JP3882495B2 - 3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを原料とするエーテル類の製造方法 - Google Patents

3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを原料とするエーテル類の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ存在下、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと第一級ハロゲン化物を反応させ、オキセタン環を有するエーテル類を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと第一級ハロゲン化物を反応させてエーテル類を製造する方法としては、アルカリ水溶液存在下、相間移動触媒として第四級塩基性塩を用いて反応させる方法が知られている(Pure Appl.Chem.,A30(2&3),pp.189(1993)、Bull. Chem. Soc. Jpn., 61, 1653-1659 (1988))。
上記方法は比較的温和な条件で収率良く製造できるが、第四級塩基性塩は高濃度のアルカリ水溶液中で分解し易く、また高価であることから、製造コストが高くなる欠点を有する。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを原料とするオキセタン環を有するエーテル類の製造方法において、高収率でかつ経済的に製造できる方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決する為、検討を重ねた結果、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと第一級ハロゲン化物の混合物中にアルカリを添加しつつ、かつ反応系内の水を反応系外に除去しながら反応させる方法、または第一級ハロゲン化物とアルカリの混合物中に3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを添加しつつ、反応系内の水を反応系外に除去しながら反応させる方法により、目的とするエーテル類を高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アルカリ存在下、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと第一級ハロゲン化物を反応させてエーテル類を製造する方法において、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと第一級ハロゲン化物の混合物中にアルカリを添加しつつ、反応系内の水を反応系外へ除去しながら反応させることを特徴とするエーテル類の製造方法、または第一級ハロゲン化物とアルカリの混合物中に3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを添加しつつ、反応系内の水を反応系外へ除去しながら反応させることを特徴とするエーテル類の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明における3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンは、下記式(1)で表される化合物である。
【0006】
【化1】
Figure 0003882495
【0007】
(式中、R1は水素原子または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を示す。)
【0008】
本発明における第一級ハロゲン化物は、ハロゲン原子が第一級炭素原子だけに結合した化合物であり、例えばブチルクロライド、ブチルブロマイド、オクチルクロライド、オクチルブロマイド、ドデシルクロライド、ドデシルブロマイド等のハロゲン化アルキル、キシリレンジクロライド、キシリレンジブロマイド、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド等のハロゲン化アリールアルキル、3−クロロメチル−3−エチルオキセタンおよびアリルクロライド等が挙げられる。
これらの中でも、反応収率の点から、ハロゲン原子が結合した炭素原子に結合する炭素原子が水素原子と結合していない化合物、例えば、キシリレンジクロライド、キシリレンジブロマイド、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイドおよび3−クロロメチル−3−エチルオキセタンが好ましい。
【0009】
本発明におけるアルカリとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩などが挙げられ、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウムなどが例示される。これらの中でも、反応収率の点から水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましい。
後記するように反応において、反応系内の水分を除去することから、使用するアルカリは、より高濃度のもの、例えば固形のアルカリが好ましい。しかし、アルカリを後添加しながら反応させる場合等、固形アルカリの取扱いが難しいことから、20〜60質量%の水溶液を用いてもよい。
【0010】
本発明の製造方法は、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと第一級ハロゲン化物の混合物中にアルカリを添加しつつ、かつ反応系内の水を反応系外に除去しながら反応させる製造方法、および第一級ハロゲン化物とアルカリの混合組成物中に3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを添加しつつ、反応系内の水を反応系外に除去しながら反応させる製造方法である。
いずれの方法においても使用する原料の割合は、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの水酸基1当量に対して、第一級ハロゲン化物が1〜4当量およびアルカリが0.9〜1.2当量であることが好ましく、さらに好ましくは第一級ハロゲン化物が1〜2当量およびアルカリが1〜1.1当量である。
【0011】
3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの水酸基1当量に対して、第一級ハロゲン化物が1当量未満では、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの十分な転化率が得られず反応収率が低下する。一方、第一級ハロゲン化物が4当量を越えると、第一級ハロゲン化物の十分な転化率が得られず、反応収率が低下する。
また、アルカリの使用量が0.9当量未満では、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの十分な転化率が得られず反応収率が低下する。一方、アルカリの使用量が1.2当量を越えると、第一級ハロゲン化物の加水分解物である第一級アルコールや、該第一級アルコールと第一級ハロゲン化物がエーテル化した化合物が生成するため、目的とするエーテル類の反応収率が低下する。
【0012】
反応温度は50〜200℃の範囲であることは好ましく、さらに好ましくは90〜150℃である。反応時間は反応温度により影響されるが、1〜10時間の範囲で行なうことが好ましい。
反応温度が50℃未満では十分な反応速度が得られず、反応収率が低下し200℃を越えると第一級ハロゲン化物の加水分解生成物である第一級アルコールなどが多く副生し、目的とするエーテル類の反応収率が低下する。
【0013】
上記製造方法により高収率で反応が進む理由は、アルカリと3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを高濃度で接触させていないためであり、これらを高濃度の条件で反応させると副生成物が増加し、目的とするエーテル類の反応収率が低下する。
また、アルカリ、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンおよび第一級ハロゲン化物を一括に仕込んで反応させると、アルカリと3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの反応により生成する副生成物が増加し、目的とするエーテル類の反応収率が低下するため、一括に好ましくない。さらに、一部の第一級ハロゲン化物においては反応の制御が難しくなる。
【0014】
本発明における製造方法において、反応系内の水を反応系外に除去する方法としては特に限定されないが、例えば常圧で50℃以上の加熱下、要すれば窒素や空気等を流しながら蒸発させる方法、反応系内を減圧にして蒸発させる方法、水と共沸し得る溶媒、例えばトルエンやキシレンを用いて共沸により除去する方法又はこれらの併用による方法等が可能である。なお、水の留去の際、原料の一部が水と共に留去することもあるが、この場合は脱水管等を用いて原料等は反応系内に戻すことができる。
【0015】
なお、反応系内の水としてはアルカリ中に含有される水、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとアルカリの反応によって生じる水があり、これらの水を系外に除去する効果としては、アルカリ濃度が上昇すること、エーテル化反応が促進すること、そして第一級ハロゲンの加水分解を低減させられることが考えられる。
【0016】
本発明における製造方法では、必要に応じて相間移動触媒などの触媒を用いることができる。触媒としては、例えば、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6および18−クラウン−6などが挙げられる。
その他の反応条件等は通常の有機合成反応で使用される方法が適用される。
得られた反応混合物の分離、精製の方法としては、ろ過により塩と有機物に分離する方法、水を加えて塩を溶解した後有機相と水相を分離する方法などが挙げられる。さらに、減圧蒸留などにより有機溶剤、過剰に用いた第一級ハロゲン化物および未反応の3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等を留去することにより、目的とする高純度のエーテル類が製造される。
また必要により活性炭、珪藻土、シリカ、アルミナなどで処理した後、ろ過することにより、より高純度なエーテル化合物を得ることが出来る。
【0017】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
攪拌機、滴下ロート、温度計、分水管およびコンデンサーを取り付けたガラス製の1000ml丸底フラスコに、85質量%のKOHフレークを132.2g(KOHとして2mol)、3-クロロメチル-3-エチルオキセタン(以下OXCと略す)を269.2g(2mol)およびトルエンを92.1g(1mol)仕込み、攪拌しながら、内温が120℃になるまで加温した。設定温度に達した後、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(以後OXAと略す)209.2g(1.8mol)を3時間かけて滴下しながら反応させた。OXAの滴下開始後、常圧で還流が起こる温度にまで昇温し、水をトルエンと共沸させ、水を留去しながら7時間反応させた。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ戻した。この際、留出した水は51.0gであった。
反応終了後、吸引ろ過により有機相と固形物を分離し、有機相を420.6gと有機物が付着した固形物を221.4gを得た。221.4gの固形物をメタノールで洗浄し、88.5gの洗浄液を得た。
ろ過により分離した有機相中の液組成をガスクロマトグラフィ(以下GCと略す)により分析した。その結果、ジ(1−エチル(3−オキセタニル))メチルエーテル(以下DOXと略す):72.4wt%、OXC:0.9wt%、OXA:5.8wt%、トルエン:17.5wt%であった。また、メタノールの洗浄液も同様にGCにより分析した結果、DOX:39.7wt%、OXC:1.2wt%、OXA:3.8wt%、トルエン:3.8wt%であった。この分析結果をもとに計算すると、OXCとOXAの両者を基準としたDOX反応収率は83.4%、OXCとOXAの両者を基準としたDOX選択率は89.9%となる。なお、DOX反応収率、DOX選択率の定義を以下に示す。
DOX反応収率 =[2× DOX生成量(mol)]÷〔OXC仕込量(mol)+OXA仕込量(mol)〕×100
DOX選択率 =[2× DOX生成量(mol)]÷〔OXC反応量(mol)+OXA反応量(mol)〕×100
【0018】
実施例2(目的のエーテルはDOX、48質量%のKOH水溶液を後添加)
攪拌機、滴下ロート、温度計、分水管およびコンデンサーを取り付けたガラス製の1000ml丸底フラスコに、OXCを269.2g(2mol)、OXAを209.2g(1.8mol)、トルエンを92.1g(1mol)仕込み、攪拌しながら、内温が120℃になるまで加温した。設定温度に達した後、48質量%のKOH水溶液を233.8g(KOHとして2mol)、2.5時間かけて滴下した。滴下開始後、常圧で還流が起こる温度にまで昇温し、水をトルエンと共沸させ、水を留去しながら8時間反応させた。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ戻した。この際、留出した水は145.3gであった。
反応終了後、512.0gの蒸留水を添加し、固形物を溶解した。有機相と水相を分離し、494.7gの有機相と664.7gの水相を得た。
有機相をGCにより分析した結果、DOX:61.9wt%、OXC:1.2wt%、OXA:9.0wt%、トルエン:20.2wt%であった。水相も同様にGCにより分析した結果、DOX:0.3wt%、OXC:1.2wt%、OXA:2.6wt%、トルエン:0wt%であった。
この分析結果をもとに計算すると、OXCとOXAの両者を基準としたDOX反応収率は75.6%、OXCとOXAの両者を基準としたDOX選択率は89.1%となる。
【0019】
比較例1(目的のエーテルはDOX、OXCを後添加、減圧脱水)
攪拌機、滴下ロート、温度計、分水管、コンデンサー、バキュームコントローラーおよびアスピレーターを取り付けたガラス製の300ml丸底フラスコに、OXAを46.5g(0.4mol)、85重量%のKOHフレークを33.2g(KOHとして0.5mol) 仕込み、攪拌しながら、内温が120℃になるように加温した。設定温度に達した後、反応器内の圧力を150mmHgになるように設定し、67.3gのOXC(0.5mol)を3時間かけて滴下した。滴下開始後、水をOXCと共沸させ、水を留去しながら8時間反応させた。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ戻した。この際、留出した水は5.1gであった。
反応終了後、210.0gの蒸留水を添加し、固形物を溶解した。有機相と水相を分離し、104.8gの有機相と238.1gの水相を得た。
有機相をGCにより分析した結果、DOX:44.8wt%、OXC:8.7wt%、OXA:2.6wt%であった。水相も同様にGCにより分析した結果、DOX:0.5wt%、OXC:0wt%、OXA:1.5wt%であった。
この分析結果をもとに計算すると、OXCとOXAの両者を基準としたDOX反応収率は49.9%、OXCとOXAの両者を基準としたDOX選択率は57.6%となる。
【0020】
比較例2(目的のエーテルはDOX、原料一括添加、常圧脱水)
攪拌機、温度計、分水管およびコンデンサーを取り付けたガラス製の1000ml丸底フラスコに、OXCを403.8g(3mol)、OXAを116.2g(1mol)、85重量%のKOHフレークを99.0g(KOHとして1.5mol)仕込み、攪拌しながら、内温が150℃になるように注意深く加温した。設定温度に達した後、水をOXCと共沸させ、水を留去しながら6時間反応させた。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ戻した。この際、留出した水は22.4gであった。
反応終了後、吸引ろ過により有機相と固形物を分離し、402.7gの有機相と176.7gの有機物が付着した固形物を得た。176.7gの固形物を650gの蒸留水に溶解した後、油水分離して47.6gの有機相を得た。
有機相をGCにより分析した結果、DOX:39.3wt%、OXC:42.8wt%、OXA:14.1wt%であった。また、固形物を蒸留水を用いて溶解した後、採取した有機相も同様にGCで分析した結果、DOX:47.1wt%、OXC:46.4wt%、OXA:1.7wt%であった。この分析結果をもとに計算すると、OXCとOXAの両者を基準としたDOX反応収率は42.2%、OXCとOXAの両者を基準としたDOX選択率は81.9%となる。
【0021】
実施例3
攪拌機、滴下ロート、温度計、分水管およびコンデンサーを取り付けたガラス製の500ml丸底フラスコに、85重量%のKOHフレークを46.3g(KOHとして0.7mol)、塩化ベンジル(以下BCと略す)を88.7g(0.7mol)、トルエンを46.1g(0.5mol)仕込み、攪拌しながら、内温が120℃になるように加温した。設定温度に達した後、73.2g(0.63mol)のOXAを2.5時間かけて滴下した。滴下開始後、常圧で還流が起こる温度にまで昇温し、水をトルエンと共沸させ、水を留去しながら5時間反応させた。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ戻した。この際、留出した水は16.8gであった。
反応終了後、169.0gの蒸留水を添加し、固形物を溶解した。有機相と水相を分離し、190.4gの有機相と212.0gの水相を得た。
有機相をGCにより分析した結果、3−エチル−3−(ベンジルオキシメチル)オキセタン(以下BOXと略す):69.8wt%、BC:0wt%、OXA:1.1wt%、トルエン:22.1wt%であった。水相も同様にGCにより分析した結果、BOX:0.2wt%、BC:0wt%、OXA:0.6wt%であった。
この分析結果をもとに計算すると、BC基準のBOX反応収率は92.3%、BC基準のBOX選択率は92.3%となる。
なお、BOX収率、選択率の定義を以下に示す。
BOX反応収率 = BOX生成量(mol)÷BC仕込量(mol)
BOX選択率 = BOX生成量(mol)÷BC反応量(mol)
【0022】
実施例4(目的のエーテルはBOX、48質量%KOH水溶液を後添加)
実施例3と同様な装置を用い、BCを88.6g(0.7mol)、OXAを73.2g(0.63mol)、トルエンを46.1g(0.5mol)仕込み、攪拌しながら、内温が120℃になるように加温した。設定温度に達した後、48質量%のKOH水溶液を81.8g(KOHとして0.7mol)、2.2時間かけて滴下した。滴下開始後、常圧で還流が起こる温度にまで昇温し、水をトルエンと共沸させ、水を留去しながら6時間反応させた。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ戻した。この際、留出した水は51.1gであった。
反応終了後、150gの蒸留水を添加し、固形物を溶解した。有機相と水相を分離し、177.7gの有機相と208.9gの水相を得た。
有機相をGCにより分析した結果、BOX:69.2wt%、BC:0wt%、OXA:1.4wt%、トルエン:21.0wt%であった。水相も同様にGCにより分析した結果、BOX:0wt%、BC:0wt%、OXA:0.9wt%であった。
この分析結果をもとに計算すると、BC基準のBOX反応収率は85.2%、BC基準のBOX選択率は85.2% となる。
【0023】
比較例3(目的のエーテルはBOX、OXCを後添加、常圧脱水)
実施例3と同様な装置を用い、OXAを73.2g(0.63mol)、85質量%のKOHフレークを46.3g(KOHとして0.7mol)、トルエンを46.1g(0.5mol)仕込み、攪拌しながら、内温が120℃になるように加温した。設定温度に達した後、88.6g(0.7mol)のBCを2.5時間かけて滴下した。滴下開始後、常圧で還流が起こる温度にまで昇温し、水をトルエンと共沸させ、水を留去しながら6時間反応させた。なお、脱水管中の有機相はすべて反応器へ戻した。この際、留出した水は7.3gであった。
反応終了後、150gの蒸留水を添加し、固形物を溶解した。有機相と水相を分離し、195.6gの有機相と190.0gの水相を得た。
有機相をGCにより分析した結果、BOX:55.3wt%、BC:6.3wt%、OXA:9.1wt%、トルエン:21.5wt%であった。水相も同様にGCにより分析した結果、BOX:0wt%、BC:0wt%、OXA:0.6wt%であった。
この分析結果をもとに計算すると、BC基準のBOX反応収率は74.9%、BC基準のBOX選択率は87.0%となる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを原料とするエーテル化合物を高収率で製造する方法であり、かつ経済面でも極めて有利な製造方法である。

Claims (5)

  1. アルカリ存在下、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと第一級ハロゲン化物を反応させてエーテル類を製造する方法において、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと第一級ハロゲン化物の混合物中にアルカリを添加しつつ、かつ反応系内の水を反応系外へ除去しながら反応させることを特徴とするエーテル類の製造方法。
  2. アルカリ存在下、3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと第一級ハロゲン化物を反応させてエーテル類を製造する方法において、第一級ハロゲン化物とアルカリの混合物中に3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを添加しつつ、かつ反応系内の水を反応系外へ除去しながら反応させることを特徴とするエーテル類の製造方法。
  3. アルカリが水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである請求項1または請求項2記載のエーテル類の製造方法。
  4. 3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンまたは3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンである請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエーテル類の製造方法。
  5. 第一級ハロゲン化物が3−クロロメチル−3−エチルオキセタンである請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエーテル類の製造方法。
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