JP4760827B2 - オキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体 - Google Patents

オキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、カチオン重合が可能なオキセタン環を有する新規な1,3−プロパンジオール誘導体の製造方法に関するものである。
オキセタン化合物は、カチオン重合などによる硬化が可能なモノマーとして、近年注目を浴びている化合物であり、多くのオキセタン化合物が報告されている。例えば、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとα,ω−ジブロモアルカンとを水酸化アルカリ金属水溶液および相間移動触媒の存在下に接触させて得られるビスオキセタンエーテル化合物が報告されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2および非特許文献3等参照。特許文献1参照。)。また、3−アルキル−3−ハロメチルオキセタンと二価フェノール類のアルカリ金属フェノーラートとを接触させて得られるビスオキセタンエーテル化合物が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
また、様々なビスオキセタンエーテル化合物が報告されている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7等参照)。
また、式(4)で表されるオキセタン化合物が報告されている(例えば、特許文献8参照)。
Figure 0004760827
式(4)において、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、Yは炭素数2〜16の二価の脂肪族鎖状有機基(鎖中に二重結合、エーテル結合又は環状構造を有していても良い。)を示す。
しかしながら、これらいずれの公知文献にも本発明のオセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体についての記載がなく、また示唆もない。
特開平6−16804号公報(特許請求の範囲) ドイツ特許第1021858号明細書(1〜2頁) 特開平7−53711号公報(特許請求の範囲) 特開平7−173279号公報(特許請求の範囲) 特開平8−245783号公報(特許請求の範囲) 特開平9−309950号公報(特許請求の範囲) 特開平10−212343号公報(特許請求の範囲) 特開2000−302774号公報(特許請求の範囲) Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,pp.1653(1989) Pure Appl.Chem.,A29(10),pp.915(1992) Pure Appl.Chem.,A30(2&3),pp.189(1993)
本発明は、カチオン重合が可能なオキセタン環を有する新規な1,3−プロパンジオール誘導体の製造方法を提供することを目的とする
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、下記式(1)で表されるオキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体が、光カチオン硬化性組成物および/または熱カチオン硬化性組成物に用いることができることを見出し、本発明を完成させた。そして、この化合物を含有する組成物をカチオン硬化させた硬化物が、高屈折率で、硬化性、耐熱性、難燃性、および機械特性等に優れることから、塗料およびコーティング材、接着剤、およびレンズ等に利用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、当該式(1)の化合物の製造方法に関する
Figure 0004760827
式(1)において、R1は炭素数1〜6の分枝を有しても良いアルキル基を示し、R2およびR3は水素原子または炭素数1〜6の分枝を有しても良いアルキル基を示す。
本発明は、アルカリの存在下、下記式(2)で表される1,3−プロパンジオール誘導体と下記式(3)で表わされるオキセタン化合物とを反応させる前記式(1)の化合物の製造方法に関する
Figure 0004760827
式(2)において、R1は炭素数1〜6の分枝を有しても良いアルキル基を示し、R2は水素原子または炭素数1〜6の分枝を有しても良いアルキル基を示す。
Figure 0004760827
式(3)において、R3は水素原子または炭素数1〜6の分枝を有しても良いアルキル基を示す。
下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、アルカリの存在下、式(2)で表わされる1,3−プロパンジオール誘導体と式(3)で表されるオキセタン化合物とを反応させる上記式(1)の化合物の製造方法である。本反応において必要であれば溶媒を用いてもよい。また、相間移動触媒を用いても良い。
本発明において、原料である式(2)で表わされる1,3−プロパンジオール誘導体の具体例としては、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。本発明においては、式(2)で表わされる1,3−プロパンジオール誘導体のR2がアルキル基で有るものが好ましい。
本発明に用いられる式(3)で表されるオキセタン化合物としては、3−アルキル−3−クロロメチルオキセタンあるいは3−クロロメチルオキセタンが挙げられる。この3−アルキル−3−クロロメチルオキセタンとしては、3−クロロメチル−3−メチルオキセタン、3−クロロメチル−3−エチルオキセタン、および3−クロロメチル−3−プロピルオキセタン等が挙げられる。本発明においては、3−アルキル−3−クロロメチルオキセタンが好ましく、更に3−クロロメチル−3−メチルオキセタンまたは3−クロロメチル−3−エチルオキセタンが好ましい。
本発明において、式(2)と式(3)とから式(1)を合成するときに用いられるアルカリは、アルカリ金属、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩およびアルカリ金属水素化物等が挙げられ、好ましくはアルカリ金属、アルカリ金属の水酸化物、またはアルカリ金属水素化物である。このアルカリとしては、複数のものを用いても良い。この合成に用いられるアルカリの具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、金属ナトリウム、および金属カリウム等である。これらの中でも、短時間で十分な転化率が得られるという理由から水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましい。
前記アルカリの使用量は、1モルの式(2)に対して2モル以上が好ましく、2〜10モル用いることが更に好ましく、特に好ましくは2〜5モルである。なお、後処理のことを考慮して1モルの式(2)に対し前記アルカリを2モル未満用いることもできる。またアルカリの水溶液または水懸濁液として用いる場合におけるアルカリの濃度は1〜96重量%のものが好ましく、さらに好ましくは20〜96重量%である。
水酸化アルカリ金属としては、5〜60重量%水溶液あるいは粉末状にした水酸化ナトリウム或いは水酸化カリウム等が用いられ、好ましくは、40〜50重量%水溶液のものである。
本発明において、式(1)の合成に用いられる溶媒としては、原料および反応生成物に対して不活性な化合物を用いることができる。この溶媒は、式(1)を合成する時に系内で生成する水と共沸する溶媒が望ましい。この溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、n−ブチルエーテル等があげられる。合成系内で生成した水を溶媒と共に留出させることにより、反応時間を短縮することが期待できる。この溶媒の量としては、反応器内における原料および反応生成物の合計1重量部に対して0.05〜100重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜20重量部である。100重量部を越えると、単位容積あたりの収量が低下し、溶媒の回収にかかるエネルギーの増大等の面で経済的と言えない。式(1)の合成にはトルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が好適に用いられる。
本発明において用いることができる相間移動触媒としては、公知の相間移動触媒(例えば、W.P.Weber,G.W.Gokel共著、田伏岩夫、西谷孝子共訳「相間移動触媒」、(株)化学同人発行等に記載のもの)のいずれも用いることができる。これらの中でも触媒としての能力の高さから、有機第4級アンモニウム塩およびホスホニウム塩が好ましい。具体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロリド、トリオクチルエチルホスホニウムブロミドおよびテトラフェニルホスホニウムクロリド等が挙げられる。
本発明において式(1)を合成する時の温度は、好ましくは80〜150℃であり、特に100〜120℃が好ましい。
本発明において式(1)を合成する時の反応時間は、反応温度や相間移動触媒の使用の有無にもよるが、4〜50時間である。
反応終了後は、室温まで冷却した反応液を、水洗および蒸留等を行うことにより、一般式(1)で表される目的とするオキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体を得ることができる。これは、1H−NMRおよび13C−NMRスペクトルによって確認できる新規な化合物である。一般式(1)中のR3は、水素原子または炭素数1〜6の分枝を有しても良いアルキル基を示すが、特に、メチル基またはエチル基が好ましい。
式(1)で表されるオキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体およびカチオン重合開始剤を含有するカチオン硬化性組成物を用いて硬化物を作製することができる。
○カチオン重合開始剤
本発明におけるカチオン重合開始剤は、光あるいは熱の適応により活性化されて酸成分を生成し、組成物中のカチオン重合性基のカチオン重合を誘発するように作用するものである。
カチオン重合開始剤としては、光が照射されて活性化され、カチオン重合性基の重合を誘発し得る限り任意の光カチオン重合開始剤を用いることができる。当該光カチオン重合開始剤としては、オニウム塩類および有機金属錯体類等を例示することができる。また、光増感剤を併用することもできる。カチオン重合開始剤としては、加熱により活性化され、カチオン重合性基の重合を誘発し得るものであれば、何れの熱カチオン重合開始剤を用いることができる。
○光カチオン重合開始剤
光カチオン重合開始剤におけるオニウム塩類としては、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩およびヨードニウム塩等が挙げられる。また、光カチオン重合開始剤における有機金属錯体類としては、例えば、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体およびアリールシラノール−アルミニウム錯体等が挙げられる。市販品である、オプトマーSP−150{商品名、旭電化工業(株)製}、オプトマーSP−170{商品名、旭電化工業(株)製}、UVE−1014(商品名、ゼネラルエレクトロニクス社製)およびCD−1012(商品名、サートマー社製)等を光カチオン重合開始剤として利用することもできる。
光カチオン重合開始剤のアニオン残基としては、SbF6 -、AsF6 -、B(C654 -およびPF6 -よりなる群から選ばれる一種を有するオニウム塩であることが好ましい。
○光増感剤
本発明において用いることができる典型的な増感剤は、クリベロがアドバンスド イン ポリマー サイエンス(Adv. in Polymer Sci.,62,1(1984)) で開示している化合物を用いることが可能である。具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン及びペンゾフラビン等がある。
○熱カチオン重合開始剤
熱カチオン重合開始剤としては、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩およびスルホニウム塩等の各種オニウム塩類、並びに有機金属錯体類等が例示される。当該オニウム塩類としては、例えば、アデカオプトンCP−66およびアデカオプトンCP−77{いずれも商品名、旭電化工業(株)社製}、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80LおよびサンエイドSI−100L{いずれも商品名、三新化学工業(株)製}、およびCIシリーズ{日本曹達(株)製}等の市販の化合物を用いることができる。また、当該有機金属錯体類としては、例えば、アルコキシシラン−アルミニウム錯体等が挙げられる。
○配合割合
カチオン重合開始剤のカチオン硬化性組成物への配合割合は、当該組成物中の重合性成分が式(1)のみであるときは、式(1)100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、更に0.1〜4重量部が好ましい。また、カチオン硬化性組成物中に式(1)以外の重合性成分を含むときは、当該重合性成分の合計100重量部に対するカチオン重合開始剤の配合割合を0.01〜5重量部の範囲とすることが好ましく、更に0.1〜4重量部が好ましい。
カチオン重合開始剤の配合割合が0.01重量部未満の場合には、光および/または熱の作用により活性化しても、カチオン重合性基のカチオン重合反応を十分に進行させることができないことがあり、重合後の耐熱性および吸水率等が不十分となる場合が有る。また、5重量部を超えて配合したとしても、重合を進行する作用はそれ以上高まらず、逆に耐熱性等の他の特性が低下することがある。
○ラジカル重合開始剤
本発明のカチオン硬化性組成物に、分子中にラジカル重合性基を有する化合物を配合したときは、ラジカル重合開始剤を添加することもできる。
このラジカル重合開始剤とは、熱、光、あるいはレドックス反応等によりラジカルを発生する化合物を例示できる。このようなものとしては、有機過酸化物、アゾ化合物、レドックス開始剤等が挙げられる。
○分子中に開環重合性の環状エーテル基を1個以上有する化合物(A)
本発明のカチオン硬化性組成物には、式(1)以外の分子中に開環重合性の環状エーテル基を1個以上有する化合物(A)を重合成成分として含有させることができる。
この化合物(A)としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物、環状アセタール化合物、およびエポキシ化合物とラクトンとの反応生成物であるスピロオルソエステル化合物等を挙げることができる。これら化合物は、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
○エポキシ化合物
化合物(A)におけるエポキシ化合物としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシルレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油;エポキシステアリン酸ブチル;エポキシステアリン酸オクチル;エポキシ化アマニ油;エポキシ化ポリブタジエン等を例示することができる。
○オキセタン化合物
化合物(A)におけるオキセタン化合物としては、分子中に1個以上のオキセタン環を有する化合物であれば特に制限なく使用できる。具体的には、特開平8−85775号公報および特開平8−134405号公報等に記載された各種のオキセタン化合物が挙げられ、これらの中でもオキセタニル基を1個または数個有する化合物が好ましい。このオキセタン化合物としては(カッコ内は商品名又は開発品名、東亞合成製)、3―エチル―3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3―エチル―3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3―エチル―3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3―エチル―3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3―エチル―3−(クロロメチル)オキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(アロンオキセタンOXT−121(XDO))、ジ[2−(3−オキセタニル)ブチル]エーテル(アロンオキセタンOXT−221(DOX))、1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン(HQOX)、1,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン(RSOX)、1,2−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン(CTOX)、4,4’−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル(4,4’−BPOX)、2,2’−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ビフェニル(2,2’−BPOX)、3,3’,5,5’−テトラメチル〔4,4’−ビス(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル(TM−BPOX)、2,7−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ナフタレン(2,7−NpDOX)、1,6−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン(OFH−DOX)、3(4),8(9)−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル〕−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、1,2−ビス[2−{(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}エチルチオ]エタン、4,4’−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メチル]チオジベンゼンチオエーテル、2,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]ノルボルナン(NDMOX)、2−エチル−2−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]−1,3−O−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール(TMPTOX)、2,2−ジメチル−1,3−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール(NPGOX)、2−ブチル−2−エチル−1,3−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、1,4−O−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−ブタン−1,4−ジオール、2,4,6−O−トリス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]シアヌル酸、ビスフェノールAと3−エチル−3−クロロメチルオキセタン(OXCと略す)のエーテル化物(BisAOX)、ビスフェノールFとOXCのエーテル化物(BisFOX)、フェノールノボラックとOXCのエーテル化物(PNOX)、クレゾールノボラックとOXCのエーテル化物(CNOX)、オキセタニルシルセスキオキサン(OX−SQ)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンのシリコンアルコキサイド(OX−SC)等が例示できる。
化合物(A)を本発明のカチオン硬化性組成物に含有しているときの式(1)で表される化合物の添加量は、化合物(A)100重量部に対して0.01〜200重量部の割合で用いることが好ましく、更に0.1〜100重量部が好ましく、1〜50重量部が特に好ましい。
○分子中にラジカル重合性基を有する化合物(B)
本発明のカチオン硬化性組成物には、分子中に少なくとも一個のラジカル重合性基を有する化合物(B)を配合することもできる。このようなものとしては、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドおよびN−メトキシブチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリロイル基を有する化合物;ビニル基を有する化合物;フマル酸モノブチルエステルおよびマレイン酸モノブチルエステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステルおよび無水マレイン酸等が挙げられる。(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。
○(メタ)アクリロイル基を一個有する化合物
(メタ)アクリロイル基を有する化合物のうち、(メタ)アクリロイル基を一個有する化合物としては、例えばN−ビニルピロリドン、並びにテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、並びにフェノールのエチレンオキサイド付加物等のフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート類、並びにノニルフェノールのようなアルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物等のアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート類、並びに2−エチルヘキサノールのエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等の脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート類等が挙げられる。上記のアルキルとは、分岐があっても良い低級アルキル基であり、具体的には、エチルおよびプロピル等のような炭素数1〜6のものである。また、上記のアルキレンとは、分岐があっても良い低級アルキル基であり、具体的には、エチレンおよびプロピレン等のような炭素数1〜6のものである。また、上記のアルキレンオキサイドとは、エチレンおよびプロピレンのような良い低級アルキレンよりなるものである。本発明のカチオン硬化性組成物には、これらの化合物を2種以上併用することもできる。
○(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有する化合物
(メタ)アクリロイル基を有する化合物のうち、アクリロイル基を1分子中に2個以上有する化合物としては、エチレンオキサイド変性ビスフェノールFのジアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM208」)、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAのジアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM210」)、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAのジアクリレート(例えば共栄社化学(株)製「ライトアクリレートBP−4PA」)、エチレンオキサイド変性イソシアヌル酸のジアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM215」)、ポリプロピレングリコールジアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM225」)、ポリエチレングリコールジアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM240」)、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート(例えば共栄社化学(株)製「ライトアクリレートPTMGA−250」)、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM233」)、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(例えば共栄社化学(株)製「ライトアクリレートDCP−A」)、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル(例えば共栄社化学(株)製「ライトアクリレートBA−134」)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート(例えば共栄社化学(株)製「ライトアクリレートHPP−A」)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM305」)、トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM309」)、アルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM310」、「アロニックスM350」)、エチレンオキサイド変性イソシアヌル酸のトリアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM315」)、グリセリントリアクリレート、アルキレンオキサイド変性グリセロールのトリアクリレート(例えば日本化薬(株)製「カヤラッドGPO−303」)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM450」)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM400」)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM458」)、ウレタンアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM1100」、「アロニックスM1200」、「アロニックスM1600」)、ポリエステルアクリレート(例えば東亞合成(株)製「アロニックスM6100」、「アロニックスM7100」)、アルキレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(例えば共栄社化学(株)製「エポキシエステル70PA」)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(例えば昭和高分子(株)製「リポキシVR60」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂のアクリル酸付加物(例えば昭和高分子(株)製「リポキシH600」)、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(例えば昭和高分子(株)製「リポキシSP510」)等がある。これらの化合物は所望により2種類以上用いても良い。
○ビニルエーテル基を有する化合物
このビニル基を有する化合物として、ビニルエーテル基を有する化合物が例示できる。このビニルエーテル基を有する化合物のうち、ビニルエーテル基を1個有する化合物としては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート及びシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。ビニルエーテル基を2個以上有する化合物としては、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル及びノボラック型ジビニルエーテル等が挙げられる。
化合物(B)を本発明のカチオン硬化性組成物に含有しているときの式(1)で表される化合物の添加量は、化合物(B)100重量部に対して0.01〜200重量部の割合で用いることが好ましく、更に0.1〜100重量部が好ましく、1〜50重量部が特に好ましい。
本発明のカチオン硬化性組成物に化合物(A)と化合物(B)とが同時に含有していてもよい。
これら以外に本発明のカチオン硬化性組成物には、カチオン重合を阻害しないものであれば、各種モノマー、オリゴマー、ポリマー等を配合することができる。
○任意成分
本発明のカチオン硬化性組成物には、必要に応じて他の成分を添加配合することができる。
この例として、粉末状の補強剤や充填剤、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩、ケイソウ土粉、塩基性ケイ酸マグネシウム、焼成クレイ、微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ等のケイ素化合物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、その他、カオリン、マイカ、石英粉末、グラファイト、二硫化モリブデン等、さらに繊維質の補強剤や充填剤、たとえばガラス繊維、セラミック繊維、カーボンファイバー、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、ポリエステル繊維およびポリアミド繊維等である。これらは本発明の組成物100重量部に対して、10〜900重量部配合することができる。
本発明のカチオン硬化性組成物には、必要に応じて着色剤、顔料、難燃剤、例えば二酸化チタン、鉄黒、モリブデン赤、紺青、群青、カドミウム黄、カドミウム赤、三酸化アンチモン、赤燐、ブロム化合物およびトリフェニルホスフェイト等を配合することができる。これらは本発明の組成物100重量部に対して、0.1〜20重量部配合することができる。
さらに、成形品等における樹脂の性質を改善する目的で種々の硬化性モノマー、オリゴマーおよび合成樹脂を本発明の組成物に配合することができる。例えば、モノエポキシ等のエポキシ樹脂用希釈剤、フェノール樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等の1種または2種以上の組み合わせを挙げることができる。これら樹脂類の配合割合は、本発明のカチオン硬化性組成物の本来の性質を損なわない範囲の量、すなわち本発明の組成物100重量部に対して、50重量部以下が好ましい。
本発明の組成物および任意成分の配合手段としては、加熱溶融混合、ロール、ニーダーによる溶融混練、適当な有機溶剤を用いての湿式混合および乾式混合等が挙げられる。
本発明の組成物は、熱カチオン重合開始剤を用いた場合は熱により、また、活性エネルギー線カチオン重合開始剤を用いた場合は活性エネルギー線で硬化される。熱カチオン重合の場合は、通常、その熱カチオン重合開始剤がカチオン種やルイス酸の発生を開始する温度以上で行われ、通常50〜200℃にて実施される。
活性エネルギー線により重合を行う場合に用いることのできる光源としては特に限定されるものではないが、波長400nm以下に発光分布を有する、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯およびメタルハライドランプ等を用いることができる。組成物への光照射強度は、目的とする製品毎に制御されるものであって特に限定されるものではないが、光潜在性を有するカチオン重合開始剤の活性化に有効な光波長領域(当該重合開始剤によって異なる)の光照射強度が0.1〜100mW/cm2であることが好ましい。組成物への光照射強度が0.1mW/cm2未満であると、反応時間が長くなり過ぎ、100mW/cm2を超えると、ランプから輻射される熱および組成物の重合時の発熱により、得られる粘着剤層の凝集力の低下や黄変あるいは支持体の劣化が生じる恐れがある。組成物への光照射時間は、目的とする製品毎に制御されるものであって特に限定されるものではないが、前記光波長領域での光照射強度と光照射時間の積として表される積算光量が10〜5,000mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。上記粘着剤組成物への積算光量が10mJ/cm2未満であると、当該開始剤からの活性種の発生が充分でなく、得られる粘着剤層の粘着特性の低下を生じるおそれがあり、5,000mJ/cm2を超えると、照射時間が非常に長時間となり、生産性向上のためには不利なものとなる。また、活性エネルギー線の照射後0.1〜数分後には、ほとんどの組成物はカチオン重合により指触乾燥するが、カチオン重合の反応を促進するために加熱を併用することも場合によっては好ましい。
熱により重合を行う場合は一般的に知られた方法により熱を適応することができ、その条件などは特に限定されるものではない。
本発明の式(1)を含有するカチオン硬化性組成物は、重合時の酸素阻害が小さいことから、少ない活性エネルギー線照射で硬化させることができる。また、熱による重合も同様である。
○組成物の使用方法
本発明の式(1)を配合した組成物の使用方法としては、基材に硬化性組成物を塗布した後、活性エネルギー線を照射する方法等が挙げられる。当該基材としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の成形樹脂加工品(プラスチック)、金属、ガラス、コンクリート、自然の木材および合成木材等の木材、石材並びに紙等が挙げられる。
本発明の式(1)を含有する組成物から得られる硬化物は、耐熱性、難燃性、機械特性に優れている。このことから、塗料およびコーティング材、接着剤、レンズ等に利用できる。
<実施例>
以下に実施例を用いて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。下記に記載の%は、重量%である。
○1,3−ジ[2−(3−オキセタニル)ブトキシ]−2,2−ジメチルプロパン(NPGOX)の合成
温度計、冷却器、攪拌装置及び滴下漏斗を備えた2000mlの四つ口フラスコに、2molのネオペンチルグリコール、8.5molの3−クロロメチル−3−エチルオキセタン、および150.2gのm−キシレンを加え、120℃で攪拌しながら、818.7gの48%水酸化カリウム水溶液(7molに相当)を滴下した。滴下終了後、反応液を約120℃に保ちながら、減圧下系内の水を留去しながら20時間撹拌した。この反応液を室温まで冷却した後、2100gの水を加えて有機層と水層とに分離した。得られた有機層を減圧蒸留(123℃〜125℃、56Pa)により精製し、1,3−ジ[2−(3−オキセタニル)ブトキシ]−2,2−ジメチルプロパン(下記式(5))を無色透明液体として547.6g(収率:91%、純度:99%)得た。
1H−NMR(CDCl3;270MHz)δ(ppm):4.47(4H,d,J=5.8Hz),4.36(4H,d,J=5.8Hz),3.48(4H,s),3.21(4H,s),1.74(4H,q,J=7.4Hz),0.90(6H,s),0.88(6H,t,J=7.4Hz).
Figure 0004760827
○1,3−ジ[2−(3−オキセタニル)ブトキシ]−2−ブチル−2−エチルプロパン(BEPOX)の合成
温度計、冷却器、攪拌装置及び滴下漏斗を備えた2000mlの四つ口フラスコに、2molの2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、7.2molの3−クロロメチル−3−エチルオキセタン、および107.6gのm−キシレンを加え、120℃で攪拌しながら、1026.4gの48%水酸化カリウム水溶液(8.8molに相当)を滴下した。滴下終了後、反応液を約120℃に保ちながら、減圧下系内の水を留去しながら29時間撹拌した。この反応液を室温まで冷却した後、2600gの水を加えて有機層と水層とに分離した。得られた有機層を減圧蒸留(160℃〜169℃、306Pa)により精製し、1,3−ジ[2−(3−オキセタニル)ブトキシ]−2−ブチル−2−エチルプロパン(下記式(6))を無色透明液体として547.6g(収率:21%、純度:99%)得た。
1H−NMR(CDCl3;270MHz)δ(ppm):4.45(4H,d,J=5.6Hz),4.36(4H,d,J=5.6Hz),3.46(4H,s),3.23(4H,s),1.74(4H,q,J=7.4Hz),1.31〜1.21(8H,m),0.91〜0.85(6H,m),0.80(6H,t,J=7.4Hz).
Figure 0004760827
<実施例3〜5>
○塗膜の硬化性
表1に示す成分を常法に従って混合し、カチオン硬化系の紫外線硬化型樹脂組成物を調製した後、各種物性を評価した。表1における略号は、実施例1で合成したNPGOXであり、これ以外は以下の化合物を示す。また、表1の数値は重量部である。
CEL2021P:3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製)。
DOX:ジ[2−(3−オキセタニル)ブチル]エーテル(東亞合成(株)製アロンオキセタンOXT−221)。
UVI−6992:トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(ダウ・ケミカル日本(株)製、光カチオン重合開始剤)。
Figure 0004760827
○塗膜の硬化性
実施例3、実施例4および実施例5の組成物並びに比較例1、比較例2および比較例3の組成物について、硬化雰囲気湿度を変えて硬化性の評価を実施した。
即ち、鋼板に各組成物をバーコーターで厚さ10μmに塗工後、80W/cm集光型高圧水銀ランプ(1灯)、ランプ高さ10cmにて、コンベア型装置を通過させて紫外線照射し、塗膜の様子を手触りでタックがなくなるコンベア速度を測定し、硬化性を比較した。この結果、実施例3、実施例4及び5の組成物は、高湿度条件下、比較例の組成物に比べて硬化性に優れている。
Figure 0004760827
<実施例6〜8>
表3に示す成分を常法に従って混合し、カチオン硬化系の紫外線硬化型樹脂組成物を調製した後、各種物性を評価した。表3における略号は、実施例1で合成したNPGOXおよび実施例2で合成したBEPOXであり、これら以外は以下の化合物を示す。また、表3の数値は重量部である。
UVR−6110:3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダウ・ケミカル日本(株)製)。
DOX:ジ[2−(3−オキセタニル)ブチル]エーテル(東亞合成(株)製アロンオキセタンOXT−221)。
UVI−6992:トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(ダウ・ケミカル日本(株)製、光カチオン重合開始剤)。
Figure 0004760827
○塗膜の硬化性
実施例6、実施例7、実施例8および実施例9の組成物並びに比較例4および比較例5の組成物について、硬化雰囲気湿度を変えて硬化性の評価を実施した。
即ち、鋼板に各組成物をバーコーター(#10)で塗工後、フュージョン社製HバルブにてUV照射し、塗膜の様子を手触りでタックがなくなる時間を測定し、硬化性を比較した。この結果、実施例6、実施例7、実施例8および実施例9の組成物は、高湿度条件下、比較例の組成物に比べて硬化性に優れている。
Figure 0004760827
本発明により、オキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体の製造法を提供することができる。この1,3−プロパンジオール誘導体を含有する組成物から誘導される光硬化性および/または熱硬化性樹脂は、耐熱性、機械特性に優れる上、高湿度条件下での硬化性に優れることから、塗料およびコーティング材、接着剤、レンズ等に利用することができる。

Claims (5)

  1. アルカリの存在下、式(2)で表される1,3−プロパンジオール誘導体と式(3)で表わされるオキセタン化合物とを反応させることを特徴とする式(1)で表されるオキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体の製造法。
    Figure 0004760827
    (式(1)において、R1は炭素数1〜6の分枝を有しても良いアルキル基を示し、R2およびR3は水素原子または炭素数1〜6の分枝を有しても良いアルキル基を示す。)
    Figure 0004760827
    (式(2)において、R1は炭素数1〜6の分枝を有しても良いアルキル基を示し、R2は水素原子または炭素数1〜6の分枝を有しても良いアルキル基を示す。)
    Figure 0004760827
    (式(3)において、R3は水素原子または炭素数1〜6の分枝を有しても良いアルキル基を示す。)
  2. アルカリが水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである請求項1記載のオキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体の製造法。
  3. 式(2)で表される1,3−プロパンジオール誘導体1モルに対して、アルカリを2〜10モル使用する請求項1又は請求項2記載のオキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体の製造法。
  4. 反応で生成する水と共沸する溶媒の存在下に、式(2)で表される1,3−プロパンジオール誘導体と式(3)で表わされるオキセタン化合物とを反応させる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のオキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体の製造法。
  5. 式(2)で表される1,3−プロパンジオール誘導体と式(3)で表わされるオキセタン化合物とを80〜150℃の温度で反応させるオ請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のオキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体の製造法。
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