JP2019156802A - 新規化合物、該化合物を含んでなる活性エネルギー線重合開始剤及び該重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】活性エネルギー線重合性化合物と組み合わせて組成物とした際の保存安定性に優れ、かつ該組成物の硬化物は表面硬度と屈曲耐久性に優れる活性エネルギー線重合開始剤として用い得る新規化合物の提供。【解決手段】下記式(1)で表わされる化合物。(式中R1〜R6は夫々独立にH、OH、又は有機基等;Xはヘテロ原子含有/不含のn価の有機基であり直鎖、分岐、環状又はこれらを組合せた複合構造;nは1〜6の整数)【選択図】なし
Description
本発明は、活性エネルギー線の照射によりチオール類を発生する新規化合物、該化合物を含む活性エネルギー線重合開始剤、該重合開始剤を含有する光硬化性組成物、及び該光硬化性組成物の硬化物に関する。
従来より、光重合を行う際には、Irgacure184等のラジカルを発生する光重合開始剤が一般的に用いられ、光重合性化合物と光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物に紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより、光重合性化合物が硬化されて硬化物が形成される。
しかしながら、ラジカル重合を利用する活性エネルギー線硬化性組成物は、空気中の酸素により酸素阻害が生じ重合が停止してしまうといった問題や、硬化による硬化収縮が生じてしまうといった問題などがあった。
しかしながら、ラジカル重合を利用する活性エネルギー線硬化性組成物は、空気中の酸素により酸素阻害が生じ重合が停止してしまうといった問題や、硬化による硬化収縮が生じてしまうといった問題などがあった。
この問題を解決する方法として、例えば特許文献1では、硬化収縮の改善を目的として、チオール化合物を添加し、チオール−エン反応を利用することが提案されている。
しかしながら、特許文献1開示の技術では、アクリレートなどの重合性化合物とチオール化合物を混合した場合、室温でも徐々に重合が進行してゲル化してしまうことがある。したがって、長期において高い保存安定性を維持することが困難であり、使用する直前で両化合物を混合する必要があることから、保存安定性の点でまだ充分なものとは言えず更なる改良が求められるものである。また、硬化物の表面硬度と屈曲耐久性についても更なる改良が求められている。
しかしながら、特許文献1開示の技術では、アクリレートなどの重合性化合物とチオール化合物を混合した場合、室温でも徐々に重合が進行してゲル化してしまうことがある。したがって、長期において高い保存安定性を維持することが困難であり、使用する直前で両化合物を混合する必要があることから、保存安定性の点でまだ充分なものとは言えず更なる改良が求められるものである。また、硬化物の表面硬度と屈曲耐久性についても更なる改良が求められている。
特許文献2では、光照射でラジカルを発生する硫黄原子含有の光重合開始剤を用いることで、光重合収率を改善する方法が提案されている。
しかしながら、同文献に記載のチオール化合物は芳香族チオールに限定されており、しかも特許文献2に開示の技術では、光重合収率の向上は認められるものの、硬化物の表面硬度と屈曲耐久性については考慮されておらず、近年、要求されている性能の高度化を考慮すると、まだまだ満足のいくものではなく、更なる改良が求められている。
しかしながら、同文献に記載のチオール化合物は芳香族チオールに限定されており、しかも特許文献2に開示の技術では、光重合収率の向上は認められるものの、硬化物の表面硬度と屈曲耐久性については考慮されておらず、近年、要求されている性能の高度化を考慮すると、まだまだ満足のいくものではなく、更なる改良が求められている。
特許文献3では、保存安定性及び表面硬化性に優れる光重合開始剤として、単官能チオールを用いて合成されたベンゾインチオエーテル化合物が提案されている。
しかしながら、特許文献3に開示の技術では、硬化物の屈曲耐久性や硬化収縮については考慮されておらず、また、硬化速度についてもまだまだ満足のいくものではなく、更なる改良が求められている。
しかしながら、特許文献3に開示の技術では、硬化物の屈曲耐久性や硬化収縮については考慮されておらず、また、硬化速度についてもまだまだ満足のいくものではなく、更なる改良が求められている。
特許文献4に開示の技術では、酸及び塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種によりチオールを発生する化合物であるため、チオールを発生する化合物に光酸発生剤あるいは光塩基発生剤を併用する必要があるため、樹脂組成物中における光重合開始剤の割合が多くなり、硬化物の物性に悪影響を及ぼす可能性がある。
特許文献5に開示の技術では、光照射により発生する副生成物であるクマリンの溶解性が悪いため硬化物中に析出し、硬化物の物性に悪影響を及ぼす可能性がある。
特許文献6に開示の技術では、ベンゾインチオエーテル化合物からなる活性エネルギー線重合開始剤は吸収波長が短く、広い波長領域の光を吸収することが出来ないため感度が低く、実用的ではない。
本発明者はかかる事情に鑑みてなされたものであり、活性エネルギー線重合性化合物と組み合わせて組成物とした際の保存安定性に優れ、かつ該組成物の硬化物は表面硬度と屈曲耐久性に優れる活性エネルギー線重合開始剤として用い得る新規化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、特定構造の化合物を活性エネルギー線重合開始剤として用いることにより上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本研究は、
下記式(1)
即ち、本研究は、
下記式(1)
(式(1)中、R1は水素原子、水酸基、アルコキシ基又は有機基を表す。R2乃至R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基又は有機基を表し、複数存在するそれぞれのR2乃至R6は互いに同じでも異なっていてもよい。また、同一のベンゼン環上に存在するR2乃至R6から選択される2つ以上が結合して環構造を形成してもよい。Xは、n価の有機基であり、直鎖構造、分岐構造、環状構造、あるいはこれら構造を組み合わせた複合構造でもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。nは1乃至6の整数である。)で表わされる化合物を提供するものである。
また、本発明は、前記の化合物を含む活性エネルギー線重合開始剤を提供するものである。
また、本発明は、前記の活性エネルギー線重合開始剤を含有してなる活性エネルギー線硬化性組成物、更にそれが硬化されてなる硬化物も提供するものである。
また、本発明においては、上記一般式(1)で示される活性エネルギー線照射によりチオール類を発生する新規な化合物も提供するものである。
また、本発明は、前記の活性エネルギー線重合開始剤を含有してなる活性エネルギー線硬化性組成物、更にそれが硬化されてなる硬化物も提供するものである。
また、本発明においては、上記一般式(1)で示される活性エネルギー線照射によりチオール類を発生する新規な化合物も提供するものである。
本発明の活性エネルギー線重合開始剤によれば、長期の保存安定性を有する活性エネルギー線硬化性組成物を得ることができ、更に、硬化時に酸素による重合阻害を受けにくく、表面硬度と屈曲耐久性という相反する両物性にも優れ、硬化収縮も小さい硬化物を得ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
尚、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
また、アクリル系モノマーとは、アクリロイル基、メタクリロイル基の少なくとも一方を有するモノマーであり、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種のアクリル系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明の光重合開始剤は下記式(1)で表される。
尚、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
また、アクリル系モノマーとは、アクリロイル基、メタクリロイル基の少なくとも一方を有するモノマーであり、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種のアクリル系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明の光重合開始剤は下記式(1)で表される。
(式(1)中、R1は水素原子、水酸基、アルコキシ基又は有機基を表す。R2乃至R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基又は有機基を表し、複数存在するそれぞれのR2乃至R6は互いに同じでも異なっていてもよい。また、同一のベンゼン環上に存在するR2乃至R6から選択される2つ以上が結合して環構造を形成してもよい。Xは、水素原子を除いた有機基であり、直鎖構造、分岐構造、環状構造、あるいはこれら構造を組み合わせた複合構造でもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。nは1乃至6の整数である。)で表わされる化合物、
式(1)中、R1は水素原子、水酸基、アルコキシ基又は有機基を表す。
式(1)のR1が表すアルコキシ基としては炭素数1乃至18のアルコキシ基であることが好ましく、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、neo−ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基及びn−ドデシルオキシ基等が挙げられる。
式(1)のR1が表すアルコキシ基としては炭素数1乃至18のアルコキシ基であることが好ましく、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、neo−ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基及びn−ドデシルオキシ基等が挙げられる。
式(1)のR1が表す有機基の具体例としては、炭素数1乃至18のアルキル基、炭素数2乃至18のアルケニル基、炭素数2乃至18のアルキニル基、炭素数6乃至12のアリール基、炭素数1乃至18のアシル基、炭素数7乃至18のアロイル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1乃至18のアルキルチオ基及びハロゲン原子等が挙げられる。
式(1)のR1が表す有機基の具体例としての炭素数1乃至18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基並びにn−ドデシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、及びシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基並びにシクロヘキシル基等の環状のアルキル基が挙げられ、炭素数2乃至6のアルキル基であることが好ましく、炭素数2乃至6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
式(1)のR1が表す有機基の具体例としての炭素数2乃至18のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、iso−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2,2−ジシアノビニル基、2−シアノ−2−メチルカルボキシルビニル基及び2−シアノ−2−メチルスルホンビニル基等が挙げられる。
式(1)のR1が表す有機基の具体例としての炭素数2乃至18のアルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基及び1−ブチニル基等が挙げられる。
式(1)のR1が表す有機基の具体例としての炭素数6乃至12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基及びトリル基等が挙げられ、炭素数6乃至10のアリール基であることが好ましい。
式(1)のR1が表す有機基の具体例としての炭素数1乃至18のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、iso−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、iso−ペンチルカルボニル基、neo−ペンチルカルボニル基、2−メチルブチルカルボニル基及びニトロベンジルカルボニル基等が挙げられる
式(1)のR1が表す有機基の具体例としての炭素数7乃至18のアロイル基としては、ベンゾイル基、トルオイル基、ナフトイル基及びフタロイル基等が挙げられる。
式(1)のR1が表す有機基の具体例としての炭素数1乃至18のアルキルチオ基としてはメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基。sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、1−メチルブチルチオ基、neo−ペンチルチオ基、1,2−ジメチルプロピルチオ基及び1,1−ジメチルプロピルチオ基等が挙げられる。
式(1)のR1が表す有機基の具体例としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(1)におけるR1としては、アルコキシ基であることが好ましく、炭素数1乃至18のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数1乃至6のアルコキシ基であることが更に好ましく、炭素数1乃至4のアルコキシ基であることが特に好ましく、メトキシ基であることが最も好ましい。さらにR1にはシリル基、アクリル基、メタクリル基などの重合性基を含んでいてもよく、モノマーであってもそれらが重合した重合体でもよい。
式(1)におけるR1としては、アルコキシ基であることが好ましく、炭素数1乃至18のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数1乃至6のアルコキシ基であることが更に好ましく、炭素数1乃至4のアルコキシ基であることが特に好ましく、メトキシ基であることが最も好ましい。さらにR1にはシリル基、アクリル基、メタクリル基などの重合性基を含んでいてもよく、モノマーであってもそれらが重合した重合体でもよい。
式(1)中、R2乃至R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基又は有機基を表し、複数存在するそれぞれのR2乃至R6は互いに同じでも異なっていてもよい。また、同一のベンゼン環上に存在するR2乃至R6から選択される2つ以上が結合して環構造を形成してもよく、該環構造はヘテロ原子の結合を含んでいても良い。
式(1)のR2乃至R6が表すハロゲンとしては、式(1)のR1が表す有機基の具体例としてのハロゲン原子と同じものが挙げられる。
式(1)のR2乃至R6が表すアルコキシ基としては、式(1)のR1が表すアルコキシ基と同じものが挙げられる。
式(1)のR2乃至R6が表すアルコキシ基としては、式(1)のR1が表すアルコキシ基と同じものが挙げられる。
式(1)のR2乃至R6が表す有機基の具体例としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシイミノ基等が挙げられる。
式(1)のR2乃至R6が表す有機基の具体例としてのアルキル基、アリール基及びアシル基としては、それぞれ式(1)のR1が表す有機基の具体例としての炭素数1乃至18のアルキル基、炭素数6乃至12のアリール基及び炭素数1乃至18のアシル基と同じものが挙げられる。
式(1)のR2乃至R6が表す有機基の具体例としてのアルキル基、アリール基及びアシル基としては、それぞれ式(1)のR1が表す有機基の具体例としての炭素数1乃至18のアルキル基、炭素数6乃至12のアリール基及び炭素数1乃至18のアシル基と同じものが挙げられる。
これらの有機基は、当該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでよく、これらは、直鎖状でも分岐状でも良い。R2乃至R6における有機基は、通常、1価の有機基であるが、後述する環状構造を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。
前記R2乃至R6の有機基中の炭化水素基以外の結合としては、本発明の効果が損なわれない限り、特に限定されず、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等が挙げられる。耐熱性の点から、有機基中の炭化水素基以外の結合としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:ここでRは水素原子又は有機基、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合が好ましい。
前記R2乃至R6の有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、本発明の効果が損なわれない限り、特に限定されず、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基、アミノ基(−NH2、−NHR、−NRR’:ここで、R及びR’はそれぞれ独立に炭化水素基) 、アンモニオ基等が挙げられる。上記置換基に含まれる水素は、炭化水素基によって置換されていても良い。また、上記置換基に含まれる炭化水素基は、直鎖、分岐、及び環状のいずれでも良い。中でも、R2乃至R6の有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基が好ましい。
また、R2乃至R6は、それらのうち2つ以上が結合して環状構造になっていても良い。
環状構造は、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環、並びに当該脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環よりなる群から選ばれる2種以上が組み合されてなる構造であっても良い。例えば、R2乃至R6は、それらの2つ以上が結合して、R2乃至R6が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン及びインデン等の縮合環を形成していても良い。
環状構造は、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環、並びに当該脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環よりなる群から選ばれる2種以上が組み合されてなる構造であっても良い。例えば、R2乃至R6は、それらの2つ以上が結合して、R2乃至R6が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン及びインデン等の縮合環を形成していても良い。
本発明の式(1)で表される化合物は、R2乃至R6の少なくとも一つが水素原子以外であること、すなわち、R2乃至R6の少なくとも1つが、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基又は有機基であることが好ましい。R2乃至R6に、前記のような置換基を少なくとも1つ導入することにより、吸収する光の波長を調整することが可能であり、置換基を導入することで所望の波長を吸収させるようにすることもできる。芳香族環の共役鎖を伸ばすような置換基を導入することにより、吸収波長を長波長にシフトすることができる。また、溶解性や組成物とする際に組み合わせる活性エネルギー線重合性化合物との相溶性が向上するようにすることもできる。これにより、組み合わせる活性エネルギー線重合性化合物の吸収波長も考慮しながら、活性エネルギー線硬化性組成物の感度を向上させることが可能である。
R2乃至R6としては、メチル基、エチル基及びプロピル基等の炭素数1乃至20のアルキル基; シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数4乃至23のシクロアルキル基; シクロペンテニル基及びシクロヘキセニル基等の炭素数4乃至23のシクロアルケニル基; フェノキシメチル基、2−フェノキシエチル基及び4−フェノキシブチル基等の炭素数7乃至26のアリールオキシアルキル基(−ROAr基);ベンジル基及び3−フェニルプロピル基等の炭素数7乃至20のアラルキル基;シアノメチル基及びβ−シアノエチル基等のシアノ基をもつ炭素数2乃至21のアルキル基;ヒドロキシメチル基等の水酸基をもつ炭素数1乃至20のアルキル基;メトキシ基及びエトキシ基等の炭素数1乃至20のアルコキシ基;アセトアミド基及びベンゼンスルホナミド基(C6H5SO2NH2−)等の炭素数2乃至21のアミド基;メチルチオ基及びエチルチオ基等の炭素数1乃至20のアルキルチオ基(−SR基);アセチル基及びベンゾイル基等の炭素数1乃至20のアシル基;メトキシカルボニル基及びアセトキシ基等の炭素数2乃至21のエステル基(−COOR基及び−OCOR基);フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基及びトリル基等の炭素数6乃至20のアリール基;電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6乃至20のアリール基;電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基;シアノ基;又はメチルチオ基(−SCH3)であることが好ましい。また、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐状でも環状でも良い。
また、R2乃至R6としては、それらの2つ以上が結合して、R2乃至R6が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン及びインデン等の縮合環を形成している場合も、吸収波長が長波長化する点から好ましい。
また、R2乃至R6としては、それらの2つ以上が結合して、R2乃至R6が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン及びインデン等の縮合環を形成している場合も、吸収波長が長波長化する点から好ましい。
また、式(1)におけるR2乃至R6の少なくとも1つが水酸基である場合は、R2乃至R6に水酸基を含まない化合物と比べて塩基性水溶液等に対する溶解性の向上、および吸収波長の長波長化が可能な点から好ましい。
式(1)におけるR2乃至R6としては、全てが水素原子であるか、R2、R3、R5及びR6が水素原子でR4がアルコキシ基又はアルキルチオ基あることが好ましい。
式(1)中、Xは1乃至6価の有機基を表す。
式(1)のXが表す1乃至6価の有機基とは、有機化合物から1乃至6個の水素原子を除いた1乃至6価の残基であれば特に限定されないが、通常は1乃至6価のチオール化合物からチオール基(−SH基)を除いた残基である。式(1)のXが表す1乃至6価の有機基となり得る1乃至6価のチオール化合物は、1乃至6個のチオール基を有する化合物で有りさえすれば特に限定されない。
式(1)のXが表す1乃至6価の有機基とは、有機化合物から1乃至6個の水素原子を除いた1乃至6価の残基であれば特に限定されないが、通常は1乃至6価のチオール化合物からチオール基(−SH基)を除いた残基である。式(1)のXが表す1乃至6価の有機基となり得る1乃至6価のチオール化合物は、1乃至6個のチオール基を有する化合物で有りさえすれば特に限定されない。
上記一般式(1)において、nは有機基Xの価数(他の基と結合可能な数)である。例えば、有機基Xが4価の炭素の場合のnは4、有機基Xがベンゼン系芳香環の場合のnはn=1乃至6、有機基Xが1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン等のトリアジン環の場合のnは3、有機基Xがアルキレンの場合のnは2となる。
次に本発明の式(1)で表される化合物の合成方法について説明する。
本発明の式(1)で表される化合物は、公知の方法の応用で合成できる。例えば、先ず式(22)で表される化合物に、カルボジイミダゾールを反応させて式(23)で表される中間体化合物とした後、チオール類と反応させることにより式(1)で表される化合物を得ることが出来る。精製は従来公知の方法で行えばよい。尚、式(22)及び(23)中のR1乃至R6、チオール類中のX及びnは、式(1)における、R1乃至R6、X及びnと同じ意味を表す。
本発明の式(1)で表される化合物は、公知の方法の応用で合成できる。例えば、先ず式(22)で表される化合物に、カルボジイミダゾールを反応させて式(23)で表される中間体化合物とした後、チオール類と反応させることにより式(1)で表される化合物を得ることが出来る。精製は従来公知の方法で行えばよい。尚、式(22)及び(23)中のR1乃至R6、チオール類中のX及びnは、式(1)における、R1乃至R6、X及びnと同じ意味を表す。
式(1)で表される化合物の具体例を下記式(a)乃至( e )に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の活性エネルギー線重合開始剤は、本発明の式(1)で表される化合物を含む。
本発明の活性エネルギー線重合開始剤は、従来公知の光重合開始剤と比べて優れた感度を有するため、種々に応用が可能である。発生したチオール化合物によって反応し得る様々な高分子前駆体(高分子前駆体の一例は後述する)との組み合わせで種々の活性エネルギー線硬化性組成物が得られる。このような活性エネルギー線硬化性組成物は、塗料、印刷インキ、シール剤、又は接着剤、或いは、表示装置、半導体装置、電子部品、微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical System(MEMS))、光学部材又は建築材料の形成材料として用いることができる。
本発明の活性エネルギー線重合開始剤は、従来公知の光重合開始剤と比べて優れた感度を有するため、種々に応用が可能である。発生したチオール化合物によって反応し得る様々な高分子前駆体(高分子前駆体の一例は後述する)との組み合わせで種々の活性エネルギー線硬化性組成物が得られる。このような活性エネルギー線硬化性組成物は、塗料、印刷インキ、シール剤、又は接着剤、或いは、表示装置、半導体装置、電子部品、微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical System(MEMS))、光学部材又は建築材料の形成材料として用いることができる。
次に、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物について説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、本発明の式(1)で表される化合物を含む活性エネルギー線重合開始剤と、硬化対象である活性エネルギー線重合性化合物を含有する。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、本発明の式(1)で表される化合物を含む活性エネルギー線重合開始剤と、硬化対象である活性エネルギー線重合性化合物を含有する。
活性エネルギー線重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和化合物であればよく、具体的には、エチレン性不飽和基を1つ有するエチレン性不飽和化合物及びエチレン性不飽和基を2つ以上有するエチレン性不飽和化合物の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
エチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート、スチレン系化合物、ビニル化合物、アリル化合物、アクリロニトリル等が挙げられる。
(メタ)アクリレートとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル化された油、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エチレン性不飽和基を1つ有するエチレン性不飽和化合物(以下、「単官能モノマー」と略記することがある。)としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリルレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(n=2)(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(n=2.5)(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテルアクリレート等が挙げられる。
更に、その他に、アクリル酸のマイケル付加物あるいは2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルも併用可能であり、アクリル酸のマイケル付加物としては、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、メタクリル酸トリマー、アクリル酸テトラマー、メタクリル酸テトラマー等が挙げられる。また、2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルとしては、特定の置換基をもつカルボン酸であり、例えば、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。更に、その他オリゴエステルアクリレートも挙げられる。
また、エチレン性不飽和基を2つ以上有するエチレン性不飽和化合物(以下、「多官能モノマー」と略記することがある。)としては、2官能モノマー、3官能以上のモノマーが挙げられる。
2官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等が挙げられる。
活性エネルギー線重合性化合物としては、上記の中から1種を用いてもよいし2種以上併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物において、活性エネルギー線重合開始剤と活性エネルギー線重合性化合物の含有量としては、活性エネルギー線重合性化合物100質量部に対して、活性エネルギー線重合開始剤が0.1乃至100質量部であることが好ましく、1乃至50質量部であることがより好ましく、4乃至20質量部であることが更に好ましい。活性エネルギー線重合開始剤の含有量が多すぎると、光分解物の影響で硬化物の物性が低下する傾向があり、少なすぎると硬化反応が進行し難くなる傾向がある。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、感光波長領域を拡大し、感度を高めるべく、増感剤を配合することができる。かかる増感剤としては、例えば、ベンゾフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)またはコロネン等が挙げられる。これらの増感剤は、1種類を単独で用いてもよく、また、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、増感剤の含有量は、使用する活性エネルギー線重合開始剤、及び必要とされる感度等により適宜決定すればよいが、活性エネルギー線重合開始剤100質量部に対して1乃至300質量部であることが好ましく、5乃至200質量部であることがより好ましい。増感剤が少なすぎると、感度が十分に高められない傾向があり、増感剤が多すぎると、感度を高めるのに過剰となり、硬化物の物性が低下する傾向にある。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて希釈剤、可撓性付与剤、シラン系カップリング剤、消泡剤、レベリング剤、補強剤、充填剤、無機ナノフィラー、難燃剤、連鎖移動剤、着色剤、顔料、染料等の各種添加剤を配合することができる。
上記希釈剤としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、α−ピネンオキシド、メタクリル酸グリシジル、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサンなどの反応性希釈剤や、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メタノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの非反応性希釈剤などが挙げられる。
上記可撓性付与剤としては、例えば、ジオクチルフタレートやジイソプロピルフタレートなどのフタル酸エステルやポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
上記シラン系カップリング剤としては、例えば、イミダゾール系シランカップリング剤、アミン系シランカプリング剤、メルカプト系シランカップリング剤などが挙げられる。
上記消泡剤としては、例えば、アルコール消泡剤、金属石鹸消泡剤、リン酸エステル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤、ポリエーテル消泡剤、シリコーン消泡剤、フッ素系消泡剤、鉱物油消泡剤、アクリル系消泡剤などが挙げられる。
上記レベリング剤としては、例えば、アクリル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
上記補強剤、及び充填剤としては、例えば、酸化アルミニウムや酸化マグネシウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩、ケイソウ土粉、塩基性ケイ酸マグネシウム、焼成クレイ、微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ等のケイ素化合物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物などの粉末状材料や、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボンファイバー、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、ポリエステル繊維等の繊維質材料などが挙げられる。
上記難燃剤としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA、トリブロモフェノール、ヘキサブロモベンゼン等のハロゲン化合物、トリフェニルホスフェート、ポリリン酸塩等のリン化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン系化合物などが挙げられる。
上記連鎖移動剤としては、例えば、多官能メルカプタン系化合物が挙げられ、具体的には、ペンタエリストールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスルトールテトラキスチオプロピオネート等が挙げられる。
上記着色剤、顔料、及び染料としては、例えば、二酸化チタン、鉄黒、モリブデン赤、紺青、群青、カドミウム黄、カドミウム赤、三酸化アンチモン、赤燐などが挙げられる。
本発明の活性エネルギー線重合開始剤は、それ単独で用いることもできるし、従来公知の一般的に用いられる光重合開始剤、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;等の光重合開始剤と併用することもできる。
また、これらの助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
本発明において、活性エネルギー線重合開始剤及び活性エネルギー線重合性化合物を混合する方法としては、例えば、所定量の活性エネルギー線重合開始剤と活性エネルギー線重合性化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物を、ロール混練機、ニーダー、または押出機等を用いて混練することが好ましい。
かかる活性エネルギー線硬化性組成物は、例えば、基板またはフィルム等の支持体上に塗工し、活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。基板またはフィルム等の支持体上に塗工するにあたっては、例えば、リバースコーター、グラビアコーター(ダイレクト,リバースやオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ロッドコーター等を用いたり、ディッピング方式による塗工を行なうことができる。
かかる活性エネルギー線の照射には、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。
かかる紫外線照射を行う時の光源としては、例えば、高圧水銀灯、無電極ランプ、超高圧水銀灯カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライト、LED等が用いられる。
かかる紫外線照射は、2乃至20,000mJ/cm2、好ましくは10乃至10000mJ/cm2の条件で行われる。
かかる紫外線照射は、2乃至20,000mJ/cm2、好ましくは10乃至10000mJ/cm2の条件で行われる。
かくして活性エネルギー線硬化性組成物が硬化されてなる硬化物が得られ、その厚さは、通常0.01乃至100μm、好ましくは0.1乃至50μm、より好ましくは1乃至30μmである。かかる厚さが厚すぎても薄すぎても硬化性が低下する傾向がある。
一般式(1)で示される化合物を含む本発明の活性エネルギー線重合開始剤は、硬化時に酸素による重合阻害を受けにくく、硬化収縮が小さく、得られる硬化物の表面硬度と屈曲耐久性に優れる。したがって、その活性エネルギー線重合開始剤[A]を含有する活性エネルギー線硬化性組成物は保存安定性に優れるものであり、例えば、塗料または印刷インキ、インクジェットインキ、粘着剤、接着剤、保護コーティング剤、アンカーコーティング剤、磁性粉コーティングバインダー、サンドブラスト用被膜、版材、フォトレジスト、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材または建築材料の構成部材として広く用いられ、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材または建築部材等が提供される。
特に、インクジェットインキや粘着剤、接着剤、フォトレジスト、光学部材、電子部品などに用いる際は、薄膜で使用することが多く、酸素の影響を受け易いので、酸素による重合阻害を受けにくく保存安定性に優れている本発明の化合物は有用である。
特に、インクジェットインキや粘着剤、接着剤、フォトレジスト、光学部材、電子部品などに用いる際は、薄膜で使用することが多く、酸素の影響を受け易いので、酸素による重合阻害を受けにくく保存安定性に優れている本発明の化合物は有用である。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を用いて形成されたパターン等は、耐熱性や絶縁性を備え、例えば、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、電子部品、半導体装置、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材または電子部材として有利に使用することができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中、「部」、「%」とあるのは、質量基準を意味する。
なお、例中、「部」、「%」とあるのは、質量基準を意味する。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に何
ら限定されるものではない。
ら限定されるものではない。
実施例1 本発明の式(1)で表される化合物の合成
(工程1)式(31)で表される中間体化合物の合成
シアン化カリウム 1.9部に、水10部及びエタノール53部を加えて溶解させた後、窒素雰囲気下で超音波処理することにより反応液の脱気を行った。この溶液に下記式(30)で表される4−(メチルチオ)ベンズアルデヒド10部を滴下し、80℃で加温して反応を開始した。30分間撹拌後、反応液を3℃まで冷却して析出した結晶を吸引濾過で回収した。回収した結晶を大量のエタノールを用いて再結晶により精製し、下記式(31)で表される中間体化合物を7.6部得た。
(工程1)式(31)で表される中間体化合物の合成
シアン化カリウム 1.9部に、水10部及びエタノール53部を加えて溶解させた後、窒素雰囲気下で超音波処理することにより反応液の脱気を行った。この溶液に下記式(30)で表される4−(メチルチオ)ベンズアルデヒド10部を滴下し、80℃で加温して反応を開始した。30分間撹拌後、反応液を3℃まで冷却して析出した結晶を吸引濾過で回収した。回収した結晶を大量のエタノールを用いて再結晶により精製し、下記式(31)で表される中間体化合物を7.6部得た。
(工程2)式(32)で表される中間体化合物の合成
攪拌機、還流冷却管及び撹拌装置を備えたフラスコに、パラホルムアルデヒド9.0部とジメチルスルホキシド170部を加えて撹拌した後、水酸化カリウム1.4部をエタノール5部に溶解させた溶液を滴下し、パラホルムアルデヒドが完全に溶解するまで撹拌した。前記で得られたジメチルスルホキシド溶液に、工程1で得られた式(31)で表される中間体化合物50部をジメチルスルホキシド30部に溶解させた溶液を30分間掛けて滴下し、室温で2時間撹拌した。その後35%塩酸2.6部を滴下して中和し、反応を終了させた。この反応溶液にトルエンと飽和食塩水を加えて有機層に反応生成物を抽出した後、分離及び濃縮した有機層を晶析して下記式(32)で表される中間体化合物を40部得た。
攪拌機、還流冷却管及び撹拌装置を備えたフラスコに、パラホルムアルデヒド9.0部とジメチルスルホキシド170部を加えて撹拌した後、水酸化カリウム1.4部をエタノール5部に溶解させた溶液を滴下し、パラホルムアルデヒドが完全に溶解するまで撹拌した。前記で得られたジメチルスルホキシド溶液に、工程1で得られた式(31)で表される中間体化合物50部をジメチルスルホキシド30部に溶解させた溶液を30分間掛けて滴下し、室温で2時間撹拌した。その後35%塩酸2.6部を滴下して中和し、反応を終了させた。この反応溶液にトルエンと飽和食塩水を加えて有機層に反応生成物を抽出した後、分離及び濃縮した有機層を晶析して下記式(32)で表される中間体化合物を40部得た。
(工程3)式(33)で表される中間体化合物の合成
フラスコ中に1,1’−カルボニルジイミダゾール8.2部、トルエン27部を加えて均一になるまで撹拌した。次に工程2で得られた式(32)で表される中間体化合物10.2部、を加えて、室温で3時間撹拌を続けた後、冷却により反応液を晶析して下記式(33)で表される中間体化合物を7.5部得た。
フラスコ中に1,1’−カルボニルジイミダゾール8.2部、トルエン27部を加えて均一になるまで撹拌した。次に工程2で得られた式(32)で表される中間体化合物10.2部、を加えて、室温で3時間撹拌を続けた後、冷却により反応液を晶析して下記式(33)で表される中間体化合物を7.5部得た。
(工程4)下記式(A−1)で表される本発明の化合物(光重合開始剤1)の合成
フラスコ中に1,4−ブタンジオールビス(チオグリコラート)2.8部、トリエチルアミン1.8部、トルエン10部を加えて室温で撹拌し、そこに、工程3で得られた式(33)で表される中間体化合物4.2部とトルエン40部の混合溶液を滴下した。滴下終了後、室温で23時間反応させた後、トルエンと水を添加して40℃で洗浄作業を3回を行った。洗浄後のトルエン層を氷浴して5℃以下まで冷却した後、析出した固体を吸引濾過して下記式(A−1)で表される本発明の化合物(活性エネルギー線重合開始剤1)4.3部を得た。
フラスコ中に1,4−ブタンジオールビス(チオグリコラート)2.8部、トリエチルアミン1.8部、トルエン10部を加えて室温で撹拌し、そこに、工程3で得られた式(33)で表される中間体化合物4.2部とトルエン40部の混合溶液を滴下した。滴下終了後、室温で23時間反応させた後、トルエンと水を添加して40℃で洗浄作業を3回を行った。洗浄後のトルエン層を氷浴して5℃以下まで冷却した後、析出した固体を吸引濾過して下記式(A−1)で表される本発明の化合物(活性エネルギー線重合開始剤1)4.3部を得た。
比較例1 比較用の化合物(A−3)の合成
特許文献6の実施例3の記載に準じて、比較用の化合物([1,2−ビス(3−メトキシフェニル)2−オキソエチルスルファニル]酢酸4−{2−[1,2−ビス(3−メトキシフェニル)2−オキソエチルスルファニル]アセトキシ}ブチル)を得た。
特許文献6の実施例3の記載に準じて、比較用の化合物([1,2−ビス(3−メトキシフェニル)2−オキソエチルスルファニル]酢酸4−{2−[1,2−ビス(3−メトキシフェニル)2−オキソエチルスルファニル]アセトキシ}ブチル)を得た。
実施例2及び3、比較例2及び3(活性エネルギー線硬化性組成物の調製)
表1に記載の配合量(質量部)に従って各成分を混合し、本発明及び比較用の活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
(活性エネルギー線硬化性組成物からなる被膜の作製及び加熱処理)
膜厚100μmの両面易接着PETフィルム(コスモシャインA4300:100 東洋紡績社製)を15cm角に切り取り、この基材上に#14のバーコーダーを用いて実施例2及び3、比較例2及び3で得られた活性エネルギー線硬化性組成物をそれぞれ均一に塗布した後、オーブンを用いて80℃×1分間の加熱処理(露光前ベイク)を行い、溶媒を留去した。
表1に記載の配合量(質量部)に従って各成分を混合し、本発明及び比較用の活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
(活性エネルギー線硬化性組成物からなる被膜の作製及び加熱処理)
膜厚100μmの両面易接着PETフィルム(コスモシャインA4300:100 東洋紡績社製)を15cm角に切り取り、この基材上に#14のバーコーダーを用いて実施例2及び3、比較例2及び3で得られた活性エネルギー線硬化性組成物をそれぞれ均一に塗布した後、オーブンを用いて80℃×1分間の加熱処理(露光前ベイク)を行い、溶媒を留去した。
(露光処理及び加熱処理)
上記で得られたPETフィルム上の被膜に、ベルトコンベア式高圧水銀灯露光機を用いて1パスの露光量が100mJ/cm2(ベルトコンベアから高圧水銀灯までの高さ100mm)の条件で3パスの露光を行った。その後、オーブンを用いて80℃×10分間の加熱処理(露光後ベイク)を行い、各活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物(硬化膜)を得た。
上記で得られたPETフィルム上の被膜に、ベルトコンベア式高圧水銀灯露光機を用いて1パスの露光量が100mJ/cm2(ベルトコンベアから高圧水銀灯までの高さ100mm)の条件で3パスの露光を行った。その後、オーブンを用いて80℃×10分間の加熱処理(露光後ベイク)を行い、各活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物(硬化膜)を得た。
(表面硬度の評価)
前記で得られたPETフィルム上の硬化膜の鉛筆硬度を、JIS K−5600に準じた方法で750gの加重で測定した。結果を表1に示した。
(硬化収縮度の評価)
硬化膜を設けたPETフィルムを平面台上に静置し、硬化収縮によりPETフィルムの四隅に生じた反りの平面台から高さをそれぞれ測定し、平均値を算出することで硬化収縮度として評価した。結果を表1に示した。
前記で得られたPETフィルム上の硬化膜の鉛筆硬度を、JIS K−5600に準じた方法で750gの加重で測定した。結果を表1に示した。
(硬化収縮度の評価)
硬化膜を設けたPETフィルムを平面台上に静置し、硬化収縮によりPETフィルムの四隅に生じた反りの平面台から高さをそれぞれ測定し、平均値を算出することで硬化収縮度として評価した。結果を表1に示した。
表1の結果より、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物が、高い硬度を有すると共に硬化収縮性に優れることがわかる。
本発明の化合物を含む活性エネルギー線重合開始剤及び活性エネルギー線重合性化合物を含有する組成物は長期の保存安定性に優れ、硬化時に酸素による重合阻害を受けにくく、かつ硬化収縮が小さいと共に、該樹脂組成物の硬化物は表面硬度と屈曲耐久性に優れるとの効果を奏する。
Claims (4)
- 下記式(1)
- 請求項1に記載の化合物を含む活性エネルギー線重合開始剤。
- 請求項2に記載の活性エネルギー線重合開始剤及び活性エネルギー線重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項3に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018049142A JP2019156802A (ja) | 2018-03-16 | 2018-03-16 | 新規化合物、該化合物を含んでなる活性エネルギー線重合開始剤及び該重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物 |
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JP (1) | JP2019156802A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021039141A1 (ja) | 2019-08-29 | 2021-03-04 | キヤノン株式会社 | 受電装置、送電装置、制御方法及びプログラム |
-
2018
- 2018-03-16 JP JP2018049142A patent/JP2019156802A/ja active Pending
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