JP2019077674A - エポキシ・オキセタン化合物、その合成方法および該化合物の利用 - Google Patents

エポキシ・オキセタン化合物、その合成方法および該化合物の利用 Download PDF

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Abstract

【課題】 光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂の原料としての利用が期待される新規な硬化性化合物、該化合物の合成方法、該化合物を含有する樹脂組成物およびその硬化物を提供することを目的とする。【解決手段】 下式に例示されるエポキシ・オキセタン化合物。この化合物は、オキセタン環に、2つのエポキシシクロヘキシル基(オキシラン環とシクロヘキサン環が縮合)の各々が、エーテル結合を1つ有する接続子を介して結合した構造を有する。【化1】(式中、R1〜R3は同一または異なって、水素原子もしくはメチル基を表す。nは1または2を表す。)【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なエポキシ・オキセタン化合物、該化合物の合成方法、該化合物を含有する樹脂組成物およびその硬化物に関する。
オキセタン化合物は、光硬化および熱硬化が可能なモノマーとして、近年注目されており、これを成分として含有する樹脂組成物は、硬化時の収縮が小さく、また、その硬化物(樹脂)は、靱性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、耐水性、耐候性、透明性等に優れている。
このような優れた特徴から、オキセタン化合物を含有する樹脂組成物は、コーティング材料、塗料、インク、接着材料、粘着材料、フィルム、ペースト、光学材料、封止材料、レジスト材料等の原料としての利用が進められている。
本発明に関連する従来技術について、文献を引用して以下に述べる。
特許文献1に記載された発明は、エポキシオキサシクロブタン化合物およびその重合物に関するものである。
この文献には、エポキシオキサシクロブタン化合物の例として、3,3−ジ(2,3−エポキシプロポキシメチル)オキサシクロブタンと、そのメチル置換体の3,3−ジ(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシメチル)オキサシクロブタン(化学式Ref-1参照)が記載されている。
Figure 2019077674
特許文献2に記載された発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク及び印刷物に関するものである。
この文献には、同一分子内にオキシラン環(エポキシ基)およびオキセタン環を有する非アクリル系カチオン重合性化合物の例として、化学式Ref-2〜Ref-4で示される化合物が記載されている。
Figure 2019077674
Figure 2019077674
Figure 2019077674
また、特許文献3〜5においても、前記の化学式Ref-2〜Ref-4で示される化合物あるいは、それらの類縁化合物が記載されている。
米国特許第3457193号明細書 特開2005−002191号公報 特開2007−270070号公報 特開2010−111713号公報 特開2011−208089号公報
本発明は、前述の問題点に鑑み、光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂の原料として好適な硬化性化合物、該化合物の合成方法を提供することを目的とする。そして、該化合物を含有する樹脂組成物および、それらの硬化物を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記の硬化性化合物として、オキセタン環に2つのエポキシシクロヘキシル基が接続子を介して連結された、ある種の構造を有する化合物を採用することにより、所期の目的を達成し得ることを認め、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、第1の発明は、化学式(I)で示されるエポキシ・オキセタン化合物である。
Figure 2019077674
(式中、Aは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)で示される基を表す。Rは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
Figure 2019077674
(式中、Rは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
第2の発明は、化学式(III)で示されるオキセタン化合物と、化学式(IV)で示されるオレフィン化合物を反応させて、2重結合を有する化学式(Ia)で示されるオレフィン・オキセタン化合物を生成させ、次いで、この2重結合をエポキシ化することを特徴とする、第1の発明のエポキシ・オキセタン化合物の合成方法である。
Figure 2019077674
(式中、Rは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。Xは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシル基(OMs)、トシル基(OTs)またはトリフルオロメチル基(OTf)を表す。)
Figure 2019077674
(式中、Rは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019077674
(式中、Bは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(V)で示される基を表す。Rは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
Figure 2019077674
(式中、Rおよびnは、前記の化学式(IV)の場合と同様である。)
第3の発明は、第1の発明のエポキシ・オキセタン化合物を含有することを特徴とする樹脂組成物である。
第4の発明は、第3の発明の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物である。
本発明のエポキシ・オキセタン化合物を、光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂の原料(硬化性化合物)として用いた場合には、架橋機能が発揮されて、硬化性に優れた(硬化速度が速い)樹脂組成物とすることができる。また、本発明の樹脂組成物の硬化物は、耐熱性および寸法安定性に優れる。さらに、従来の高耐熱性を発現する樹脂組成物の硬化物に比べて、脆性に優れる。
実施例1において得られた無色透明液体のIRスペクトルチャートである。
本発明のエポキシ・オキセタン化合物は、前記の化学式(I)に示されるとおり、オキセタン環に、2つのエポキシシクロヘキシル基(オキシラン環とシクロヘキサン環が縮合)の各々が、エーテル結合を1つ有する接続子を介して結合した構造を有する。
本発明の化学式(I)で示されるエポキシ・オキセタン化合物は、原料入手の容易性および合成プロセスの簡略化の見地から、化学式(I’)で示されるエポキシ・オキセタン化合物であることが好ましい。
Figure 2019077674
(式中、R〜R3は同一または異なって、水素原子もしくはメチル基を表す。nは1または2を表す。)
このようなエポキシ・オキセタン化合物の例としては、化学式(I-1)〜(I-9)で示されるエポキシ・オキセタン化合物を好ましく挙げることができる。
Figure 2019077674
<本発明のエポキシ・オキセタン化合物の合成方法について>
前記の第2の発明として記載したとおり、脱離基を有する化学式(III)で示されるオキセタン化合物と、ヒドロキシル基を有する化学式(IV)で示されるオレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia)で示されるオレフィン・オキセタン化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する2重結合をエポキシ化することにより、本発明の化学式(I)で示されるエポキシ・オキセタン化合物を合成することができる。
なお、前述の、化学式(I’)で示されるエポキシ・オキセタン化合物を好ましい発明とした場合と同様に、原料入手の容易性および合成プロセスの簡略化の見地から、この第2の発明は、脱離基を有する化学式(III’)で示されるオキセタン化合物と、ヒドロキシル基を有する化学式(IV’)で示されるオレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia’)で示されるオレフィン・オキセタン化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する2重結合をエポキシ化することにより、化学式(I’)で示されるエポキシ・オキセタン化合物を合成する方法(反応スキーム(A)参照)の発明とすることが好ましい。
Figure 2019077674
(式中、R〜R3は同一または異なって、水素原子もしくはメチル基を表す。nは1または2を表す。Xは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシル基(OMs)、トシル基(OTs)またはトリフルオロメチル基(OTf)を表す。)
化学式(Ia)(または同(Ia’))で示されるオレフィン・オキセタン化合物は、塩基(i)の存在下で合成することができ、反応を促進させる為の触媒(ii)を用いてもよい。また、反応を阻害しない限りにおいて、反応溶媒(iii)を用いてもよい。
また、同化合物が有する2重結合をエポキシ化する反応においては、一般的なエポキシ化(酸化)の方法を採用することが可能であり、例えば、過酸を用いる方法、タングステン酸ナトリウムを触媒として過酸化水素を用いる方法、アセトニトリル−アルコール溶媒中において、塩基と共に過酸化水素を用いる方法等を挙げることができる。
前記の脱離基を有するオキセタン化合物(化学式(III)/同(III’))としては、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタン、3,3−ビス(クロロエチル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモエチル)オキセタン、3,3−ビス(クロロプロピル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモプロピル)オキセタン等が挙げられ、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタンが好ましい。
前記のヒドロキシル基を有するオレフィン化合物(化学式(IV)/同(IV’))としては、3−シクロヘキセン−1−メタノール、1−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、2−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、3−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、5−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、6−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、3−シクロヘキセン−1−エタノール、α−テルピネオールが挙げられ、3−シクロヘキセン−1−メタノールが好ましい。
該オレフィン化合物の使用量(仕込み量)としては、脱離基を有するオキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の塩基(i)としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルコキシドまたは有機アミン化合物が挙げられる。
例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、トリエチルアミン等が挙げられる。
塩基の使用量(仕込み量)としては、脱離基を有するオキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、通常、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の触媒(ii)としては、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
第四級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、ヘキサデシルトリエチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、オクチルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウムのハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)等の塩が挙げられる。
第四級ホスホニウム塩の例としては、テトラブチルホスホニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、テトラデシルホスホニウム、テトラオクチルホスホニウム、トリエチルオクタデシルホスホニウム、トリオクチルエチルホスホニウム、ヘキサデシルトリエチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウムのハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)等の塩が挙げられる。
これらの物質を組み合わせて、触媒(ii)として用いてもよい。
触媒(ii)の使用量(仕込み量)としては、脱離基を有するオキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、0.0001〜1.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の反応溶媒(iii)としては、反応を阻害しない限りにおいて特に制限はなく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコール(PEG−400)、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等の溶剤が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて、その適宜量を用いることができる。
化学式(Ia)(または同(Ia’))で示されるオレフィン・オキセタン化合物を合成する際の反応温度は、0〜150℃の範囲に設定することが好ましく、20〜120℃の範囲に設定することがより好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1〜48時間の範囲に設定することが好ましい。
この反応の終了後、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物の前駆体であるオレフィン・オキセタン化合物を分離して取り出すことができる。
更に必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー等の手段を利用して精製することができる。
前記の、過酸を用いてオレフィン・オキセタン化合物をエポキシ化する反応においては、オキソン試薬、過酢酸、メタクロロ過安息香酸等の過酸を用いることができる。過酸の使用量(仕込み量)は、該オレフィン・オキセタン化合物の有する2重結合に対して、1.0〜5.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
このエポキシ化の反応において、反応溶媒は、反応を阻害しない限り特に制限されることはないが、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノールのようなアルコール類、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類、アセトン、2−ブタノンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロトリフルオロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)のようなスルホキシド類等を挙げることができる。これらの反応溶媒は、1種または2種以上を組み合わせて、適宜量が用いられる。
このエポキシ化の反応における反応温度は、通常、−10〜150℃の範囲であり、好ましくは、0〜100℃の範囲に設定される。また、反応時間は、反応温度に応じて適宜設定されるが、通常、1〜24時間の範囲、好ましくは、1〜6時間の範囲内に設定される。
この反応の終了後、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物である本発明のエポキシ・オキセタン化合物を分離して取り出すことができる。
更に必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー等の手段を利用して精製することができる。
前記の、タングステン酸ナトリウムを触媒とし、過酸化水素を用いて、オレフィン・オキセタン化合物をエポキシ化する反応において、過酸化水素は、該オレフィン・オキセタン化合物の有する2重結合に対して、1.0〜5.0倍モルの割合で用いられる。また、タングステン酸ナトリウムの使用量は、該オレフィン・オキセタン化合物の有する2重結合に対して、0.001〜0.5倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
このエポキシ化の反応においては、反応を阻害しない限り特に制限されることはないが、例えば、前記の過酸を用いるエポキシ化の場合と同様の反応溶媒を用いることができる。
また、このエポキシ化の反応における反応温度は、前記の過酸を用いるエポキシ化の場合と同様に、通常、−10〜150℃の範囲であり、好ましくは、0〜100℃の範囲に設定される。反応時間は、反応温度に応じて適宜設定されるが、通常、1〜24時間の範囲、好ましくは、1〜6時間の範囲内に設定される。
反応終了後は、前記の過酸によるエポキシ化の場合と同様に、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、本発明のエポキシ・オキセタン化合物を分離して取り出すことができる。また、必要により精製してもよい。
前記の、アセトニトリル−アルコール溶媒中で過酸化水素を用いて、オレフィン・オキセタン化合物をエポキシ化する反応において、過酸化水素の使用量は、オレフィン・オキセタン化合物の有する2重結合に対して、1.0〜5.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
また、アセトニトリルの使用量は、該オレフィン・オキセタン化合物に対して、0.5〜5.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
アルコールの使用量は、過酸化水素添加前の状態で10〜80重量%の範囲における適宜の割合とすることが好ましい。また、塩基を用いて、pHを7〜13の範囲内に設定することが好ましい。
このエポキシ化に用いるアルコールは、炭素数1〜4の飽和アルコールが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール(2−ブタノール)、イソブタノール(2−メチル−1−プロパノール)が挙げられる。これらのアルコールは、1種または2種以上を組み合わせて、適宜量が用いられる。
このエポキシ化に用いる塩基としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩もしくは炭酸水素塩、または有機アミン化合物が挙げられ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムを用いることが好ましく、1種または2種以上を組み合わせて、適宜量が用いられる。
また、このエポキシ化の反応温度は、前記の過酸を用いるエポキシ化の場合と同様に、通常、−10〜150℃の範囲、好ましくは、0〜100℃の範囲に設定される。反応時間は、反応温度に応じて適宜設定されるが、通常、1〜48時間の範囲、好ましくは、1〜6時間の範囲内に設定される。
反応終了後は、前記の過酸によるエポキシ化の場合と同様に、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、本発明のエポキシ・オキセタン化合物を分離して取り出すことができる。また、必要により精製してもよい。
<本発明の樹脂組成物について>
本発明のエポキシ・オキセタン化合物は優れた硬化性能を発揮する。
即ち、本発明のエポキシ・オキセタン化合物(以下、第1の硬化性化合物と云うことがある)を含有する樹脂組成物については、硬化させることにより、優れた特性の発現が期待される硬化物(樹脂)を得ることができる。
なお、本発明の樹脂組成物においては、第1の硬化性化合物と、これとは別の他の硬化性化合物(以下、第2の硬化性化合物と云うことがある)を併用することも可能である。
本発明の樹脂組成物の硬化(重合)時に、第1の硬化性化合物とは別に、第2の硬化性化合物を共存させることにより、第1の硬化性化合物と、第2の硬化性化合物が共重合した硬化物を得ることができる。
なお、第2の硬化性化合物は、重合性モノマーと、重合性モノマーが重合した構造を有する重合性オリゴマー(半硬化物)の両者を包含する。
この重合性モノマーの例としては、公知のエポキシ化合物(注:エポキシ樹脂と称されることがある)、オキセタン化合物、エポキシ・オキセタン化合物(分子内にオキシラン環とオキセタン環を有する)、アクリル化合物(アクリル樹脂と称されることがある)等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、分子内にオキシラン環(エポキシ基/グリシジル基)を有するものであれば、特に制限なく使用可能であり、例えば、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノール等の多価フェノールまたはグリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル類;
p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル類;
フタル酸、テレフタル酸等のポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル類;
1,3,4,6−テトラグリシジルグリコールウリル等の分子内に2つ以上のエポキシ基を有するグリシジルグリコールウリル化合物;
3′,4′−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物;
トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントイン型エポキシ化合物等の含窒素環状エポキシ化合物;
更に、エポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂肪族エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂の他、
炭素−炭素二重結合およびグリシジル基を有する有機化合物と、SiH基を有するケイ素化合物とのヒドロシリル化付加反応によるエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物(例えば、特開2004−99751号公報や特開2006−282988号公報に開示されたエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物)等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
オキセタン化合物としては、分子内にオキセタン環(オキセタニル基/オキセタン基)を有するものであれば、特に制限なく使用可能であり、例えば、
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、
3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、
(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、
4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、
4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、
[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、
イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、
3,3′−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、
1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、
1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、
1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、
エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、
1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、
ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
エポキシ・オキセタン化合物としては、分子内にオキシラン環(同上)とオキセタン環(同上)を有するものであれば、特に制限なく使用可能であり、例えば、前述の特許文献1〜4に記載されているものが挙げられる。これらの文献に記載されたエポキシ・オキセタン化合物を参照することにより、本明細書の開示に含む
アクリル化合物の例としては、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸変性アリルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、「デナコールアクリレートDA111(商品名)」)、ウレタン(メタ)アクリレート類、エポキシ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール系(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、(メタ)アクリレート基含有ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物においては、第2の硬化性化合物として、前述の重合性モノマーと重合性オリゴマーを組み合わせて用いてよく、重合性モノマーとしては、先に例示した重合性モノマーを組み合わせて用いてよく(種類の異なる重合性モノマーを組み合わせて用いてよく)、重合性オリゴマーについても、種類の異なる重合性オリゴマーを組み合わせて用いてよい。
本発明の樹脂組成物中における、第1の硬化性化合物の含有量と、第2の硬化性化合物の含有量の比率については、第2の硬化性化合物の含有量が、第1の硬化性化合物の含有量に対して、0〜1000倍量(重量比)の範囲における適宜の割合とすることが好ましく、0.01〜100倍量(重量比)の範囲における適宜の割合とすることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物を硬化(重合)させる方法としては、光硬化および熱硬化させる方法が挙げられる。
光硬化させる方法として、活性エネルギー線を照射する方法、光重合開始剤を併用する方法が挙げられる。活性エネルギー線は、光、放射線、電磁波や電子線等を包含するが、代表的には、光、特に紫外線を表すものとする。
光重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤を採用することができ、必要に応じて、光ラジカル重合開始剤を併用することができ、これらを樹脂組成物中に含有させればよい。なお、光硬化においては、生産効率や硬化物の特性を高める為に、熱硬化の手段を併用してもよい。
光カチオン重合開始剤としては、一般に用いられるものであれば特に制限無く用いることができ、オニウム塩類や有機金属錯体類等が挙げられる。
オニウム塩類の例としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩およびヨードニウム塩が挙げられ、有機金属錯体類の例としては、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体およびアリールシラノール−アルミニウム錯体等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤として市販されている工業薬品の例としては、ADEKA社製の「オプトマーSP−150(商品名)」、同「オプトマーSP−170(商品名)」や、サンアプロ社製の「CPI−100P(商品名)」、ゼネラルエレクトロニクス社製の「UVE−1014(商品名)」、サートマー社製の「CD−1012(商品名)」等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤の対アニオンとしては、SbF6 -、AsF6 -、B(C654 -、PF6 -等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物中における光カチオン重合開始剤の含有量は、0.001〜20重量%の割合であることが好ましく、0.01〜10重量%の割合であることがより好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、
炭素数16〜17のケタール化合物(例えば、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等)、
炭素数8〜18のアセトフェノン化合物(例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等)、
炭素数13〜21のベンゾフェノン化合物(例えば、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、4,4′−ビスメチルアミノベンゾフェノン等)、炭素数14〜18のベンゾイン化合物(例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等)、
炭素数14〜19のアントラキノン化合物(例えば、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等)、
炭素数13〜17のチオキサントン化合物(例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等)、
炭素数22〜28のアシルフォスフィンオキサイド化合物(例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物中における光ラジカル重合開始剤の含有量は、0.001〜20重量%の割合であることが好ましく、0.01〜10重量%の割合であることがより好ましい。
また、本発明の樹脂組成物を光硬化させる際には、例えば、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ペンゾフラビン等の増感剤を用いることができる。
一方、本発明の樹脂組成物を熱硬化させる際には、熱重合開始剤を用いることができる。熱重合開始剤としては、熱カチオン重合開始剤を採用することができ、これを樹脂組成物中に含有させればよい。
熱カチオン重合開始剤としては、一般に用いられるものであれば特に制限無く用いることができ、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩およびスルホニウム塩等の各種オニウム塩類、ならびに有機金属錯体類等を例示することができる。
工業薬品として市販されているオニウム塩類の例として、ADEKA社製の「アデカオプトンCP−66(商品名)」、同「アデカオプトンCP−77(商品名)」、三新化学工業社製の「サンエイドSI−60L(商品名)」、同「サンエイドSI−80L(商品名)」、同「サンエイドSI−100L(商品名)」や、日本曹達社製の「CIシリーズ(商品名)」等が挙げられる。
また、有機金属錯体類としては、アルコキシシラン−アルミニウム錯体等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物中における熱カチオン重合開始剤の含有量は、0.001〜20重量%の割合であることが好ましく、0.01〜10重量%の割合であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、更に、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、
顔料(チタン白、シアニンブルー、ウォッチングレッド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラック、マンガンブルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、ハンザレッド、クロームイエロー、クロームグリーン等)、
無機充填剤(炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム、リトポン、石コウ、ステアリン酸亜鉛、パーライト、石英、石英ガラス、溶融シリカ、球状シリカ等のシリカ粉等、球状アルミナ、破砕アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭化ケイ素等の炭化物類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物類、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属類や合金類、ダイヤモンド、カーボン等の炭素系材料等)、
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(高密度、中密度、低密度の各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール樹脂(フェノール化合物)、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリルゴム、ウレタンゴムなどの各種エラストマー樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体などのグラフト共重合体等)、
補強剤(ガラス繊維、炭素繊維等)、
垂れ止め剤(水添ヒマシ油、微粒子無水硅酸等)、
艶消し剤(微粉シリカ、パラフィンワックス等)、
研削剤(ステアリン酸亜鉛等)、
内部離型剤(ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウムの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アマイド等の脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス等)、
界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、粘度調整用希釈剤(有機溶剤)、カップリング剤、香料、難燃化剤などの添加剤(改質剤)を含有してもよい。
本発明の樹脂組成物の調製に当たっては、その調製方法に特に制限はなく、前述の各成分を所定量計り取って撹拌混合することにより調製される。例えば、予備混合の後、ロール混練機、ニーダーや押出機等を用いて、混合あるいは溶融混練することにより調製することができる。必要により、有機溶剤(粘度調整用希釈剤)を用いてもよい。
本発明の樹脂組成物は、紫外線の照射または加熱により重合(硬化)して、硬化物を与える。
紫外線の照射手段としては、ケミカルランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等の光源を用いる方法が挙げられる。
紫外線の照射強度および照射時間については、所望の照射強度または所望の照射時間を考慮して、また、被照射物である樹脂組成物の組成や形状(厚み)を考慮して、適宜設定される。
加熱手段としては、熱風循環、赤外線加熱、高周波加熱等の方法が挙げられる。また、硬化装置としては、密閉式硬化炉や連続硬化が可能なトンネル炉等を用いることができる。
加熱(硬化)温度および加熱(硬化)時間については、紫外線照射の場合と同様に、被照射物である樹脂組成物の組成や形状(厚み)を考慮して、適宜設定されればよい。
本発明の樹脂組成物は、その用途に特に制限はなく、材質が樹脂であってよい様々な分野の製品(部品・部材)に適用可能であり、電気・電子、光学、建築、土木、自動車・航空機、医療の分野や、その他、日用・雑貨品等の材料の原料として用いることができる。
例えば、電気・電子分野における部品・部材や材料の例としては、樹脂付銅箔、プリプレグ、銅張積層板、プリント配線板や、ソルダーレジストインク、異方性導電性フィルム、異方性導電性ペースト、層間絶縁材、接着剤、シール材、封止材、絶縁性の材料、熱伝導性の材料、ホットメルト用材料、塗料、ポッティング剤等が挙げられるが、より具体的には、層間絶縁膜、配線被覆膜等のプリント配線板や電子部品の封止材料、層形成材料;
カラーフィルター、偏光板、ディスプレイ材料、レジスト材料、配向膜等の表示装置の形成材料;
レジスト材料、バッファーコート膜等の半導体装置の形成材料;
レンズ、ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等の光学部品の形成材料が挙げられる。
また、有機EL素子、有機トランジスタや太陽電池等の有機エレクトロニクス素子用材料、半導体実装用のリジッド配線板やフレキシブルプリント配線板の形成材料、半導体実装用装着材料、フレキシブルプリント配線板用接着剤、半導体用封止材、太陽電池用封止材、半導体用絶縁膜、フレキシブルプリント回路保護用カバーレイフィルム、配線被覆用コーティング剤等が挙げられる。
光学分野における材料の例としては、光ファイバー用コア材、クラッド材、プラスチックレンズの耐摩耗性コーティング剤等が挙げられる。
建築分野における材料の例としては、各種金属パネル・サイディングボード等の外装材の目地用シール材、コーティング材、プライマー;
外装材・下地材・天井材と内装材の間に用いるシール材、接着剤、注入材、制振材、防音材、電磁波遮蔽用導電性材料、パテ材;
外壁材・下地材へのタイル・石材接着用の接着剤;
各種床への木質フローリング材・高分子材料系床シート・床タイル接着用の接着剤、粘着剤;
各種外装材・内装材のクラック補修用注入材等が挙げられる。
土木分野における材料の例としては、道路・橋梁・トンネル・防波堤などの各種コンクリート製品の目地用シール材、コーティング材、プライマー、塗料、パテ材、注入材、吹付材、型取材等が挙げられる。
自動車・航空機分野における材料の例としては、構造材、ボディーや部品の接着剤、シール材、コーティング材、緩衝材、制振材、防音材、吹付材;
自動車内装用の接着剤、粘着剤、コーティング材、発泡材;
鋼板継ぎ目用のシール材、接着剤、コーティング材等が挙げられる。
医療分野における材料の例としては、人工骨、歯科印象材、医療用ゴム材料、医療用粘着剤、医療機器シール材等が挙げられる。
以下、実施例および比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例において用いた主原料は、以下のとおりである。
[主原料]
・3,3−ビス[(3−シクロヘキセン−1−イルメトキシ)メチル]オキセタン:合成例Aを参照。
・3−シクロヘキセン−1−メタノール:東京化成工業社製
・3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタン:東京化成工業社製
・3,3−ビス[(2−オキシラニルメトキシ)メチル]オキセタン:合成例B参照、エポキシ・オキセタン化合物(2)と云うことがある。
・3,3−ビスヒドロキシメチルオキセタン:「Journal of Polymer Science: PartA Polymer Chemistry, Vol.27, 3083-3112(1989)」に記載の方法に準拠して合成した。
・エピクロロヒドリン:大阪ソーダ社製
・1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]2−プロパノール:合成例C参照
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン:宇部興産社製
・1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]2−(2−オキシラニルメトキシ)プロパン:合成例D参照、エポキシ・オキセタン化合物(3)と云うことがある。
・脂環式エポキシ化合物(1):ダイセル社製、「セロキサイド2021P(商品名)」、3′,4′−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、化学式(VI-1)参照
・脂環式エポキシ化合物(2):ダイセル社製、「セロキサイド8000(商品名)」、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル、化学式(VI-2)参照
・熱カチオン重合開始剤(熱酸発生剤):三新化学社製、「サンエイドSI−100L(商品名)」、ジベンジルメチル−p−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
Figure 2019077674
〔合成例A〕
<3,3−ビス[(3−シクロヘキセン−1−イルメトキシ)メチル]オキセタンの合成>
3Lのナスフラスコに、3−シクロヘキセン−1−メタノール295.9g(2.64mol)、ジメチルホルムアミド315.9gを仕込み、撹拌しながら5℃まで氷冷した。
次いで、t−ブトキシカリウム285.3g(2.53mol)を加え、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタン258.6g(1.06mol)を滴下した後、室温まで昇温し、14時間撹拌した。
続いて、この反応液にトルエンを加え、水洗し、得られた有機層を濃縮し、濃縮物461.6gを得た。この濃縮物を蒸留により精製し、標題のオレフィン・オキセタン化合物(化学式(Ia-1)参照)を、無色透明液体として、252.5g(0.82mol/収率78.1%)得た。
このオレフィン・オキセタン化合物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (CDCl3) δ: 5.67(s, 4H), 4.47(s, 4H), 3.63(s, 4H), 3.35(d, 4H), 2.06(m, 6H), 1.90(m, 2H), 1.75(m, 4H), 1.29(m, 2H).
Figure 2019077674
〔合成例B〕
<3,3−ビス[(2−オキシラニルメトキシ)メチル]オキセタン(エポキシ・オキセタン化合物(2))の合成>
5Lのナスフラスコに、3,3−ビスヒドロキシメチルオキセタン391.4g(3.31mol)、エピクロロヒドリン2438.6g(26.36mol)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド12.8g(0.07mol)を仕込み、10℃まで氷冷し、48%水酸化ナトリウム水溶液3865.2g(46.38mol)を滴下し、14時間撹拌した。
続いて、この反応液にジクロロメタンを加え、水洗し、有機層を濃縮した。得られた濃縮物を蒸留により精製し、標題のエポキシ・オキセタン化合物(化学式(VII)参照)を、無色透明液体として、169.1g(0.73mol/収率22.2%)得た。
この液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (D6-DMSO) δ: 4.42(s, 4H), 3.77(dd, 2H), 3.63(d, 4H), 3.31(dd, 2H), 3.11(m, 2H), 2.73(t, 2H), 2.55(dd, 2H).
Figure 2019077674
〔合成例C〕
<1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]−2−プロパノールの合成>
300mlのナスフラスコに、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン48.79g(420mmol)、水酸化ナトリウム5.76g(144mmol)を仕込み、撹拌しながら45℃まで昇温した。
次いで、エピクロロヒドリン11.10g(120mmol)を滴下し、60℃にて5時間撹拌した後、室温まで冷却した。
続いて、この反応液にジクロロメタン600mlと水100mlを加え、抽出、水洗し、得られた有機層を濃縮した。得られた濃縮物を蒸留により精製し、標題のオキセタン化合物(化学式(VIIIa)参照)を、無色透明液体として、9.13g(31.6mmol/収率26.4%)得た。
このオキセタン化合物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.42(dd, 8H), 3.99(m, 1H), 3.56(m, 8H), 2.58(d, 1H), 1.72(q, 4H), 0.82(t, 6H).
Figure 2019077674
〔合成例D〕
<1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]−2−(2−オキシラニルメトキシ)プロパン(エポキシ・オキセタン化合物(3))の合成>
100mlナスフラスコに、合成例Cにて合成例を示したオキセタン化合物8.00g(27.74mmol)、水酸化ナトリウム2.22g(55.5mmol)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.51g(2.77mmol)を仕込み、室温下で撹拌した。
次いで、エピクロロヒドリン7.70g(83.22mmol)を滴下し15時間撹拌した。
続いて、この反応液にジクロロメタン50mlと水10mlを加え、抽出、水洗し、得られた有機層を濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1(容量比))により精製し、標題のエポキシ・オキセタン化合物(化学式(VIII)参照)を、無色透明液体として、7.02g(20.4mmol/収率73.4%)得た。
この液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.42(dd, 8H), 3.91(dd, 1H), 3.74(m, 1H), 3.58(m, 9H), 3.13(m, 1H), 2.78(t, 1H), 2.62(dd, 1H), 1.74(q, 4H), 0.89(t, 6H).
Figure 2019077674
実施例および比較例において採用した評価試験は、以下のとおりである。
[評価試験]
(a)樹脂組成物の硬化性
後述する実施例および比較例において調製した樹脂組成物を用いて、120℃でのゲルタイム測定(熱板法)を実施した。
(b)硬化物の物性
後述する実施例および比較例において調製した樹脂組成物について、混合装置(「あわとり錬太郎(商品名)」)を用いて混練・脱泡処理後、離型処理を施したガラス板(120mm×120mm×3mm)2枚の間に、厚さ4mmのシリコンゴムで作製したコの字型スペーサーを挟み込みクリップで固定した型枠に、各々15g流し込み、次いで送風オーブンに入れた後、65℃/2hの条件で加熱し、更に150℃/2hの条件で加熱して硬化させた。
続いて、室温まで冷却後、硬化物を取り出し、カッターを用いて10mm(縦)×10mm(横)×4mm(厚み)の試験片を作製した。
これらの試験片について、熱機械分析装置(TMA:日立ハイテクサイエンス社製、「TMA7100」)により、ガラス転位温度(Tg)と線膨張係数(CTE)を測定した(フローガス:窒素、昇温条件:5℃/min.)。
〔実施例1〕
<3,3−ビス[(3,4−エポキシシクロヘキシル−1−メトキシ)メチル]オキセタン(エポキシ・オキセタン化合物(1)と云うことがある)の合成>
300mlのナスフラスコに、3,3−ビス[(3−シクロヘキセン−1−イルメトキシ)メチル]オキセタン5.89g(19.2mmol)、炭酸カリウム0.79g(5.72mmol)、アセトニトリル3.20g(77.95mmol)、メタノール5.83gを仕込み、室温下で撹拌した。
次いで、30%過酸化水素水溶液7.68g(67.74mmol)を滴下し、18時間撹拌した。
続いて、この反応液にトルエン60gを加え、生成物を抽出して水洗した。得られた有機層を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1(容量比))により精製し、2.89g(8.54mmol/収率44.5%)の無色透明液体を得た。
この液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.44(s, 4H), 3.56(s, 4H), 3.22(m, 8H), 2.15(m, 2H), 2.03(m, 2H), 1.80(m, 3H), 1.49(m, 5H), 1.17(m, 1H), 1.02(m, 1H).
また、この液体のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた無色透明液体は、化学式(I-1)で示される標題のエポキシ・オキセタン化合物であるものと同定した。
Figure 2019077674
〔実施例2〕
実施例1において合成例を示したエポキシ・オキセタン化合物(1)100.00gと、熱カチオン重合開始剤0.20gを均一に混合し、樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物について、評価試験((a)樹脂組成物の硬化性、(b)硬化物の物性)を行い、樹脂組成物の硬化性と、硬化物の物性を評価したところ、得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
〔実施例3〜5、比較例1〜13〕
実施例2の場合と同様にして、表1に示した配合組成を有する樹脂組成物を調製し、評価試験を実施したところ、得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
Figure 2019077674
本発明のエポキシ・オキセタン化合物を、光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂の原料として用いた場合には、架橋機能が発揮されて、硬化性に優れた(硬化速度が速い)樹脂組成物とすることができる。また、この樹脂組成物の硬化物は、耐熱性、寸法安定性および脆性に優れる。
本発明の樹脂組成物によれば、従来の樹脂組成物(例えば、前記の脂環式エポキシ化合物(1)や同(2)を成分として含有する)に比べて、これらの硬化性、耐熱性、寸法安定性、脆性等の諸特性をバランス良く向上させることができるので、本発明の産業上の利用可能性は多大である。

Claims (4)

  1. 化学式(I)で示されるエポキシ・オキセタン化合物。
    Figure 2019077674
    (式中、Aは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)で示される基を表す。Rは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
    Figure 2019077674
    (式中、Rは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
  2. 化学式(III)で示されるオキセタン化合物と、化学式(IV)で示されるオレフィン化合物を反応させて、2重結合を有する化学式(Ia)で示されるオレフィン・オキセタン化合物を生成させ、次いで、この2重結合をエポキシ化することを特徴とする、請求項1記載のエポキシ・オキセタン化合物の合成方法。
    Figure 2019077674
    (式中、Rは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。Xは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシル基(OMs)、トシル基(OTs)またはトリフルオロメチル基(OTf)を表す。)
    Figure 2019077674
    (式中、Rは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
    Figure 2019077674
    (式中、Bは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(V)で示される基を表す。Rは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
    Figure 2019077674
    (式中、Rおよびnは、前記の化学式(IV)の場合と同様である。)
  3. 請求項1記載のエポキシ・オキセタン化合物を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  4. 請求項3記載の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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