JP6541585B2 - (メタ)アクリルエポキシイソシアヌレート化合物、その合成方法および該イソシアヌレート化合物の利用 - Google Patents
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Description
なお、グリシジル基に酸無水物が付加した態様は、化学式(V)で示される。
即ち、第1の発明は、化学式(I)で示される(メタ)アクリルエポキシイソシアヌレート化合物である。
第4の発明は、第3の発明の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物である。
なお、本発明および本発明の説明においては、「アクリロイル」と「メタクリロイル」の両者を総称して「(メタ)アクリロイル」と云い、「アクリル」と「メタクリル」の両者を総称して「(メタ)アクリル」と云い、「アクリレート」と「メタクリレート」の両者を総称して「(メタ)アクリレート」と云う。
1,3−ジグリシジル−5−(2−アクリロイルオキシ−3−メタクリロイルオキシ)プロピルイソシアヌレート、
1,3−ジグリシジル−5−(2−メタクリロイルオキシ−3−アクリロイルオキシ)プロピルイソシアヌレート、
1,3−ジグリシジル−5−(2,3−ジメタクリロイルオキシ)プロピルイソシアヌレートを包含する。
この反応においては、反応を促進させる為の触媒(イ)と、副反応を抑制する為の重合禁止剤(ロ)を使用することが好ましい。また、反応を阻害しない限りにおいて、反応溶媒(ハ)を使用してもよい。
なお、アクリル酸メタクリル酸無水物は、例えば、特開昭62−158237号公報に記載の方法に準拠して、アクリル酸とメタクリル酸を、無水酢酸と反応させることにより、アクリル酸無水物およびメタクリル酸無水物との混合物として合成される。そして、この混合物から、適宜の分離手段により、アクリル酸メタクリル酸無水物を取り出すことができる。
当該(メタ)アクリル酸無水物の使用量(仕込み量)は、トリグリシジルイソシアヌレートの使用量(仕込み量)に対して、0.01〜1.00倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
第四級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、ヘキサデシルトリエチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、オクチルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウムのハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)等の塩が挙げられる。
第四級ホスホニウム塩の例としては、テトラブチルホスホニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、テトラデシルホスホニウム、テトラオクチルホスホニウム、トリエチルオクタデシルホスホニウム、トリオクチルエチルホスホニウム、ヘキサデシルトリエチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウムのハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)等の塩が挙げられる。
また、クラウンエーテルの例としては、15−クラウン−5、18−クラウン−6、21−クラウン−7、24−クラウン−8等が挙げられる。
本発明の実施においては、触媒(イ)として、これらの物質を組み合わせて使用してもよい。
触媒(イ)の使用量(仕込み量)は、(メタ)アクリル酸無水物の使用量(仕込み量)に対して、0.0001〜1.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、フェノチアジン、塩化銅、硫酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等が挙げられ、これらの物質を組み合わせて使用してもよい。
重合禁止剤の使用量(仕込み量)は、(メタ)アクリル酸無水物の使用量(仕込み量)に対して、0.0001〜1.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の溶剤が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて、その適宜量を使用することができる。
更に必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の手段を利用して精製することができる。
なお、当該他の硬化性化合物は、重合性モノマーと、重合性モノマーが一部重合した構造を有する重合性オリゴマー(半硬化物)の両者を包含する。
(メタ)アクリレート化合物(注:(メタ)アクリレート樹脂と称されることもある)の例としては、
メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−n−ブチル−O−(メタ)アクリロイルオキシエチルカーバメート、アクリロイルモルホリン、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、トリブロモベンジル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等の一官能(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロキシプロピルトリス(メトキシ)シラン等のケイ素含有(メタ)アクリレート類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジグリシジルエーテル−エポキシ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテル−エポキシジ(メタ)アクリレート、フェノールグリシジルエーテル−エポキシ(メタ)アクリレート、レゾルシンジグリシジルエーテル−エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル−エポキシジ(メタ)アクリレート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドジグリシジルエーテル−エポキシ(メタ)アクリレート、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂−(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂−(メタ)アクリレート、ビスフェノール(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF)型エポキシ樹脂−(メタ)アクリレート、ビフェノール(例えば、3,3′,5,5′−テトラメチルビフェノール)型エポキシ樹脂−(メタ)アクリレート、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート−(メタ)アクリレート等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシ(メタ)アクリレート類;
グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のグリシジル(メタ)アクリレート類;
ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリウレタン(メタ)アクリレート類、チオウレタンアクリレート類、ポリチオウレタンアクリレート類、エステルアクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類、ポリエーテル(メタ)アクリレート類、含硫黄(メタ)アクリレート類、含硫黄多官能(メタ)アクリレート類が挙げられる。
グリシジルエーテル型の例としては、Bis−A型エポキシ化合物、Bis−F型エポキシ化合物、High−Br型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、アルコール型エポキシ化合物、脂肪族型エポキシ化合物(例えば、1,4−ブタンジグリシジルエーテル)等が挙げられ、
グリシジルエステル型の例としては、ヒドロフタル酸型エポキシ化合物、ダイマー酸型エポキシ化合物が挙げられ、
グリシジルアミン型の例としては、芳香族アミン型エポキシ化合物、アミノフェノール型エポキシ化合物が挙げられ、
酸化型の例としては、脂環型エポキシ化合物等が挙げられる。
この硬化性化合物としては、前述の重合性モノマーと重合性オリゴマーを組み合わせて使用してよく、重合性モノマーとしては、先に例示した重合性モノマーを組み合わせて使用してよく(種類の異なる重合性モノマーを組み合わせて使用してよく)、重合性オリゴマーについても、種類の異なる重合性オリゴマーを組み合わせて使用してよい。
本発明の樹脂組成物中における、本発明のイソシアヌレート化合物と前記の硬化性化合物の含有量については、硬化性化合物の含有量が、本発明のイソシアヌレート化合物の含有量に対して、0〜1000倍量(重量比)の範囲における適宜の割合とすることが好ましく、0.01〜100倍量(重量比)の範囲における適宜の割合とすることがより好ましい。
光硬化させる方法として、活性エネルギー線を照射する方法、光重合開始剤を使用する方法、またはこれらを組み合わせた方法等が挙げられる。活性エネルギー線は、光、放射線、電磁波や電子線等を包含するが、代表的には、光、特に紫外線を表すものとする。
光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤から選択することができ、それらを樹脂組成物中に含有させればよい。なお、光硬化においては、生産効率や硬化物の特性を高める為に、熱重合(熱硬化)の手段を併用してもよい。
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;
ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン類;
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;
イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類や、その他、メチルフェニルグリオキシレート等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
なお、光ラジカル重合開始剤には、必要により、4−ジメチルアミノ安息香酸等の安息香酸類や3級アミン類等の公知の光重合促進剤を併用することができる。
オニウム塩類としては、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩が挙げられ、有機金属錯体類としては、例えば、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤として市販されている工業薬品の例としては、ADEKA社製の「オプトマーSP−150(商品名)」、同「オプトマーSP−170(商品名)」や、ゼネラルエレクトロニクス社製の「UVE−1014(商品名)」、サートマー社製の「CD−1012(商品名)」、サンアプロ社製の「CPI−100P(商品名)」等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤の対アニオンとしては、SbF6 -、AsF6 -、B(C6F5)4 -、PF6 -等が挙げられる。
オニウム塩類としては、例えば、1,2−ジイソプロピル−3−(ビス(ジメチルアミノ)メチレン)グアニジウム 2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオナート、1,2−ジシクロヘキシル−4,4,5,5−テトラメチルビグアニジウム n−ブチルトリフェニルボレート等が挙げられ、
カーバメート類としては、例えば、2−ニトロフェニルメチルピペリジン−1−カルボキシレート、1−(アントラキノン−2−イル)エチルイミダゾールカルボキシレート、1−(3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペノイル)ピペリジン、9−アントラニルメチルジエチルカーバメート等が挙げられる。
ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソブチレート等の過酸化物、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系化合物が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
工業薬品として市販されているオニウム塩類の例としては、ADEKA社製の「アデカオプトンCP−66(商品名)」、同「アデカオプトンCP−77(商品名)」、三新化学工業社製の「サンエイドSI−60L(商品名)」、同「サンエイドSI−80L(商品名)」、同「サンエイドSI−100L(商品名)」や、日本曹達社製の「CIシリーズ(商品名)」等が挙げられる。
また、有機金属錯体類としては、アルコキシシラン−アルミニウム錯体等が挙げられる。
アミン類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、1,3,4,6−テトラキス(3−アミノプロピル)グリコールウリル等が挙げられ、
チオール類としては、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス(2−メルカプトエチル)イソシアヌレート、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル等が挙げられ、
イミダゾール類としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
顔料(チタン白、シアニンブルー、ウォッチングレッド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラック、マンガンブルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、ハンザレッド、クロームイエロー、クロームグリーン等)、
無機充填剤(炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム、リトポン、石コウ、ステアリン酸亜鉛、パーライト、石英、石英ガラス、溶融シリカ、球状シリカ等のシリカ粉等、球状アルミナ、破砕アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭化ケイ素等の炭化物類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物類、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属類や合金類、ダイヤモンド、カーボン等の炭素系材料等)、
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(高密度、中密度、低密度の各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール樹脂(フェノール化合物)、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリルゴム、ウレタンゴムなどの各種エラストマー樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体などのグラフト共重合体等)、
補強剤(ガラス繊維、炭素繊維等)、
垂れ止め剤(水添ヒマシ油、微粒子無水硅酸等)、
艶消し剤(微粉シリカ、パラフィンワックス等)、
研削剤(ステアリン酸亜鉛等)、
内部離型剤(ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウムの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アマイド等の脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス等)、
界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、粘度調整用希釈剤(有機溶剤)、カップリング剤、香料、難燃化剤などの添加剤(改質剤)を含有してもよい。
カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ用フィルム、レジスト材料、配向膜等の表示装置の形成材料;
レジスト材料、バッファーコート膜等の半導体装置の形成材料;
ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等の光学部品の形成材料が挙げられる。
また、半導体実装用のリジッド配線板やフレキシブルプリント配線板の形成材料、半導体実装用装着材料、フレキシブルプリント配線板用接着剤、半導体用封止材、太陽電池用封止材、半導体用絶縁膜、フレキシブルプリント回路保護用カバーレイフィルム、配線被覆用コーティング剤等が挙げられる。
・トリグリシジルイソシアヌレート:東京化成工業社製
・無水メタクリル酸:シグマ・アルドリッチ社製
・無水アクリル酸:特開2000−128871号公報記載の方法に準拠して合成した。
・触媒:塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、和光純薬工業社製
・重合禁止剤:4−メトキシフェノール、同上
・グリシジルメタクリレート:同上、化学式(VI)参照
・光ラジカル重合開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバ・ジャパン社製、商品名「イルガキュア184」
・光カチオン重合開始剤:ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、プロピレンカーボネート50%溶液、サンアプロ社製、商品名「CPI−100P」
[評価試験]
(1)イソシアヌレート化合物の保存安定性
遮光して40℃に調整した恒温槽内に、イソシアヌレート化合物を静置し、ゲル化するまでの日数を示した。
(2)樹脂組成物の硬化性
樹脂組成物について硬化操作を行った結果、樹脂組成物が完全に硬化した場合を「○」、半硬化であった場合を「△」、未硬化であった場合を「×」と判定した。
(3)硬化物の硬度
旧JIS−K5400に準拠して、鉛筆硬度試験(鉛筆引っかき試験)を行い、試験結果を鉛筆硬度で示した。
(4)硬化物の透明性
ヘーズメーター(形式:NDH2000、日本電色工業社製)を使用して、硬化物の透明性(全光線透過率)を測定した。
(5)硬化物の密着性
旧JIS−K5400に準拠して、クロスカット試験(碁盤目試験)を行い、剥がれなかった硬化膜のマス目の数を示した。
(6)硬化物の耐湿性
温度60℃/湿度90%RHの環境下にて500時間静置した後、前記の「(5)硬化物の密着性」の評価試験を実施し、剥がれなかった硬化膜のマス目の数を示した。
<1,3−ジグリシジル−5−(2,3−ジメタクリロイルオキシ)プロピルイソシアヌレートの合成>
300mlのナスフラスコに、トルエン100ml、無水メタクリル酸2.32g(15.0mmol)、トリグリシジルイソシアヌレート44.59g(150.0mmol)と、触媒0.15g(0.8mmol)および重合禁止剤0.02g(0.2mmol)を仕込み、80℃にて10時間撹拌した。
続いて、反応液を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/酢酸エチル=9/1(v/v))により処理し、1.46gの無色透明液体を得た(収率21.6%)。
・1H-NMR (d6-DMSO) δ: 6.02(s, 1H), 5.99(s, 1H), 5.70(s, 1H), 5.66(s, 1H), 5.31(m, 1H), 4.42(dd, 1H), 4.27(dd, 1H), 4.19(dd, 1H), 4.04(dd, 1H), 3.97(m, 2H), 3.86(dd, 2H), 3.12(quin, 2H), 2.72(t, 2H), 2.58(dd, 2H), 1.87(s, 3H), 1.82(s, 3H).
また、この無色透明液体のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた無色透明液体は、化学式(I-1)で示される表題のイソシアヌレート化合物であるものと同定した。
無水メタクリル酸の代わりに無水アクリル酸を使用した以外は、実施例1に示した合成試験と同様の操作を行って、1,3−ジグリシジル−5−(2,3−ジアクリロイルオキシ)プロピルイソシアヌレート(化学式(VII)参照)を合成した。
このイソシアヌレート化合物について、保存安定性の評価試験を行ったところ、得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
実施例1において合成例を示した1,3−ジグリシジル−5−(2,3−ジメタクリロイルオキシ)プロピルイソシアヌレート100.00gと、光ラジカル重合開始剤2.00gおよび光カチオン重合開始剤2.00gを均一に混合し、樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物を、バーコーターを使用して、薄板(材質:ポリエチレンテレフタレート)の表面に、厚みが3〜10μmとなるように塗布した。
次いで、高圧水銀灯を使用して紫外線照射(照射積算光量1,000mJ/cm2)し、続いてポストキュア(90℃×10分)を行った。
得られた硬化物(硬化膜)について評価試験を行ったところ、得られた試験結果は表2に示したとおりであった。
1,3−ジグリシジル−5−(2,3−ジメタクリロイルオキシ)プロピルイソシアヌレートの代わりにグリシジルメタクリレートを使用した以外は、実施例2と同様にして樹脂組成物を調製し、評価試験を行った。
得られた試験結果は、表2に示したとおりであった。
Claims (4)
- 請求項1記載の(メタ)アクリルエポキシイソシアヌレート化合物を含有することを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項3記載の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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