JP2928856B2 - ビス(4―アリルオキシ―3,5―ジブロモフェニル)スルホンの製造を行う方法 - Google Patents

ビス(4―アリルオキシ―3,5―ジブロモフェニル)スルホンの製造を行う方法

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JP2928856B2 JP2144494A JP14449490A JP2928856B2 JP 2928856 B2 JP2928856 B2 JP 2928856B2 JP 2144494 A JP2144494 A JP 2144494A JP 14449490 A JP14449490 A JP 14449490A JP 2928856 B2 JP2928856 B2 JP 2928856B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモ
フェニル)スルホン(以下、TBS−BAと略記する)を工
業的に高収率かつ高純度で得るための製造法に関するも
のである。
TBS−BAは、ポリオレフィン樹脂等の難燃剤及び難燃
剤の中間体として有用なものであり、特にアリル基を臭
素化して得られるビス[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジ
ブロモプロポキシ)フェニル]スルホン(以下、TBS−B
Pと略記する)は、ポリプロピレン等の難燃剤として極
めて有用であることが特公昭50−35103号公報、特公昭5
0−23693号公報などに述べられている。
〔従来の技術〕
従来、アリルクロライドをアリル化剤に用いてTBS−B
Aを製造した場合、臭化物又はよう化物等の触媒を添加
しなければエーテル化速度は非常に遅く、TBS−BAは殆
ど生成しないことが知られている(特公昭63−39585号
公報)。
この製造法は、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロ
モフェニル)スルホン(以下、TBSと略記する)を、ア
ルカリと共にアルコール、水等の溶媒中に溶解し、つい
で臭化物又はよう化物等の触媒を添加し、そして、アリ
ルクロライドを一括して加えた後、加熱還流させてTBS
−BAを生成させる方法である。
しかしながら、この方法では高価な臭化物又はよう化
物等の触媒を比較的多量に使用するため、経済性に於い
て工業規模の製造プロセスとしては、必ずしも未だ満足
出来るものでは無かった。
そこで、本発明者らは、触媒を添加しない系での反応
速度の向上方法につき検討を行った。その結果、水に可
溶な特定の有機溶剤を一定の濃度範囲で混合した均一水
溶液で反応を行い、さらに反応後、反応液中に含まれる
反応中間体の4−アリルオキシ−4′−ヒドロキシ−3,
3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスルホン(以下、T
BS−MAと略記する)を結晶で分離回収し反応系中にリサ
イクルすると、著しい反応加速が見られ、副反応が抑制
されてTBS−BAの収率が向上することを見出だし、先に
特許出願した(特願平1−228340号)。
しかし、該方法では反応液を濾過し、TBS−BAの結晶
を分離した後の濾液に、一旦酸を加えて、溶解している
TBS−MAを晶析させ、再度濾過を行って、得られたTBS−
MAの結晶を反応に循環させる操作が必要であった。その
ため、該方法は工業規模の製造法としては未だ繁雑さを
要するものであった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、繁雑な単位操作を簡略化し、高収率
かつ高純度にTBS−BAを製造する工業的な方法を提出す
ることである。
〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、従来技術に於いてこの様な繁雑な操作
を要すTBA−MAの分離及び反応系への循環方法を改善す
べく鋭意検討を行った。その結果、TBSとアリルクロラ
イドの反応終了後、反応液中の有機溶剤を蒸留により留
去して有機溶剤濃度を15容量%以下にし、ハロゲン炭化
水素溶媒を添加すると、有機相、中間相、水相の三相を
形成することを見出だした。各相を分析すると、有機相
にはTBS−BAのみが選択的に抽出されており、中間相に
は、主に反応中間体であるTBS−MAが有機溶剤,ハロゲ
ン化炭化水素溶媒と水を含んで存在し、また、水相には
目的物であるTBS−BA並びに中間体であるTBS−MAは殆ど
溶解しておらず、無機金属塩のみを溶解していることを
見出だした。
そこで、TBS−MAを含有する中間相を分離回収し、こ
れを次回の反応に循環して再反応し、以下この操作を反
復継続すれば、従来の方法で行っていたTBS−MAを結晶
で得るための晶析及び濾過分離工程を経ることなくTBS
−MAの循環が可能となり、さらに得られたTBS−BAは高
収率かつ高純度となる極めて簡略化した製造プロセスを
見出だし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、TBSを、アルカリの存在
下、水に可溶な有機溶剤を混合した均一水溶液中でアリ
ルクロライドによりアリルエーテル化し、TBS−BAを製
造する方法に於いて、 (A) 反応後、得られるスラリー溶液を蒸留し反応液
中の有機溶剤濃度を15容量%以下にする工程: (B) (A)工程で得られたスラリー溶液に、ハロゲ
ン化炭化水素溶媒を添加しTBS−BAを選択的に抽出した
有機相、反応中間体であるTBS−MAを主体とする成分で
構成された中間相及び水相の三相を形成させ、各分液す
る工程:及び (C) (B)工程で得られたTBS−MAを主体とする成
分で構成された中間相をアリルエーテル化反応へ循環さ
せる工程: からなることを特徴とするTBS−BAの製造を行う方法に
ある。
以下、その詳細について説明する。
〔作用〕
TBSをアルカリの存在下、アリルクロライドを用いて
アリルエーテル化する。
本工程は、次の反応式を用いて説明することができ
る。
本発明の方法に於いて使用されるアリルクロライドの
使用量は、TBS1モルに対して2モル以上であり、好まし
くは2.0〜3.0モルである。3.0モル以上加えても収率の
向上は認められない。
本発明の方法に於いて使用される反応溶媒としては、
水に可溶な有機溶剤を25〜60容量%の濃度範囲で混合し
た均一水溶液を用いる。水に可溶な有機溶剤とは、炭素
数1〜3の1価低級アルコール類、炭素数2〜5のエー
テル類であり、具体的には、例えばメタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、ジオキサ
ン、THF、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等であ
る。これらの中でも、水−イソプロパノール及び水−ジ
オキサン混合溶媒系は反応性の高さ等により、特に好ま
しいものである。
これら反応溶媒中のTBSの基質濃度については、格別
の限定はないが、通常、約15〜35重量%程度のものを用
いる。
本発明の方法に於いて使用されるアルカリとしては、
アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩であり、
例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
リウム等を挙げる事が出来る。
このアルカリの使用量については、TBS1モルに対して
2モル以上であり、好ましくは2.0〜3.0モルであるのが
良く、3.0モル以上加えても収率の格別の向上は認めら
れない。
尚、アルカリの使用量がTBS1モルに対して2.2モル以
下の場合、反応の途中にTBS及びTBS−MAが析出しやすく
なるため、反応の途中にアルカリを若干追加することが
必要である。
また、反応後の反応液は後の抽出工程を考慮して、ア
ルカリ性の状態を保つことが必要であり、特にpH10〜14
の範囲に保つことが好ましい。
反応は、通常、常圧下もしくは加圧下において室温か
ら150℃の範囲で行われる。常圧下での反応では、反応
速度を高めるために反応液の還流温度で実施することが
望ましい。反応時間は、反応温度にも依存し、一概には
決められないが、通常、1時間から30時間である。
(A)工程 上記アリル化反応後、得られるTBS−BAのスラリー溶
液を蒸留し反応液中の有機溶剤濃度を15容量%以下にす
る。尚、有機溶剤濃度は好ましくは10〜5容量%にする
のが良く、15容量%以上の場合では、次のハロゲン化炭
化水素溶媒抽出の際に、TBS−MAのアルカリ金属塩が有
機相側に分配し三相系を形成しない。
また、有機溶剤を留去する際に、スラリー濃度が高く
ならない様に水を添加しながら蒸留を行っても良い。蒸
留後のスラリー濃度としては、良好に攪拌状態を保つた
めにも、約15〜35重量%程度が好ましい。尚、蒸留は、
常圧下、減圧下いずれでも実施出来る。
(B)工程 前記(A)工程で得られたスラリー溶液に、ハロゲン
化炭化水素溶媒を添加しTBS−BAを選択的に抽出した有
機相、反応中間体であるTBS−MAを主体とする成分で構
成された中間相及び水相の三相を形成させ、各分液す
る。
本工程に於いて使用するTBS−BAの抽出溶媒は、次のT
BS−BPの製造を考慮した場合、臭素化反応に適したハロ
ゲン化炭化水素溶媒が選ばれる。例えば塩化メチレン、
クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロ
ロエタン、クロロベンゼン等が挙げられる。
この溶媒の使用量については、溶媒の種類、抽出条件
等による分配係数を考慮して決定するが、通常、TBS−B
Aの基質濃度が約5〜25重量%程度になるように必要量
を加える。
この得られたTBS−BAを含む有機相は精製工程等を必
要としないで次のTBS−BPの製造を行うことができる。
また、中間相は主成分としてTBS−MAを含んでおり、
他には未抽出分のTBS−BA及び溶媒としてハロゲン化炭
化水素溶媒を約30〜70重量%、有機溶剤を約0〜10重量
%そして水を約30〜70重量%の濃度範囲で含有してい
る。
尚、水相中には目的物であるTBS−BA及びTBS−MAは殆
ど溶解しておらず、無機金属塩のみを溶解している。
(C)工程 前記(B)工程で得られたTBS−MAを主体とする成分
で構成された中間相を再反応させるためにアリルエーテ
ル化反応に循環させる。具体的にはTBSを仕込む際に
(B)工程で得たTBS−MAを主体とする成分を抽出した
中間相をそのまま仕込み、さらにアルカリ、反応溶媒及
びアリルクロライドを加えた後、再反応を行う。反応条
件、反応操作は前述の方法に準じて行う。
尚、常圧下で反応を行う場合、中間相に含まれるハロ
ゲン化炭化水素溶媒、特に塩化メチレン等の沸点の低い
溶媒等は、反応温度を高く出来ないためアリルクロライ
ドを添加する前に蒸留等により除去することが必要であ
る。
〔発明の効果〕
以上の説明から明かな様に本発明によれば、反応中間
体であるTBS−MAを溶液状態で分離回収及び循環が出来
るため、従来の方法に比べてTBS−MAの晶析及び濾過分
離工程の簡略化が可能となる。さらに、得られたTBS−B
Aは従来法に比べ高収率かつ高純度となるため、本方法
は工業的にも有利にTBS−BAを製造出来る極めて有用な
技術を示すものである。
〔実施例〕
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1) (アリル化反応) 温度計、攪拌翼及び冷却管を有する容量1000mlの四ツ
口フラスコに、イソプロパノール174ml、水260ml、NaOH
16.8g(420mmol)を仕込み、更にTBS113.2g(200mmol)
を加えて溶解した。
次に、アリルクロライド38.3g(500mmol)を一括して
加え、還流温度まで加熱昇温を行い、15時間反応した。
尚、反応開始して8時間目にNaOH3.2g(80mmol)を追
加した。
(A)工程 アリル化反応で得られたスラリー溶液中のイソプロパ
ノールを水200gを滴下しながら水との共沸温度81〜88℃
に於いて蒸留除去した。尚、この時同時に未反応アリル
クロライドも蒸留除去した。
蒸留除去後、反応液のpHを測定した結果、pH11.7であ
った。また、反応液中のイソプロパノール濃度をガスク
ロマトグラフィーにより分析した結果、9.1容量%であ
った。
(B)工程 (A)工程で得られたスラリー溶液に、室温下、塩化
メチレン480gを添加し、10分間攪拌分液して有機相539
g,中間相82g、水相484gを得た。各相について液体クロ
マトグラフィーによる分析を行った結果、有機相にはTB
S−BAのみ98.6g、中間相にはTBS−BA5.9g及びTBS−MAの
Na塩18.5gが溶解しており、水相にはTBS−BA及びTBS−M
AのNa塩共に殆ど溶解していなかった。さらに、中間相
に含まれる溶媒の組成について、ガスクロマトグラフィ
ーにより分析した結果、塩化メチレン45重量%,イソプ
ロパノール5重量%,水45重量%であった。尚、TBS−B
Aの収率は有機相中のみで76.4%,三相合計で81.0%で
あった。また、原料のTBSは三相共に残存しておらず、T
BSの転化率は100%であった。
(C)工程 (B)工程で得られたTBS−MAのNa塩を含む中間相をT
BS113.2g(200mmol)と共に四ツ口フラスコに仕込み、
さらにイソプロパノール174ml、水260ml、NaOH16.8g(4
20mmol)を仕込んで攪拌しアリル化反応に循環した。
尚、中間相中には少量の塩化メチレンを含んでいたので
蒸留により取り除いた。
次に、アリルクロライド38.3g(500mmol)を一括して
加え、還流温度まで加熱昇温を行い、15時間反応した。
尚、反応開始して8時間目にNaOH3.2g(80mmol)を追
加した。
以下同様に、(A),(B)及び(C)工程を第1回
目に準じて行い、さらにこの一連の操作を合計5回繰り
返した。
各回におけるTBS転化率、TBS−BAの収率を表1〜2に
示した。
(実施例2) (アリル化反応) 温度計、攪拌翼及び冷却管を有する容量1000mlの四ツ
口フラスコに、イソプロパノール174ml、水260ml、NaOH
16.8g(420mmol)を仕込み、更にTBS113.2g(200mmol)
を加えて溶解した。
次に、アリルクロライド38.3g(500mmol)を一括して
加え、還流温度まで加熱昇温を行い、15時間反応した。
尚、反応開始して8時間目にNaOH3.2g(80mmol)を追
加した。
(A)工程 アリル化反応で得られたスラリー溶液中のイソプロパ
ノールを水180gを滴下しながら水との共沸温度79〜89℃
に於いて蒸留除去した。尚、この時同時に未反応アリル
クロライドも蒸留除去した。
蒸留除去後、反応液のpHを測定した結果、pH11.6であ
った。また、反応液中のイソプロパノール濃度をガスク
ロマトグラフィーにより分析した結果、13.2容量%であ
った。
(B)工程 (A)工程で得られたスラリー溶液に、室温下、塩化
メチレン480gを添加し、10分間攪拌分液して有機相543
g,中間相86g、水相490gを得た。各相について液体クロ
マトグラフィーによる分析を行った結果、有機相にはTB
S−BAのみ99.0g、中間相にはTBS−BA5.6g及びTBS−MAの
Na塩18.2gが溶解しており、水相にはTBS−BA及びTBS−M
AのNa塩共に殆ど溶解していなかった。さらに、中間相
に含まれる溶媒の組成について、ガスクロマトグラフィ
ーにより分析した結果、塩化メチレン40重量%,イソプ
ロパノール7重量%,水53重量%であった。尚、TBS−B
Aの収率は有機相中のみで76.6%,三相合計で81.0%で
あった。また、原料のTBSは三相共に残存しておらず、T
BSの転化率は100%であった。
(実施例3) (アリル化反応) 温度計、攪拌翼及び冷却管を有する容量1000mlの四ツ
口フラスコに、イソプロパノール174ml、水260ml、NaOH
16.8g(420mmol)を仕込み、更にTBS113.2g(200mmol)
を加えて溶解した。
次に、アリルクロライド38.3g(500mmol)を一括して
加え、還流温度まで加熱昇温を行い、15時間反応した。
尚、反応開始して8時間目にNaOH3.2g(80mmol)を追
加した。
(A)工程 アリル化反応で得られたスラリー溶液中のイソプロパ
ノールを水230gを滴下しながら水との共沸温度81〜90℃
に於いて蒸留除去した。尚、この時同時に未反応アリル
クロライドも蒸留除去した。
蒸留除去後、反応液のpHを測定した結果、pH11.9であ
った。また、反応液中のイソプロパノール濃度をガスク
ロマトグラフィーにより分析した結果、0.6容量%であ
った。
(B)工程 (A)工程で得られたスラリー溶液に、室温下、塩化
メチレン480gを添加し、10分間攪拌分液して有機相548
g,中間相80g、水相493gを得た。各相について液体クロ
マトグラフィーによる分析を行った結果、有機相にはTB
S−BAのみ98.0g、中間相にはTBS−BA5.3g及びTBS−MAの
Na塩19.1gが溶解しており、水相にはTBS−BA及びTBS−M
AのNa塩共に殆ど溶解していなかった。さらに、中間相
に含まれる溶媒の組成について、ガスクロマトグラフィ
ーにより分析した結果、塩化メチレン55重量%,イソプ
ロパノール1.0重量%,水44重量%であった。尚、TBS−
BAの収率は有機相中のみで75.9%,三相合計で80.0%で
あった。また、原料のTBSは三相共に残存しておらず、T
BSの転化率は100%であった。
(比較例1) (アリル化反応) 温度計、攪拌翼及び冷却管を有する容量1000mlの四ツ
口フラスコに、イソプロパノール174ml、水260ml、NaOH
16.8g(420mmol)を仕込み、更にTBS113.2g(200mmol)
を加えて溶解した。
次に、アリルクロライド38.3g(500mmol)を一括して
加え、還流温度まで加熱昇温を行い、15時間反応した。
尚、反応開始して8時間目にNaOH3.2g(80mmol)を追
加した。
(a)工程 アリル化反応で得られたスラリー溶液を吸引濾過し、
結晶と濾液に分離した。得られた結晶を水洗した後、乾
燥させて白色針状結晶のTBS−BA99.0gを得た。
この単離されたTBS−BAの結晶及び濾液について、液
体クロマトグラフィーによる分析を行った結果、TBS転
化率100%、TBS−BAの単離結晶収率76.7%であった。
尚、濾液中には反応中間体であるTBS−MA19.3gが溶解
しており、目的物であるTBS−BAは全く溶解していなか
った。
(b)工程 (a)工程で得られた濾液に、室温攪拌下、15%HCl
水溶液を滴下し、TBS−MAの結晶を晶析させた。この
時、濾液中のpHは約2で合った。次に、得られたスラリ
ー溶液を吸引濾過し、水洗した後、TBS−MAの湿結晶67.
5gを得た。
この得られたTBS−MAの湿結晶を分析した結果、TBS−
MAは19.4g含有しており、残りは水48.2gのみであった。
(c)工程 (b)工程で得られたTBS−MAの湿結晶を、TBS13.2g
(200mmol)と共に四ツ口フラスコに仕込み、さらにイ
ソプロパノール174ml、水212ml、NaOH19.5g(487mmol)
を仕込んで攪拌しにアリル化反応に循環した。
次に、アリルクロライド38.3g(500mmol)を一括して
加え、還流温度まで加熱昇温を行い、15時間反応した。
尚、反応開始して8時間目にNaOH3.7g(93mmol)を追
加した。
以下同様に、(a),(b)及び(c)工程を第1回
目に準じて行い、さらにこの一連の操作を合計4回繰り
返した。
各回におけるTBS転化率、TBS−BAの収率を表3に示し
た。
(比較例2) (アリル化反応) 温度計、攪拌翼及び冷却管を有する容量1000mlの四ツ
口フラスコに、イソプロパノール174ml、水260ml、NaOH
16.8g(420mmol)を仕込み、更にTBS113.2g(200mmol)
を加えて溶解した。
次に、アリルクロライド38.3g(500mmol)を一括して
加え、還流温度まで加熱昇温を行い、15時間反応した。
尚、反応開始して8時間目にNaOH3.2g(80mmol)を追
加した。
(A)工程 アリル化反応で得られたスラリー溶液に、室温下、塩
化メチレン480gを添加し、10分間攪拌した結果、抽出後
の溶液は二相にしか分離しなかった。分液後、得られた
有機相730gについて液体クロマトグラフィーによる分析
を行った結果、TBS−BAを96.9g、反応中間体であるTBS
−MAのNa塩を23.1g含んでいた。尚、TBS−BAの収率は、
75.0%に相当する。
さらに、水相について、液体クロマトグラフィーによ
る分析を行った結果、TBS−MAのNa塩を0.3g、未抽出のT
BS−BA0.1gが溶解していた。また、原料のTBSは有機相
及び水相共に残存しておらず、TBS転化率は100%であっ
た。
(比較例3) (アリル化反応) 温度計、攪拌翼及び冷却管を有する容量1000mlの四ツ
口フラスコに、イソプロパノール174ml、水260ml、NaOH
16.8g(420mmol)を仕込み、更にTBS113.2g(200mmol)
を加えて溶解した。
次に、アリルクロライド38.3g(500mmol)を一括して
加え、還流温度まで加熱昇温を行い、15時間反応した。
尚、反応開始して8時間目にNaOH3.2g(80mmol)を追
加した。
(A)工程 アリル化反応で得られたスラリー溶液中のイソプロパ
ノールを水150gを滴下しながら水との共沸温度80〜90℃
に於いて蒸留除去した。尚、この時同時に未反応アリル
クロライドも蒸留除去した。
蒸留除去後、反応液のpHを測定した結果、pH11.4であ
った。また、反応液中のイソプロパノール濃度をガスク
ロマトグラフィーにより分析した結果、16.1容量%であ
った。
(B)工程 (A)工程で得られたスラリー溶液に、室温下、塩化
メチレン480gを添加し、10分間攪拌した結果、抽出後の
溶液は二相にしか分離しなかった。分液後、得られた有
機相636gについて液体クロマトグラフィーによる分析を
行った結果、TBS−BAを102.0g、反応中間体であるTBS−
MAのNa塩を23.0g含んでいた。尚、TBS−BAの収率は、7
9.0%に相当する。
さらに、水相について、液体クロマトグラフィーによ
る分析を行った結果、TBS−MAのNa塩を0.3g、未抽出のT
BS−BA0.1gが溶解していた。また、原料のTBSは有機相
及び水相共に残存しておらず、TBS転化率は100%であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 317/00 C07C 315/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフ
    ェニル)スルホンを、アルカリの存在下、水に可溶な有
    機溶剤を混合した均一水溶液中でアリルクロライドによ
    りアリルエーテル化し、ビス(4−アリルオキシ−3,5
    −ジブロモフェニル)スルホンを製造する方法に於い
    て、 (A) 反応後、得られるスラリー溶液を蒸留し反応液
    中の有機溶剤濃度を15容量%以下にする工程: (B) (A)工程で得られたスラリー溶液に、ハロゲ
    ン化炭化水素溶媒を添加しビス(4−アリルオキシ−3,
    5−ジブロモフェニル)スルホンを選択的に抽出した有
    機相、反応中間体である4−アリルオキシ−4′−ヒド
    ロキシ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスルホ
    ンを主体とする成分で構成された中間相及び水相の三相
    を形成させ、各分液する工程:及び (C) (B)工程で得られた4−アリルオキシ−4′
    −ヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニル
    スルホンを主体とする成分で構成された中間相をアリル
    エーテル化反応へ循環させる工程: からなることを特徴とするビス(4−アリルオキシ−3,
    5−ジブロモフェニル)スルホンの製造を行う方法。
JP2144494A 1990-06-04 1990-06-04 ビス(4―アリルオキシ―3,5―ジブロモフェニル)スルホンの製造を行う方法 Expired - Lifetime JP2928856B2 (ja)

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