JP2019184036A - カバー部材およびこれを備える内燃機関 - Google Patents

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啓一 上浦
Keiichi Kamiura
啓一 上浦
誠司 平
Seiji Taira
誠司 平
鈴木 裕子
Hiroko Suzuki
裕子 鈴木
戸倉光一
Koichi Tokura
光一 戸倉
沢男 牧野
Sawao Makino
沢男 牧野
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Abstract

【課題】液状シール剤を用いたカバー部材の取り付け構造に関する改良技術の提供。【解決手段】液状シール剤LGが塗布されるフランジ12の当接面12aのうち、発電始動装置70が取り付けられるボス部19aの当接面12aであって、ボルト挿通孔16aに関して内周縁側の部分に凹溝18を形成する。これにより、フロントカバー10のボス部19aをシリンダブロック6のボス部39aに締結するボルトの締め付けが進むに伴って、液状シール剤LGがボス部19aの当接面12aとボス部39aの当接面34a’との間で押し延ばされて、その一部がボルト挿通孔16aに向かって流れても、当該液状シール剤LGを凹溝18に収容することができる。この結果、液状シール剤LGがボルト挿通孔16aに流出することを効果的に防止することができる。もとより凹溝18が有底凹部であるため、収容された液状シール剤LGがボルトの座面に流出することもない。【選択図】図11

Description

本発明は、機械的機構が収容されたケース部材に液状シール剤を介してボルトによって締結されるカバー部材およびこれを備える内燃機関に関する。
特開2017−32025号公報(特許文献1)には、機械的機構が収容されるハウジングのベースプレートに液状シール剤を介して当接されるフランジを有し、当該フランジをボルトによりベースプレートに締結することによって、ハウジングの開口を塞ぐように構成されたカバー部材が記載されている。当該カバー部材では、フランジのボルト挿通孔を含む当該ボルト挿通孔近傍に、当該フランジを貫通する貫通孔が形成されている。
上述した公報に記載のカバー部材では、フランジをベースプレートに締め付ける際に、フランジとベースプレートとの間で押し延ばされる液状シール剤が貫通孔に収容されるため、液状シール剤がボルト挿通孔に浸入することによる不具合、例えば、ボルトの締結力(軸力)不足や硬化した液状シール剤のボルトねじ込みによる他の部品中への落下などを抑制し得る。
特開2017−32025号公報
しかしながら、上述した公報に記載のカバー部材では、液状シール剤を貫通孔に収容する構成であるため、当該貫通孔から液状シール剤が流出する場合がある。貫通孔から液状シール剤が流出して、ボルトの座面に液状シール剤が付着した状態でボルト締結が行われると、ボルトに緩みが生じる場合があり、液状シール剤を用いたカバー部材の取り付け技術に関して、なお改良の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、液状シール剤を用いたカバー部材の取り付け構造に関する改良技術を提供することを目的の一つとする。
本発明のカバー部材およびこれを備える内燃機関は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係るカバー部材の好ましい形態によれば、機械的機構が収容されたケース部材に液状シール剤を介してボルトによって締結されるカバー部材が構成される。当該カバー部材は、ケース部材に当接する当接面を有するフランジを備えている。当該フランジには、ボルトが挿通されるボルト挿通孔が形成されている。そして、当接面は、液状シール剤が塗布されるシール剤塗布部と、当該シール剤塗布部とボルト挿通孔との間に配置された有底凹部と、を有している。ここで、本発明における「シール剤塗布部とボルト挿通孔との間」とは、シール剤塗布部の一部およびボルト挿通孔の一部を含む概念である。
本発明によれば、カバー部材をケース部材に締結する際に、カバー部材の当接面とケース部材との間で押し延ばされる液状シール剤が有底凹部に収容されるため、液状シール剤がボルト挿通孔に浸入することによる不具合、例えば、ボルトの締結力(軸力)不足や硬化した液状シール剤のボルトねじ込みによる他の部品中への落下などを抑制することができる。しかも、有底凹部に液状シール剤を収容する構成であるため、貫通孔に液状シール剤を収容する構成のように収容した液状シール剤がボルトの座面に流出することがない。これにより、ボルトに緩みが生じることもない。
本発明に係るカバー部材の更なる形態によれば、フランジは、機械的機構の稼動に関連して作動する補機と共にケース部材に共締めされるように構成されている。そして、有底凹部は、当接面のうち補機の作動に起因して生じる入力が作用しない領域に設けられている。ここで、本発明における「機械的機構の稼働に関連して作動する補機」とは、機械的機構が稼働することに伴って補機が作動する態様の他、機械的機構を稼働するために補機が作動する態様を好適に包含する。
本形態によれば、当接面のうち補機の作動に起因して生じる入力が作用しない領域に有底凹部を設ける構成であるため、当接面とケース部材との締結力(当接面とケース部材との間の面圧)が低下することがない。これにより、補機の作動に起因して生じる入力が当接面に作用しても、当接面がケース部材から乖離されること(いわゆる「口開き」)を良好に防止することができる。この結果、合理的な補機の取り付けとシール性の低下の防止との両立を図ることができる。
本発明に係る内燃機関の好ましい形態によれば、シリンダヘッドと、当該シリンダヘッドに回転可能に支持されたカムシャフトと、シリンダヘッドが締結されるケース部材としてのシリンダブロックと、当該シリンダブロックに回転可能に支持される機械的機構の一つしてのクランクシャフトと、カムシャフトとクランクシャフトとに巻き掛けられ当該クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するように構成されたタイミングチェーンと、当該タイミングチェーンを覆うようにシリンダヘッドおよびシリンダブロックに締結される上述したいずれかの態様の本発明に係るカバー部材としてのフロントカバーと、クランクシャフトのうちフロントカバーから突出した当該クランクシャフトの先端部に取り付けられるクランクプーリと、シリンダブロックとフロントカバーとに共締めされた始動装置と、を備えている。始動装置は、回転軸と、当該回転軸の先端に取り付けられたプーリと、を有している。また、クランクプーリとプーリとには、ベルトが巻き掛けられている。そして、当該内燃機関は、始動装置の作動に伴ってクランクシャフトが回転されることにより始動可能に構成されている。
本発明によれば、上述したいずれかの態様の本発明に係るカバー部材としてのフロントカバーを備える構成であるため、本発明のカバー部材が奏する効果と同様の効果、例えば、ボルトの締結力(軸力)不足や硬化した液状シール剤のボルトねじ込みによる他の部品中への落下などを抑制することができる効果や、貫通孔に液状シール剤を収容する構成のように収容した液状シール剤がボルトの座面に流出することがなく、ボルトに緩みが生じることもないという効果などを奏することができる。
本発明によれば、液状シール剤を用いたカバー部材の取り付け構造に関する改良技術を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関1の構成の概略を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関1の構成の概略を示す分解斜視図である。 シリンダヘッド2を上方から見た平面図である。 シリンダヘッド2の外観を示す斜視図である。 シリンダブロック6の外観を示す斜視図である。 シリンダブロック6にシリンダヘッド2が組み付けられた状態を示す説明図である。 オイルパン8の外観を示す斜視図である。 フロントカバー10を表面側から見た斜視図である。 フロントカバー10の裏面側から見た斜視図である。 フロントカバー10を表面側から見た正面図である。 フロントカバー10の裏面側から見た裏面図である。 ボス部19aの当接面12a近傍を拡大して示す要部拡大図である。 図12のA−A断面を示す断面図である。 発電始動装置70が取り付けられた内燃機関1をクランクシャフト37およびシリンダボア33の軸線方向の両方に直交する方向の一方側から見た側面図である。 発電始動装置70が取り付けられた内燃機関1をクランクシャフト37の軸線方向の一方側であってフロントカバー10側から見た正面図である。 発電始動装置70とフロントカバー10との位置関係をフロントカバー10側の裏側から見た背面図である。 図14のB−B断面を示す断面図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係る内燃機関1は、図1および図2に示すように、本実施の形態に係るシリンダヘッド2と、当該シリンダヘッド2の上部に取り付けられたロッカーカバー4と、シリンダヘッド2の下部に取り付けられたシリンダブロック6(図2のみに記載)と、シリンダブロック6の下部に取り付けられたオイルパン8と、本発明の実施の形態に係るフロントカバー10と、を備えている。内燃機関1は、当該内燃機関1に取り付けられる発電始動装置70によって始動され、図示しない燃焼室で生じる燃焼圧力によってピストン(図示せず)を後述するシリンダボア33内で往復運動させ、ピストンの往復運動を後述するクランクシャフト37の回転運動に変換することにより動力を出力する。ここで、発電始動装置70は、本発明における「補機」および「始動装置」に対応し、図示しないピストンやクランクシャフト37は、本発明における「機械的機構」に対応する実施構成の一例である。
シリンダヘッド2は、図4に示すように、一対の側壁22a,22b、前壁22c、および、後壁22dによって外郭が形成されており、図2および図3に示すように、吸気および排気カムシャフト2a,2bを回転可能に支持するように構成されている。吸気および排気カムシャフト2a,2bは、本発明における「カムシャフト」に対応する実施構成の一例である。
一対の側壁22a,22bは、図示しない燃焼室の配列方向(図3の上下方向)に沿って延在するように構成されている。また、前壁22cおよび後壁22dは、図示しない燃焼室の配列方向(図3の上下方向)に直交する方向、換言すれば、一対の側壁22a,22bに直交する方向に延在して当該一対の側壁22a,22bを接続するように構成されている。
前壁22cの一対の側壁22a,22bとの接続部(前壁22cの延在方向の両端部)には、図4に示すように、フランジ24a,24bが形成されている。当該フランジ24a,24bは、フロントカバー10が当接される当接面24a’,24b’を有しており、一対の側壁22a,22bの延在方向(燃焼室の配列方向)、および、前壁22cと後壁22dの延在方向(燃焼室の配列方向に直交する方向)のいずれにも直交する方向(図4の上下方向)に延在するように構成されている。フランジ24a,24bには、フロントカバー10を締結するためのボルト(図示せず)がネジ係合されるネジ孔25が複数形成されている。なお、図3に示すように、吸気および排気カムシャフト2a,2bの軸方向一端部が前壁22c側に突出されており、当該軸方向一端部にカムスプロケット3a,3bが取り付けられている。
シリンダブロック6は、一対の側壁32a,32b、前壁32c、および、後壁32dによって外郭が形成されており、図5に示すように、クランクシャフト37を回転可能に支持するように構成されている。シリンダブロック6は、本発明における「ケース部材」に対応する実施構成の一例である。
一対の側壁32a,32bは、シリンダボア33の配列方向に沿って延在するように構成されている。また、前壁32cおよび後壁32dは、シリンダボア33の配列方向に直交する方向、換言すれば、一対の側壁32a,32bに直交する方向に延在して当該一対の側壁32a,32bを接続するように構成されている。
前壁32cの一対の側壁32a,32bとの接続部(前壁32cの延在方向の両端部)には、図5に示すように、フランジ34a,34bが形成されている。当該フランジ34a,34bは、フロントカバー10が当接される当接面34a’,34b’を有しており、シリンダボア33の軸線方向(図5の上下方向)に延在するように構成されている。フランジ34a,34bには、フロントカバー10を締結するためのボルト(図示せず)がネジ係合されるネジ孔35が複数形成されている。
また、フランジ34aには、図6に示すように、発電始動装置70を取付けるためのボルト(図示せず)が挿通される2つのボルト挿通孔36a,36bが形成されている。フランジ34aのうちボルト挿通孔36a,36bが形成されたボス部39a,39bは、フランジ34aの他の部分よりも厚み(孔深さ)が大きく設定されている(図5参照)。
クランクシャフト37は、図5に示すように、その軸方向一端部が前壁32c側に突出する長さに構成されており、当該突出部にクランクスプロケット37a(図6も併せて参照)が取り付けられる。なお、前壁32c側に突出したクランクシャフト37の軸方向一端部は、クランクスプロケット37aを貫通して延出(クランクスプロケット37aから突出)して、シリンダヘッド2、ロッカーカバー4、シリンダブロック6およびオイルパン8に締結されるフロントカバー10の後述する貫通孔13を貫通して外部に突出される(図1参照)。
クランクスプロケット37aとカムスプロケット3a,3bには、図6に示すように、タイミングチェーン23が巻掛けられており、クランクシャフト37の回転が吸気カムシャフト2aおよび排気カムシャフト2bに伝達される。これにより、クランクシャフト37の回転に伴って図示しない吸気バルブや排気バルブが開閉駆動される。
オイルパン8は、シリンダブロック6と共にクランク室を構成する部品であり、図7に示すように、桶状に構成されている。オイルパン8は、クランクシャフト37の軸線方向に沿って延在するように構成された一対の側壁42a,42bと、クランクシャフト37の軸線方向に直交する方向に延在して一対の側壁42a,42bを接続するように構成された後壁42dと、を備えている。後壁42dに対向する側、即ち、一対の側壁42a,42bの延在方向のうち後壁42dが接続された側とは反対側は開口されており、その開口端にはフランジ44が形成されている。
フランジ44は、図7に示すように、一対の側壁42a,42bの延在方向の一方側から見た場合に、略U字状に形成されており、フロントカバー10が当接される当接面44aを有している。フランジ44には、フロントカバー10を締結するためのボルト(図示せず)がネジ係合されるネジ孔45が複数形成されている。
フロントカバー10は、図8ないし図11に示すように、内燃機関1のロッカーカバー4からオイルパン8までの長さを有する長尺状のカバー部材として構成されている。フロントカバー10には、図8および図10に示すように、長手方向の中央部よりも若干長手方向の一端寄り(図8および図10の下方寄り)の位置に貫通孔13が形成されていると共に、図9および図11に示すように、外縁部のうちロッカーカバー4に対応する上方(図9および図11の上方)部分を除く全域にフランジ12が形成されている。フロントカバー10は、本発明における「カバー部材」に対応する実施構成の一例である。
フランジ12は、図11に示すように、貫通孔13の軸線方向の一方側から見た場合に、略U字状に構成されており、シリンダヘッド2のフランジ24a,24b、シリンダブロック6のフランジ34a,34bおよびオイルパン8のフランジ44に当接する当接面12aを有している(図9および図11参照)。
また、フランジ12には、シリンダヘッド2のフランジ24a,24b、シリンダブロック6のフランジ34a,34bおよびオイルパン8のフランジ44に形成された各ネジ孔25,35,45に対応する位置にボルト挿通孔15が形成されている(図9ないし図11参照)。
さらに、フランジ12には、シリンダブロック6のフランジ34a,34bに形成されたボルト挿通孔36a,36bに対応する位置にボルト挿通孔16a,16bが形成されている(図10および図11参照)。
フランジ12の当接面12aのうちボルト挿通孔16aに関して内周縁側(フランジ12の張り出し方向の始端部側、タイミングチェーン23が収容される側)の部分であって、発電始動装置70の作動に起因して生じる入力(発電始動装置70の振動などに起因してフランジ12とフランジ34aとの締結を解除させる(口開きさせる)方向に作用する入力)が作用しない領域には、図11および図12に示すように、凹溝18が形成されている。凹溝18は、一部がボルト挿通孔16aに接続される態様で形成されている。凹溝18は、本発明における「有底凹部」に対応する実施構成の一例である。
凹溝18は、図12に示すように、ボルト挿通孔16aに接続された円弧部18aと、当該円弧部18aの両端からボルト挿通孔16aの略接線方向に延出した延出部18b,18cと、を有する略V字状に構成されており、図13に示すように、深さ方向において袋小路状(有底、フランジ12を貫通していない)に形成されている。また、凹溝18は、本実施の形態では、塗布される液状シール剤のうちボルト挿通孔16aの円周方向の半周分に相当する長さ分の量の液状シール剤LGの全てを収容可能な大きさ(容量)を有する形状に形成されている。
また、ボルト挿通孔16bは、図11に示すように、他のボルト挿通孔15,16aに比べてフランジ12の内周縁(フランジ12の張り出し方向の始端部、タイミングチェーン23が収容される側の端部)から離れた位置に配置されている。換言すれば、フランジ12のうち他の部分に比べて大きく張り出された部分の張り出し先端部にボルト挿通孔16bが形成されている。
こうして構成されたフロントカバー10は、図示しないボルトによって、シリンダヘッド2、シリンダブロック6およびオイルパン8に締結される。ここで、フロントカバー10をシリンダヘッド2、シリンダブロック6およびオイルパン8に締結するに際して、フランジ12の当接面12aには、図11に示すように、液状シール剤LGが塗布される。具体的には、当接面12aのうち各ボルト挿通孔15,16a,16bよりも当接面12aの内周縁側(フランジ12の張り出し方向の始端部側、タイミングチェーン23が収容される側)の領域に液状シール剤LGが塗布される。なお、ボルト挿通孔16aの近傍においては、凹溝18よりも当接面12aの内周縁側(フランジ12の張り出し方向の始端部側、タイミングチェーン23が収容される側)の領域に液状シール剤LGが塗布される。ここで、当接面12aのうち各ボルト挿通孔15,16a,16bよりも当接面12aの内周縁側(フランジ12の張り出し方向の始端部側、タイミングチェーン23が収容される側)の領域は、本発明における「シール剤塗布部」に対応する実施構成の一例である。
このように液状シール剤LGが塗布されたフロントカバー10のフランジ12の当接面12aを、シリンダヘッド2のフランジ24a,24bの当接面24a’,24b’、シリンダブロック6のフランジ34a,34bの当接面34a’,34b’およびオイルパン8のフランジ44の当接面44aに当接させた状態で、図示しないボルトをフランジ12のボルト挿通孔15から挿通して、シリンダヘッド2のフランジ24a,24bのネジ孔25、シリンダブロック6のフランジ34a,34bのネジ孔35およびオイルパン8のフランジ44のネジ孔45にネジ係合させることによって、フロントカバー10がシリンダヘッド2、シリンダブロック6およびオイルパン8に締結される。
なお、フロントカバー10のシリンダヘッド2、シリンダブロック6およびオイルパン8への締結が完了したときには、フロントカバー10の貫通孔13からクランクシャフト37の軸方向一端部が突出された状態となっている。当該突出したクランクシャフト37の軸方向一端部には、クランクプーリCPが取り付けられる(図1参照)。
また、フロントカバー10がシリンダヘッド2、シリンダブロック6およびオイルパン8に締結された状態において、発電始動装置70の取り付けが行われる。発電始動装置70の内燃機関1への取り付けは、フロントカバー10のフランジ12のうちボルト挿通孔16aが形成されたボス部19a(図8および図10参照)およびシリンダブロック6のフランジ34aのボス部39a(図5および図6参照)を、発電始動装置70の一対の取付フランジ74a,74b(図15ないし図17参照)によって挟み込むと共に、フロントカバー10のフランジ12のうちボルト挿通孔16bが形成されたボス部19b(図8および図10参照)およびシリンダブロック6のフランジ34aのボス部39b(図5および図6参照)を、発電始動装置70の一対の取付フランジ75a,75b(図15ないし図17参照)によって挟み込む態様で発電始動装置70を設置し、当該状態で図示しないボルトによってフランジ12,34aと共に取付フランジ74a,74b,75a,75bを共締めすることによって行われる(図14ないし図16参照)。
こうして取り付けられた発電始動装置70のプーリPと、クランクプーリCPと、にベルトVが巻き掛けられる(図1参照)。これにより、発電始動装置70の作動によって回転する回転軸72の回転がクランクシャフト37に伝達され(図1参照)、内燃機関1が始動される。なお、発電始動装置70は、クランクシャフト37からの回転がベルトVを介して回転軸72に伝達されることによって、発電機としても作動する。
次に、フロントカバー10がシリンダヘッド2、シリンダブロック6およびオイルパン8に締結される際の液状シール剤の様子、特に、フロントカバー10のフランジ12の当接面12aのうちボス部19a,19b近傍の当接面12aと、シリンダブロック6のフランジ34aの当接面34a’のうちボス部39a,39bの当接面34a’と、の間の液状シール剤の様子について説明する。
図示しないボルトによってボス部19a,19bおよびボス部39a,39bの締め付けが進むに伴い、液状シール剤LGがボス部19a,19bの当接面12aと、ボス部39a,39bの当接面34a’と、の間で押し延ばされる。押し延ばされた液状シール剤LGの一部は、ボルト挿通孔16a,16bに向かって流れる。
ここで、ボルト挿通孔16aと当接面12aの内周縁側(フランジ12の張り出し方向の始端部側、タイミングチェーン23が収容される側)との間には、凹溝18が形成されているため、ボルト挿通孔16aに向かって流れる液状シール剤LGは当該凹溝18に収容される。なお、凹溝18は、袋小路状(有底)に形成されていると共に、塗布された液状シール剤LGのうちボルト挿通孔16aの円周方向の半周分に相当する長さ分の量の液状シール剤LGの全てを収容可能な大きさ(容量)を有するように形成されているため、ボルト挿通孔16aに向かって流れる液状シール剤LGがボルト挿通孔16aに流出することを効果的に防止することができる。
一方、ボルト挿通孔16bに向かって流れる液状シール剤LGは、当該ボルト挿通孔16bが大きく張り出したボス部19bの先端寄りに形成されているため、ボルト挿通孔16bに到達することがなく、当該ボルト挿通孔16bへの流出が良好に防止され得る。
このように、発電始動装置70を取り付けるためのボルト(図示せず)が挿通されるボルト挿通孔16a,16bのいずれにも液状シール剤LGが流出することを防止できるため、当該ボルトの座面に液状シール剤LGが流出することがなく、発電始動装置70を取り付けた後にボルト緩みが発生することを防止することができる。また、ボルトをねじ込む際に硬貨した液状シール剤LGが他の部品中に落下することも防止できる。
さらに、凹溝18が発電始動装置70の作動に起因して生じる入力(発電始動装置70の振動などに起因してフランジ12とフランジ34aとの締結を解除させる(口開きさせる)方向に作用する入力)が作用しない領域に設けられているため、発電始動装置70の振動などに起因して生じる入力がボス部19a,39aに作用しても、ボス部19aの当接面12aがシリンダブロック6のボス部39aの当接面34a’から乖離されること(いわゆる「口開き」)を良好に防止することができる。なお、フロントカバー10とシリンダブロック6との締結部であるボス部19a,19bおよびボス部39a,39bを発電始動装置70の取付部として利用する構成であるため、合理的な発電始動装置70の取り付けを実現できる。
以上説明した本発明の実施の形態に係るフロントカバー10によれば、液状シール剤LGが塗布されるフランジ12の当接面12aのうち、発電始動装置70が取り付けられるボス部19aの当接面12aであって、ボルト挿通孔16aに関して内周縁側(フランジ12の張り出し方向の始端部側、タイミングチェーン23が収容される側)の部分に、凹溝18を形成する構成であるため、フロントカバー10のボス部19aをシリンダブロック6のボス部39aに締結するボルトの締め付けが進むに伴って、液状シール剤LGがボス部19aの当接面12aとボス部39aの当接面34a’との間で押し延ばされて、その一部がボルト挿通孔16aに向かって流れても、当該液状シール剤LGを凹溝18に収容することができる。これにより、液状シール剤LGがボルト挿通孔16aに流出することを効果的に防止することができる。この結果、例えば、ボルトの締結力(軸力)不足や硬化した液状シール剤LGのボルトねじ込みによる他の部品中への落下などを抑制することができる。しかも、凹溝18が、フランジ12を貫通していないため、収容された液状シール剤LGがボルトの座面に流出することもない。これにより、ボルトに緩みが生じることもない。
また、本発明の実施の形態に係るフロントカバー10によれば、凹溝18は、発電始動装置70の作動に起因して生じる入力(発電始動装置70の振動などに起因してフランジ12とフランジ34aとの締結を解除させる(口開きさせる)方向に作用する入力)が作用しない領域に設けられているため、発電始動装置70の振動などに起因して生じる入力がボス部19a,39aに作用しても、ボス部19aの当接面12aがシリンダブロック6のボス部39aの当接面34a’から乖離されること(いわゆる「口開き」)を良好に防止することができる。なお、フロントカバー10とシリンダブロック6との締結部であるボス部19a,19bおよびボス部39a,39bを発電始動装置70の取付部として利用する構成であるため、合理的な発電始動装置70の取り付けを実現できる。
本実施の形態では、内燃機関のフロントカバー10のシリンダブロック6への締結に本発明を適用したが、これに限らない。フロントカバー10のシリンダヘッド2への締結や、フロントカバー10のオイルパン8への締結、あるいは、ロッカーカバー4のシリンダヘッド2への締結に適用しても良い。この場合、内燃機関1の稼働に関連して作動する補機を共締めする構成とすることが望ましい。なお、内燃機関1に限らず、カバー部材を有する装置であれば、如何なる装置にも適用することができることは言うまでもない。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
1 内燃機関(内燃機関)
2 シリンダヘッド(シリンダヘッド)
2a 吸気カムシャフト(カムシャフト)
2b 排気カムシャフト(カムシャフト)
3a カムスプロケット
3b カムスプロケット
4 ロッカーカバー
6 シリンダブロック(ケース部材、シリンダブロック)
8 オイルパン
10 フロントカバー(カバー部材)
12 フランジ(フランジ)
12a 当接面(当接面)
15 ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)
16a ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)
16b ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)
18 凹溝(有底凹部)
18a 円弧部
18b 延出部
18c 延出部
22a 側壁
22b 側壁
22c 前壁
22d 後壁
23 タイミングチェーン(タイミングチェーン)
24a フランジ
24a’ 当接面
24b フランジ
24b’ 当接面
32a 側壁
32b 側壁
32c 前壁
32d 後壁
33 シリンダボア
34a フランジ
34a’ 当接面
34b フランジ
34b’ 当接面
35 ネジ孔
36a ボルト挿通孔
36b ボルト挿通孔
37 クランクシャフト(機械的機構、クランクシャフト)
37a クランクスプロケット
39a ボス部
39b ボス部
42a 側壁
42b 側壁
42d 後壁
44 フランジ
44a 当接面
45 ネジ孔
70 発電始動装置(補機、始動装置)
72 回転軸(回転軸)
74a 取付フランジ
74b 取付フランジ
75a 取付フランジ
75b 取付フランジ
CP クランクプーリ(クランクプーリ)
P プーリ(プーリ)
LG 液状シール剤(液状シール剤)
V ベルト

Claims (3)

  1. 機械的機構が収容されたケース部材に液状シール剤を介してボルトによって締結されるカバー部材であって、
    前記ケース部材に当接する当接面を有するフランジを備え、
    該フランジには、前記ボルトが挿通されるボルト挿通孔が形成されており、
    前記当接面は、前記液状シール剤が塗布されるシール剤塗布部と、該シール剤塗布部と前記ボルト挿通孔との間に配置された有底凹部と、を有している
    カバー部材。
  2. 前記フランジは、前記機械的機構の稼動に伴って作動する補機と共に前記ケース部材に共締めされるよう構成されており、
    前記有底凹部は、前記当接面のうち前記補機の作動に起因して生じる入力が作用しない領域に設けられている
    請求項1に記載のカバー部材。
  3. シリンダヘッドと、
    該シリンダヘッドに回転可能に支持されたカムシャフトと、
    前記シリンダヘッドが締結される前記ケース部材としてのシリンダブロックと、
    該シリンダブロックに回転可能に支持される前記機械的機構の一つとしてのクランクシャフトと、
    前記カムシャフトと前記クランクシャフトとに巻き掛けられ、該クランクシャフトの回転を前記カムシャフトに伝達するタイミングチェーンと、
    該タイミングチェーンを覆うように前記シリンダヘッドおよび前記シリンダブロックに締結される請求項1または2に記載のカバー部材としてのフロントカバーと、
    前記クランクシャフトのうち前記フロントカバーから突出した該クランクシャフトの先端部に取り付けられるクランクプーリと、
    前記シリンダブロックと前記フロントカバーとに共締めされた始動装置と、
    を備え、
    該始動装置は、回転軸と、該回転軸の先端に取り付けられたプーリと、を有しており、
    前記クランクプーリと前記プーリとには、ベルトが巻き掛けられており、
    前記始動装置の作動に伴って前記クランクシャフトが回転されることにより始動可能に構成されている
    内燃機関。
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