JP2017043128A - 自動二輪車の車体前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ライセンスブラケットおよびカウリングブレースの樹脂化を促進して軽量化し、ライセンスブラケットの締付部品点数を削減して取付作業を簡素化し、コスト削減を図った自動二輪車の車体前部構造である。
【解決手段】自動二輪車の車体前部構造は、車体フレーム11の前部に前輪懸架部13のアッパーブラケットおよびアンダーブラケットまたは左右対をなすフロントフォーク24に樹脂製カウリングブレース50が前方から固定され、カウリングブレース50にはヘッドランプ周りを覆うフロントカウリング51が設置される一方、カウリングブレース50の底部にライセンスプレート35を備えた樹脂製ライセンスブラケット38が取り付けられ、ライセンスブラケット38は、左右両側部に前後方向に延びる補強リブを備え、補強リブがカウリングブレース50の底部に設けられた左右対の保持突起に懸架され、ライセンスブラケット38の補強リブ間でカウリングブレース50の底部に単一の締付部材で締結されたことを特徴とするものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動二輪車のフロントカウリングを設置したカウリングブレースにライセンスブラケットの締結が容易で作業性に優れた自動二輪車の車体前部構造に関する。
自動二輪車の車体前部にライセンスプレートを取り付けることが義務付けられ、法制化された国々がある。
ライセンスプレートを自動二輪車の車体前部に取り付けるか、車体後部に取り付けるかによって、自動二輪車はライセンスプレートの取付構造が異なる。ライセンスプレートを自動二輪車の車体前部に取り付ける自動二輪車の車体前部構造は、特許文献1および2等で知られている。
特許文献1に記載の自動二輪車の車体前部構造は、車両前方に配置されるヘッドランプを支持するヘッドランプ支持部材の取付ステーを車体前部に取り付ける。この取付ステーから車両前方に一体的に延出されるライセンスプレート取付部を取付ステーの底部に一体的に取り付け、ヘッドランプの周囲をフロントカウリングで覆ったものである。
また、特許文献2に記載の自動二輪車は、車両前方に配置されるヘッドランプを覆うフロントカウリングを車体フレームの前方に配置し、フロントカウリングの底面に、ライセンスプレートを取り付けるライセンスプレートステーを複数の締付部材で締結させたものである。
特開2013−112164号公報 特開2012−51444号公報 特開2008−105665号公報
特許文献1に記載の発明では、車体前部に取り付けられた取付ステーから、ライセンスプレート取付部が車両前方に一体的に延出されており、ライセンスプレート取付部が取付ステーと一体的に構成される。しかし、このライセンスプレート取付部の取付構造では、ライセンスプレート取付部が取付ステーから車両前方に片持梁状に一体的に延出されているものであるから、取付強度不足が生じ易い。しかも、取付ステーと一体的に構成されるライセンスプレート取付部は機械的・物理的強度を向上させる補強構造とすることは困難で限界があった。
その上、取付ステーと一体的に構成されるライセンスプレート取付部は、フロントライセンスプレートが不要な国でも、車両本体の前部でライセンスプレート取付部が外部に露出しているため、美観が重要視される自動二輪車の車体前部構造に外観不良が生じ易い。
また、特許文献2に記載の発明では、ライセンスプレート取付部材であるライセンスプレートステーがフロントカウル底面に複数の締付部材で締め付けて取り付けられる。このため、締付部品点数が多く、その分だけライセンスプレートステーの取付作業が複雑となって手間隙がかかり、取付作業の簡素化を図ることが困難であった。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、ライセンスプレート取付部材のライセンスブラケットおよびカウリングブレースの樹脂化を促進して軽量化し、ライセンスブラケットの締付部品点数を削減して取付作業を簡素化し、コスト削減を図ることができる自動二輪車の車体前部構造を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、ライセンスプレート取付部材である樹脂製ライセンスブラケットを樹脂製取付部材であるカウリングブレースの底部に単一の締付部材を用いて3点支持あるいは3箇所支持で安定的にかつ簡易に取り付けることができ、ライセンスプレートの取付強度および剛性を向上させることができる自動二輪車の車体前部構造を提供するにある。
本発明は、上述した課題を解決するために、車体フレームの前部に前輪懸架部を備えた自動二輪車の車体前部構造において、前記前輪懸架部のアッパーブラケットおよびアンダーブラケットまたは左右対をなすフロントフォークに樹脂製カウリングブレースが前方から固定され、前記カウリングブレースにはヘッドランプ周りを覆うフロントカウリングが設置される一方、前記カウリングブレースの底部にライセンスプレートを備えた樹脂製ライセンスブラケットが取り付けられ、前記ライセンスブラケットは、左右両側部に前後方向に延びる補強リブを備え、前記補強リブが前記カウリングブレースの底部に設けられた左右対の保持突起に懸架され、前記ライセンスブラケットの補強リブ間で前記カウリングブレースの底部に単一の締付部材で締結されたことを特徴とする自動二輪車の車体前部構造である。
本発明では、ライセンスブラケットおよびカウリングブレースの樹脂化を促進して軽量化を図ることができるとともに、単一の締付部材を用いて締結できるので、締付部品点数を削減して取付作業を簡素化でき、コスト削減を図ることができる。
さらに、本発明は、フロントライセンスプレート取付部である樹脂製ライセンスブラケットを樹脂取付部材である単一の締付部材を用いて3点支持あるいは3箇所支持により安定的かつ簡易に取り付けることができる。樹脂製ライセンスブラケットは、所要の剛性リブを備えて機械的・物理的強度を向上させ、フロントライセンスプレートの取付強度が向上し、剛性を高めることができる。
本発明に係る実施形態を示すもので、自動二輪車全体の左側面図。 図1に示された自動二輪車を車両前方から見た正面図。 本実施形態に係る自動二輪車の車体前部構造を分解して示す斜視図。 本実施形態に係る自動二輪車の車体前部構造を左前方から見た斜視図。 本実施形態に係る自動二輪車の車体前部構造を左斜め後方から見た斜視図。 ライセンスプレートを取り付けるライセンスブラケットを左前方から見た斜視図。 ライセンスブラケットをカウリングブレースの底部に取り付ける取付状態を説明する、左側下方から見上げた図。 ライセンスプレートおよびライセンスブラケットを(取付部材の)カウリングブレースに取り付けた取付状態を示す図。 樹脂製カウリングブレースを前方から見た正面図。 ライセンスプレートのライセンスブラケットを取り付けた(取付部材の)カウリングプレートとメータユニットとを分解状態で示す左後方からの斜視図。 本実施形態に係る自動二輪車の車体前部構造を左斜め後方から見た斜視図。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
[実施形態]
図1は、本発明の実施の形態を示す自動二輪車の全体を示す左側面図であり、図2は図1に示された自動二輪車を車両前方から見た正面図である。図において、「前」、「後」、「左」、「右」は、自動二輪車10に乗車する運転者から見た方向を示す。
自動二輪車10は、図1に示すように、車体フレーム11の車体前部に設けられ、かつ前輪12を操舵可能に支持する前輪懸架部13と、車体フレーム11の後部に設けられ、後輪14を上下揺動自在に支持する後輪懸架部15と、車体フレーム11の中央部に懸架され、後輪14を駆動するエンジン16と、エンジン16の上方に設けられた燃料タンク17と、燃料タンク17の後方に配設され、運転者が座るシート18とを備えて構成される。
自動二輪車10は、図1および図3に示すように、フレーム組立構造で構成された車体フレーム12の前部にヘッドパイプ19が設けられる。ヘッドパイプ19にステアリング機構20の回転軸であるステムシャフト21が挿入され、回転自在に設けられる。ステアリング機構20のステムシャフト21は上部にアッパーブラケット22が、下部にアンダーブラケット23がそれぞれ固定され、これらのアッパーブラケット22およびアンダーブラケット23に左右対をなすフロントフォーク24が設けられる。アッパーブラケット22上には、ハンドル支持台25aによりハンドル25が取り付けられる。ハンドル25で操舵される左右対のフロントフォーク24の下端部に前輪12が支持されて前輪懸架部13が構成される。ハンドル25の回動操作により、前輪12はステムシャフト21廻りの左右に操舵され、操向輪として機能する。
[自動二輪車の車体カバー構造]
自動二輪車10の車体フレーム11は、図1に示すように、前輪懸架部13を構成する左右対をなすフロントフォーク24上方部やヘッドパイプ19を車両前方から覆う前カバー部26が取り付けられる。車体フレーム11のエンジン16後方には、車体フレーム11が左右対をなすサイドカバー部27で覆われ、このサイドカバー部27の後方は、リヤーカバー部28で覆われる。サイドカバー部27およびリヤーカバー部28は燃料タンク17からシート18後方にかけて、燃料タンク17およびシート18の下方に位置される。
自動二輪車10の前カバー部26には、図2および図4に示すようにヘッドランプ30や左右の前ウィンカ31が装着される。前カバー部26の上部には、スピードメータ32等の計器類を備えたメータユニット33が、図5に示すように設置される。メータユニット33の前方上部は、メータバイザ34で覆われて目隠しされ、メータユニット33の計器類を保護している。
[ライセンスプレート]
自動二輪車10では、図1ないし図3に示すように、車体フレーム11に構成される車体前部構造の下部にフロントライセンスプレート35が取り付けられる。ライセンスプレート35は自動二輪車10の車体前部への取付が義務付けられ、法制化された国々にとって必須のアイテムである。これらの国々で使用される自動二輪車10には、車体前部構造を構成する前カバー部26のヘッドランプ30下方にライセンスプレート35が取り付けられる。ライセンスプレート35は矩形のプレート状をなして、ヘッドランプ30近くの直下に設けられる。ライセンスプレート35は、図1および図4に示すように、車両側面視において、ヘッドランプ30の下端より車両前方側に突出するように設けられ、フロントライセンスプレート35が車両前方側で斜め上方を向くように設置される。ライセンスプレート35の前面に記載されるライセンス記号や符号、マーク等は通常の表示の他、夜光塗料を塗布して表示したり、LEDランプ表示としてもよい。
ライセンスプレート35は、図1および図2に示すように、前カバー部26とフロントフェンダ36との間に配設され、自動二輪車10の走行中に前輪12が巻き上げた泥水がライセンスプレート35に飛散して付着するのを防止している。フロントライセンスプレート35は自動二輪車10の車幅方向に長い矩形のプレート状に構成され、ライセンスプレート支持部材である樹脂製ライセンスブラケット38のプレート取付部に締付ねじ等の締付部材により締着される。なお、符号37は、後輪14の上方を覆うリヤーフェンダである。
[ライセンスブラケット]
ライセンスブラケット38は、合成樹脂等の樹脂材料を型成形によりウィング状に一体成形されたプレート状のライセンスプレート支持部材である。ライセンスブラケット38は図6に示すように、左右方向に幅広のウィング状に樹脂成形されて一体に構成される。
ライセンスブラケット38は、左右方向に幅広のプレート状ブラケット本体40と、ブラケット本体40の前端部に斜めに前下り傾斜して構成され、かつ、補強を兼ねたプレート取付部41と、ブラケット本体40の左右両端部に前後方向に延び、左右両端部から後方に突出した後方突出部42a,42aを有する補強リブ部42と、左右の補強リブ間で山形形状に後方に延出して補強され、かつ突出した後方先端部に取付穴44を有する山形状の後方縁部43とを樹脂材料の型成形にて一体に構成される。
ライセンスブラケット38のブラケット本体40は、山形状の後方縁部43から前方のプレート取付部41に向って拡開する傾斜面が緩やかに末広がり状に下り傾斜して形成される。ブラケット本体40の末広がり部は中抜きされた開口部45が形成される。ブラケット本体40の左右両端部に構成される補強リブは凹設構造に構成した例を示したが、補強リブのリブ形状は種々の形状が考えられ、凹設構造に限定されない。
ライセンスブラケット38は、樹脂材料を型成形によりウィング状に成形された樹脂成形品のライセンスプレート支持部材である。ライセンスブラケット38は左右両側縁部が補強リブ部42で構成され、前端部が前下り傾斜したプレート状取付部41で、後縁部が山形状後方縁部43で補強される補強構造である。ライセンスブラケット38は、樹脂製であっても機械的・物理的強度を高め、充分な剛性力を保つことができる。さらに、ライセンスブラケット38は、ブラケット本体40の中央部に開口部45を形成し中抜き構造としたので、軽量化を図ることができる。
[ライセンスブラケットの取付構造]
樹脂製ライセンスブラケット38は、図3および図7に示すように、樹脂製取付部材としてのカウリングブレース50の底部(ライセンスブラケット取付部57)に取り付けられる。カウリングブレース50は、合成樹脂等の樹脂材料を型成形により成形された樹脂成形品である。カウリングブレース50は、自動二輪車10の車体フレーム11の前部に設けられた左右対をなすフロントフォーク24またはアッパーブラケット22およびアンダーブラケット23に締結され、固定される。カウリングブレース50には、前方からフロントカウリング51が設置されて、内部にヘッドランプ30を収容した前カバー部26を構成している。前カバー部材であるフロントカウリング51は、内部に収容されるヘッドランプ30の周囲を覆う一方、フロントカウリング51を前方に支持した樹脂製カウリングブレース50の底部(ライセンスブラケット取付部57)に樹脂製ライセンスブラケット38が取り付けられる。本実施形態では、カウリングブレース50、フロントカウリング51およびライセンスブラケット38は、いずれも樹脂成形品であり、樹脂化が促進され、軽量化が図られている。
樹脂製カウリングブレース50は、車両前面視で図9に示すように構成される。カウリングブレース50の底部にボックス状の保持突起52,52が左右対をなして設けられる。左右対をなす保持突起52,52は、前方に開口する盲状の取付穴が備えられる。保持突起52,52の取付穴に、ライセンスブラケット38の後方突出部42a,42aが出し入れ自在に挿入され、挿入されたライセンスブラケット38の取付穴44に締付ねじ等の単一の締付部材53が下方から挿入されて締結される。保持突起52,52の盲状取付穴は、穴形状にライセンスブラケット38の後方突出部42a,42aがスムーズに挿入されるように、後方突出部42a,42aと補形形状をなすように構成される。
ライセンスブラケット38は左右に対をなす後方突出部42a,42aの突出形状がカウリングブレース50の保持突起52,52の取付穴に前方が挿入されて保持される。保持突起52,52の取付穴は盲穴形状に構成されており、ライセンスブラケット38の後方突出部42a,42aが保持突起52,52の取付穴に当接するまで挿入することで、ライセンスブラケット38の挿入位置が簡単に位置決めされる。後方突出部42a,42aがカウリングブレース50の保持突起52,52に差し込まれて懸架され、位置決めされた状態で、ライセンスブラケット38の取付穴44に下方から締付ねじ等の単一の締付部材53を挿入して締め付けることで、ライセンスブラケット38は(ヘッドランプ30の支持部材である)カウリングブレース50の底部に、3点支持あるいは3箇所支持で簡単かつ安定的に取り付けれ、保持される。
さらに、カウリングブレース50の底部所要位置に、例えばナットを埋設しておくことで、樹脂製ライセンスブラケット38は単一の締付部材53によりカウリングブレース50に簡単に取り付けることがでる。しかも、ライセンスブラケット38やカウリングブレース50は樹脂製で軽量化を図ることができ、樹脂製ライセンスブラケット38のカウリングブレース50への取付は、単一の締付部材53の締付により、少ない締付部品点数で安定的に支持され、締結することができる。したがって、樹脂製ライセンスブラケット38の取付部材への取付は、締付部品点数を削減して行なうことができ、軽量化および締付部品点数の削減によるコスト低減を図ることができる。
その上、樹脂製ライセンスブラケット38のカウリングブレース50への取付は、単一の締付部材53と、左右両側2箇所の後方突出部42a,42aとの3点支持あるいは3箇所支持により、安定的にかつ簡単に締め付けて取り付けることができ、取付作業が簡素化される。
樹脂製ライセンスブラケット38は、同じく樹脂製カウリングブレース50の底部に下方から安定的かつ着脱自在に取り付けることができる。しかも、3点支持あるいは3箇所支持は、取付穴44に通される単一の締付部材53を頂点とする二等辺三角形配置の取付支持態様とすることができる。ライセンスブラケット38は、左右両側の後方突出部42a,42aを、カウリングブレース50の支持突起52,52に差し込んで懸架させ、単一の締付部材53で締め付けるだけで、自動二輪車10の車体前部に左右バランスよく、かつ簡単に取り付けることができる。したがって、ライセンスブラケット38の取付、組付作業を簡素化させることができる。
なお、本実施形態では、ライセンスブラケット38のカウリングブレース50への取付構造は、カウリングブレース50の底部に設けられた左右対の保持突起52,52に、前方に開口する盲状の取付穴を形成した例を示したが、保持突起52,52に盲状取付穴を設ける代りに、左右対の保持突起に前後方向に延びるスライド溝を対向させて設けてもよい。左右対の保持突起52,52のスライド溝に、ライセンスブラケット38の左右両側の補強リブあるいは後方突出部42a,42aを前方からスライドさせて懸架させ、先端の取付穴44を単一の締付部材53で締め付けるだけで、ライセンスプレート支持部材のライセンスブラケット38を樹脂製取付部材のカウリングブレース50の底部に、3点支持あるいは3箇所支持で安定的かつ簡単に取り付けることができる。
[カウリングブレース]
カウリングブレース50は、合成樹脂等の樹脂材料を型成形により一体成形された樹脂成形品の取付部材である。カウリングブレース50は、フロントカウリング51の設置部材であり、図9および図10に示すように、自動二輪車10の車体前部側へのブレース取付部を背側に形成したプレート状のブレース本体55と、ブレース本体55の頂部に折曲されて前方に延びるメータユニット取付部56と、ブレース本体55の底部に折曲されて前方に延びるライセンスブラケット取付部57と、ブレース本体55の左右両側の側面から前方に延びる左右のウィンカ取付部58とが樹脂成形により一体に構成される。
カウリングブレース50のブレース本体55の前面側は、ヘッドランプ19を収容して支持するヘッドランプ収納部が形成される一方、カウリングブレース50は車両前方側から前カバー部材であるフロントカウリング51が装着されて、自動二輪車10の車体前部構造が構成される。
カウリングブレース50の前面側には、種々の補強リブが適宜設けられて補強構造に構成される一方、カウリングブレース50のブレース本体55、メータユニット取付部56およびウィンカ取付部58は種々の開口が形成され、軽量化が図られている。カウリングブレース50はブレース本体55の背面側の上下に突出ボス60,60;61,61あるいは突出ブラケットが左右一対ずつ背側に突出して設けられ、各突出ボス60,60;61,61の支持孔に前方から締付ねじ等の締付部材63が挿入され、各締付部材63は、ブレース本体55の突出ボス60,61から背側に突出し、設置される。
また、カウリングブレース50の頂部に形成されるメータユニット取付部56に、スピードメータ32等の計器類を組み付けたメータユニット33が設けられる。メータユニット33は、カウリングブレース50のメータユニット取付部56に設置した状態で、計器類の荷重がカウリングブレース50のメータユニット取付部56でサポートされる。メータユニット33は上方からユニットカバー65で覆われる。メータユニット33の後方にはメインスイッチ66が設けられる。メータユニット33の前面側はメータバイザ34が設けられて各機器類の日よけを構成している。メータバイザ34は、図11に示すように、カウリングブレース50のメータユニット取付部56の前面あるいはユニットカバー65の前面に一体に設けられる。
さらに、カウリングブレース50のウィンカ取付部58には、耳部開口67,67が形成されており、これらの耳部開口67,67に、車両左右の側外方から前ウィンカ31,31が取り付けられる。
そして、メータユニット33のスピードメータ32や各計器類、およびヘッドランプ31、左右の前ウィンカ31,31等からケーブル類であるハーネス68が導出される。ハーネス68は図11に示すように、ブレース本体55の背側開口69から延出される。カウリングブレース50のブレース本体55から背側に導出された各ハーネス68は束ねられてハーネス固定クランプ70,70でクランプされて、図示しないバッテリやエンジンコントロールユニット(ECU)等に導かれる。
[カウリングブレースの取付構造]
カウリングブレース50は、樹脂材料を型成形により構成される樹脂製取付部材(取付部品)であり、自動二輪車10の車体フレーム11を構成する前輪懸架部13に取り付けられる。カウリングブレース50は、自動二輪車10の車体前部構造を構成するフロントフォーク24や、アッパーブラケット22およびアンダーブラケット23に締結される。
具体的には、例えば図3に示すように、ヘッドランプ支持部材であるカウリングブレース50は、左右対をなすフロントフォーク24を取り付けたアッパーブラケット22およびアンダーブラケット23に取付ステム73や取付ボス74を介して取り付けられる。アッパーブラケット22には取付ステム73が一体に設けられており、この取付ステム73の左右取付孔には、ブレース本体55の背側上部に設けられた左右の突出ボス60,60あるいは取付ブラケットに取付孔が対向している。カウリングブレース50の上部はブレース本体55の突出ボス60,60に取付ステム73の取付孔が位置合せされ、締付部材63により締結される。
また、カウリングブレース50のブレース本体55の背側下部に突出ボス61,61あるいは取付ブラケットが左右に対向して設けられており、これらブレース本体55の突出ボス61,61はアンダーブラケット23の前側に形成された左右の取付ボス74,74と位置合せされ、締付部材63を通して締め付けられる。カウリングブレース50はブレース本体55の背側がアッパーブラケット22およびアンダーブラケット23に取り付けられ、締結される。
このように、ヘッドランプ支持部材であるカウリングブレース50は、例えば、アッパーブラケット22およびアンダーブラケット23に締め付けて取り付けることで、自動二輪車10の車体フレーム11に車体前部構造を構成することができる。
本実施形態に係る自動二輪車10の車体前部構造では、フロントライセンスプレート35を取り付けた樹脂製ライセンスブラケット38を取付部材である樹脂製カウリングブレース50の底部に単一の締付部材53により3点支持あるいは3箇所支持で安定的にかつ簡単に取り付けることができる。
自動二輪車10の車体前部にライセンスプレート35の取付が不要な国々では、単一の締付部材53を操作するだけでライセンスブラケット38をカウリングブレース50の底部から取り外すことができる。したがって、ライセンスプレート35およびライセンスブラケット38を自動二輪車10の車体前部構造から簡単に取り外すことができる。
本実施形態では、ライセンスプレート35およびライセンスブラケット38を単一の締付部材53の操作で簡単に着脱自在とすることができ、ライセンスプレート35およびライセンスブラケット38の取付作業(組付作業)や取外し作業の操作を簡素化できる。ライセンスプレート35およびライセンスブラケット38を取り付けても、単一の締付部材13で取り付けることができ、締付部品点数が少なく、ライセンスブラケットは樹脂製であるので軽量化が図れ、コストの低減を図ることができる。ライセンスプレート35やライセンスブラケット38を取り外しても、自動二輪車10の車体前部構造に外観不良を生じさせることもない。
[実施形態の効果]
本実施形態では、フロントライセンスプレート取付部材であるライセンスブラケット38とヘッドランプ30支持部の取付部材であるカウリングブレース50との樹脂化を促進させて車体前部構造の軽量化を図ることができ、単一の締付部材53でライセンスブラケット38をカウリングブレース50に締結させることができ、締付部品点数を削減してライセンスプレート35やライセンスブラケット38の取付作業の簡素化を図り、コスト削減を図ることができる。
樹脂製ライセンスブラケット38は単一の締付部材53である締付ねじを用いて、樹脂製カウリングブレース50の底部に3点支持あるいは3箇所支持で締結し、固定させることができるので、安定的にかつ簡単な取付作業で効率よく取り付けることができる。
また、本実施形態では、単一の締付部材53を用いてフロントライセンスプレート支持部材である樹脂製ライセンスブラケット38を樹脂製カウリングブレース50の底部に3点支持あるいは3箇所支持で安定的に取り付けることができ、締付部品点数が少ないので、取付作業を簡素化することができ、能率アップを図ることができる。しかも、3点支持あるいは3箇所支持による樹脂製ライセンスブラケット38のカウリングブレース50への取付は、単一の締付部材(締付ねじ)53を頂点として、カウリングブレース50の左右の保持突起52,52による二等辺三角形配置の取付であるので、安定的な取付態様とすることができる。
ライセンスブラケットおよびカウリングブレース、フロントカウリングの樹脂化を促進でき、グローバル展開を図る自動二輪車において、フロントライセンスプレートの有無に関わらず、カウリングブレースや前部カバー部品のフロントカウリング、ヘッドライト周辺部品の仕様の共通化を図ることができ、自動二輪車の車体前部構造の利便性を向上させることができる。
さらに、フロントライセンスプレート35が不要な国々では、ライセンスブラケット38の取外しにより簡単に対応することができ、しかも、ライセンスブラケット38の取外し作業は単一の締付部材53の取外し操作で簡単に行なうことができる。ライセンスブラケット38を取り外しても、自動二輪車の車体前部構造は、良好な外観を保つことができる。
本発明の実施形態では、自動二輪車に適用した例を示したが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に応用して適用することもできる。
以上、本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、三輪の車両に適用することができ、様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明は、車両前部にライセンスプレート取付部を有する自動二輪車や三車輪に好適に適用される。
10…自動二輪車、11…車体フレーム、12…前輪、13…前輪懸架部、14…後輪、15…後輪懸架部、16…エンジン、17…燃料タンク、18…シート、19…ヘッドパイプ、20…ステアリング機構、21…ステムシャフト(回転軸)、22…アッパーブラケット、23…アンダーブラケット、24…フロントフォーク、25…ハンドル、26…前カバー部、27…サイドカバー部、28…リヤーカバー部、30…ヘッドランプ、31…前ウィンカ、32…スピードメータ、33…メータユニット、35…ライセンスプレート、36…フロントフェンダ、37…リヤーフェンダ、38…ライセンスブラケット(ライセンスプレート支持部材)、40…ブラケット本体、41…プレート取付部、42…補強リブ部、42a…後方突出部、43…山形後方縁部、44…取付穴、45…開口部、50…カウリングブレース(樹脂製取付部材)、51…フロントカウリング、52…保持突起、53…締付部材、55…ブレース本体、56…メータユニット取付部、57…ライセンスブラケット取付部、58…ウィンカ取付部、60,61…突出ボス(突出ブラケット)、63…締付部材(締付ねじ)、65…ユニットカバー、66…メインスイッチ、67…耳部開口、68…ハーネス(ケーブル類)、69…背側開口、70…ハーネス固定クランプ、73…取付ステム、74…取付ボス。

Claims (5)

  1. 車体フレームの前部に前輪懸架部を備えた自動二輪車の車体前部構造において、
    前記前輪懸架部のアッパーブラケットおよびアンダーブラケットまたは左右対をなすフロントフォークに樹脂製カウリングブレースが前方から固定され、
    前記カウリングブレースにはヘッドランプ周りを覆うフロントカウリングが設置される一方、前記カウリングブレースの底部にライセンスプレートを備えた樹脂製ライセンスブラケットが取り付けられ、
    前記ライセンスブラケットは、左右両側部に前後方向に延びる補強リブを備え、前記補強リブが前記カウリングブレースの底部に設けられた左右対の保持突起に懸架され、前記ライセンスブラケットの補強リブ間で前記カウリングブレースの底部に単一の締付部材で締結されたことを特徴とする自動二輪車の車体前部構造。
  2. 前記カウリングブレースの左右対の保持突起は、車両前方側に開口する取付穴がそれぞれ備えられ、
    前記保持突起の取付穴に前記ライセンスブラケットの補強リブの後方突出部が前方から差し込まれて保持された請求項1に記載の自動二輪車の車体前部構造。
  3. 前記カウリングブレースの保持突起に備えられる取付穴は、車両前方側に開口する盲状の取付穴であり、前記盲状取付穴は、前記ライセンスブラケットの補強リブの後方突出部が差し込まれる差込み反対側が閉塞されている請求項2に記載の自動二輪車の車体前部構造。
  4. 前記カウリングブレースの左右対の保持突起は、両保持突起の互いに対向する側に前後方向に延びるスライド溝が形成され、
    前記保持突起のスライド溝に前記ライセンスブラケットの左右両側部の補強リブが前方から差し込まれて保持された請求項1に記載の自動二輪車の車体前部構造。
  5. 前記カウリングブレースの底部に前記ライセンスブラケットを締結する単一の締付部材は、締付ねじであり、
    前記締付ねじは、前記ライセンスブラケットの左右の補強リブ間で後方に突出する中間部の後方縁部に設けられ、
    前記ライセンスブラケットは前記カウリングブレースの底部に単一の締付ねじと左右対の保持突起との3点支持あるいは3箇所支持で取り付けられた請求項1ないし4のいずれかに記載の自動二輪車の車体前部構造。
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