JP2019143006A - 光学部材、及びそれを用いた光学装置 - Google Patents

光学部材、及びそれを用いた光学装置 Download PDF

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Takashi Kashiwabara
隆志 柏原
和徳 青木
Kazunori Aoki
和徳 青木
勇介 荒木
Yusuke Araki
勇介 荒木
岳 熊野
Takeshi Kumano
岳 熊野
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Abstract

【課題】光又は熱により硬化したもので、光透過性に優れ、コーティング層を形成し易く、硬化性乃至成形性が良くて迅速に加工でき、転写性に優れモールドに応じた微細な凹凸を精密に形成でき、機械特性等に優れ、耐光性、耐候性に優れ光や温度や湿度によって変質せず、リフローはんだで装着すべき対象基板に実装できる光学部材、その光学部材を実装している光学装置、及びその光学装置の製造方法の提供。【解決手段】光学部材は、下記化学式が含有された硬化性組成物の硬化物からなる。【選択図】なし

Description

本発明は、光を透過及び/又は反射する光学部材、及びそれを用いた光学装置に関するものである。
スマートフォン・タブレットPCのような端末携帯型電子機器に搭載されたカメラに用いられるもので光源の直前に配置され撮影の際に光源からの光を拡散させるフレネルレンズのようなフラッシュレンズ、パーソナルコンピュータのデータ用CDや音楽CDの読取り・書込み部分のレンズ、車載用電子機器・ウェアラブル端末・ゲーム機器・センサー等に搭載されたカメラのレンズ、照明機器・液晶ディスプレイのバックライトなどの発光ダイオード・エレクトロルミネセンス等の光源からの光を収束又は拡散させるレンズのような小型乃至薄型の各種光学部材が、様々な機器に用いられている。
また、小型乃至薄型のレンズは、光を収束又は拡散させる光透過部位以外の周辺部位での遮光性や反射性を向上させるため、当該周辺部位を黒色又は白色となるようにコーティングしたり二色成形したりして、形成されるものがある。
このような光学部材の原材料として、ポリカーボネートやポリメタクリル酸メチル、環状ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂組成物を用いて金型のキャビティ内で射出成形し、レンズなどの光学素子を製造する方法が、特許文献1及び2に開示されている。しかし、これらの熱可塑性樹脂組成物では、金型の微細な構造を精密に転写できず、小型乃至薄型のレンズを製造し難かった。また、熱可塑性樹脂は耐熱性が低く熱で変形してしまうため、レンズを基板へリフローはんだで加熱して実装することができない。
一方、オキセタン化合物は、光硬化および熱硬化が可能なモノマーとして、近年注目されており、これを成分として含有する樹脂組成物は、硬化時の収縮が小さく、また、その硬化物(樹脂)は、靱性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、耐水性、耐候性、透明性等に優れている。
このような優れた特徴から、オキセタン化合物を含有する樹脂組成物は、コーティング材料、塗料、インク、接着材料、粘着材料、フィルム、ペースト、光学材料、封止材料、レジスト材料等の原料としての利用が進められている。
特許文献3には、コーティング材、レンズ等に利用できるオキセタン化合物を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する発明が記載されている。1,3−プロパンジオールビスオキセタン誘導体を使用することを特徴としており、耐熱性、難燃性、機械特性及び高湿度条件下での硬化性に優れる点が開示されている。
特許文献4には、液晶ディスプレイ等の偏光板を初めとする様々な用途に使用可能なカチオン重合性接着剤に関する発明が記載されている。多官能オキセタン化合物と脂環式エポキシ化合物と芳香族グリシジルエーテルを併用することを特徴としており、様々な保護フィルムに対して、高い接着強度を発揮する点が開示されている。
特許文献5には、エポキシ樹脂及び必要に応じオキセタン化合物と、エポキシ樹脂用硬化剤とを含有する光学部品用樹脂組成物の硬化体からなる光学部品に関する発明が記載されている。光学的応用を目的とする透明樹脂において光信号を低損失で通す高い透明性を有し、耐熱性に優れた光学レンズや集光拡散レンズ、光学部品間の接着剤等の各種光学部品材料等に好適である点が開示されている。
しかし、これらのエポキシ化合物やオキセタン化合物が含有された組成物を硬化させた非熱可塑性樹脂からなる光学部材でも、透過性のような光学特性、上塗りコーティング膜の確実な形成性、転写性、機械特性、耐光性、耐候性が十分ではなく、一層の向上が求められていた。
特開2013−212593号公報 特開2013−224349号公報 国際公開第2006/104167号パンフレット 特開2012−241053号公報 特開2015−194546号公報
本発明は前記の問題点に鑑み、活性エネルギー線又は熱により硬化したもので、透過性のような光学特性に優れ、所望の波長域の光を透過させつつ所望外の波長域の光を反射させる上塗りコーティング層を形成し易く、硬化性乃至成形性が良くて迅速に加工でき、転写性に優れモールドに応じた微細な凹凸を精密に形成でき、機械特性等に優れ、耐光性に優れ長期間黄変乃至透過性低下を引き起こさず、耐候性に優れ光や温度や湿度によって変質せず、リフローはんだで装着すべき対象基板に実装できる光学部材、簡便かつ効率の良いその光学部材の製造方法、その光学部材を実装している光学装置、及び簡便かつ効率の良いその光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するためになされた本発明の光学部材は、下記化学式(I)で示されエポキシ基とオキセタニル基とを有する環状エーテル化合物が含有された硬化性組成物の硬化物からなる:
Figure 2019143006
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)〜(IV)で示される基を表す。Bは化学式(V)〜(VIII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Yは前記の化学式(II)〜(IV)で示される基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)。
この光学部材は、前記硬化性組成物が、前記環状エーテル化合物以外のエポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物を含有するものであることが好ましい。
この光学部材は、前記硬化性組成物が、開環重合させるカチオン重合開始剤を含有していてもよい。
この光学部材は、例えば、球面レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ、トロイダルレンズ、フレネルレンズ、回折レンズ、プリズム、及びフィルムから選ばれる何れかである。
前記の目的を達成するためになされた本発明の光学部材製造方法は、前記の光学部材を製造する方法であって、
前記光学部材の一つ又は複数を形成する光学部材成型キャビティ部を有するモールドに、前記硬化性組成物を、充填した後、活性エネルギー線照射処理による活性エネルギー線によって及び/又は加熱処理による熱によって、硬化させる硬化工程
を有するというものである。
この光学部材製造方法は、前記光学部材の複数を形成する光学部材成型キャビティ部を有するモールドに、前記硬化性組成物を、充填した後、活性エネルギー線照射処理による活性エネルギー線によって及び/又は加熱処理による熱によって、硬化させる硬化工程
を有し、前記光学部材の複数をアレイシートとして形成するというものであってもよい。
この光学部材製造方法は、更に、前記光学部材の表面にコーティング層を形成させる工程を有していると、好ましい。
この光学部材製造方法は、例えば前記活性エネルギー線が、350nm〜450nmの少なくとも何れかの波長を有しているというものである。
この光学部材製造方法は、前記活性エネルギー線照射処理が、UV−LED、水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、ケミカルランプ若しくはメタルハライドランプによる、又は太陽光による光照射処理であることが、好ましい。
前記の目的を達成するためになされた本発明の光学装置は、前記の光学部材を実装しているというものである。
前記の目的を達成するためになされた本発明の光学装置製造方法は、光学部材を、リフローはんだ付けにより基板に実装するというものである。
本発明の光学部材は、エポキシ基とオキセタニル基とを有する環状エーテル化合物を含有する硬化性組成物が光又は熱により開環重合して硬化した樹脂からなるものであるから、熱可塑性樹脂よりも耐熱性に優れている。
この光学部材の代表的な例としては、その環状エーテル化合物が開環重合した樹脂自体が、透明性に優れているから、それに基づいて、透過性等の光学特性に優れており、レンズのような光学素子を挙げることができる。
この光学部材は、硬化性組成物の硬化性乃至成形性が良いから、簡便かつ迅速に得られたものである。そのため、安価に大量生産が可能である。
しかも、この光学部材は、硬化物が上塗りコーティング特性に優れているというものである。そのため、所望の波長域の光を透過させたり所望外の波長域の光を反射又は吸収させたりする上塗りコーティング層を形成し易いものである。このコーティング層は、光の透過を望まない部位での遮光性や反射性を付与しつつ、光の透過を望む部位で所望の波長を透過させるものである。この光学部材は、所定波長以上の波長の光のみを透過させるロングパスフィルタにしたり、所定波長以下の波長の光のみを透過させるショートパスフィルタにしたり、可視光を反射し赤外光を透過させるコールドミラーにしたり、光の透過部位と非透過部位とを区分けしたレンズにしたりすることができる。
この光学部材は、転写性に優れモールドに応じた微細な凹凸を精密に形成できている。そのため、球面レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ、トロイダルレンズ、フレネルレンズ、回折レンズ、プリズム及びフィルムのような所望の形状に形成でき、入射光又は出射光を自在に収束又は拡散させて、所望の方向へ誘導することができる。
さらに、この光学部材は、モールドの微細な凹凸に対応して、精密に光学部材を形成したり、それを複数有するアレイシートを形成した後、均質な光学部材の個別片にしたりして、所望の寸法や形状にすることができる。
また、この光学部材は、硬化物が機械強度、擦傷強度等の物理的特性に優れていることから、硬質で損傷し難く、傷付き難く耐擦傷性に優れる。また、硬化物が光や熱に安定で化学的に劣化し難いから、耐光性に優れ高輝度発光ダイオードからの強い光に曝されても長期間黄変乃至透過性低下を引き起こさず、耐候性に優れ温度や湿度の変動によって変質せず、各種光学装置の三次元形状のレンズやプリズム、又は平坦形状乃至三次元形状で薄膜のフィルムのような各種形状の光学部材として、用いることができる。
また、この光学部材は、開環重合した非熱可塑性樹脂からなる硬化物で形成されているから、極めて熱に安定であり、リフローはんだ、例えば鉛フリーリフローはんだで対象基板に他の部材(部品)と共にまとめて実装できる。
この光学部材の製造方法によれば、従来のエポキシ基のみやオキセタニル基のみを有する化合物を用いた材料よりも硬化時間が短いため、簡便かつ迅速に歩留まり良く光学部材を効率的に再現性良く多量に高品質で製造することができる。また、得られた光学部材は、機械強度等の物理的安定特性、化学的安定特定、光学特性に優れたものとすることができる。
この光学部材を実装している光学装置によれば、光学部材が機械的、物理的、化学的に安定であるので、耐久性、耐熱性、耐光性、対候性に優れ、高い光学特性を維持したまま長期間安定して使用することができる。
この光学装置の製造方法によれば、簡便かつ迅速に歩留まり良く光学装置を効率的かつ再現性良く多量に高品質で製造することができ、レンズ等として使用される光学部材の特性を発揮できる。
本発明を適用する光学部材の製造途中を示す部分平面図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の光学部材は、前記化学式(I)で示されエポキシ基とオキセタニル基とを有する環状エーテル化合物が含有された硬化性組成物の硬化物からなるものである。
この環状エーテル化合物は開環重合可能な硬化性化合物であり、エポキシ基とオキセタニル基を1分子中に有するもので、2つのエポキシ基と1つのオキセタニル基が、又は1つのエポキシ基と2つオキセタニル基が、エーテル結合を有する接続子により連結された構造を有する。
この環状エーテル化合物は、前記化学式(I)で示されるものである。
より具体的には、この環状エーテル化合物の例として、下記化学式(I-1)〜(I-23)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2019143006
Figure 2019143006
この硬化性組成物中、硬化性成分が、この環状エーテル化合物のみからなっていてもよく、さらに他の硬化性化合物を含有していてもよい。
この環状エーテル化合物のみを重合させるとホモポリマーの硬化物を得ることができる。この環状エーテル化合物と他の硬化性化合物を共存させて共重合させるとヘテロポリマーの硬化物を得ることができる。
硬化性組成物全量に対し、環状エーテル化合物の含有割合は、0.1〜90質量%であることが好ましく、10〜70質量%であると一層好ましく、20〜50質量%であるとなお一層好ましい。
この硬化性組成物中における、硬化性化合物である環状エーテル化合物の含有量と、他の硬化性化合物の含有量との比率については、当該他の硬化性化合物の含有量が、環状エーテル化合物の含有量に対して、0〜1000倍量(質量比)の範囲における適宜の割合とすることが好ましく、0.01〜100倍量(質量比)の範囲における適宜の割合とすることがより好ましい。
当該他の硬化性化合物は、硬化性化合物である環状エーテル化合物と共に硬化して、硬化性組成物の硬化性を向上させ、一層高い硬度、優れた光学特性、機械特性、耐久性などの優れた特性を光学部材に付与することができる。
当該他の硬化性化合物としては、例えば重合性モノマー、重合性オリゴマーが挙げられ、カチオン硬化性であることが好ましく、重合性モノマーと重合性オリゴマーを単独で又は組み合わせて使用してよく、重合性モノマーとしては、種類の異なる重合性モノマーを組み合わせて使用してよく、重合性オリゴマーについても、種類の異なる重合性オリゴマーを組み合わせて使用してよい。
なお、当該他の硬化性化合物は、重合性モノマーと、重合性モノマーが重合した構造を有する重合性オリゴマー(半硬化物)との両者を包含する。
この重合性モノマーとして、公知のエポキシ化合物(硬化前のエポキシ樹脂を包含する)、オキセタン化合物、アクリル化合物(半硬化した硬化前のアクリル樹脂を包含する)等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、酸化型、脂環型、変性型等のエポキシ化合物が挙げられる。エポキシ化合物は、単数、又は複数種組み合わせて、用いてもよい。硬化性組成物がこれらエポキシ化合物を含有していると、硬化の際に、収縮率や膨張率を小さくしたり、屈折率を調整したりすることができ、また硬化物に優れた機械的強度を付与することができるので好ましい。
グリシジルエーテル型の例としては、芳香環含有グリシジルエーテル型エポキシ化合物、具体的には、Bis−A型エポキシ化合物、Bis−F型エポキシ化合物、High−Br型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、アルコール型エポキシ化合物;脂肪族型エポキシ化合物(例えば、1,4−ブタンジグリシジルエーテル)等が挙げられ、
グリシジルエステル型の例としては、ヒドロフタル酸型エポキシ化合物、ダイマー酸型エポキシ化合物が挙げられ、
グリシジルアミン型の例としては、芳香族アミン型エポキシ化合物、アミノフェノール型エポキシ化合物が挙げられ、
酸化型の例としては、脂環型エポキシ化合物等が挙げられ、
変性型の例としては、エポキシ変性シロキサン化合物が挙げられる。
エポキシ化合物は、機械強度、擦傷強度等の物理的特性に優れた光学部材とするために、これらの中でも、脂環型エポキシ化合物が好ましい。
脂環型エポキシ化合物は、シクロアルケンオキシド基例えばシクロヘキセンオキシド基のような脂環エポキシ基を有する。
脂環型エポキシ化合物の例として、下記化学式(A)
Figure 2019143006
(化学式(A)中、2つの各々の6員環において、6員環を構成する炭素原子のうち、少なくとも1組の、隣合う2つの炭素原子がエポキシ環を形成し、Rは、独立して、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルコキシ基、又は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子若しくはハロゲン原子を有してもよい炭化水素基であってよく、Pはスペーサー基を表し、xは独立して0〜9の整数を表し、yは0または1を表す。)
で示される構造を有する脂環型エポキシ化合物が、挙げられる。
同式中、ハロゲン原子は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子である。
同式中、炭化水素基は、直鎖状・分岐鎖状及び/又は環状で飽和又は不飽和の脂肪鎖と、単環・縮合環・環集合の芳香環との少なくとも何れかを有する炭化水素基が挙げられる。
同式中、直鎖状・分岐鎖状及び/又は環状で飽和又は不飽和の脂肪鎖を有する炭化水素基として、
炭素数1〜20の飽和脂肪族炭化水素基、具体的には炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基〔例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基〕;
炭素数2〜20の不飽和脂肪族炭化水素基、具体的には炭素数2〜20のアルケニル基〔例えばビニル基、アリル基、1−又は2−メチルビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−又は3−ブテニル基、1−・2−・3−又は4−ペンテニル基、1−・2−・3−・4−又は5−ヘキセニル基〕、炭素数2〜20のアルキニル基〔例えばエチニル基、プロピニル基〕;
炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、具体的には炭素数3〜20の飽和環状脂肪族炭化水素基〔例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等のシクロアルキル基〕、炭素数3〜20の不飽和環状脂肪族炭化水素基〔例えばシクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基〕;
炭素数4〜20の架橋環状炭化水素基〔例えば、ビシクロヘプタニル、ビシクロヘプテニル基等のビシクロアルキル基やトリシクロアルキル基〕
が挙げられる。
同式中、単環・縮合環・集合環の芳香環を有する炭化水素基として、
炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、具体的にはアリール基〔例えば、フェニル基、α−又はβ−ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基等〕;
芳香環集合炭化水素〔例えば、ビフェニル基等〕
が挙げられる。
同式中、飽和又は不飽和で直鎖状と分岐鎖状と単環・縮合環・集合環の環状との何れかの組合せを持つ脂肪鎖を有する炭化水素基として、
炭素数4〜42のシクロアルキルアルキル基〔例えば、シクロプロピルメチル基、シクロへキシルメチル基等〕、炭素数4〜42の飽和又は不飽和アルキルシクロアルキル基〔例えば、メチルシクロプロピル基、メチルシクロへキシル基等〕、炭素数7〜20のアラルキル基〔例えば、ベンジル基、フェネチル基等〕、炭素数7〜20のアルキルアリール基〔例えば、トリル基等〕、炭素数8〜20のアリールアルケニル基〔例えば、スチリル基、シンナミル基等〕、アルケニルアリール基〔例えば、ビニルフェニル基等〕
が挙げられる。
同式中、酸素原子含有・窒素原子含有・硫黄原子含有又はハロゲン原子含有の炭化水素基は、無置換として例示した前記炭化水素基の少なくとも何れかの位置で、酸素原子含有基、窒素原子含有基、硫黄原子含有基、又はハロゲン原子のような置換基で、置換されたものが挙げられる。
同式中、アルコキシ基として、
無置換又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の飽和又は不飽和で直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシ基〔例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブトキシ基等〕
が挙げられる。
これら置換基として、ヒドロキシル基;
ヒドロパーオキシ基;
無置換又は官能基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基〔例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、n−ブトキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブトキシ基等〕;
無置換又は官能基で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニルオキシ基〔例えば、アリルオキシ基等〕;
無置換又は官能基で置換されていてもよい炭素数6〜14のアリールオキシ基〔例えば、フェノキシ基、o−,m−又はp−トリルオキシ基、α−又はβ−ナフチルオキシ基等〕;
無置換又は官能基で置換されていてもよい炭素数7〜18のアラルキルオキシ基〔例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等〕;
無置換又は官能基で置換されていてもよい炭素数2〜10のアシル基〔例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等〕;
無置換又は官能基で置換されていてもよい炭素数2〜10のアシルオキシ基〔例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等〕;
無置換又は官能基で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基〔例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基〕;
無置換又は官能基で置換されていてもよい炭素数7〜15のアリールオキシカルボニル基〔例えば、フェノキシカルボニル、o−,m−又はp−トリルオキシカルボニル、α−又はβ−ナフチルオキシカルボニル基等〕;
無置換又は官能基で置換されていてもよい炭素数7〜19のアラルキルオキシカルボニル基〔例えば、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等〕;
無置換又は官能基で置換されていてもよいエポキシ基含有基〔例えば、グリシジルオキシ基等〕;
無置換又は官能基で置換されていてもよいオキセタニル基含有基〔例えば、エチルオキセタニルオキシ基等〕;
イソシアナート基又はそれらが保護されたイソシアナート等価基;
無置換又は官能基で置換されていてもよいアミノ基又はアミド基;
無置換又は官能基で置換されていてもよいメルカプト基;
無置換又は官能基で置換されていてもよいスルホ基;
無置換又は官能基で置換されていてもよいカルバモイル基;
無置換又は官能基で置換されていてもよいオキソ基;
及びこれらの何れかの基同士が直接結合し、又はスペーサー基を介して結合した複合基;
が挙げられる。
これら置換基内の前記官能基として、ヒドロキシル基、メルカプト基;炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基;炭素数1〜10のアルキルチオ基;炭素数2〜10のアルケニル基;炭素数2〜10のアルケニルオキシ基;炭素数2〜10のアルケニルチオ基;炭素数6〜14のアリール基;炭素数6〜14のアリールオキシ基;炭素数6〜14のアリールチオ基;炭素数7〜19のアラルキル基;炭素数7〜19のアラルキルオキシ基;炭素数7〜19のアラルキルチオ基;オキソ基;カルボキシル基;炭素数2〜10のアシルオキシ基;炭素数2〜10のアシル基;炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基;炭素数7〜15のアリールオキシカルボニル基;炭素数7〜18のアラルキルオキシカルボニル基;アミノ基;炭素数1〜20のモノ−又はジ−アルキルアミノ基;炭素数2〜11のアシルアミノ基;エポキシ基含有基;オキセタニル基含有基;及びこれらの何れかの基同士が直接結合し、又はスペーサー基を介して結合した複合基;が挙げられる。
式中、シクロヘキサン環の隣り合う炭素上で一組好ましくは3,4位でエポキシ環を成し、好ましくはそれ以外が水素原子である。
同式中、置換基中又は官能基中の2価のスペーサー基として、
炭素数1〜12で直鎖状、分岐鎖状又は環状である、アルキレン基〔例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基のような直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基;1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基のような環状のアルキレン基〕、アルケニレン基〔例えば、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、ブタジエニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基のような直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基〕、それらの不飽和基の少なくとも一部がエポキシ化したアルケニレン変性基〔例えば、エポキシエタン−1,2−ジイル基、1,2−エポキシプロパン−1,2−ジイル基、1,2−エポキシプロパン−1,3−ジイル基等〕、アルキニレン基〔例えば、エチニレン基等〕;
アリーレン基〔例えば、フェニレン基等〕
エーテル基;
チオエーテル基;
カルボニル基;
カルボニルオキシ基;
オキシカルボニル基;
アミド基;
及びこれらのうち少なくとも二つ以上の基同士が直接結合した基等が挙げられる。
同式で表される脂環型エポキシ化合物として、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル、1,2−エポキシ−1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)プロパン、1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタン等が挙げられる。
硬化性組成物中、当該他の硬化性化合物の内のエポキシ化合物の総量は、環状エーテル化合物と当該他の硬化性化合物との合計100質量部に対して、例えば20〜70質量部である。この範囲であると、硬化物の高い強度を維持でき、硬化性を向上させることができる。好ましくは20〜60質量部、一層好ましく40〜60質量部である。
オキセタン化合物は、開環重合するものであれば置換基を有していてもよく特に限定されないが、例えば3−置換基含有オキセタン化合物のようなモノ置換オキセタン化合物や、3−エチル−3−置換基含有オキセタン化合物等の3−アルキル−3−置換基含有オキセタン化合物(但しアルキルは炭素数1〜6で直鎖状、分岐鎖状及び/又は脂環状のアルキル)のようなジ置換オキセタン化合物が挙げられる。
その3−置換基等の置換基は、ヒドロキシル基、脂肪鎖含有又は芳香環含有炭化水素基、複素環基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、及びこれらの何れかの基同士が直接結合し、又はスペーサー基を介して結合した複合基が挙げられる。
中でも、オキセタン化合物は、3−置換基含有オキセタン化合物、又は3−アルキル−3−置換基含有オキセタン化合物が好ましい。その3−置換基は、Q−O−(CH−(但し、Qは水素原子又は1価の官能基。rは0又は正の整数)であることが好ましい。
その3−置換基中、1価の官能基は、例えば飽和又は不飽和の直鎖状、分岐鎖状又は環状で炭素数1〜20の脂肪鎖含有炭化水素基又は芳香環含有炭化水素基で例示される炭化水素基より具体的には前記エポキシ化合物で例示した炭化水素基;単環・縮合環・架橋環又は環集合であってもよい複素環含有基;オキシカルボニル基〔例えば、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基等のような炭化水素基含有オキシカルボニル基〕;置換カルバモイル基〔N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基等のような炭化水素基含有カルバモイル基〕;アシル基〔アセチル基等の脂肪族アシル基、ベンゾイル基等の芳香族アシル基等のような炭化水素基含有カルボニル基〕;及びこれらの何れかの基同士が直接結合し、又はスペーサー基を介して結合した複合基が挙げられる。
オキセタン環、又はその3−置換基等の置換基は、ハロゲノ;アルキル、アリール、アラルキルのような炭化水素基;オキソ;ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アシルオキシのような置換オキシ;アシル;カルボキシル;アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニルのような置換オキシカルボニル;無置換カルバモイル、N−アルキルカルバモイル、N−アリールカルバモイルのような置換されていてもよいカルバモイル;シアノ;ニトロ;無置換アミノ、モノ−又はジアルキルアミノのような置換されていてもよいアミノ;スルホ、及びヘテロアリール基の何れかの官能基;これらの何れかが保護基で保護された保護官能基;又はこれらの何れかの基同士が、直接結合し、又はスペーサー基を介して結合した複合官能基;で何処かの位置にて置換されていてもよい。
スペーサー基は、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、エステル基、アミド基、カーボネート基、及びシリル基から選ばれる少なくとも何れかのスペーサー基により結合したものであってもよく、官能基・保護官能基・複合官能基がラクトン変性(例えばカプロラクトン変性)した変性官能基、アルキレンオキシド変性(例えばエチレンオキシド変性及び/又はプロピレンオキシド変性)した変性官能基であってもよい。
ヘテロアリール基又は複素環基を成す複素環は、前記の置換基で同様に置換されていてもよく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を有する3〜10員環の単環複素環、縮合複素環、架橋複素環、又環集合複素環である。例えば、
3員環で酸素原子含有単環複素環としてエポキシ環;
4員環で酸素原子含有単環複素環としてオキセタン環;
5員環で酸素原子含有単環複素環としてフラン環、テトラヒドロフラン環、1,3−ジオキソラン環、γ−ブチロラクトン環等;
6員環で酸素原子含有単環複素環としてピラン環、ジヒドロピラン環、テトラヒドロピラン環、4−オキソ−4H−ピラン環、ジオキサン環等;
酸素原子含有縮合複素環としてベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、クロメン環、イソクメロン環、4−オキソ−4H−クロメン環、クロマン環、イソクロマン環等;
5員環で酸素原子及び窒素原子含有単環複素環としてオキサゾール環、イソオキサゾール環等;
6員環で酸素原子及び窒素原子含有単環複素環としてモルホリン環等;
5員環で硫黄原子含有単環複素環としてチオフェン環等;
6員環で硫黄原子含有単環複素環としてトリチアン環等;
5員環で硫黄原子及び窒素原子含有単環複素環としてチアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環等;
硫黄原子含有縮合複素環としてベンゾチオフェン環等;
5員環で窒素原子含有単環複素環としてピロール環、ピロリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環等;
6員環で窒素原子含有単環複素環としてピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環等;
窒素原子含有縮合複素環としてインドール環、インドリン環、キノリン環、アクリジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、プリン環;
架橋複素環として3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン環、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン環等;
環集合複素環としてビピリジン環等;
が挙げられる。
このようなオキセタン化合物の例としては、
3−メトキシオキセタン、
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、
3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン、
3−エチル−3−[(エトキシカルボニルオキシ)メチル]オキセタン、
3−エチル−3−{[3−(トリメチルシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、
3−エチル−3−{[3−(トリメトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、
3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、
3−エチル−3−(ブトキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−(へキシルオキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−[(2−エチルへキシルオキシ)メチル]オキセタン、
3−エチル−3−(バレリルオキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−(シクロへキシルオキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−[(ブチルアミノカルボニルオキシ)メチル]オキセタン、
3−エトキシオキセタン、
3−アリルオキセタン、
3−プロポキシオキセタン、
3−イソプロポキシオキセタン、
3−(3−クロロプロポキシ)オキセタン、
3−(3−ブロモプロポキシ)オキセタン、
3−ブトキシオキセタン、
3−イソブトキシオキセタン、
3−sec−ブトキシオキセタン、
3−tert−ブトキシオキセタン、
3−ペンチルオキシオキセタン、
3−ヘキシルオキシオキセタン、
3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]オキセタン、
3−ヘプチルオキシオキセタン、
3−オクチルオキシオキセタン、
3−[2−(パーフルオロブチル)エトキシ]オキセタン、
3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、
3−(アリルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、
3−エチル−3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、
3−(1−プロペニルオキシ)オキセタン、
3−(4−フルオロフェノキシ)オキセタン、
ビス[2−(3−オキセタニル)ブチル]エーテル、
[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、
3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、
3−エチル−3−[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]オキセタン、
3−フェノキシオキセタン、
3−(4−メチルフェノキシ)オキセタン、
キシリレンビスオキセタン、
1−[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]−4−フルオロベンゼン、
1−[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]−4−メトキシベンゼン、
4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、
1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル=フェニル=エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=イソブトキシメチル=エーテル、
イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=2−(イソボルニルオキシ)エチル=エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=イソボルニル=エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=2−エチルヘキシル=エーテル、
エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
2−(2−エトキシエトキシ)エチル=3−エチル−3−オキセタニルメチル=エーテル、
3−シクロヘキシルオキシオキセタン、
3−(4−メチルシクロヘキシルオキシ)オキセタン、
ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=テトラヒドロフルフリル=エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=2−ヒドロキシエチル=エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=2−ヒドロキシプロピル=エーテル、
ブトキシエチル=3−エチル−3−オキセタニルメチル=エーテル、
ボルニル=3−エチル−3−オキセタニルメチル=エーテル、
3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−ノナノン、
3,3’−(オキシビスメチレン)ビス(3−エチルオキセタン)、
3,3’−[1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン)]ビス−(3−エチルオキセタン)、
1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、
1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、
1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、
エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、
1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、
3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレンオキシメチレン)]ビス[3−エチルオキセタン](CAS 142627-97-2)(3,3’−[(1,4−フェニレン)ビス(メチレンオキシメチレン)]ビス[3−エチルオキセタン]、又は1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼンとも云う)と3,3’−[オキシビス(メチレン−4,1−フェニレンメチレンオキシメチレン)]ビス[3−エチルオキセタン](CAS 1035608-30-0)と3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレンオキシメチレン−4,1−フェニレンメチレンオキシメチレン)]ビス[3−エチルオキセタン](CAS 1035608-32-2)(α,α’−ビス[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシメチル)ベンジルオキシ]−p−キシレンとも云う)との何れか、又はそれらの混合物(東亞合成社製の「アロンオキセタン OXT−121(商品名)」)、
ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
その他、市販のオキセタン化合物、例えばアロンオキセタンOXT−211、同OXT−213、同OXT−221(何れも東亞合成社の商品名)や、ETERNACOLL OXBP(宇部興産社の商品名)を用いてもよい。
硬化性組成物中、当該他の硬化性化合物の内のオキセタン化合物の総量は、硬化性化合物である環状エーテル化合物と当該他の硬化性化合物との合計100質量部に対して、例えば5〜40質量部である。この範囲であると、硬化物の高い強度を維持でき、硬化性を向上させることができる。5質量部未満では硬化物の硬度が低下し易く、40質量部を超えると硬化物の硬化性が低下し易い。好ましくは5〜30質量部、一層好ましく10〜30質量部である。
アクリル化合物の例としては、(メタ)アクリル酸の炭素数4〜30の直鎖又は分岐のアルキルエステル〔例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル等〕;
炭素数6〜20の脂環又は芳香環含有(メタ)アクリル酸エステル〔例えば(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−t−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等〕;
炭素数10〜30の脂環含有ジ(メタ)アクリル酸エステル〔例えばジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリル酸エステル等〕;
炭素数5〜20の複素環含有(メタ)アクリル酸エステル〔例えば(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、(メタ)アクリル酸アダマンチル等〕;
炭素数10〜25の直鎖又は分岐のアルキレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステル又はアルキレングリコールトリ(メタ)アクリル酸エステル又はアルキレングリコールテトラ(メタ)アクリル酸エステル等〔例えばトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリル酸エステル、3-メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリル酸エステル、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパン(メタ)テトラアクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル等〕;
ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸変性アリルグリシジルエーテル(デナコールアクリレートDA111:ナガセケムテックス社製の商品名);
トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート;
エポキシ(メタ)アクリレート類;
ウレタン(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリレート基含有ポリオルガノシロキサン;
が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートの用語はアクリレート又はメタクリレートを意味する。
硬化性組成物中、当該他の硬化性化合物の内のアクリル化合物の総量は、環状エーテル化合物と当該他の硬化性化合物との合計100質量部に対して、例えば0〜200質量部である。この範囲であると、硬化物の高い強度を維持でき、硬化性を向上させることができる。好ましくは10〜100質量部、一層好ましく20〜80質量部である。
硬化性組成物を硬化(重合)させて硬化物からなる光学部材にする方法として、光重合開始剤存在下で、光硬化及び/又は熱硬化させる方法が挙げられる。
光重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤であるカチオン重合開始剤を採用することができ、これを硬化性組成物中に含有させればよい。なお、光硬化においては、生産効率や硬化物の特性を高める為に、熱硬化の手段を併用してもよい。
光硬化させる方法として、活性エネルギー線を照射する方法、光重合開始剤を使用する方法、又はこれらを組み合わせた方法等が挙げられる。活性エネルギー線は、可視光線、紫外線のような光であってもよく、X線、α線、β線、γ線のような放射線や電磁波や電子線であってもよいが、代表的には、光、特に取り扱い易い紫外線が好ましい。
硬化性組成物を光硬化させる方法として、光重合開始剤を使用する方法が好ましい。光重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤を採用することができ、これを硬化性組成物中に含有させればよい。
硬化性組成物中、光重合開始剤として光カチオン重合開始剤を含有する場合は、光照射することにより硬化させることができる。光照射、好ましくは紫外線照射する場合、紫外線−発光ダイオード(UV−LED)、レーザー、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、ケミカルランプ、メタルハライドランプ等の紫外線照射機器を使用してもよく、太陽光で露光させてもよい。中でも、簡便かつ速やかに硬化させることができるように波長350〜450nmのUV−LEDによる照射であることが好ましい。その光量は、例えば積算光量として最大で5000mJ/cm、好ましくは少なくとも2500mJ/cmとなるように調整する。
光カチオン重合開始剤としては、一般に使用されるものであれば特に制限無く使用可能であり、オニウム塩類や有機金属錯体類等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤は、オニウム塩類の例として、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩、及び臭素塩が挙げられ、有機金属錯体類の例としては、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノール−アルミニウム錯体等が挙げられる。光カチオン重合開始剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて、適宜量が用いられる。
光カチオン重合開始剤として、オニウム塩類は、硬化性組成物中のカチオン硬化性化合物の開環重合反応を開始させるものであり、光を吸収するカチオンと酸の発生源となるアニオンとの塩である。
光カチオン重合開始剤は、対カチオンとして、スルホニウム塩の場合、トリフェニルスルホニウムイオン、トリ−p−トリルスルホニウムイオン、(4−ヒドロキシフェニル)メチルベンジルスルホニウムイオン、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムイオン、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムイオン、等のアリールスルホニウムイオンが挙げられる。また、対アニオンとしては、例えば、[(Ar)B(Ar4−s(式中、Arはフェニル基又はビフェニリル基、Arは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、及びハロゲン原子から選択される何れかで少なくとも一つ置換されたフェニル基、sは0〜3の整数である)好ましくはB(C 、BF のようなホウ素原子含有アニオン;PF 、[(RPF6−t(式中、Rはパーフルオロアルキル基、又は少なくとも80%がフッ素原子で置換されたパーシャルフルオロアルキル基、t:1〜5の整数)のようなリン原子含有アニオン;AsF のようなヒ素原子含有アニオン;SbF 、SbFOH等のようなアンチモン原子含有アニオン;が挙げられる。本発明の実施においては、硬化性組成物の重合反応を活性化し、硬化性を高め、硬化物の耐熱性を高める観点から、SbF を有する光カチオン重合開始剤の使用が好ましい。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、
4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム] ヘキサフルオロアンチモネート、
ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、
ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
(4−ヒドロキシフェニル)メチルベンジルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
[4−(2−チオキサントニルチオ)フェニル]フェニル−2−チオキサントニルスルホニウム フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート トルイルクミルヨードニウムが挙げられる。
市販の光カチオン重合開始剤として、
ADEKA社製の「オプトマーSP−150(商品名)」、同「オプトマーSP−151(商品名)」、同「オプトマーSP−170(商品名)」、同「オプトマーSP−171(商品名)」;
Sartomer社製の「CD−1010(商品名)」、同「CD−1011(商品名)」、同「CD−1012(商品名)」;
サンアプロ社製の「CPI−100P(商品名)」、同「CPI−101A(商品名)」
ゼネラルエレクトロニクス社製の「UVE−1014(商品名)」;
3M社製の「FFC509(商品名)」;
ダイセル社製の「DAICAT II(商品名)」;
ダイセル・サイテック社製の「UVAC1590(商品名)」、同「UVAC1591(商品名)」;
チバガイギー社製の「CG−24−61(商品名)」;
日本曹達社製の「CI−2064(商品名)」、同「CI−2639(商品名)」、同「CI−2624(商品名)」、同「CI−2481(商品名)」、同「CI−2734(商品名)」、同「CI−2855(商品名)」、同「CI−2823(商品名)」、同「CI−2758(商品名)」、「CIT−1682(商品名)」;
BASF社製の「Irgacure250」、同「Irgacure261(商品名)」、同「Irgacure264(商品名)」;
ミドリ化学社製の「BBI−102(商品名)」、同「BBI−101(商品名)」、同「BBI−103(商品名)」、同「MPI−103(商品名)」、同「TPS−103(商品名)」、同「MDS−103(商品名)」、同「DTS−103(商品名)」、同「NAT−103(商品名)」、同「NDS−103(商品名)」;
ユニオンカーバイド社製の「サイラキュアUVI−6970(商品名)」、同「サイラキュアUVI−6974(商品名)」、同「サイラキュアUVI−6990(商品名)」、同「サイラキュアUVI−950(商品名)」;
ローディア社製の「PI−2074(商品名)」;等
が挙げられる。
また、硬化性組成物を光硬化させる際には、例えば、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ペンゾフラビン等の増感剤を使用することができる。
硬化性組成物中における光カチオン重合開始剤の含有割合は、0.001〜20質量%の割合であることが好ましく、0.01〜10質量%の割合であることがより好ましい。
一方、硬化性組成物を熱硬化させる方法として、熱重合開始剤を使用する方法が挙げられる。熱重合開始剤としては、熱カチオン重合開始剤を採用することができ、これを硬化性組成物中に含有させればよい。
熱カチオン重合開始剤としては、一般に使用されるものであれば特に制限無く使用可能であり、グアニジン類、スルホン酸エステル類、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、及びヨードニウム塩等の各種オニウム塩類、ならびに有機金属錯体類等が挙げられる。
熱カチオン重合開始剤は、加熱処理によって酸を発生して、硬化性組成物中のカチオン硬化性化合物の開環重合反応を開始させるものであり、例えば熱を吸収するカチオンと酸の発生源となるアニオンとのオニウム塩である。
光カチオン重合開始剤は、対カチオンとして、スルホニウム塩の場合、p−メトキシカルボニルオキシフェニル−ベンジル−メチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニル−メチル−ベンジルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニル−メチル−(2−メチルベンジル)スルホニウム、4−ヒドロキシフェニル−メチル−1−ナフチルメチルスルホニウム、が挙げられ、対アニオンとしては、光カチオン重合開始剤で例示した対アニオンが挙げられる。
熱カチオン重合開始剤として、例えば、
シアノグアニジン、
トシル酸シクロヘキシル、
p−メトキシカルボニルオキシフェニル−ベンジル−メチルスルホニウム フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート、
4−ヒドロキシフェニル−メチル−ベンジルスルホニウムフェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−ヒドロキシフェニル−メチル−(2−メチルベンジル)スルホニウム フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−ヒドロキシフェニル−メチル−1−ナフチルメチルスルホニウム フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
熱カチオン重合開始剤として市販されているオニウム塩類は、
ADEKA社製の「アデカオプトンCP−66(商品名)」、同「アデカオプトンCP−77(商品名)」;
三新化学工業社製の「サンエイドSI−60L(商品名)」、同「サンエイドSI−80L(商品名)」、同「サンエイドSI−100L(商品名)」;
日本曹達社製の「CIシリーズ(商品名)」;等
が挙げられる。
また、熱カチオン重合開始剤は、有機金属錯体類として、アルコキシシラン−アルミウム錯体等が挙げられる。
硬化性組成物中、カチオン重合開始剤として熱カチオン重合開始剤を含有する場合は、加熱処理の条件として例えば100〜200℃の温度で0.5〜2時間加熱して、硬化させる。
硬化性組成物中における熱カチオン重合開始剤の含有割合は、0.001〜20質量%の割合であることが好ましく、0.01〜10質量%の割合であることがより好ましい。
硬化性組成物中のカチオン重合開始剤としては、中でも光カチオン重合開始剤が、保存安定性に優れているので、特に好ましい。
硬化性組成物は、更に、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、
光ラジカル開始剤(炭素数16〜17のケタール化合物〔例えば、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等〕、炭素数8〜18のアセトフェノン化合物〔例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等〕、炭素数13〜21のベンゾフェノン化合物〔例えば、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等〕、炭素数14〜18のベンゾイン化合物〔例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等〕、炭素数14〜19のアントラキノン化合物〔例えば、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等〕、炭素数13〜17のチオキサントン化合物〔例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等〕、炭素数22〜28のアシルフォスフィンオキサイド化合物〔例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド〕等)、
顔料(チタン白、シアニンブルー、ウォッチングレッド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラック、マンガンブルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、ハンザレッド、クロームイエロー、クロームグリーン等)、
無機充填剤(炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム、リトポン、石コウ、ステアリン酸亜鉛、パーライト、石英、石英ガラス、溶融シリカ、球状シリカ等のシリカ粉等、球状アルミナ、破砕アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類;窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類;炭化ケイ素等の炭化物類;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物類;銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属類や合金類;ダイヤモンド、カーボン等の炭素系材料等)、
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂(高密度、中密度、低密度の各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等の単独重合体;エチレン−プロピレン共重合体;ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹脂;ニトロセルロース系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;アクリル系樹脂;アクリルアミド系樹脂;スチレン系樹脂;ビニルエステル系樹脂;ポリエステル系樹脂;フェノール樹脂(フェノール化合物)、シリコーン系樹脂;フッ素系樹脂;アクリルゴム、ウレタンゴムなどの各種エラストマー樹脂;メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体などのグラフト共重合体等)、
補強剤(ガラス繊維、炭素繊維等)、
垂れ止め剤(水添ヒマシ油、微粒子無水硅酸等)、
艶消し剤(微粉シリカ、パラフィンワックス等)、
研削剤(ステアリン酸亜鉛等)、
内部離型剤(ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウムの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アマイド等の脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス等)、
酸化防止剤(オクチル 3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジイソプロピルフェニル)プロピオネート、オクタデシル 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール テトラキス[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、[2,2’‐チオビス(エタノール)]ビス[3‐(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジ‐tert‐ブチルフェニル)プロピオナート]、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、1,3,5‐トリメチル‐2,4,6‐トリス(3,5‐ジ‐tert‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス(ドデシルチオメチル)−6−メチルフェノール、ビス[エトキシ[4‐ヒドロキシ‐3,5‐ビス(tert‐ブチル)ベンジル]ホスフィン酸]カルシウム、市販品ではBASF社製の「Irganox 1010」、同「Irganox 1035(商品名)」、同「Irganox 1076(商品名)」、同「Irganox 1098(商品名)」、同「Irganox 1135(商品名)」、同「Irganox 1330(商品名)」、同「Irganox 1726(商品名)」、同「Irganox 1425WL(商品名)」などのフェノール系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、2−エチルへキシル ジフェニル ホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリフェニルフォスファイト、3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、3,9−ビス(オクタデシロキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、市販品ではADEKA社製の「アデカスタブPEP−8(商品名)」、同「アデカスタブPEP−8W(商品名)」、同「アデカスタブPEP−36/36A(商品名)」、同「アデカスタブHP−10(商品名)」、同「アデカスタブ2112(商品名)」、同「アデカスタブ2112RG(商品名)」、同「アデカスタブ1178(商品名)」などのリン系酸化防止剤;ジラウリル−チオ−ジプロピオネート,ジステアリル−チオ−ジプロピオネート,ラウリルステアリル−チオ−ジプロピオネート,ジミリスチル−チオ−ジプロピオネート,テトラキス(メチレン−3−ドデシル−チオ−ジプロピオネート)メタンなどのチオエステル系酸化防止剤;フェニルナフチルアミン、4,4’−ジメトキシジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、及び4−イソプロポキシジフェニルアミンのようなアミン系酸化防止剤。中でも好ましくはフェノール系酸化防止剤及び/又はリン系酸化防止剤)、
カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤で例示される各種界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、粘度調整用希釈剤(有機溶剤)、カップリング剤、香料、難燃化剤、モールド充填時の泡噛みを低減する表面改質剤(ポリエーテル変性・ポリエステル変性及び/又はアクリル変性のポリジメチルシロキサンのようなシリコーン系界面活性剤(ビッグケミー・ジャパン社製の「BYK−333(商品名)」、同「BYK−345(商品名)」、同「BYK−UV3510(商品名)」、同「BYK−UV3500(商品名)」、同「BYK−UV3530(商品名)」、同「BYK−UV3570(商品名)」;(メタ)アクリル酸系共重合体のようなアクリル系界面活性剤;フルオロ置換炭化水素鎖を有する界面活性剤のようなフッ素系界面活性剤)、紫外線吸収剤などの添加剤(改質剤)
から選ばれる少なくとも何れかを、含有してもよい。
硬化性組成物100質量部に対し、例えば光ラジカル開始剤の含有量は0.001〜20質量部好ましくは0.01〜10質量部、顔料の含有量は0〜20質量部好ましくは0〜5質量部、無機充填剤の含有量は0〜50質量部好ましくは1〜10質量部、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の含有量は0〜50質量部好ましくは1〜10質量部、補強剤・垂れ止め剤・艶消し剤・研削剤・内部離型剤は0〜20質量部好ましくは0.1〜5質量部含有される。酸化防止剤は硬化性化合物100質量部に対し、例えば0.1〜10.0質量部好ましくは0.5〜5.0質量部特に好ましくは0.5〜3.0質量部、改質剤は0.01〜3質量部好ましくは0.03〜2質量部特に好ましくは0.1〜1質量部含有される。
硬化性組成物は、その物性に制限されるものではないが、例えば粘度がせん断速度20(1/s)で25℃にて、100〜1000mPa・sとするものである。この範囲であると、モールドへの充填性に優れ、泡噛みを抑制し、精密に転写して、高精度の光学部材を製造できる。好ましくは100〜500mPa・s、さらに好ましくは100〜250mPa・sである。
硬化性組成物は、活性エネルギー線の照射及び/又は加熱により重合(硬化)して、必要十分に高い硬度を有し、硬化性、透明性、密着性等の特性に優れる硬化物を与える。
硬化性組成物は、光照射処理及び/又は加熱処理を施すと、硬化速度が速いため、短時間で硬化して硬化物になって光学部材を形成する。
得られた硬化物は、光学部材として、耐熱性に優れている。それの熱分解温度は、熱質量分析(TG)によれば、200〜500℃である。この範囲であると、リフローはんだ、とりわけ鉛フリーリフローはんだにより、光学部材を装着すべき対象基板に他の部材(部品)と共に実装する際に、光学部材の精密な形状のまま維持できる。それの熱分解温度は、好ましくは260℃以上である。
光硬化及び/又は熱硬化で得られた硬化物からなる光学部材は、硬化性を更に高めたり密着性・上塗りコーティング性を高めたりするポストベーク等の後処理(例えば80〜180℃で5〜30分間加熱)を施してもよい。
得られた光学部材としては、レンズ、プリズム、フィルムが挙げられる。例えば、レンズ・プリズムは、表面での屈折を利用するものであれば特に限定されない。
レンズやプリズムとして、両凸レンズ・平凸レンズ・凸メニスカスレンズのような凸レンズ、両凹レンズ・平凹レンズ・凹メニスカスレンズのような凹レンズなど、表面が球面でできている球面レンズ;対称の放物面や楕円面や双曲面や多次曲面(例えば4次曲面)のような非球面を有するレンズや、対称軸のない自由曲面を有するレンズのような非球面レンズ;蒲鉾状で円筒面レンズのようなシリンドリカルレンズ;ドーナツの表面にように縦方向と横方向との曲率半径が異なるトロイダル面を持つトロイダルレンズ;同心円状に、厚い凸レンズのカーブの傾斜と同じように傾斜し光の進行方向を変える反射面と光を透過する屈折面とを有する輪帯状のプリズムを、平面上で配置したもので、これら複数のプリズムが中心に向かうに連れ連続的に小さくなるか大きくなっている薄型のフレネルレンズ;深さが光の波長程度の微細なレリーフを同心円状に形成したような回折レンズ;光学的平面を2面以上有し少なくとも1組の面が実質的に非平行であるプリズムが挙げられる。またフィルムとして、MgFやSiOなどの無機化合物を真空蒸着法やスパッタ法やCVD法で処理したり、光吸収剤を共存させたりして、所望の波長域の光を透過させつつ所望外の波長域の光を反射させる反射フィルムが挙げられる。
この光学部材は、モールドの微細な凹凸に対応して、紫外線の透過波長に相当する深さ1nm程度の凹凸から、最大2mmの厚さにまで、精密に、凹凸が形成されている。
中でも光学部材は、スマートフォンのような携帯型電子機器に搭載されたカメラに用いられるもので光源の直前に配置され撮影の際に光源からの光を拡散させるフラッシュレンズや赤外線センサなどに用いられる、フレネルレンズであることが好ましい。
光学部材は、携帯型電子機器等に搭載される小型で薄型の場合、厚さ方向で最大2mm例えば0.1〜2mm、幅及び奥行き方向で最大10mm例えば1〜10mm好ましくは1〜5mmとすることができる。
光学部材は、表面全体、又は一露出面の全面若しくは一部に、コーティング組成物によりコーティング層を形成してもよい。コーティング層は、単層であってもよく複数の積層例えば2〜5層であってもよい。コーティング層は、各単層の厚さが最大で0.1mmとすることが好ましい。より好ましくは5〜100μm、より一層好ましくは10〜80μmである。
コーティング層が複数の積層である場合、各層は、同一のコーティング組成物で形成してもよく、異なるコーティング組成物で形成してもよい。
コーティング層は、単層又は積層とする全厚みが、例えば10〜500μmである。好ましくは下限が15μmである。上限が300μmであると好ましく、100μmであると一層好ましく、50μmであるとなお一層好ましい。
コーティング層は、光学部材の用途に応じ、形成位置・範囲を適宜設定することができる。光学部材が、レンズ・プリズムである場合、光透過部位の外縁の反射性・遮光性の影響を抑制するためにコーティング層を形成するにはレンズ凸部及び/又は凹部の外縁部にコーティング層を設ける。一方、光透過部位での映り込みを抑制する反射性、所望の波長の光のみを吸収・反射させる遮光性、又は所望の波長の光のみを透過させる透過波長選択性を付与するためにコーティング層を形成するには、レンズ凸部及び/又は凹部上にコーティング層を設ける。反射性を付与するには、白色のコーティング層を設け、遮蔽性を付与するには、黒色乃至有色のコーティング層を設ける。
コーティング層は、光学部材の用途に応じ、透過率と反射率とを適切に設定する必要がある。例えば光学部材としてフラッシュレンズの用途に用いる場合、光漏れが無いようにレンズ凸部及び/又は凹部の外縁部のコーティング層の透過率を最大で5%好ましくは最大で1%程度と低くし、光の取り出し効率を向上させるため反射率を少なくとも60%好ましくは少なくとも70%とする。
コーティング層は、コーティング組成物から得られる。
コーティング組成物は、例えば
樹脂(ビスフェノールA系エポキシ樹脂や水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF系エポキシ樹脂やノボラック系エポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂;ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂;アタクチックポリスチレンやシンジオタクチックポリスチレンのようなポリスチレン系樹脂;アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルが重合したアクリル樹脂;ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂;レゾール樹脂のようなフェノール樹脂;塩化ビニル樹脂;フッ素樹脂;ポリウレタン樹脂等;から選ばれる少なくとも何れかの樹脂)、
顔料・染料のような着色剤例えば無機顔料(酸化チタン、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化鉄、酸化ルテニウム、鉄黒のような金属酸化物微粒子や複合酸化物微粒子;カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛のような炭素系微粒子;ウルトラマリンのようなケイ酸塩微粒子;チタンブラック、銅クロム系ブラック、銅鉄マンガン系ブラック、コバルト鉄クロム系ブラック;アルミニウム粉末のような金属微粒子;カドミウムイエローのような金属硫化物微粒子、金属窒化物微粒子等)や、有機顔料(ペリレンブラック、シアニンブラック、アニリンブラックのような黒色系有機顔料;アゾ系顔料、アントラキノン系顔料、イソインドリノン系顔料、インダンスレン系顔料、インディゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、テトラアザポルフィリン系顔料、トリアリールメタン系顔料、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ローダミン系顔料のような有色系有機顔料;等から選ばれる少なくとも何れかの着色剤)、
溶媒(トルエンやキシレンのような芳香族系溶媒;酢酸エチルのようなエステル系溶媒;等から選ばれる少なくとも何れかの溶媒)、
必要にならばさらに添加剤(界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、粘度調整用希釈剤、カップリング剤、表面改質剤、滑材、抗菌剤、帯電防止剤、難燃剤等から選ばれる少なくとも何れかの添加剤)、
を、必要に応じて成分比を適宜調整して、含有するものである。
光学部材は、例えばスマートフォンのような携帯型電子機器等の装着すべき基板に、他の光学部材と共に実装されて、各種光学装置となっている。
光学装置は、光学部材を有していることにより、その光学部材に光を透過させて、入射又は出射させて、所望の光学像を得たり、照射したりするのに用いられる。
このような光学装置は、例えば、スマートフォンやフィチャーフォンのような携帯電話、タブレットPC、ウェアラブル端末等の各種携帯型電子機器;パーソナルコンピュータのデータ用CDや音楽CDの読取り・書込み装置;赤外センサ、近赤外センサ、ミリ波レーダー等の各種センサ;液晶ディスプレイのバックライト、LEDスポット照明装置、近赤外LED照明装置のような各種照明機器;ミラーモニター、メーターパネル等の各種車載用電子機器;ゲーム機器・ヘッドマウントディスプレイ・ヘッドアップディスプレイ等のVRコンテンツ用のデバイス等が挙げられる。
光学部材、及びそれを実装する光学装置は、例えば、以下のようにして製造される。
それらの製造方法は、前記環状エーテル化合物を含有する前記硬化性組成物を調製する調製工程、前記光学部材の一つ又は複数を形成する光学部材成型キャビティ部を有するモールドに、前記硬化性組成物を、充填した後、活性エネルギー線照射処理による活性エネルギー線によって及び/又は加熱処理による熱によって、硬化させる硬化工程、及びそれにより得られた前記光学部材を、リフローはんだ付けにより基板に実装する実装工程を有する。
先ず、硬化性組成物の調製工程について説明する。硬化性組成物の調製方法に特に制限はなく、例えば、硬化性化合物と、必要に応じて、前述の他の硬化性化合物、光重合開始剤又は熱重合開始剤及び、添加剤を混合し、あるいは、粘度調整用希釈剤(有機溶剤)に硬化性化合物を溶解又は分散させた溶液と、以下同様に、他の硬化性化合物、光重合開始剤又は熱重合開始剤、添加剤を混合することにより調製することができる。混合の手段としては、撹拌など公知の方法を採用することができる。必要に応じて減圧下又は真空下で脱泡、脱気してもよい。
次いで、硬化性組成物を硬化させる硬化工程について説明する。得られた硬化性組成物を、光学部材の一つ又は複数を転写して形成するためにその外形の反転形状を有している光学部材成型キャビティ部を有するモールドに、充填した後、活性エネルギー線照射処理による活性エネルギー線によって及び/又は加熱処理による熱によって硬化させるキャスティング成形をした後、モールドを開いて取り出すと、所望の光学部材が得られる。
硬化性組成物は、モールドに、ディスペンサーで充填されてもよく、スクリーン印刷法、カーテンコート法、又はスプレー法で塗布されてもよい。とりわけ、硬化性組成物は、流動性に優れているので、光学部材の凹凸や形状に対応してモールドのキャビティの内面に存する微細な転写形成凹凸へ隙間なく充填される。また硬化性組成物は、硬化したとき、収縮率や膨張率が小さいため、転写形成凹凸の通りに光学部材に成型される。
モールドは、硬化性組成物を充填し易く、光学部材を離型し易いように、光学部材の底面側の底部モールド部と、光学部材のレンズ凹凸面側の蓋部モールド部と、必要に応じそれらの隙間を埋める単数又は複数の閉塞モールド部とを有している。モールドは、例えば金属製、ガラス製、プラスチック製、ポリジメチルシロキサンのようなシリコーン製のモールドが挙げられる。硬化性組成物が光重合開始剤を含有し光で硬化する場合、透明性、転写性、離型性に優れるシリコーン製モールドであることが好ましい。モールドは、離型剤が塗布されていてもよく、テトラフルオロエチレンのような離型コーティング層を有していてもよい。
この硬化工程において、光学部材を一つずつ成形するよりも、2つ以上の光学部材をアレイシートとして一挙に形成する方法の方が、高い生産性を上げることができて効率的である。図1に示すように、このようなアレイシート20は、個別片となり得る光学部材10を縦横に複数列で等間隔又はランダムに並ぶようにして、成型されるものである。同図には、光学部材10がフレネルレンズであって縦横に複数列で等間隔に並んだ例を示している。
このアレイシート20は、硬化性組成物の硬化の際の収縮率又は膨張率が小さく、転写性に優れ精密に成型できるため、寸法公差が極めて小さい。隣り合う光学部材同士の間隔の寸法公差は、15μm以下、好ましくは8μm以下である。そのため、このアレイシート20から光学部材10を精度良く同一寸法に分割する分割工程を経て、多数の光学部材10の個別片を一挙に作製できる。
このアレイシート20は、1mm〜10mm四方程度の光学部材の複数を、縦横に複数列、又はランダムに配列し、縦横幅10mm〜100cm四方、好ましくは10〜200mmにして、均質な光学部材10の個別片を形成するのに用いることができる。
アレイシート20は、図1(a)に示すように、光学部材10の個別片を精度良く同一寸法に分割し易いように、各縁辺に、光学部材10の個別片同士の真ん中を線引きして表わし得るノッチ21が設けられ、一辺とそれに対向する辺(不図示)との両ノッチ21を結ぶ仮想線(二点破線参照)に沿ってダイシングするようにしていてもよい。また同図(b)に示すように、各光学部材10を区分けする格子状の溝22のような脆弱部が設けられ、溝22に沿ってカッターによってダイシングしてもよい。さらに同図(c)に示すように、各光学部材10を区分けする格子状で間欠して貫通したミシン目23のような脆弱部が設けられ、ミシン目23に沿ってカッター・ダイシングブレード・ダイシングソー等によってダイシング若しくは切断、又は折割して個別片に分割してもよい。さらに同図(d)に示すように、各光学部材10を区分けして隣同士を繋ぐ脆弱な細い連結部24が設けられ、連結部24をカッター・ダイシングブレード・ダイシングソー等によってダイシング若しくは切断、又は折割して個別片に分割してもよい。必要に応じてバリを削ってもよい。これにより光学部材10の個別片を大量生産できる。
光学部材10は、コーティング工程において、コーティング層が設けられていてもよい。その場合、硬化工程の後で、アレイシート20のコーティング層を設けてから光学部材10の個別片を作製してもよく、アレイシート20から光学部材10の個別片に分割してからコーティング層を設けてもよい。コーティング層は、コーティング組成物を塗布して形成されるが、単一のコーティング組成物から単層又は複数層のコーティング層を形成してもよく、複数のコーティング組成物から複数層のコーティング層を形成してもよい。
コーティング工程において、硬化物である光学部材10の個別片又はアレイシート20に、コーティング層を形成するのに先立ち、硬化物とコーティング組成物との相互作用を増大させて、硬化の際の硬化物とコーティング層との密着性や耐剥離性を向上させるために、硬化物に各種表面処理を施してもよい。表面処理は、例えば下地塗装処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、オゾン処理、一般的な紫外線(UV)照射処理、エキシマUV処理が挙げられる。
コーティング工程において、光学部材10の個別片又はアレイシート20に、コーティング組成物をインクジェット法、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、スリットコート法等で付し、加熱、光照射、又は乾燥して、固化、硬化により、必要に応じてコーティングを繰り返して、コーティング層を形成する。
コーティング工程において、レンズ凸部及び/又は凹部の外縁部にのみ光透過部位での映り込みを抑制する反射性や所望の波長の光を選択的に吸収又は反射させる遮光性を付与したり、レンズ凸部及び/又は凹部の光透過部で所望の波長の光を選択的に透過させる透過波長選択性を付与したりするため、光学部材10の個別片又はアレイシート20を部分的にコーティングしてもよい。この場合、コーティング層を形成しない部位に予め粘着性保護テープを貼付したりマスキング剤を塗布したりしてマスキングしてから、コーティング組成物を光学部材10の個別片又はアレイシート20に付し固化及び/又は硬化させた後、粘着性保護テープやマスキング剤塗布層を除去し、所期の部位にのみコーティングする。
分割工程及びコーティング工程において、支持基材上にアレイシート20を両面粘着シートで位置ずれしないように固定し、分割工程を行ってから、コーティング工程を行うと、多数の光学部材10に対して分割、コーティングを一挙に行うことができる。
両面粘着シートは、例えばアレイシート20側を弱粘着性とし、支持基材側を強粘着性にする。これにより分割工程及びコーティング工程を経た後に、光学部材10の個別片を一つずつノズル先端で吸い付けて持ち上げて両面粘着シートから引き剥がし、次の実装工程を経るようにする。
両面粘着シートは、粘着当初はその粘着性により、アレイシート20と支持基材とを貼付し、ダイシングのような応力が掛かっても、光学部材10がずれずにばらばらにならないが、分割工程及びコーティング工程の後に熱硬化又は光硬化させると粘着性を低下して、容易く個別片を取り上げることができるようになると、好ましい。そのような両面粘着シートとして、未硬化または半硬化時には適度な粘着性を有し、紫外線照射時には硬化(固化)するアクリル基含有ポリウレタン樹脂や不飽和オレフィン含有ポリウレタン樹脂製の光硬化性粘着シート、熱で硬化可能なエポキシ樹脂製の熱硬化性粘着シートが挙げられる。
これら支持基材及び両面粘着シート、又はアレイシート20を貼付する片面粘着シートは、ゴム弾性を有していてもよい。粘着シートを切断しないようにアレイシート20を切断した分割工程の後に、粘着シートごと伸張させた時、光学部材10の個別片同士の間隔が拡がる。その後のコーティング工程において、個別片同士の間隔が適度に開いているのでそこへコーティング組成物が侵入し、個別片の側面(分割して形成された面)にもコーティング層を形成することできる。
最終工程として、光学部材10を実装する実装工程について説明する。例えば、光学部材10の個別片を、マウンター装置のマウンターノズルの先端で吸い付けて、粘着シートから引き剥がし、光学部材10を実装すべき携帯型電子機器等の基板に、260℃以上でのリフローはんだ付により、実装すると、光学装置が製造される。
光学部材10は、実装工程における260℃以上での加熱により光学特性を低下させない程度の十分な耐熱性を有する。そのため、光学部材10と共に他の部材(部品)を併せて一挙に基板へ実装できるため、生産効率が良く、短工程にて簡便かつ正確に光学装置を大量生産できる。この光学部材10は、スマートフォン・タブレット端末等の携帯型電子機器の他、パーソナルコンピュータ・車載装置・ウェアラブル端末・ゲーム機器・センサ・液晶ディスプレイのバックライト・LEDスポット照明装置・近赤外LED照明装置・ヘッドマウントディスプレイ・ヘッドアップディスプレイ・ミラーモニター・メーターパネルのような光学装置を製造するのにも用いることができる。とりわけこの光学部材10は、耐熱性に優れるから、高温で使用されることが多いミラーモニター、メーターパネルのような車載用電子機器にも好適に使用できる。
なお、原料となる環状エーテル化合物の合成について説明する。
この環状エーテル化合物は、例えば、化学式(IX)で示されるオキセタン化合物と、化学式(X)及び/又は同(XI)で示されるオレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Ib)で示される化合物として、合成したものであり、カチオン硬化性化合物である。
Figure 2019143006
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。2つのXは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(X')及び/又は化学式(XI')で示される基を表し、Bは化学式(VIII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのR及びnは、前記の化学式(X)の場合と同様である。)
Figure 2019143006
(式中、9つのR及びnは、前記の化学式(XI)の場合と同様である。)
Figure 2019143006
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)及び/又は化学式(III)で示される基を表し、Bは前記の化学式(Ia)の場合と同様である。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XII)で示されるオキセタン化合物と、化学式(XIII)及び/又は同(XIV)で示されるオレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Ib)で示される化合物としたものである。
Figure 2019143006
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Xは、前記の化学式(XIII)の場合と同様である。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(X')及び/又は化学式(XI')で示される基を表し、Bは化学式(VIII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのR及びnは、前記の化学式(XIII)の場合と同様である。)
Figure 2019143006
(式中、9つのR及びnは、前記の化学式(XIV)の場合と同様である。)
Figure 2019143006
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)及び/又は化学式(III)で示される基を表し、Bは前記の化学式(Ia)の場合と同様である。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XV)又は同(XVI)で示されるオレフィン化合物と、化学式(XVII)で示されるオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ic)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Id)で示される化合物としたものである。
Figure 2019143006
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。2つのXは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。2つのXは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは化学式(IV)で示される基を表し、Bは化学式(XV')又は同(XVI')で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、6つのR及び2つのnは、前記の化学式(XV)の場合と同様である。)
Figure 2019143006
(式中、12のR、2つのn及びmは、化学式(XVI)の場合と同様である。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは前記の化学式(IV)で示される基を表し、Bは化学式(VI)又は同(VII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XVIII)又は同(XIX)で示されるオレフィン化合物と、化学式(XX)で示されるオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ic)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Id)で示される化合物としたものである。
Figure 2019143006
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、2つAは化学式(IV)で示される基を表し、Bは化学式(XV')又は同(XVI')で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは前記の化学式(IV)で示される基を表し、Bは化学式(VI)又は同(VII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XII)で示されるオキセタン化合物と、化学式(XXI)及び又は同(XXII)で示されるエポキシ化合物を反応させることにより、化学式(Ib)で示される化合物としたものである。
Figure 2019143006
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)及び/又は化学式(III)で示される基を表し、Bは化学式(VIII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XXIII)で示されるエポキシ化合物と、化学式(XVII)で示されるオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ie)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物と、化学式(XXI)又は化学式(XXII)で示されるエポキシ化合物を反応させることにより、化合物(If)で示される化合物としたものである。
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは化学式(IV)で示される基を表し、Bは同(XXIV)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは化学式(IV)で示される基を表し、Bは化学式(V)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは0〜20までの整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Yは化学式(II)又は化学式(III)で示される基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XXIII)で示されるエポキシ化合物と、化学式(XXV)及び/又は同(XXVI)で示されるエポキシ化合物を反応させて、化学式(Ig)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物と、化学式(XX)で示されるオキセタン化合物を反応させることにより、化合物(Ih)で示される化合物としたものである。
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)及び/又は化学式(III)で示される基を表し、Bは化学式(XXIV)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは0〜20の整数を表す。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019143006
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)及び/又は化学式(III)で示される基を表し、Bは化学式(V)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20までの整数を表す。Yは化学式(IV)で示される基を表す。)
Figure 2019143006
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは0〜20の整数を表す。)
なお、環状エーテル化合物は、単独化合物のみからなる場合、前記式中、m,nが整数で表わされる。
環状エーテル化合物は、前記化学式(Ib)、化学式(Id)、化学式(If)又は化学式(Ih)で示される。即ち、化学式(I)で示される化合物は、化学式(Ib)で示される化合物、化学式(Id)で示される化合物、化学式(If)で示される化合物及び化学式(Ih)で示される何れかの化合物を包含する。
<化学式(Ib)で示される化合物の合成方法について>
化学式(IX)で示される脱離基を有するオキセタン化合物と、ヒドロキシル基を有する化学式(X)及び/又は同(XI)で示されるオレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Ib)で示される化合物を合成することができる。(反応スキーム(A)参照)
Figure 2019143006
また、化学式(Ia)で示される化合物は、化学式(XII)で示されるヒドロキシル基を有するオキセタン化合物と、脱離基を有する化学式(XIII)及び/又は同(XIV)で示されるオレフィン化合物から合成することもできる。
なお、この化学式(Ia)で示される化合物を合成する反応においては、塩基(イ)の存在下で合成することができ、反応を促進させる為の触媒(ロ)を使用してもよい。また、反応を阻害しない限りにおいて、反応溶媒(ハ)を使用してもよい。
また、化学式(Ib)で示される化合物を合成する反応においては、一般に知られているエポキシ化(酸化)の方法を用いることができ、例えば、アセトニトリル−アルコール溶媒中で過酸化水素を用いる方法、タングステン酸ナトリウムを触媒として過酸化水素を用いる方法、過酸を用いる方法等を挙げることができる。
また、化学式(Ib)で示される化合物は、化学式(XII)で示されるヒドロキシル基を有するオキセタン化合物と、化学式(XXI)及び/又は同(XXII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物から、一段階で合成することができる。この反応においては、塩基(イ)を使用し、反応を促進させる為の触媒(ロ)を使用してもよい。また、反応を阻害しない限りにおいて、反応溶媒(ハ)を使用してもよい。
前記の脱離基を有するオキセタン化合物としては、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタン、3,3−ビス(クロロエチル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモエチル)オキセタン、3,3−ビス(クロロプロピル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモプロピル)オキセタン等が挙げられ、特に3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタンが好ましい。
前記のヒドロキシル基を有するオレフィン化合物としては、3−シクロヘキセン−1−メタノール、1−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、2−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、3−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、5−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、6−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、3−シクロヘキセン−1−エタノール、アリルアルコール、3−メチルアリルアルコール、2−メチルアリルアルコール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2,3−ジメチル−2−ブテン−1−オールが挙げられ、特に3−シクロヘキセン−1−メタノール、アリルアルコールが好ましい。
オレフィン化合物の使用量(仕込み量)としては、脱離基を有するオキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記のヒドロキシル基を有するオキセタン化合物としては、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(ヒドロキシエチル)オキセタン、3,3−ビス(ヒドロキシプロピル)オキセタンが挙げられ、特に3,3−ビス(ヒドロキシメチル)オキセタンが好ましい。
前記の脱離基を有するオレフィン化合物としては、4−(クロロメチル)シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−1−メチル−シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−2−メチル−シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−3−メチル−シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−4−メチル−シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−5−メチル−シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−6−メチル−シクロヘキセン、アリルクロリド、アリルブロミド、1−クロロ−2−ブテン、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン、1−クロロ−3−メチル−2−ブテン、1−クロロ−2−メチル−2−ブテン、1−クロロ−2,3−ジメチル−2−ブテンが挙げられ、特に4−(クロロメチル)シクロヘキセンが好ましい。
オレフィン化合物の使用量(仕込み量)としては、オキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の脱離基を有するエポキシ化合物としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、及びメチルエピクロロヒドリン、メチルエピブロモヒドリン、4−クロロメチルシクロヘキセンオキシド等が挙げられ、特にエピクロロヒドリンが好ましい。脱離基を有するエポキシ化合物の使用量(仕込み量)としては、ヒドロキシル基を有するオキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の塩基(イ)としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルコキシド又は有機アミン化合物が挙げられる。例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、トリエチルアミン等が挙げられる。用いる塩基はオキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、通常、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の触媒(ロ)としては、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩等が挙げられる。第四級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、ヘキサデシルトリエチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、オクチルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウムのハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)等の塩が挙げられる。
第四級ホスホニウム塩の例としては、テトラブチルホスホニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、テトラデシルホスホニウム、テトラオクチルホスホニウム、トリエチルオクタデシルホスホニウム、トリオクチルエチルホスホニウム、ヘキサデシルトリエチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウムのハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)等の塩が挙げられる。
前記のオキセタン化合物と、オレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia)で示される化合物の合成においては、触媒(ロ)として、これらの物質を組み合わせて使用してもよい。
触媒(ロ)の使用量(仕込み量)としては、オキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、0.0001〜1.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の反応溶媒(ハ)としては、反応を阻害しない限りにおいて特に制限はなく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコール(PEG−400)、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド(N,N−ジメチルホルムアミド)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の溶剤が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を組み合わせて、その適宜量を使用することができる。
前記のオキセタン化合物と、オレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia)で示される化合物(オレフィン化合物)を合成する際の反応温度は、0〜150℃の範囲に設定することが好ましく、20〜120℃の範囲に設定することがより好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1〜48時間の範囲に設定することが好ましい。
この反応の終了後、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物である化学式(Ia)で示される化合物を分離して取り出すことができる。
更に必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー等の手段を利用して精製することができる。
前記の過酸を用いて化学式(Ia)で示されるオレフィン化合物をエポキシ化する反応において、オキソン試薬、過酢酸、メタクロロ過安息香酸等の過酸を用いることができる。過酸は、該オレフィン化合物の有する二重結合に対して、1.0〜5.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記過酸を用いて化学式(Ia)で示されるオレフィン化合物をエポキシ化する反応において、反応溶媒は、反応を阻害しない限りは、特に制限されることはないが、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノールのようなアルコール類、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類、アセトン、2−ブタノンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロトリフルオロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類等を挙げることができる。これらの反応溶媒は、単独で、又は2種以上を組み合わせて、適宜量が用いられる。
前記の過酸を用いて化学式(Ia)で示されるオレフィン化合物をエポキシ化するときの反応温度は、通常、−10〜150℃の範囲であり、好ましくは、0℃〜100℃の範囲である。また、反応時間は、反応温度にもよるが、通常、1〜24時間の範囲であり、好ましくは、1〜6時間の範囲である。
この反応の終了後、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物であるエポキシ基とオキセタニル基を同時に有する化合物を分離して取り出すことができる。
更に必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー等の手段を利用して精製することができる。
タングステン酸ナトリウムを触媒として用いて、過酸化水素にて化学式(Ia)で示されるオレフィン化合物を酸化する場合、過酸化水素は、該オレフィン化合物の有する二重結合に対して、1.0〜5.0当量の割合で用いられる。また、タングステン酸ナトリウムは、該オレフィン化合物の有する二重結合に対して、0.001〜0.5倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
反応溶媒は、これを用いるときは、反応を阻害しない限りは、特に制限されることはないが、例えば、前記過酸を用いるエポキシ化反応の場合と同じ反応溶媒を用いることができる。
また、反応温度は、前記過酸を用いるエポキシ化反応の場合と同じく、通常、−10〜150℃の範囲であり、好ましくは、0℃〜100℃の範囲であり、反応時間も、反応温度にもよるが、通常、1〜24時間の範囲であり、好ましくは、1〜6時間の範囲である。
反応終了後は、前記過酸による酸化反応の場合と同じように、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、環状エーテル化合物を分離して取り出すことができる。
アセトニトリル−アルコール溶媒中で過酸化水素によりエポキシ化を行う場合、過酸化水素は、化学式(Ia)で示されるオレフィン化合物の有する二重結合に対して、1.0〜5.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。また、アセトニトリルは該オレフィン化合物に対して、0.5〜5.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。アルコールの使用量は過酸化水素添加前の状態で10〜80質量%の適宜の割合とすることが好ましい。また、塩基を用いて、pHを7〜13の範囲とすることが好ましい。
前記反応に用いるアルコールは、炭素数1〜4の飽和アルコールが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノールが挙げられる。これらのアルコールは、単独で、又は2種以上を組み合わせて、適宜量が用いられる。
前記反応に用いる塩基としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩もしくは炭酸水素塩、又は有機アミン化合物が挙げられる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムを用いることが好ましく、単独で、又は2種以上を組み合わせて、適宜量が用いられる。
また、反応温度は、前記過酸を用いる酸化反応の場合と同じく、通常、−10〜150℃の範囲であり、好ましくは、0℃〜100℃の範囲であり、反応時間も、反応温度にもよるが、通常、1〜48時間の範囲であり、好ましくは、1〜6時間の範囲である。
反応終了後は、前記過酸による酸化反応の場合と同じように、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物であるエポキシ基とオキセタニル基を同時に有する化合物を分離して取り出すことができる。
<化学式(Id)で示される化合物の合成方法について>
化学式(XV)及び/又は同(XVI)で示される脱離基を有するオレフィン化合物と、化学式(XVII)で示されるヒドロキシル基を有するオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ic)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Id)で示される化合物として合成することができる。(反応スキーム(B)参照)
Figure 2019143006
また、化学式(Id)で示される化合物は、化学式(XVIII)又は同(XIX)で示されるヒドロキシル基を有するオレフィン化合物と、化学式(XX)で示される脱離基を有するオキセタン化合物から合成することもできる。
化学式(Ic)で示される化合物を合成する反応においては、前記の化学式(Ia)を合成する反応と同様の条件で実施することができる。
また、化学式(Id)で示される化合物を合成する反応においては、前記の化学式(Ib)を合成する反応と同様の条件で実施することができる。
前記の脱離基を有するオレフィン化合物としては、1,4−ジクロロブテン、1,4−ジブロモブテン、1,4−ジクロロ−2−メチルブテン、1,4−ジブロモ−2−メチルブテン、1,4−ジクロロ−2,3−ジメチルブテン、1,4−ジブロモ−2,3−ジメチルブテン等が挙げられ、特に1,4−ジクロロブテン、1,4−ジブロモブテンが好ましい。
前記のヒドロキシル基を有するオキセタン化合物としては、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシプロピルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシプロピルオキセタン等が挙げられ、特に3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが好ましい。
オキセタン化合物の使用量(仕込み量)としては、オレフィン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記のヒドロキシル基を有するオレフィン化合物としては、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ジメチル−2−ブテン−1,4−ジオールが挙げられ、特に2−ブテン−1,4−ジオールが好ましい。
前記の脱離基を有するオキセタン化合物としては、3−メチル−3−クロロメチルオキセタン、3−エチル−3−クロロメチルオキセタン、3−プロピル−3−クロロメチルオキセタン、3−メチル−3−ブロモメチルオキセタン、3−エチル−3−ブロモメチルオキセタン、3−プロピル−3−ブロモメチルオキセタン等が挙げられ、特に3−エチル−3−クロロメチルオキセタンが好ましい。
オキセタン化合物の使用量(仕込み量)としては、オレフィン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
<化学式(If)で示される化合物の合成方法について>
化学式(XXIII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物と、化学式(XVII)で示されるヒドロキシル基を有するオキセタン化合物を反応させて、エポキシ基の開環を伴い、化学式(Ie)で示される化合物を生成させ、次いで、化学式(XXI)又は(XXII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物を反応させることによりエポキシ基とオキセタニル基を同時に有する化合物(If)を得ることができる。(反応スキーム(C)参照)
Figure 2019143006
なお、この化学式(Ie)で示される化合物を合成する反応においては、前記塩基(イ)の存在下で合成することができ、反応を促進させる為の前記触媒(ロ)を使用してもよい。また、反応を阻害しない限りにおいて、前記反応溶媒(ハ)を使用してもよい。
また、化学式(If)で示される化合物を合成する反応においては、前記塩基(イ)の存在下で合成することができ、反応を促進させる為の前記触媒(ロ)を使用してもよい。また、反応を阻害しない限りにおいて、前記反応溶媒(ハ)を使用してもよい。
前記の脱離基を有するエポキシ化合物としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、及びメチルエピクロロヒドリン、メチルエピブロモヒドリン等が挙げられ、特にエピクロロヒドリンが好ましい。
前記のヒドロキシル基を有するオキセタン化合物としては、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシプロピルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシプロピルオキセタン等が挙げられ、特に3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが好ましい。
ヒドロキシル基を有するオキセタン化合物の使用量(仕込み量)としては、脱離基を有するエポキシ化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
脱離基を有するエポキシ化合物と、ヒドロキシル基を有するオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ie)で示される化合物の合成においては、前記触媒(ロ)として、これらの物質を組み合わせて使用してもよい。
前記触媒(ロ)の使用量(仕込み量)としては、オキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、0.0001〜1.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
脱離基を有するエポキシ化合物と、ヒドロキシル基を有するオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ie)で示される化合物を合成する際の反応温度は、0〜150℃の範囲に設定することが好ましく、20〜120℃の範囲に設定することがより好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1〜48時間の範囲に設定することが好ましい。
この反応の終了後、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物である化学式(Ie)で示される化合物を分離して取り出すことができる。
更に必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー、蒸留等の手段を利用して精製することができる。
化学式(Ie)で示される化合物と、化学式(XXI)又は(XXII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物を反応させて、化学式(If)で示される化合物を合成する反応において、脱離基を有するエポキシ化合物としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、及びメチルエピクロロヒドリン、メチルエピブロモヒドリン、4−クロロメチルシクロヘキセンオキシド等が挙げられ、特にエピクロロヒドリンが好ましい。脱離基を有するエポキシ化合物の使用量(仕込み量)としては、化学式(Ie)で示される化合物の使用量(仕込み量)に対して、1〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
化学式(Ie)で示される化合物と、化学式(XXI)又は(XXII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物を反応させて、化学式(If)で示される化合物を合成する際の反応温度は、-20〜150℃の範囲に設定することが好ましく、0〜100℃の範囲に設定することがより好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1〜48時間の範囲に設定することが好ましい。
この反応の終了後、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物である化学式(If)で示される化合物を分離して取り出すことができる。
更に必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー、蒸留等の手段を利用して精製することができる。
<化学式(Ih)で示される化合物の合成方法について>
化学式(XXIII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物と、化学式(XXV)及び/又は同(XXVI)で示されるヒドロキシル基を有するエポキシ化合物を反応させて、エポキシ基の開環により、化学式(Ig)で示される化合物を生成させる。続いて、化学式(XX)で示される脱離基を有するオキセタン化合物を反応させることにより、エポキシ基及びオキセタニル基を同時に有する、化合物(Ih)を得ることができる。
化学式(Ig)で示される化合物を合成する反応は、前述の化学式(Ie)を合成する反応と同様の条件で実施することができる。
また、化学式(Ih)で示される化合物を合成する反応は、前述の化学式(If)を合成する反応と同様の条件で実施することができる。
前記の脱離基を有するエポキシ化合物の具体例としては、前記の「化学式(If)で示される化合物の合成方法について」の項にて、述べたとおりである。
また、前記のヒドロキシル基を有するエポキシ化合物としては、グリシドール、2,3−エポキシ−1−ブタノール、2,3−エポキシ−3−メチル−1−ブタノール、2,3−エポキシ−2−メチル−1−ブタノール、2,3−エポキシ−2,3−ジメチル−1−ブタノール、3,4−エポキシシクロヘキサンメタノール等が挙げられ、特にグリシドール、3,4−エポキシシクロヘキサンメタノールが好ましい。
化学式(Ig)で示される化合物と、化学式(XX)で示される脱離基を有するオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ih)で示される化合物を合成する反応において、脱離基を有するオキセタン化合物としては、3−メチル−3−クロロメチルオキセタン、3−エチル−3−クロロメチルオキセタン、3−プロピル−3−クロロメチルオキセタン、3−メチル−3−ブロモメチルオキセタン、3−エチル−3−ブロモメチルオキセタン、3−プロピル−3−ブロモメチルオキセタン等が挙げられ、特に3−エチル−3−クロロメチルオキセタンが好ましい。脱離基を有するオキセタン化合物の使用量(仕込み量)としては、化学式(Ig)で示される化合物の使用量(仕込み量)に対して、1〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
以下、本発明を適用する実施例により、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔合成例1−1〕
<3,3−ビス[(3−シクロヘキセン−1−イルメトキシ)メチル]オキセタンの合成>
3Lのナスフラスコに、3−シクロヘキセン−1−メタノール295.9g(2.64mol)、N,N−ジメチルホルムアミド315.9gを仕込み、撹拌しながら5℃まで氷冷した。t−ブトキシカリウム285.3g(2.53mol)を仕込み、次いで、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタン(1.06mol)を滴下した。室温まで昇温し、14時間撹拌した。
続いて、反応液にトルエンを加え、水洗し、得られた有機層を濃縮し、濃縮物461.6gを得た。この濃縮物を蒸留により精製し、標題のオキセタン化合物(化学式(I'-1)参照)を、無色透明液体として、252.5g(0.82mol/収率78.1%)得た。
このオキセタン化合物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。このデータにより、得られた無色透明液体は、化学式(I'-1)で示される標題の化合物であるものと同定した。
1H-NMR (CDCl3) δ: 5.67(s, 4H), 4.47(s, 4H), 3.63(s, 4H), 3.35(d, 4H), 2.06(m, 6H), 1.90(m, 2H), 1.75(m, 4H), 1.29(m, 2H).
Figure 2019143006
〔合成例1−2〕
<3,3−ビス[(3,4−エポキシシクロヘキシル−1−メトキシ)メチル]オキセタンの合成>
300mlナスフラスコに、合成例1−1において合成したオキセタン化合物を5.89g(19.2mmol)、炭酸カリウム0.79g(5.72mmol)、アセトニトリル3.20g(77.95mmol)、メタノール5.83gを仕込み、室温下で撹拌した。30%過酸化水素水溶液7.68g(67.74mmol)を滴下し18時間撹拌した。
反応液にトルエン60gを加え、生成物を抽出し、水洗した。有機層を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1(容量比))により精製し、2.89g(8.54mmol/収率44.5%)の無色透明液体を得た。
この液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。このデータにより、得られた無色透明液体は、化学式(I-1)で示される標題の化合物であるものと同定した。
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.44(s, 4H), 3.56(s, 4H), 3.22(m, 8H), 2.15(m, 2H), 2.03(m, 2H), 1.80(m, 3H), 1.49(m, 5H), 1.17(m, 1H), 1.02(m, 1H).
Figure 2019143006
〔合成例2〕
<3,3−ビス[(2−オキシラニルメトキシ)メチル]オキセタンの合成>
5Lナスフラスコに、3,3−ビスヒドロキシメチルオキセタンを391.4g(3.31mol)、エピクロロヒドリンを2438.6g(26.36mol)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドを12.8g仕込み、10℃まで氷冷し、48%水酸化ナトリウム水溶液3865.2g(46.38mol)を滴下し、14時間撹拌した。
反応液にジクロロメタンを加え、水洗し、有機層を濃縮した。得られた濃縮物を蒸留により精製し、169.1g(0.73mol/収率22.2%)の無色透明液体を得た。
この液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。このデータにより、得られた無色透明液体は、化学式(I-9)で示される標題の化合物であるものと同定した。
1H-NMR (D6-DMSO) δ: 4.42(s, 4H), 3.77(dd, 2H), 3.63(d, 14H), 3.31(dd, 2H), 3.11(m, 2H), 2.73(t, 2H), 2.55(dd, 2H).
Figure 2019143006
〔合成例3−1〕
<1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]2−プロパノールの合成>
300mlのナスフラスコに、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン48.79g(420mmol)、水酸化ナトリウム5.76g(144mmol)を仕込み、撹拌しながら45℃まで昇温した。同温度で、エピクロロヒドリン11.10g(120mmol)を滴下した。次いで60℃まで昇温し、5時間撹拌した。
続いて、室温まで冷却後、反応液にジクロロメタン600mlと水100mlを加え、抽出、水洗し、得られた有機層を濃縮し、濃縮物を得た。この濃縮物を蒸留により精製し、標題のオキセタン化合物(化学式(I'-3)参照)を、無色透明液体として、9.13g(31.6mmol/収率26.4%)得た。
このオキセタン化合物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。このデータにより、得られた無色透明液体は、化学式(I'-16)で示される標題の化合物であるものと同定した。
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.42(dd, 8H), 3.99(m, 1H), 3.56(m, 8H), 2.58(d, 1H), 1.72(q, 4H), 0.82(t, 6H).
Figure 2019143006
〔合成例3−2〕
<1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]2−(2−オキシラニルメトキシ)プロパンの合成>
100mlナスフラスコに、合成例3−1において合成したオキセタン化合物を8.00g(27.74mmol)、水酸化ナトリウム2.22g(55.5mmol)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.51g(2.77mmol)を仕込み、室温下で撹拌した。エピクロロヒドリン7.70g(83.22mmol)を滴下し15時間撹拌した。
続いて、反応液にジクロロメタン50mlと水10mlを加え、抽出、水洗し、得られた有機層を濃縮し、濃縮物を得た。この濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1(容量比))により精製し、7.02g(20.4mmol/収率73.4%)の無色透明液体を得た。
この液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。このデータにより、得られた無色透明液体は、化学式(I-16)で示される標題の化合物であるものと同定した。
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.42(dd, 8H), 3.91(dd, 1H), 3.74(m, 1H), 3.58(m, 9H), 3.13(m, 1H), 2.78(t, 1H), 2.62(dd, 1H), 1.74(q, 4H), 0.89(t, 6H).
Figure 2019143006
〔実施例1A〕
下記表1に示す配合の通り、合成例1−2に示す3,3−ビス[(3,4−エポキシシクロヘキシル−1−メトキシ)メチル]オキセタン(化学式(I-1))を20.00g、CELLOXIDE2021Pを20.00g、OXT101を20.00g、YX8000を40.00g、BYK−333を0.50g、CPI―101Aを0.50g、均一に混合し、硬化性組成物を得た。
Figure 2019143006
上記表1における略称は、以下の通りである。
<硬化性化合物>
I−1:合成例1−2で合成した化合物、3,3−ビス[(3,4−エポキシシクロヘキシル−1−メトキシ)メチル]オキセタン、
I−9:合成例2−2で合成した化合物、3,3−ビス[(2−オキシラニルメトキシ)メチル]オキセタン、
I−16:合成例3−2で合成した化合物、1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]2−(2−オキシラニルメトキシ)プロパン、
CELLOXIDE2021P:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、分子量252、ダイセル社製の「セロキサイド2021P(商品名)」、
CELLOXIDE8000:(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル、分子量194、ダイセル社製の「セロキサイド8000(商品名)」、
OXT101:3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、分子量116、東亞合成社製の「アロンオキセタンOXT−101(商品名)」、
YX8000:水素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、分子量353、三菱化学社製の「YX8000(商品名)」
<表面改質剤>
BYK−333:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ビッグケミー・ジャパン社製の「BYK−333(商品名)」
<カチオン重合開始剤>
CPI−101A:ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、サンアプロ社製の「CPI−101A(商品名)」
〔実施例1B〕[コーティング処理を施していない硬化物]
連結部24を有しピッチ幅4.1mm間隔の縦横各6列で縦幅3.6mm×横幅3.6mm×深さ0.8mmの略直方体状の凹部を有する厚み1.0mmの光学部材が連結部24を介して繋がったアレイシート20(フレネルレンズでないこと以外は図1(d)参照)を形成するための光学部材成型キャビティ部を有するシリコーン樹脂製の底部モールドを用意した。この底部モールドに、〔実施例1A〕で得られた硬化性組成物を流し込んだ。底部モールド上でシリコーン樹脂製の蓋部モールドを型閉じした後、UV−LED照射装置(オムロン社製)で365nmの光(100mW)を30秒間照射して前記硬化性組成物を硬化させて、縦横各6個ずつの計36個からなる光学部材10が連結部24を介して繋がって配列したアレイシート20である硬化物を光学部材として得た。
(性能評価1:硬化性評価試験)
実施例1Bにおいて、各硬化性組成物をシリコーン製の底部及び蓋部モールド中で、UV−LEDにより光を照射して硬化させた際、硬化性組成物の硬化途中で組成物表面のタック性が無くなるまでの硬化時間を計測して、硬化組成物の硬化性を、硬化時間(秒)の長短により評価した。その結果を下記表2に示す。
Figure 2019143006
〔実施例1C〕[コーティング処理を施した硬化物(個別片)]
前記の〔実施例1B〕のようにして得られた硬化物の凹部がある表側面と反対の裏側面で、凹部の対応位置に3.6mm四方のマスキングテープをピッチ幅4.1mmごとに貼り付けた。次いで、支持基材上にて粘着シートで硬化物の前記裏側面を貼り付けた。その後、ディスコ社製の「ダイシングソーDFD6361(商品名)」(ダイシングブレード厚さ0.1mm)を用いて、連結部24を切断して硬化物を個別片化した。それにより36個に個別片化されたコーティング処理の硬化物(光学部材の個別片)(縦幅3.6mm×横幅3.6mm×深さ0.8mmの略直方体状の凹部を有し外形縦幅4.0mm×外形横幅4.0mm×外形高さ1.0mm)を粘着シート上に粘着して固定した状態で得た。
その後、個別片の表面にコロナ処理を施して、表面処理した個別片を得た。
ラブスフェア社製の白色コーティング剤「6080(商品名)」を、表面処理した個別片に、スプレーガンで均一な膜厚になるように万遍なく噴霧し白色コーティング剤層を形成した。その後、120℃で2時間乾燥して、前記白色コーティング剤層を固化してから、粘着シートから剥離させ、マスキングテープを除去して、単層からなるコーティング層を有する個別片を得た。
(性能評価2:コーティング層膜厚測定試験)
そのコーティング層の厚さを、マイクロメーターを用いて計測した。予め、〔実施例1B〕で得られたコーティング未処理の個別片の厚さを測定しておいた。次いで、〔実施例1C〕で得られたコーティング層を有する個別片の厚さを測定した。コーティング層の膜厚は、コーティング層を有する個別片の厚さから、コーティング未処理の個別片の厚さを減ずることにより得られる。その結果を下記表3に示す。
(性能評価3:外観評価試験)
コーティング層を有する個別片の外観を、目視にて観察して、評価し、成型不良、泡かみ、汚れ、クラック、液ダレ、及びコーティング不良の何れの異常も認められなかったものを〇と判定し、泡かみ、汚れ、クラック、及び成型不良、液ダレ、及びコーティング不良の少なくとも1つの異常が認められたものを×と判定した。その結果を下記表3に示す。
(性能評価4:光学特性評価試験)
前方1.0mに配置した縦幅1.2mで横幅0.92mの投影板の中心部の照度が100(ルクス)となるLED光源を用意した。〔実施例1C〕で得られたコーティング層を有する個別片を、このLED光源から1.0mm離して配置し、その前方の前記投影板に向けLED光源から光を照射した。投影板の中心部の照度と、投影板上で中心部から等間隔な放射状に半径0.77mずつ離れた4箇所の周辺部での平均照度を、コニカミノルタ社製の照度計「CL−200A(商品名)」で測定した。その結果を下記表3に示す。
(性能評価5:遮光性評価試験)
セラミックス基板上に設置したLED光源を用い、遮光性評価試験を行った。このLED光源に、得られたコーティング層を有する個別片を、被せるように配置した。遮光幕に、この個別片と同じ大きさの開口穴を開けた。その開口穴からこの個別片のおもて面側だけが露出するようにこの個別片ごとLED光源を配置して遮光幕で覆った。LED光源を点灯した際に、遮光幕の内側への光漏れの有無を目視で観察して、光の漏れは観察されなかったものを〇と判定し、光の漏れが観察されたものを×と判定する、2段階で遮光性を評価した。その結果を下記表3に示す。
(性能評価6:耐熱性評価試験)
〔実施例1C〕で得られたコーティング層を有する個別片を一部切り取り、セイコーインスツルメンツ社製の熱重量−示差熱分析装置「TG−DTA6300(商品名)」で、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度条件にて、熱重量分析により熱分解温度(T)を測定した。この熱分解温度(T)は、測定初期での重量減少が無いか漸減しているチャート部分でのベースライン接線と、急激に重量減少が起こっているチャート部分での変曲点の接線とが、交叉する温度(℃)を、求めたものである。その結果を下記表3に示す。
Figure 2019143006
〔実施例2(A〜C)〜6(A〜C)、及び比較例1(a〜c)〜4(a〜c)〕
表1に記載の配合に従ったこと以外は、〔実施例1A〕と同様にして硬化性組成物を調製した。得られた硬化性組成物を用い〔実施例1B〕と同様にしてコーティング処理を施していない硬化物を光学部材として作製した。さらに得られた硬化性組成物を用い〔実施例1C〕と同様にしてコーティング処理を施した硬化物を光学部材として作製した。それらを、前記の(性能評価1〜6)と同様にして評価した。得られた性能評価の結果は、表3に示した通りであった。
得られた光学部材をリフローはんだ付けにより基板に実装すると、光学装置が、製造できた。
本発明の光学部材は、スマートフォンやフィチャーフォンのような携帯電話、タブレットPC、ウェアラブル端末等の各種携帯型電子機器のための光学素子;パーソナルコンピュータのデータ用CDや音楽CDの読取り・書込み装置のための光学素子;赤外センサ、近赤外センサ、ミリ波レーダー等の各種センサのための光学素子;液晶ディスプレイのバックライト、LEDスポット照明装置、近赤外LED照明装置のような各種照明機器のための光学素子;ミラーモニター、メーターパネル等の各種車載用電子機器のための光学素子;ゲーム機器・ヘッドマウントディスプレイ・ヘッドアップディスプレイ等のVRコンテンツのため光学素子として、これら各種機器である光学装置に、有用である。とりわけ、この光学部材は、携帯型電子機器等のカメラのフラッシュ用フレネルレンズとして、有用である。
この光学部材は、コーティング層を有していると、反射性・遮光性等の機能を付加させ、各種機器の光学装置等のレンズのような光学素子として、有用である。
この光学部材を実装した光学装置は、光学素子の物理的安定特性・化学的安定特定・光学特性のために、安定して所望の光の入出射を行うのに、用いられる。
この光学部材やそれを実装した光学装置の製造方法によれば、簡便かつ迅速に歩留まり良く、効率的かつ再現性良く、多量でも少量多品種でも、高品質で製造することができる。
10は光学部材、20はアレイシート、21はノッチ、22は溝、23はミシン目、24は連結部である。

Claims (11)

  1. 下記化学式(I)で示されエポキシ基とオキセタニル基とを有する環状エーテル化合物が含有された硬化性組成物の硬化物からなることを特徴とする光学部材。
    Figure 2019143006
    (式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)〜(IV)で示される基を表す。Bは化学式(V)〜(VIII)で示される2価の基を表す。)
    Figure 2019143006
    (式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
    Figure 2019143006
    (式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
    Figure 2019143006
    (式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは0〜20の整数を表す。)
    Figure 2019143006
    (式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Yは前記の化学式(II)〜(IV)で示される基を表す。)
    Figure 2019143006
    (式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
    Figure 2019143006
    (式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
    Figure 2019143006
    (式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)。
  2. 前記硬化性組成物が、前記環状エーテル化合物以外のエポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記硬化性組成物が、開環重合させるカチオン重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載の光学部材。
  4. 球面レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ、トロイダルレンズ、フレネルレンズ、回折レンズ、プリズム、及びフィルムから選ばれる何れかであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光学部材。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の光学部材を製造する方法であって、
    前記光学部材の一つ又は複数を形成する光学部材成型キャビティ部を有するモールドに、前記硬化性組成物を、充填した後、活性エネルギー線照射処理による活性エネルギー線によって及び/又は加熱処理による熱によって、硬化させる硬化工程
    を有することを特徴とする光学部材製造方法。
  6. 請求項1〜4の何れかに記載の光学部材を製造する方法であって、
    前記光学部材の複数を形成する光学部材成型キャビティ部を有するモールドに、前記硬化性組成物を、充填した後、活性エネルギー線照射処理による活性エネルギー線によって及び/又は加熱処理による熱によって、硬化させる硬化工程
    を有し、前記光学部材の複数をアレイシートとして形成することを特徴とする光学部材製造方法。
  7. 更に、前記光学部材の表面にコーティング層を形成させる工程を有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の光学部材製造方法。
  8. 前記活性エネルギー線が、350nm〜450nmの少なくとも何れかの波長を有していることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の光学部材製造方法。
  9. 前記活性エネルギー線照射処理が、UV−LED、水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、ケミカルランプ若しくはメタルハライドランプによる、又は太陽光による光照射処理であることを特徴とする請求項5〜8の何れかに記載の光学部材製造方法。
  10. 請求項1〜4の何れかに記載の光学部材を実装していることを特徴とする光学装置。
  11. 請求項10に記載の光学部材を、リフローはんだ付けにより基板に実装することを特徴とする光学装置製造方法。
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