JP2019119441A - 鞍乗り型車両のフロントカウル構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】鞍乗り型車両のフロントカウル構造において、ステーの剛性を増加させ、且つ、フロントカウル構造をコンパクト化できるようにする。【解決手段】車輪を支持するフロントフォーク12と、フロントフォーク12に支持されるヘッドライト50と、フロントフォーク12のトップブリッジ25及びボトムブリッジ26に支持される樹脂製のステー61と、ヘッドライト50の外周を覆うフロントカウル42とを備える鞍乗り型車両のフロントカウル構造において、ステー61は、トップブリッジ25側から下方に延出する下方延出部70と、下方延出部70の下端部の屈曲部71で屈曲して前方に延出する前方延出部72とを備え、前方延出部72は、側面視でヘッドライト50の投光面118に少なくとも一部が下方から重なる位置まで前方に延出し、ヘッドライト50及びフロントカウル42は、ステー61を介して支持される。【選択図】図5

Description

本発明は、鞍乗り型車両のフロントカウル構造に関する。
従来、鞍乗り型車両のフロントカウル構造において、ヘッドライトを支持する樹脂成形品のステー(ヘッドライトブラケット)と、ヘッドライトの外周を覆う単一のフロントカウル(メインカウル)と、フロントカウルの左右に一対で設けられてフロントカウルとステーとを繋ぐサイドカバー(サブカウル)とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ステーは高い剛性が必要であるため、特許文献1では、ステーは、表面形状を変化させながらトップブリッジとボトムブリッジに掛かるように上下に延出し、ヘッドライトを後方から支持する。また、上記フロントカウルは、上記ステーを隠すようにヘッドライト及びステーの外周を覆う形状に形成され、ステーに係合することで、ステーの剛性を増加させている。さらに、特許文献1では、サイドカバーによってヘッドライトの締結部を隠して外観性を向上させている。
特開2014−76732号公報
しかしながら、上記従来の鞍乗り型車両では、フロントカウルがステーに係合することでステーの剛性を向上できるが、フロントカウルがステーの外周を覆うとともにサイドカバーがフロントカウルに重なるため、フロントカウル構造が大型化している。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両のフロントカウル構造において、ステーの剛性を増加させ、且つ、フロントカウル構造をコンパクト化できるようにすることを目的とする。
本発明は、車輪(2)を支持するフロントフォーク(12)と、前記フロントフォーク(12)に支持されるヘッドライト(50)と、前記フロントフォーク(12)のトップブリッジ(25)及びボトムブリッジ(26)に支持される樹脂製のステー(61)と、前記ヘッドライト(50)の外周を覆うフロントカウル(42)とを備える鞍乗り型車両のフロントカウル構造において、前記ステー(61)は、前記トップブリッジ(25)側から下方に延出する下方延出部(70)と、前記下方延出部(70)の下端部の屈曲部(71)で屈曲して前方に延出する前方延出部(72)とを備え、前記前方延出部(72)は、側面視で前記ヘッドライト(50)の投光面(118)に少なくとも一部が下方から重なる位置まで前方に延出し、前記ヘッドライト(50)及び前記フロントカウル(42)は、前記ステー(61)を介して支持されることを特徴とする。
また、上記発明において、前記ステー(61)は、外縁に立設される壁部(73)を備え、前記前方延出部(72)は、前記ヘッドライト(50)を下方から覆うとともに外側に露出する外観部品であっても良い。
また、上記発明において、前記屈曲部(71)は、前記ボトムブリッジ(26)よりも上方に位置し、前記ボトムブリッジ(26)と前記屈曲部(71)とを接続するサブステー(98)が設けられても良い。
また、上記発明において、前記屈曲部(71)は開口(79)を備え、前記サブステー(98)は、前記開口(79)から前記ステー(61)の内側に入るとともに前記前方延出部(72)に沿って前方に延出し、前記サブステー(98)の前端部は、前記前方延出部(72)に固定されても良い。
さらに、上記発明において、前記下方延出部(70)の上部は前記トップブリッジ(25)に固定され、前記下方延出部(70)は、前記上部と前記屈曲部(71)との間に設けられる後面部(74)と、前記後面部(74)の外縁に立設される後部側壁(75)とを備え、前記ヘッドライト(50)を前記ステー(61)に固定するヘッドライト支持部(87,94)は、前記後部側壁(75)、及び、前記前方延出部(72)の下壁部(76)に設けられても良い。
また、上記発明において、前記フロントフォーク(12)を側方から覆うフォークカバー(69)を備え、前記フォークカバー(69)は、側面視で前記ステー(61)の前記後部側壁(75)に外側から重なっても良い。
また、上記発明において、前記フォークカバー(69)は、前記ステー(61)と前記サブステー(98)とを締結する部分に共締めされても良い。
また、上記発明において、前記フロントカウル(42)は、前記ヘッドライト(50)の側方に位置するサイドカバー(62)と、前記ヘッドライト(50)の上方に位置するトップカバー(63)とを備え、前記サイドカバー(62)は前記ステー(61)に支持され、前記トップカバー(63)は前記サイドカバー(62)に固定されても良い。
さらに、上記発明において、前記トップカバー(63)と前記ステー(61)との間に設けられるメーター(64)と、前記メーター(64)の外周を覆うメーターカバー(65)とを備え、前記メーターカバー(65)は、前記トップカバー(63)及び前記ステー(61)に締結されても良い。
本発明に係る鞍乗り型車両のフロントカウル構造によれば、車輪を支持するフロントフォークと、フロントフォークに支持されるヘッドライトと、フロントフォークのトップブリッジ及びボトムブリッジに支持される樹脂製のステーと、ヘッドライトの外周を覆うフロントカウルとを備え、ステーは、トップブリッジ側から下方に延出する下方延出部と、下方延出部の下端部の屈曲部で屈曲して前方に延出する前方延出部とを備え、前方延出部は、側面視でヘッドライトの投光面に少なくとも一部が下方から重なる位置まで前方に延出し、ヘッドライト及びフロントカウルは、ステーを介して支持される。
この構成によれば、ステーは、下方延出部の下端部の屈曲部で屈曲して前方に延出するため、ステーの剛性を高くできる。また、側面視でヘッドライトの投光面に少なくとも一部が下方から重なる位置まで前方に延びる前方延出部を備えるステーによってヘッドライト及びフロントカウルが支持されるため、簡単な構造でヘッドライト及びフロントカウルを支持でき、フロントカウル構造をコンパクトにできる。
また、上記発明において、ステーは、外縁に立設される壁部を備え、前方延出部は、ヘッドライトを下方から覆うとともに外側に露出する外観部品であっても良い。この構成によれば、ステーの外縁に立設される壁部によってステーの剛性を効果的に増加させることができる。また、ステーが外観部品として機能することで、フロントカウル構造をコンパクト化できるとともに、フロントカウル構造を斬新なデザインにできる。
また、上記発明において、屈曲部は、ボトムブリッジよりも上方に位置し、ボトムブリッジと屈曲部とを接続するサブステーが設けられても良い。この構成によれば、屈曲部がボトムブリッジの上方に位置するため、フロントカウル構造をコンパクトにできる。また、サブステーによってステーの剛性を効果的に補強できる。さらに、サブステーが屈曲部に接続されるため、剛性が高い位置でサブステーによってステーを支持できる。
また、上記発明において、屈曲部は開口を備え、サブステーは、開口からステーの内側に入るとともに前方延出部に沿って前方に延出し、サブステーの前端部は、前方延出部に固定されても良い。この構成によれば、前方延出部をサブステーで支持するため、サブステーによってステーを効果的に支持できる。また、ステーでサブステーを隠すようにしてサブステーを視認され難くでき、外観性が良い。
さらに、上記発明において、下方延出部の上部はトップブリッジに固定され、下方延出部は、上部と屈曲部との間に設けられる後面部と、後面部の外縁に立設される後部側壁とを備え、ヘッドライトをステーに固定するヘッドライト支持部は、後部側壁、及び、前方延出部の下壁部に設けられても良い。この構成によれば、ヘッドライトを、後部側壁のヘッドライト支持部及び前方延出部のヘッドライト支持部によって支持し、ヘッドライトを複数の異なる方向から支持するため、ヘッドライトを強固に固定できる。
また、上記発明において、フロントカウル構造は、フロントフォークを側方から覆うフォークカバーを備え、フォークカバーは、側面視でステーの後部側壁に外側から重なっても良い。この構成によれば、フロントフォークを側方から覆うフォークカバーを利用してステーの後部側壁を隠すことができ、外観性が良い。
また、上記発明において、フォークカバーは、ステーとサブステーとを締結する部分に共締めされても良い。この構成によれば、フォークカバーを簡単な構造で固定できるとともに、フォークカバーを利用して、ステー及びサブステーの剛性を向上できる。
また、上記発明において、フロントカウルは、ヘッドライトの側方に位置するサイドカバーと、ヘッドライトの上方に位置するトップカバーとを備え、サイドカバーはステーに支持され、トップカバーはサイドカバーに固定されても良い。この構成によれば、サイドカバー及びトップカバーをステーによって簡単な構造で支持でき、フロントカウル構造をコンパクトにできる。また、フロントカウルによってステーの剛性を向上できる。
さらに、上記発明において、トップカバーとステーとの間に設けられるメーターと、メーターの外周を覆うメーターカバーとを備え、メーターカバーは、トップカバー及びステーに締結されても良い。この構成によれば、メーターカバーを簡単な構造で支持できるとともに、メーターカバーによってトップカバーとステーとを接続してフロントカウル構造の剛性を向上できる。
本発明の実施の形態に係る自動二輪車の右側面図である。 フロントフォークを前方側から見た図である。 フロントカウル構造体を前方から見た正面図である。 バイザーを外した状態でフロントカウル構造体を前方から見た正面図である。 フロントカウル構造体の左側面図である。 フロントカウル構造体を左後ろの下方側から見た斜視図である。 ステー及びメーターカバーを左前方側から見た斜視図である。 フロントカウル構造体を後方側から見た図である。 図3のIX−IX断面図である。 フロントカウル構造体の左側面図である。 フロントカウル構造体を前方から見た正面図である。 図6においてステーを除いた状態を示す斜視図である。 ステーにサイドカバーを取り付けた状態を左前方側から見た斜視図である。 サイドカバーにトップカバーを取り付けた状態を左前下方側から見た斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。図中には、符号RHで車体右方を示すことがある。なお、図1では、左右一対で設けられるものは、符号を含め右側のものだけが図示されている。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車1の右側面図である。
自動二輪車1は、車体フレーム10と、車体フレーム10に支持されるエンジン11と、車体フレーム10の前端部にフロントフォーク12を介して操舵可能に支持される前輪2(車輪)と、車体フレーム10の下部にスイングアーム13を介して上下動可能に支持される後輪3とを備える。
自動二輪車1は、乗員がシート14に跨るようにして着座する鞍乗り型車両である。
車体フレーム10は、ヘッドパイプ15、メインフレーム16、センターフレーム17、ダウンフレーム18、左右一対のシートフレーム19,19、及び左右一対のサブフレーム20,20を備える。
ヘッドパイプ15は、車体フレーム10の前端部を構成する。ヘッドパイプ15は、車幅の中央に位置し、車両側面視では、鉛直方向に対し後傾する。メインフレーム16は、ヘッドパイプ15から後斜め下方に延びる。センターフレーム17は、メインフレーム16の後端部から下方に延びる。ダウンフレーム18は、ヘッドパイプ15からメインフレーム16の下方を後斜め下方に延びる。
左右のシートフレーム19,19は、メインフレーム16の後端部からそれぞれ後方に延びる。左右のサブフレーム20,20は、センターフレーム17の下部と左右のシートフレーム19,19とに渡される。
また、車体フレーム10は、ガセット21を備える。ガセット21は、メインフレーム16の前端部とダウンフレーム18の前端部とを連結する。
センターフレーム17の下部には、プレス材によって構成されるピボット支持部(不図示)が設けられる。スイングアーム13は、上記ピボット支持部に支持されるピボット軸30に前端部を揺動可能に支持される。後輪3は、スイングアーム13の後端部に車軸3aを介して支持される。
エンジン11は、メインフレーム16の下方で、センターフレーム17とダウンフレーム18との間に配置される。
エンジン11は、車幅方向に延びるクランク軸(不図示)を支持するクランクケース31と、クランクケース31の前部上部から上方に延びるシリンダ部32とを備える。クランクケース31の後部には、変速機(不図示)が内蔵される。シリンダ部32のシリンダ軸線32aは、やや前傾する。
シリンダ部32の後部には吸気装置(不図示)が接続され、シリンダ部32の前部には排気装置33が接続される。
排気装置33は、シリンダ部32のシリンダヘッド32bの前面から下方に引き出される排気管34と、排気管34の後端に接続されるマフラー35とを備える。
燃料タンク38は、シート14の前方且つヘッドパイプ15の後方に配置され、メインフレーム16の上部に取付けられる。
運転者用の左右一対のステップ39,39は、センターフレーム17の下端部に支持される。
自動二輪車1は、車体フレーム10及びエンジン11等の車体を覆う車体カバー41を備える。
車体カバー41は、フロントカウル42、タンクカバー43、センターカバー44、リアカバー45、アンダーカバー46、及びフロントサイドカバー36を備える。
フロントカウル42は、ヘッドパイプ15の前方に設けられる。タンクカバー43は、車体フレーム10の前部及び燃料タンク38を覆う。センターカバー44は、シート14の前部の下方を覆う。リアカバー45は、センターカバー44の後方でシート14の下方を覆う。アンダーカバー46は、エンジン11のクランクケース31の下部を下方から覆う。フロントサイドカバー36は、タンクカバー43の下方でダウンフレーム18の左右側方を覆う。
ヘッドライト50は、フロントカウル42の内側に設けられる。左右一対のウインカー51,51は、フロントカウル42に取り付けられる。
自動二輪車1は、センターフレーム17の下部にメインスタンド47を備える。
前輪2は、上方からフロントフェンダー48で覆われ、後輪3は、左右のシートフレーム19,19の後端部側から後方へ延びるリアフェンダー49で上方から覆われる。
図2は、フロントフォーク12を前方側から見た図である。
図1及び図2を参照し、フロントフォーク12は、ヘッドパイプ15に回動自在に軸支されるステアリングシャフト23と、前輪2の左右の両側に配置され前輪2を支持する左右一対のフォークチューブ24,24と、ステアリングシャフト23の上端に固定され左右のフォークチューブ24,24の上部を連結するトップブリッジ25と、ステアリングシャフト23の下端に固定され左右のフォークチューブ24,24を連結するボトムブリッジ26とを備える。
操舵用のハンドル27は、トップブリッジ25の上面に立設されるハンドルポスト28に支持される。
トップブリッジ25は、ヘッドパイプ15の上方でステアリングシャフト23に固定され、ボトムブリッジ26は、ヘッドパイプ15の下方でステアリングシャフト23に固定される。
ボトムブリッジ26は、ステアリングシャフト23の下端に固定されるシャフト固定部26aを車幅の中央に備え、フォークチューブ24,24を支持するフォーク支持孔部26b,26bを車幅方向の両端部に備える。各フォーク支持孔部26bは、フォーク支持孔部26bの車幅方向の端に締め込まれる固定ボルト26cによって縮径されることで、フォークチューブ24を狭持する。
フォークチューブ24,24は、自動二輪車1に設定されるキャスター角の分だけ、鉛直方向に対し後方に傾斜して設けられる。ヘッドパイプ15もキャスター角の分だけ後傾している。
前輪2は、フォークチューブ24,24の下端部間に渡される車軸2aに軸支される。
フロントフォーク12の上部の前方には、フロントカウル構造体60(フロントカウル構造)が設けられる。
図3は、フロントカウル構造体60を前方から見た正面図である。図4は、後述するバイザー66を外した状態でフロントカウル構造体60を前方から見た正面図である。図5は、フロントカウル構造体60の左側面図である。
図3〜図5を参照し、フロントカウル構造体60は、フロントフォーク12の上部に固定されるステー61と、ステー61に支持されるヘッドライト50と、フロントカウル42と、フロントカウル42とステー61との間に設けられるメーター64と、メーター64の外周を覆うメーターカバー65とを備える。
詳細には、フロントカウル42は、ヘッドライト50の左右側方に位置する左右一対のサイドカバー62,62と、ヘッドライト50の上方に位置するトップカバー63とを備える。
フロントカウル42のトップカバー63には、バイザー66と、ライセンスプレートステー67とが取り付けられる。ライセンスプレートステー67には、ライセンスプレート68が支持される。
フロントフォーク12には、フォークチューブ24,24の上部を側方から覆う左右一対のフォークカバー69,69が取り付けられる。
ここで、ステー61、サイドカバー62,62、トップカバー63、メーターカバー65、及びフォークカバー69,69は、合成樹脂を型等で成形した樹脂成形品である。このため、フロントカウル構造体60は、製造が容易であるとともに、形状の自由度が高い。
図6は、フロントカウル構造体60を左後ろの下方側から見た斜視図である。図7は、ステー61及びメーターカバー65を左前方側から見た斜視図である。図8は、フロントカウル構造体60を後方側から見た図である。
図5〜図8を参照し、ステー61は、トップブリッジ25側からフォークチューブ24,24に沿って下方に延出する下方延出部70と、下方延出部70の下端部の屈曲部71で屈曲して前方に延出する前方延出部72と、外縁から上方に立設される壁部73とを一体に備える。
下方延出部70は、フォークチューブ24,24の前面の前方で、フォークチューブ24,24に沿って前下がりの傾斜で配置される板状の後面部74と、後面部74の車幅方向の外縁から上方に立設される左右一対の後部側壁75,75とを備える。
下方延出部70の後面部74は、車幅方向では左右のフォークチューブ24,24に跨って設けられ、上下方向ではトップブリッジ25からボトムブリッジ26の近傍まで延びる。後部側壁75,75は、下方側に行くほど高さが大きくなる。
前方延出部72は、後面部74よりも小さな前下がりの傾斜で前方に延びる板状の下壁部76と、下壁部76の車幅方向の外縁から上方に立設される左右一対の前部側壁77,77と、下壁部76の前縁から上方に立設される前壁78とを備える。前部側壁77,77は、後方側に行くほど高さが大きくなる。前方延出部72は、前方側に行くほど車幅方向のサイズが小さくなる。
後部側壁75,75、前部側壁77,77、及び前壁78は、ステー61の外縁に沿って連続しており、ステー61の壁部73は、後部側壁75,75、前部側壁77,77、及び前壁78によって構成される。後部側壁75,75の下端部と前部側壁77,77の後端部とは繋がっている。壁部73の高さは、屈曲部71の部分で最も高くなる。
ステー61は、後面部74及び下壁部76の外縁に立設される壁部73が補強リブとして機能するため、剛性が高い。
屈曲部71は、下方延出部70の下端部で、下方延出部70と前方延出部72との境界部を構成する。車両側面視におけるステー61の傾斜は、屈曲部71を境に変化し、屈曲部71の前方の前方延出部72は、下方延出部70よりも緩い前下がりの傾斜になる。
屈曲部71は、ボトムブリッジ26よりも上方に位置する。すなわち、前方延出部72は、ボトムブリッジ26よりも上方の位置から前下方に延びる。
屈曲部71は、ステー61の内側の空間を後方の外部に連通させる開口79を備える。開口79は、後面部74の下端及び下壁部76の後端に跨って設けられる。
屈曲部71は、後部側壁75,75の下端部によって構成される左右一対の屈曲部側壁80,80を備える。開口79は、左右の屈曲部側壁80,80の間に設けられる。
図7に示すように、ステー61の下方延出部70の上部には、後面部74から前方に突出するメーターステー81が複数設けられる。メーターステー81は、後面部74の車幅方向の中央部、及び、後面部74の車幅方向の両端部に設けられる。メーターステー81の孔には、メーターカバー65をステー61に締結するメーターカバー固定ボルト82が下方から挿通される。
また、図7及び図8に示すように、ステー61の下方延出部70の後面部74の上部には、後方に膨出する座部83,83が左右一対設けられる。座部83,83の孔には、ステー61をトップブリッジ25に締結するステー固定ボルト84,84が前方から挿通される。ステー固定ボルト84,84は、車幅の中央に対し左右に振り分けて配置される。
さらに、ステー61の下方延出部70の後面部74の上部の側部には、サイドカバー固定孔部85,85が左右一対設けられる。サイドカバー固定孔部85,85は、ステー固定ボルト84,84よりも車幅方向外側に設けられる。サイドカバー固定孔部85,85は、後方側から見ると、ステー61の内側に窪む凹部である。サイドカバー固定孔部85,85には、サイドカバー62,62をステー61に締結するサイドカバー固定ボルト86,86が後方から挿通される。
ステー61の下方延出部70の後部側壁75,75の下部には、後部側壁75,75を車幅方向に貫通するヘッドライト固定孔部87,87(ヘッドライト支持部)が左右一対で設けられる。ヘッドライト固定孔部87,87には、ヘッドライト50をステー61の下方延出部70に締結するヘッドライト固定ボルト88,88が車幅方向外側から挿通される。
屈曲部71の屈曲部側壁80,80には、屈曲部側壁80,80を車幅方向に貫通するサブステー固定孔部89,89が左右一対で設けられる。
後面部74において座部83,83と開口79との間には、孔90が複数設けられる。ヘッドライト50等のフロントカウル構造体60内に配置される電装品に接続されるハーネス91は、外側から孔90を通ってフロントカウル構造体60の内部に配索される。
図6〜図8を参照し、ステー61の前方延出部72の下壁部76には、外側から見たときに上方へ凹む凹部92,92が設けられる。
凹部92,92の後部には、下壁部76を上下に貫通するサブステー固定孔部93,93が設けられる。
凹部92,92の前部には、下壁部76を上下に貫通するヘッドライト固定孔部94,94(ヘッドライト支持部)が設けられる。ヘッドライト固定孔部94,94には、ヘッドライト50をステー61の前方延出部72に締結するヘッドライト固定ボルト95,95が下方から挿通される。
前方延出部72の前部側壁77,77の上縁には、サイドカバー62,62が係合するサイドカバー係合部96,96が左右一対で設けられる。各サイドカバー係合部96は、前部側壁77の上縁から上方に突出する突出片96aと、突出片96aを車幅方向に貫通する係合孔96bとを備える。
図9は、図3のIX−IX断面図である。なお、図9の一部では、後述するトップカバー固定ボルト114の部分の断面が示されている。
図2、図7及び図9を参照し、フロントフォーク12には、ボトムブリッジ26から前方に延びるサブステー98が設けられる。
ボトムブリッジ26は、フォーク支持孔部26b,26bの車幅方向の内端部に、サブステー固定部26d,26dを左右一対備える。サブステー固定部26d,26dには、サブステー98をボトムブリッジ26に締結するサブステー固定ボルト99,99が前方から締め込まれる。
また、トップブリッジ25の前面には、ステー61の上端部が固定されるステー固定部25a,25a(図2)が左右一対設けられる。
サブステー98は、サブステー固定部26d,26dから上方に延びる左右一対の基部98a,98aと、基部98a,98aの上端から前方に延びるアーム部98b,98bと、アーム部98b,98bの前端を車幅方向に繋ぐ前端連結部98cと、基部98a,98aから前上方に延びてアーム部98b,98bに接続される補強片98d,98dとを備える。
前端連結部98cの前縁における車幅方向の両端部には、ステー61に接続される前側ステー締結部98e,98eが一対設けられる。
補強片98d,98dの車幅方向の側面には、ステー61に接続される後側ステー締結部98f,98fが一対設けられる。
サブステー98は、上方からの平面視では、略U字状に形成され、車両側面視では、略V字状に形成される。
サブステー98は、基部98a,98aの下端部がサブステー固定ボルト99,99によってボトムブリッジ26に固定される。サブステー98の基部98a,98aはボトムブリッジ26から上方に延びる。
サブステー98のアーム部98b,98bは、基部98a,98aから前方に延び、ステー61の開口79に後方から入る。アーム部98b,98bは、前方延出部72の下壁部76の上面に沿って前下がりに前方へ延びる。
ステー61の下部は、前方延出部72のサブステー固定孔部93,93に下方から挿通されるステー固定ボルト100,100によって、サブステー98の前側ステー締結部98e,98eに締結される。
また、ステー61の下部は、屈曲部71のサブステー固定孔部89,89に車幅方向外側から挿通されるサブステー固定ボルト101,101(図6、図7)によって、サブステー98の後側ステー締結部98f,98fに締結される。
さらに、ステー61の上部は、下方延出部70の座部83,83に前方から挿通されるステー固定ボルト84,84(図7〜図9)によって、トップブリッジ25のステー固定部25a,25a(図2、図9)に締結される。
すなわち、ステー61は、下部がサブステー98を介してボトムブリッジ26に固定され、上部がトップブリッジ25に固定される。フロントカウル構造体60は、ステー61を介してフロントフォーク12に支持されており、操舵に伴ってフロントフォーク12と一体に揺動する。
前方延出部72がステー固定ボルト100,100によって上下方向に締結されるのに対し、屈曲部71はサブステー固定ボルト101,101によって車幅方向に締結される。このため、ステー61を上下方向及び車幅方向に強固に固定できる。
図10は、フロントカウル構造体60の左側面図である。図11は、フロントカウル構造体60を前方から見た正面図である。図12は、図6においてステー61を除いた状態を示す斜視図である。ここで、図10及び図11では、サイドカバー62,62及びトップカバー63等が取り外された状態が図示されている。
図9〜図12を参照し、ヘッドライト50は、前面が開口したケース状のハウジング110と、ハウジング110の前面に取り付けられるレンズ111と、ハウジング110内に収容される光源(不図示)と、この光源の発光を前方に反射させるリフレクター112とを備える。
ハウジング110は、略鉛直な後壁110aと、後壁110aの下縁から前方に延出する下壁110bと、後壁110aの左右の縁からそれぞれ前方に延びる一対の側壁110c,110cと、後壁110aの上縁から前方に延出する上壁110dとを備える。ハウジング110前面の略全体に形成される開口部110eは、車両側面視では、後上がりに傾斜している。レンズ111は開口部110eを覆う。
ハウジング110は、上壁110dから上方に延びる箱状のトップカバー固定部113を備える。トップカバー固定部113の後面は略全体が後方に開放する。トップカバー固定部113の上面113aは後上がりに傾斜している。トップカバー固定部113の上面113aの孔には、トップカバー63をヘッドライト50に固定するトップカバー固定ボルト114,114が下方から挿通される。トップカバー固定ボルト114,114は、車幅の中央に位置する中心線Cに対し、左右に振り分けて一対配置される。
図12に示すように、ハウジング110の下壁110bの前部には、ヘッドライト固定ボルト95,95(図6)が締結される前部締結部115,115が左右一対設けられる。
また、ハウジング110は、側壁110c,110cの後端から後方に延びる連結ステー部116,116を左右一対備える。連結ステー部116,116の後端部には、ヘッドライト固定ボルト88,88(図6)が締結される後部締結部116a,116aが設けられる。
レンズ111は、開口部110eを塞ぐようにハウジング110の前面に取り付けられ、車両側面視では、後上がりに傾斜している。レンズ111は、上面視で車幅方向の中央部が前方に凸となるように湾曲している。
レンズ111は前面が投光面118になっており、上記光源の光は、投光面118から前方に照射される。
図11の正面視では、投光面118の上縁118aは、投光面118の下縁118bの後上方に位置し、下縁118bよりも車幅方向に長い。投光面118の左右の側縁118c,118cは、下縁118bから上縁118a側に行くほど車幅方向外側に位置するように傾斜している。
ヘッドライト50は、ステー61の前方延出部72上に設けられ、前方延出部72によって下方から覆われるとともに、下方延出部70によって後方から覆われる。
図6、図7及び図12を参照し、ヘッドライト50は、ヘッドライト固定ボルト95,95が前方延出部72のヘッドライト固定孔部94,94に下方から挿通されて前部締結部115,115に締結されることで、前方延出部72に固定される。
また、ヘッドライト50は、ヘッドライト固定ボルト88,88が下方延出部70のヘッドライト固定孔部87,87に車幅方向外側から挿通されて後部締結部116a,116aに締結されることで、下方延出部70に固定される。
すなわち、ヘッドライト50は、ヘッドライト固定ボルト95,95及びヘッドライト固定ボルト88,88の4点でステー61に締結される。
ヘッドライト固定孔部94,94がヘッドライト固定ボルト95,95によって上下方向に締結されるのに対し、ヘッドライト固定孔部87,87はヘッドライト固定ボルト88,88によって車幅方向に締結される。このように、締結方向が互いに略直交するヘッドライト固定ボルト95,95及びヘッドライト固定ボルト88,88によってヘッドライト50をステー61に固定するため、ヘッドライト50を上下方向及び車幅方向に強固に固定できる。
図13は、ステー61にサイドカバー62,62を取り付けた状態を左前方側から見た斜視図である。
図5、図10及び図13を参照し、サイドカバー62,62は、ステー61の前部側壁77,77及び後部側壁75,75の上縁から上方に延びる壁状に形成される。サイドカバー62,62は、車両側面視では、前部側壁77,77及び後部側壁75,75の上縁に沿って後上がりに延び、前部側壁77,77の前端から後部側壁75,75の後端まで連続している。
サイドカバー62,62は、ヘッドライト50を左右の側方から覆う。ヘッドライト50のハウジング110は、サイドカバー62,62に覆われて隠れる。
サイドカバー62,62の上縁62a,62aの前部は、投光面118の側縁118c,118cに沿うように設けられる。投光面118は、左右のサイドカバー62,62の上縁62a,62aの間から前方に露出する。
サイドカバー62,62の上縁62a,62aの後部は、トップカバー63に連続する。
サイドカバー62,62は、前端部の内面の下端部に、車幅方向内側に突出する爪状の係合突起120,120を備える。
サイドカバー62,62は、後端部の内面の下端部に、車幅方向内側に延びる固定片121,121を備える。固定片121,121には、クリップナット等で構成される締結部121a,121aが設けられる。
各サイドカバー62の上縁62a側の内面には、車幅方向内側に突出するボス状のトップカバー固定部122,122が、前後に並んで複数設けられる。トップカバー固定部122,122は、前後方向では、係合突起120,120と固定片121,121との間に設けられる。
サイドカバー62,62は、係合突起120,120がステー61のサイドカバー係合部96,96の係合孔96b,96bに車幅方向外側から係合することで、前方延出部72に固定される。
また、サイドカバー62,62は、ステー61の後面部74のサイドカバー固定孔部85,85(図7、図8)に後方から挿通されるサイドカバー固定ボルト86,86が固定片121,121の締結部121a,121aに締結されることで、下方延出部70に固定される。
図7〜図11を参照し、メーター64は、車幅方向に長い箱状に形成される。メーター64は、車速等の情報を表示する表示部64aを上面に備える。
メーターカバー65は、メーター64の下面に対向する底壁部65aと、底壁部65aの周縁に立設される枠状の周壁部65bとを備える。
メーター64は、メーターカバー65の底壁部65a上に載置され、外周を周壁部65bによって覆われる。すなわち、メーターカバー65は、メーター64を下方及び外周側から支持する。
メーター64及びメーターカバー65は、ヘッドライト50の後上方に配置される。
メーターカバー65は、車両側面視で、ステー61の下方延出部70の上端部から前上がりに延びており、底壁部65aが前上がりに傾斜する。メーター64の表示部64aは、運転者から見易いように、メーターカバー65の傾斜に沿って前上がりに傾斜する。
メーターカバー65は、底壁部65aの後端部が下方延出部70の各メーターステー81上に載置され、メーターステー81に下方から挿通されるメーターカバー固定ボルト82によってメーターステー81に締結される。
メーターカバー65は、底壁部65aの前部から前方に突出するトップカバー固定部123を、車幅方向の中央部に備える。トップカバー固定部123は、クリップナット等で構成される締結部123aを備える。締結部123aには、トップカバー63をメーターカバー65に締結するトップカバー固定ボルト124(図9)が前方側から締結される。
図14は、サイドカバー62,62にトップカバー63を取り付けた状態を左前下方側から見た斜視図である。
図4、図5、図9、図13及び図14を参照し、トップカバー63は、ヘッドライト50とメーターカバー65との間を覆うとともに、左右のサイドカバー62,62の間を覆う板状部材である。トップカバー63は、車両側面視では、投光面118に連続して後上がりに延びる。
トップカバー63の下縁63aは、投光面118の上縁118aに沿い、トップカバー63の上縁63bは、メーターカバー65の前縁に沿う。
トップカバー63の左右の側縁63c,63cは、サイドカバー62,62の上縁62a,62aの後部に沿う。
トップカバー63は、バイザー66が固定される上側バイザー固定部130,130を、上部に左右一対備える。
また、トップカバー63は、バイザー66が固定される下側バイザー固定部131,131を、上側バイザー固定部130,130の下方に左右一対備える。
さらに、図4及び図9を参照し、トップカバー63は、トップカバー固定ボルト124が前方から挿通される固定孔部132を、車幅方向の中央部に備える。固定孔部132は、上下方向では、上側バイザー固定部130,130と下側バイザー固定部131,131との間に位置する。
また、図9及び図10を参照し、トップカバー63は、トップカバー固定ボルト114,114が締結されるボス部133,133を備える。ボス部133,133は、固定孔部132の左右に一対設けられ、トップカバー63の内面からヘッドライト50のトップカバー固定部113に延びる。
図14に示すように、トップカバー63は、側縁63c,63cの一部から下方に延出する取付部134,134を左右一対備える。取付部134,134は、サイドカバー62の上部に車幅方向内側から重なる。
取付部134,134には、サイドカバー62のトップカバー固定部122,122(図13)に締結されるトップカバー固定ボルト135,135が車幅方向内側から挿通される。
トップカバー63は、側縁63c,63c側の部分が、複数のトップカバー固定ボルト135(図14)によってサイドカバー62,62に固定される。
また、トップカバー63は、ボス部133,133が、トップカバー固定ボルト114,114(図9、図11)によって、ヘッドライト50のトップカバー固定部113に固定される。
さらに、トップカバー63は、中央の固定孔部132が、トップカバー固定ボルト124(図4、図9)によって、メーターカバー65のトップカバー固定部123に固定される。
すなわち、トップカバー63は、サイドカバー62,62、ヘッドライト50、及びメーターカバー65に締結される。
トップカバー63の上縁63bとステー61の上縁との間の空間は、メーターカバー65によって塞がれる。
ウインカー51,51は、トップカバー63の左右の側部にそれぞれ固定され、トップカバー63の左右の側部から車幅方向外側に延出する。
図3及び図5を参照し、バイザー66は、トップカバー63の前面に沿って後上がりに延びる板状部材であり、メーターカバー65の上端よりも上方まで延びてメーター64の庇となる。
バイザー66は、バイザー66に前方から挿通される一対のバイザー固定ボルト137,137によって、トップカバー63の上側バイザー固定部130,130に締結される。
また、バイザー66は、バイザー66に前方から挿通される一対のバイザー固定ボルト138,138によって、トップカバー63の下側バイザー固定部131,131に締結される。
ライセンスプレートステー67は、バイザー66の下部に前方側から重ねて設けられ、バイザー固定ボルト138,138によって、下側バイザー固定部131,131にバイザー66と共締めされる。
ライセンスプレート68は、車幅方向に延びる帯状の板である。ライセンスプレート68は、ライセンスプレート68に前方から挿通されるライセンスプレート固定ボルト139,139によってライセンスプレートステー67に締結される。
図3に示すように、ライセンスプレート68及びウインカー51,51は略同一の高さに配置され、車両前面視では、ライセンスプレート68の車幅方向の両端部は、ウインカー51,51の基端部に前方側から重なる。車両前面視では、ライセンスプレート68及びウインカー51,51は、互いに重なり合って車幅方向に延びる直線状に配置される。ウインカー51,51の発光部51a,51aは、ライセンスプレート68よりも車幅方向外側に位置する。
図6に示すように、トップブリッジ25の左右の側部の後面には、フォークカバー固定部136,136が左右一対で設けられる。フォークカバー固定部136,136には、フォークカバー69,69をトップブリッジ25に締結するフォークカバー固定ボルト140,140(図5)が後方から締結される。
図5及び図13に示すように、各フォークカバー69は、フォークチューブ24の上部を車幅方向外側から覆うフォークカバー部69aと、フォークカバー部69aの前縁から前方に延びる延出部69bとを備える。
フォークカバー部69aは、円筒状のフォークチューブ24の外周に沿うように円弧状に形成される。フォークカバー部69aは、トップブリッジ25の下端の近傍からボトムブリッジ26の上端の近傍まで延びる。
延出部69bは、フォークカバー部69aの前縁の略全体から前方に延出し、ステー61の後面部74及び後部側壁75の基端部を外側方から覆う。これにより、サイドカバー固定ボルト86,86(図6)、ヘッドライト固定ボルト88,88(図6)、及びサブステー固定孔部89,89(図6)を、延出部69bによって隠すことができ、外観性が良い。
各フォークカバー69は、フォークカバー固定ボルト140が挿通される上部固定孔部69cを上端部に備える。また、フォークカバー69は、サブステー固定ボルト101が車幅方向外側から挿通される下部固定孔部69dを延出部69bの下端部に備える。
各フォークカバー69は、フォークカバー固定ボルト140によってトップブリッジ25に固定され、サブステー固定ボルト101によってステー61に固定される。
詳細には、フォークカバー69の下部固定孔部69dは、ステー61とサブステー98とを締結する部分であるサブステー固定孔部89(図6)に、サブステー固定ボルト101によって共締めされる。このため、フォークカバー69,69を簡単な構造で固定できる。
図5に示すように、車両側面視では、ステー61の前方延出部72は、ヘッドライト50のレンズ111の投光面118に下方から重なる。詳細には、前方延出部72は、車両側面視では、投光面118の後端118dから前端118eまでの範囲Lに下方から重なり、ヘッドライト50を下方から覆う。上方から見た場合、前方延出部72は、範囲Lの部分で投光面118に下方から重なる。
ステー61の前方延出部72は、ヘッドライト50を下方から覆うとともに外側に露出する外観部品である。すなわち、ステー61は、ヘッドライト50を支持する支持部品であるとともに自動二輪車1の外観を構成する外観部品である。
ステー61は、下方延出部70から屈曲部71で屈曲して前方延出部72が前方に延びており、立体的に構成されているため、平面的な板状のステーに比して剛性が高くなっている。このため、ステー61が樹脂製であっても、ヘッドライト50及びフロントカウル42をステー61によって強固に支持できる。また、ステー61は、前方延出部72がヘッドライト50を覆う外観部品として機能するため、ヘッドライト50を下方から覆う専用のカバーを省略でき、フロントカウル構造体60をコンパクト化できる。
ここで、ヘッドライト50を取り外す手順の一例を説明する。
まず、バイザー66が取り外され、フロントカウル構造体60は図4の状態となる。
次に、図5を参照し、フォークカバー固定ボルト140,140及びサブステー固定ボルト101,101の締結が解除され、フォークカバー69,69が取り外される。
次いで、トップカバー固定ボルト124(図9)、サイドカバー固定ボルト86,86(図6)、ヘッドライト固定ボルト88,88(図6)、及びヘッドライト固定ボルト95,95(図6)の締結が解除される。この状態で、サイドカバー係合部96,96(図13)に対するサイドカバー62,62の係合突起120,120の係合を解除すると、ヘッドライト50とフロントカウル42(サイドカバー62,62及びトップカバー63)とが一体に締結された小組体を、ステー61をフロントフォーク12に残したままステー61から取り外すことができる。このため、ヘッドライト50等のメンテナンスが容易である。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、自動二輪車1のフロントカウル構造体60は、前輪2を支持するフロントフォーク12と、フロントフォーク12に支持されるヘッドライト50と、フロントフォーク12のトップブリッジ25及びボトムブリッジ26に支持される樹脂製のステー61と、ヘッドライト50の外周を覆うフロントカウル42とを備え、ステー61は、トップブリッジ25側から下方に延出する下方延出部70と、下方延出部70の下端部の屈曲部71で屈曲して前方に延出する前方延出部72とを備え、前方延出部72は、側面視でヘッドライト50の投光面118に少なくとも一部が下方から重なる位置まで前方に延出し、ヘッドライト50及びフロントカウル42は、ステー61を介して支持される。
この構成によれば、ステー61は、下方延出部70の下端部の屈曲部71で屈曲して前方に延出するため、ステー61の剛性を高くできる。また、側面視でヘッドライト50の投光面118に少なくとも一部が下方から重なる位置まで前方に延びる前方延出部72を備えるステー61によってヘッドライト50及びフロントカウル42が支持されるため、簡単な構造でヘッドライト50及びフロントカウル42を支持でき、フロントカウル構造体60をコンパクトにできる。
また、ステー61は、外縁に立設される壁部73を備え、前方延出部72は、ヘッドライト50を下方から覆うとともに外側に露出する外観部品である。この構成によれば、ステー61の外縁に立設される壁部73によってステー61の剛性を効果的に増加させることができる。また、ステー61が外観部品として機能することで、フロントカウル構造体60をコンパクト化できるとともに、フロントカウル構造体60を斬新なデザインにできる。
また、屈曲部71は、ボトムブリッジ26よりも上方に位置し、ボトムブリッジ26と屈曲部71とを接続するサブステー98が設けられる。この構成によれば、屈曲部71がボトムブリッジ26の上方に位置するため、フロントカウル構造体60をコンパクトにできる。また、サブステー98によってステー61の剛性を効果的に補強できる。さらに、サブステー98が屈曲部71に接続されるため、剛性が高い位置でサブステー98によってステー61を支持できる。
また、屈曲部71は開口79を備え、サブステー98は、開口79からステー61の内側に入るとともに前方延出部72に沿って前方に延出し、サブステー98の前端部は、前方延出部72に固定される。この構成によれば、前方延出部72をサブステー98で支持するため、サブステー98によってステー61を効果的に支持できる。また、ステー61でサブステー98を隠すようにしてサブステー98を視認され難くでき、外観性が良い。
さらに、下方延出部70の上部はトップブリッジ25に固定され、下方延出部70は、上部と屈曲部71との間に設けられる後面部74と、後面部74の外縁に立設される後部側壁75,75とを備え、ヘッドライト50をステー61に固定するヘッドライト固定孔部87,94は、後部側壁75,75、及び、前方延出部72の下壁部76に設けられる。この構成によれば、ヘッドライト50を、後部側壁75,75のヘッドライト固定孔部87,87及び前方延出部72のヘッドライト固定孔部94,94によって支持し、ヘッドライト50を複数の異なる方向から支持するため、ヘッドライト50を強固に固定できる。
また、フロントカウル構造体60は、フロントフォーク12を側方から覆うフォークカバー69,69を備え、フォークカバー69,69は、側面視でステー61の後部側壁75,75に外側から重なる。この構成によれば、フロントフォーク12を側方から覆うフォークカバー69,69を利用してステー61の後部側壁75,75を隠すことができ、外観性が良い。
また、フォークカバー69,69は、ステー61とサブステー98とを締結する部分に共締めされる。この構成によれば、フォークカバー69,69を簡単な構造で固定できるとともに、フォークカバー69,69を利用して、ステー61及びサブステー98の剛性を向上できる。
また、フロントカウル42は、ヘッドライト50の側方に位置するサイドカバー62,62と、ヘッドライト50の上方に位置するトップカバー63とを備え、サイドカバー62,62はステー61に支持され、トップカバー63はサイドカバー62,62に固定される。この構成によれば、サイドカバー62,62及びトップカバー63をステー61によって簡単な構造で支持でき、フロントカウル構造体60をコンパクトにできる。また、フロントカウル42によってステー61の剛性を向上できる。
さらに、トップカバー63とステー61との間に設けられるメーター64と、メーター64の外周を覆うメーターカバー65とを備え、メーターカバー65は、トップカバー63及びステー61に締結される。この構成によれば、メーターカバー65を簡単な構造で支持できるとともに、メーターカバー65によってトップカバー63とステー61とを接続してフロントカウル構造体60の剛性を向上できる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、ステー61、サイドカバー62,62、トップカバー63、及びメーターカバー65は、ボルトで固定されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、固定具としてのピン等によって固定されても良い。
また、上記実施の形態では鞍乗り型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両や4輪以上を備えた鞍乗り型車両などに適用可能である。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
2 前輪(車輪)
12 フロントフォーク
25 トップブリッジ
26 ボトムブリッジ
42 フロントカウル
50 ヘッドライト
61 ステー
62,62 サイドカバー
63 トップカバー
64 メーター
65 メーターカバー
69 フォークカバー
70 下方延出部
71 屈曲部
72 前方延出部
73 壁部
74 後面部
75,75 後部側壁
76 下壁部
79 開口
87 ヘッドライト固定孔部(ヘッドライト支持部)
94 ヘッドライト固定孔部(ヘッドライト支持部)
98 サブステー
118 投光面

Claims (9)

  1. 車輪(2)を支持するフロントフォーク(12)と、前記フロントフォーク(12)に支持されるヘッドライト(50)と、前記フロントフォーク(12)のトップブリッジ(25)及びボトムブリッジ(26)に支持される樹脂製のステー(61)と、前記ヘッドライト(50)の外周を覆うフロントカウル(42)とを備える鞍乗り型車両のフロントカウル構造において、
    前記ステー(61)は、前記トップブリッジ(25)側から下方に延出する下方延出部(70)と、前記下方延出部(70)の下端部の屈曲部(71)で屈曲して前方に延出する前方延出部(72)とを備え、
    前記前方延出部(72)は、側面視で前記ヘッドライト(50)の投光面(118)に少なくとも一部が下方から重なる位置まで前方に延出し、
    前記ヘッドライト(50)及び前記フロントカウル(42)は、前記ステー(61)を介して支持されることを特徴とする鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
  2. 前記ステー(61)は、外縁に立設される壁部(73)を備え、
    前記前方延出部(72)は、前記ヘッドライト(50)を下方から覆うとともに外側に露出する外観部品であることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
  3. 前記屈曲部(71)は、前記ボトムブリッジ(26)よりも上方に位置し、
    前記ボトムブリッジ(26)と前記屈曲部(71)とを接続するサブステー(98)が設けられることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
  4. 前記屈曲部(71)は開口(79)を備え、前記サブステー(98)は、前記開口(79)から前記ステー(61)の内側に入るとともに前記前方延出部(72)に沿って前方に延出し、
    前記サブステー(98)の前端部は、前記前方延出部(72)に固定されることを特徴とする請求項3記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
  5. 前記下方延出部(70)の上部は前記トップブリッジ(25)に固定され、
    前記下方延出部(70)は、前記上部と前記屈曲部(71)との間に設けられる後面部(74)と、前記後面部(74)の外縁に立設される後部側壁(75)とを備え、
    前記ヘッドライト(50)を前記ステー(61)に固定するヘッドライト支持部(87,94)は、前記後部側壁(75)、及び、前記前方延出部(72)の下壁部(76)に設けられることを特徴とする請求項3または4記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
  6. 前記フロントフォーク(12)を側方から覆うフォークカバー(69)を備え、
    前記フォークカバー(69)は、側面視で前記ステー(61)の前記後部側壁(75)に外側から重なることを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
  7. 前記フォークカバー(69)は、前記ステー(61)と前記サブステー(98)とを締結する部分に共締めされることを特徴とする請求項6記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
  8. 前記フロントカウル(42)は、前記ヘッドライト(50)の側方に位置するサイドカバー(62)と、前記ヘッドライト(50)の上方に位置するトップカバー(63)とを備え、
    前記サイドカバー(62)は前記ステー(61)に支持され、前記トップカバー(63)は前記サイドカバー(62)に固定されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
  9. 前記トップカバー(63)と前記ステー(61)との間に設けられるメーター(64)と、前記メーター(64)の外周を覆うメーターカバー(65)とを備え、
    前記メーターカバー(65)は、前記トップカバー(63)及び前記ステー(61)に締結されることを特徴とする請求項8記載の鞍乗り型車両のフロントカウル構造。
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