JP2018515527A - インフルエンザウイルスの複製の阻害剤 - Google Patents

インフルエンザウイルスの複製の阻害剤 Download PDF

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Abstract

化合物(1)の多形形態またはその薬学的に許容され得る塩(ここで、化合物(1)は、以下の構造式によって表される)は、化合物(1)の水和物2、化合物(1)の水和物3、化合物(1)の形態A、化合物(1)の形態B、化合物(1)の形態C、化合物(1)の形態Dおよび非晶質の化合物(1)を含む。そのような多形形態は、インフルエンザを処置するため、インフルエンザウイルスの複製を阻害するため、または生物学的サンプルもしくは被験体におけるインフルエンザウイルスの量を減少させるために有用である。

Description

関連出願への相互参照
本PCT出願は、2015年5月13日に出願された米国仮出願第62/160,637号の利益を主張する。この文書は本明細書においてその全体が参照として援用される。
発明の分野
本発明は、インフルエンザウイルスの複製を阻害するため、患者におけるインフルエンザ感染を処置するためまたはその重症度を低下させるため、および患者におけるインフルエンザ感染を予防的に防ぐためまたはその発生率を低下させるために有用な化合物および固体の形態の化合物に関する。
背景
インフルエンザは、季節的流行として世界中に広がり、それによって、毎年数十万人、世界的に流行した年には数百万人が死亡する。例えば、インフルエンザの世界的流行は、20世紀に3度発生し、それにより数千万人が死亡し、これらの世界的流行の各々は、そのウイルスの新しい株がヒトに出現したことが原因だった。これらの新しい株は、既存のインフルエンザウイルスが他の動物種からヒトに伝播することに起因することが多い。
インフルエンザは、主に、感染者が咳またはくしゃみをしたとき生成される、ウイルスを含む大きな液滴を介して人から人に伝染する;次いで、これらの大きな液滴は、感染者に近い(例えば、約6フィート以内の)感染しやすい個体の上気道の粘膜表面上に留まることができる。伝染は、呼吸分泌物との直接的接触または間接的接触(例えば、インフルエンザウイルスで汚染された表面に触れた後、眼、鼻または口に触れること)を介しても生じ得る。成人は、症候が現れる1日前から症候が現れ始めておよそ5日後まで、インフルエンザを他者に伝播することが可能であり得る。低年齢の小児および免疫系が弱くなっている人は、症候の発生後10日間またはそれを超える期間にわたって、感染性であり得る。
インフルエンザウイルスは、5つの属:インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、ISAウイルスおよびトゴトウイルスを含むオルトミクソウイルス科のRNAウイルスである。
インフルエンザウイルスA属は、1つの種、インフルエンザAウイルスを有する。様々なインフルエンザAにとって、野生の水鳥が天然の宿主である。時折、ウイルスは、他の種に伝染して、飼いならされた家禽において壊滅的な大流行を引き起こすことがあるか、またはヒトのインフルエンザの世界的大流行を起こすことがある。これらのA型ウイルスは、3つのインフルエンザタイプのうち最も病原性のヒト病原体であり、最も重症の疾患を引き起こす。インフルエンザAウイルスは、これらのウイルスに対する抗体応答に基づいて、異なる血清型に細分され得る。ヒトにおいて確認された血清型は、公知の世界的大流行で死亡した人数の順に:H1N1(1918年のスペインかぜの原因)、H2N2(1957年のアジアかぜの原因)、H3N2(1968年のホンコンかぜの原因)、H5N1(2007〜08年のインフルエンザシーズンにおける世界的流行の脅威)、H7N7(珍しい人獣共通感染能を有する)、H1N2(ヒトおよびブタに固有)、H9N2、H7N2、H7N3およびH10N7である。
インフルエンザウイルスB属は、1つの種、インフルエンザBウイルスを有する。インフルエンザBは、ほとんどもっぱらヒトに感染し、インフルエンザAよりも一般的でない。インフルエンザBへの感染に感受性であると知られている唯一の他の動物は、アザラシである。このタイプのインフルエンザは、A型よりも2〜3倍低い割合で変異し、その結果として、より遺伝的に多様でなく、インフルエンザB血清型は、1つしかない。この抗原性の多様性を欠く結果として、インフルエンザBに対してある程度の免疫が、通常、若年齢で獲得される。しかしながら、インフルエンザBは、持続免疫があり得ないほど十分に変異する。この低い抗原変化率は、その限られた宿主範囲と相まって(異種間の抗原シフトを阻害する)、インフルエンザBの世界的流行を生じなくさせている。
インフルエンザウイルスC属は、1つの種、インフルエンザCウイルスを有し、これは、ヒトおよびブタに感染し、重症の疾病および地域的流行を引き起こし得る。しかしながら、インフルエンザCは、他のタイプよりも一般的でなく、通常、小児において軽症の疾患を引き起こすとみられる。
インフルエンザA、BおよびCウイルスは、構造が非常に似ている。そのウイルス粒子は、直径80〜120ナノメートルであり、通常、ほぼ球状であるが、繊維状の形態も生じ得る。ウイルスとしては異例なことだが、そのゲノムは、単一の小片の核酸ではない;代わりに、それは、マイナス−センスRNAの7または8つの分節を含む。インフルエンザAのゲノムは、11個のタンパク質:赤血球凝集素(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、核タンパク質(NP)、M1、M2、NS1、NS2(NEP)、PA、PB1、PB1−F2およびPB2をコードする。
HAおよびNAは、ウイルス粒子の外面上の大きな糖タンパク質である。HAは、ウイルスと標的細胞とが結合し、ウイルスゲノムが標的細胞に進入することを媒介するレクチンであり、NAは、成熟したウイルス粒子に結合する糖を切断することによって、感染した細胞からの子孫ウイルスの放出に関わる。したがって、これらのタンパク質は、抗ウイルス薬に対する標的である。さらに、これらは、抗体を産生させ得る抗原である。インフルエンザAウイルスは、例えばH5N1における、HおよびNの区別(上記参照)の基準をもたらすHAおよびNAに対する抗体応答に基づいて、サブタイプに分類される。
インフルエンザは、生産性の損失および関連する医学的処置に起因する直接費用、ならびに予防措置の間接費用を発生させる。米国では、インフルエンザは、1年あたり100億ドルを超える総費用に関与する一方、将来の世界的大流行が、数千億ドルの直接費用および間接費用を引き起こし得ると推定されている。予防費用もまた高額である。世界中の国家が、薬物およびワクチンの購入、ならびに防災訓練および国境での規制の改善のためのストラテジーの開発に関連する費用とともに、潜在的なH5N1トリインフルエンザの世界的大流行に対して準備し、計画するのに数十億米ドルを費やしている。
インフルエンザに対する現行の処置の選択肢としては、ワクチン接種、および抗ウイルス薬剤による化学療法または化学的予防法が挙げられる。インフルエンザワクチンを用いたインフルエンザに対するワクチン接種は、小児および高齢者などの高リスク群に対して、または喘息、糖尿病もしくは心疾患を有する人々において、推奨されることが多い。しかしながら、ワクチン接種を受けてもインフルエンザにかかる可能性がある。ワクチンは、シーズン毎にいくつかの特定のインフルエンザの株に対して再配合されるが、そのシーズンの世界中の人々に活発に感染するすべての株を含めることはおそらくできない。製造業者が、季節的流行に対処するために必要とされる数百万回分を配合し、生産するのには、6ヶ月を要し得る;時折、その間に、新しい株または見過ごされた株が顕著になって、人々は、ワクチン接種を受けていたにもかかわらず、感染してしまう(2003〜2004年のインフルエンザシーズンにおけるH3N2福建かぜのように)。ワクチン接種の直前に感染する可能性もあるし、ワクチンは、有効になるのに数週間を要し得るので、そのワクチンが予防するはずのまさにその株にかかる可能性もある。
さらに、これらのインフルエンザワクチンの有効性は、変化する。そのウイルスの高い変異率に起因して、特定のインフルエンザワクチンは、通常、たった数年間しか防御しない。インフルエンザウイルスが、時間が経つにつれて迅速に変化して、異なる株が優勢になるので、1年間にわたって製剤化されたワクチンは、その翌年には無効であることがある。
また、RNA校正酵素は存在しないので、インフルエンザvRNAのRNA依存性RNAポリメラーゼは、インフルエンザvRNAのおおよその長さである、およそ10000ヌクレオチド毎に1つのヌクレオチド挿入エラーを起こす。ゆえに、新しく作られたほぼすべてのインフルエンザウイルスは、変異体、すなわち、抗原ドリフトである。1つより多いウイルス系統が単一の細胞に感染した場合、ゲノムが8つの別個のセグメントのvRNAに分離されることにより、vRNAの混合または再集合が可能になる。得られるウイルスの遺伝的性質の急激な変化は、抗原シフトをもたらし、そのウイルスが、新しい宿主種に感染し、直ちに防御免疫に打ち勝つことが可能になる。
抗ウイルス薬もまた、インフルエンザを処置するために使用することができ、特にノイラミニダーゼ阻害剤が有効であるが、ウイルスは、標準的な抗ウイルス薬に対して耐性を生じ得る。そのような薬剤は、化学的な誘導体もしくは塩を含む種々の異なる化学的形態を有するように、または種々の物理的形態を有するように、調製され得る。例えば、それらは、非晶質であり得るか、種々の結晶多形を有し得るか、または種々の溶媒和もしくは水和の状態で存在し得る。形態を変更することによって、その物理的特性を変更することが可能であり得る。そのような異なる形態は、特に経口製剤として、異なる特性を有し得る。具体的には、改善された特性(例えば、向上した水溶解度および安定性、薬学的製剤のより良好な加工可能性または調製、ならびに経口的に投与される組成物のバイオアベイラビリティの増大)を示す改善された形態を特定することが望ましい場合がある。上で論じられたそのような改善された特性は、特定の治療効果にとって有益であるように変更され得る。
抗ウイルス剤の形態を変化させることは、そのような抗ウイルス剤の物理的特性をインフルエンザの処置においてより有用であるように調節する多くの方法のうちの1つであり得る。
発明の要旨
本発明は、概して、化合物(1)の多形形態(polymorphic forms)、その水和物、その薬学的に許容され得る塩、その薬学的に許容され得る製剤、そのような化合物(1)の多形形態を調製する方法、ならびにインフルエンザウイルスの複製を阻害するため、インフルエンザウイルスの量を減少させるためおよびインフルエンザを処置するためのそのような多形形態または水和物の使用に関する。
1つの態様において、本発明は、化合物(1)の多形形態を提供し、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
Figure 2018515527
によって表され、その多形形態は、化合物(1)の水和物2、化合物(1)の水和物3、化合物(1)の形態A、化合物(1)の形態B、化合物(1)の形態C、化合物(1)の形態Dおよび非晶質の化合物(1)からなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の水和物2である。いくつかの実施形態において、化合物(1)の水和物2は、粉末X線回折パターンにおいて、6.9±0.2、7.9±0.2、13.8±0.2、15.9±0.2、20.9±0.2および23.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。他の実施形態において、化合物(1)の水和物2は、粉末X線回折パターンにおいて、17.1±0.2、18.6±0.2、22.1±0.2および29.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
いくつかの実施形態において、化合物(1)の水和物2は、178.5ppm、137.2ppm、126.8ppm、107.0ppmおよび35.3ppmの13C SSNMRスペクトルをさらに特徴とする。また、他の実施形態において、化合物(1)の水和物2は、27.1ppmの13C SSNMRスペクトルをさらに特徴とする。
いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の水和物3である。いくつかの実施形態において、化合物(1)の水和物3は、粉末X線回折パターンにおいて、7.0±0.2、18.6±0.2、20.8±0.2、23.3±0.2および26.0±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。他の実施形態において、化合物(1)の水和物3は、粉末X線回折パターンにおいて、8.9±0.2、16.6±0.2および28.9±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
いくつかの実施形態において、化合物(1)の水和物3は、178.8ppm、136.7ppm、107.8ppm、34.9ppmおよび26.3ppmの13C SSNMRスペクトルをさらに特徴とする。他の実施形態において、化合物(1)の水和物3は、127.7ppmの13C SSNMRスペクトルをさらに特徴とする。
いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の形態Dである。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Dは、粉末X線回折パターンにおいて、6.1±0.2、14.7±0.2、23.9±0.2および25.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Dは、粉末X線回折パターンにおいて、7.3±0.2、13.2±0.2および19.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の形態Aである。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Aは、粉末X線回折パターンにおいて、7.2±0.2、7.9±0.2、17.1±0.2および24.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Aは、粉末X線回折パターンにおいて、14.4±0.2、19.4±0.2および21.1±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の形態Bである。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Bは、粉末X線回折パターンにおいて、6.3±0.2、12.6±0.2、17.8±0.2および18.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Bは、粉末X線回折パターンにおいて、15.4±0.2、16.0±0.2および18.9±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の形態Cである。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Cは、粉末X線回折パターンにおいて、8.8±0.2、12.2±0.2、14.4±0.2および24.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Bは、粉末X線回折パターンにおいて、6.1±0.2、17.7±0.2および19.1±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
いくつかの実施形態において、多形形態は、非晶質の化合物(1)である。
本発明の別の態様は、化合物(1)の溶媒和物を提供し、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
Figure 2018515527
によって表され、その溶媒和物は、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物または化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物からなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、溶媒和物は、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物である。
いくつかの実施形態において、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物は、粉末X線回折パターンにおいて、5.7±0.2、6.3±0.2、13.1±0.2および17.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物は、粉末X線回折パターンにおいて、8.0±0.2、19.3±0.2および24.3±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
いくつかの実施形態において、溶媒和物は、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物である。
いくつかの実施形態において、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物は、粉末X線回折パターンにおいて、6.2±0.2、6.8±0.2、8.5±0.2、12.2±0.2および21.8±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物は、粉末X線回折パターンにおいて、9.1±0.2、13.5±0.2および15.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
いくつかの実施形態において、溶媒和物は、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物である。
いくつかの実施形態において、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物は、粉末X線回折パターンにおいて、6.5±0.2、8.4±0.2、15.3±0.2および19.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物は、粉末X線回折パターンにおいて、14.7±0.2、16.4±0.2および24.5±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
本発明の別の態様は、化合物(1)の多形形態(例えば、本明細書中に記載される形態のいずれか)および少なくとも1つの薬学的に許容され得るキャリアまたは賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の水和物2である。いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の水和物3である。いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の形態Dである。いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の形態Aである。いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の形態Bである。いくつかの実施形態において、多形形態は、化合物(1)の形態Cである。いくつかの実施形態において、多形形態は、非晶質の化合物(1)である。
本発明の別の態様は、生物学的インビトロサンプルまたは被験体におけるインフルエンザウイルスの量を減少させる方法であって、その方法は、そのサンプルに有効量の本明細書中に記載される形態のいずれかのような化合物(1)の多形形態を投与する工程を含む、方法を提供する。
本発明の別の態様は、生物学的インビトロサンプルまたは被験体におけるインフルエンザウイルスの複製を阻害する方法であって、その方法は、そのサンプルに有効量の本明細書中に記載される形態のいずれかのような化合物(1)の多形形態を投与する工程を含む、方法を提供する。
本発明の別の態様は、被験体におけるインフルエンザを処置する方法であって、その方法は、その被験体に治療有効量の本明細書中に記載される形態のいずれかのような化合物(1)の多形形態を投与する工程を含む、方法を提供する。
これらの方法のいくつかの実施は、1つまたはそれを超えるさらなる治療薬を被験体に共投与することをさらに含む。いくつかの実施において、さらなる治療薬は、抗ウイルス薬である。例えば、抗ウイルス薬は、ノイラミニダーゼ阻害剤である。他の例において、ノイラミニダーゼ阻害剤は、オセルタミビルまたはザナミビルである。また、いくつかの例において、抗ウイルス薬は、ポリメラーゼ阻害剤である。例えば、ポリメラーゼ阻害剤は、ファビピラビル(flavipiravir)である。
これらの方法のいくつかの実施において、インフルエンザウイルスは、インフルエンザAウイルスである。
本発明の別の態様は、化合物(1)の多形形態を生成する方法を提供する。いくつかの実施において、多形形態は、化合物(1)の水和物2である。いくつかの実施において、多形形態は、化合物(1)の水和物3である。いくつかの実施において、多形形態は、化合物(1)の形態Dである。いくつかの実施において、多形形態は、化合物(1)の形態Aである。いくつかの実施において、多形形態は、化合物(1)の形態Bである。いくつかの実施において、多形形態は、化合物(1)の形態Cである。また、いくつかの実施において、多形形態は、非晶質の化合物(1)である。
本発明の別の態様は、水和物2、水和物3、形態D、形態A、形態B、形態Cまたは非晶質の化合物(1)を生成する方法を提供する。
本発明の別の態様は、化合物(1)の多形形態またはその薬学的に許容され得る塩を100mg〜1,600mgの投与量で被験体に投与する工程を含む投与レジメンを提供し、ここで、その投与量は、1日あたり1回、2回または3回投与される。
いくつかの実施において、投与量は、300mg〜1,600mgである。例えば、投与量は、600mg〜1,200mgである。
いくつかの実施において、投与量は、1日あたり1回投与される。これらの実施のいくつかにおいて、投与量は、600mgまたは800mgである。他の実施において、投与量は、300mg〜900mgである。
いくつかの実施において、投与量は、1日あたり2回投与される。これらの実施のいくつかにおいて、投与量は、400mgまたは600mgである。
上記方法のいくつかの実施において、化合物(1)の多形形態またはその薬学的に許容され得る塩は、1日間からインフルエンザシーズン全体までの処置期間にわたって投与される。いくつかの実施において、処置期間は、3日間〜14日間である。他の実施において、処置期間は、3日間、4日間または5日間である。
上記方法のいくつかの実施において、600mg〜1,600mgの負荷投与量が、1日目に被験体に投与され、400mg〜1,200mgの投与量が、処置期間の残りの期間にわたって被験体に投与される。他の実施において、900mgまたは1,200mgの負荷投与量が、1日目に被験体に投与され、600mg〜800mgの投与量が、処置期間の残りの期間にわたって被験体に投与される。いくつかの実施において、900mgの負荷投与量が、1日目に被験体に投与され、600mgの投与量が、処置期間の残りの期間にわたって被験体に1日1回投与される。いくつかの実施において、1,200mgの負荷投与量が、1日目に被験体に投与され、600mgの投与量が、処置期間の残りの期間にわたって被験体に1日1回投与される。
以下の図は、例として提供されるのであって、特許請求される発明の範囲を限定することを意図していない。
図1は、化合物(1)の水和物2の粉末X線回折パターン(XRPD)である。
図2は、化合物(1)の水和物2のC13 SSNMRスペクトルである。
図3は、化合物(1)の水和物2のTGAサーモグラムである。
図4は、化合物(1)の水和物2のDSCサーモグラムである。
図5は、化合物(1)の水和物3の粉末X線回折パターン(XRPD)である。
図6は、化合物(1)の水和物3のC13 SSNMRスペクトルである。
図7は、化合物(1)の水和物3のTGAサーモグラムである。
図8は、化合物(1)の水和物3のDSCサーモグラムである。
図9は、化合物(1)の形態Dの粉末X線回折パターン(XRPD)である。
図10は、化合物(1)の形態DのTGAサーモグラムである。
図11は、化合物(1)の形態DのDSCサーモグラムである。
図12は、化合物(1)の形態Aの粉末X線回折パターン(XRPD)である。
図13は、化合物(1)の形態AのDSCサーモグラムである。
図14は、化合物(1)の形態Bの粉末X線回折パターン(XRPD)である。
図15は、化合物(1)の形態Cの粉末X線回折パターン(XRPD)である。
図16は、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物の粉末X線回折パターン(XRPD)である。
図17は、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物のTGAサーモグラムである。
図18は、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物の粉末X線回折パターン(XRPD)である。
図19は、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物のTGAサーモグラムである。
図20は、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物の粉末X線回折パターン(XRPD)である。
図21は、非晶質の化合物(1)の粉末X線回折パターン(XRPD)である。
図22は、非晶質の化合物(1)のTGAサーモグラムである。
図23は、非晶質の化合物(1)のMDSCサーモグラムである。
図24は、化合物(1)の水和物1の粉末X線回折パターン(XRPD)である。
図25は、化合物(1)の水和物1のpHに対する溶解度のプロットである。
図26は、模擬流体における化合物(1)の形態の2段階インビトロ溶解の時間に対する濃度のプロットである。
図27は、模擬胃液および腸液における化合物(1)の水和物3 IDR成形体(表面積=0.5cm)のインビトロ溶解の時間に対する濃度のプロットである。
図28は、サル(40mg/kg)およびラット(30mg/kg)において、溶液製剤と比べたときの化合物(1)の水和物3および2のインビボ曝露量のAUCのプロットである。
図29は、サルおよびラットにおいて、対応するHCl塩、HSO塩およびSDDの曝露量と比べたときの化合物(1)の水和物3のインビボ曝露量のAUCのプロットである。
図30は、ラットおよびサルにおける化合物(1)の水和物3の用量に対する濃度のプロットである。
図31は、化合物(1)の水和物3の圧縮圧力に対する引張り強さのプロットである。
図32は、化合物(1)とオセルタミビルとの併用療法のチャレンジ後の日数に対する生存、平均体重の変化および肺機能のプロットである。
発明の詳細な説明
本発明は、化合物(1)の多形形態、それらの溶媒和物、それらの使用、ならびにこれらの多形形態および溶媒和物を合成する方法を提供する。
I.固体形態
以下の構造式:
Figure 2018515527
によって表される化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩は、インフルエンザウイルスの複製を阻害し得、WO2010/148197にも記載されている。
化合物(1)は、種々の多形形態(polymorphic forms)で存在し得るか、または種々の多形形態を形成し得る。当該分野で公知であるように、多形性は、1つより多い異なる結晶性または「多形性」種として結晶化する化合物の能力である。多形は、固体状態の化合物分子に少なくとも2つの異なる配置または多形形態がある、その化合物の固体結晶相である。任意の所与の化合物の多形形態は、同じ化学式または組成によって定義されるが、異なる2つの化学的化合物の結晶構造と同程度に化学構造が異なる。一般に、異なる多形は、粉末X線回折(XRPD)パターン、熱重量分析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)などの分析方法によって、またはその融点によって、または当該分野で公知の他の手法によって特徴づけられ得る。本明細書中で使用されるとき、用語「多形形態」は、溶媒和物、いかなる溶媒和物も有しないニートの(neat)多形形態、および非晶質形態を含む。
本発明の1つの態様は、化合物(1)の多形形態を提供し、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
Figure 2018515527
によって表され、その多形形態は、化合物(1)の水和物2、化合物(1)の水和物3、化合物(1)の形態A、化合物(1)の形態Bおよび化合物(1)の形態Dからなる群より選択される。
A.化合物(1)の水和物2
本発明の1つの実施形態は、化合物(1)の水和物2を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物(1)の水和物2は、粉末X線回折パターンにおいて、6.9±0.2、7.9±0.2、13.8±0.2、15.9±0.2、20.9±0.2および23.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の水和物2は、粉末X線回折パターンにおいて、17.1±0.2、18.6±0.2、22.1±0.2および29.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
図1を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)の水和物2は、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:
Figure 2018515527
図1を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)の水和物2は、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有するXRPDパターンをさらに特徴とする:
Figure 2018515527
他の実施形態において、化合物(1)の水和物2は、178.5ppm、137.2ppm、126.8ppm、107.0ppmおよび35.3ppmの13C SSNMRスペクトルを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の水和物2は、27.1ppmの13C SSNMRスペクトルをさらに特徴とする。
図2を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)の水和物2は、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有する13C SSNMRスペクトルを特徴とする:
Figure 2018515527
B.化合物(1)の水和物3
本発明の1つの実施形態は、化合物(1)の水和物3を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物(1)の水和物3は、粉末X線回折パターンにおいて、7.0±0.2、18.6±0.2、20.8±0.2、23.3±0.2および26.0±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の水和物3は、粉末X線回折パターンにおいて、8.9±0.2、16.6±0.2および28.9±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
図5を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)の水和物3は、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:
Figure 2018515527
図5を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)の水和物3は、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有するXRPDパターンをさらに特徴とする:
Figure 2018515527
他の実施形態において、化合物(1)の水和物3は、178.8ppm、136.7ppm、107.8ppm、34.9ppmおよび26.3ppmの13C SSNMRスペクトルを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の水和物3は、127.7ppmの13C SSNMRスペクトルをさらに特徴とする。
図6を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)の水和物3は、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有する13C SSNMRスペクトルを特徴とする:
Figure 2018515527
C.化合物(1)の形態D
本発明の1つの実施形態は、化合物(1)の形態Dを提供する。
いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Dは、粉末X線回折パターンにおいて、6.1±0.2、14.7±0.2、23.9±0.2および25.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Dは、粉末X線回折パターンにおいて、7.3±0.2、13.2±0.2および19.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
図9を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)の形態Dは、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:
Figure 2018515527
D.化合物(1)の形態A
本発明の1つの実施形態は、化合物(1)の形態Aを提供する。
いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Aは、粉末X線回折パターンにおいて、7.2±0.2、7.9±0.2、17.1±0.2および24.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Aは、粉末X線回折パターンにおいて、14.4±0.2、19.4±0.2および21.1±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
図12を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)の形態Aは、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:
Figure 2018515527
E.化合物(1)の形態B
本発明の1つの実施形態は、化合物(1)の形態Bを提供する。
いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Bは、粉末X線回折パターンにおいて、6.3±0.2、12.6±0.2、17.8±0.2および18.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Bは、粉末X線回折パターンにおいて、15.4±0.2、16.0±0.2および18.9±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
図14を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)の形態Bは、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:
Figure 2018515527
F.化合物(1)の形態C
本発明の1つの実施形態は、化合物(1)の形態Cを提供する。
いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Cは、粉末X線回折パターンにおいて、8.8±0.2、12.2±0.2、14.4±0.2および24.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の形態Cは、粉末X線回折パターンにおいて、6.1±0.2、17.7±0.2および19.1±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
図15を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)の形態Cは、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:
Figure 2018515527
G.化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物
本発明の1つの実施形態は、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物は、粉末X線回折パターンにおいて、5.7±0.2、6.3±0.2、13.1±0.2および17.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物は、粉末X線回折パターンにおいて、8.0±0.2、19.3±0.2および24.3±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
図16を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物は、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:
Figure 2018515527
H.化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物
本発明の1つの実施形態は、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物は、粉末X線回折パターンにおいて、6.2±0.2、6.8±0.2、8.5±0.2、12.2±0.2および21.8±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物は、粉末X線回折パターンにおいて、9.1±0.2、13.5±0.2および15.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
図18を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物は、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:
Figure 2018515527
I.化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物
本発明の1つの実施形態は、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物は、粉末X線回折パターンにおいて、6.5±0.2、8.4±0.2、15.3±0.2および19.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフランは、粉末X線回折パターンにおいて、14.7±0.2、16.4±0.2および24.5±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする。
図20を参照すると、1つの実施形態において、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物は、実施例1に記載されている方法を用いて得られる、以下のピークを有するXRPDパターンを特徴とする:
Figure 2018515527
J.非晶質の化合物(1)
本発明の1つの実施形態は、非晶質の化合物(1)を提供する。図21を参照すると、非晶質の化合物(1)のXRPDパターンは、いかなる特徴的なピークも有しない。
II.化合物(1)の固体形態を生成する方法
別の実施形態において、本発明は、化合物(1)の水和物2、化合物(1)の水和物3、化合物(1)の形態D、化合物(1)の形態A、化合物(1)の形態B、化合物(1)の形態C、または非晶質の化合物(1)を調製する方法に関する。
本明細書中で使用されるとき、用語「水分活性」(a)は、ある溶媒系における水のエネルギー状態の尺度を意味する。それは、ある液体の蒸気圧を同じ温度の純水の蒸気圧で除算したものとして定義される。具体的には、それは、a=p/pと定義され、式中、pは、その物質における水の蒸気圧であり、pは、同じ温度の純水の蒸気圧であるか、またはa=l×xと定義され、式中、lは、水の活量係数であり、xは、水性画分における水のモル分率である。例えば、純水は、1.0という水分活性値を有する。水分活性値は、代表的には、静電容量式湿度計または露点式湿度計のいずれかによって得ることができる。様々なタイプの水分活性計測機器もまた商業的に入手可能である。あるいは、2つまたはそれを超える溶媒の混合物の水分活性値は、それらの溶媒の量およびそれらの溶媒の公知の水分活性値に基づいて算出され得る。
本発明の1つの実施は、化合物(1)の水和物2を調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
Figure 2018515527
によって表され、その方法は、
化合物(1)の水和物1を、水を含む溶媒系と混合することにより、混合物を生成する工程;および
その混合物からその溶媒系の少なくともいくらかを除去することにより、化合物(1)の水和物2を生成する工程
を含む、方法を提供する。
本明細書中で使用されるとき、用語「溶媒系」とは、溶媒(例えば、水)または溶媒の混合物(例えば、水およびアセトンまたは水およびアセトニトリル(acetonitrol)または水およびアルコール)のことを指す。
いくつかの実施において、上記溶媒系は水を含む。他の実施において、上記溶媒系は、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N−メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラヒドロフラン、テトラリン、トルエン(tolune)、1,1,2−トリクロロエテンおよびキシレン、酢酸、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クメン、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、またはこれらの任意の組み合わせをさらに含む。
他の例において、上記溶媒系は、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、ニトロメタン、テトラリン、キシレン、トルエン、1,1,2−トリクロロエタン、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、クメン、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−プロパノール、1−ペンタノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、テトラヒドロフラン、またはメチルテトラヒドロフランをさらに含む。他の例において、上記溶媒系は、2−エトキシエタノール、エチレングリコール、メタノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、エタノール、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ピリジン、トルエン、キシレンまたはこれらの任意の組み合わせをさらに含む。
いくつかの例において、上記溶媒系は、アセトン、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸イソブチル、酢酸またはこれらの任意の組み合わせをさらに含む。例えば、上記溶媒系は、水およびアセトン、または水およびイソプロパノールを含む。いくつかの例において、溶媒系は、水およびアセトンを含む。
いくつかの例において、溶媒系は、塩化ナトリウム、デキストロース、グリセリンまたは界面活性剤をさらに含む。
いくつかの実施において、上記混合は、20℃〜40℃未満の範囲内の温度において行われる。
任意の好適な方法(例えば、真空オーブン、減圧など)を用いて、混合物から溶媒系を除去することにより、ある形態の化合物(1)が再結晶化され得る。
いくつかの実施は、混合物に真空を付加することにより、溶媒系を除去することをさらに含む。
別の態様は、化合物(1)の水和物3を調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
Figure 2018515527
によって表され、その方法は、
化合物(1)の水和物1または非晶質の化合物(1)を、水を含む溶媒系と混合することにより、混合物を生成する工程;
その混合物を加熱する工程;および
その溶媒系のいくらかを除去することにより、化合物(1)の水和物3を生成する工程
を含む、方法を提供する。
いくつかの実施において、溶媒系は、アセトニトリル、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド(dimentylacetamide)、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N−メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラリン、トルエン(tolune)、1,1,2−トリクロロエテン、キシレン、酢酸、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クメン、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸プロピルまたはそれらの任意の組み合わせをさらに含む。
いくつかの実施において、溶媒系は、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、ニトロメタン、テトラリン、キシレン、トルエン、1,1,2−トリクロロエタン、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、クメン、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、2−メチル−1−プロパノール(2−methy−1−propanol)、ペンタン、1−プロパノール、1−ペンタノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランまたはそれらの任意の組み合わせをさらに含む。
また、いくつかの実施において、溶媒系は、2−エトキシエタノール、エチレングリコール、メタノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、エタノール、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ピリジン、トルエン、キシレンまたはそれらの任意の組み合わせをさらに含む。
他の実施において、溶媒系は、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトンまたはそれらの任意の組み合わせをさらに含む。
いくつかの実施において、混合物は、約45℃〜約55℃(例えば、約50℃)の温度に加熱される。
いくつかの実施は、混合物に真空を付加することにより、溶媒系を除去することをさらに含む。
別の態様は、化合物(1)の形態Dを調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
Figure 2018515527
によって表され、その方法は、
化合物(1)の水和物1、水和物2もしくは水和物3、非晶質の化合物(1)またはそれらの任意の組み合わせを溶媒系と、水を含む溶媒系において混合することにより、混合物を生成する工程;
その混合物の温度を約室温に維持する工程;および
その混合物から溶媒系の少なくともいくらかを除去する工程
を含む、方法を提供する。
いくつかの実施において、溶媒系は、IPACをさらに含み、約0.25より低い水分活性を含む。
別の態様は、化合物(1)の形態Aを調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
Figure 2018515527
によって表され、その方法は、
非晶質の化合物(1)を少なくとも約150℃の温度に加熱する工程;および
加熱された非晶質の化合物(1)を再結晶化させることにより、化合物(1)の形態Aを生成する工程
を含む、方法を提供する。
いくつかの実施において、非晶質の化合物(1)は、約170℃〜180℃(例えば、約175℃)の温度に加熱される。
別の態様は、化合物(1)の形態Bを調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
Figure 2018515527
によって表され、その方法は、
化合物(1)の水和物3を約110℃〜約170℃の温度に加熱する工程;および
加熱された化合物(1)の水和物を再結晶化させることにより、化合物(1)の形態Aを生成する工程
を含む、方法を提供する。
別の態様は、化合物(1)の形態Cを調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
Figure 2018515527
によって表され、その方法は、
化合物(1)のIPA溶媒和物をn−プロパノールにおいて混合することにより、混合物を生成する工程;
その混合物を加熱する工程;および
加熱された化合物(1)のIPA溶媒和物を再結晶化させることにより、化合物(1)の形態Cを生成する工程
を含む、方法を提供する。
本発明の目的のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.に従って特定される。さらに、有機化学の一般原理は、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausolito:1999および“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York:2001(これらの全内容が参照により本明細書に援用される)に記載されている。
別段示されない限り、本明細書中に描かれる構造は、その構造のすべての異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、cis−trans異性体、配座異性体および回転異性体)を含むとも意味される。例えば、各不斉中心に対するRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)配座異性体のうちの1つしか、明確に描かれていない限り、それらの異性体は、本発明に含まれる。当業者には理解され得るように、置換基は、任意の回転可能な結合の周りを自由に回転し得る。例えば、
Figure 2018515527
として描かれる置換基は、
Figure 2018515527
にも相当する。
ゆえに、本化合物の単一の立体化学異性体、ならびに鏡像異性体混合物、ジアステレオ異性体混合物、cis/trans異性体の混合物、配座異性体の混合物および回転異性体の混合物が、本発明の範囲内である。
別段示されない限り、本発明の化合物の互変異性体のすべてが、本発明の範囲内である。
さらに、別段示されない限り、本明細書中に描かれる構造は、1つまたはそれを超える同位体的に富化された原子の存在だけが異なる化合物を含むとも意味される。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置き換え、または13Cもしくは14Cに富化された炭素による炭素の置き換え以外は本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。そのような化合物は、例えば、分析ツールまたは生物学的アッセイにおけるプローブとして有用である。そのような化合物、特に、重水素アナログは、治療的にも有用であり得る。
本明細書中に記載される化合物は、それらの化学構造および/または化学名によって定義される。ある化合物が、化学構造と化学名の両方によって言及され、その化学構造と化学名とが矛盾する場合、その化学構造が、その化合物が何であるかを決定する。
本発明に係る化合物がキラル中心を含み得ることは、当業者によって認識される。したがって、それらの式の化合物は、2つの異なる光学異性体(すなわち、(+)または(−)鏡像異性体)の形態で存在し得る。そのようなすべての鏡像異性体およびラセミ混合物を含むそれらの混合物が、本発明の範囲内に含まれる。単一の光学異性体または鏡像異性体は、当該分野で周知の方法(例えば、キラルHPLC、酵素的分割およびキラル補助剤)によって得ることができる。
1つの実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する鏡像異性体を含まず、少なくとも95%、少なくとも97%および少なくとも99%の単一の鏡像異性体の形態で提供される。
さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(−)鏡像異性体を含まず、少なくとも95%の(+)鏡像異性体の形態で存在する。
さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(−)鏡像異性体を含まず、少なくとも97%の(+)鏡像異性体の形態で存在する。
さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(−)鏡像異性体を含まず、少なくとも99%の(+)鏡像異性体の形態で存在する。
さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(+)鏡像異性体を含まず、少なくとも95%の(−)鏡像異性体の形態で存在する。
さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(+)鏡像異性体を含まず、少なくとも97%の(−)鏡像異性体の形態で存在する。
さらなる実施形態において、本発明に係る化合物は、対応する(+)鏡像異性体を含まず、少なくとも99%の(−)鏡像異性体の形態で存在する。
III.化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩の使用
本発明の1つの態様は、概して、生物学的サンプルまたは患者におけるインフルエンザウイルスの複製を阻害するため、生物学的サンプルまたは患者におけるインフルエンザウイルスの量を減少させるため(ウイルス価を低下させるため)、および患者におけるインフルエンザを処置するために、上に記載された化合物(1)の様々な固体の形態(例えば、水和物2、水和鬱3、形態D、形態A、形態B、形態C、または非晶質))を含む化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩を使用することに関する。本明細書中以後、別段具体的に示されない限り、上に記載された化合物(1)の様々な固体の形態(例えば、水和物2、水和鬱3、形態D、形態A、形態B、形態C、または非晶質))を含む化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩は、広く化合物について言及される。
1つの実施形態において、本発明は、概して、上で特定された使用法のいずれかのための、本明細書中に開示される化合物(例えば、薬学的に許容され得る組成物中の化合物)の使用に関する。
なおも別の実施形態において、本明細書中に開示される化合物は、生物学的サンプル(例えば、感染した細胞培養物)中のウイルス価またはヒトにおけるウイルス価(例えば、患者における肺のウイルス価)を低下させるために使用され得る。
用語「インフルエンザウイルスによって媒介される症状」、「インフルエンザ感染」または「インフルエンザ」は、本明細書中で使用されるとき、インフルエンザウイルスによる感染によって引き起こされる疾患を意味するために相互交換可能に使用される。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる、鳥類および哺乳動物が発症する感染症である。インフルエンザウイルスは、5つの属:インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、ISAウイルスおよびトゴトウイルスを含むオルトミクソウイルス科のRNAウイルスである。インフルエンザウイルスA属は、1つの種、インフルエンザAウイルスを有し、それは、これらのウイルスに対する抗体応答に基づいて異なる血清型に細分され得る:H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3およびH10N7。インフルエンザAウイルスのさらなる例としては、H3N8およびH7N9が挙げられる。インフルエンザウイルスB属は、1つの種、インフルエンザBウイルスを有する。インフルエンザBは、ほとんどもっぱらヒトに感染し、インフルエンザAよりも一般的でない。インフルエンザウイルスC属は、1つの種、インフルエンザCウイルスを有し、これは、ヒトおよびブタに感染し、重症の疾病および地域的流行を引き起こし得る。しかしながら、インフルエンザウイルスCは、他のタイプよりも一般的でなく、通常、小児において軽症の疾患を引き起こすとみられる。
本発明のいくつかの実施形態において、インフルエンザまたはインフルエンザウイルスは、インフルエンザウイルスAまたはBに関連する。本発明のいくつかの実施形態において、インフルエンザまたはインフルエンザウイルスは、インフルエンザウイルスAに関連する。本発明のいくつかの具体的な実施形態において、インフルエンザウイルスAは、H1N1、H2N2、H3N2またはH5N1である。本発明のいくつかの具体的な実施形態において、インフルエンザウイルスAは、H1N1、H3N2、H3N8、H5N1およびH7N9である。本発明のいくつかの具体的な実施形態において、インフルエンザウイルスAは、H1N1、H3N2、H3N8およびH5N1である。
ヒトでは、インフルエンザの一般的な症候は、悪寒、発熱、咽頭炎、筋痛、重度の頭痛、咳嗽、脱力および全体的な不快感である。より重症の場合、インフルエンザは、肺炎を引き起こし、それは、特に低年齢小児および高齢者において致死的であり得る。インフルエンザは、感冒と混同されることが多いが、さらにいっそう重症の疾患であり、異なるタイプのウイルスによって引き起こされる。インフルエンザは、特に、小児では悪心および嘔吐を生じさせ得るが、これらの症候は、無関係な胃腸炎に特徴的であり、それは、時折、「ウイルス性胃腸炎(stomach flu)」または「24時間インフルエンザ(24−hour flu)」と呼ばれる。
インフルエンザの症候は、感染の1〜2日後にかなり突然始まり得る。通常、最初の症候は、悪寒または寒気であるが、感染の初期では発熱も一般的であり、体温は、38℃〜39℃(およそ100°F〜103°F)である。多くの人は、全身にわたる痛みおよび疼痛(背中および脚においてより不良)を伴って、数日間にわたって病床に伏せるほど不調である。インフルエンザの症候としては、身体の痛み、特に、関節および咽頭の痛み、極度の冷感および発熱、疲労、頭痛、刺激されて涙が出ている眼、赤くなった眼、皮膚(特に、顔面)、口、咽頭および鼻、腹痛(インフルエンザBを有する小児において)が挙げられ得る。インフルエンザの症候は、非特異的であり、多くの病原体と重複する(「インフルエンザ様疾病」)。通常、診断を確定するためには、検査データが必要である。
用語「疾患」、「障害」および「症状」は、インフルエンザウイルスによって媒介される医学的または病理学的な症状のことを指すために交換可能に本明細書中で使用され得る。
本明細書中で使用されるとき、用語「被験体」および「患者」は、交換可能に使用される。用語「被験体」および「患者」とは、動物(例えば、鳥類、例えば、ニワトリ、ウズラもしくはシチメンチョウ、または哺乳動物)、具体的には、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、モルモット、ラット、ネコ、イヌおよびマウス)および霊長類(例えば、サル、チンパンジーおよびヒト)を含む「哺乳動物」、より具体的にはヒトのことを指す。1つの実施形態において、被験体は、非ヒト動物、例えば、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ブタまたはヒツジ)またはペット(例えば、イヌ、ネコ、モルモットまたはウサギ)である。好ましい実施形態において、被験体は、「ヒト」である。
用語「生物学的サンプル」は、本明細書中で使用されるとき、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得られた生検材料またはその抽出物;血液、唾液、尿、便、精液、涙液もしくは他の体液またはそれらの抽出物を含むがこれらに限定されない。
本明細書中で使用されるとき、「感染効率」または「MOI」は、感染性物質(例えば、ファージまたはウイルス)と感染の標的(例えば、細胞)との比である。例えば、感染性ウイルス粒子を接種された細胞の群について言及しているとき、感染効率またはMOIは、ウェル内に沈着した感染性ウイルス粒子の数をそのウェルの中に存在する標的細胞の数で除算することによって定義される比である。
本明細書中で使用されるとき、用語「インフルエンザウイルスの複製の阻害」は、ウイルス複製の量の減少(例えば、少なくとも10%減少)とウイルス複製の完全な停止(すなわち、ウイルス複製の量の100%減少)の両方を含む。いくつかの実施形態において、インフルエンザウイルスの複製は、少なくとも50%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%阻害される。
インフルエンザウイルスの複製は、当該分野で公知の任意の好適な方法によって計測され得る。例えば、生物学的サンプル(例えば、感染した細胞培養物)中のインフルエンザウイルス価またはヒトにおけるインフルエンザウイルス価(例えば、患者における肺のウイルス価)が、計測され得る。より具体的には、細胞ベースのアッセイの場合、各場合において、細胞をインビトロで培養し、試験物質の存在下または非存在下において、その培養物にウイルスを加え、好適な長さの時間が経過した後、ウイルスに依存するエンドポイントを評価する。代表的なアッセイの場合、Madin−Darbyイヌ腎臓細胞(MDCK)および標準的な組織培養に適合されたインフルエンザ株であるA/Puerto Rico/8/34が使用され得る。本発明において使用され得る第1のタイプの細胞アッセイは、細胞変性効果(CPE)と呼ばれるプロセス(ここで、ウイルス感染は、細胞資源の消耗およびその細胞の最終的な溶解を引き起こす)である、感染した標的細胞の死滅に依存する。この第1のタイプの細胞アッセイでは、マイクロタイタープレートのウェルの中の低い割合の細胞を感染させ(通常、1/10〜1/1000)、ウイルスを、48〜72時間にわたって数回複製させ、そして非感染のコントロールと比べたときの細胞のATP含有量の減少を用いて、細胞死の量を計測する。本発明において使用され得る第2のタイプの細胞アッセイは、感染した細胞におけるウイルス特異的RNA分子の分裂増殖に依存し、ここで、RNAレベルは、分枝鎖DNAハイブリダイゼーション法(bDNA)を用いて直接計測される。この第2のタイプの細胞アッセイでは、はじめにマイクロタイタープレートのウェルの中の少数の細胞を感染させ、そのウイルスを、感染した細胞の中で複製させてさらなる世代の細胞にまで広げ、そして、それらの細胞を溶解してウイルスRNA含有量を計測する。このアッセイは、すべての標的細胞が生存可能である間に、早期に、通常、18〜36時間後に停止される。ウイルスRNAは、アッセイプレートのウェルに固定された特異的なオリゴヌクレオチドプローブへのハイブリダイゼーション、次いで、レポーター酵素に連結されたさらなるプローブとのハイブリダイゼーションによるシグナルの増幅によって定量される。
本明細書中で使用されるとき、「ウイルス価(または力価)」は、ウイルス濃度の尺度である。力価の試験は、段階希釈を使用することにより、陽性または陰性とだけ本質的に評価する分析手順からおおよその定量的情報を得ることができる。この力価は、なおも陽性の読み取りをもたらす最も高い希釈係数に対応する;例えば、2倍の段階希釈物の最初の8つにおける陽性の読み取りは、1:256という力価に言い換えられる。具体的な例は、ウイルス価である。その力価を測定するために、いくつかの希釈物(例えば、10−1、10−2、10−3、10−4、10−5、10−6、10−7、10−8)が調製される。なおも細胞に感染する最も低いウイルス濃度が、ウイルス価である。
本明細書中で使用されるとき、用語「処置する(treat)」、「処置」および「処置する(treating)」とは、治療的な処置と予防的な処置の両方のことを指す。例えば、治療的な処置には、インフルエンザウイルスによって媒介される症状の進行、重症度および/もしくは持続時間の減少もしくは回復、または1つもしくはそれを超える治療(例えば、1つまたはそれを超える治療薬、例えば、本発明の化合物または組成物)の投与に起因する、インフルエンザウイルスによって媒介される症状の1つもしくはそれを超える症候(具体的には、1つまたはそれを超える識別可能な症候)の回復が含まれる。特定の実施形態において、治療的な処置には、インフルエンザウイルスによって媒介される症状の少なくとも1つの計測可能な身体的パラメータの回復が含まれる。他の実施形態において、治療的な処置には、身体的(例えば、識別可能な症候の安定化によるもの)、生理的(例えば、身体的パラメータの安定化によるもの)またはその両方による、インフルエンザウイルスによって媒介される症状の進行の阻害が含まれる。他の実施形態において、治療的な処置には、インフルエンザウイルスによって媒介される感染症の減少または安定化が含まれる。抗ウイルス薬は、症候の重症度を低下させるためおよび体調の悪い日数を減少させるために、すでにインフルエンザを有する人々を処置するために社会環境において使用され得る。
用語「化学療法」とは、障害または疾患を処置するための薬剤、例えば、小分子薬物(「ワクチン」ではないもの)の使用のことを指す。
用語「予防法」または「予防的使用」および「予防的な処置」は、本明細書中で使用されるとき、目的が疾患を処置または治癒することではなく予防することである、任意の医学的なまたは公衆衛生上の手順のことを指す。本明細書中で使用されるとき、用語「予防する(prevent)」、「予防」および「予防する(preventing)」とは、現在は病気ではないが、その疾患を有していた人の近くにいたことがあるかまたは近くにいる可能性がある被験体における、所与の症状を獲得するかもしくは発症するリスクの低下、または再発もしくは前記症状の減少もしくは阻害のことを指す。用語「化学的予防法」とは、障害または疾患を予防するための、薬剤、例えば、小分子薬物(「ワクチン」ではないもの)の使用のことを指す。
本明細書中で使用されるとき、予防的使用には、重度のインフルエンザ合併症のリスクが高い多数の人々が互いに密接に接触して生活している場所(例えば、病棟、デイケアセンター、刑務所、ナーシングホームなど)において接触感染または感染の広がりを防ぐために、大流行が検出された状況において使用することが含まれる。予防的使用には、インフルエンザからの保護を必要とするが、ワクチン接種後に保護されていない(例えば、免疫系が弱いことに起因して)集団の間で使用すること、またはその集団がワクチンを入手できないとき、もしくはその集団が副作用のせいでワクチンを受けられないとき、その集団の間で使用することも含まれる。ワクチン接種後の2週間の間は、ワクチンがまだ無効である時間であるので、予防的使用には、その2週間の間に使用することも含まれる。予防的使用には、インフルエンザにかかっていないかまたは合併症のリスクが高いと考えられない人がインフルエンザに感染する確率を低下させるため、およびその人(例えば、医療従事者、ナーシングホームの労働者など)と密接に接触する高リスク者に伝染させる確率を低下させるために、そのインフルエンザにかかっていないかまたは合併症のリスクが高いと考えられない人を処置することも含まれることがある。
米国のCDCによると、インフルエンザの「大流行」は、互いに近接している人々の群(例えば、介護付き老人ホームの同じ区域にいる人々、同じ世帯の人々など)において、正常なバックグラウンドの割合を超えて、または解析された集団内のいずれかの被験体がインフルエンザの検査で陽性と出たとき、48〜72時間以内に生じる急性熱性呼吸器疾患(AFRI)の急増と定義される。任意の検査方法によって確定されたインフルエンザの1例は、大流行と考えられる。
「クラスター」は、互いに近接している人々の群(例えば、介護付き老人ホームの同じ区域にいる人々、同じ世帯の人々など)において48〜72時間以内に生じる3例またはそれを超える症例のAFRIの群として定義される。
本明細書中で使用されるとき、「インデックスケース」、「最初の症例」または「患者第1号」は、疫学的調査の集団サンプルにおける最初の患者である。疫学的調査におけるそのような患者のことを指すために広く使用されるとき、その用語は、大文字で書かれない。その用語が、具体的な調査に関する報告の中でその人の名前の代わりに特定人物のことを指すために使用されるとき、その用語は、患者第1号(Patient Zero)と大文字で書かれる。しばしば、科学者らは、その疾患がどのように広がるか、およびどの貯蔵所が大流行の間にその疾患を保持しているかを明らかにするために、インデックスケースを探し求める。インデックスケースは、大流行の出現を示す1番目の患者であることに注意されたい。それより早い症例が見つかる場合があり、それらは、第1、第2、第3などと名称がつけられる。
1つの実施形態において、本発明の方法は、インフルエンザウイルスによる感染に起因する合併症の素因を有する患者、具体的にはヒトに対する予防的なまたは「先制」の措置である。例えば、「先制」使用におけるような、用語「先制」または、「先制的に」は、本明細書中で使用されるとき、「インデックスケース」または「大流行」が確認された状況における、コミュニティーまたは集団群の残りの部分への感染の広がりを予防するための予防的な使用である。
別の実施形態において、本発明の方法は、感染の広がりを予防するために、コミュニティーまたは集団群のメンバー、具体的にはヒトに「先制」の措置として利用される。
本明細書中で使用されるとき、「有効量」とは、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量のことを指す。本発明において、所望の生物学的応答は、インフルエンザウイルスの複製を阻害すること、インフルエンザウイルスの量を減少させること、またはインフルエンザウイルスの感染の重症度、期間、進行もしくは発生を減少させるかもしくは回復させること、インフルエンザウイルスの感染の進行を妨げること、インフルエンザウイルスの感染に関連する症候の再発、発症、発生もしくは進行を妨げること、またはインフルエンザの感染に対して使用される別の治療の予防もしくは治療効果(単数または複数)を増強するかもしくは改善することである。被験体に投与される化合物の正確な量は、投与様式、感染のタイプおよび重症度、ならびに被験体の特色(例えば、全般的な健康状態、年齢、性別、体重および薬物に対する耐性)に依存する。当業者は、これらの因子および他の因子に応じて適切な投与量を決定することができる。他の抗ウイルス剤と共投与されるとき、例えば、抗インフルエンザ薬と共投与されるとき、その第2の薬剤の「有効量」は、使用される薬物のタイプに依存する。好適な投与量は、承認された薬剤については公知であり、被験体の症状、処置されている症状(単数または複数)のタイプおよび使用されている本明細書中に記載される化合物の量に従って、当業者によって調整され得る。量が明白に述べられていない場合、有効量が想定されるべきである。例えば、本明細書中に開示される化合物は、治療的な処置または予防的な処置のために、およそ0.01mg/kg〜100mg/kg体重/日の投与量の範囲内で被験体に投与され得る。
一般に、投与レジメンは、処置されている障害およびその障害の重症度;使用されている具体的な化合物の活性;使用されている具体的な組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別および食事;使用されている具体的な化合物の投与時間、投与経路および排出速度;被験体の腎臓および肝臓の機能;ならびに使用されている特定の化合物またはその塩、処置の期間;使用されている具体的な化合物と併用してまたは同時に使用される薬物、ならびに医学分野において周知の同様の因子を含む種々の因子に従って選択され得る。当業者は、その疾患を処置するため、予防するため、阻害するため(完全にまたは部分的に)またはその疾患の進行を停止するために必要な本明細書中に記載される化合物の有効量を容易に決定することおよび処方することができる。
本明細書中に記載される化合物の投与量は、0.01mg/kg〜100mg/kg体重/日、0.01mg/kg〜50mg/kg体重/日、0.1mg/kg〜50mg/kg体重/日または1mg/kg〜25mg/kg体重/日の範囲であり得る。1日あたりの総量は、単回用量で投与され得るか、または複数回用量(例えば、1日2回(例えば、12時間毎)、1日3回(例えば、8時間毎)または1日4回(例えば、6時間毎))で投与され得ると理解される。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物(例えば、水和物2、水和物3、形態D、形態A、形態B、形態Cまたは非晶質の化合物(1))の投与量は、100mg〜1,600mg、例えば、400mg〜1,600mgまたは400mg〜1,200mgの範囲内である。各用量は、1日1回(QD)、1日あたり2回(例えば、およそ12時間毎(BID))または1日あたり3回(例えば、およそ8時間毎(TID))で取り入れられ得る。QD、BIDおよびTIDの任意の組み合わせが、所望のとおりに、例えば、1日目のBIDに続いてその後はQDが、使用され得ることに注意する。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物(例えば、化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩(化合物(1)の様々な固体形態(例えば、水和物2、水和物3、形態D、形態A、形態B、形態Cまたは非晶質)を含む))は、100mg〜1,600mg、例えば、400mg〜1,600mgまたは400mg〜1,200mgの範囲内である。各用量は、1日1回(QD)、1日あたり2回(例えば、12時間毎(BID))または1日あたり3回(例えば、q8h(TID))で取り入れられ得る。QD、BIDおよびTIDの任意の組み合わせが、所望のとおりに、例えば、1日目のBIDに続いてその後はQD、または1日目に負荷投与量が用いられるときは2日目のBIDに続いてその後はQDが、使用され得ることに注意する。
1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日1回の400mg〜1,600mg、400mg〜1,200mgまたは600mg〜1,200mgである。別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日2回の400mg〜1,600mg、400mg〜1,200mgまたは300mg〜900mgである。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日1回の400mg〜1,000mgである。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日1回の600mg〜1,000mgである。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日1回の600mg〜800mgである。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日2回の400mg〜800mg(例えば、12時間毎の400mg〜800mg)である。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与量は、1日2回の400mg〜600mgである。
いくつかの実施形態において、負荷投与レジメンが用いられる。1つの具体的な実施形態において、400mg〜1,600mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。別の具体的な実施形態において、600mg〜1,600mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。別の具体的な実施形態において、800mg〜1,600mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。なおも別の具体的な実施形態において、900mg〜1,600mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。なおも別の具体的な実施形態において、900mg〜1,200mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。なおも別の具体的な実施形態において、900mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。なおも別の具体的な実施形態において、1,000mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。なおも別の具体的な実施形態において、1,200mgの負荷量が、処置の1日目に用いられる。
1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物の投与レジメンは、1日目に600mg〜1,600mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって300mg〜1,200mgの定まった投与量を使用する。定まった各用量は、1日1回、1日2回もしくは1日3回またはそれらの任意の組み合わせで取り入れられ得る。さらに具体的な実施形態において、900mg〜1,600mg(例えば、900mg、1,200mgまたは1,600mg)の負荷投与量が用いられる。別のさらに具体的な実施形態において、900mg〜1,200mg(例えば、900mgまたは1,200mg)の負荷投与量が用いられる。なおも別のさらに具体的な実施形態において、400mg〜1,200mg(400mg、600mgまたは800mg)の定まった投与量が、その処置期間の残りの期間にわたって用いられる。なおも別のさらに具体的な実施形態において、その処置の残りの期間にわたる400mg〜1,000mgの定まった投与量。なおも別のさらに具体的な実施形態において、400mg〜800mgの定まった投与量が、その処置期間の残りの期間にわたって用いられる。なおも別のさらに具体的な実施形態において、1日2回の300mg〜900mgの定まった投与量が用いられる。なおも別のさらに具体的な実施形態において、1日1回の600mg〜1,200mgの定まった投与量が用いられる。なおも別のさらに具体的な実施形態では、2日目に1日2回の600mgの定まった投与量の後、その処置期間の残りの期間にわたって1日1回の600mg。
治療的な処置のために、本明細書中に記載される化合物は、例えば、症候(例えば、鼻閉、咽喉炎、咳、痛み、疲労、頭痛および悪寒/発汗)の発生の48時間以内(または40時間以内、または2日未満、または1.5日未満、または24時間以内)に患者に投与され得る。あるいは、治療的な処置のために、本明細書中に記載される化合物は、例えば、症候の発生の96時間以内に患者に投与され得る。その治療的な処置は、任意の好適な期間、例えば、3日間、4日間、5日間、7日間、10日間、14日間などにわたって継続し得る。地域社会の大流行の間の予防的な処置のために、本明細書中に記載される化合物は、インデックスケースにおいて、例えば、症候の発生の2日以内に患者に投与され得、任意の好適な期間、例えば、7日間、10日間、14日間、20日間、28日間、35日間、42日間などにわたって、インフルエンザシーズン全体まで、続けられ得る。インフルエンザシーズンは、インフルエンザの大流行の蔓延を特徴とする、毎年繰り返し発生する時期である。インフルエンザの活動は、時折、予測することができ、地理的に追跡することさえもできる。各シーズンにおける主要なインフルエンザの活動の開始は、場所によって異なるが、いずれの具体的な場所においても、これらの小さい流行は、通常、ピークを迎えるまでに3〜4週間を要し、著しく減少するまでにさらに3〜4週間を要する。代表的には、Centers for Disease Control(CDC)が、米国において一年中、インフルエンザの活動に関する情報を収集し、集計し、および解析し、10月から5月中旬まで週報を作成する。
1つの実施形態において、治療的な処置は、1日間からインフルエンザシーズン全体にわたって継続する。1つの具体的な実施形態において、治療的な処置は、3日間〜14日間継続する。別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、5日間〜14日間継続する。別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、3日間〜10日間継続する。なおも別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、4日間〜10日間継続する。なおも別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、5日間〜10日間継続する。なおも別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、4日間〜7日間(例えば、4日間、5日間、6日間または7日間)継続する。なおも別の具体的な実施形態において、治療的な処置は、5日間〜7日間(例えば、5日間、6日間または7日間)継続する。1つの具体的な実施形態において、予防的な処置は、インフルエンザシーズン全体まで継続する。
1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間(例えば、5日間〜14日間)にわたって、1日目に900mg〜1,600mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって300mg〜1,200mgの定まった投与量で患者に投与される。別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間(例えば、5日間〜14日間)にわたって、1日目に900mg〜1,200mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって400mg〜1,000mgの定まった投与量で患者に投与される。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間(例えば、5日間〜14日間)にわたって、1日目に900mg〜1,200mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって400mg〜800mgの定まった投与量で患者に投与される。なおも別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間(例えば、5日間〜14日間)にわたって、1日目に900mg〜1,200mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって400mg〜800mgの定まった投与量で患者に投与される。各用量は、1日1回、1日2回もしくは1日3回またはそれらの任意の組み合わせで取り入れられ得る。
1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間にわたって、1日目に900mg〜1,600mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって1日1回の600mg〜1,000mgの定まった投与量で患者に投与される。別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間にわたって、1日目に900mg〜1,200mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって1日1回の600mg〜800mg(例えば、600mg、650mg、700mg、750mgまたは800mg)の定まった投与量で患者に投与される。いくつかの実施形態において、処置期間は、4日間〜10日間、5日間〜10日間または5日間〜7日間である。
1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間にわたって、1日目に900mg〜1,600mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって1日2回の400mg〜800mgの定まった投与量で患者に投与される。別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、3日間〜14日間にわたって、1日目に900mg〜1,200mgの負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって1日2回の400mg〜600mg(例えば、400mg、450mg、500mg、550mgまたは600mg)の定まった投与量で患者に投与される。いくつかの実施形態において、その期間は、4日間〜10日間、5日間〜10日間または5日間〜7日間である。
1つの具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、4日間または5日間にわたって、1日目に900mg〜1,200mg(例えば、900mgまたは1,200mg)の負荷投与量、およびその処置の残りの期間(例えば、2〜4日目または2〜5日目)にわたって1日2回の400mg〜600mg(例えば、400mgまたは600mg)の定まった投与量で患者に投与される。別の具体的な実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、4日間または5日間にわたって、1日目に900mg〜1,200mg(例えば、900mgまたは1,200mg)の負荷投与量、およびその処置期間の残りの期間にわたって1日1回の600mg〜800mg(例えば、600mgまたは800mg)の定まった投与量で患者に投与される。
様々なタイプの投与方法が、本発明において使用することができ、それは、下記の「投与方法」という標題の項に詳細に記載されている。
様々なタイプの投与方法を本発明において使用することができ、それは、下記の「投与方法」という標題の項に詳細に記載される。
IV.併用療法
有効量は、本発明の化合物(薬学的に許容され得る塩または溶媒和物(例えば、水和物)を含む)を単独でまたは好適なさらなる治療薬、例えば、抗ウイルス剤もしくはワクチンと併用して使用する本発明の方法または薬学的組成物において達成され得る。「併用療法」が用いられるとき、有効量は、第1の量の本発明の化合物および第2の量の好適なさらなる治療薬(例えば、抗ウイルス剤またはワクチン)を使用して達成され得る。
本発明の別の実施形態において、本発明の化合物およびさらなる治療薬は、各々、有効量で(すなわち、各々が単独で投与される場合に治療的に有効である量で)投与される。別の実施形態において、本発明の化合物およびさらなる治療薬は、各々、単独では治療効果をもたらさない量(治療用量以下の用量)で投与される。なおも別の実施形態において、本発明の化合物は、有効量で投与され得、さらなる治療薬は、治療用量以下の用量で投与される。なおも別の実施形態において、本発明の化合物は、治療用量以下の用量で投与され得、さらなる治療薬、例えば、好適な癌治療薬は、有効量で投与される。
本明細書中で使用されるとき、用語「併用して」または「共投与」は、1つより多い治療(例えば、1つまたはそれを超える予防薬および/または治療薬)の使用のことを指すために交換可能に使用され得る。それらの用語の使用は、治療(例えば、予防薬および/または治療薬)が被験体に投与される順序を限定しない。
共投与は、本質的に同時の様式(例えば、第1の量と第2の量の固定された比率を有する単一の薬学的組成物、例えば、カプセル剤または錠剤)における、または各々に対して別個の複数のカプセル剤もしくは錠剤における、第1の量および第2の量の化合物の共投与を包含する。さらに、そのような共投与は、いずれかの順序での連続した様式での各化合物の使用も包含する。
1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される化合物を使用して、生物学的サンプルもしくは患者においてインフルエンザウイルスの複製を阻害するため、または患者におけるインフルエンザウイルスの感染を処置するためもしくは予防するための併用療法の方法に関する。したがって、本発明の薬学的組成物には、本発明のインフルエンザウイルスの複製の阻害剤を、抗インフルエンザウイルス活性を示す抗ウイルス化合物とともに含む組成物も含まれる。
本明細書中に記載される化合物および本発明の組成物を使用する方法は、化学療法と本発明の化合物もしくは組成物との併用、または本発明の化合物もしくは組成物と別の抗ウイルス剤およびインフルエンザワクチンによるワクチン接種との併用も含む。
共投与が、第1の量の本発明の化合物および第2の量のさらなる治療薬の別個の投与を含むとき、それらの化合物は、所望の治療効果をもたらすのに十分に近い時点において投与される。例えば、所望の治療効果をもたらし得る各投与の間の時間の長さは、数分から数時間の範囲であり得、各化合物の特性(例えば、効力、溶解度、バイオアベイラビリティ、血漿半減期および動力学的プロファイル)を考慮に入れて決定され得る。例えば、本発明の化合物および第2の治療薬は、互いの24時間以内に、互いの16時間以内に、互いの8時間以内に、互いの4時間以内に、互いの1時間以内に、または互いの30分以内に、任意の順序で投与され得る。
より具体的には、第1の治療(例えば、予防薬または治療薬、例えば、本発明の化合物)は、被験体に第2の治療(例えば、予防薬または治療薬、例えば、抗癌剤)を投与する前(例えば、5分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前または12週間前)、その投与と同時、またはその投与の後(例えば、5分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後または12週間後)に投与され得る。
第1の量の本発明の化合物と第2の量のさらなる治療薬との共投与の方法は、増強された治療効果または相乗的な治療効果をもたらし得ることが理解され、ここで、その組み合された効果は、第1の量の本発明の化合物と第2の量のさらなる治療薬との別個の投与から生じる相加効果より大きい。
本明細書中で使用されるとき、用語「相乗的な」とは、本発明の化合物と別の治療(例えば、予防薬または治療薬)との組み合わせのことを指し、それは、それらの治療の相加効果よりも効果的である。治療の併用(例えば、予防薬または治療薬の併用)の相乗効果は、1つまたはそれを超えるそれらの治療をより低い投与量で使用すること、および/または前記治療を被験体により低い頻度で投与することを可能にし得る。より低い投与量の治療(例えば、予防薬または治療薬)を使用することおよび/またはより低い頻度で前記治療を投与することができることにより、障害の予防、管理または処置において前記治療の有効性を低下させることなく、被験体への前記治療の投与に関連する毒性を減少させることができる。さらに、相乗効果は、障害の予防、管理または処置における薬剤の有効性の改善をもたらし得る。最終的には、治療の併用(例えば、予防薬または治療薬の併用)の相乗効果は、いずれかの治療を単独で使用するのに関連する有害なまたは望まれない副作用を回避し得るか、または減少させ得る。
本発明の化合物を使用する併用療法が、インフルエンザワクチンと併用されるとき、各投与間の時間を、より長くすることができるように(例えば、数日間、数週間または数ヶ月間)、両方の治療薬が投与され得る。
相乗効果の存在は、薬物の相互作用を評価するのに適した方法を用いて判定され得る。好適な方法としては、例えば、Sigmoid−Emax方程式(Holford,N.H.G.and Scheiner,L.B.,Clin.Pharmacokinet.6:429−453(1981))、Loewe加算方程式(Loewe,S.and Muischnek,H.,Arch.Exp.Pathol Pharmacol.114:313−326(1926))および半有効方程式(median−effect equation)(Chou,T.C.and Talalay,P.,Adv.Enzyme Regul.22:27−55(1984))が挙げられる。上で言及した各方程式は、実験データに利用することにより、対応するグラフを作成することができ、薬物の併用の効果の評価に役立つ。上で言及した方程式に関連する対応するグラフは、それぞれ、濃度−効果曲線、アイソボログラム曲線および併用指数曲線である。
本明細書中に記載される化合物と共投与され得る具体的な例としては、ノイラミニダーゼ阻害剤(例えば、オセルタミビル(Tamiflu(登録商標))およびザナミビル(Rlenza(登録商標)))、ウイルスイオンチャネル(M2タンパク質)遮断剤(例えば、アマンタジン(Symmetrel(登録商標))およびリマンタジン(Flumadine(登録商標)))、および日本の富山化学工業が開発中のT−705を含むWO2003/015798に記載されている抗ウイルス薬(Rurutaら、Antiviral Research,82:95−102(2009),“T−705(flavipiravir)and related compounds:Novel broad−spectrum inhibitors of RNA viral infections”も参照のこと)が挙げられる。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、従来のインフルエンザワクチンと共投与され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物(例えば、化合物(1)およびその薬学的に許容され得る塩、例えば、水和物2、水和物3、形態D、形態A、形態B、形態Cまたは非晶質の化合物(1))は、ザナミビルと共投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、ファビピラビル(flavipiravir)(T−705)と共投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、オセルタミビルと共投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、アマンタジンまたはリマンタジンと共投与され得る。オセルタミビルは、そのラベルに明記された投与レジメンで投与され得る。いくつかの具体的な実施形態において、オセルタミビルは、75mgを1日2回または150mgを1日1回投与される。
薬学的組成物
本明細書中に記載される化合物は、薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、佐剤またはビヒクルをさらに含む薬学的組成物に製剤化され得る。1つの実施形態において、本発明は、上に記載された本発明の化合物、および薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、佐剤またはビヒクルを含む薬学的組成物に関する。1つの実施形態において、本発明は、有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、および薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤、佐剤またはビヒクルを含む薬学的組成物である。薬学的に許容され得るキャリアとしては、例えば、意図される投与形式に関して適切に選択され、従来の薬務に一致する、薬学的希釈剤、賦形剤またはキャリアが挙げられる。
「有効量」は、「治療有効量」および「予防有効量」を含む。用語「治療有効量」とは、インフルエンザに感染した患者におけるインフルエンザウイルスの感染を処置する際および/または回復させる際に有効な量のことを指す。用語「予防有効量」とは、インフルエンザウイルスの感染の大流行を予防する際および/またはその確率もしくはサイズを実質的に減少させる際に有効な量のことを指す。有効量の具体的な例は、開示される化合物の使用という標題の項において上に記載された量である。
薬学的に許容され得るキャリアは、化合物の生物学的活性を過度に阻害しない不活性な成分を含み得る。薬学的に許容され得るキャリアは、生体適合性、例えば、無毒性、非炎症性、非免疫原性であるべきであるか、または被験体に投与した際に他の望まれない反応もしくは副作用を欠くべきである。標準的な薬学的製剤化の手法が使用され得る。
薬学的に許容され得るキャリア、佐剤またはビヒクルは、本明細書中で使用されるとき、所望の特定の剤形にふさわしい任意のおよびすべての溶媒、希釈剤または他の液状のビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤などを含む。Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)には、薬学的に許容され得る組成物を製剤化する際に使用される様々なキャリア、およびそれを調製するための公知の手法が開示されている。任意の従来のキャリア媒体が、本明細書中に記載される化合物と適合しない場合を除いて(例えば、任意の望ましくない生物学的作用をもたらすことによって、またはそうでなければ、薬学的に許容され得る組成物の他の任意の構成要素(単数または複数)と有害な様式で相互作用することによって)、その使用は、本発明の範囲内であると企図される。本明細書中で使用されるとき、句「副作用」は、治療(例えば、予防薬または治療薬)の望まれない作用および有害作用を包含する。副作用は、常に望まれないが、望まれない効果は、必ずしも有害ではない。治療(例えば、予防薬または治療薬)からの有害作用は、害を及ぼすものであり得るか、または不快なものであり得るか、または危険なものであり得る。副作用としては、発熱、悪寒、嗜眠、胃腸毒性(胃および腸管の潰瘍およびびらんを含む)、悪心、嘔吐、神経毒性、腎毒性(nephrotoxicities)、腎毒性(renal toxicities)(乳頭部壊死および慢性間質性腎炎のような症状を含む)、肝毒性(血清肝臓酵素レベルの上昇を含む)、骨髄毒性(白血球減少、骨髄抑制、血小板減少および貧血を含む)、口渇、金気、妊娠期間の延長、脱力、傾眠、疼痛(筋痛、骨痛および頭痛を含む)、脱毛、無力症、眩暈、錐体外路症状、静座不能、心血管障害および性機能障害が挙げられるが、これらに限定されない。
薬学的に許容され得るキャリアとして機能し得る材料のいくつかの例としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、twin 80、ホスフェート、グリシン、ソルビン酸またはソルビン酸カリウム)、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウムまたは亜鉛塩)、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、羊毛脂、糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);トラガント粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、カカオバターおよび坐剤ろう);油(例えば、落花生油、綿実油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;トウモロコシ油およびダイズ油);グリコール;例えば、(such a)プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール;エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);寒天;緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質非含有水;等張食塩水;リンガー溶液;エチルアルコールおよびホスフェート緩衝液、ならびに他の無毒性で適合性の滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)が挙げられるが、これらに限定されず、ならびに着色剤、放出剤(releasing agents)、コーティング剤、甘味料、香味料および芳香料、保存剤および酸化防止剤もまた、配合者の判断に従って組成物中に存在してもよい。
V.投与方法
上に記載された化合物および薬学的に許容され得る組成物は、処置される感染症の重症度に応じて、ヒトおよび他の動物に、経口的に、直腸に、非経口的に、槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(散剤、軟膏剤または液滴によって)、頬側に(bucally)、経口スプレー剤または点鼻薬などとして、投与され得る。
経口投与用の液体剤形としては、薬学的に許容され得る乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。液体剤形は、有効な化合物に加えて、当該分野において通常使用される不活性な希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含み得る。経口組成物は、不活性な希釈剤のほかに、佐剤(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味料、香味料および芳香料)も含み得る。
注射可能な調製物、例えば、滅菌された注射可能な水性または油性の懸濁剤は、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて公知の技術に従って製剤化され得る。滅菌された注射可能な調製物は、無毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌された注射可能な液剤、懸濁剤または乳剤、例えば、1,3−ブタンジオール中の液剤でもあり得る。使用され得る許容され得るビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液,U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌された固定油が、溶媒または懸濁媒として従来法で使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の非刺激性の固定油が、使用され得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射可能物の調製において使用される。
注射可能な製剤は、使用前に、例えば、細菌保持フィルターで濾過することによって、または滅菌水もしくは他の滅菌された注射可能な媒体に溶解され得るかもしくは分散され得る滅菌された固体組成物の形態に滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。
本明細書中に記載される化合物の効果を延長するために、皮下注射または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅らせることが望ましいことが多い。これは、水溶性に乏しい結晶性材料または非晶質材料の液体懸濁剤を使用することによって達成され得る。化合物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、さらにその溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。あるいは、非経口的に投与される化合物の形態の吸収の遅延は、その化合物を油性ビヒクルに溶解するかまたは懸濁することによって達成される。注射可能なデポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中にその化合物のマイクロカプセルマトリックス(microencapsule matrices)を形成することによって作製される。化合物とポリマーとの比および使用される特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。注射可能なデポー製剤は、体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルジョンの中に化合物を封入することによっても調製される。
直腸投与用または膣投与用の組成物は、具体的には、周囲温度において固体であるが体温では液体であるがゆえに直腸または膣腔において融解して有効な化合物を放出する好適な非刺激性の賦形剤またはキャリア(例えば、カカオバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ろう)と本明細書中に記載される化合物を混合することによって調製され得る坐剤である。
経口投与用の固形剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が挙げられる。そのような固形剤形では、有効な化合物は、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容され得る賦形剤もしくはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム)ならびに/またはa)充填剤または増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシア)、c)保水剤(例えば、グリセロール)、d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケートおよび炭酸ナトリウム)、e)溶解遅延剤(例えば、パラフィン)、f)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール)、h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土)、およびi)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物)と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、その剤形は、緩衝剤も含み得る。
類似のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用する軟および硬ゼラチンカプセルにおいて充填剤としても使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、コーティングおよびシェル(例えば、腸溶コーティングおよび製剤配合の分野において周知の他のコーティング)を用いて調製され得る。それらは、必要に応じて不透明化剤を含むことがあり、ある特定の腸管部分において、必要に応じて遅延様式で、有効成分(単数または複数)だけを放出するかまたは有効成分(単数または複数)を優先的に放出する組成物でもあり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびろうが挙げられる。類似のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレン(polethylene)グリコールなどのような賦形剤を使用する軟および硬ゼラチンカプセルにおいて充填剤としても使用され得る。
有効な化合物は、上で述べたような1つまたはそれを超える賦形剤を有するマイクロカプセル化された形態でもあり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、コーティングおよびシェル(例えば、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび製剤配合の分野において周知の他のコーティング)を用いて調製され得る。そのような固形剤形において、有効な化合物は、少なくとも1つの不活性な希釈剤(例えば、スクロース、ラクトースまたはデンプン)と混和され得る。そのような剤形は、通常の慣行のように、不活性な希釈剤以外のさらなる物質、例えば、打錠滑沢剤および他の打錠助剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロース)も含み得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、それらの剤形は、緩衝剤も含み得る。それらは、必要に応じて不透明化剤を含むことがあり、ある特定の腸管部分において、必要に応じて遅延様式で、有効成分(単数または複数)だけを放出するかまたは有効成分(単数または複数)を優先的に放出する組成物でもあり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびろうが挙げられる。
本明細書中に記載される化合物の局所的投与用または経皮的投与用の剤形としては、軟膏剤、ペースト、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤または貼付剤が挙げられる。有効な構成要素は、必要とされ得るとき、薬学的に許容され得るキャリアおよび任意の必要とされる保存剤または緩衝剤と、滅菌された条件下において混和される。眼科用製剤、点耳剤および点眼剤もまた、本発明の範囲内であると企図される。さらに、本発明は、化合物を身体に制御して送達するという追加の利点を有する経皮貼付剤の使用を企図する。そのような剤形は、化合物を適切な媒体に溶解するかまたは分散することによって作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚を越える化合物の流入を増加させるために使用され得る。その速度は、速度制御された膜を提供することによって、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散することによって、制御され得る。
本明細書中に記載される組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレー剤によって、局所的に、直腸に、経鼻的に、頬側に、経膣的にまたは埋め込まれたレザバーを介して、投与され得る。用語「非経口的」は、本明細書中で使用されるとき、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、鞘内、肝臓内、病巣内および頭蓋内の注射または注入の手法を含むが、これらに限定されない。具体的には、それらの組成物は、経口的に、腹腔内に、または静脈内に投与される。
本明細書中に記載される組成物の滅菌された注射可能な形態は、水性懸濁剤または油性懸濁剤であり得る。これらの懸濁剤は、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いる当該分野で公知の手法に従って製剤化され得る。滅菌された注射可能な調製物は、無毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒中の滅菌された注射可能な液剤または懸濁剤、例えば、1,3−ブタンジオール中の液剤でもあり得る。使用され得る許容され得るビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌された固定油が、溶媒または懸濁媒として従来法で使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の非刺激性の固定油が、使用され得る。オレイン酸などの脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は、薬学的に許容され得る天然の油(例えば、オリーブ油またはひまし油、特に、それらのポリオキシエチル化されたバージョン)と同様に、注射可能物の調製において有用である。これらの油性の液剤または懸濁剤は、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、または乳剤および懸濁剤を含む薬学的に許容され得る剤形の製剤化において通常使用される類似の分散剤も含み得る。他の通常使用される界面活性剤(例えば、Tweens、Spansおよび他の乳化剤)、または薬学的に許容され得る固体剤形、液体剤形もしくは他の剤形の製造において通常使用されるバイオアベイラビリティ向上剤もまた、製剤化の目的で使用され得る。
本明細書中に記載される薬学的組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または液剤を含むがこれらに限定されない任意の経口的に許容され得る剤形で、経口的に投与され得る。経口で使用するための錠剤の場合、通常使用されるキャリアとしては、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが挙げられるが、これらに限定されない。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も通常加えられる。カプセルの形態での経口投与の場合、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。水性懸濁剤が経口で使用するために必要とされるとき、有効成分は、乳化剤および懸濁化剤と混和される。所望であれば、ある特定の甘味料、香味料または着色料も加えてよい。
あるいは、本明細書中に記載される薬学的組成物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与され得る。これらは、室温において固体であるが直腸温度では液体であるがゆえに直腸で融解して薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と薬剤を混合することによって、調製され得る。そのような材料としては、カカオバター、蜜ろうおよびポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中に記載される薬学的組成物は、特に処置の標的が、局所的付与によって容易に接近可能な領域または器官(眼、皮膚または下部腸管の疾患を含む)を含むとき、局所的にも投与され得る。好適な局所的製剤は、これらの領域または器官の各々に対して容易に調製される。
下部腸管に対する局所的付与は、直腸坐剤製剤(上記を参照のこと)または好適な浣腸製剤において実施され得る。局所経皮貼付剤もまた使用され得る。
局所的付与の場合、薬学的組成物は、1つまたはそれを超えるキャリアに懸濁されたまたは溶解された有効な構成要素を含む好適な軟膏剤として製剤化され得る。本発明の化合物の局所的投与用のキャリアとしては、鉱油、流動石油、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、薬学的組成物は、1つまたはそれを超える薬学的に許容され得るキャリアに懸濁されたまたは溶解された有効な構成要素を含む好適なローション剤またはクリーム剤として製剤化され得る。好適なキャリアとしては、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。
眼科的使用の場合、薬学的組成物は、pHが調整され滅菌された等張性の食塩水中に微粒子化された懸濁剤として、または具体的には、塩化ベンジルアルコニウム(benzylalkonium chloride)などの保存剤を含むもしくは含まない、pHが調整され滅菌された等張性食塩水中の液剤として、製剤化され得る。あるいは、眼科的使用の場合、薬学的組成物は、ワセリンなどの軟膏剤として製剤化され得る。
薬学的組成物は、鼻エアロゾルまたは吸入によっても投与され得る。そのような組成物は、薬学的製剤化の分野で周知の手法に従って調製され、ベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティを向上させる吸収促進剤、フルオロカーボンおよび/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を使用して、食塩水中の液剤として調製され得る。
本発明の方法における使用のための化合物は、単位剤形で製剤化され得る。用語「単位剤形」とは、処置を受けている被験体に対する単位投与量として好適な物理的に別個の単位のことを指し、各単位は、所望の治療効果をもたらすと算出された所定の量の有効物質を、必要に応じて好適な薬学的キャリアとともに含む。単位剤形は、1日あたり1回の投薬または1日あたり複数回(例えば、1日あたり1〜4回またはそれを超える回数)の投薬のうちの1回に対するものであり得る。1日あたり複数回の投薬が用いられる場合、単位剤形は、各投薬に対して同じであり得るか、または異なり得る。
VI.一般的スキーム
化合物(1)は、下記に提供される一般的な合成スキームに従って生成され得る:
スキーム1:
Figure 2018515527
上記のスキームにおいて、化合物2と化合物3とのカップリングは、例えば、パラジウム触媒PdCl(Amphos)などの触媒を用いる鈴木カップリング反応によって、達成され得る。化合物2と化合物3との鈴木カップリングは、溶媒(例えば、アセトニトリルまたはアセトニトリルと水との混合物)および塩基(例えば、ヒューニッヒ塩基またはトリエチルアミン)の存在下においても行われ得る。パラジウム触媒は、酢酸イソプロピルなどの有機溶媒中でカップリング生成物をMP−TMTなどの樹脂と接触させた後、濾過によってその樹脂を除去することによって、その生成物から除去され得る(<1ppm)。生成物の単離は、有機溶媒(例えば、酢酸イソプロピルと2−メチルテトラヒドロフランとの混合物)中でp−トルエンスルホン酸などの強酸を用いて生成物の塩を形成した後、生成物を濾過することによって、達成され得る。
化合物(1)の水和物1(半水和物)の高純度での単離は、例えば、2−メチルテトラヒドロフランと水との二相の溶液において、化合物4を水酸化リチウムなどの塩基と接触させることによってもたらされ得る。生成物の単離は、まず、得られた溶液のpHを5.5〜6に調整した後、水相を除去し、必要に応じて、有機相をpH6の緩衝液(例えば、ホスフェート緩衝液)で洗浄することによって、達成され得る。
スキーム2:化合物(1)の多形形態の相互変換
Figure 2018515527
VII.実施例
実施例1:XRPD、C13固体NMR、DSCの測定の一般的な方法
熱重量分析(TGA)
熱重量分析(TGA)は、TA Instruments TGAモデルQ5000において行った。固体サンプルを、タールを塗った白金サンプルパンに入れ、室温から300℃まで10℃/分で加熱した。
DSCの測定
DSCは、TA Instruments DSC Q2000 V24.3 Build 115 instrumentにおいて行った。およそ1〜2mgの固体サンプル粉末を、アルミニウムピンホールパンに密封した。サンプルセルを、通常、窒素パージ下で10℃/分で室温から350℃まで加熱した。
SSNMR実験
固体核磁気分光法(SSNMR)スペクトルを、Bruker−Biospin 4mm HFXプローブを備えたBruker−Biospin 400MHz Advance III大口径分光計において取得した。サンプルを4mm ZrOローターに詰めた(サンプルの利用可能性に応じておよそ70mgまたはそれ未満)。代表的には12.5kHzのマジック角回転(MAS)速度を利用した。回転中の摩擦熱の影響を最小限にするために、プローブヘッドの温度を275Kに設定した。13C交差分極(CP)MAS実験の適切な待ち時間(recycle delay)を設定するために、H MAS T飽和回復緩和実験を用いて、プロトン緩和時間を計測した。炭素スペクトルの信号対雑音比を最大にするために、13C CPMAS実験の待ち時間を、計測されたH T緩和時間よりも少なくとも1.2倍長い時間に調整した。13C CPMAS実験のCP接触時間を2msに設定した。直線勾配(50%から100%へ)のCPプロトンパルスを使用した。外部参照サンプル(グリシン)に対してHartmann−Hahnマッチを最適化した。フッ素のスペクトルを、プロトンデカップリングMASの設定を使用して取得し、待ち時間(recycled delay)を、計測された19F T緩和時間のおよそ5倍に設定した。プロトンデカップリング19F MAS T飽和回復緩和実験を用いてフッ素の緩和時間を計測した。炭素とフッ素の両方のスペクトルを、およそ100kHzという場の強度で使用したSPINAL64デカップリングで取得した。化学シフトは、アダマンタンの外部標準に対して言及され、その高磁場共鳴は、29.5ppmに設定した。
Bruker D8 Discover XRPD実験の詳細
XRPDパターンを、密封管式線源(sealed tube source)およびHi−Starエリア検出器(Bruker AXS,Madison,WI)を備えたBruker D8 Discover回折計(Asset Tag V012842)を使用して反射モードにおいて室温で取得した。そのX線発生装置は、40kVの電圧および35mAの電流で作動した。粉末サンプルをアルミニウムホルダーに入れた。2フレームを各々120秒の曝露時間で登録した。続いて、データを、0.02°の刻み幅で4.5°〜39°2θの範囲にわたって積分し、1つの連続的なパターンにマージした。
実施例2A:化合物(1)の水和物1(半水和物)の合成
化合物(1)は、WO2013/019828に記載されているように調製され得る。
あるいは、化合物(1)は、下記に提供されるように生成され得る:
(R)−3−((5−フルオロ−2−(5−フルオロ−1−トシル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−4,4−ジメチルペンタン酸のトシレート塩(4)の合成
Figure 2018515527
まず、クロロピリミジン(2)(1.73kg)およびボロン酸エステル(3)(3.26kg)を9volのCHCNおよび1volの水に溶かすことによって、鈴木カップリングをN雰囲気下で行った。その堅いスラリーに、30分間Nをスパージした後、触媒として0.5mol%PdCl(Amphos)を加えた。ヒューニッヒ塩基(3当量)を30分間にわたって加え、この時点では希薄なスラリーを71℃に一晩加熱した。その反応は、99.3%AUCで完了したと判断され、混合物を20℃に冷却した。セライト(590g)を反応混合物と1時間スラリー化し、次いで、セライトのパッドに通すことにより、Pdの大部分を除去した。ケークをi−PrOAcで洗浄し、溶液の溶媒を6体積のi−PrOAcに交換した。NaClの5wt%水溶液(3vol)を加え、混合物を6N HClでpH5に調整した。水層を流して廃棄し、有機層を1.21kgのMP−TMT(理論上の生成物量に基づいて35wt%)で一晩処理した。Pdレベルが<1ppm未満になった状態で、その樹脂を濾過により除去した。その濾過が遅かったので、その混合物を4.3Lのi−PrOAcで希釈した。その混合物の体積を、真空蒸留によって8体積にした後、1.4体積の2−MeTHFにおけるTsOH溶液を加えることにより、堅いスラリーを得た。TBME(20vol)を20〜25℃で1時間にわたって加え、スラリーを一晩撹拌した。固体を吸引濾過によって回収し、漏斗上で2日間乾燥することにより、4240g(97%収率;1ppm Pd;99.31%AUC、化合物(1)−0.31%AUC、クロロピリミジン(2)−0.12%AUC、RRT1.01−2.08%AUC、RRT1.06−0.36%AUC)の(4)・p−TsOHを得た。
化合物(1)の水和物1(半水和物)の合成
TsOH塩(4)(4.14kg)を6volの2−MeTHFにスラリーとして溶かし、そのスラリーに、4volの水における5当量のLiOHを20℃〜25℃で15分間にわたって加えた。その溶液を、53℃に一晩、完全変換まで加熱した。その混合物を23℃に冷却した後、pHを6N HClで5.5〜6に調整し、層を分離し、水層を2volの2−MeTHFで抽出した。合わせた有機層を3.6volのpH6リン酸カリウム緩衝液で2回洗浄した。有機溶液を40℃での真空蒸留によって4vol(16L)に濃縮した。ヘプタン(8vol,33L)を加え、スラリーを5時間にわたって20℃に冷却し、一晩保持した。固体を吸引濾過により回収し、反応容器およびケークをフィルター上で一晩乾燥することにより、2068g(93%収率;0ppm残留TsOH;99.6%AUC、RRT1.17−0.36%AUC、RRT0.74−<0.05%AUC)の化合物(1)の粗水和物1を得た。
実施例2B:化合物(1)の水和物1(半水和物)の合成
Figure 2018515527
メチル(3S)−3−[[5−フルオロ−2−(5−フルオロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3イル)ピリミジン−4−イル]アミノ]−4,4−ジメチル−ペンタノエートをテトラヒドロフラン(THF)に溶解した後、水酸化リチウムを加えることによって、化合物(1)の水和物1を調製した。その反応物を室温で撹拌した後、水を加えた。次いで、THFを真空下で除去し、得られた水層(aqueous later)をヘキサンおよびエーテルで洗浄した。その水層のpHを7〜8に調整した後、酢酸エチルで抽出した。次いで、酢酸エチルを真空下で除去することにより、化合物(1)の水和物1の結晶性白色固体が形成された。
実施例2C:化合物(1)の水和物1(半水和物)の合成
非晶質の化合物(1)またはそのTHF溶媒和物を室温においてTHFに懸濁した。穏やかに加熱還流しながら、水をゆっくり加えることにより、濁った溶液を得た。次いで、その溶液を室温に冷却した。さらに多くの水をゆっくり加えることにより、沈殿を促した。懸濁液を約4時間撹拌し、濾過することにより、白色粉状固体を得て、それを50℃〜55℃の真空オーブン内において乾燥した。
Figure 2018515527
図24を参照すると、化合物(1)の水和物1は、上記の実施例1に記載された手順に従ってXRPD解析を用いて特徴づけられた。
実施例2D:化合物(1)の水和物1の溶解度
HClまたはNaOH溶液で所望のレベルに調整されたpHを有する0.9%NaCl溶液において化合物(1)の水和物1をスラリー化することによって、pH溶解度プロファイルを測定した。それらのスラリーを2週間平衡させ、溶解度および形態変化をそれぞれHPLCおよびXRPDによって解析した。生成されたpH溶解度データを表13および図25に要約する。
Figure 2018515527
図25を参照すると、溶解度曲線は、予測されるpH溶解度プロファイルに厳密に従い、U字形またはベル型の曲線は、pH2.0〜7.0において非常に低い溶解度を示す(当該化合物はほとんど溶けない)。溶解度は、pH2.0未満およびpH7.0超において有意に上昇する。
また、化合物(1)の水和物1を種々の水溶液に懸濁し、5日間スラリー化した。溶解度および形態変化をそれぞれHPLCおよびXRPDによって観測した。pH溶解度プロファイルにおいて観測されたように、溶解度は、低いまたは高いpH値の水溶液に懸濁したとき、有意に高いことが見出された。3〜6のpH値を有する溶液は、有意に低い溶解度を示した。この溶解度の評価は、界面活性剤および可溶化剤(例えば、Cremophor、Tween80およびVit E TPGS)の存在によって、化合物(1)の水和物1の溶解度が有意に改善されることも示した。5日間の溶解度解析によって、かなりの数のサンプルにおいて化合物(1)の水和物2が形成されることに注意するべきである。有機溶媒における溶解度を表14に要約する。
Figure 2018515527
実施例3:化合物(1)の水和物2(一水和物)の調製
非晶質または溶媒和の化合物(1)を水と有機溶媒(単数または複数)との混合物に加えることによって、水和物2を調製し、ここで、水と有機溶媒(単数または複数)との混合物は、使用される有機溶媒に応じて0.2〜0.9の特定の水分活性を有する。その混合物を、水和物2に変換するまで、室温で撹拌するかまたは≦40℃で加熱した。
Figure 2018515527
図1〜4を参照すると、化合物(1)の水和物2は、上記の実施例1に記載された手順に従ってXRPD、13C SSNMR、DSCおよびTGA解析を用いて特徴づけられた。
1:1アセトン/水における化合物(1)の50mg/ml溶液をゆっくり蒸発させることによって、化合物(1)の水和物2の単結晶を室温において成長させた。結晶学データを、100°KでCuKα線を用いてBruker APEX II CCD回折計において収集した。
化合物(1)の水和物2の結晶は、C2空間群およびa=25.0468(10)Å、b=6.6682(3)Å、c=11.0710(5)Å、α=90°.β=92.368(3)°.γ=90°.体積=1847.47(14)Å3の単位格子寸法を有する単斜晶系の単位格子を示した。化合物(1)の水和物2では、非対称単位に1つの化合物(1)分子および1つの水分子が存在することから、水分子が完全に占有している完全に規則正しい分子が示される。この構造は、R因子が2.32%である多義性の無い高品質を有する。化合物(1)の水和物2は、両性イオンであり、これは、カルボキシレート基におけるC−O距離によって確認された。
図3を参照すると、TGAサーモグラムは、75℃〜80℃から開始して122℃まで加熱したとき、4.6%の重量減少を示している。この重量減少は、理論上の一水和物(4.6%)と一致する。
図4を参照すると、DSCサーモグラムは、50℃〜60.5℃の脱水開始温度を示している。この脱水により、非晶質の遊離形態の化合物(1)が形成され、175℃〜180℃から化合物(1)の無水遊離形態Aへの再結晶が開始し、その直後、211℃から融解/分解を開始する。
実施例4A:化合物(1)の水和物3(一水和物)の調製
Figure 2018515527
90Lの反応容器に、化合物(1)の水和物1(2011g)、アセトン(10vol)および水(3vol)を順次投入し、そのスラリーを50℃に加熱した。その均一な溶液を0.22μmのインラインフィルターに通して60Lの反応容器に入れ、42℃に冷却した。この溶液に、0.5wt%のジェットミル化種晶(化合物(1)の水和物3)を加えた。XRPD解析によって確認されたように、化合物(1)の水和物3のスラリーが直ちに形成した。水(9vol)を4時間にわたって加えた。そのスラリーが、化合物(1)の水和物3だけであることが確認された後、そのバッチを10時間にわたって5.6℃に冷却し、一晩保持した。そのスラリーのサンプルは、XRPD解析によって化合物(1)の水和物3が>95%であると示され、吸引濾過によって固体を回収した。反応容器を2体積の4:1水:アセトンでリンスし、それを濾過ケークに流した。そのケークを漏斗上で減圧によって3時間乾燥し、次いで、減圧せずに2日間(週末にわたって)覆った。その材料を、24時間Nを流しながら、20〜25in Hgの真空下、40℃で乾燥することにより、1810g(85%)の化合物(1)の水和物3(一水和物)を77%の全収率で得た。
実施例4B〜4Iでは、非晶質の化合物(1)または化合物(1)の水和物1を水と有機溶媒との混合物に加えることによって化合物(1)の水和物3を調製し、ここで、水と有機溶媒(単数または複数)との混合物は、下記の表15に提供されるように、使用される有機溶媒に応じて2.5〜0.90の特定の水分活性を有する。
Figure 2018515527
図5〜8を参照すると、化合物(1)の水和物3は、上記の実施例1に記載された手順に従ってXRPD、13C SSNMR、TGAおよびDSC解析を用いて特徴づけられた。
図7を参照すると、TGAサーモグラムは、80℃〜85℃から開始して115℃まで加熱したとき、5.2%の重量減少を示した。この重量減少は、理論上の一水和物(4.58%)と一致した。
図8を参照すると、DSCサーモグラムは、75℃〜80℃の開始温度を有し、無水遊離形態Bの形成をもたらす、水分の減少を示しており、これによって、125℃の開始温度で非晶質材料に変換された後、240℃において分解する。
また、1:1メチルエチルケトン/水における化合物(1)の50mg溶液をゆっくり蒸発させることによって、化合物(1)の水和物3の単結晶を室温において成長させた。結晶学的データを、100KでCuKα線を用いてBruker APEX II CCD回折計において収集した。化合物(1)の水和物3は、P212121空間群およびa=6.6822(18)Å、b=10.981(3)Å、c=25.394(7)Å、α=90°.β=90°.γ=90°.体積=1863.3(9)Å3の単位格子寸法を有する斜方晶系の単位格子を示した。水和物2と同様に、非対称単位に1つの化合物(1)分子および1つの水分子が存在する。これらの構造も、完全に規則正しく、水分子が完全に占有している。この構造は、R因子が2.41%である多義性の無い高品質を有する。化合物(1)の水和物3の構造も、カルボキシレート基におけるC−O距離によって両性イオンと確認された。
実施例4J:化合物(1)の水和物3の固体状態の安定性
6か月間の固体状態(オープンディッシュ(open dish))の安定性研究を化合物(1)の水和物3に対して行った。化合物(1)の水和物3を以下の条件下で6ヶ月間保管した:40℃/75%RH、5℃/60%RH、25℃/60%RHおよび40℃/乾燥。変化(脱水および融解/分解の事象)は、DSC解析によって観測されなかった。XRPD解析によると、サンプルは結晶性のままであり、外観に変化は無かった。したがって、これらの研究条件下で保管したとき、化合物(1)の水和物3に対する有意な化学変化は観測されなかった。
実施例4K:化合物(1)の水和物3のpH溶液安定性
化合物(1)の水和物3を、50%アセトニトリル50%水溶液(>0.1Mイオン強度の0.1M pH調節剤)において0.15mg/mlで評価した。化合物(1)の水和物3は、周囲条件下、3〜9のpH範囲にわたって5日間、化学的に安定であると観測された。懸濁液としての化合物(1)の水和物3は、4〜9のpH範囲にわたって、2mg/mlにおいて40℃で5日間、化学的に安定であると観測された(0.05%の面積の変化がpH3において観測されたが、新たな不純物は無かった)。
実施例4L:模擬流体におけるインビトロ希釈
0.5%MCにおける化合物(1)の水和物3の懸濁液のインビトロ溶解プロファイルを、0.5%MC懸濁液中の対応するHSO塩および噴霧乾燥分散物(SDD)と比較した。HCl塩の場合、30%PEG300/0.5%MCビヒクルを使用して、懸濁液を調製した。形態AのHCl塩は、その0.5%ビヒクルにおいて物理的に不安定であり、ゼラチン状の物質が形成された。図26および下記の表16に示されているように、FaSSGFにおいて、形態AのHCl塩は、化合物(1)の水和物3と比べて、8倍の濃度上昇を示すのに対して、SDDは、3〜4倍の濃度上昇を示す。化合物(1)のHSO塩は、化合物(1)の水和物3と比べて10倍低い濃度レベルを示した。HCl塩(無水の形態Aから開始)は、FaSSGFにおいて非晶質材料に変換し;化合物(1)の水和物3、HSO塩およびSDDは、FaSSGFにおいて物理的に安定なままであった。FaSSIFにおいて、4つすべての形態が、互いに有意に異ならない濃度レベルを示した。化合物(1)の水和物3は、インビトロ溶解研究全体において、物理的に安定なままであった。しかしながら、HCl塩、HSO塩およびSDDは(where)、物理的に不安定であり、pH約6.4のFaSSIFにおいて容易に化合物(1)の水和物2に変換された。
Figure 2018515527
実施例4M:固有溶解速度の測定
化合物(1)の水和物3の固有溶解速度(IDR)を、USP溶解バス内でFaSSGFおよびFaSSIFに懸濁したプレス成形体(press compacts)に対してウッズ装置(woods apparatus)を用いて測定した。HPLCを用いて、選択された時点において1時間後まで濃度を解析した。図27を参照すると、化合物(1)の水和物3のIDRは、FaSSGFにおいて0.020mg/分/cmおよびFaSSIFにおいて0.012mg/分/cmであるとそれぞれ測定された。これらのIDR値を使用し、FaSSGFにおける2.66mg/mLという溶解度を仮定して、溶解速度因子(z因子)が1.73×10−3mL/mg/分であると求められた。FaSSIFにおける0.08mg/mlという溶解度を仮定して、5.51×10−3mL/mg/分というz因子が、化合物(1)の水和物3に対して求められた。
実施例4N:化合物(1)の水和物3の加工特性
化合物(1)の水和物3を圧縮性、粘着性、流動性および嵩密度について評価した。化合物(1)の水和物3は、0.172g/ccの嵩密度および0.383g/ccのタップ密度を示した。化合物(1)の水和物3は、リングせん断試験(RST)によって、6.8という平均流動因子(FFc)によって良好な流動性(良好な流動性は、4〜10の任意の点である)および適切な圧縮性と分類される。図31を参照のこと。引張り強さの増大が、圧縮の増大に伴って観測され、180MPaの圧縮圧力において2MPaという目標の引張り強さに達する。500MPaという非常に高い圧縮圧力において、層間剥離が観測された。良好な圧縮および引張り強さは、この原薬が固形剤形を開発するための直接的な圧縮に適していることを示唆する。
実施例5:化合物(1)の形態D(無水)の調製
化合物(1)の水和物1を室温の酢酸イソプロピルに懸濁した。サンプルを24時間撹拌することにより、化合物(1)の無水形態Dが形成された。次いで、その懸濁液を濾過し、真空下、70℃でおよそ10時間乾燥することにより、白色粉末を得た。
Figure 2018515527
図9〜11を参照すると、化合物(1)の形態Dは、上記の実施例1に記載された手順に従ってXRPD、TGAおよびDSC解析を用いて特徴づけられた。
図10を参照すると、TGAサーモグラムは、150℃まで加熱したとき、2.0%の緩やかな重量減少を示し、これは、イソプロピルアルコールの減少に相当する。減少した重量は、化学量論量を形成するのに十分でなかったので(1:1化学量論には21%減少が必要)、この重量減少は、残留イソプロピルアルコール溶媒が存在する結果であると示唆される。
図11を参照すると、DSCサーモグラムは、209℃から開始した後、分解する、単一の融解ピークを示す。
実施例6:化合物(1)の形態A(無水)の調製
化合物(1)の水和物1および2は、100℃において非晶質の化合物(1)に脱水し、非晶質の化合物(1)は、さらに175℃に加熱すると、無水形態Aに結晶化する。水和物2および/または3を175℃において脱水することによって、化合物(1)の形態Aを調製し、脱水が完了した後;サンプルを室温に徐々に冷却した。さらに、化合物(1)の形態Bは、175℃への加熱によって無水形態Aに変換する。
図12および13を参照すると、化合物(1)の形態Aは、上記の実施例1に記載された手順に従ってXRPDおよびDSC解析を用いて特徴づけられた。
図13を参照すると、DSCサーモグラムは、208℃から融解を開始した後、分解することを示している。
実施例7:化合物(1)の形態B(無水)の調製
化合物(1)の水和物3は、80℃の開始温度において脱水し、脱水は、110℃超の温度において完了し、ここで、準安定な無水形態Bが生成される。100℃〜125℃において化合物(1)の水和物3(一水和物)を脱水することによって、化合物(1)の形態Bを調製した。
図14を参照すると、化合物(1)の形態Bは、上記の実施例1に記載された手順に従ってXRPDを用いて特徴づけられた。
実施例8:化合物(1)の形態C(無水)の調製
化合物(1)の無水形態Cは、175℃に加熱されたIPAおよびn−プロパノールの同型構造の(iso−structural)溶媒和物から特定された。化合物(1)のIPA溶媒和物を≧175℃に加熱し、それを室温にゆっくり冷却することによって、化合物(1)の無水遊離形態Cを調製した。
図15を参照すると、化合物(1)の形態Cは、上記の実施例1に記載された手順に従ってXRPD解析を用いて特徴づけられた。
実施例9:化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物の調製
非晶質または水和の化合物(1)を、周囲条件において≦0.2の水分活性を有するイソプロピルアルコール(IPA)でスラリー化することによって、化合物(1)のIPA溶媒和物を調製した。
図16および17を参照すると、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物は、上記の実施例1に記載された手順に従ってXRPDおよびTGA解析を用いて特徴づけられた。
図17を参照すると、TGAサーモグラムは、150℃に加熱したとき、10.5%の重量減少を示し、これは、イソプロピルアルコールの減少に相当する。
実施例10:化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物の調製
非晶質または水和の化合物(1)を、周囲条件において≦0.25の水分活性を有するアセトニトリルにおいてスラリー化することによって、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物を調製した。
図18および19を参照すると、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物は、上記の実施例1に記載された手順に従ってXRPDおよびTGA解析を用いて特徴づけられた。
図19を参照すると、サーモグラムは、75℃に加熱したとき、5.1%の重量減少を示し、これは、アセトニトリルの減少に相当する。
実施例11:化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物の調製
非晶質または水和の化合物(1)を、周囲条件において≦0.25の水分活性を有する2−MeTHFにおいてスラリー化することによって、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)溶媒和物を調製した。
図20を参照すると、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物は、上記の実施例1に記載された手順に従ってXRPD解析を用いて特徴づけられた。
実施例12:非晶質の化合物(1)の合成
化合物(1)を、水酸化リチウムおよび水の溶液において混合した。その混合物を加熱還流し、1時間撹拌した。次いで、その混合物を氷浴内で冷却した後、pHが4.0に達して最終生成物が沈殿するまで、HCl水溶液を滴下して添加した。次いで、沈殿した固体を濾過により回収し、水で洗浄し、高温の真空オーブン内において乾燥することにより、非晶質の化合物(1)の黄褐色固体を得た。
非晶質の化合物(1)は、化合物(1)の水和物1を100℃において脱水し、その加熱された材料を再結晶化させることによっても生成され得る。
図21〜23を参照すると、非晶質の化合物(1)は、XRPD、TGAおよびDSC解析を用いて特徴づけられた。
図22を参照すると、TGAサーモグラムは、150℃に加熱したとき、2.0%未満の緩やかな重量減少を示している。
図22を参照すると、非晶質の化合物(1)に対する調節されたDSC(MDSC)サーモグラムは、TA Instruments DSC Q2000を用いて得られた。非晶質の化合物(1)を25℃から200℃まで1℃/分で加熱した。そのMDSCサーモグラムは、120℃におけるガラス転移温度を明らかにしている。
実施例13:化合物(1)の2週間後の溶解度
化合物(1)を、表18に要約するような2週間の溶解度研究にも供した。
Figure 2018515527
実施例14:毒性製剤開発
1.5当量のNaOH(pH8.0)を含む0.5%MCからなる化合物(1)の溶液製剤を、サルとラットの両方において、0.5%MCにおける化合物(1)の水和物2および3の懸濁液製剤と比較した。図28を参照すると、サルとラットの両方において観測された曝露量が、それぞれ30および40mg/kgにおいて統計的に匹敵した。
化合物(1)の水和物3の懸濁液を、ラットとサルの両方において、それぞれ30および350mg/kgにおいて、対応するHCl塩、HSO塩およびSDD(HPMCAS HFにおける50%薬物負荷)の懸濁液とも比較した。サルおよびラットに、表19に記載の製剤を投与した。
Figure 2018515527
図29を参照すると、曝露量に有意差は観測されなかった。塩およびSDDは、ラットに比べてサルにおいて、化合物(1)の水和物3よりも高いばらつきの程度を示した。
図30を参照すると、0.5%MCにおける懸濁液としての化合物(1)の水和物3を用いたラットおよびサルにおける用量比例研究は、ラットにおいて500mg/kgまでの用量に関して曝露量の比例的増加を示した。用量比例的増加は、サルにおいて250mg/kgまで観測され、それを超えると、曝露量のプラトーが観測された。
実施例15:毒性製剤安定性
化合物(1)の水和物3を、周囲条件および冷蔵条件(5℃)下で2週間、1、60mg/mLおよび100mg/mLの0.5%MC水溶液(懸濁液)において化学安定性および均質性について評価した。サンプルをHPLCによって評価したところ(%面積およびアッセイ)、純度(%面積)の変化は観測されず、すべてのサンプルの%回収は、85〜115%以内であった。これらの結果は、2週間にわたる安定性および均質性(50μmより小さい平均粒径)を示す。
実施例16:インフルエンザA型およびB型株の試験パネルに対する化合物(1)の活性
化合物(1)は、インフルエンザA型(H1N1、H3N2およびH3N8)ウイルス株のパネルに感染させたMDCK細胞における3日間のCPアッセイにおいて、強力かつ広範囲の抗ウイルス活性を示し、平均EC50は、4.3nMであった(SD5.7nM、N=39、表21)。そのパネルは、商業的に入手可能なノイラミニダーゼおよびマトリックスタンパク質2(M2)阻害剤に抵抗性である株を含んだ(それぞれN=5およびN=22)。化合物(1)は、高病原性トリインフルエンザH5N1株A/VN/1203/2004と世界的大流行のブタ起源H1N1株A/CA/07/2009の両方に対して有効であり、化合物(1)のEC50値は、それぞれ4.2nMおよび4.0nMであった。化合物(1)の活性と、アマンタジン、オセルタミビル、ザナミビルおよびファビピラビル(現在臨床試験中の競合化合物であるT−705)の活性との比較を表20に示す。
Figure 2018515527
Figure 2018515527
実施例17:オセルタミビル有りまたは無しでの化合物(1)の併用に対するインビボアッセイ
インフルエンザAモデル
図32を参照すると、インフルエンザAに対する化合物(1)とオセルタミビルとの間の正の治療的相互作用の可能性がマウスモデルにおいて探索された。マウスをインフルエンザAでチャレンジし、ビヒクル(10mL/kg 0.5%MC)を投与するか、または化合物(1)を1、3、10もしくは30mg/kg BID単独でまたは10mg/kg BIDオセルタミビルと併用して投与した。インフルエンザA感染の48時間後に治療を開始し、10日間続けた。ビヒクルで処置されたコントロールのすべてが、研究の8日目までに疾患に屈した(表21)。
Figure 2018515527
10または30mg/kgの化合物(1)を単独でBIDで処置することにより、死亡からの完全な保護がもたらされた。対照的に、3mg/kgの化合物(1)を単独でBIDで処置することにより、部分的な生存効果がもたらされ、1mg/kgの化合物(1)をBIDでまたは10mg/kgのオセルタミビルを単独で投与することは、この研究において、マウスをインフルエンザ感染から保護しなかった。興味深いことに、BIDでの1または3mg/kgの化合物(1)とBIDで投与される10mg/kgのオセルタミビルとの併用は、単剤と比べて、死亡からの保護を増加させた。これらのデータは、化合物(1)とオセルタミビルとの併用の相乗効果を暗に示す。
インフルエンザBモデル:
化合物(1)とオセルタミビルとの併用の結果を、インフルエンザBマウスモデルにおいて探索した。ビヒクル(10mL/kg 0.5%MC)、10mg/kgのオセルタミビル、または10mg/kg、30mg/kgもしくは60mg/kgのBIDでの化合物(1)と組み合わされるオセルタミビルをマウスに予防的に投与し、処置を10日間続けた。ビヒクルで処置されたコントロールのすべてが、図32に示されているように、研究の7日目までに疾患に屈した。化合物(1)がインフルエンザBに対する有効性を欠くことと一致して、10mg/kgのBIDでのオセルタミビル(Os)と組み合わされる10、30mg/kgまたは60mg/kgのBIDでの化合物(1)による処置は、オセルタミビル処置単独と同じ生存効果ならびに体重減少および肺機能の喪失からの保護をもたらした(図32)。化合物(1)をオセルタミビル治療に加えたとき、負の相互作用は無かった。
他の実施形態
本発明は、その詳細な説明とともに記載されてきたが、前述の説明は、本発明を例証することを意図したものであって、本発明の範囲を限定することを意図しておらず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。他の態様、利点および改変は、添付の特許請求の範囲内である。

Claims (91)

  1. 化合物(1)の多形形態であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
    Figure 2018515527
    によって表され、該多形形態は、化合物(1)の水和物2、化合物(1)の水和物3、化合物(1)の形態A、化合物(1)の形態B、化合物(1)の形態C、化合物(1)の形態Dおよび非晶質の化合物(1)からなる群より選択される、化合物(1)の多形形態。
  2. 前記多形形態が、化合物(1)の水和物2である、請求項1に記載の多形形態。
  3. 化合物(1)の水和物2が、粉末X線回折パターンにおいて、6.9±0.2、7.9±0.2、13.8±0.2、15.9±0.2、20.9±0.2および23.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、請求項2に記載の多形形態。
  4. 化合物(1)の水和物2が、粉末X線回折パターンにおいて、17.1±0.2、18.6±0.2、22.1±0.2および29.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、請求項3に記載の多形形態。
  5. 化合物(1)の水和物2が、178.5ppm、137.2ppm、126.8ppm、107.0ppmおよび35.3ppmの13C SSNMRスペクトルをさらに特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の多形形態。
  6. 化合物(1)の水和物2が、27.1ppmの13C SSNMRスペクトルをさらに特徴とする、請求項5に記載の多形形態。
  7. 前記多形形態が、化合物(1)の水和物3である、請求項1に記載の多形形態。
  8. 化合物(1)の水和物3が、粉末X線回折パターンにおいて、7.0±0.2、18.6±0.2、20.8±0.2、23.3±0.2および26.0±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、請求項7に記載の多形形態。
  9. 化合物(1)の水和物3が、粉末X線回折パターンにおいて、8.9±0.2、16.6±0.2および28.9±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、請求項8に記載の多形形態。
  10. 化合物(1)の水和物3が、178.8ppm、136.7ppm、107.8ppm、34.9ppmおよび26.3ppmの13C SSNMRスペクトルをさらに特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の多形形態。
  11. 化合物(1)の水和物3が、127.7ppmの13C SSNMRスペクトルをさらに特徴とする、請求項10に記載の多形形態。
  12. 前記多形形態が、化合物(1)の形態Dである、請求項1に記載の多形形態。
  13. 化合物(1)の形態Dが、粉末X線回折パターンにおいて、6.1±0.2、14.7±0.2、23.9±0.2および25.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、請求項12に記載の多形形態。
  14. 化合物(1)の形態Dが、粉末X線回折パターンにおいて、7.3±0.2、13.2±0.2および19.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、請求項13に記載の多形形態。
  15. 前記多形形態が、化合物(1)の形態Aである、請求項1に記載の多形形態。
  16. 化合物(1)の形態Aが、粉末X線回折パターンにおいて、7.2±0.2、7.9±0.2、17.1±0.2および24.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、請求項15に記載の多形形態。
  17. 化合物(1)の形態Aが、粉末X線回折パターンにおいて、14.4±0.2、19.4±0.2および21.1±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、請求項16に記載の多形形態。
  18. 前記多形形態が、化合物(1)の形態Bである、請求項1に記載の多形形態。
  19. 化合物(1)の形態Bが、粉末X線回折パターンにおいて、6.3±0.2、12.6±0.2、17.8±0.2および18.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、請求項18に記載の多形形態。
  20. 化合物(1)の形態Bが、粉末X線回折パターンにおいて、15.4±0.2、16.0±0.2および18.9±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、請求項19に記載の多形形態。
  21. 前記多形形態が、化合物(1)の形態Cである、請求項1に記載の多形形態。
  22. 化合物(1)の形態Cが、粉末X線回折パターンにおいて、8.8±0.2、12.2±0.2、14.4±0.2および24.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、請求項21に記載の多形形態。
  23. 化合物(1)の形態Cが、粉末X線回折パターンにおいて、6.1±0.2、17.7±0.2および19.1±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、請求項22に記載の多形形態。
  24. 前記多形形態が、非晶質の化合物(1)である、請求項1に記載の多形形態。
  25. 化合物(1)の溶媒和物であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
    Figure 2018515527
    によって表され、該溶媒和物は、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物または化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物からなる群より選択される、化合物(1)の溶媒和物。
  26. 前記溶媒和物が、化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物である、請求項25に記載の溶媒和物。
  27. 前記化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物が、粉末X線回折パターンにおいて、5.7±0.2、6.3±0.2、13.1±0.2および17.4±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、請求項26に記載の溶媒和物。
  28. 前記化合物(1)のイソプロピルアルコール溶媒和物が、粉末X線回折パターンにおいて、8.0±0.2、19.3±0.2および24.3±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、請求項27に記載の溶媒和物。
  29. 前記溶媒和物が、化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物である、請求項25に記載の溶媒和物。
  30. 前記化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物が、粉末X線回折パターンにおいて、6.2±0.2、6.8±0.2、8.5±0.2、12.2±0.2および21.8±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、請求項29に記載の溶媒和物。
  31. 前記化合物(1)のアセトニトリル溶媒和物が、粉末X線回折パターンにおいて、9.1±0.2、13.5±0.2および15.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、請求項30に記載の溶媒和物。
  32. 前記溶媒和物が、化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物である、請求項25に記載の溶媒和物。
  33. 前記化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物が、粉末X線回折パターンにおいて、6.5±0.2、8.4±0.2、15.3±0.2および19.2±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークを特徴とする、請求項32に記載の溶媒和物。
  34. 前記化合物(1)の2−メチルテトラヒドロフラン溶媒和物が、粉末X線回折パターンにおいて、14.7±0.2、16.4±0.2および24.5±0.2度の単位で計測された2−シータ値に対応する1つまたはそれを超えるピークをさらに特徴とする、請求項33に記載の溶媒和物形態。
  35. 請求項1に記載の化合物(1)の多形形態または請求項25に記載の化合物(1)の溶媒和物および少なくとも1つの薬学的に許容され得るキャリアまたは賦形剤を含む、薬学的組成物。
  36. 前記多形形態が、化合物(1)の水和物2である、請求項35に記載の薬学的組成物。
  37. 前記多形形態が、化合物(1)の水和物3である、請求項35に記載の薬学的組成物。
  38. 前記多形形態が、化合物(1)の形態Dである、請求項35に記載の薬学的組成物。
  39. 前記多形形態が、化合物(1)の形態Aである、請求項35に記載の薬学的組成物。
  40. 前記多形形態が、化合物(1)の形態Bである、請求項35に記載の薬学的組成物。
  41. 前記多形形態が、化合物(1)の形態Cである、請求項35に記載の薬学的組成物。
  42. 前記多形形態が、非晶質の化合物(1)である、請求項35に記載の薬学的組成物。
  43. 生物学的インビトロサンプルまたは被験体におけるインフルエンザウイルスの量を減少させる方法であって、該方法は、該サンプルまたは被験体に有効量の請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物(1)の多形形態または化合物(1)の溶媒和物を投与する工程を含む、方法。
  44. 生物学的インビトロサンプルまたは被験体におけるインフルエンザウイルスの複製を阻害する方法であって、該方法は、該サンプルまたは被験体に有効量の請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物(1)の多形形態または化合物(1)の溶媒和物を投与する工程を含む、方法。
  45. 被験体におけるインフルエンザを処置する方法であって、該方法は、該被験体に治療有効量の請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物(1)の多形形態または化合物(1)の溶媒和物を投与する工程を含む、方法。
  46. 1つまたはそれを超えるさらなる治療薬を前記サンプルまたは被験体に共投与する工程をさらに含む、請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記さらなる治療薬が、抗ウイルス薬を含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記抗ウイルス薬が、ノイラミニダーゼ阻害剤である、請求項47に記載の方法。
  49. 前記ノイラミニダーゼ阻害剤が、オセルタミビルまたはザナミビルである、請求項48に記載の方法。
  50. 前記抗ウイルス薬が、ポリメラーゼ阻害剤である、請求項47に記載の方法。
  51. 前記ポリメラーゼ阻害剤が、ファビピラビルである、請求項50に記載の方法。
  52. 前記インフルエンザウイルスが、インフルエンザAウイルスである、請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
  53. 化合物(1)の水和物2を調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
    Figure 2018515527
    によって表され、該方法は、
    化合物(1)の水和物1を、水を含む溶媒系と混合することにより、混合物を生成する工程;および
    該混合物から該溶媒系の少なくともいくらかを除去することにより、化合物(1)の水和物2を生成する工程
    を含む、方法。
  54. 前記溶媒系が、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N−メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラヒドロフラン、テトラリン、トルエン、1,1,2−トリクロロエテンおよびキシレン、酢酸、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クメン、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸プロピルまたはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項53に記載の方法。
  55. 前記溶媒系が、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、ニトロメタン、テトラリン、キシレン、トルエン、1,1,2−トリクロロエタン、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、クメン、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−プロパノール、1−ペンタノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランまたはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項53に記載の方法。
  56. 前記溶媒系が、2−エトキシエタノール、エチレングリコール、メタノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、エタノール、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ピリジン、トルエン、キシレンまたはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項53に記載の方法。
  57. 前記溶媒系が、アセトン、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸イソブチル、酢酸またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項53に記載の方法。
  58. 前記溶媒系が、水およびアセトンまたは水およびイソプロパノールを含む、請求項53に記載の方法。
  59. 前記溶媒系が、水およびアセトンを含む、請求項58に記載の方法。
  60. 前記溶媒系が、塩化ナトリウム、デキストロース、グリセリンまたは界面活性剤をさらに含む、請求項53〜59のいずれか1項に記載の方法。
  61. 前記混合が、20℃〜40℃未満の範囲内の温度において行われる、請求項53〜60のいずれか1項に記載の方法。
  62. 前記混合物に真空を付加することにより、前記溶媒系を除去する工程をさらに含む、請求項53〜61のいずれか1項に記載の方法。
  63. 化合物(1)の水和物3を調製する方法であって、ここで、化合物1は、以下の構造式:
    Figure 2018515527
    によって表され、該方法は、
    化合物(1)の水和物1または非晶質の化合物(1)を、水を含む溶媒系と混合することにより、混合物を生成する工程;
    該混合物を加熱する工程;および
    該溶媒系の少なくともいくらかを除去することにより、化合物(1)の水和物3を生成する工程
    を含む、方法。
  64. 前記溶媒系が、アセトニトリル、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N−メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラリン、トルエン、1,1,2−トリクロロエテン、キシレン、酢酸、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クメン、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸プロピルまたはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項63に記載の方法。
  65. 前記溶媒系が、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、ホルムアミド、ヘキサン、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、ニトロメタン、テトラリン、キシレン、トルエン、1,1,2−トリクロロエタン、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、クメン、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−プロパノール、1−ペンタノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランまたはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項63に記載の方法。
  66. 前記溶媒系が、2−エトキシエタノール、エチレングリコール、メタノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、エタノール、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ピリジン、トルエン、キシレンまたはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項63に記載の方法。
  67. 前記溶媒系が、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトンまたはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項63に記載の方法。
  68. 前記混合物が、約45℃〜約55℃の温度に加熱される、請求項63〜67のいずれか1項に記載の方法。
  69. 前記混合物に真空を付加することにより、前記溶媒系を除去する工程をさらに含む、請求項63〜68のいずれか1項に記載の方法。
  70. 化合物(1)の形態Dを調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
    Figure 2018515527
    によって表され、該方法は、
    化合物(1)の水和物1、水和物2もしくは水和物3、非晶質の化合物(1)またはそれらの任意の組み合わせを、水を含む溶媒系と混合することにより、混合物を生成する工程;
    該混合物を約室温で維持する工程;および
    該混合物から該溶媒系の少なくともいくらかを除去する工程
    を含む、方法。
  71. 前記溶媒系が、IPACをさらに含み、約0.25より低い水分活性を有する、請求項70に記載の方法。
  72. 化合物(1)の形態Aを調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
    Figure 2018515527
    によって表され、該方法は、
    非晶質の化合物(1)を少なくとも約150℃の温度に加熱する工程;および
    該加熱された非晶質の化合物(1)を再結晶化させることにより、化合物(1)の形態Aを生成する工程
    を含む、方法。
  73. 前記非晶質の化合物(1)が、約170℃〜180℃の温度に加熱される、請求項72に記載の方法。
  74. 化合物(1)の形態Bを調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
    Figure 2018515527
    によって表され、該方法は、
    化合物(1)の水和物3を約110℃〜約170℃の温度に加熱する工程;および
    該加熱された化合物(1)の水和物を再結晶化させることにより、化合物(1)の形態Aを生成する工程
    を含む、方法。
  75. 化合物(1)の形態Cを調製する方法であって、ここで、化合物(1)は、以下の構造式:
    Figure 2018515527
    によって表され、該方法は、
    化合物(1)のIPA溶媒和物をn−プロパノールにおいて混合することにより、混合物を生成する工程;
    該混合物を加熱する工程;および
    該加熱された化合物(1)のIPA溶媒和物を再結晶化させることにより、化合物(1)の形態Cを生成する工程
    を含む、方法。
  76. 請求項1〜34のいずれか1項に記載の化合物(1)の多形形態、化合物(1)の溶媒和物、またはその薬学的に許容され得る塩を100mg〜1,600mgの投与量で被験体に投与する工程を含む投与レジメンであって、ここで、該投与量は、1日あたり1回、2回または3回投与される、投与レジメン。
  77. 前記投与量が、300mg〜1,600mgである、請求項76に記載の投与レジメン。
  78. 前記投与量が、600mg〜1,200mgである、請求項77に記載の投与レジメン。
  79. 前記投与量が、1日あたり1回投与される、請求項77に記載の投与レジメン。
  80. 前記投与量が、600mgまたは800mgである、請求項78に記載の投与レジメン。
  81. 前記投与量が、300mg〜900mgである、請求項77に記載の投与レジメン。
  82. 前記投与量が、1日あたり2回投与される、請求項81に記載の投与レジメン。
  83. 前記投与量が、400mgまたは600mgである、請求項76に記載の投与レジメン。
  84. 前記化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩が、1日間からインフルエンザシーズン全体までの処置期間にわたって投与される、請求項76〜83のいずれか1項に記載の投与レジメン。
  85. 前記処置期間が、3日間〜14日間である、請求項84に記載の投与レジメン。
  86. 前記処置期間が、3日間、4日間または5日間である、請求項85に記載の投与レジメン。
  87. 600mg〜1,600mgの負荷投与量が、1日目に前記被験体に投与され、400mg〜1,200mgの投与量が、前記処置期間の残りの期間にわたって該被験体に投与される、請求項84〜86のいずれか1項に記載の投与レジメン。
  88. 900mg〜1,600mgの負荷投与量が、1日目に前記被験体に投与され、400mg〜1,200mgの投与量が、前記処置期間の残りの期間にわたって該被験体に投与される、請求項87に記載の投与レジメン。
  89. 900mgまたは1,200mgの負荷投与量が、1日目に前記被験体に投与され、600mg〜800mgの投与量が、前記処置期間の残りの期間にわたって該被験体に投与される、請求項88に記載の投与レジメン。
  90. 900mgの負荷投与量が、1日目に前記被験体に投与され、600mgの投与量が、前記処置期間の残りの期間にわたって該被験体に1日1回投与される、請求項89に記載の投与レジメン。
  91. 1,200mgの負荷投与量が、1日目に前記被験体に投与され、600mgの投与量が、前記処置期間の残りの期間にわたって該被験体に1日1回投与される、請求項89に記載の投与レジメン。
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