JP2002193960A - オキセタン環を有するエーテル類の製造方法 - Google Patents
オキセタン環を有するエーテル類の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、高収率で安価に製造できるオ
キセタン環を有するエーテル類の製造方法を提供するこ
とである。 【解決手段】アルカリ存在下、レゾルシンと3−ハロメ
チル−3−アルキルオキセタンを反応させ、オキセタン
環を有するエーテル類を製造する方法において、レゾル
シンと3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンの混合
物中に、アルカリを連続的または非連続的に供給し、か
つ反応系内の水を反応系外へ除去しながら反応させるこ
とを特徴とするオキセタン環を有するエーテル類の製造
方法。
キセタン環を有するエーテル類の製造方法を提供するこ
とである。 【解決手段】アルカリ存在下、レゾルシンと3−ハロメ
チル−3−アルキルオキセタンを反応させ、オキセタン
環を有するエーテル類を製造する方法において、レゾル
シンと3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンの混合
物中に、アルカリを連続的または非連続的に供給し、か
つ反応系内の水を反応系外へ除去しながら反応させるこ
とを特徴とするオキセタン環を有するエーテル類の製造
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レゾルシンと3−
ハロメチル−3−アルキルオキセタンを反応させ、オキ
セタン環を有するエーテル類を製造する方法に関するも
のである。
ハロメチル−3−アルキルオキセタンを反応させ、オキ
セタン環を有するエーテル類を製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】フェノール類と3−ハロメチル−3−ア
ルキルオキセタンを反応させてエーテル類を製造する方
法としては、アルカリ水溶液中、相間移動触媒として第
四級塩基性塩を用いて反応させる方法などが知られてい
る(Pure Appl.Chem.,A30(2&3),pp.189(1993)およ
び特開平6-128185号公報参照)。上記方法によれば、相
間移動触媒を使用するため比較的温和な条件で収率良く
製造できるが、第四級塩基性塩は高濃度のアルカリ水溶
液中で分解し易いという問題があり、また相間移動触媒
は高価であることから、製造コストが高くなるという欠
点がある。
ルキルオキセタンを反応させてエーテル類を製造する方
法としては、アルカリ水溶液中、相間移動触媒として第
四級塩基性塩を用いて反応させる方法などが知られてい
る(Pure Appl.Chem.,A30(2&3),pp.189(1993)およ
び特開平6-128185号公報参照)。上記方法によれば、相
間移動触媒を使用するため比較的温和な条件で収率良く
製造できるが、第四級塩基性塩は高濃度のアルカリ水溶
液中で分解し易いという問題があり、また相間移動触媒
は高価であることから、製造コストが高くなるという欠
点がある。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、レ
ゾルシンと3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンを
原料とするオキセタン環を有するエーテル類の製造方法
において、高収率でかつ安価に製造できる製造方法を提
供することである。
ゾルシンと3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンを
原料とするオキセタン環を有するエーテル類の製造方法
において、高収率でかつ安価に製造できる製造方法を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決する為検討を重ねた結果、レゾルシンと3−ハロ
メチル−3−アルキルオキセタンの混合物中にアルカリ
を供給し、かつ反応系内の水を反応系外に除去しながら
反応させることで、目的とするオキセタン環を有するエ
ーテル類が高収率で得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、アルカリ存在
下、レゾルシンと3−ハロメチル−3−アルキルオキセ
タンを反応させてエーテル類を製造する方法において、
レゾルシンと3−ハロメチル−3−アルキルオキセタン
の混合物中に、アルカリを連続的または非連続的に供給
し、かつ反応系内の水を反応系外へ除去しながら反応さ
せることを特徴とするオキセタン環を有するエーテル類
の製造方法である。
を解決する為検討を重ねた結果、レゾルシンと3−ハロ
メチル−3−アルキルオキセタンの混合物中にアルカリ
を供給し、かつ反応系内の水を反応系外に除去しながら
反応させることで、目的とするオキセタン環を有するエ
ーテル類が高収率で得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、アルカリ存在
下、レゾルシンと3−ハロメチル−3−アルキルオキセ
タンを反応させてエーテル類を製造する方法において、
レゾルシンと3−ハロメチル−3−アルキルオキセタン
の混合物中に、アルカリを連続的または非連続的に供給
し、かつ反応系内の水を反応系外へ除去しながら反応さ
せることを特徴とするオキセタン環を有するエーテル類
の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における3−ハロメチル−
3−アルキルオキセタンは、下記式(1)で表される化
合物である。
3−アルキルオキセタンは、下記式(1)で表される化
合物である。
【0006】
【化1】
【0007】式中、R1は、1〜4個の炭素原子を有する
アルキル基を示し、Xは塩素原子または臭素原子を示
す。
アルキル基を示し、Xは塩素原子または臭素原子を示
す。
【0008】上記3−ハロメチル−3−アルキルオキセ
タンの中でも、R1がエチル基、Xが塩素原子である3
−クロロメチル−3−エチルオキセタンが好ましい。
タンの中でも、R1がエチル基、Xが塩素原子である3
−クロロメチル−3−エチルオキセタンが好ましい。
【0009】本発明におけるアルカリとしては、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩など
が挙げられ、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウ
ムなどが例示される。これらの中でも、反応収率の点か
ら水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましい。
後記するように反応中に反応系内の水分を除去すること
から、使用するアルカリとしては高濃度のもの、例えば
固形のアルカリが好ましい。しかし、アルカリを後添加
しながら反応させるため、固形アルカリの取扱いが難し
い場合には、20〜60質量%の水溶液を用いてもよ
い。
リ金属、アルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩など
が挙げられ、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウ
ムなどが例示される。これらの中でも、反応収率の点か
ら水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましい。
後記するように反応中に反応系内の水分を除去すること
から、使用するアルカリとしては高濃度のもの、例えば
固形のアルカリが好ましい。しかし、アルカリを後添加
しながら反応させるため、固形アルカリの取扱いが難し
い場合には、20〜60質量%の水溶液を用いてもよ
い。
【0010】本発明の製造方法は、レゾルシンと3−ハ
ロメチル−3−アルキルオキセタンの混合物中に、アル
カリを連続的または非連続的に供給し、かつ反応系内の
水を反応系外に除去しながら反応させるものである。使
用する原料の割合は、レゾルシンの水酸基1当量に対し
て、3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンが0.5
〜4当量およびアルカリが0.9〜1.2当量であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは3−ハロメチル−3−
アルキルオキセタンが1〜2当量およびアルカリが1〜
1.1当量である。
ロメチル−3−アルキルオキセタンの混合物中に、アル
カリを連続的または非連続的に供給し、かつ反応系内の
水を反応系外に除去しながら反応させるものである。使
用する原料の割合は、レゾルシンの水酸基1当量に対し
て、3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンが0.5
〜4当量およびアルカリが0.9〜1.2当量であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは3−ハロメチル−3−
アルキルオキセタンが1〜2当量およびアルカリが1〜
1.1当量である。
【0011】レゾルシンの水酸基1当量に対して、3−
ハロメチル−3−アルキルオキセタンが0.5当量未満
では、レゾルシンの十分な転化率が得られず反応収率が
低下する。一方、3−ハロメチル−3−アルキルオキセ
タンが4当量を越えると、3−ハロメチル−3−アルキ
ルオキセタンの十分な転化率が得られず、反応収率が低
下する。また、アルカリの使用量が0.9当量未満で
は、レゾルシンの十分な転化率が得られず反応収率が低
下する。一方、アルカリの使用量が1.2当量を越える
と、3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンの加水分
解物である第一級アルコールや、その第一級アルコール
と3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンがエーテル
化した化合物が生成し、目的とするエーテル類の反応収
率が低下したり、副生成物が多く発生する。
ハロメチル−3−アルキルオキセタンが0.5当量未満
では、レゾルシンの十分な転化率が得られず反応収率が
低下する。一方、3−ハロメチル−3−アルキルオキセ
タンが4当量を越えると、3−ハロメチル−3−アルキ
ルオキセタンの十分な転化率が得られず、反応収率が低
下する。また、アルカリの使用量が0.9当量未満で
は、レゾルシンの十分な転化率が得られず反応収率が低
下する。一方、アルカリの使用量が1.2当量を越える
と、3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンの加水分
解物である第一級アルコールや、その第一級アルコール
と3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンがエーテル
化した化合物が生成し、目的とするエーテル類の反応収
率が低下したり、副生成物が多く発生する。
【0012】反応温度は50〜200℃の範囲であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは90〜150℃であ
る。反応時間は反応温度により適当に設定されるもので
あるが、1〜12時間の範囲で行なうことが好ましい。
反応温度が50℃未満では十分な反応速度が得られない
ため、反応収率が低下し、200℃を越えると3−ハロ
メチル−3−アルキルオキセタンの加水分解生成物であ
る第一級アルコールなどが多く副生し、目的とするエー
テル類の反応収率が低下する。
とが好ましく、さらに好ましくは90〜150℃であ
る。反応時間は反応温度により適当に設定されるもので
あるが、1〜12時間の範囲で行なうことが好ましい。
反応温度が50℃未満では十分な反応速度が得られない
ため、反応収率が低下し、200℃を越えると3−ハロ
メチル−3−アルキルオキセタンの加水分解生成物であ
る第一級アルコールなどが多く副生し、目的とするエー
テル類の反応収率が低下する。
【0013】上記製造方法により、目的とするオキセタ
ン環を有するエーテル類が高収率で得られる理由は、ア
ルカリ濃度が低濃度の状態で反応が行われるため、アル
カリによりレゾルシン1分子中の2個の水酸基が1度に
中和しないためと考えられる。すなわち2個の水酸基と
もアルカリで中和されたレゾルシンの塩は、3−ハロメ
チル−3−アルキルオキセタンに溶解し難くなり、反応
が進行し難くなると推定している。目的とするオキセタ
ン環を有するエーテル類を高収率で得るためには、本発
明の製造方法のように、レゾルシン1分子中の2個の水
酸基の1個をアルカリで中和し、3−ハロメチル−3−
アルキルオキセタンでエーテル化してから、次いで2個
目の水酸基をアルカリで中和し、さらに3−ハロメチル
−3−アルキルオキセタンでエーテル化することが望ま
しいのである。よって、「アルカリを連続的または非連
続的に供給する」とは、レゾルシン1分子中の2個の水
酸基が同時に中和しないように、反応液中のアルカリ濃
度を制御して供給することである。
ン環を有するエーテル類が高収率で得られる理由は、ア
ルカリ濃度が低濃度の状態で反応が行われるため、アル
カリによりレゾルシン1分子中の2個の水酸基が1度に
中和しないためと考えられる。すなわち2個の水酸基と
もアルカリで中和されたレゾルシンの塩は、3−ハロメ
チル−3−アルキルオキセタンに溶解し難くなり、反応
が進行し難くなると推定している。目的とするオキセタ
ン環を有するエーテル類を高収率で得るためには、本発
明の製造方法のように、レゾルシン1分子中の2個の水
酸基の1個をアルカリで中和し、3−ハロメチル−3−
アルキルオキセタンでエーテル化してから、次いで2個
目の水酸基をアルカリで中和し、さらに3−ハロメチル
−3−アルキルオキセタンでエーテル化することが望ま
しいのである。よって、「アルカリを連続的または非連
続的に供給する」とは、レゾルシン1分子中の2個の水
酸基が同時に中和しないように、反応液中のアルカリ濃
度を制御して供給することである。
【0014】本発明における製造方法において、反応系
内の水を反応系外に除去する方法としては特に限定され
ないが、例えば常圧で50℃以上の加熱下、要すれば窒
素や空気等を流しながら蒸発させる方法、反応系内を減
圧にして蒸発させる方法、水と共沸し得る溶媒、例えば
トルエンやキシレンを用いて共沸により除去する方法ま
たはこれらの併用による方法等が可能である。なお、水
の留去の際、原料の一部が水と共に留去することもある
が、この場合は脱水管等を用いて原料等は反応系内に戻
すことができる。
内の水を反応系外に除去する方法としては特に限定され
ないが、例えば常圧で50℃以上の加熱下、要すれば窒
素や空気等を流しながら蒸発させる方法、反応系内を減
圧にして蒸発させる方法、水と共沸し得る溶媒、例えば
トルエンやキシレンを用いて共沸により除去する方法ま
たはこれらの併用による方法等が可能である。なお、水
の留去の際、原料の一部が水と共に留去することもある
が、この場合は脱水管等を用いて原料等は反応系内に戻
すことができる。
【0015】なお、反応系内の水としてはアルカリ中に
含有される水、レゾルシンとアルカリの反応によって生
じる水があり、これらの水を系外に除去する効果として
は、アルカリ濃度が上昇すること、エーテル化反応が促
進すること、そして3−ハロメチル−3−アルキルオキ
セタンの加水分解を低減できると考えられる。
含有される水、レゾルシンとアルカリの反応によって生
じる水があり、これらの水を系外に除去する効果として
は、アルカリ濃度が上昇すること、エーテル化反応が促
進すること、そして3−ハロメチル−3−アルキルオキ
セタンの加水分解を低減できると考えられる。
【0016】その他の反応操作等は通常の有機合成反応
で行われている方法が適用される。例えば、得られた反
応混合物の分離、精製の方法としては、ろ過により塩と
有機物に分離する方法、水を加えて塩を溶解した後、有
機相と水相を分離する方法などが挙げられる。さらに、
減圧蒸留などにより有機溶剤、過剰に用いた3−ハロメ
チル−3−アルキルオキセタンおよび未反応のレゾルシ
ン等を留去することにより、目的とする高純度のエーテ
ル類が製造できる。さらに、必要により活性炭、珪藻
土、シリカ、アルミナなどで処理した後、ろ過すること
により、より高純度なエーテル化合物を得ることが出来
る。
で行われている方法が適用される。例えば、得られた反
応混合物の分離、精製の方法としては、ろ過により塩と
有機物に分離する方法、水を加えて塩を溶解した後、有
機相と水相を分離する方法などが挙げられる。さらに、
減圧蒸留などにより有機溶剤、過剰に用いた3−ハロメ
チル−3−アルキルオキセタンおよび未反応のレゾルシ
ン等を留去することにより、目的とする高純度のエーテ
ル類が製造できる。さらに、必要により活性炭、珪藻
土、シリカ、アルミナなどで処理した後、ろ過すること
により、より高純度なエーテル化合物を得ることが出来
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1 攪拌機、滴下ロート、温度計、分水管およびコンデンサ
ーを取り付けたガラス製の500ml丸底フラスコに、レゾ
ルシンを38.5g(0.35mol)、3-クロロメチル-3-エチル
オキセタン(以下OXCと略す)を188.4g(1.4mol)仕込
み、攪拌しながら内温が120℃になるように加温し、反
応系中の圧力が150mmHgになるように減圧した。設定温
度に達した後、48質量%KOH水溶液を85.9g(KOHとして
0.735mol)を7時間かけて滴下した。KOH水溶液の滴下開
始後、OXCと共沸させることで水を留去しながら10時
間反応した。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ
戻した。反応終了までに留出した水は52.7gであった。
反応終了後、200.0gの蒸留水を添加し、固形物を溶解し
た。有機相と水相を分離し、197.4gの有機相と244.8gの
水相を得た。有機相をGCにより分析した結果、レゾルシ
ン型オキセタン(以下RSOXと略す):49.8wt%、OXC:4
0.5wt%、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン(以
下OXAと略す):0.3wt%、ジ(1−エチル(3−オキセ
タニル))メチルエーテル(以下DOXと略す):1.3wt
%、含水率:4.2wt.%であった。この分析結果をもとに
計算すると、レゾルシンを基準としたRSOX反応収率は9
1.7%、レゾルシンを基準としたRSOX選択率は96.0%と
なる。なお、RSOX反応収率、RSOX選択率の定義を以下に
示す。 RSOX反応収率 =[RSOX生成量(mol)]÷〔レゾルシンの
仕込量(mol)〕×100 RSOX選択率 =[RSOX生成量(mol)]÷〔レゾルシンの反
応量(mol)〕×100
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1 攪拌機、滴下ロート、温度計、分水管およびコンデンサ
ーを取り付けたガラス製の500ml丸底フラスコに、レゾ
ルシンを38.5g(0.35mol)、3-クロロメチル-3-エチル
オキセタン(以下OXCと略す)を188.4g(1.4mol)仕込
み、攪拌しながら内温が120℃になるように加温し、反
応系中の圧力が150mmHgになるように減圧した。設定温
度に達した後、48質量%KOH水溶液を85.9g(KOHとして
0.735mol)を7時間かけて滴下した。KOH水溶液の滴下開
始後、OXCと共沸させることで水を留去しながら10時
間反応した。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ
戻した。反応終了までに留出した水は52.7gであった。
反応終了後、200.0gの蒸留水を添加し、固形物を溶解し
た。有機相と水相を分離し、197.4gの有機相と244.8gの
水相を得た。有機相をGCにより分析した結果、レゾルシ
ン型オキセタン(以下RSOXと略す):49.8wt%、OXC:4
0.5wt%、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン(以
下OXAと略す):0.3wt%、ジ(1−エチル(3−オキセ
タニル))メチルエーテル(以下DOXと略す):1.3wt
%、含水率:4.2wt.%であった。この分析結果をもとに
計算すると、レゾルシンを基準としたRSOX反応収率は9
1.7%、レゾルシンを基準としたRSOX選択率は96.0%と
なる。なお、RSOX反応収率、RSOX選択率の定義を以下に
示す。 RSOX反応収率 =[RSOX生成量(mol)]÷〔レゾルシンの
仕込量(mol)〕×100 RSOX選択率 =[RSOX生成量(mol)]÷〔レゾルシンの反
応量(mol)〕×100
【0018】実施例2 攪拌機、滴下ロート、温度計、分水管およびコンデンサ
ーを取り付けたガラス製の500ml丸底フラスコに、レゾ
ルシンを38.5g(0.35mol)、OXCを188.4g(1.4mol)、95
%KOHフレークを20.7g(0.35mol)仕込み、攪拌しなが
ら内温が120℃になるように加温し、反応系中の圧力が1
50mmHgになるように減圧した。設定温度に達した後、水
をOXCと共沸させ、水を留去しながら3時間反応させ
た。その後、48質量%KOH水溶液を45.0g(KOHとして0.3
85mol)を4時間かけて滴下した。設定温度に達してか
ら、水をOXCと共沸させ、水を留去しながら10時間反
応させた。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ戻
した。反応終了までに留出した水は31.0gであった。反
応終了後、150.0gの蒸留水を添加し、固形物を溶解し
た。有機相と水相を分離し、175.2gの有機相と203.5gの
水相を得た。有機相をGCにより分析した結果、RSOX:5
1.2wt%、OXC:36.1wt%、OXA:0.4wt%、DOX:0.2wt
%、含水率:1.7wt.%であった。この分析結果をもとに
計算すると、レゾルシンを基準としたRSOX反応収率は8
3.6%、レゾルシンを基準としたRSOX選択率は91.7%と
なる。
ーを取り付けたガラス製の500ml丸底フラスコに、レゾ
ルシンを38.5g(0.35mol)、OXCを188.4g(1.4mol)、95
%KOHフレークを20.7g(0.35mol)仕込み、攪拌しなが
ら内温が120℃になるように加温し、反応系中の圧力が1
50mmHgになるように減圧した。設定温度に達した後、水
をOXCと共沸させ、水を留去しながら3時間反応させ
た。その後、48質量%KOH水溶液を45.0g(KOHとして0.3
85mol)を4時間かけて滴下した。設定温度に達してか
ら、水をOXCと共沸させ、水を留去しながら10時間反
応させた。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ戻
した。反応終了までに留出した水は31.0gであった。反
応終了後、150.0gの蒸留水を添加し、固形物を溶解し
た。有機相と水相を分離し、175.2gの有機相と203.5gの
水相を得た。有機相をGCにより分析した結果、RSOX:5
1.2wt%、OXC:36.1wt%、OXA:0.4wt%、DOX:0.2wt
%、含水率:1.7wt.%であった。この分析結果をもとに
計算すると、レゾルシンを基準としたRSOX反応収率は8
3.6%、レゾルシンを基準としたRSOX選択率は91.7%と
なる。
【0019】比較例1(レゾルシン、OXCおよびKOHを一
括仕込み) 攪拌機、滴下ロート、温度計、分水管およびコンデンサ
ーを取り付けたガラス製の500ml丸底フラスコに、レゾ
ルシンを38.5g(0.35mol)、OXCを188.4g(1.4mol)、48
質量%KOH水溶液を85.92g(0.735mol)仕込み、攪拌し
ながら、内温が120℃になるように加温し、反応系中の
圧力が150mmHgになるように減圧した。設定温度に達し
た後、水をOXCと共沸させ、水を留去しながら8時間反
応した。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ戻し
た。反応終了までに留出した水は55.4gであった。反応
終了後、200.0gの蒸留水を添加し、固形物を溶解した。
有機相と水相を分離し、170.7gの有機相と256.9gの水相
を得た。有機相をGCにより分析した結果、RSOX:5.6wt
%、OXC:76.6wt%、OXA:0.2wt%、DOX:1.0wt%、含
水率:2.3wt.%であった。この分析結果をもとに計算す
ると、レゾルシンを基準としたRSOX反応収率は8.9%、
レゾルシンを基準としたRSOX選択率は57.8%となる。
括仕込み) 攪拌機、滴下ロート、温度計、分水管およびコンデンサ
ーを取り付けたガラス製の500ml丸底フラスコに、レゾ
ルシンを38.5g(0.35mol)、OXCを188.4g(1.4mol)、48
質量%KOH水溶液を85.92g(0.735mol)仕込み、攪拌し
ながら、内温が120℃になるように加温し、反応系中の
圧力が150mmHgになるように減圧した。設定温度に達し
た後、水をOXCと共沸させ、水を留去しながら8時間反
応した。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ戻し
た。反応終了までに留出した水は55.4gであった。反応
終了後、200.0gの蒸留水を添加し、固形物を溶解した。
有機相と水相を分離し、170.7gの有機相と256.9gの水相
を得た。有機相をGCにより分析した結果、RSOX:5.6wt
%、OXC:76.6wt%、OXA:0.2wt%、DOX:1.0wt%、含
水率:2.3wt.%であった。この分析結果をもとに計算す
ると、レゾルシンを基準としたRSOX反応収率は8.9%、
レゾルシンを基準としたRSOX選択率は57.8%となる。
【0020】
【発明の効果】本発明の製造方法は、レゾルシンと3−
ハロメチル−3−アルキルオキセタンを原料とし、相関
移動触媒を利用せずに高収率でオキセタン環を有するエ
ーテル類を製造する方法であり、経済面でも極めて有利
な製造方法である。
ハロメチル−3−アルキルオキセタンを原料とし、相関
移動触媒を利用せずに高収率でオキセタン環を有するエ
ーテル類を製造する方法であり、経済面でも極めて有利
な製造方法である。
Claims (3)
- 【請求項1】アルカリ存在下、レゾルシンと3−ハロメ
チル−3−アルキルオキセタンを反応させ、オキセタン
環を有するエーテル類を製造する方法において、レゾル
シンと3−ハロメチル−3−アルキルオキセタンの混合
物中に、アルカリを連続的または非連続的に供給し、か
つ反応系内の水を反応系外へ除去しながら反応させるこ
とを特徴とするオキセタン環を有するエーテル類の製造
方法。 - 【請求項2】3−ハロメチル−3−アルキルオキセタン
が3−クロロメチル−3−エチルオキセタンである請求
項1記載のオキセタン環を有するエーテル類の製造方
法。 - 【請求項3】アルカリが水酸化ナトリウムまたは水酸化
カリウムである請求項1または請求項2記載のオキセタ
ン環を有するエーテル類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000389925A JP2002193960A (ja) | 2000-12-22 | 2000-12-22 | オキセタン環を有するエーテル類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000389925A JP2002193960A (ja) | 2000-12-22 | 2000-12-22 | オキセタン環を有するエーテル類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002193960A true JP2002193960A (ja) | 2002-07-10 |
Family
ID=18856378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000389925A Pending JP2002193960A (ja) | 2000-12-22 | 2000-12-22 | オキセタン環を有するエーテル類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002193960A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006104167A1 (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-05 | Toagosei Co., Ltd. | オキセタン環を有する1,3-プロパンジオール誘導体 |
-
2000
- 2000-12-22 JP JP2000389925A patent/JP2002193960A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006104167A1 (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-05 | Toagosei Co., Ltd. | オキセタン環を有する1,3-プロパンジオール誘導体 |
JPWO2006104167A1 (ja) * | 2005-03-28 | 2008-09-11 | 東亞合成株式会社 | オキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体 |
JP4760827B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2011-08-31 | 東亞合成株式会社 | オキセタン環を有する1,3−プロパンジオール誘導体 |
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