JP2018131690A - ニッケル−クロム−合金 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い耐酸化性、高い耐浸炭性、長時間クリープ破断強度及び耐クリープ性を有するニッケル−クロム−合金を提供する。【解決手段】0.4〜0.6%の炭素、28〜33%のクロム、15〜25%の鉄、2〜6%のアルミニウム、それぞれ2%までのケイ素及びマンガン、それぞれ1.5%までのニオブ及びタンタル、それぞれ1.0%までのタングステン、チタン及びジルコニウム、それぞれ0.5%までのイットリウム及びセリウム、0.5%までのモリブデン及び0.1%までの窒素、残り溶融法由来の不純物を含むニッケルを有する、ニッケル−クロム−合金において解決される。【選択図】なし

Description

石油化学では、高温プロセスのために、温度耐性であると同時に耐食性であり、特に一方で熱い生成ガス及び同様に他方で例えば蒸気クラッキングに由来する高温の燃焼ガスに対抗する材料が要求される。このような材料のコイル管は、外側から1100℃まで、あるいはそれ以上の温度を有する酸化性の窒化燃焼ガスに、ならびに内側では約900℃までの温度で、場合によっては高圧下で、炭化および酸化雰囲気にさらされる。
したがって、高温の燃焼ガスとの接触時には管の外側表面から、管材料の窒化及びスケール層の形成が生じる。
管内部における炭化性の炭化水素雰囲気は、管内部から炭素が管材料中に拡散し、炭化物が材料中で増大し、これにより管内部に存在する炭化物M23が、炭素増加を伴って炭素冨化炭化物Mを形成するというリスクに結びつく。その結果として、炭化物形成又は炭化物変換に関連する炭化物の体積増加に基づく内圧並びに管材料の強度及び靭性が減少する。さらにこれにより、内側表面に固着した数ミリメーターの厚さにもなるコークス層が生じる。さらにプラント停止の結果として生じるような周期的な温度負荷により、金属製の管及びコークス層の異なる熱膨張効率の結果として管がコークス層上で収縮する。これは管中で高い圧力を生じ、ひいては管の内側表面における亀裂の発生を招く。その後にこのような亀裂によって、増加した炭化水素が管材料中に到達する。
US特許出願第5 306 358号明細書から、WIG法にしたがって、0.5%の炭素、8〜22%のクロム、36%までの鉄、8%までのマンガン、ケイ素及びニオブ、6%までのアルミニウム、1%までのチタン、0.3%までのジルコニウム、40%までのコバルト、20%までのモリブデン及びタングステン並びに0.1%までのイットリウム、残りニッケルを含有する、溶接可能なニッケル−クロム−鉄−合金が知られている。
さらに、ドイツ特許出願第103 02 989号明細書は、さらにクラッキング及びリフォーミング用炉のコイル管用材料として適したニッケル−クロム−鋳込み合金が記載されており、この場合、この合金は、0.8%までの炭素、15〜40%のクロム、0.5〜13%の鉄、1.5〜7%のアルミニウム、0.2%までのケイ素、0.2%までのマンガン、0.1〜2.5%のニオブ、11%までのタングステン及びモリブデン、1.5%までのチタン、0.1〜0.4%のジルコニウム及び0.01〜0.1%のイットリウム、残りニッケルを有する。この合金は、特に、管材料として使用する際に十分に保護されるにもかかわらず、実際にはさらに長い寿命を有する管材料が求められている。
US特許出願第5 306 358号明細書 ドイツ特許出願第103 02 989号明細書
したがって本発明の課題は、例えば炭化水素のクラッキング及びリフォーミングの際にさらされる条件下で、改善された耐性を有するニッケル−クロム−合金を提供することである。
本発明の課題は、0.4〜0.6%の炭素、28〜33%のクロム、15〜25%の鉄、2〜6%のアルミニウム、それぞれ2%までのケイ素及びマンガン、それぞれ1.5%までのニオブ及びタンタル、それぞれ1.0%までのタングステン、チタン及びジルコニウム、それぞれ0.5%までのイットリウム及びセリウム、0.5%までのモリブデン及び0.1%までの窒素、残部がニッケル及び不可避不純物から成る、ニッケル−クロム−合金において解決される。
好ましくは、これら合金はそれぞれ単独又は同時に、17〜22%の鉄、3〜4.5%のアルミニウム、それぞれ0.01〜1%のケイ素、0.5%までのマンガン、0.5〜1.0%のニオブ、0.5%までのタンタル、0.6%までのタングステン、それぞれ0.001〜0.5%のチタン、0.3%までのジルコニウム、0.3%までのイットリウム、0.3%までのセリウム、0.01〜0.5%のモリブデン及び0.001〜0.1%の窒素を含有する。
本発明による合金は、特に比較的高いクロム及びニッケルの含量並びに比較的狭い範囲内での必然的な炭素含量によって特徴付けられる。
任意の合金成分のうち、ケイ素はその耐酸化性及び耐浸炭性を改善する。同様にマンガンは、耐酸化性においてポジティブに、さらにその溶接性において有利に作用して、溶融物を脱酸化し、かつ硫黄を安定に固定して除去する(abbinden)。
ニオブは、長時間クリープ破断強度を改善し、安定な炭化物及び窒化炭素を形成し、これは混晶促進剤として役立つ。チタン及びタンタルは、長時間クリープ破断強度を改善する。極めて少ない含量であっても、極めて微粒子の炭化物及び炭化窒素を形成する。高い含量の場合には、チタン及びタンタルは混晶促進剤として作用する。
タングステンは、長時間クリープ破断強度を改善する。特に高温の場合に、タングステンは混晶促進によりその強度を改善するが、それというのも炭化物は高い温度で部分的に溶解するためである。
同様にコバルトも、混晶促進により長時間クリープ破断強度を改善させ、ジルコニウムは、特にチタン及びタンタルと一緒に、炭化物形成によって作用する。
イットリウム及びセリウムは、耐酸化性のみならず、特にAl−カバー層の付着及び成長を明らかに改善させる。さらにイットリウム及びセリウムは、極めて少ない含量であっても耐クリープ性を改善させるが、それというのも若干存在する遊離硫黄を安定に固定して除去するためである。わずかな量のホウ素は、同様に長時間クリープ破断強度を改善させ、硫黄の偏折を回避し、かつM23炭化物の粗粒化(Vergroeberung)による老化を遅らせる。
モリブデンもまた混晶促進により、特に高温における長時間クリープ破断強度を改善させる。特に高い温度では炭化物が部分的に溶融するからである。窒素は浸炭窒化物形成により長時間クリープ破断強度を改善させ、その一方でハフニウムは、少ない量であってもカバー層の改善された付着により耐酸化性を改善させ、かつ長時間クリープ破断強度耐性においてポジティブに作用する。
不純物としてリン、硫黄、亜鉛、鉛、ヒ素、ビスマス、錫及びテルルが挙げられ、従ってその含量は可能な限りわずかであるべきである。
これら条件下で、合金は特に石油化学プラントのコンポーネント用鋳込み材料として、例えばクラッキング(もしくはスチーム分解)又はリフォーミング用炉のためのコイル管、リフォーミング管の製造のために、さらには直接還元製鉄プラント及び同様に必要とされる部材のための材料として適している。さらに、炉部材、炉を加熱するための照射管、強熱炉用ローラー、ロープ及びベルト式連続鋳込みプラント用部材、強熱炉のためのカバー及びスリーブ、大型ディーゼルエンジン用部材及び触媒充填材用成形体である。
まとめると、本発明による合金は、高い耐酸化性及び耐浸炭性並びに良好な長時間クリープ破断強度及び耐クリープ性によって特徴付けられる。クラッキング又はリフォーミング管の内側表面は、さらに触媒不活性のアルミニウム含有酸化物層により特徴付けられ、それによって、触媒的なコークス繊維、いわゆるカーボンナノチューブの発生を阻止する。材料は、クラッキングの際に必然的に管内壁に析出したコークスの多数回に亘る燃焼によっても、有利な特性を維持する。
特に有利であるのは、10〜40MPa、例えば10〜25MPaの圧力で穴をあける遠心注型管を製造するための合金の使用である。このような穴あけの場合には、圧力により、表面付近の領域で例えば0.1〜0.5mmの深さで管材料の冷間加工及び冷間硬化を行う。管を加熱する際に冷間加工領域は再結晶化され、その際、極めて微細な粒子構造を生じる。再結晶化構造は、酸化物形成元素であるアルミニウム及びクロムの拡散を改善させ、これは、特に、高い密度及び安定性を有する酸化アルミニウムから成る連続層の形成をサポートする。
これにより生じた固着したアルミニウム含有酸化物は、管内壁の連続的な保護層を形成し、これは、例えばニッケル又は鉄から成る触媒活性中心をほとんど含まず、かつこれ自体、長期間に亘る周期的な熱の使用によってもなお安定である。このアルミニウム含有酸化物層は、このようなカバー層のない他の管材料と比較して、基礎材料中への酸素の侵入、ひいてはそれによる管材料内部の酸化を回避する。さらにカバー層は、管材料の炭化のみならず、プロセスガス中の汚染物による腐蝕を抑制する。このカバー層は、主にAl及び混合酸化物(Al、Cr)から成り、触媒的コークス形成に対してほぼ不活性である。この層は、コークス形成を触媒する鉄及びニッケルのような元素の含有率が低い。
耐久性のある酸化物保護層を形成するための特別な利点に関しては、極めて経済的な方法で、さらにin situであっても実施することができる熱処理であり、これは、相当する炉をその操作温度に加熱する場合に、例えばスチーム分解用管の取り付け後に、その内側表面をコンディショニングするのに役立つ。
このコンディショニングは、中間的に挿入された等温の熱処理を含む加熱として炉雰囲気中で実施することができ、これは、本発明による加熱中に、例えば、極めてわずかに酸化された水蒸気を含有する雰囲気中で、多くとも10−20、好ましくは多くとも10−30barの酸素分圧で調整する。
特に適しているのは、0.1〜10モル%の水蒸気、7〜99.9モル%の水素及び炭化水素を単独で、又は同時に、並びに0〜88モル%の希ガスを含む保護ガス雰囲気である。
コンディショニングの際の雰囲気は、好ましくは、混合物の酸素分圧が600℃の温度で10−20barを下回り、好ましくは10−30barを下回る量比で、水蒸気、水素、炭化水素及び希ガスから成る、極めてわずかに酸化性の混合物から構成される。
表面層を予め機械的に切削した後の管内部の最初の加熱、すなわち、これにより生じた冷間加工された表面領域の別個の加熱は、好ましくは極めてわずかに酸化性の保護ガス下で、多段階で、それぞれ10〜100℃/hの速度で、先ずは400〜750℃まで、好ましくは約550℃まで、管の内側表面について実施する。加熱段階は、言及された温度範囲内で1〜50時間の休止に引き続いて行う。この加熱は、その温度が凝縮した水の発生を回避する値を達成する限りにおいて、水蒸気雰囲気の存在下で行う。この休止に引き続いて、管を操作温度、例えば800〜900℃にし、それによって操作準備をする。
しかしながら管温度は、高温分解コークスの析出の結果としてクラッキング操作中でさらに徐々に上昇し、最終的には内側表面については約1000℃又はさらに1050℃に達する。この温度で、本質的にAl及びわずかな量の(Al、Cr)から構成される内側層は、遷移酸化物、例えばγ、δ又はθ−Alから安定なα−酸化アルミニウムに変換される。
したがって、機械的に切削された内側層を有する管は、多段階で、しかしながら好ましくはシングルダクト方式(einzugigen Verfahren)でその操作状態に達する。
しかしながらこの方法は、必ずしも単段階での実施を必要とするのではなく、別個の予備工程により開始することもできる。この予備工程は、内側表面の切削後の400〜750℃での休止までの最初の加熱を含む。
このようにして予備処理された管はその後に、例えば他の製造場所において、その冷却状態に基づいて前記方法で、in situで再度処理され、すなわち、取り付けられた状態で操作温度にもっていくことができる。
言及された別の予備処理は、管を制限するものではなく、他の未完成品の表面領域の部分的又はさらに完全なコンディショニングに適しているものであるけれども、さらに、その状態及び用途に応じて、本発明にしたがってあるいは定められた出発状態を含む他の方法にしたがってさらに処理することもできる。
本発明の合金の高い酸化耐性を示す図 本発明の合金の高い炭化耐性を示す図 本発明の合金の長時間クリープ破断強度を示す図 本発明の合金のクリープ耐性を示す図 本発明によらない合金から成る管の内側表面を示す図 本発明による合金から成る管の内側表面を示す図 本発明によらない合金から成る管の表面領域を示す断面図 本発明による合金から成る管の表面領域を示す断面図 アルミニウム濃度の経過を示すグラフ図 アルミニウム濃度の経過を示すグラフ図 市販の試料のREM平面図 アルミニウム含有酸化物層を示す図 アルミニウム含有酸化物層を示す図 表面付近領域の構造を示す図 表面付近領域の構造を示す図
本発明は、以下、5個の本発明によるニッケル合金と10個の市販のニッケル合金との比較に基づいて例証的に説明し、その際、組成は第1表に示されており、かつ特にその炭素(合金5及び6)、クロム(合金4、13及び14)、アルミニウム(合金12、13)、コバルト(合金1、2)及び鉄(合金3、12、14、15)の含量に関して、本発明によるニッケル−クロム−鉄−合金とは異なる。
図1のグラフから明らかであるように、本発明による合金9の場合には、空気中で1150℃の45分に亘る強熱によりさらに200サイクルを上回っても内部酸化は生じず、その一方で、2個の比較合金12及び13は早くも数サイクル後に、顕著な酸化の結果として次第に大きくなる質量減少がみられる。
さらに合金9は高い耐浸炭性によっても特徴付けられ、それというのも、図2のグラフ図によれば、全部で3回の炭化処理後のわずかな質量増加に基づいて、市販の合金12及び13と比較してわずかな質量増加を示すためである。
さらに、図3a及び3bのグラフ図は、本発明によるニッケル合金11の長時間クリープ破断強度が、本質的な範囲で2個の比較合金12及び13よりもさらに改善されていることを示す。ここで例外は、本質的に不十分な耐酸化性、耐浸炭性及び耐コークス化性を示す、その少ない鉄含量のために本発明に含まれない合金15である。
最終的に、図4のグラフ図に基づいて、合金11の耐クリープ性が、比較合金12の耐クリープ性よりも顕著に優れていることが示される。
さらに、クラッキング操作の一連のシミュレーションの際に、本発明によるニッケル合金から成る複数個の管断片を実験装置に装入し、種々のガス雰囲気及び加熱条件を用いて加熱試験を実施し、その際、30分のクラッキング段階を900℃の温度で実施して、触媒的コークス形成の初期段階又は触媒的コークス形成の傾向について調査し、かつ評価した。
第1表からの本発明による合金11の試料を用いた試験のデータ及び結果は、第2表にまとめた。これは、それぞれのガス雰囲気が本発明による温度調整と一緒になって、いずれにせよ少ない触媒的コークス形成の顕著な減少と関連することを示す。
本発明による合金8の組成を有する炉管の管内部の表面耐性に関する例は、図5及び6の写真から明らかである。図6(第2表による試験7)は、本発明によるコンディショニング後の表面が、本発明によらないコンディショニングがなされた表面(第2表、試験2)に関する図5と比較して優れていることを示す。
図7(合金14)及び8(本発明)において、表面付近の領域を断面図で示した。試料は950℃で加熱し、かつその後に10回のクラッキングサイクルでそれぞれ10時間、水蒸気、水素及び炭化水素から成る雰囲気中に置いた。それぞれのサイクル後に、試料管は、コークス堆積物を除去するために1時間に亘って燃焼させた。これに関して、図7の組織写真は、実際には内部酸化が生じない本発明による合金9の図8の組織写真との比較において市販のニッケル−クロム−鋳込み合金の場合には、双方の試料は、一方でクラッキングから成る多数回の周期的な処理及び他方で炭素堆積物の除去の同じ方法を実施したにもかかわらず、管の内側について内部酸化の大きい面積及びそれに伴って大きい体積の結果を、暗色の領域の形で示した。
試験は、市販の合金から成る試料の場合には表面欠陥に基づいて、管内部における強い内部酸化が生じたことを示す。それによって、内部管表面においてニッケルの高い割合を有するわずかな金属中心が生じ、そこで顕著な量の炭素がカーボンナノチューブの形で形成される(図11)。
これに反して、本発明による合金由来の試料9は、同一の10回サイクルのクラッキング及び引き続いてのコークス化雰囲気中に暴露することによっても、カーボンナノチューブは生じることなく、これは、本質的に連続的で密な、触媒不活性のアルミニウム含有酸化物層に起因する。対照的に図11は、図7中においてカット面で示された市販の試料のREM表面像に関し、これは、カバー層を欠くことに基づいて、顕著な酸化及びそれに相当するカーボンナノチューブの形での触媒的コークスの顕著な発生を示す。
特に、本発明による合金上の酸化物層の安定性は、それぞれコークス堆積物の中間段階での燃焼による除去を含む、10回のクラッキング段階後の、周辺領域の深さに亘るアルミニウム濃度の経過に基づいて、図9及び10のグラフ図との比較において明らかに示される。図9のグラフ図によれば、表面付近の領域において、保護されたカバー層の局所的損傷及びそれにより生じる材料の強い内部アルミニウム酸化のために、アルミニウムが減少する一方で、図10のグラフ図の場合にはアルミニウム濃度は、ほぼ鋳込み材料の出発レベルになる。ここで、連続的で密な、かつ特に固着された内部アルミニウム含有酸化物層の重要性が本発明による管の場合に顕著に示される。
アルミニウム含有酸化物層の安定性は同様に、プロセスに近い条件下で、実験装置中で長期試験によって調査される。本発明による合金9及び11の試料は、950℃の水蒸気下で加熱し、かつその後にそれぞれ3回に亘って72時間のクラッキングをこの温度でおこない、その後にそれぞれ4時間に亘って900℃で燃焼を行った。図12の写真は、3回のクラッキングサイクル後の連続的なアルミニウム含有酸化物層を示し、かつ、さらにまたこのようなアルミニウム含有相酸化物層が材料自体を、表面中の炭化クロムを超えて覆う。表面に存在する炭化クロムがアルミニウム含有酸化物層により完全に覆われていることが認識できる。
基礎材料の主要な炭化物が堆積し、それによって内部酸化に対して特に耐性のない、乱れた表面領域中でさえ、材料は、図13の組織写真が顕著に示すように、むらのないアルミニウム含有酸化物層によって保護される。これは、酸化された元のMC−炭化物がアルミニウム含有酸化物から出発して過剰成長し、それによってカバーされていることが認識できる。
図14及び15による表面付近の領域の組織写真は、周期的な長期試験後であっても、内部酸化を生じることなく、安定かつ連続的なアルミニウム含有酸化物層に左右されることを示す。
この試験で、本発明による合金8〜11の試料を使用した。
まとめると、本発明によるニッケル−クロム−鉄−合金は、例えば管材料として、機械的圧力下での内側表面の切削及びその後の多段階のin situ 熱処理によって、その内側表面をコンディショニングすることにより、高い酸化耐性、腐蝕耐性及び特に高いクリープ破断強度及びクリープ耐性によって特徴付けられる。
しかしながら特に、材料の並はずれた炭化耐性が特に顕著であり、これは、ほぼ連続的な安定な酸化物層又はAl層の迅速な構築によってもたらされる。特に、この層は、スチーム分解用及びリフォーミング用の管の場合に、触媒的コークス形成のリスクを伴う触媒活性中心の発生を十分に抑制する。この材料の性質は、その都度堆積したコークスの燃焼と一緒にそれぞれ顕著に長いクラッキングサイクルの多数回の後であっても、失われることはない。

Claims (8)

  1. 高い耐酸化性、高い耐浸炭性、長時間クリープ破断強度及び耐クリープ性を有する、スチーム分解のための管又はリフォーミングのための管用ニッケル−クロム−合金材料において、
    0.4〜0.6%の炭素、
    28〜33%のクロム、
    17〜22%の鉄、
    3〜4.5%のアルミニウム、
    0.01〜1%のケイ素、
    0.01〜0.5%のマンガン、
    0.01〜1.0%のニオブ、
    0.001〜0.5%のチタン、
    0.001〜0.3%のジルコニウム、
    0.001〜0.3%のイットリウム、
    残部がニッケル及び不可避不純物
    から成る、前記ニッケル−クロム−合金材料。
  2. 表面領域中で10〜40MPaの圧力で機械的に切削し、かつ引き続いて、加熱速度10〜100℃/hで400〜750℃の表面温度まで、600℃で10-20バールを下回る酸素分圧で、水蒸気、水素、炭化水素および希ガスから成る保護ガス下で凝縮物形成を回避しながら加熱することによる、請求項1記載の合金材料から成る管を少なくとも部分的にコンディショニングする方法。
  3. 圧力が15〜30MPaである、請求項2に記載の方法。
  4. 表面領域の切削の際に、0.1〜0.5mmの深さで冷間加工する、請求項2または3に記載の方法。
  5. 加熱速度10〜100℃/hで400〜750℃の表面温度までの加熱、400〜750℃で1〜50時間の休止並びに10〜100℃/hの速度で操作温度までの最終的な加熱を含む、請求項2から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 休止温度が550〜650℃である、請求項5に記載の方法。
  7. 10−30barを下回る酸素分圧である、請求項2から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 保護ガスが0.1〜10モル%の水蒸気、7〜99.9モル%の水素及び/又は炭化水素、並びに0〜88モル%の希ガスから成る、請求項2から7までのいずれか1項に記載の方法。
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