JP3840501B2 - 工業化住宅 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は工業化住宅に係り、特に、住宅の構成要素のうちの一部を工場生産方式でユニット化して施工するユニット工法住宅に適用した場合に好適な工業化住宅に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工業化住宅として、工場生産化による現場での施工期間の短縮、コスト低減、高品質化等を図ったユニット住宅が知られている。このユニット住宅は、建築すべき建屋の主要構成要素を各階ごとに複数に分割してユニット化した部分を予め工場生産しておき、建築現場では、これらのユニットを順次設置しながら相互に連結して施工することにより建築するものである。
【0003】
また、このユニット住宅としては、その構造材の違いから、鉄骨系ユニット住宅、木質系ユニット住宅などが知られている。そして、このようなユニット住宅においては、建屋の大きさや構造材の種類、敷地面積やその形状、あるいは隣接する地形や地理条件との関係、さらには間取り設計上のある程度の自由度の確保などの点から、ユニット自体の形状、寸法、構造も複数の種類からなるのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ユニット住宅においては、以下のような問題点がある。
すなわち、都心等の狭小敷地に住宅を建設する際においては、北側に隣接する敷地への日照を考慮して、該隣接する敷地との境界と、建屋との間に一定の距離を隔てるために北側斜線制限が定められ、これによって住宅の高さを制限するようにしている。したがって、住宅を設計する場合、当該住宅の北側部分の高さを低くする等、北側斜線を考慮して設計しなければならないので、その設計に苦慮しているのが実情であり、ユニット住宅を設計する際においても、ユニット自体の形状、寸法、構造が多種、多様であるので、同様の苦慮をしている。
【0005】
また、ユニット住宅を構成するユニットのうち、キッチンユニット、バスユニット、玄関ユニット等の天井高の低い低天井高ユニットは、通常の居間等を構成するユニットに比較して平面的な大きさが小さく、かつ天井高も低いので、これら低天井高ユニットを効率的に配置するには、他のユニットとの関係において、その平面的な位置関係ばかりか、2階建て以上の住宅においては、上下の立体的な位置関係をも勘案して配置する必要がある。
【0006】
すなわち、低天井高ユニットの上にその他のユニットを連結する場合、低天井高ユニットの天井高が低いため、当該低天井高ユニットの上に連結されたユニットと、通常の天井高のユニット上に連結されたユニットとの間に不要な段差が生じるとともに、低天井高ユニットは平面的な大きさも小さいので、当該低天井高ユニットの上に連結するユニットはおのずとその平面的、立体的な大きさ、形状が限られたものとなり、結局のところ、前記低天井高ユニットの配置のために、ユニット住宅としての設計上の自由度が在来のものに比べ制約を受けてしまうという問題があった。
【0007】
さらに、近年、住宅においては、例えば1階と2階との間に収納空間となる蔵階を設けたものが提供されているが、この蔵階を設けるにあたり、建物全体の高さがいたずらに高くなるのを防止するために、当該蔵階は、天井高を低くすることができるキッチン、浴室、玄関ホール等の低天井高区画の上に形成している。しかし、上記のようなユニット住宅においては、上述したように、低天井高ユニット上に連結するユニットの平面的、立体的な大きさ、形状が限られたものとなるので、この低天井高ユニット上に蔵階を設けると、必然的に蔵階の大きさ、形状も限られたものとなるという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、低天井高ユニットおよび蔵階を効率的に配置することにより、ユニット住宅としての設計上の自由度を高めることができ、また、低天井高区画の部分をユニット化して、このユニットを北側に配置することにより、狭小敷地における北側斜線制限に対応することができる工業化住宅を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に工業化住宅は、複数個のユニットで構成される基本区画と、ユニットまたはユニット以外の構造材で構成される自由区画とからなる工業化住宅であって、前記基本区画は、前記自由区画よりその高さが低く設定され、かつ前記自由区画の北側に配置され、
前記基本区画内に玄関ユニットが配設されており、
前記自由区画内に前記基本区画内の玄関ユニットに隣接して前記玄関ユニットと出入り方向が同一の車庫が配設され、この車庫と、その2階の室との間には、収納空間となる蔵室を有する蔵階が配設され、前記蔵室が前記車庫の直上に配設され
前記蔵階は、前記基本区画のバスユニットとトイレ、及び、前記自由区画の前記蔵室とで構成され、
前記自由区画内には、1階の居間と、この居間の直上に設けられた2階の室と、前記1階の居間と前記車庫との間に、前記玄関ユニットの出入り方向と直交する方向に沿って配設された階段と、が備えられており、
前記蔵階においては、1階からの登り口に前記蔵室と出入り可能な踊り場と、前記基本区画のバスユニットとトイレと出入り可能な踊り場と、が設けられ、
前記2階においては、前記蔵階からの階段の登り口に廊下が設けられ、この廊下からは2階に設けられた各室に、行き来できるようになっているものである。
【0016】
【作用】
請求項1の工業化住宅にあっては、複数個のユニットで構成される基本区画を、自由区画よりその高さを低く設定し、かつ北側に配置することにより、住宅の北側部分の高さが低くなって、北側斜線に対応したものとなるので、ユニット住宅としての設計が容易なものとなる。
また、前記自由区画内に前記基本区画内に配設された玄関ユニットに隣接して車庫を配設し、この車庫と、当該車庫の直上に、収納空間となる蔵室を配設することによって、蔵室を広くとることができるとともに、蔵階を基本区画から分離して、効率的に配置し、これによりユニット住宅としての設計上の自由度が高まる。また、車庫は天井高を一定以上高くする必要がないので、蔵室の上の上階の室の天井高に大きい影響を及ぼすことがなく、また、蔵階部分のうち、蔵室以外の部分は吹き抜けとすることができるので、居間などのように一般の室より高い天井とするのが望ましい室の天井を高くすることができる。
また、玄関ユニットと車庫を隣接させて配設することによって、車庫の出入口と、玄関とが隣接することとなるので、車庫と住宅内との行き来を素早くすることができ、車庫の使い勝手が良好になる。
【0023】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の工業化住宅の実施例を説明する。
図1から図6は本発明の工業化住宅の第1実施例を示すもので、これらの図において符号1は、蔵階を備えた二階建ての建屋を示す。
この建屋1は、図1から図3に示すように、平面ほぼ矩形状の複数個のユニットで構成される基本区画2と、ユニットまたはユニット以外の構造材で構成される自由区画3とを備えた構成とされ、前記基本区画2は、1階に配設されたキッチンユニットK、玄関ユニットG、および蔵階に配設されたバスユニットBを備えた構成とされている。
【0024】
前記基本区画2を構成するキッチンユニットK、バスユニットB、玄関ユニットGおよび自由区画3を構成する構造材は、本実施例においてはいずれも周知の木質系の構造用パネル(床パネルや壁パネル等)によりそれぞれ構成されている。
すなわち、本実施例の建屋1は、パネル組立型の蔵階を備えた二階建て住宅として例示されているが、基本区画2となる部分が三つのユニットK,B,Gを備えて構成され、これら三つのユニットK,B,Gが北側に配設されるとともに、基本区画2が、自由区画3よりその高さが低く設定され、さらに、前記自由区画3が構造用パネルで構成されている点に大きな特徴がある。
【0025】
次いで、これらの点について詳しく説明すると、1階の基本区画2に配置されているキッチンユニットK、玄関ユニットGは、いずれも平面ほぼ矩形であってかつほぼ同一大きさのユニットとして構成されている。図示例では、例えば、1モジュール(Mとする)=約910mmとすると、間口(長辺)4M、奥行(短辺)2.5M程度の大きさのユニットであり、各ユニットの構造材には木質系の構造用パネルが用いられている。
【0026】
この木質系の構造用パネルとしては、既に周知のものであるが、例えば、複数本の縦芯材および横芯材にて組み上げた枠体の両面または片面に面材を貼付した構造の壁パネルや床パネル、または複数の壁パネルを連結して構成した大型連結パネル、あるいは外面側が外壁となる場合には、外装材の施されたパネルなどが好適に用いられる。
【0027】
前記キッチンユニットKは、図1に示すように、台所としての必要な装備が施されたもので、その内部には、北側の壁に沿う調理台5aと、この調理台5aと対向して収納棚を設置する設置場5bが設けられている。また、キッチンユニットKの西側の壁には勝手口5cが設けられ、調理台5aより上方の壁には窓5dが設けられている。さらに、東側および南側の壁には、それぞれ玄関側および自由区画3に設けられた居間14に通ずる通用口5e,5fが設けられている。
【0028】
前記玄関ユニットGは、玄関三和士および玄関ホールといて必要な仕上が施されたもので、引込壁6aが設けられ、この引込壁6aに玄関ドア6bが設けられ、続いて玄関三和士6c、ホール6dが順に設けられ、また玄関三和士6cの片側には下駄箱6eが設けられている。この玄関ホールGと前記キッチンユニットKとの間には、トイレ7が設けられ、このトイレ7から南側に向けて廊下8が設けられている。
【0029】
蔵階20の基本区画2に配置されているバスユニットBは、図2に示すように、前記キッチンユニットKと同形、同大の平面ほぼ矩形のユニットとして構成され、該キッチンユニットKの上に設けられている。なお、このバスユニットBもその構造材には木質系の構造用パネルが用いられている。
前記バスユニットBは風呂としての必要な装備が施されたもので、内部が仕切壁10aによって2室に区画されている。西側の室は浴室とされ、この浴室には、バスタブ10bが設けられ、このバスタブ10bより上方の壁には窓10cが設けられている。
また、東側の室は洗面室とされ、この洗面室には、洗面台10dが設けられ、この洗面台10dより左斜め上方の壁には窓10eが設けられている。さらに、前記仕切壁10aには、浴室と洗面室との間を行き来するためのドア10fが設けられており、洗面室の右壁には該洗面室と、踊り場11との間を行き来するためのドア10gが設けられている。なお、バスユニットBの東側にはトイレ12が設けられている。
【0030】
前記基本区画2を構成する各ユニットK,G,Bは、1階にキッチンユニットKと玄関ユニットGが、蔵階20にバスユニットBが配置されるとともに北側に配置され、さらに、自由区画3よりその高さが低く設定されている。
すなわち、図4から図6に示すように、寄せ棟の勾配屋根の軒先の一部が前記基本区画2の部分において、勾配に沿って外側に張り出してなる母屋下り部13の下方に前記各ユニットK,G,Bを設けることによって、基本区画2が自由区画3よりその高さが低く設定されている。前記各ユニットK,G,Bは、居間等よりその天井高が低い低天井高ユニットであるので、これらユニットを上下に連接しても、母屋より低い母屋下り部13の下方に容易に配設することができる。
【0031】
前記1階の自由区画3には、図1に示すように、廊下8の西側に居間14が設けられており、東側には階段15を挟んで車庫16が設けられている。居間14を構成する壁のうち外側に面する壁には、窓17a,17bが設けられており、居間14と廊下8とを仕切る壁にはドア18が設けられている。
前記車庫16は、基本区画2の玄関ユニットGに隣接して配設されており、車庫16と玄関ユニットGの出入り方向は同一である。また、図6に示すように、前記玄関ユニットGより低天井高に形成されている。この車庫16の上に蔵階20の蔵室20aが設けられている。
【0032】
図2は蔵階20の間取り構成を示すもので、当該蔵階20は、前記バスユニットBとトイレ12とからなる基本区画2と、蔵室20aを有する自由区画3とで構成されている。この蔵階20においては、前記1階からの階段15の登り口に踊り場21が設けられ、この踊り場21の東側に蔵室20aが設けられている。この蔵室20aは、1階の車庫16の上に設けられたもので、その天井高さ位置は1階の居間14の天井高さ位置と等しく設定され、蔵室20aを構成する壁のうち外側に面する壁には、採光用の窓22,22が設けられている。また、前記踊り場21の西側は1階の居間14の吹き抜け空間であり、この吹き抜け空間を形成する外側に面する壁には採光用の窓23…が設けられている。さらに、蔵室20aの北側には、前記踊り場にから出入り可能なバルコニー24が設けられている。
【0033】
図3は、蔵階20の上方に設けらえれた2階の間取り構成を示すもので、当該2階は、自由区画3に位置している。
2階においては、前記蔵階20からの階段25の登り口に廊下26が設けられ、この廊下26からは2階に設けられた各室27,28,29に、それぞれのドア27a,28a,29aを介して、行き来ができるようになっている。なお、2階部分を構成する外側の壁には適宜窓31…が設けられるとともに、東側と西側を向く壁には、それぞれフラワーボックス32、バルコニー33が設けられている。
【0034】
本実施例による工業化住宅においては、建屋1を基本区画2と自由区画3とに区画し、この基本区画2に、天井高の低いキッチンユニットK、バスユニットB、玄関ユニットGを配設して、当該基本区画2を自由区画3よりその高さを低く設定し、この基本区画2を北側に配置したので、住宅の北側部分が低くなって、北側斜線に対応したものとなるので、ユニット住宅としての設計が容易なものとなる。
【0035】
また、前記基本区画2をキッチンユニットK、バスユニットB、玄関ユニットGを備えた構成とすることにより、基本区画2が簡単なユニット構成になって、工業化を図り易い形態となり、また当該ユニットK,G,Bは、自由区画3から独立した効率的な配置となり、該自由区画3をユニットまたはユニット以外の構造材で構成することにより、ユニット住宅としての設計上の自由度を高めることができる。
【0036】
さらに、1階の自由区画3内に基本区画2の玄関ユニットGに隣接して低天井高の車庫16を配設し、この車庫16の上に収納空間となる蔵室20aを配設したので、蔵室20aを広くとることができるとともに、蔵階20を基本区画2から分離して、効率的に配置することができ、これによりユニット住宅としての設計上の自由度を高めることができる。
また、車庫16は天井高を一定以上高くする必要がないので、この車庫16の上に設けられた蔵室20aの上の上階の室の天井高に大きい影響を及ぼすことがなく、また、蔵階部分のうち、蔵室20a以外の部分は吹き抜けとすることができるので、居間14の天井を高くすることができる。
【0037】
加えて、玄関ユニットGに隣接させて玄関ユニットGと出入り方向が同一の車庫16を配設したので、車庫16の出入り口と、玄関ドア6bとが隣接することとなり、車庫16と建屋1内との行き来を素早くすることができ、車庫16の使い勝手を良好にすることができる。
【0038】
また、基本区画2をキッチンユニットK、バスユニットB、玄関ユニットGで構成し、自由区画3を構造用パネルで構成したことにより、基本区画2は付加価値の高い内装の施されたユニットとして輸送するので、輸送効率の低下を防ぐことができ、一方、自由区画3については輸送効率の良好な構造用パネルで構成するので、すべてをユニットとして構成したものに比べ、全体として輸送効率が向上する。
【0039】
特に、自由区画3の構造材を構造用パネルで構成することにより、構造用パネルは立て並びや積み重ね状態で輸送可能であるから、自由区画3部分の輸送効率が格段に向上するとともに、構造用パネルは工場生産方式で、大型連結パネル化して製作しておくことも可能であるので、建屋1全体をユニットで構成しなくても、十分に高度工業化に適した構造様式の住宅となる。
【0040】
また、基本区画2を構成する各ユニットの構造材を構造用パネルで構成するとともに、自由区画3の構造材も構造用パネルで構成したことにより、全体が同じ構造用パネルで構成されるので、構造用パネルどうしの接合に既存の接合方法を採用することができる。
【0041】
図7から図10は本発明の工業化住宅の第2実施例を示すものである。これらの図に示す工業化住宅においては、玄関ユニットGが南東側に配設されるとともに、この玄関ユニットGに隣接して、バスユニットBが1階の北側に配設され、さらに、キッチンユニットKが、図9に示すように、前記バスユニットBの上でかつ2階の北側に配設されたものである。
1階のバスユニットBの側部にはトイレ7が設けられており、このトイレ7の側部に居間14が設けられている。前記玄関ユニットGの玄関三和士6cの側部には、車庫16が設けられ、この車庫16と前記居間14との間に階段15が設けられている。
【0042】
図8は蔵階20の間取り構成を示すもので、蔵階20の蔵室20aが前記車庫16の上に配設されている。
図9は2階の間取り構成を示すもので、前記蔵室20aの上に室35が設けられている。また、2階においては、前記居間14の上に室36,37が連続して設けられ、室37の側部に前記キッチンユニットKが設けられている。
このキッチンユニットKに隣接して室38が設けられている。この室38はユニットからなるもので、前記玄関ユニットGの上に配設されている。
【0043】
そして、上記構成の建屋1においては、図7から図10において北側の部分が基本区画2とされ、その他の部分が自由区画3とされている。
基本区画2は、1階のバスユニットB、玄関ユニットG、居間14の一部分および2階のキッチンユニットK、ユニットで構成された室38、室36,37の一部で構成されており、図10に示すように、平面視L字状をなす母屋下がり部13の下方に配設され、自由区画3よりその高さが低く設定されている。また、基本区画2は、平面視において建屋1の北側の頂部を頂点とするL字状に形成されているので、全体として建屋1の北側に配設されたものである。
なお、本実施例においても、基本区画2を構成するユニットの構造材および自由区画を構成する構造材はいずれも構造用パネルで構成されている。
【0044】
本第2実施例においては、前記第1実施例と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、居間14の上方に第1実施例のような吹き抜け空間を作ることなく、室36,37を設けたので、この室36,37の天井の1階からの高さを低くすることができ、よって、室36,37を母屋下がり部13の下方に配設することができる。
【0045】
なお、上記第1および第2実施例においては、基本区画2を構成する各ユニットの構造材および自由区画3を構成する構造材を木質系の構造用パネルで構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、基本区画を構成する各ユニットの構造材を鉄骨で構成する、いわゆる鉄骨ユニットとして構成してもよい。また、基本区画2を鉄骨ユニットで、自由区画3を構造用パネルで構成してもよい。さらに、自由区画3もユニットで構成してもよいが、輸送効率の点からは実施例で示したような構造用パネル、あるいはその他の構造材で構成するのが望ましい。
【0046】
以上説明したように、本発明の工業化住宅によれば、以下のような優れた効果を奏する。請求項1の工業化住宅によれば、複数個のユニットを備えた基本区画を、自由区画よりその高さを低く設定し、かつ北側に配置したので、住宅の北側部分の高さが低くなって、北側斜線に対応したものとなり、よってユニット住宅としての設計が容易なものとなる。
また、自由区画内に前記基本区画内に配設された玄関ユニットに隣接して車庫を配設し、この車庫と当該車庫の上階との間に、収納空間となる蔵室を有する蔵階を配設し、前記蔵室を車庫の直上に配設したので、蔵室を広くとることができるとともに、蔵階を基本区画から分離して、効率的に配置し、これによりユニット住宅としての設計上の自由度を高めることができる。また、車庫は天井高を一定以上高くする必要がないので、蔵室の上の階の室の天井高に大きい影響を及ぼすことがなく、また、蔵階部分のうち、蔵室以外の部分は吹き抜けとすることができるので、居間などのように一般の室より高い天井とするのが望ましい室の天井を高くすることができる。
また、玄関ユニットに隣接させて車庫を配設したので、車庫の出入口と、玄関とが隣接することになり、よって車庫と住宅内との行き来を素早くすることができ、車庫の使い勝手が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の工業化住宅を示すもので、1階の平面図である。
【図2】同、蔵階の平面図である。
【図3】同、2階の平面図である。
【図4】同、建屋を東側から見た正面図である。
【図5】同、建屋の平面図である。
【図6】同、建屋の側断面図である。
【図7】本発明の第2実施例の工業化住宅を示すもので、1階の平面図である。
【図8】同、蔵階の平面図である。
【図9】同、2階の平面図である。
【図10】同、建屋の平面図である。
【符号の説明】
1 建屋
2 基本区画
3 自由区画
13 母屋下り部
16 車庫
20 蔵階
20a 蔵室
K キッチンユニット
G 玄関ユニット
B バスユニット

Claims (1)

  1. 複数個のユニットで構成される基本区画と、ユニットまたはユニット以外の構造材で構成される自由区画とからなる工業化住宅であって、前記基本区画は、前記自由区画よりその高さが低く設定され、かつ前記自由区画の北側に配置され、
    前記基本区画内に玄関ユニットが配設されており、
    前記自由区画内に前記基本区画内の玄関ユニットに隣接して前記玄関ユニットと出入り方向が同一の車庫が配設され、この車庫と、その2階の室との間には、収納空間となる蔵室を有する蔵階が配設され、前記蔵室が前記車庫の直上に配設され
    前記蔵階は、前記基本区画のバスユニットとトイレ、及び、前記自由区画の前記蔵室とで構成され、
    前記自由区画内には、1階の居間と、この居間の直上に設けられた2階の室と、前記1階の居間と前記車庫との間に、前記玄関ユニットの出入り方向と直交する方向に沿って配設された階段と、が備えられており、
    前記蔵階においては、1階からの登り口に前記蔵室と出入り可能な踊り場と、前記基本区画のバスユニットとトイレと出入り可能な踊り場と、が設けられ、
    前記2階においては、前記蔵階からの階段の登り口に廊下が設けられ、この廊下からは2階に設けられた各室に、行き来できるようになっていることを特徴とする工業化住宅。
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