JP2019189789A - 薄膜用接着剤組成物、これを用いた積層体、並びに積層体の製造方法 - Google Patents

薄膜用接着剤組成物、これを用いた積層体、並びに積層体の製造方法 Download PDF

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勇介 荒木
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Abstract

【課題】低粘度で塗布性に優れ、高湿環境下でも種々の材料で形成されたフィルムやシート同士を強固に接着でき、低エネルギーの活性エネルギー線で硬化し、高い透明性を有する硬化物を生成できる薄膜用接着剤組成物、及びこれを用いた積層体を提供する。【解決手段】エポキシ基とオキセタニル基とを有する特定の構造式の環状エーテル化合物、及び重合開始剤を含有する薄膜用接着剤組成物。前記薄膜用接着剤組成物の硬化物を介してフィルム等を積層する。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂や金属によって形成された薄膜を接着するための接着剤組成物、これを用いた積層体、並びにこの積層体の製造方法に関する。
テレビ、スマートフォン、パソコン、及びタブレットパソコン等の電子機器や電気製品のディスプレイ、並びに現金自動預払機及び券売機等の業務用電気機器の操作パネルディスプレイとして、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイが、広く採用されている。これらのディスプレイは、偏光フィルターやカラーフィルター等の光学フィルター、薄膜電極、及びガラス基板等のフィルムやシートの複数が、積層して互い接着されている。
また、これらディスプレイの機能を高めたり保護したりする目的で、光沢フィルム、非光沢フィルム、保護フィルム、反射防止フィルム、ブルーライトカットフィルム、及び視認角制限フィルム等の光学フィルムやシートが、ディスプレイの表面に付されている。これらのフィルムは、所望の機能を有しより薄いフィルムやシートの複数が重なって接着された積層構造を有している。
これらのディスプレイや光学フィルム等を構成するフィルムやシートは、接着剤によって接着されている。この接着剤として、揮発性有機溶剤を非含有であることによって硬化時に有害な溶剤蒸気を生じない利点から、活性エネルギー線硬化性接着剤が用いられている。活性エネルギー線硬化性接着剤は、紫外線や放射線等の活性エネルギー線の照射によって硬化し、接着力を発揮する。
ディスプレイ等は優れた視認性を有している必要があるため、これを構成している光学フィルターや光学フィルム等の材料だけでなく、それらを接着している接着剤にも、硬化によって白濁や黄変を生じない高い透明性及び光透過性が要求される。
一方、前記のディスプレイや各種フィルムは、所望の機能を持たせるため、例えば、極性を有するアクリル樹脂製のフィルムと低極性のシクロオレフィン樹脂製のフィルムとの貼合せのように、互いに異種で接着し難いフィルムやシートが採用されることが多い。その上、スマートフォンやタブレットパソコン等の所謂モバイル機器は、薄くかつ軽量であることが必要である。そのためこれらに用いられる接着剤は、透明性及び光透過性を有し、異種材料のフィルム等を強固に接着でき、低粘度であって薄くかつ均一に塗布できることが要求される。また、それの硬化物は数μm〜十数μmの薄層でなければならない。
フィルムやシート用の活性エネルギー線硬化性接着剤として、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物、及び光重合開始剤を含む光カチオン硬化型接着剤が特許文献1に記載されている。この接着剤は、低粘度で塗布し易く薄層を形成でき、シクロオレフィン樹脂製フィルム、トリアセチルセルロース樹脂製フィルム、及びポリビニルアルコール製フィルムを高い強度で接着できる。
しかしこの接着剤は、硬化に高いエネルギーを有する活性エネルギー線の照射が必要である。そのため、それに応じた高価な線源を要したり、エネルギー発生に要する電力量を増大させたりするので、ディスプレイ等の製造コストを低減させることが困難である。また、アクリル樹脂製フィルムとシクロオレフィン製樹脂との接着力が十分でない上、高湿環境下では高い接着力が得られない。
特開2008−63397号公報
本発明は前記の問題点に鑑み、低粘度で塗布性に優れ、高湿環境下であっても種々の材料で形成されたフィルムやシートを強固に接着でき、低エネルギーの活性エネルギー線で硬化し、かつ高い透明性を有する硬化物を生成できる薄膜用接着剤組成物、及びこれを用いた積層体、並びにこの積層体の製造方法を提供することを目的とする。
前記の問題点を解決するためになされた本発明の薄膜用接着剤組成物は、下記化学式(I)で示されエポキシ基とオキセタニル基とを有する環状エーテル化合物、及び重合開始剤を含有する:
Figure 2019189789
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)〜(IV)で示される基を表す。Bは化学式(V)〜(VIII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは0〜20の整数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Yは前記の化学式(II)〜(IV)で示される基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)。
薄膜用接着剤組成物は、前記重合開始剤として光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤を含んでいる。
本発明の積層体は、前記何れかの薄膜用接着剤組成物の硬化物を介して、薄膜が積層している。
積層体は、前記薄膜が、フィルム及び/又はシートである。
積層体は、前記フィルム及び前記シートが、樹脂、ガラス、金属、金属酸化物、木、及び紙から選ばれる少なくとも一種の材料で形成されている。
積層体は、前記樹脂が、(メタ)アクリル樹脂及び/又はシクロオレフィン樹脂である。
本発明の積層体の製造方法は、前記何れかの薄膜用接着剤組成物を第1の薄膜に付し、そこへ第2の薄膜を重ねてから、前記第1の薄膜又は前記第2の薄膜を透過させつつ前記薄膜用接着剤組成物に活性エネルギー線を照射することによってこれを硬化させる。
本発明の薄膜用接着剤組成物は低粘度であるので、接着対象物である薄膜に薄くかつ均一に塗り広げることができ、薄くかつ軽量であることが求められるモバイル機器等のディスプレイに好適に用いることができる。また、薄膜用接着剤組成物は比較的低エネルギーの活性エネルギー線によって短時間に硬化するので、ディスプレイ等を安価にかつ速やかに製造できる。
薄膜用接着剤組成物によれば、樹脂、ガラス、金属、金属酸化物、木、及び紙等、様々な材料で形成された薄膜を高い強度で接着できる。なかでも、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを構成する(メタ)アクリル樹脂とシクロオレフィン樹脂との接着に好適に用いることができる。
本発明の積層体は、前記の薄膜用接着剤組成物の硬化物によって薄膜が接着されているので、高温高湿環境下であっても高い接着力と透明性や光透過性とを維持できる。そのため、前記のディスプレイ及びこれらに用いられる光学フィルムを形成するシート等の接着に適している。
本発明の積層体の製造方法によれば、薄膜用接着剤組成物及びそれの硬化物は高い透明性を有しているので、蒸着やスパッタリングによって形成された透明な薄膜を、薄膜用接着剤組成物の硬化物を介して接着することにより、透明性に富んだ積層体を製造できる。また、金、白金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、鉄、ニッケル、マグネシウム、及びチタン等に例示される金属の薄膜と、別な薄膜とを、薄膜用接着剤組成物の硬化物を介して接着することにより、それらが強固に接着するので、両薄膜間で剥離しない積層体を製造できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されない。
本発明の薄膜用接着剤組成物は、前記化学式(I)で示されエポキシ基とオキセタニル基とを有する環状エーテル化合物、及び重合開始剤を含有する。この環状エーテル化合物は、開環重合可能なカチオン重合性の硬化性化合物(以下、カチオン硬化性化合物とも云う)であり、エポキシ基とオキセタニル基を1分子中に有するもので、2つのエポキシ基と1つのオキセタニル基が、又は1つのエポキシ基と2つのオキセタニル基が、エーテル結合を有する接続子により連結された構造を有する。
より具体的には、この環状エーテル化合物の例として、下記化学式(I-1)〜(I-23)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2019189789
Figure 2019189789
薄膜用接着剤組成物全量に対し、環状エーテル化合物の含有率は、1〜99重量%であることが好ましく、20〜80重量%であると一層好ましく、30〜60重量%であるとなお一層好ましい。
前記の環状エーテル化合物を硬化させるために、薄膜用接着剤組成物は重合開始剤を必須として含有している。紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射により薄膜用接着剤組成物を硬化させる場合、この重合開始剤として光カチオン重合開始剤を用い、これを樹脂組成物中に含有させればよい。光カチオン重合開始剤は、活性エネルギー線の照射を受けてルイス酸を発生させることにより、カチオン重合性化合物である環状エーテル化合物の重合を開始させる。光カチオン重合開始剤としては、一般に使用されるものであれば特に制限無く使用可能であり、有機金属錯体類光カチオン重合開始剤やオニウム塩類光カチオン重合開始剤等が挙げられる。
有機金属錯体類光カチオン重合開始剤の例としては、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノール−アルミニウム錯体等が挙げられる。
オニウム塩類光カチオン重合開始剤は、光吸収性を有するカチオンと、ルイス酸を発生させるアニオンとの塩である。オニウム塩類光カチオン重合開始剤の例としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、及びヨードニウム塩が挙げられる。なかでも、トリアリールスルホニウム塩及びジアリールヨードニウム塩が好ましく、高い活性エネルギー線硬化性と、優れた無色透明性とを有することから、トリアリールスルホニウム塩がより好ましい。また、オニウム塩類光カチオン重合開始剤の対アニオンとして、フルオロホスフェート、フッ化アルキルホスフェート、フッ化アルキルボレート、フルオロアンチモネート、フッ化アルキルアンチモネート、及びフルオロアーセネートが挙げられ、具体的に例えば、PF 、B(C 、SbF 、及びAsF 等が挙げられる。
フルオロホスフェート、及びフルオロアンチモネートを対アニオンとするジアゾニウム塩として具体的に、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、及びベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネートが挙げられる。
フルオロホスフェートを対アニオンとするスルホニウム塩として具体的に、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、及び4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
フッ化アルキルボレートを対アニオンとするスルホニウム塩として具体的に、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、7−[ジ(p−トルイル)スルホニオ]−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
フルオロアンチモネートを対アニオンとするスルホニウム塩として具体的に、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、7−[ジ(p−トルイル)スルホニオ]−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネートが挙げられる。
フルオロホスフェートを対アニオンとするヨードニウム塩として具体的に、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム ヘキサフロオロホスフェート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、及びジ(4−アルキルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
フッ化アルキルボレートを対アニオンとするヨードニウム塩として具体的に、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びトリルクミルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
フルオロアンチモネートを対アニオンとするヨードニウム塩として具体的に、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、及びジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネートが挙げられる。
光カチオン重合開始剤として市販されている工業薬品の例としては、
BASF社製「イルガキュア250(商品名)」;
ADEKA社製「オプトマーSP−100(商品名)」、同「オプトマーSP−150(商品名)」、同「オプトマーSP−152(商品名)」、同「オプトマーSP−170(商品名)」、及び同「オプトマーSP−172(商品名)」;
和光純薬工業社製「WPI−113(商品名)」、及び同「WPI−116(商品名)」;
サンアプロ社製「CPI−100P(商品名)」、同「CPI−110P(商品名)」、同「CPI−101A(商品名)」、同「CPI−200K(商品名)」、及び同「CPI−210S(商品名)」;
ローディア社製「フォトイニシエーター2074(商品名)」;
ゼネラルエレクトロニクス社製「UVE−1014(商品名)」;
日本化薬社製「カヤラッドPCI−220(商品名)」、及び同「カヤラッドPCI−620(商品名)」;
みどり化学社製「BBI−102(商品名)」、同「BBI−103(商品名)」、同「TPS−102(商品名)」、同「TPS−103(商品名)」、同「DTS−102(商品名)」、及び同「DTS−103(商品名)」;
サートマー社製「CD−1012(商品名)」
等が挙げられる。
前記の光カチオン重合開始剤は、一種のみを用いてもよく、二種以上を用いてもよい。また光カチオン重合開始剤の含有率は、薄膜用接着剤組成物中、0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、より一層好ましくは1〜5重量%である。光カチオン重合開始剤の含有率がこの下限値未満であると、薄膜用接着剤組成物の硬化性が低下し、活性エネルギー線を照射しても十分に硬化しない。一方この上限値を超えると、薄膜用接着剤組成物の硬化物が黄変し易くなってしまう。
本発明の薄膜用接着剤組成物を光硬化させる際には、例えば、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、及びペンゾフラビン等の増感剤を用いてもよい。
この薄膜用接着剤組成物が含有する硬化性成分は、前記化学式(I)で示される、エポキシ基とオキセタニル基とを有する環状エーテル化合物のみからなっていてもよく、必要により、この環状エーテル化合物と共にさらに、他の硬化性化合物を含有していてもよい。
当該他の硬化性化合物としては、重合性モノマーと重合性オリゴマーを組み合わせて使用してよく、重合性モノマーとしては、以下に例示する重合性モノマーを組み合わせて使用してよく(種類の異なる重合性モノマーを組み合わせて使用してよく)、重合性オリゴマーについても、種類の異なる重合性オリゴマーを組み合わせて使用してよい。
環状エーテル化合物を重合させるとホモポリマーの硬化物が得られるが、必要に応じて、この重合時に環状エーテル化合物とは別に、他の硬化性化合物を共存させることにより、環状エーテル化合物と、他の硬化性化合物が共重合したヘテロポリマーの硬化物を得ることができる。なお、当該他の硬化性化合物は、重合性モノマーと、重合性モノマーが重合した構造を有する重合性オリゴマー(半硬化物)の両者を包含する。
この重合性モノマーとして、公知のオキセタン化合物、エポキシ化合物(エポキシ樹脂とも云う)、及びビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物が挙げられる。
オキセタン化合物として、一分子中に単数のオキセタニル基を有するモノオキセタン化合物、及び複数のオキセタニル基を有するポリオキセタン化合物を挙げることができる。このようなオキセタン化合物は、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリル基、及びエーテル基等、種々の官能基を有していてもよい。
モノオキセタン化合物として、例えば、
3−メトキシオキセタン、
3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、
3−プロピル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、
3−n−ブチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、
3−エチル−3−[(2−エチルヘキシル)オキシメチル)]オキセタン、
3−エチル−3−[(エトキシカルボニルオキシ)メチル]オキセタン、
3−エチル−3−{[3−(トリメチルシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、
3−エチル−3−{[3−(トリメトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、
3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、
3−エチル−3−(ブトキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−(へキシルオキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−[(2−エチルへキシルオキシ)メチル]オキセタン、
3−エチル−3−(バレリルオキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−(シクロへキシルオキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、
3−エチル−3−[(ブチルアミノカルボニルオキシ)メチル]オキセタン、
3−エチル−3−メトキシメチルオキセタン、
3−エトキシオキセタン、
3−アリルオキセタン、
3−(アリルオキシ)オキセタン、
3−プロポキシオキセタン、
3−イソプロポキシオキセタン、
3−(3−クロロプロポキシ)オキセタン、
3−(3−ブロモプロポキシ)オキセタン、
3−ブトキシオキセタン、
3−イソブトキシオキセタン、
3−sec−ブトキシオキセタン、
3−tert−ブトキシオキセタン、
3−ペンチルオキシオキセタン、
3−ヘキシルオキシオキセタン、
3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]オキセタン、
3−ヘプチルオキシオキセタン、
3−オクチルオキシオキセタン、
3−[2−(パーフルオロブチル)エトキシ]オキセタン、
3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、
3−(アリルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、
3−エチル−3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、
3−(1−プロペニルオキシ)オキセタン、
3−(4−フルオロフェノキシ)オキセタン、
[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、
3−エチル−3−[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]オキセタン、
3−フェノキシオキセタン、
3−(4−メチルフェノキシ)オキセタン、
1−[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]−4−フルオロベンゼン、
1−[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]−4−メトキシベンゼン、
1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル=フェニル=エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=イソブトキシメチル=エーテル、
イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=2−(イソボルニルオキシ)エチル=エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=イソボルニル=エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=2−エチルヘキシル=エーテル、
エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
2−(2−エトキシエトキシ)エチル=3−エチル−3−オキセタニルメチル=エーテル、
3−シクロヘキシルオキシオキセタン、
3−(4−メチルシクロヘキシルオキシ)オキセタン、
ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=テトラヒドロフルフリル=エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=2−ヒドロキシエチル=エーテル、
3−エチル−3−オキセタニルメチル=2−ヒドロキシプロピル=エーテル、
ブトキシエチル=3−エチル−3−オキセタニルメチル=エーテル、
ボルニル=3−エチル−3−オキセタニルメチル=エーテル、
トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピルトリメトキシシラン、
3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピルトリエトキシシラン、
3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピルトリアルコキシシランの加水分解縮合物、
シランテトラオール重縮合物と3−エチル−3−オキセタニルメタノールとの縮合物、
ノボラック型フェノール−ホルムアルデヒド樹脂を3−クロロメチル−3−エチルオキセタンによってエーテル化させた変性樹脂等が挙げられる。
また、一分子中に複数のオキセタニル基を有するポリオキセタン化合物は、オキセタニル基を一分子中に2個、3個、4個、又はそれ以上有していてもよい。このようなポリオキセタン化合物として、例えば、
3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−ノナノン、
3,3’−(オキシビスメチレン)ビス(3−エチルオキセタン)、
3,3’−[1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン)]ビス−(3−エチルオキセタン)、
1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼン、
1,2−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼン、
4,4’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、
2,2’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、
1,2−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エタン、
1,2−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)プロパン、
1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、
1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、
1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、
1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、
1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、
3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレンオキシメチレン)]ビス[3−エチルオキセタン](CAS 142627-97-2)(3,3’−[(1,4−フェニレン)ビス(メチレンオキシメチレン)]ビス[3−エチルオキセタン]、又は1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼンとも云う)と3,3’−[オキシビス(メチレン−4,1−フェニレンメチレンオキシメチレン)]ビス[3−エチルオキセタン](CAS 1035608-30-0)と3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレンオキシメチレン−4,1−フェニレンメチレンオキシメチレン)]ビス[3−エチルオキセタン](CAS 1035608-32-2)(α,α’−ビス[4−(3−エチルオキセタン−3−イルメトキシメチル)ベンジルオキシ]−p−キシレンとも云う)との何れか、又はそれらの混合物(東亞合成社製「アロンオキセタン OXT−121(商品名)」)、
1,1,1−トリス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、
エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ビス(3−オキセタニルメチル)エーテル、
ビス(3−メチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ビス(3−プロピル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
ビス(3−ブチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
前記のポリオキセタン化合物の分子量は、500以下であることが好ましく、150〜400であることがより好ましく、150〜300であることがより一層好ましい。この範囲の分子量を有するポリオキセタン化合物を含む薄膜用接着剤組成物は、低粘度であるので取扱性に優れるとともに、それの高い接着力を有する硬化物を得ることができる。ポリオキセタン化合物として、なかでもビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルが特に好ましい。それによれば、薄膜用接着剤組成物の硬化物がガラス転移点以上の温度条件下で高い弾性率を示し、高い耐熱性を発揮する。
によれば、
前記のモノオキセタン化合物及びポリオキセタン化合物は、夫々一種のみを用いてもよく、二種以上を用いてもよい。モノオキセタン化合物とポリオキセタン化合物とを併用してもよい。モノオキセタン化合物及びポリオキセタン化合物の含有率は、薄膜用接着剤組成物中、10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%、より好ましくは25〜55重量%である。モノオキセタン化合物及びポリオキセタン化合物の含有率がこの下限値未満であったりこの上限値を超えたりすると、薄膜用接着剤組成物が硬化し難くなり、それの硬化物の接着力が低下してしまう。特に樹脂製のフィルムやシートと硬化物との接着力が不足する。
エポキシ化合物としては、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、及び酸化型等のエポキシ化合物が挙げられる。
グリシジルエーテル型の例としては、芳香族エポキシ化合物やポリオールのポリグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。
芳香族エポキシ化合物は、芳香環とグリシジルエーテル基とが直接結合している化合物であり、エポキシ基を有していることから、高分子量の化合物だけでなく、低分子量の化合物もエポキシ樹脂と呼ばれることがある。このような芳香族エポキシ化合物は、1分子中にグリシジルエーテル基と2個以上のエポキシ基とを有していることが好ましい。それによれば、薄膜用接着剤組成物の硬化物と樹脂製のフィルムやシートとを強固に接着することができる。
芳香族エポキシ化合物として、500以上の重量平均分子量を有する高分子量芳香族エポキシ化合物を好適に用いることができる。高分子量芳香族エポキシ化合物の重量平均分子量は、具体的に500〜50000であることが好ましく、1000〜10000であることがより好ましく、2000〜10000であることがより一層好ましい。また重量平均分子量は、最大でも50000とすることが好ましい。なお重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定された値をポリスチレンに換算した値である。
高分子量芳香族エポキシ化合物は、JIS K7234(1986)の環球法に準拠して測定された軟化点を、40℃以上としていることが好ましく、具体的に50〜200℃としていることがより好ましく、60〜170℃としていることがより一層好ましく、70〜140℃としていることが特に好ましい。前記の範囲の分子量や軟化点を有する高分子量芳香族エポキシ化合物によれば、比較的高湿度の環境下において薄膜用接着剤組成物の硬化物とフィルムやシート(特に(メタ)アクリル樹脂製)との接着力を高めることができる。なお高分子量芳香族エポキシ化合物は、室温(25℃)において固体であってもよい。
高分子量芳香族エポキシ化合物として、具体的に、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールFノボラック型エポキシ化合物に例示されるビスフェノールF型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、高臭素化エポキシ化合物、及びビスフェノールAとビスフェノールFとエピクロロヒドリンとの重縮合エポキシ化合物等が挙げられる。これらの化合物は一種のみを用いてもよく、二種以上を用いてもよい。
高分子量芳香族エポキシ化合物の含有率は、薄膜用接着剤組成物中、1〜30重量%であることが好ましく、3〜20重量%であることがより好ましく、5〜15重量%であることがより一層好ましい。含有率がこの下限値未満であると、高湿度環境下で薄膜用接着剤組成物を塗工したり硬化させたりした場合に、それの硬化物の接着力の低下を招来する。一方含有率がこの上限値を超えると、薄膜用接着剤組成物の粘度が過度に上昇し、塗工時の作業性が低下する。
芳香族エポキシ化合物として、前記の高分子量芳香族エポキシ化合物とともに、又はこれに代えて、重量平均分子量を500未満としている低分子量芳香族エポキシ化合物を用いてもよい。低分子量芳香族エポキシ化合物として、例えば、以下に例示される重量平均分子量500未満の、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、及びビスフェノールFのジグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、低分子量芳香族エポキシ化合物の分子量を、質量分析で測定される絶対分子量によって表してもよい。
ポリオールのポリグリシジルエーテル化合物は、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜6のポリオール(特にジオール)から得られるポリグリシジルエーテルである。この炭素数は、ポリオール分子の脱ヒドロキシ基残基が有する炭素の数である。なかでも、これらの炭素数を有するポリオール、具体的にアルカンポリオール、シクロアルカンポリオール、ポリアルキレングリコール、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテルが挙げられる。特に、炭素数4〜6のアルカンジオールのジグリシジルエーテルを好適に用いることができる。それによれば、薄膜用接着剤組成物の粘度を低減させて取扱性や塗工性を向上させることができ、それの硬化物が無色透明を呈しつつ高い接着力を発現する。
ポリオールのポリグリシジルエーテル化合物として、例えば、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、
1,2−プロパンジオールジグリシジルエーテル、
1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、
1,2−ブタンジオールジグリシジルエーテル、
1,3−ブタンジオールジグリシジルエーテル、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、
シクロヘキサンジメチロールジグリシジルエーテル、
1,2−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、
1,4−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、
1,7−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、
1,2−オクタンジオールジグリシジルエーテル、
1,3−オクタンジオールジグリシジルエーテル、
1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、
2,4−オクタンジオールジグリシジルエーテル、
1,9−ノナンジオールジグリシジルエーテル、
2,8−ノナンジオールジグリシジルエーテル、
ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、
トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
4−オキサ−2,6−ヘプタンジオールジグリシジルエーテル、
トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ベンゼン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル
ベンゼン−1,3−ジオールジグリシジルエーテル
1,1,1−プロパントリメタノールジグリシジルエーテル、
1,1,1−プロパントリメタノールトリグリシジルエーテル、
ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、
ジペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、
両末端ヒドロキシ基ポリブタジエンジグリシジルエーテル、
炭素数11以上のジオール又はポリオールジグリシジルエーテル、
水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
繰返単位数3以上のポリブチレングリコールジグリシジルエーテル、
繰返単位数4以上のポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、及び
繰返単位数6以上のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
ポリオールのポリグリシジルエーテル化合物は、一種のみを用いてもよく、二種以上を用いてもよい。ポリオールのポリグリシジルエーテル化合物の含有率は、薄膜用接着剤組成物中、10〜70重量%、好ましくは20〜65重量%、より好ましくは30〜60重量%である。このポリオールのポリグリシジルエーテル化合物の含有率がこの下限値未満であると、それの硬化物の接着力が不十分となり易い。一方この上限値を超えると、接着力が低下し、薄膜用接着剤組成物の硬化性も低下してしまう。
高分子量芳香族エポキシ化合物、低分子量芳香族エポキシ化合物と、ポリオールのポリグリシジルエーテル化合物とを、併用してもよい。この場合、重量比で、「高分子量芳香族エポキシ化合物、低分子量芳香族エポキシ化合物」:「ポリオールのポリグリシジルエーテル化合物」=49〜1:51〜99であることが好ましく、35〜5:65〜95であることがより好ましい。
グリシジルエステル型のエポキシ化合物は、芳香環とグリシジルエステル基とが直接結合しているエポキシ化合物である。例えば、ヒドロフタル酸型エポキシ化合物、ダイマー酸型エポキシ化合物が挙げられ、o−フタル酸ジグリシジルエステル、及びp−フタル酸ジグリシジルエステルを例示できる。
グリシジルアミン型の例としては、芳香族アミン型エポキシ化合物、アミノフェノール型エポキシ化合物が挙げられる。また酸化型の例として、例えば、1−オキシラニル−3,4−エポキシシクロヘキサン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、リモネンジエポキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、アジピン酸ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)、3,4−エポキシシクロヘキサン−1−メタノールとポリカルボン酸とのエステル化合物及びこれのカプロラクトン変性物、並びに3,4−エポキシ−1−シクロヘキサンカルボン酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル及びこれのカプロラクトン変性物等の脂環型エポキシ化合物が挙げられる。
前記以外のエポキシ化合物を用いてもよい、具体例として、3−(トリメトキシシリル)プロピルグリシジルエーテル、3−(ジメトキシシリル)プロピルメチルグリシジルエーテル、内部エポキシ化ポリブタジエン、ひまし油、コーン油、綿実油、菜種油、及び亜麻仁油等の植物油をエポキシ化したエポキシ化植物油、エチレン−ブチレン共重合体とポリイソプレンとのブロック共重合体におけるイソプレン単位のエポキシ化化合物(例えば、クレイトンポリマージャパン社製「L−207(商品名)」)、並びにスチレン−ブタジエン共重合体の部分エポキシ化化合物(例えば、ダイセル社製「エポフレンド(商品名)」)等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物の具体例として、例えば、ビニルシクロヘキシルエーテル、ビニルドデシルエーテル、ビニル(2−エチルヘキシル)エーテル、ビニル(4−ヒドロキシブチル)エーテル、ビス[(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキサン、3,6−ジオキサ−7−オクテン−1−オール、3,6,9−トリオキサウンデカン−10−エン−1−オール、及び3,6,9,12−テトラオキサテトラデカン−1,13−ジエン等が挙げられる。
薄膜用接着剤組成物が、当該他の硬化性組成物として前記のカチオン重合性化合物を含む場合、その含有率は、必須の硬化性成分である環状エーテル化合物と当該他の硬化性組成物との合計量100重量%中、30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることがより一層好ましい。
なお、環状エーテル化合物やそれ以外のカチオン重合性化合物を、活性エネルギー線によって硬化させる際、生産効率や硬化物の特性を高める為に、熱硬化の手段を併用してもよい。この場合、熱重合開始剤を使用する。熱重合開始剤としては、熱カチオン重合開始剤を採用することができ、これを薄膜用接着剤組成物中に含有させればよい。
熱カチオン重合開始剤としては、一般に使用されるものであれば特に制限無く使用可能であり、四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩及びスルホニウム塩等の各種オニウム塩類、並びに有機金属錯体類等を例示することができる。工業薬品として市販されているオニウム塩類の例として、ADEKA社製「アデカオプトンCP−66(商品名)」、同「アデカオプトンCP−77(商品名)」、三新化学工業社製「サンエイドSI−60L(商品名)」、同「サンエイドSI−80L(商品名)」、同「サンエイドSI−100L(商品名)」や、日本曹達社製「CIシリーズ(商品名)」等が挙げられる。
当該他の硬化性化合物としてカチオン重合性化合物を挙げたが、当該他の硬化性化合物はこれに限られず、ラジカル重合性化合物であってもよい。ラジカル重合性化合物として、(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル化合物(アクリル樹脂とも云う)を好適に用いることができる。(メタ)アクリル化合物は、重合性モノマー、重合性オリゴマー、及び重合性ポリマー、及びこれらの組合せであってもよい。(メタ)アクリル化合物として、その分子中に単数の(メタ)アクリロイル基を有するモノ(メタ)アクリル化合物、分子中に複数の(メタ)アクリロイル基を有するポリ(メタ)アクリル化合物が挙げられる。
モノ(メタ)アクリル化合物として、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエトキシエチル(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、モノ(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、モノ(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、モノ(メタ)アクリル酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、モノ(メタ)アクリル酸2−[2−(ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチル、モノ(メタ)アクリル酸2−{2−[2−(ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル、(メタ)アクリル酸3−[ジメトキシ(メチル)シリル]プロピル、(メタ)アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、モノ(メタ)アクリル酸ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン、及び(メタ)アクリル酸2−イソシアネートエチル等の直鎖状又は分枝鎖状で炭素数4〜30の置換基を有していてもよいアルキル又はアルコキシ(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸変性アリルグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製「デナコールアクリレートDA111(商品名)」)、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、及び(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ(メタ)アクリレート類;
ウレタン(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−4−tert−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−4−tert−シクロヘキシル、モノ(メタ)アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメチロール、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、及び(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の環状で炭素数6〜20の置換基を有していてもよいアルキル含有(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル及びこれのカプロラクトン変性物、(メタ)アクリル酸(2−イソブチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリル酸(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イル)メチル(メタ)アクリル酸(2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、(メタ)アクリル酸(2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル、及びアクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル等の炭素数5〜20の複素環含有(メタ)アクリレート;
ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリオール系(メタ)アクリレート類;
デンドリマー型であってもよいポリエステル(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
またモノ(メタ)アクリル化合物は、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドで例示されるアルキレンオキサイドの付加物であってもよい。このようなアルキレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリル化合物として、例えば、
2−エチルヘキサノールアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、
o−フェニルフェノールアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、
p−クミルフェノールアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、
フェノールアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、及び
ノニルフェノールアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリル化合物として、例えば、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(メタ)アクリル酸(1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサオクタン)−1,8−ジイル、1,6−ビス((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシ)ノナン、及び1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシ)2−n−ブチル−2−エチル−プロパン等の直鎖状又は分枝鎖状で炭素数8〜25のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分枝鎖状で炭素数10〜25のアルキレングリコールトリ(メタ)アクリレート;
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分枝鎖状で炭素数10〜25のアルキレングリコールテトラ(メタ)アクリレート、アルキレングリコールペンタ(メタ)アクリレート、又はアルキレングリコールヘキサ(メタ)アクリレートに例示されるポリオールポリ(メタ)アクリレート;
トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカンジ(メタ)アクリレート等の炭素数10〜30の脂環式ジ(メタ)アクリレート;
シクロヘキサンジヒドロキシメチルジ(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカンジヒドロキシメチルジ(メタ)アクリレート等の脂環族ジオールのジ(メタ)アクリレート;
水素添加ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート等の水素添加ビスフェノール系化合物のジ(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、及び2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸のエステル化物;
ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール系化合物のジ(メタ)アクリレート;
トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート;
(メタ)アクリレートポリオルガノシロキサン
等が挙げられる。
またポリ(メタ)アクリル化合物は、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドで例示されるアルキレンオキサイドの付加物であってもよく、このようなアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリル化合物として、例えば、
プロパン−1,1,1−トリメタノールアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、
ビス(プロパン−1,1,1−トリメタノール)アルキレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールアルキレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールアルキレンオキサイド付加物のヘキサ(メタ)アクリレート、及び
ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール系化合物等が挙げられる。
薄膜用接着剤組成物が、当該他の硬化性組成物として前記のラジカル重合性化合物を含む場合、その含有量は、カチオン重合性化合物の100重量部に対し、120重量部以下であることが好ましく、100重量部以下であることがより好ましく、50重量部以下であることがより一層好ましい。
薄膜用接着剤組成物が、前記のラジカル重合性化合物を含む場合、そこに光ラジカル重合開始剤を含有させる。光ラジカル重合開始剤として、市販されている工業薬品を用いることができる。光ラジカル重合開始剤の含有率は、薄膜用接着剤組成物中、0.1〜10重量%であることが好ましい。
光ラジカル重合開始剤として、例えば、炭素数16〜17のケタール化合物〔例えば、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等〕、炭素数8〜18のアセトフェノン化合物〔例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等〕、炭素数13〜21のベンゾフェノン化合物〔例えば、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等〕、炭素数14〜18のベンゾイン化合物〔例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等〕、炭素数14〜19のアントラキノン化合物〔例えば、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等〕、炭素数13〜17のチオキサントン化合物〔例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等〕、炭素数22〜28のアシルフォスフィンオキサイド化合物〔例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等〕が挙げられる。
薄膜用接着剤組成物は、水を含んでいてもよい。それによれば、カチオン重合性化合物の過度な速硬性を抑え、薄膜用接着剤組成物の硬化物の接着力低下を抑止できる。そのために、水の含有率を、薄膜用接着剤組成物中、0.05〜3重量%とすることが好ましい。
薄膜用接着剤組成物は、必要に応じて、顔料、色素、フィラー、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂、ポリマー、内部離型剤、補強材、垂れ止め剤、艶消し剤、研削剤、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、粘度調整用希釈剤(有機溶剤)、カップリング剤、香料、難燃化剤、イオントラップ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、ポリオール化合物、粘着付与剤、金属微粒子、金属酸化物微粒子、重合禁止剤、及び光増感剤等の添加剤の1種又は2種以上を含んでいてもよい。
顔料や色素として、チタン白、シアニンブルー、ウォッチングレッド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラック、マンガンブルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、ハンザレッド、クロームイエロー、及びクロームグリーン等が挙げられる。
フィラーとして、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム、リトポン、石コウ、ステアリン酸亜鉛、パーライト、石英、石英ガラス、溶融シリカ、球状シリカ等のシリカ粉等、球状アルミナ、破砕アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭化ケイ素等の炭化物類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物類、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属類や合金類、ダイヤモンド、及びカーボン等の炭素系材料等が挙げられる。
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂として、高密度、中密度、低密度の各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール樹脂(フェノール化合物)、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリルゴム、ウレタンゴムなどの各種エラストマー樹脂、及びメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系グラフト共重合体等のグラフト共重合体等が挙げられる。
ポリマーとして、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、及びポリ酢酸ビニル等が挙げられる。ポリマーは、ビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基等のカチオン重合性基を有する化合物や、ビニル基及び(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基を有する化合物であってもよい。
内部離型剤として、ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウムの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アマイド等の脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス等が挙げられる。
補強剤としてガラス繊維及び炭素繊維等が挙げられ、垂れ止め剤として水添ヒマシ油及び微粒子無水硅酸等が挙げられ、艶消し剤として微粉シリカ及びパラフィンワックス等が挙げられ、研削剤としてステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
薄膜用接着剤組成物の粘度は、後述する積層体を製造するのに適した粘性を有するように、適宜設定される。具体的に例えば、25℃でE型粘度計を用いて測定された粘度が、1,000mPa・s以下であることが好ましく、10〜500mPa・sであることがより好ましく、20〜100mPa・sであることがより一層好ましい。フィルム及びシート用接着剤組成の粘度は、使用目的に応じ、前記値の範囲内で適宜設定される。
薄膜用接着剤組成物の全塩素含有率は、0.1重量%以下であることが好ましい。そのために、硬化性成分である環状エーテル化合物、及び当該他の硬化性組成物の全部又は一部に、蒸留精製品を採用することが好ましい。
本発明の薄膜用接着剤組成物を調製するには、環状エーテル化合物及びカチオン重合開始剤、並びに必要に応じて当該他の硬化性化合物、ラジカル重合開始剤、水、及び添加剤を常法に従って、攪拌及び混合する。攪拌及び混合の際、必要に応じて加熱又は加温してもよい。
前記の薄膜用接着剤組成物を用いた積層体について説明する。
本発明の積層体は、例えば積層した複数の薄膜が、薄膜用接着剤組成物の硬化物を介して接着されて接合しているものである。この薄膜として、例えば、樹脂製フィルムが挙げられる。複数の薄膜は、互いに同じ材料で形成されていてもよく、異なる材料で形成されていてもよい。薄膜はシート状をなしていてもよい。また積層体を構成する薄膜は複数に限られず、折り曲げられた1枚の薄膜が、それの対向する面で薄膜用接着剤組成物の硬化物を介して接着されていてもよい。なおJIS Z0108(2012)に準じ、フィルムは厚さ250μm未満の膜状のものを云い、シートは厚さ250μm以上の板状のものを云う。
この樹脂製フィルムを形成している樹脂として、例えば、シクロオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル/スチレン共重合体樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、トリアセチルセルロース、及びセルロースアセテートブチレート等が挙げられる。具体的な(メタ)アクリル樹脂として、例えば、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート単位を主として有する(メタ)アクリル共重合体樹脂、及び重合モノマーとしてメチルメタクリレートを有しない(メタ)アクリル樹脂等を挙げることができる。
薄膜であるフィルムは、樹脂以外の材料で形成されていてもよい。この材料として、例えば、ガラス、金属、金属酸化物、セラミック、紙、木等が挙げられる。
ガラスとして、石英ガラス、硼珪酸ガラス、及び無アルカリガラスが挙げられる。金属として、例えば、金、白金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、鉄、ニッケル、マグネシウム、及びチタン等が挙げられる。金属酸化物として、例えば、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、酸化銀(I)、酸化銅(I)、酸化銅(II)、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化インジウムスズ、酸化チタン、及び酸化ニッケル等が挙げられる。セラミックスとして、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、シリコンカーバイド、及び窒化ホウ素等が挙げられる。また紙として、例えば、上質紙、中質紙、クラフト紙、ケント紙、模造紙、クレープ紙、及び和紙が挙げられる。
積層体は、ウェットラミネートやドライラミネートに例示される公知のラミネート加工法に従って、又はこれに準じて製造される。この加工法は、例えば、次のような工程を有する。まず、第1の薄膜である第1の樹脂製フィルムの一方の面に薄膜用接着剤組成物を付して、接着剤層を形成する。接着剤層の厚さは、特に限定されず、0.1〜10μm、好ましくは1〜5μmである。
薄膜用接着剤組成物を薄膜に付す方法として、公知の方法を採用しうる。具体的に、スピンコート法、スリットコート法、ナイフベルトコート法、マイクログラビアコート法、コンマコート法、カーテンコート法、カーテンフローコート法、ナチュラルコート法、ダイコート法、グラビアコート法、キスロール法、ナイフオーバーロール法、スクイーズロール法、リバースロール法、フローティングナイフ法、エアブレード法、ナイフオンブランケット法、スプレー法、ディップ法、及びスクリーン印刷法等が挙げられる。
次いで、樹脂製フィルムに付された接着剤層に、第2の薄膜である第2の樹脂製フィルムを重ねる。それにより第1の樹脂製フィルム、接着剤層、及び第2の樹脂製フィルムがこの順で積層される。そこへ、第1の樹脂製フィルム及び第2の樹脂製フィルムのうち、いずれかの側から接着剤層に向かって活性エネルギー線を照射し、薄膜用接着剤組成物を硬化させて硬化物とする。それにより、樹脂製フィルム同士が薄膜用接着剤組成物の硬化物を介して接着された積層体が得られる。なお、活性エネルギー線の照射に加えて、又はこれに代えて加熱することによって薄膜用接着剤組成物を熱硬化させてもよい。
薄膜が、薄膜用接着剤組成物との濡れ性に乏しく、難接着性の材料で形成されている場合、薄膜用接着剤組成物を付す前の第1の薄膜や、接着剤層に重ねる前の第2の薄膜に、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ照射処理、粗面化処理、ウエットエッチング処理、及び/又はドライエッチング処理等の活性化処理を施すことにより、薄膜用接着剤組成物との接触面を活性化してもよい。
前記の活性エネルギー線として、可視光線及び紫外線等の光、赤外線に例示される熱線、α線、β線、γ線、及びX線等の放射線、電磁波、並びに電子線が挙げられる。なかでも紫外線が好ましい。
紫外線は、紫外線蛍光灯、紫外線発光ダイオード、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、紫外線低圧水銀ランプ、紫外線高圧水銀ランプ、紫外線超高圧水銀ランプ、無電極放電ランプ、カーボンアーク、紫外線LED、並びにHe−Cdレーザー、Arレーザー、及び半導体励起固体レーザー等の紫外線レーザーから射出することができる。紫外線の積算光量(照射量)は、波長280〜310nm付近のUV−B領域において、10〜1000mJ/cmであることが好ましく、20〜500mJ/cmであることがより好ましく、50〜200mJ/cmであることがより一層好ましい。薄膜用接着剤組成物は、前記範囲のような比較的低い紫外線で速やかに硬化するため、それの硬化工程で要する線源のエネルギーを低く抑えることができ、さらに硬化時間を従来に比して短縮することができる。
また、活性エネルギー線として電子線を用いる場合、それの発生装置として、コッククロフトワルトン型加速器、ファンデグラーフ型加速器、共振変圧器型加速器、線形加速器、サイクロトロン、ベータトロン、シンクロトロン、及びシンクロサイクロトロン等の各種加速器を用いることができる。電子線のエネルギーは、50〜1000eV、好ましくは100〜300eVである。
積層体は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を構成する光学フィルター、並びに光沢フィルム、非光沢フィルム、保護フィルム、反射防止フィルム、ブルーライトカットフィルム、防指紋フィルム、防眩フィルム、硬質フィルム、偏光フィルム、輝度上昇フィルム、タッチパネル前面フィルム、位相差フィルム、視認角制限フィルム、拡散シート、及びレンズシート等の光学フィルムやシートに好適に用いることができる。
なお、薄膜用接着剤組成物に含まれる環状エーテル化合物は、次のようにして合成される。
この環状エーテル化合物は、例えば、化学式(IX)で示されるオキセタン化合物と、化学式(X)及び/又は同(XI)で示されるオレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Ib)で示される化合物として、合成したものであり、カチオン硬化性化合物である。
Figure 2019189789
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。2つのXは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(X')及び/又は化学式(XI')で示される基を表し、Bは化学式(VIII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのR及びnは、前記の化学式(X)の場合と同様である。)
Figure 2019189789
(式中、9つのR及びnは、前記の化学式(XI)の場合と同様である。)
Figure 2019189789
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)及び/又は化学式(III)で示される基を表し、Bは前記の化学式(Ia)の場合と同様である。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XII)で示されるオキセタン化合物と、化学式(XIII)及び/又は同(XIV)で示されるオレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Ib)で示される化合物としたものである。
Figure 2019189789
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。Xは、前記の化学式(XIII)の場合と同様である。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(X')及び/又は化学式(XI')で示される基を表し、Bは化学式(VIII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのR及びnは、前記の化学式(XIII)の場合と同様である。)
Figure 2019189789
(式中、9つのR及びnは、前記の化学式(XIV)の場合と同様である。)
Figure 2019189789
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)及び/又は化学式(III)で示される基を表し、Bは前記の化学式(Ia)の場合と同様である。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XV)又は同(XVI)で示されるオレフィン化合物と、化学式(XVII)で示されるオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ic)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Id)で示される化合物としたものである。
Figure 2019189789
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。2つのXは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。2つのXは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは化学式(IV)で示される基を表し、Bは化学式(XV')又は同(XVI')で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の数を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、6つのR及び2つのnは、前記の化学式(XV)の場合と同様である。)
Figure 2019189789
(式中、12のR、2つのn及びmは、化学式(XVI)の場合と同様である。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは前記の化学式(IV)で示される基を表し、Bは化学式(VI)又は同(VII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XVIII)又は同(XIX)で示されるオレフィン化合物と、化学式(XX)で示されるオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ic)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Id)で示される化合物としたものである。
Figure 2019189789
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、2つAは化学式(IV)で示される基を表し、Bは化学式(XV')又は同(XVI')で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の数を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは前記の化学式(IV)で示される基を表し、Bは化学式(VI)又は同(VII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XII)で示されるオキセタン化合物と、化学式(XXI)及び/又は同(XXII)で示されるエポキシ化合物を反応させることにより、化学式(Ib)で示される化合物としたものである。
Figure 2019189789
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)及び/又は化学式(III)で示される基を表し、Bは化学式(VIII)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XXIII)で示されるエポキシ化合物と、化学式(XVII)で示されるオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ie)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物と、化学式(XXI)又は化学式(XXII)で示されるエポキシ化合物を反応させた化合物(If)で示される化合物としたものである。
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは化学式(IV)で示される基を表し、Bは同(XXIV)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。mは0〜2の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは化学式(IV)で示される基を表し、Bは化学式(V')で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の数を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。Yは化学式(II)又は化学式(III)で示される基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
この環状エーテル化合物は、別な合成方法として、例えば、化学式(XXIII)で示されるエポキシ化合物と、化学式(XXV)及び/又は同(XXVI)で示されるエポキシ化合物を反応させて、化学式(Ig)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物と、化学式(XX)で示されるオキセタン化合物を反応させることにより、化合物(Ih)で示される化合物としたものである。
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)及び/又は化学式(III)で示される基を表し、Bは化学式(XXIV)で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の数を表す。nは0〜20の数を表す。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−OMs、−OTs又は−OTfを表す。)
Figure 2019189789
(式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)及び/又は化学式(III)で示される基を表し、Bは化学式(V'')で示される2価の基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の数を表す。Yは化学式(IV)で示される基を表す。)
Figure 2019189789
(式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の数を表す。nは0〜20の数を表す。)
なお、環状エーテル化合物は、単独化合物のみからなる場合、前記式中、n,mが整数で表わされる。
環状エーテル化合物は、前記化学式(Ib)、化学式(Id)、化学式(If)又は化学式(Ih)で示される。即ち、化学式(I)で示される化合物は、化学式(Ib)で示される化合物、化学式(Id)で示される化合物、化学式(If)で示される化合物及び化学式(Ih)で示される何れかの化合物を包含する。
<化学式(Ib)で示される化合物の合成方法について>
化学式(IX)で示される脱離基を有するオキセタン化合物と、ヒドロキシル基を有する化学式(X)及び/又は同(XI)で示されるオレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Ib)で示される化合物を合成することができる。(反応スキーム(A)参照)
Figure 2019189789
また、化学式(Ia)で示される化合物は、化学式(XII)で示されるヒドロキシル基を有するオキセタン化合物と、脱離基を有する化学式(XIII)及び/又は同(XIV)で示されるオレフィン化合物から合成することもできる。
なお、この化学式(Ia)で示される化合物を合成する反応においては、塩基(イ)の存在下で合成することができ、反応を促進させる為の触媒(ロ)を使用してもよい。また、反応を阻害しない限りにおいて、反応溶媒(ハ)を使用してもよい。
また、化学式(Ib)で示される化合物を合成する反応においては、一般に知られているエポキシ化(酸化)の方法を用いることができ、例えば、アセトニトリル−アルコール溶媒中で過酸化水素を用いる方法、タングステン酸ナトリウムを触媒として過酸化水素を用いる方法、過酸を用いる方法等を挙げることができる。
また、化学式(Ib)で示される化合物は、化学式(XII)で示されるヒドロキシル基を有するオキセタン化合物と、化学式(XXI)及び/又は同(XXII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物から、一段階で合成することができる。この反応においては、塩基(イ)を使用し、反応を促進させる為の触媒(ロ)を使用してもよい。また、反応を阻害しない限りにおいて、反応溶媒(ハ)を使用してもよい。
前記の脱離基を有するオキセタン化合物としては、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタン、3,3−ビス(クロロエチル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモエチル)オキセタン、3,3−ビス(クロロプロピル)オキセタン、3,3−ビス(ブロモプロピル)オキセタン等が挙げられ、特に3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタンが好ましい。
前記のヒドロキシル基を有するオレフィン化合物としては、3−シクロヘキセン−1−メタノール、1−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、2−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、3−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、5−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、6−メチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、3−シクロヘキセン−1−エタノール、アリルアルコール、3−メチルアリルアルコール、2−メチルアリルアルコール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2,3−ジメチル−2−ブテン−1−オールが挙げられ、特に3−シクロヘキセン−1−メタノール、アリルアルコールが好ましい。
オレフィン化合物の使用量(仕込み量)としては、脱離基を有するオキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記のヒドロキシル基を有するオキセタン化合物としては、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(ヒドロキシエチル)オキセタン、3,3−ビス(ヒドロキシプロピル)オキセタンが挙げられ、特に3,3−ビス(ヒドロキシメチル)オキセタンが好ましい。
前記の脱離基を有するオレフィン化合物としては、4−(クロロメチル)シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−1−メチル−シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−2−メチル−シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−3−メチル−シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−4−メチル−シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−5−メチル−シクロヘキセン、4−(クロロメチル)−6−メチル−シクロヘキセン、アリルクロリド、アリルブロミド、1−クロロ−2−ブテン、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン、1−クロロ−3−メチル−2−ブテン、1−クロロ−2−メチル−2−ブテン、1−クロロ−2,3−ジメチル−2−ブテンが挙げられ、特に4−(クロロメチル)シクロヘキセンが好ましい。
オレフィン化合物の使用量(仕込み量)としては、オキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の脱離基を有するエポキシ化合物としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、及びメチルエピクロロヒドリン、メチルエピブロモヒドリン、4−クロロメチルシクロヘキセンオキシド等が挙げられ、特にエピクロロヒドリンが好ましい。脱離基を有するエポキシ化合物の使用量(仕込み量)としては、ヒドロキシル基を有するオキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の塩基(イ)としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルコキシド又は有機アミン化合物が挙げられる。例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、トリエチルアミン等が挙げられる。用いる塩基はオキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、通常、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の触媒(ロ)としては、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩等が挙げられる。四級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、ヘキサデシルトリエチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、オクチルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウムのハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)等の塩が挙げられる。
四級ホスホニウム塩の例としては、テトラブチルホスホニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、テトラデシルホスホニウム、テトラオクチルホスホニウム、トリエチルオクタデシルホスホニウム、トリオクチルエチルホスホニウム、ヘキサデシルトリエチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウムのハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)等の塩が挙げられる。
前記のオキセタン化合物と、オレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia)で示される化合物の合成においては、触媒(ロ)として、これらの物質を組み合わせて使用してもよい。
触媒(ロ)の使用量(仕込み量)としては、オキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、0.0001〜1.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記の反応溶媒(ハ)としては、反応を阻害しない限りにおいて特に制限はなく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコール(PEG−400)、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド(N,N−ジメチルホルムアミド)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の溶剤が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を組み合わせて、その適宜量を使用することができる。
前記のオキセタン化合物と、オレフィン化合物を反応させて、化学式(Ia)で示される化合物(オレフィン化合物)を合成する際の反応温度は、0〜150℃の範囲に設定することが好ましく、20〜120℃の範囲に設定することがより好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1〜48時間の範囲に設定することが好ましい。
この反応の終了後、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物である化学式(Ia)で示される化合物を分離して取り出すことができる。更に必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー等の手段を利用して精製することができる。
前記の過酸を用いて化学式(Ia)で示されるオレフィン化合物をエポキシ化する反応において、オキソン試薬、過酢酸、メタクロロ過安息香酸等の過酸を用いることができる。過酸は、該オレフィン化合物の有する二重結合に対して、1.0〜5.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記過酸を用いて化学式(Ia)で示されるオレフィン化合物をエポキシ化する反応において、反応溶媒は、反応を阻害しない限りは、特に制限されることはないが、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロトリフルオロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等を挙げることができる。これらの反応溶媒は、単独で、又は2種以上を組み合わせて、適宜量が用いられる。
前記の過酸を用いて化学式(Ia)で示されるオレフィン化合物をエポキシ化するときの反応温度は、通常、−10〜150℃の範囲であり、好ましくは、0℃〜100℃の範囲である。また、反応時間は、反応温度にもよるが、通常、1〜24時間の範囲であり、好ましくは、1〜6時間の範囲である。
この反応の終了後、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物であるエポキシ基とオキセタニル基を同時に有する化合物を分離して取り出すことができる。更に必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー等の手段を利用して精製することができる。
タングステン酸ナトリウムを触媒として用いて、過酸化水素にて化学式(Ia)で示されるオレフィン化合物を酸化する場合、過酸化水素は、該オレフィン化合物の有する二重結合に対して、1.0〜5.0当量の割合で用いられる。また、タングステン酸ナトリウムは、該オレフィン化合物の有する二重結合に対して、0.001〜0.5倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
反応溶媒は、これを用いるときは、反応を阻害しない限りは、特に制限されることはないが、例えば、前記過酸を用いるエポキシ化反応の場合と同じ反応溶媒を用いることができる。
また、反応温度は、前記過酸を用いるエポキシ化反応の場合と同じく、通常、−10〜150℃の範囲であり、好ましくは、0℃〜100℃の範囲であり、反応時間も、反応温度にもよるが、通常、1〜24時間の範囲であり、好ましくは、1〜6時間の範囲である。
反応終了後は、前記過酸による酸化反応の場合と同じように、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、環状エーテル化合物を分離して取り出すことができる。
アセトニトリル−アルコール溶媒中で過酸化水素によりエポキシ化を行う場合、過酸化水素は、化学式(Ia)で示されるオレフィン化合物の有する二重結合に対して、1.0〜5.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。また、アセトニトリルは該オレフィン化合物に対して、0.5〜5.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。アルコールの使用量は過酸化水素添加前の状態で10〜80重量%の適宜の割合とすることが好ましい。また、塩基を用いて、pHを7〜13の範囲とすることが好ましい。
前記反応に用いるアルコールは、炭素数1〜4の飽和アルコールが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノールが挙げられる。これらのアルコールは、単独で、又は2種以上を組み合わせて、適宜量が用いられる。
前記反応に用いる塩基としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩もしくは炭酸水素塩、又は有機アミン化合物が挙げられる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムを用いることが好ましく、単独で、又は2種以上を組み合わせて、適宜量が用いられる。
また、反応温度は、前記過酸を用いる酸化反応の場合と同じく、通常、−10〜150℃の範囲であり、好ましくは、0℃〜100℃の範囲であり、反応時間も、反応温度にもよるが、通常、1〜48時間の範囲であり、好ましくは、1〜6時間の範囲である。
反応終了後は、前記過酸による酸化反応の場合と同じように、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物であるエポキシ基とオキセタニル基を同時に有する化合物を分離して取り出すことができる。
<化学式(Id)で示される化合物の合成方法について>
化学式(XV)及び/又は同(XVI)で示される脱離基を有するオレフィン化合物と、化学式(XVII)で示されるヒドロキシル基を有するオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ic)で示される化合物を生成させ、次いで、この化合物が有する二重結合をエポキシ化することにより、化学式(Id)で示される化合物として合成することができる。(反応スキーム(B)参照)
Figure 2019189789
また、化学式(Id)で示される化合物は、化学式(XVIII)又は同(XIX)で示されるヒドロキシル基を有するオレフィン化合物と、化学式(XX)で示される脱離基を有するオキセタン化合物から合成することもできる。
化学式(Ic)で示される化合物を合成する反応においては、前記の化学式(Ia)を合成する反応と同様の条件で実施することができる。また、化学式(Id)で示される化合物を合成する反応においては、前記の化学式(Ib)を合成する反応と同様の条件で実施することができる。
前記の脱離基を有するオレフィン化合物としては、1,4−ジクロロブテン、1,4−ジブロモブテン、1,4−ジクロロ−2−メチルブテン、1,4−ジブロモ−2−メチルブテン、1,4−ジクロロ−2,3−ジメチルブテン、1,4−ジブロモ−2,3−ジメチルブテン等が挙げられ、特に1,4−ジクロロブテン、1,4−ジブロモブテンが好ましい。
前記のヒドロキシル基を有するオキセタン化合物としては、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシプロピルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシプロピルオキセタン等が挙げられ、特に3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが好ましい。
オキセタン化合物の使用量(仕込み量)としては、オレフィン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
前記のヒドロキシル基を有するオレフィン化合物としては、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ジメチル−2−ブテン−1,4−ジオールが挙げられ、特に2−ブテン−1,4−ジオールが好ましい。
前記の脱離基を有するオキセタン化合物としては、3−メチル−3−クロロメチルオキセタン、3−エチル−3−クロロメチルオキセタン、3−プロピル−3−クロロメチルオキセタン、3−メチル−3−ブロモメチルオキセタン、3−エチル−3−ブロモメチルオキセタン、3−プロピル−3−ブロモメチルオキセタン等が挙げられ、特に3−エチル−3−クロロメチルオキセタンが好ましい。
オキセタン化合物の使用量(仕込み量)としては、オレフィン化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
<化学式(If)で示される化合物の合成方法について>
化学式(XXIII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物と、化学式(XVII)で示されるヒドロキシル基を有するオキセタン化合物を反応させて、エポキシ基の開環を伴い、化学式(Ie)で示される化合物を生成させ、次いで、化学式(XXI)又は(XXII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物を反応させることによりエポキシ基とオキセタニル基を同時に有する化合物(If)を得ることができる。(反応スキーム(C)参照)
Figure 2019189789
なお、この化学式(Ie)で示される化合物を合成する反応においては、前記塩基(イ)の存在下で合成することができ、反応を促進させる為の前記触媒(ロ)を使用してもよい。また、反応を阻害しない限りにおいて、前記反応溶媒(ハ)を使用してもよい。
また、化学式(If)で示される化合物を合成する反応においては、前記塩基(イ)の存在下で合成することができ、反応を促進させる為の前記触媒(ロ)を使用してもよい。また、反応を阻害しない限りにおいて、前記反応溶媒(ハ)を使用してもよい。
前記の脱離基を有するエポキシ化合物としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、及びメチルエピクロロヒドリン、メチルエピブロモヒドリン等が挙げられ、特にエピクロロヒドリンが好ましい。
前記のヒドロキシル基を有するオキセタン化合物としては、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、3−プロピル−3−ヒドロキシプロピルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシプロピルオキセタン等が挙げられ、特に3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが好ましい。
ヒドロキシル基を有するオキセタン化合物の使用量(仕込み量)としては、脱離基を有するエポキシ化合物の使用量(仕込み量)に対して、2〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
脱離基を有するエポキシ化合物と、ヒドロキシル基を有するオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ie)で示される化合物の合成においては、前記触媒(ロ)として、これらの物質を組み合わせて使用してもよい。
前記触媒(ロ)の使用量(仕込み量)としては、オキセタン化合物の使用量(仕込み量)に対して、0.0001〜1.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
脱離基を有するエポキシ化合物と、ヒドロキシル基を有するオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ie)で示される化合物を合成する際の反応温度は、0〜150℃の範囲に設定することが好ましく、20〜120℃の範囲に設定することがより好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1〜48時間の範囲に設定することが好ましい。
この反応の終了後、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物である化学式(Ie)で示される化合物を分離して取り出すことができる。
更に必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー、蒸留等の手段を利用して精製することができる。
化学式(Ie)で示される化合物と、化学式(XXI)又は(XXII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物を反応させて、化学式(If)で示される化合物を合成する反応において、脱離基を有するエポキシ化合物としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、及びメチルエピクロロヒドリン、メチルエピブロモヒドリン、4−クロロメチルシクロヘキセンオキシド等が挙げられ、特にエピクロロヒドリンが好ましい。脱離基を有するエポキシ化合物の使用量(仕込み量)としては、化学式(Ie)で示される化合物の使用量(仕込み量)に対して、1〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
化学式(Ie)で示される化合物と、化学式(XXI)又は(XXII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物を反応させて、化学式(If)で示される化合物を合成する際の反応温度は、−20〜150℃の範囲に設定することが好ましく、0〜100℃の範囲に設定することがより好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1〜48時間の範囲に設定することが好ましい。
この反応の終了後、得られた反応液から、例えば、溶媒抽出法等の手段によって、目的物である化学式(If)で示される化合物を分離して取り出すことができる。
更に必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー、蒸留等の手段を利用して精製することができる。
<化学式(Ih)で示される化合物の合成方法について>
化学式(XXIII)で示される脱離基を有するエポキシ化合物と、化学式(XXV)及び/又は同(XXVI)で示されるヒドロキシル基を有するエポキシ化合物を反応させて、エポキシ基の開環により、化学式(Ig)で示される化合物を生成させる。続いて、化学式(XX)で示される脱離基を有するオキセタン化合物を反応させることにより、エポキシ基及びオキセタニル基を同時に有する、化合物(Ih)を得ることができる。
化学式(Ig)で示される化合物を合成する反応は、前述の化学式(Ie)を合成する反応と同様の条件で実施することができる。
また、化学式(Ih)で示される化合物を合成する反応は、前述の化学式(If)を合成する反応と同様の条件で実施することができる。
前記の脱離基を有するエポキシ化合物の具体例としては、前記の「化学式(If)で示される化合物の合成方法について」の項にて、述べたとおりである。
また、前記のヒドロキシル基を有するエポキシ化合物としては、グリシドール、2,3−エポキシ−1−ブタノール、2,3−エポキシ−3−メチル−1−ブタノール、2,3−エポキシ−2−メチル−1−ブタノール、2,3−エポキシ−2,3−ジメチル−1−ブタノール、3,4−エポキシシクロヘキサンメタノール等が挙げられ、特にグリシドール、3,4−エポキシシクロヘキサンメタノールが好ましい。
化学式(Ig)で示される化合物と、化学式(XX)で示される脱離基を有するオキセタン化合物を反応させて、化学式(Ih)で示される化合物を合成する反応において、脱離基を有するオキセタン化合物としては、3−メチル−3−クロロメチルオキセタン、3−エチル−3−クロロメチルオキセタン、3−プロピル−3−クロロメチルオキセタン、3−メチル−3−ブロモメチルオキセタン、3−エチル−3−ブロモメチルオキセタン、3−プロピル−3−ブロモメチルオキセタン等が挙げられ、特に3−エチル−3−クロロメチルオキセタンが好ましい。脱離基を有するオキセタン化合物の使用量(仕込み量)としては、化学式(Ig)で示される化合物の使用量(仕込み量)に対して、1〜20倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、下記合成例1〜3に示すように、環状エーテル化合物の合成を行った。
〔合成例1−1〕
<3,3−ビス[(3−シクロヘキセン−1−イルメトキシ)メチル]オキセタンの合成>
3Lのナスフラスコに、3−シクロヘキセン−1−メタノール295.9g(2.64mol)、N,N−ジメチルホルムアミド315.9gを仕込み、撹拌しながら5℃まで氷冷した。tert−ブトキシカリウム285.3g(2.53mol)を仕込み、次いで、3,3−ビス(ブロモメチル)オキセタン(1.06mol)を滴下した。室温まで昇温し、14時間撹拌した。
続いて、反応液にトルエンを加え、水洗し、得られた有機層を濃縮し、濃縮物461.6gを得た。この濃縮物を蒸留により精製し、標題のオキセタン化合物(化学式(I'-1)参照)を、無色透明液体として、252.5g(0.82mol/収率78.1%)得た。
このオキセタン化合物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。このデータにより、得られた無色透明液体は、下記化学式(I'-1)で示される化合物であるものと同定した。
1H-NMR (CDCl3) δ: 5.67(s, 4H), 4.47(s, 4H), 3.63(s, 4H), 3.35(d, 4H), 2.06(m, 6H), 1.90(m, 2H), 1.75(m, 4H), 1.29(m, 2H).
Figure 2019189789
〔合成例1−2〕
<3,3−ビス[(3,4−エポキシシクロヘキシル−1−メトキシ)メチル]オキセタンの合成>
300mlナスフラスコに、合成例1−1において合成したオキセタン化合物を5.89g(19.2mmol)、炭酸カリウム0.79g(5.72mmol)、アセトニトリル3.20g(77.95mmol)、メタノール5.83gを仕込み、室温下で撹拌した。30%過酸化水素水溶液7.68g(67.74mmol)を滴下し18時間撹拌した。
反応液にトルエン60gを加え、生成物を抽出し、水洗した。有機層を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1(容量比))により精製し、2.89g(8.54mmol/収率44.5%)の無色透明液体を得た。
この液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。このデータにより、得られた無色透明液体は、化学式(I-1)で示される化合物であるものと同定した。
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.44(s, 4H), 3.56(s, 4H), 3.22(m, 8H), 2.15(m, 2H), 2.03(m, 2H), 1.80(m, 3H), 1.49(m, 5H), 1.17(m, 1H), 1.02(m, 1H).
Figure 2019189789
〔合成例2〕
<3,3−ビス[(2−オキシラニルメトキシ)メチル]オキセタンの合成>
5Lナスフラスコに、3,3−ビスヒドロキシメチルオキセタンを391.4g(3.31mol)、エピクロロヒドリンを2438.6g(26.36mol)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドを12.8g仕込み、10℃まで氷冷し、48%水酸化ナトリウム水溶液3865.2g(46.38mol)を滴下し、14時間撹拌した。
反応液にジクロロメタンを加え、水洗し、有機層を濃縮した。得られた濃縮物を蒸留により精製し、169.1g(0.73mol/収率22.2%)の無色透明液体を得た。
この液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。このデータにより、得られた無色透明液体は、化学式(I-9)で示される化合物であるものと同定した。
1H-NMR (D6-DMSO) δ: 4.42(s, 4H), 3.77(dd, 2H), 3.63(d, 14H), 3.31(dd, 2H), 3.11(m, 2H), 2.73(t, 2H), 2.55(dd, 2H).
Figure 2019189789
〔合成例3−1〕
<1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]2−プロパノールの合成>
300mlのナスフラスコに、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン48.79g(420mmol)、水酸化ナトリウム5.76g(144mmol)を仕込み、撹拌しながら45℃まで昇温した。同温度で、エピクロロヒドリン11.10g(120mmol)を滴下した。次いで60℃まで昇温し、5時間撹拌した。
続いて、室温まで冷却後、反応液にジクロロメタン600mlと水100mlを加え、抽出、水洗し、得られた有機層を濃縮し、濃縮物を得た。この濃縮物を蒸留により精製し、化学式(I'-16)で示されるオキセタン化合物を、無色透明液体として、9.13g(31.6mmol/収率26.4%)得た。
このオキセタン化合物のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。このデータにより、得られた無色透明液体は、化学式(I'-16)で示される化合物であるものと同定した。
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.42(dd, 8H), 3.99(m, 1H), 3.56(m, 8H), 2.58(d, 1H), 1.72(q, 4H), 0.82(t, 6H).
Figure 2019189789
〔合成例3−2〕
<1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]2−(2−オキシラニルメトキシ)プロパンの合成>
100mlナスフラスコに、合成例3−1において合成したオキセタン化合物を8.00g(27.74mmol)、水酸化ナトリウム2.22g(55.5mmol)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.51g(2.77mmol)を仕込み、室温下で撹拌した。エピクロロヒドリン7.70g(83.22mmol)を滴下し15時間撹拌した。
続いて、反応液にジクロロメタン50mlと水10mlを加え、抽出、水洗し、得られた有機層を濃縮し、濃縮物を得た。この濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1(容量比))により精製し、7.02g(20.4mmol/収率73.4%)の無色透明液体を得た。
この液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。このデータにより、得られた無色透明液体は、化学式(I-16)で示される化合物であるものと同定した。
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.42(dd, 8H), 3.91(dd, 1H), 3.74(m, 1H), 3.58(m, 9H), 3.13(m, 1H), 2.78(t, 1H), 2.62(dd, 1H), 1.74(q, 4H), 0.89(t, 6H).
Figure 2019189789
〔実施例1〕
下記表1に示す組成の通り、合成例1−2で得た3,3−ビス[(3,4−エポキシシクロヘキシル−1−メトキシ)メチル]オキセタン(化学式(I-1))を34重量部、SR−14BJを26重量部、OXT−221を37重量部、及びCPI−110Pを3重量部量り取り、常法に従って攪拌混合して、実施例1の薄膜用接着剤組成物を調製した。
Figure 2019189789
表1中の各成分の略称は、以下の通りである。
<環状エーテル化合物>
(I-1):合成例1−2で合成した化合物、3,3−ビス[(3,4−エポキシシクロヘキシル−1−メトキシ)メチル]オキセタン
(I-9):合成例2で合成した化合物、3,3−ビス[(2−オキシラニルメトキシ)メチル]オキセタン
(I-16):合成例3−2で合成した化合物、1,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]2−(2−オキシラニルメトキシ)プロパン
<カチオン重合性化合物>
JER−828:ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製「jER−828(商品名)」
850−CRP:ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、DIC社製「EPICLON EXA850−CRP(商品名)」
SR−14BJ:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、阪本薬品工業社製「SR−14BJ(商品名)」
エポゴーセーHD:1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、四日市合成社製「エポゴーセーHD(D)(商品名)」
OXT−221:ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル〕エーテル、東亞合成社製「アロンオキセタンOXT−221(商品名)」
<ラジカル重合性化合物>
BR−83:ポリメチルメタクリレート、三菱ケミカル社製「ダイヤナールBR−83(商品名)」
<光カチオン重合開始剤>
CPI−110P:トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、サンアプロ社製「CPI−110P(商品名)」
〔硬化性評価〕
四角形の板ガラスの周縁に30μm厚の基準板を固定した。この板ガラスの中央部に実施例1の薄膜用接着剤組成物を滴下し、基準板と同じ厚さとなるようにスクィージーで薄膜用接着剤組成物を伸ばして広げた。次いで、薄膜用接着剤組成物に、高圧水銀ランプを用いて、紫外線(照射強度0.1W/cm、積算光量3.0J/cm)を照射した。それにより、実施例1の薄膜用接着剤組成物の硬化物を得た。この硬化物を指で触ってタック性を確認することにより、硬化性を下記3段階で評価した。結果を表2に示す。
〇:硬化物がタック性を有しておらず、かつ指の接触によって変形しなかった。
△:硬化物がタック性を有していなかったが、指の接触によって変形した。
×:硬化物がタック性を有していた。
〔積層体の作製〕
シクロオレフィン樹脂シート(100μm厚、日本ゼオン社製「ゼオノアZF−14(商品名)」)、及び紫外線吸収剤含有のアクリル樹脂シート(75μm厚、クラレ社製「HI50−75KT−UV(商品名)」)の表面に、コロナ放電処理を施した。アクリル樹脂製シートのコロナ放電処理面に実施例1の薄膜用接着剤組成物を、23℃・70%RH(relative humidity)環境下、バーコーターを用いて3μm厚に塗布し、接着剤層を形成した。この接着剤層に、シクロオレフィン樹脂シートのコロナ放電処理面が接するように、これを重ねた。次いで、前記と同環境条件下、メタルハライドランプ及びコンベアを搭載したUV照射装置(アイグラフィックス社製「アイminiグランテージECS−1511U」)を使用し、積算光量100mJ/cm(UV−B)の紫外線を、シクロオレフィン樹脂製シートの側から接着剤層に照射した。それにより接着剤層を形成している薄膜用接着剤組成物を硬化させ、シクロオレフィン樹脂シート・硬化物・アクリル樹脂シートの3層構造を有する実施例1の積層体を得た。
〔色調評価(過酷試験前)〕
実施例1の積層体を、23℃・50%RHに保った恒温恒湿槽内に24時間放置した。この積層体を恒温恒湿槽から取り出した直後に5つ重ね、目視にて色調を下記3段階で評価した。結果を表2に示す。
〇:積層体に白濁や黄変が観察されなかった。
△:積層体に白濁や黄変が僅かに観察された。
×:積層体に白濁や黄変が明らかに観察された。
〔色調評価(過酷試験後)〕
実施例1の積層体を、85℃・85%RHに保った恒温恒湿槽内に48時間放置した。その後、前記の色調評価(過酷試験前)と同様の方法で、過酷試験後の色調を評価した。結果を表2に示す。
〔接着力評価(過酷試験前)〕
実施例1の積層体を、実施例1の積層体を縦2.5cm、横15cmの長方形に切り出し、テストピースを作製した。これを23℃・50%RHに保った恒温恒湿槽内に24時間放置した後、恒温恒湿槽から取り出し、粘着テープを用いてこれのアクリル樹脂シート面をアルミニウム板に貼り付けて固定した。次いで、シクロオレフィン樹脂シートを角度90度、速度20cm/分で引っ張って、接着力(N/cm)を測定した。このときシクロオレフィン樹脂シートが長さ5cmにわたって剥離するまで継続して引っ張った。しかし実施例1の積層体は、シクロオレフィン樹脂シートが剥がれずに破断し、接着力を測定できなかったので「シート破断」と記録した。結果を表2に示す。
〔接着力評価(過酷試験後)〕
前記の接着力評価(過酷試験前)で作製したテストピースを、85℃・85%RHに保った恒温恒湿槽内に48時間放置した。その後、接着力評価(過酷試験前)と同様の方法で、過酷試験後の接着力を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2019189789
〔実施例2及び3、並びに比較例1〜3〕
表1に記載の組成に従ったこと以外は、実施例1と同様に操作して実施例2及び3、並びに比較例1〜3の薄膜用接着剤組成物を調製した。これらの薄膜用接着剤組成物を用い、実施例1と同様に操作して、硬化性評価試験を行った。さらにこれらの薄膜用接着剤組成物を用い、実施例1と同様に操作して積層体を作製し、色調評価及び接着力評価を行った。なお接着力評価(過酷試験前)において、シクロオレフィン樹脂シートが長さ5cmにわたって剥離した積層体については、この剥離した積層体を用いて、接着力評価(過酷試験後)を行った。得られた評価の結果は、表2に示した通りであった。
本発明の薄膜用接着剤組成物は、液晶ディスプレイや有機EL等の各種ディスプレイを構成するフィルムやシートの接着に用いられ、この薄膜用接着剤組成物を用いた積層体は、これらのディスプレイや光学フィルムに用いられ、積層体の製造方法は、これらディスプレイや光学フィルムを製造するのに用いられる。
本発明の薄膜用接着剤組成物、これを用いた積層体、及びこの積層体の製造方法は、前記のディスプレイ等だけでなく、例えば車両、航空機、及び建造物の窓や大型水槽等、高い接着強度と透明性や光透過性とを要する製品に用いられる。

Claims (7)

  1. 下記化学式(I)で示されエポキシ基とオキセタニル基とを有する環状エーテル化合物、及び重合開始剤を含有する薄膜用接着剤組成物。
    Figure 2019189789
    (式中、2つのAは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、化学式(II)〜(IV)で示される基を表す。Bは化学式(V)〜(VIII)で示される2価の基を表す。)
    Figure 2019189789
    (式中、3つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
    Figure 2019189789
    (式中、9つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。)
    Figure 2019189789
    (式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜2の整数を表す。nは0〜20の整数を表す。)
    Figure 2019189789
    (式中、5つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。nは0〜20の整数を表す。Yは前記の化学式(II)〜(IV)で示される基を表す。)
    Figure 2019189789
    (式中、6つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。)
    Figure 2019189789
    (式中、12のRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)
    Figure 2019189789
    (式中、8つのRは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。2つのnは互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、0〜20の整数を表す。mは0〜2の整数を表す。)。
  2. 前記重合開始剤が、光カチオン重合開始剤及び/又は熱カチオン重合開始剤を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の薄膜用接着剤組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の薄膜用接着剤組成物の硬化物を介して、薄膜が積層していることを特徴とする積層体。
  4. 前記薄膜が、フィルム及び/又はシートであることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
  5. 前記フィルム及び前記シートが、樹脂、ガラス、金属、金属酸化物、木、及び紙から選ばれる少なくとも一種の材料で形成されていることを特徴とする請求項4に記載の積層体。
  6. 前記樹脂が、(メタ)アクリル樹脂及び/又はシクロオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
  7. 請求項1又は2に記載の薄膜用接着剤組成物を第1の薄膜に付し、そこへ第2の薄膜を重ねてから、前記第1の薄膜又は前記第2の薄膜を透過させつつ前記薄膜用接着剤組成物に活性エネルギー線を照射することによってこれを硬化させることを特徴とする積層体の製造方法。
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