JP5076076B2 - 紫外線硬化型組成物 - Google Patents

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本発明は紫外線硬化型組成物に関する。
従来、インモールド成形(転写成形)やインサート成形に使用する熱成形フィルムの保護層として使用する紫外線コーティング組成物としてアクリロイル基と水酸基とを含有するポリマーと、多官能イソシアネートとからなる紫外線硬化型コーティング組成物が知られている(特許文献1)。
特開平10−58895号公報
しかし、従来の紫外線硬化型コーティング組成物を用いた熱成形フィルムでは、熱成形フィルム自体の保存中に硬化反応が進行して熱成形時の加工性が低下するという問題点がある。すなわち、本発明の目的は、保存安定性に優れた紫外線硬化型組成物を提供することである。
本発明の紫外線硬化型組成物の特徴は、ポリエポキシド(A)、フェノール性水酸基を1個有する化合物と多価カルボン酸とのエステル(B1)及び/又は多価フェノール化合物とモノカルボン酸とのエステル(B2)、熱重合触媒(C)、(メタ)アクリレート(D)、並びに光ラジカル重合開始剤(E)を含有する点を要旨とする。
本発明の積層体の製造方法の特徴は、上記の紫外線硬化型組成物をプラスチックシート又はフィルムにコーティングした後、加熱して積層体を得る工程を有する点を要旨とする。
本発明のプラスチック成形体の製造方法の特徴は、上記の製造方法で得られた積層体を成形した後、紫外線を照射することによりプラスチック成形体を得る工程を有する点を要旨とする。
本発明の紫外線硬化型組成物は、保存安定性に著しく優れている。
したがって、本発明の紫外線硬化型組成物を用いると、保存中に硬化反応が進行して熱成形時の加工性が低下するという問題がない。
本発明の積層体の製造方法によると、上記の紫外線硬化型組成物を用いるため、積層体の保存中に硬化反応が進行して熱成形時の加工性が低下するという問題がない。
本発明のプラスチック成形体の製造方法を用いると、上記の積層体を用いるため、積層体の保存中に硬化反応が進行して熱成形時の加工性が低下するという問題がない。
<ポリエポキシド(A)>
ポリエポキシド(A)としては、芳香族ポリエポキシド、脂肪族ポリエポキシド、脂環式ポリエポキシド及び複素環式ポリエポキシドが含まれる。
芳香族ポリエポキシドとしては、多価フェノールのグリシジルエーテル体及びグリシジル芳香族ポリアミンが含まれる。
多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド及び/又はホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体、レゾルシンとアセトンとの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールとポリオールとの反応によって得られるグリシジル基含有ポリウレタン、並びに多価フェノール(ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラクロロビスフェノールA、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,5−ジヒドロキシナフタリン、ジヒドロキシビフェニル及びオクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等)のアルキレンオキシド(エチレンオキシド又はプロピレンオキシド)付加体のジグリシジルエーテル体等が挙げられる。
グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン及びN,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。
脂肪族ポリエポキシドとしては、多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体及びグリシジル脂肪族アミンが含まれる。
多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、及びグリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体等が挙げられる。
多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルアジペート等が挙げられる。
グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
脂環式ポリエポキシドとしては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエール、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロセキサン付加物及び芳香族ポリエポキシドの核水添化体等が挙げられる。
複素環式ポリエポキシドとしては、トリグリシジルイソシアヌレート及びトリスグリシジルメラミン等が挙げられる。
これらのポリエポキシドのうち、硬化性等の観点から、脂環式ポリエポキシド、脂肪族ポリエポキシド及び芳香族ポリエポキシドが好ましく、さらに好ましくは脂環式ポリエポキシド及び芳香族ポリエポキシド、特に好ましくは芳香族ポリエポキシドである。
ポリエポキシドの軟化点は、保存安定性の観点から、室温(25℃)以上であることが好ましく、さらに好ましくは50〜150℃、特に好ましくは80〜120℃である。なお、軟化点はJIS K7234−1986「エポキシ樹脂の軟化点試験方法」に準拠して測定される。
<エステル(B1)、エステル(B2)>
フェノール性水酸基を1個有する化合物としては、炭素数6〜22のモノフェノール化合物が含まれ、フェノール、クレゾール、ナフトール、ノニルフェノール、ジオクチルフェノール、フェニルフェノール及びアントラセノール等が挙げられる。
多価カルボン酸としては、炭素数4〜12のアルカンポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸及びヘキサントリカルボン酸等)及び炭素数8〜12のアレンポリカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びナフタレンジカルボン酸等)等が含まれる。
多価フェノール化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラクロロビスフェノールA、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,5−ジヒドロキシナフタリン、ジヒドロキシビフェニル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル及びノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。
ノボラック型フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂及びジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂が含まれる。
モノカルボン酸としては、炭素数2〜12の飽和脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸及びカプロン酸等)、炭素数3〜12の不飽和脂肪酸(アクリル酸及びメタクリル酸、3−ブテン酸等)、炭素数6〜12芳香族カルボン酸(安息香酸及びトルイル酸等)、炭素数4〜12の酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸及び無水安息香酸等)、及び炭素数2〜12のカルボン酸ハライド(酢酸クロライド、プロピオン酸クロライド及び安息香酸クロライド等)が含まれる。
エステル(B1)のうち、アレンポリカルボン酸とモノフェノール化合物とのエステルが好ましく、さらに好ましくはフタル酸ジフェニルエステル、トリメリト酸トリフェニルエステル及びピロメリト酸テトラフェニルである。
エステル(B2)のうち、ノボラック型フェノール樹脂と飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸、酸無水物又はカルボン酸ハライドとのエステルが好ましく、さらに好ましくはノボラック型フェノール樹脂の酢酸エステル及びノボラック型フェノール樹脂の安息香酸エステルである。
エステル(B1)及びエステル(B2)は、それぞれ、単独で用いてもかまわないし、またそれぞれ2種類以上を併用してもかまわない。
フェノール性水酸基を1個有する化合物と多価カルボン酸とのエステル(B1)、多価フェノール化合物とモノカルボン酸とのエステル(B2)は、公知の方法{特開2003−345004号公報等}で容易に得ることができる。
エステル(B1)及びエステル(B2)の含有量は、ポリエポキシド(A)のエポキシ基1モルに対し、エステル結合のモル数が0.5〜1.5モルとなる量が好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.2モル、特に好ましくは0.9〜1.1モルとなる量である。この範囲であると、紫外線硬化型組成物の保存安定性がさらに向上する。
<熱重合触媒(C)>
熱重合触媒(C)としては、エポキシドと酸無水物やフェノール化合物の硬化反応の促進に用いられる熱重合触媒等が使用でき、第3級アミン、イミダゾール、これらの塩及び有機フォスフィンが含まれる。
第3級アミンとしては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、N,N'−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−ウンデセン−7(DBU、「DBU」はサンアプロ株式会社の登録商標である。)及びDBUの塩(DBUのフェノール塩、DBUのオクチル酸塩、DBUのギ酸塩、DBUのパラトルエンスルフォン酸塩、DBUのフタル酸塩、DBUのフェノールノボラック塩、DBUのテトラフェニルフォスフォニウム塩及びDBUのテトラフェニルボーレート塩等)等が挙げられる。
イミダゾールとしては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウム・トリメリテート、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート、2−フェニルイミダゾリウム・イソシアヌレート、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウム・クロライド、1,3−ジベンジル−2−メチルイミダゾリウム・クロライド、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1H)]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1H)]−エチル−S−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−(1H)]−エチル−S−トリアジン等が挙げられる。
有機フォスフィンとしては、トリフェニルフォスフィン、トリオルトトリルフォスフィン、トリパラトリルフォスフィン、トリス(パラメトキシフェニル)フォスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)フォスフィン、トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、テトラフェニルフォスフォニウムブロマイド及びテトラフェニルフォスフォニウムテトラフェニルボーレート等が挙げられる。
これらの熱重合触媒のうち、第3級アミン及び有機フォスフィンが好ましく、さらに好ましくは1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−ウンデセン−7(DBU)、DBUの塩及び有機フォスフィンである。
熱重合触媒(C)の含有量(重量%)は、ポリエポキシド(A)、エステル(B1)及びエステル(B2)の合計重量に基づいて、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.5〜4、特に好ましくは1〜3である。この範囲であると、紫外線硬化型組成物の保存安定性がさらに向上する。
<(メタ)アクリレート(D)及び光ラジカル重合開始剤(E)>
(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味する。
(メタ)アクリレート(D)としては、光ラジカル重合開始剤(E)とともに紫外線の照射を受けた際に、硬化反応を開始する単量体やオリゴマー等であれば制限がなく、公知の単量体及びオリゴマー{たとえば、特開2005−154609号公報に記載された(メタ)アクリレートやアクリロイル基含有オリゴマー等}等が使用できる。
公知の単量体{(メタ)アクリレート}のうち、(メタ)アクリロイル基を分子中に1〜8個含有する(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリロイル基を分子中に2〜6個含有する(メタ)アクリレート、特に好ましくはペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールAエチレンオキシド2〜4モル付加物のジ(メタ)アクリレートである。
公知のオリゴマー{(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー}のうち、イソシアナト基含有ウレタンプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとを反応させて製造され得るウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく、さらに好ましくはイソシアナト基を2〜5個有するウレタンプレポリマーと(メタ)アクリロイル基を2〜5個有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとの反応生成物、特に好ましくはイソシアナト基を2〜3個有する脂環式ウレタンプレポリマーと(メタ)アクリロイル基を2〜5個有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとの反応生成物である。
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーは公知の方法{たとえば特開2003−342525号公報及び特開2006−028499号公報等}等により調製できるが、市場から入手できるものをそのまま用いてもよい。市場から入手できるオリゴマーとしては、アートレジンUN−904、アートレジンUN−903、アートレジンHMP−2、アートレジンUN−3320HA及びアートレジンUN−3320HC{以上、根上工業(株)製};NKオリゴ U−15HA及びNKオリゴ U−9HA{以上、新中村化学(株)製};並びにUA−306I及びUA−306H{以上、共栄社化学(株)製}等が挙げられる。
なお、これらの(メタ)アクリレートは単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。
光ラジカル重合開始剤(E)としては、紫外線(波長200〜400nm程度)を受けることによりラジカルを発生する化合物であれば制限なく使用でき、ベンゾイル基含有ラジカル開始剤、モルフォニル基含有ラジカル開始剤、リン原子含有ラジカル開始剤及びイオウ原子含有ラジカル開始剤等が使用できる。
ベンゾイル基含有ラジカル開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及びベンゾフェノン等が挙げられる。
モルフォニル基含有ラジカル開始剤としては、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等が挙げられる。
リン原子含有ラジカル開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
イオウ原子含有ラジカル開始剤としては、2,4−ジエチルチオキサントン及びイソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
これらの光ラジカル重合開始剤(E)は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。これらの光ラジカル重合開始剤(E)のうち、ベンゾイル基含有ラジカル開始剤、モルフォニル基含有ラジカル開始剤及びリン原子含有ラジカル開始剤が好ましく、さらに好ましくはモルフォニル基含有ラジカル開始剤及びリン原子含有ラジカル開始剤である。
(メタ)アクリレート(D)の含有量(重量%)は、ポリエポキシド(A)、エステル(B1)及びエステル(B2)の合計重量に基づいて、10〜1000が好ましく、さらに好ましくは20〜500、特に好ましくは30〜200である。この範囲であると、紫外線硬化型組成物の硬化性がさらに良好となる。
光ラジカル重合開始剤(E)の含有量(重量%)は、(メタ)アクリレート(D)の重量に基づいて、1〜15が好ましく、さらに好ましくは2〜10、特に好ましくは3〜8である。この範囲であると、紫外線硬化型組成物の硬化性がさらに良好となる。
<単量体(F)>
本発明の紫外線硬化型組成物には、1分子中にエポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(F)を含有することができる。
単量体(F)としては、ポリエポキシド(A)のエポキシ基1当量に対して、(メタ)アクリル酸を0.1〜0.9当量反応させた化合物、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、N−グリシジルアミノエチル(メタ)アクリレート及び3,4ーエポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単量体(F)を含有する場合、単量体(F)の含有量(重量%)は、ポリエポキシド(A)、エステル(B1)及びエステル(B2)の合計重量に基づいて、10〜1000が好ましく、さらに好ましくは20〜500、特に好ましくは30〜200である。この範囲であると、紫外線硬化型組成物の硬化性がさらに良好となる。
単量体(F)は単独で用いてもよいし、また2種類以上を併用してもよい。また、単量体(F)を含む場合、光ラジカル重合開始剤(E)の含有量(重量%)は、(メタ)アクリレート(D)及び単量体(F)の合計重量に基づいて、1〜15が好ましく、さらに好ましくは2〜10、特に好ましくは3〜8である。この範囲であると、紫外線硬化型組成物の硬化性がさらに良好となる。
<溶剤(G)>
本発明の紫外線硬化型組成物には、取扱性(コーティング性等)をさらに向上させる目的で、さらに必要に応じて溶剤(G)を含有させることができる。
溶剤(G)としては、ポリエポキシド(A)、エステル(B1)、エステル(B2)、熱重合触媒(C)、(メタ)アクリレート(D)及び光ラジカル重合開始剤(E)等を均一溶解できる溶剤であればよく、例えば、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、グリコールエーテル(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノエチルエーテル等)、グリコールエステル(メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールエチルエーテルアセテート等)、アルコール(メタノール、エタノール及びブタノール等)及び芳香族炭化水素(トルエン及びキシレン等)が含まれる。これらの溶剤は単独または混合して用いられる。
溶剤(G)を含有する場合、溶剤(G)の含有量(重量%)は、ポリエポキシド(A)、エステル(B1)及びエステル(B2)の合計重量に基づいて、1〜1000が好ましく、さらに好ましくは10〜500、特に好ましくは20〜200である。
<他の添加剤>
本発明の紫外線硬化型組成物には、必要に応じて、他の添加剤(たとえば、無機フィラー、有機フィラー、高分子結合剤、染料、顔料、熱安定剤、密着促進剤、可塑剤、消泡剤、レベリング剤、垂れ防止剤及び/又は難燃剤等)を添加することができる。
他の添加剤を含有する場合、他の添加剤の含有量(重量%)は、各添加剤の特性を発揮でき、本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができ、ポリエポキシド(A)、エステル(B1)及びエステル(B2)の合計重量に基づいて、0.01〜50が好ましく、さらに好ましくは0.1〜30、特に好ましくは1〜10である。
本発明の紫外線硬化型組成物は、ポリエポキシド(A)、エステル(B1)、エステル(B2)、熱重合触媒(C)、(メタ)アクリレート(D)及び光ラジカル重合開始剤(E)、並びに必要により単量体(F)、他の添加剤及び/又は溶剤を均一混合することによって得られる。撹拌混合温度(℃)としては均一撹拌混合できれば特に制限はないが、25〜60が好ましく、さらに好ましくは30〜50、特に好ましくは35〜45である。撹拌混合時間(時間)としては均一撹拌混合できれば特に制限はないが、0.5〜4が好ましく、さらに好ましくは0.75〜3、特に好ましくは1〜2である。
本発明の紫外線硬化型組成物は、紫外線硬化型のコーティング剤として広く適用できるが、プラスチック成形体用の積層体を調製するのに好適である。
積層体は、本発明の紫外線硬化型組成物を支持体(プラスチックシート又はプラスチックフィルム等)にコーティングした後、加熱して積層体を得る工程を有する製造方法により得ることができる。
コーティング方法としては、ロールコート法、ディップ法、スプレー法、フローコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
加熱温度(℃)としては、60〜150程度が好ましく、さらに好ましくは80〜130である。加熱温度はこの範囲で段階的に変化(たとえば昇温)させてもかまわない。
加熱時間(分)としては、1〜60程度が好ましく、さらに好ましくは3〜30である。
本発明の紫外線硬化型組成物のコーティング層の厚み(μm)としては、0.1〜100程度が好ましく、さらに好ましくは1〜30である。
プラスチックシート又はプラスチックフィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリメチルメタクリレート等が挙げられる。これらのうち、ポリエチレンテレフタレート及びポリカーボネートが好ましい。
積層体をインモールド成形に用いる場合、離型剤(メラミン樹脂等)で離型処理したシート又はフィルムを用いることが好ましい。
シート又はフィルムの厚さ(μm)は、10〜500程度が好ましく、さらに好ましくは50〜300である。
積層体はそのままか、又は保護フィルム(ポリエチレン及びポリプロピレン等)を紫外線硬化型樹脂層に積層してから、ロール状に巻き取り保存できる。
プラスチック成形体は、積層体を成形した後、紫外線を照射することによりプラスチック成形体を得る工程を有する製造方法により得ることができる。
成形方法としては、成形同時加飾方法であるインモールド成形(転写成形)及びインサート成形が含まれる。インモールド成形(転写成形)やインサート成形の具体的方法は、特開平10−58895号公報及び特開2007−291380等に記載されている。
積層体をインモールド成形やインサート成形によって成形する場合、紫外線硬化型樹脂層上又はプラスチックシート若しくはプラスチックフィルムを介した反対面上に印刷等で加飾処理や密着向上処理することができる。
紫外線の照射量(J/cm)としては、0.1〜10程度が好ましく、さらに好ましくは0.2〜1である。
本発明の積層体は、紫外線硬化型組成物をコーティングした後に加熱することにより、ポリエポキシド(A)とエステル(B1)及び/又はエステル(B2)との硬化反応が進行して固体化するので、積層体として保存してもロール端部からのしみだしや、保護フィルム痕が残ったりすることはない。
また、本発明の積層体は、常温(10〜35℃程度)ではさらに反応は進行しないので、保存中にさらに反応が進行して熱成形性が損なわれることがなく、保存安定性に優れている。
本発明の積層体は、熱成形後に紫外線を照射することにより、さらに硬化反応が進行して、硬度、耐殺傷性及び耐薬品性に優れたプラスチック成形体を得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
<合成例1>
冷却管及び攪拌装置を備えた反応容器に、無水フタル酸296部及びメチルイソブチルケトン2000部を投入して攪拌して溶解させた後、フェノール282部及び炭酸カリウム5部を加えて攪拌しながら還流下で4時間反応させた。反応物を冷却した後、3%炭酸水素ナトリウム水溶液1000部を加え、さらに水層が中性になるまで3%炭酸水素ナトリウム水溶液を追加し、水層を分離し、有機層を得た。有機層を2回水洗した後、減圧脱溶剤して、エステル(b11){フェノール性水酸基を1個有する化合物と多価カルボン酸とのエステル、ジフェニルフタレート(エステル結合当量:159)}を得た。ここでエステル結合当量はエステル結合1個あたりの分子量(計算値)を表す。
<合成例2>
「無水フタル酸296部」を「無水アジピン酸256部」に変更したこと以外、合成例2と同様にして、エステル(b12){フェノール性水酸基を1個有する化合物と多価カルボン酸とのエステル、ジフェニルアジペート(エステル結合当量:149)}を得た。
<合成例3>
冷却管及び攪拌装置を備えた反応容器に、フェノールノボラック樹脂{フェノライトTD2131、大日本インキ化学工業(株)製、「フェノライト」は同社の登録商標である。}310部及びメチルイソブチルケトン2000部を投入して攪拌して溶解させた後、無水酢酸400部及び炭酸カリウム5部を加えて攪拌しながら還流下で4時間反応させた。反応物を冷却した後、3%炭酸水素ナトリウム水溶液1000部を加え、さらに水層が中性になるまで3%炭酸水素ナトリウム水溶液を追加し、水層を分離し、有機層を得た。有機層を2回水洗した後、減圧脱溶剤して、エステル(b21){多価フェノール化合物とモノカルボン酸とのエステル、フェノールノボラック樹脂の酢酸エステル(エステル結合当量143)}を得た。
<合成例4>
冷却管及び攪拌装置を備えた反応容器に、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂{DPP−M、日本石油化学(株)製}510部及びメチルイソブチルケトン3000部を投入して攪拌して溶解させた後、トリエチルアミン200部を加えて5℃に冷却してから、5℃で安息香酸ハライド630部を滴下しながら4時間攪拌し、滴下終了後約25℃で4時間反応させた。反応物から固形物をろ過して取り除き、2回水洗を行った後、減圧脱溶剤して、エステル(b22){多価フェノール化合物とモノカルボン酸とのエステル、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂の安息香酸エステル(エステル結合当量:289)}を得た。
<合成例5>
冷却管及び攪拌装置を備えた反応容器に、エポキシ当量が180のフェノールノボラック型エポキシ樹脂{jER154、ジャパンエポキシレジン(株)製}500部、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド3部及びハイドロキノン0.5部をトルエン200部に溶解してから80℃に昇温し、アクリル酸100部(エポキシ基に対し0.5モル部)を滴下しながら、同温度で攪拌した。アクリル酸の滴下終了後、100℃まで昇温し攪拌を5時間続け反応を終了させた。反応物を冷却した後、3%炭酸水素ナトリウム水溶液1000部を加え、さらに水層が中性になるまで3%炭酸水素ナトリウム水溶液を追加し、水層を分離し、有機層を得た。有機層を2回水洗した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを400部を加えた後、トルエンを留去して、1分子中にエポキシ基及びアクリロイル基を有する単量体(f1){プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの含有量:40%}を得た。
<実施例1>
攪拌羽及びモーター付ステンレス製配合槽に、合成例1で作成したエステル(b11){ジフェニルフタレート}15部、ポリエポキシド(a1){ビスフェノールA型エポキシ樹脂、商品名:jER1004F、エポキシ当量(エポキシ基1個あたりの分子量)925、軟化点103℃、ジャパンエポキシレジン(株)製}85部及び溶剤(g1){メチルエチルケトン}200部を仕込み、80℃で1時間攪拌混合した後、40℃まで冷却し、熱重合触媒(c1){トリス(2,6−ジメトキシフェニル)フォスフィン、商品名:DMPP、ケイアイ化成(株)製}1部、(メタ)アクリレート(d1){ジペンタエリストールヘキサアクリレート、商品名:ライトアクリレートDPE−6A、共栄社(株)製}100部、光ラジカル重合開始剤(e1){1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、商品名:イルガキュア184 チバスペシャルティケミカルズ(株)製}5部及びレベリング剤{分岐型ポリエーテル変性シリコーン、商品名:FZ−2110、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製}0.1部を加えて、1時間混合して、本発明の紫外線硬化型組成物(1)を得た。
<実施例2〜18>
「エステル(b11)15部」、「ポリエポキシド(a1)85部」、「熱重合触媒(c1)1部」、「(メタ)アクリレート(d1)100部」及び「光ラジカル重合開始剤(e1)5部」を、表1〜3に示したもの及び使用量(部)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の紫外線硬化型組成物(2)〜(18)を得た。
Figure 0005076076



Figure 0005076076


Figure 0005076076


表1〜3中、a1、a2、a3、a4、b11、b12、b21、b22、c1、c2、d1、d2、e1、e2、f1、g1及びレベリング剤は以下の通りである。
a1:ポリエポキシド{ビスフェノールAグリシジルエーテル、ジャパンエポキシレジン(株)製jER1004F、エポキシ当量925、軟化点103℃}
a2:ポリエポキシド{ビスフェノールAグリシジルエーテル、ジャパンエポキシレジン(株)製jER1001、エポキシ当量475、軟化点64℃}
a3:ポリエポキシド{2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロセキサン付加物、ダイセル化学工業(株)製EHPE−3150、エポキシ当量178、軟化点76℃}
a4:ポリエポキシド{グリシジルメタクリレート共重合体、日油(株)製マープルーフG−015M、エポキシ当量310、軟化点71℃}
b11:エステル{合成例1で調製したフタル酸ジフェニル}
b12:エステル{合成例2で調製したアジピン酸ジフェニル}
b21:エステル{合成例3で調製したフェノールノボラック樹脂の酢酸エステル}
b22:エステル{合成例4で調製したシクロペンタジエン変性フェノールノボラック樹脂の安息香酸エステル}
c1:熱重合触媒{トリス(2,6−ジメトキシフェニル)フォスフィン、ケイアイ化成(株)製DMPP}
c2:熱重合触媒{1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−ウンデセン−7のオクチル酸塩、サンアプロ(株)製UーCAT SA102}
d1:(メタ)アクリレート{ジペンタエリストールヘキサアクリレート、共栄社(株)製ライトアクリレートDPE−6A}
d2:(メタ)アクリレート{ウレタンアクリレートオリゴマー、根上工業(株)製UN−3320HC}
e1:光ラジカル重合開始剤{1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバスペシャルティケミカルズ(株)製イルガキュア184}
e2:光ラジカル重合開始剤{2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、チバスペシャルティケミカルズ(株)製イルガキュア907}
f1:単量体{合成例5で調製したフェノールノボラック型エポキシ樹脂部分アクリル化物、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの含有量:40%}
g1:溶剤{メチルエチルケトン}
レベリング剤:分岐型ポリエーテル変性シリコーン{東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)製FZ−2110}
<比較例1〜5>
「エステル(b11)15部」、「ポリエポキシド(a1)85部」、「熱重合触媒(c1)1部」、「(メタ)アクリレート(d1)100部」及び「光ラジカル重合開始剤(e1)5部」を、表4に示したもの及び使用量(部)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の紫外線硬化型組成物(H1)〜(H5)を得た。
Figure 0005076076


a1、a2、b11、c1、c2、d1、e1、f1、g1及びレベリング剤は表1と同じ意味である。
b3は酸無水物エポキシ硬化剤{ヘキサヒドロ無水フタル酸、新日本理化(株)製リカシッドHH、「リカシッド」は同社の登録商標である。}を意味し、b4はポリアミンエポキシ硬化剤{ポリエチレンイミン、(株)日本触媒製エポミンSP−200、「エポミン」は同社の登録商標である。}を意味し、b5はポリイソシアネート{ヘキサメチレンジイソシアネート、日本ポリウレタン(株)製HDI}を意味する。
実施例及び比較例で得た紫外線硬化型組成物について、以下のようにして保存安定性及び耐擦傷性について評価し、これらの評価結果を表5に示した。
<評価用積層体の調製>
易接着処理ポリエステルフィルム{東洋紡(株)製、品番A4100、厚み100μm}を30cm(縦)×15cm(横)角に切り出し、表面の保護フィルムを剥がし、塗工面をイソプロピルアルコールで拭き取り、イソプロピルアルコールを乾燥して、被塗工フィルムを用意した。次いで、JIS K5101−4(2004)「顔料試験方法−第4部:隠蔽力−隠蔽率試験紙法−4(d)バーコーター」と同等のバーコーター(No.6:ステンレス綱径0.15mm)を用いて、評価試料(紫外線硬化型組成物)を被塗工フィルムに、縦方向にバーコーターを移動させて塗工して塗装フィルムを得た。引き続き、塗工面が縦方向に垂直になるようにして塗工フィルムを吊るして、22℃で1分間で放置した後、循風式乾燥機内で120℃で5分間加熱して評価用積層体を調製した。
<保存安定性>
評価用積層体について、試料作成24時間後(初期)と、40℃で1ヶ月保管後(保管後)に、万能引っ張り試験機{島津製作所(株)製引っ張り速度300mm/分、加重500N}を用い伸び率200%まで引き延ばした時の延伸部分の外観を観察し、以下の基準で保存安定性を判定した。
○○:初期、保管後とも外観異常なし
○△:初期は外観異常なし、保管後に表面に白化が見られる
△△:初期、保管後とも白化が見られる
△×:初期白化、保管後にクラック発生する
××:初期、保管後ともクラックが発生する
<耐擦傷性>
評価用積層体の塗工面に対して垂直に紫外線(高圧水銀灯,500mJ/cm)を照射することによって積層体上の紫外線硬化組成物を硬化した後、JIS L0849:2004の摩耗試験器II型(学振型)に準拠して、以下の基準で評価した。(株)井元製作所製学振式摩耗試験器を用い荷重500g/cmで10往復後の硬化膜表面を観察して、以下の基準で耐擦傷性を判定した。
◎:傷付き無し
○:傷1〜2本発生
△:傷が3〜10本発生
×:全面に傷発生
Figure 0005076076


本発明の紫外線硬化型組成物(実施例1〜18)は、比較用の紫外線硬化型組成物に比較して、保存安定性に優れており、耐擦傷性についても実用的に全く問題がなかった。
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、木材、石、ガラス、コンクリート、金属、プラスチック及び金属蒸着プラスチック等のコーティング剤として使用することができる。さらに、3次元造形用放射線硬化型コーティング組成物として成形体にすることもできる。これらのうち、プラスチック及び金属蒸着プラスチック等のコーティング剤として好適であり、特にプラスチックのコーティング剤として好適である。プラスチックのコーティング剤のうち、インモールド成形(転写整形)、インサート成形等に使用する熱成形フィルム用コーティング剤として最適である。
プラスッチック成形体としては、家電製品用成形体、車両用成形体及び建築材料用成形体等が含まれる。家電製品用成形体としては、テレビ、オーディオ又は携帯電話の外装材及び液晶等の保護板等が挙げられる。車両用成形体としては、ヘッドランプレンズ、ウインカーレンズ、サンルーフ、メーターカバー、バイクの風防及びヘルメットシールド等が挙げられる。建築材料用成形体としては、高速道路防音壁、間仕切り板及び採光窓等が挙げられる。これらの他に、額縁用プラスチック板、展示用パネル、光学レンズ、プラスチック容器及び装飾品等にも適用できる。

Claims (7)

  1. ポリエポキシド(A)、フェノール性水酸基を1個有する化合物と多価カルボン酸とのエステル(B1)及び/又は多価フェノール化合物とモノカルボン酸とのエステル(B2)、熱重合触媒(C)、(メタ)アクリレート(D)、並びに光ラジカル重合開始剤(E)を含有することを特徴とする紫外線硬化型組成物。
  2. エステル(B1)及びエステル(B2)の含有量が、ポリエポキシド(A)のエポキシ基1モルに対し、エステル結合のモル数が0.5〜1.5モルとなる量である請求項1に記載の紫外線硬化型組成物。
  3. ポリエポキシド(A)、エステル(B1)及びエステル(B2)の合計重量に基づいて、熱重合触媒(C)の含有量が0.1〜5重量%である請求項1又は2に記載の紫外線硬化型組成物。
  4. ポリエポキシド(A)、エステル(B1)及びエステル(B2)の合計重量に基づいて、(メタ)アクリレート(D)の含有量が10〜1000重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化型組成物。
  5. さらに1分子中にエポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(F)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線硬化型組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の紫外線硬化型組成物をプラスチックシート又はフィルムにコーティングした後、加熱して積層体を得る工程を有することを特徴とする積層体の製造方法。
  7. 請求項6に記載の製造方法で得られた積層体を成形した後、紫外線を照射することによりプラスチック成形体を得る工程を有することを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
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