋裏収納空間が吹き抜け空間と隣接し、その出入り口が吹き抜け空間に面して設けられていることにより、さらに収納スペースを確保できるとともに、吹き抜け空間から小屋裏収納空間へ水平方向に物品を出し入れできるので、搬入、搬出の作業が容易にできる。この際、吹き抜け空間の床が中間床によって特定フロアの床よりも高い位置に形成されていることにより、小屋裏収納空間へ物品を出し入れする際に、物品を高い位置まで持ち上げる必要がなく、搬入、搬出の作業がより容易にできる。
この発明によれば、吹き抜け空間を覆う第1の屋根を第2の屋根より上方で、かつ、互いに段差を備えて配置し、この段差間の外壁に高窓を設けることにより、吹き抜け空間に外光を導入するための採光手段を有効に配置でき、吹き抜け空間の居住環境をより良好にできるとともに、窓等が配置しづらい建物の中央部分に吹き抜け空間を構成した場合でも、採光手段を設けることができる。
この発明によれば、吹き抜け空間を覆う屋根にドーマー窓を設けることにより、吹き抜け空間に外光を導入するための採光手段を有効に配置でき、吹き抜け空間の居住環境をより良好にできるとともに、窓等を配置するための十分な外壁が確保できない場合でも、採光手段を設けることができる。
この発明によれば、吹き抜け空間を覆う屋根の外側にルーフバルコニを設け、このルーフバルコニに連通する開口を設けることにより、この開口がルーフバルコニへの出入り口として機能するとともに、吹き抜け空間に外光を導入するための採光手段としても有効であるため、吹き抜け空間の居住環境をより良好にできる。
この発明によれば、吹き抜け空間を覆う屋根を外壁および上部屋根を備えた越屋根とすることにより、この越屋根の外壁部分に、吹き抜け空間に外光を導入するための採光手段である窓を有効に配置でき、吹き抜け空間の居住環境をより良好にできる。
図1ないし図3には、本発明の第1実施形態に係る建物としての住宅1が示されている。そして、図4には、本発明の第2実施形態に係る建物としての住宅1Aが示され、図5、図6には、本発明の第3実施形態に係る建物としての住宅50が示されている。
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、住宅1の全体を示す斜視図であり、図2は、その断面図、図3(A)〜(C)は、その各高さ位置における平面図である。すなわち、図2は、図3(A)〜(C)に示す矢視II−II線断面図であり、図3(A)〜(C)は、図2の矢視IIIA−IIIA線、IIIB−IIIB線、およびIIIC−IIIC線でそれぞれ示す高さ位置における平面図である。
図3(B)に示す住宅1の2階部分には、階段16と連続して2階ホール24が設けられ、この2階ホール24の図中左側に主寝室21が設けられ、2階ホール24の図中右側に副寝室22,23が図中上下に並んで設けられている。
2階中間床40の下側には、中間床下側空間としての収納空間41が設けられている。この収納空間41の出入り口41Aは2階ホール24に開口して設けられている。
なお、収納空間41の出入り口41Aは2階ホール24に開口するものに限らず、主寝室21や副寝室23等の居室空間に開口するものであってもよい。
以上のような構成の2階部分を覆う屋根4は、互いに略同一の傾斜を有する第2の屋根としての屋根4Aおよび第1の屋根としての屋根4Bから構成され、屋根4Aは副寝室22,23の上方を覆い、屋根4Bは主寝室21、上部居室空間42および2階ホール24の上方を覆っている。
また、副寝室22,23と屋根4Aとの間で上部居室空間42および2階ホール24と隣接する位置の小屋裏空間5は、小屋裏収納空間43とされている(図3(C)中破線で示す)。この小屋裏収納空間43の出入り口43Aは、上部居室空間42に開口して設けられている。
(1)2階中間床40の上側空間と小屋裏空間5の一部とを連通し、吹き抜け空間としての上部居室空間42を設けることによって、生活空間として利用可能な居室空間を多く確保でき、建物内空間を有効に利用できる。また、住宅1の高さが通常の2階建ての建物と同程度に抑えられ、建設コストの増加を防止できる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態に係る建物としての住宅1Aの断面図である。
図4において、住宅1Aは、上部居室空間42を覆う屋根形状が前述の第1実施形態の場合と異なるもので、その他の構成は、第1実施形態と同様である。
住宅1Aの屋根は、互いに略同一の傾斜を有する3種類の屋根4A,4Cおよび上部居室空間42を覆う上部屋根4Dから構成され、屋根4Aは2階部分の副寝室22,23の上方を覆い、屋根4Cは主寝室21の上方を覆っている。
すなわち、上部居室空間42を覆う屋根は、屋根4A,4Cの上方に突出する外壁3Eと、この外壁3Eの上方に載置された上部屋根4Dとを有する越屋根とされ、外壁3Eには、上部居室空間42の採光、換気を行う採光手段としての高窓42Aおよび窓42Bが設けられている。
(7)上部居室空間42を覆う上部屋根4Dを越屋根とし、この越屋根の外壁3Eに高窓42Aおよび窓42Bを設けることによって、上部居室空間42に外光や外気を導入することができ、上部居室空間42の居住環境を良好にすることができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図5は、第3実施形態に係る建物としての住宅50の断面図であり、図6(A),(B)は、その各高さ位置における平面図である。すなわち、図5は、図6(A),(B)に示す矢視V−V線断面図であり、図6(A),(B)は、図5の矢視VIA−VIA線、VIB−VIB線でそれぞれ示す高さ位置における平面図である。
図5、図6において、住宅50は、2階建ての建物であり、各階居室の平面および断面構成が前述の第1実施形態の場合と異なるもので、その他建物の材料や工法等は、第1実施形態と同様である。以下、前述の第1実施形態との相違点について説明する。
図6(B)に示す住宅50の2階部分には、階段16と連続して図中右側に主寝室21が設けられている。
1階中間床30の下側は収納空間31とされ(図6(A)中破線で示す)、この収納空間31の出入り口31Aはリビングルーム11に開口して設けられている。
1階中間床30の上側の一部は、2階中間床40の下側空間の一部と連通された中間居室空間32とされ、1階中間床30の上側の他の一部は、外部としてのバルコニ空間33とされている。中間居室空間32とリビングルーム11との間は、壁等で仕切られておらず、空間として連続し、段差部分に設けられた手摺り32Aによって区切られている。
2階中間床40の上側の一部は、2階中間床40の上側空間と小屋裏空間5の一部とが連通された吹き抜け空間としての上部居室空間42とされている。この上部居室空間42と2階部分とは、階段26によって連続されている。
また、上部居室空間42を覆う屋根4の一部には、屋根4から上方へ突出したドーマー4Eが設けられ、このドーマー4Eは、上部居室空間42の採光、換気を行うドーマー窓42Cを有している。
(8)1階中間床30の上側空間と2階中間床40の下側空間とを連通して中間居室空間32を設け、2階中間床40の上側空間と小屋裏空間5とを連通して吹き抜け空間としての上部居室空間42を設けることによって、生活空間として利用可能な居室空間を多く確保でき、建物内空間を有効に利用できる。
例えば、前述の各実施形態では、建物を住宅1,1A,50としたが、これに限らず、事務所用や店舗用に建築される建物等でもよい。また、住宅1,1A,50を2階建てとしたが、これに限らず、平屋や3階建て以上の階数を備える建物でもよく、その際、1階部分や3階以上の階を特定フロアとしてもよい。
建物の発明によれば、特定フロアの中間床上側空間と小屋裏空間とが連通され、吹き抜け空間が形成されることによって、建物全体の高さが高くならず、建設コストの増加を防止しながら、吹き抜け空間や中間床下側空間を居室や収納スペースとして利用できるので、空間の有効利用を図ることができる。
また、吹き抜け空間を覆う屋根や外壁に採光手段が設けられていることにより、吹き抜け空間に外光を導入することができ、吹き抜け空間の居住環境を良好にすることができる。
また、収納空間の天井高を1.0m以上とすることで、大人が屈んで出入りできる高さを確保し、かつ、天井高を1.4m以下とすることで、収納容量を大きくしながら上部居室空間を圧迫せず、建物全体の高さを抑えることができる。また、上部居室空間の天井高を2.1m以上とすることで、通常の生活に支障がない高さを確保できる。
3D,3E 外壁
4 屋根
4A 第2の屋根
4B 第1の屋根
4D 上部屋根
20 居室床
20A 収納空間床
40 2階中間床
41 収納空間
42 上部居室空間(吹き抜け空間)
42A 高窓
42B 窓
42C ドーマー窓
42D 出入り口(開口)
43 小屋裏収納空間
43A 出入り口
H1,H2 天井高
Claims (1)
- 1階の居室空間の隣に中間床がその一部を外壁から突出して設けられ、この中間床の下に収納空間が設けられ、前記中間床の上にルーフバルコニが設けられ、前記中間床の上には前記ルーフバルコニに隣接して中間居室が設けられ、前記収納空間は前記ルーフバルコニの下と前記中間居室の下とで連続して形成され、
前記1階の居室空間と前記収納空間とが基礎の上に配置され、前記収納空間の出入り口が前記居室空間に開口して設けられ、
前記収納空間の天井高H1は1.0m〜1.4mの範囲に設定され、
前記中間床と前記居室空間の床との間には階段が設けられ、前記中間床と前記居室空間の上階の床との間には階段が設けられ、
前記収納空間の床と前記居室空間の床とは段差がないことを特徴とする建物。
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