JPH0662472B2 - ポリオキシアルキレン化合物及びその製造方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレン化合物及びその製造方法

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JPH0662472B2
JPH0662472B2 JP59014514A JP1451484A JPH0662472B2 JP H0662472 B2 JPH0662472 B2 JP H0662472B2 JP 59014514 A JP59014514 A JP 59014514A JP 1451484 A JP1451484 A JP 1451484A JP H0662472 B2 JPH0662472 B2 JP H0662472B2
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富夫 田中
秀雄 神尾
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、分子末端に少なくとも1ケのω−ハロゲンポ
リメチルオキシ基を有する新規なポリオキシアルキレン
化合物およびその製造方法に関する。
本発明の化合物は一般式 AO−Cα2α βOCH X (1) (式中、Aは水素原子または低級アルキル基、XCH
基または低級アルケニル基を表わし、αは2、β
は3、mが4であり、Xはハロゲン原子である。)で表
わされるポリオキシアルキレン化合物であり、また本発
明の製造法は、一般式 A′O−Cα2α βOH (2) (式中、A′は水素原子または低級アルキル基、XC
基または低級アルケニル基を表わし、αは2、
βは3の整数である。) で表わされる水酸基置換化合物と、一般式 XCH X (3) (式中、Xはハロゲン原子を、mは4の整数をそれぞれ
表わす。) で表わされるジハロゲン置換化合物とを、非プロトン極
性溶媒中で、強塩基性物質の懸濁下に反応を開始せしめ
ることを特徴とする、一般式 A′O−Cα2α βOCH X (4) (式中、A′、αおよびβは(2)式のときと同じ意味
を表わし、Xとmは(3)式のときと同じ意味を表わ
す。) で表わされるポリオキシアルキレン化合物の製造方法で
ある。
(1)式で表わされる本発明の化合物はより具体的には
エチレングリコールの3量体を基本骨格とするオキシア
ルキレン化合物の末端の二個の水酸基のうち少なくとも
一個がω−ハロゲンテトラメチレンオキシ基で置換され
たものであり、残りの一個はそのままの水酸基でも、ま
たその水素原子を低級アルキル基、ω−ハロゲンテトラ
メチレン基、低級アルケニル基で置換したものも含む。
また、ハロゲンはたとえば塩素、臭素および沃素であ
る。
以下に本発明の化合物の代表例につき例示するが、たと
えば、1−(4−ブロモブトキ)−3,6,9−トリオ
キサデカン、1−(4−ブロモブトキシ)−3,6,9
−トリオキサウンデカン、1−(4−ブロモブトキシ)
−3,6,9−トリオキサトリデカン、1−(4−ブロ
モブトキシ)−3,6,9−トリオキサヘンエイコサ
ン、トリエチレングリコールモノ(4−ブロモブチル)
エーテル、トリエチレングリコールビス(4−ブロモブ
チル)エーテル等である。
本発明のポリオキシアルキレン化合物の製造方法におい
て、原料として使用する水酸基置換化合物は、より具体
的にはエチレングリコールの3量体である。オキシアル
キレン化合物の末端の二個の水酸基のうち少なくとも一
個が遊離の水酸基になっているものであり、残りの一個
は水酸基のまゝでも、低級アルキル基、ω−ハロゲンテ
トラメチレン基、低級アルケニル基でその水素原子が置
換されていてもよい。またジハロゲン置換化合物のハロ
ゲンは、具体的にはたとえば塩素、臭素および沃素であ
る。
本発明の製造方法において、強塩基性物質の存在下に反
応せしめる具体的方法としては、強塩基性物質の懸濁下
に反応を開始する方法が採用される。本発明の強塩基性
物質の懸濁下に反応を開始せしめる方法は、副反応の抑
制等反応効率の面より好都合である。具体的に強塩基性
物質の懸濁下に反応を開始せしめる方法としては、非プ
ロトン性極性溶媒に水酸基置換化合物、ジハロゲン置換
化合物および強塩基性物質の三者を同時に供給混合して
強塩基性物質を懸濁せしめて反応させる方法、非プロト
ン性極性溶媒中に強塩基性物質を懸濁せしめ、しかる後
水酸基置換化合物およびジハロゲン置換化合物を同時に
供給して反応せしめる方法、並びに非プロトン性極性溶
媒に水酸基置換化合物およびジハロゲン置換化合物を溶
解もしくは懸濁せしめ、しかるのちに強塩基性物質を添
加懸濁せしめる等の適宜の方法が採用される。
本発明で使用する反応溶媒は非プロトン性極性溶媒であ
ればよく、たとえばアセトニトリル、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン、テトラグライム、ジオキ
サン、N−メチルピロリドン等をあげることができる。
本発明の方法における反応系においては、強塩基性物質
の少くとも一部が懸濁している状態で反応を開始せしめ
るものであり、この様な状態における水の量は反応系に
おける水の量として通常6重量%程度である。水量がそ
の値を越える場合はジハロゲン置換化合物の加水分解等
の副反応が起りやすくなり収率は著しく低下する。反応
を効率よく行ない、目的物の収率を高めるには、反応系
の水含有量を5重量%以下にすることが好ましい。溶媒
の使用量は特に制限はないが、溶媒を含めた反応物総量
中5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%の範囲
である。
次に、本発明で使用する強塩基性物質は、固体状物質で
あり、水に懸濁した時、水溶液のpHが10以上好まし
くは11以上のものであれば使用できる。そのような塩
基性物質として、たとえばアルカリ金属水酸化物、アル
カリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金
属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属水
素化物、アルカミ土類金属水素化物、アルカリ金属アミ
ド、アルカリ金属アルコキシドなどである。
上記した物質を例示すると、アルカリ金属水酸化物で
は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムであ
る。アルカリ金属酸化物としては、例えば、酸化ナトリ
ウム、酸化カリウム、酸化リチウム、酸化ルビジウム、
酸化セシウムである。アルカリ金属炭酸塩は、例えば炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ルビ
ジウム、炭酸セシウムである。アルカリ土類金属水酸化
物は、例えば、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化
バリウムである。アルカリ土類金属酸化物は、例えば、
酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
酸化ストロンチウム、酸化バリウムである。
アルカリ金属水素化物は、例えば、水素化ナトリウム、
水素化カリウム、水素化リチウムなどである。アルカリ
土類金属水素化物は、例えば、水素化ベリリウム、水素
化マグネシウム、水素化カルシウムなどである。アルカ
リ金属アミドはアンモニアのアルカリ金属置換化合物
で、例えば、ナトリウアミド、カリウムアミド、リチウ
ムアミドなどである。アルカリ金属アルコキシドはアル
コールの水酸基のプロトンをアルカリ金属で置換した化
合物であり、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメ
トキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシ
ドなどである。
上記した塩基性物質のうち、本発明の方法の実施に好適
なものは、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土
類金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金
属酸化物、アルカリ金属炭酸塩などである。
これらの強塩基性物質は通常固形状のものとして反応に
供され、反応液中で少くとも一部は懸濁された状態で反
応は開始される。
本発明の実施において、原料である水酸基置換化合物、
ジハロゲン置換化合物及び強塩基性物質の相対的使用量
は、ジハロゲン置換化合物と水酸基置換化合物との反応
性言により異り、一様に規定できない。しかしながら、
水酸基置換化合物とジハロゲン置換化合物との相対比率
が1に近くなるとジハロゲン置換化合物の2個のハロゲ
ン原子が水酸基置換化合物で置換される副反応が生起し
収率が低下する。一方、ジハロゲン置換化合物が大過剰
に存在すると、強塩基性物質とジハロゲン置換化合物と
の反応によりジハロゲン置換化合物が消失し、結果とし
て収率が低下する。概ねジハロゲン置換化合物の使用量
は水酸基置換化合物に対して0.5−30倍モル、好ま
しくは0.8−15倍モルの範囲であり、強塩基性物質
の使用量は水酸基置換化合物に対して0.3−15倍モ
ル、好ましくは0.5−10倍モルの範囲である。
反応方法としては通常の反応釜を使用してもよいし、溶
解性の低い強塩基性物質を使用する場合には、それを塔
に充填して、水酸基置換化合物とジハロゲン置換化合物
との混合溶液を通液循環する流通式の方法でもよい。し
かし乍ら装置の保守管理には反応釜のほうが好都合であ
る。
反応温度は使用する水酸基置換化合物およびジハロゲン
置換化合物の反応性に依存するが、反応温度が低いと反
応の進行が緩慢になり、一方温度が高いとジハロゲン置
換化合物の加水分解等の副反応を生じ製品の収率が低下
する。従って通常−20〜100℃、好ましくは−10
〜70℃の温度範囲で反応が行なわれ、特に好ましくは
0〜50℃の温度範囲で行なわれる。この温度範囲内で
あれば、必ずしも反応中温度を一定に保つ必要はなく、
反応の進行を把握し、反応温度を適宜設定して効率よく
反応を行なわせればよい。
また、反応時間も反応温度と同様に使用する水酸基置換
化合物及びジハロゲン置換化合物により変動するが、長
くても30時間、通常20時間以内である。反応の推移
は反応系の性状の変化及びガスクロマトグラフィーある
いは高速液体クロマトグラフィーなどにより反応液中の
原料及び目的生成物の濃度を知ることにより把握でき
る。
反応後、副生する金属ハロゲン化物をろ別して常法によ
り減圧蒸留すれば高純度の目的生成物が得られる。ただ
し、金属ハロゲン化物が反応液に溶解する場合とか、或
いは残存する場合には溶媒を留去した後、ヘキサン−
水、ベンゼン−水、クロロホルム−水のような二層を形
成する溶剤の組合せで上記物質を除去した後、減圧蒸留
すれば高純度の目的生成物が得られる。た、目的生成物
が高沸点であるとか熱分解性を有する場合には、溶剤抽
出、再結晶等の方法で目的生成物を精製できる。
反応溶媒が、ジメチルスルホキシドの如く、水との親和
性が大きく、目的生成物が長鎖のポリオキシアルキレン
化合物の如く親油性に富む場合には、反応後、反応液に
ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤を添加して、目的物を
抽出する方法、反応液に水を添加して目的物を油層とし
て分離する方法、あるいはベンゼン、トルエン、クロロ
ホルムの如き水と二層を形成する溶剤で目的物を抽出分
離する方法なども適用できる。
本発明によれば、各種類のポリオキシアルキレン化合物
を一段で安価に製造することができ、かつ本発明は同一
の反応様式をとるので、同一反応器で多品種のポリオキ
シアルキレン化合物を製造することができ、少量多品種
の製品の生産に向くという利点がある。
本発明のポリオキシアルキレン化合物は反応性に富むハ
ロゲン原子を分子内に有するため、一般のハロゲン置換
化合物と同様にアミド化合物、アミン、水酸基置換化合
物と反応させることが可能である。特にその分子末端に
官能基が結合している場合には、アミド化合物、アミ
ン、水酸基置換化合物等にそれらの官能基を導入するの
に極めて有用な中間原料となる。
次に本発明を実施例により更に説明する。
実施例1 N,N−ジメチルホルムアミド150mlにトリエチレ
ングリコールエチルエーテル26.7g及び1,4−ジ
ブロモブタン81.0gを添加し、攪拌しながら乳鉢で
粉砕したフレーク状水酸化ナトリウム6.9gを添加
し、25〜30℃で6時間反応させた。所定時間反応
後、反応液中の不溶解物質を濾別し、濾液より溶媒及び
未反応原料を留去した。残った残液をベンゼン−水で抽
出し、目的物をベンゼン層に得た。ベンゼン層よりベン
ゼンを留出し、残液を減圧蒸留し、沸点117−118
℃/0.04mmHgの1−ブロモ−5,8,11,1
4−テトラオキサヘキサデカン35.2g(収率75
%)を得た。なお、元素分析値は炭素46.83%(計
算値46.00%),水素7.25%(8.05%),
臭素25.92%(25.50%)であった。なほ、こ
の実験における反応系中の水分量は3重量%であった。
また、反応系中の水分量を10%程度とし水酸化ナトリ
ウムの溶解状態での反応における目的物の収率は5%程
度と極度に低下した。
実施例2 N,N−ジメチルホルムアミド50mlにトリエチレン
グリコール1.9g及び1,4−ジブロモブタン4.3
gを添加し、攪拌しながら乳鉢で粉砕したフレーク状水
酸化ナトリウム0.8gを添加し、5〜15℃で6時間
反応させた。所定時間反応後、反応液中の不溶解物質を
濾別し、濾液より溶媒及び未反応原料を留去した。
残液をベンゼン−水で抽出し、目的物をベンゼン層に得
た。ベンゼン層よりベンゼンを留去し、トリエチレング
リコールモノ(4−ブロモブチル)エーテル1.6g
(収率45%)を得た。これを更にシリカゲルを吸着剤
とし、ベンゼンを展開溶剤とするカラムクロマトグラフ
ィーにより精製して25℃での屈折率測定及び元素分析
を行ない、屈折率1.4740、元素分析値炭素42.
38%(計算値42.10%),水素7.14%(7.
43%),臭素28.38%(28.01%)の結果を
得た。
実施例3 N,N−ジメチルホルムアミド50ml、トリエチレン
グリコール1.1g、1,4−ジブロモブタン6.5g
及び水酸化ナトリウム0.7gを使用し、実施例2と同
様の方法で20〜40℃で5時間反応させた。反応後、
実施例2と同様の方法で処理を行ない、トリエチレング
リコールビス(4−ブロモブチル)エーテル2.0g
(収率68%)を得た。これを更にカラムクロマトグラ
フィーで精製して、25℃での屈折率測定及び元素分析
を行ない、屈折率1.4839、元素分析値炭素39.
92%(計算値40.01%),水素6.28%(6.
72%),臭素38.53%(38.03%)の結果を
得た。
実験例1 N,N−ジメチルホルムアミド20mlにアクリルアミ
ド0.60g及び1−ブロモ−3,6,9,12−テト
ラオキサテトラデカン2.0gを添加し攪拌しながら、
乳鉢で粉砕したフレーク状水酸化カリウム0.38gを
添加し、0−5℃で6時間反応した。なお、フェノチア
ジンをアクリルアミドに対して0.5%添加した。
所定時間反応後、反応液中の不溶解物質を濾別し、濾液
より溶媒及び未反応原料を留去した。残部をベンゼン−
水で抽出し、ベンゼン層よりベンゼンを留去して残分を
得たが、目的とするN−(2−(3,6,9−トリオキ
サウンデシルオキシ)エチル)アクリルアミドの生成は
確認できなかった。
実験例2 N,N−ジメチルホルムアミド20mlにアクルアミド
0.60g及び1−ブロモ−4,7,10,13−テト
ラオキサペンタデカン2.0gを添加し攪拌しながら、
乳鉢で粉砕したフレーク状水酸化カリウム0.38gを
添加し、0−5℃で6時間反応した。なお、フェノチア
ジンをアクリルアミドに対して0.5%添加した。
所定時間反応後、反応液中の不溶解物質を濾別し、濾液
より溶媒及び未反応原料を留去した。残部をベンゼン−
水で抽出し、ベンゼン層よりベンゼンを留去して残分を
得たが、目的とするN−(3−(3,6,9−トリオキ
サウンデシルオキシ)プロピル)アクリルアミドの生成
は確認できなかった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 AO−Cα2α βOCH X (1) (式中、Aは水素原子または低級アルキル基、XCH
    基または低級アルケニル基を表わし、αは2、β
    は3、mが4であり、Xはハロゲン原子である。)で表
    わされるポリオキシアルキレン化合物。
  2. 【請求項2】一般式 A′O−Cα2α βOH (2) (式中、A′は水素原子または低級アルキル基、XC
    基または低級アルケニル基を表わし、αは2、
    βは3の整数である。) で表わされる水酸基置換化合物と、一般式 XCH X (3) (式中、Xはハロゲン原子を、mは4の整数をそれぞれ
    表わす。) で表わされるジハロゲン置換化合物とを、非プロトン極
    性溶媒中で、強塩基性物質の懸濁下に反応を開始せしめ
    ることを特徴とする、一般式 A′O−Cα2α βOCH X (4) (式中、A′、αおよびβは(2)式のときと同じ意味
    を表わし、Xとmは(3)式のときと同じ意味を表わ
    す。) で表わされるポリオキシアルキレン化合物の製造方法。
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