JP7016283B2 - 耐高温腐食性を有する耐熱合金、溶接用粉末及び外周面に肉盛溶接層を具える配管 - Google Patents

耐高温腐食性を有する耐熱合金、溶接用粉末及び外周面に肉盛溶接層を具える配管 Download PDF

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本発明は、ゴミ焼却装置に用いられるボイラー管や種々の配管などに用いられ、高温高腐食雰囲気下で良好な高温耐腐食性を有する耐熱合金、当該耐熱合金からなる溶接用粉末及び外周面に肉盛溶接層を具える配管に関するものである。
ゴミ焼却炉などのゴミ焼却装置では、ゴミに含まれる多種多様な物質から発生する塩化水素や酸化硫黄等の腐食性の強いガスが発生する。また、その燃焼生成物には、NaSOのような硫酸塩、NaClやKClのような塩化物など、腐食性の強いダストも含まれる。このため、これら高温高腐食雰囲気にさらされる管の外周に耐高温腐食性にすぐれる各種Ni基合金を肉盛溶接した配管が提案されている(たとえば特許文献1参照)。また、その他の耐高温腐食性にすぐれる材料として、Alloy625(21Cr-9Mo-4Fe-4Nb-0.2Ti-0.2Al-Ni bal.)、Alloy825(21Cr-3Mo-42Ni-2Cu-1Ti-Fe bal.)、ALLOY C-276(16Cr-17Mo-6Fe-4W-Ni bal.)なども知られている。
特開平10-183282号公報
燃焼効率の向上や不完全燃焼防止などのため、ボイラー発生蒸気温度等の高温化が図られており、上記した合金組成以外にも種々の耐高温腐食性合金の開発が求められている。
本発明の目的は、耐高温腐食性にすぐれ、ボイラー管などのゴミ焼却装置用の配管を被覆する材料として好適な耐熱合金を提供することである。
本発明に係る耐熱合金は、
400℃以上の高温高腐食雰囲気で用いられる耐熱合金であって、質量%にて、
C:0.2%~0.6%、Si:0%~2.0%、Mn:0%を越えて0.6%以下、Cr:25%~35%、Ni:35%~50%、Nb:0.5%~2.0%、Al:3.0%~6.0%、Y:0.005%~0.05%、残部Fe及び不可避的不純物からなる。
前記耐熱合金は、質量%にて、希土類元素:0.01%~0.20%をさらに含むことができる。
前記耐熱合金は、質量%にて、W:0%を越えて2.0%以下、Mo:0%を越えて1.0%以下、Ti及び/又はZrを合計量:0%を越えて0.5%以下、及び、Hf:0%を越えて0.5%以下からなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むことができる。
また、本発明の溶接用粉末は、
上記記載の耐熱合金からなる。
さらに、本発明の配管は、
400℃以上の高温高腐食雰囲気で用いられる配管であって、
管の外周面に、上記溶接用粉末を肉盛溶接した肉盛溶接層を具える。
本発明の耐熱合金は、400℃以上の高温高腐食雰囲気下においてすぐれた耐高温腐食性を具備する。また、本発明の耐熱合金からなる溶接用粉末は、高温高腐食雰囲気下で使用されるボイラー管などの管の外周面に肉盛溶接することで肉盛溶接層を形成し、配管に耐高温腐食性を具備させることができる。
図1は、実施例の高温腐食試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、特に明記しない限り、「%」は質量%を意味する。
本発明の耐熱合金は、400℃以上の高温高腐食雰囲気であっても、すぐれた耐食性を具備する。耐熱合金は、溶接用粉末として用いることができ、たとえば、ゴミ焼却装置に用いられるボイラー管などの管の外周面に肉盛溶接した肉盛溶接層を形成することで、配管に耐高温腐食性を発揮させることができる。
管への肉盛溶接は、下記組成の耐熱合金からなる溶接用粉末を、PPW(Plasma Powder Welding)や粉体プラズマ溶接(PTA(Plasma Transferred Arc)溶接)などの肉盛溶接法により、肉盛ビードとして形成することができる。
耐熱合金は、C:0.2%~0.6%、Si:0%~2.0%、Mn:0%を越えて0.6%以下、Cr:25%~35%、Ni:35%~50%、Nb:0.5%~2.0%、Al:3.0%~6.0%、Y:0.005%~0.05%、残部Fe及び不可避的不純物からなる。なお、不可避的不純物として、P、S、Nを例示でき、これらは合計量で0.01%を上限とする。
耐熱合金は、希土類元素:0.01%~0.20%をさらに含むことができる。
耐熱合金は、質量%にて、W:0%を越えて2.0%以下、Mo:0%を越えて1.0%以下、Ti及び/又はZrを合計量:0%を越えて0.5%以下、及び、Hf:0%を越えて0.5%以下からなる群より選択される1種以上の元素をさらに含むことができる。
本発明の耐熱合金は、上記したAlloy625やAlloy825よりも高濃度のAlを含有する。Alの含有量が多くなると、一般的に溶接性と伸びの低下を招きやすい。しかしながら、本発明では、耐熱合金にNbを含有させることで、溶接時にNbがCと結合してNbC(ニオブ炭化物)を形成し、溶接材中の炭素濃度を低減させることができると共に、溶接性が高められて溶接時の割れを防止することができる。また、溶接により形成された肉盛溶接層に形成されたNbCは、結晶粒界強化によって肉盛溶接層のクリープ強度を高めることができる。
また、本発明の耐熱合金を溶接用粉末として用いた場合、溶接時の直線性にすぐれ、均一で滑らかな肉盛溶接を行なうことができる。
さらに、本発明の溶接用粉末を肉盛溶接した配管は、肉盛溶接層が均一な厚さに形成され、配管の外周側を流通するガスの流通を妨げず、圧損の発生を抑えることができる。
肉盛溶接層中のCは、優先的にNbCを形成することで、Cr炭化物の形成を抑えることができる。また、肉盛溶接層に含まれる高い濃度のAlや、Crは、酸化されて肉盛溶接層の表面又は表層近傍にAl酸化物及びCr酸化物を形成する。これら酸化物は、高温好悪腐食雰囲気下においてすぐれた耐腐食性、耐酸化性及び耐窒化性を発揮し、配管の腐食等を肉盛溶接層の表面又は表層近傍にAl酸化物の形成を促すことができる。その結果、配管の長期に亘る安定的な性能維持を図ることができる。
上記耐熱合金の具体的な成分限定理由は、以下の通りである。
C:0.2%~0.6%
Cは、高温クリープ破断強度を高める作用があり、ボイラー管などの配管の被覆材として使用することにより、配管に強度を付与する。このため、少なくとも0.2%を含有させる。しかし、含有量があまり多くなると、肉盛溶接層にCrの一次炭化物が幅広く形成され易くなる。また、Al酸化物を形成する際に肉盛溶接層内での移動が抑制されてAlの供給不足が生じ、Al酸化物の局部的な寸断を招き、Al酸化物の連続性が損なわれることがある。このため、上限は0.6%とする。なお、Cの含有量は0.3%~0.5%がより望ましい。
Si:0%~2.0%
Siは、脱酸剤として、また溶接時の材料の流動性を高めるために含有させる。しかしながら、含有量があまり多くなると高温クリープ破断強度の低下や酸化されて緻密性の低い酸化物の形成を招き、また、溶接性を低下させるので上限は2.0%とする。なお、Siの含有量は1.8%以下が望ましく、1.5%以下がより望ましい。
Mn:0%を超えて0.6%以下
Mnは、溶湯合金の脱酸剤として、また溶湯中のSを固定するために含有させるが、含有量があまり多くなるとMnCrの酸化物被膜が形成され、また、高温クリープ破断強度の低下を招くので上限は0.6%とする。なお、Mnの含有量は0.3%以下がより望ましい。
Cr:25%~35%
Crは、高温強度及び耐酸化性の向上への寄与の目的のため、25%以上含有させる。しかし、含有量があまり多くなるとクロム酸化物(Cr等)が形成され、Al酸化物の形成が阻害されるため、上限は35%とする。なお、Crの含有量は27%~33%がより望ましい。
Ni:35%~50%
Niは、耐酸化性及び金属組織の安定性の確保に必要な元素である。また、Niは、Al酸化物の再生能を高める働きがある。また、Niの含有量が少ないと、Feの含有量が相対的に多くなる結果、肉盛溶接層の表面にCr-Fe-Mn酸化物が生成され易くなるため、Al酸化物の生成が阻害される。このため、少なくとも35%以上含有させるものとする。一方で、50%を超えて含有させても、増量による効果は飽和するので、上限は50%とする。なお、Niの含有量は38%~47%がより望ましい。
Nb:0.5%~2.0%
Nbは、溶接割れの発生を抑え、さらには、NbCを形成してクリープ強度を高めることができるため、0.5%以上含有させる。一方で、Nbは、Al酸化物の耐剥離性を低下させるため上限は2.0%とする。なお、Nbの含有量は1.0%~1.5%がより望ましい。
Al:3.0%~6.0%
Alは、Al酸化物を形成する必須材料である。肉盛溶接された肉盛溶接層中におけるAl酸化物の安定形成能や再生能を発揮するために、Alは3.0%以上含有させる。一方で、Alの含有量が6.0%を越えると、これら能力は飽和するから、上限は6.0%とする。なお、Alの含有量は3.0%を越えて5.0%未満がより望ましく、4.0%を越えて5.0%未満がさらに望ましい。
Y:0.005%~0.05%
Yは、肉盛溶接の際に溶接ビードの蛇行を抑え、溶接性を高めるために0.005%以上添加する。一方で、Yの含有量が0.05%を越えると、肉盛溶接層の延靭性の低下を招くので、上限は0.05%とする。なお、Yの含有量は0.01%~0.03%がより望ましい。
なお、Yは、Alの含有量に対して、0.002倍以上含有させることが望ましい。すなわち、Y/Al≧0.002である。これにより、Alの添加によって阻害される溶接性の低下を、Yによって補うことができる。なお、次に示す希土類元素をさらに添加する場合には、(Y+希土類元素)/Al≧0.002とすることが望ましい。
その他、耐熱合金には、下記元素を添加することができる。
希土類元素:0.01%~0.20%
希土類元素は、周期律表のLaからLuに至る15種類のランタノイドを意味する。希土類元素は、Laを主体とすることが好適であり、Laが前記希土類元素のうち80%以上、望ましくは90%以上占めることが望ましい。希土類元素は、Al酸化物の安定形成能に寄与するため、0.01%以上含有させる。一方で、希土類元素の含有量が0.20%を越えると、この能力は飽和するから、上限は0.20%とする。なお、希土類元素の含有量は0.01%を越えて0.10%以下がより望ましい。
W:0%を越えて2.0%以下、Mo:0%を越えて1.0%以下、Ti及び/又はZrを合計量:0%を越えて0.5%以下、及び、Hf:0%を越えて0.5%以下からなる群より選択される1種以上の元素
これら元素は何れも、耐浸炭性を高める効果を有し、高温強度改善のために添加する。しかしながら、過剰の添加は延靭性の低下等を招くため、含有量は上記規定のとおりとする。また、W、Moの過度の含有は、母材の耐酸化性の低下を招き、Moは、当量的にWに比して2倍の作用を発揮する。従って、Wの上限2.0%のとき、Moの上限は1.0%とする。
本発明では、耐熱合金にNbを含有することで、溶接割れの発生を抑えるようにしている。耐熱合金に含まれるNbは、肉盛溶接層形成の溶接時にNbCを形成し、結晶粒界強化によってクリープ強度を高めることができる。また、NbがCと結合してNbCを形成することで、溶接材中の炭素濃度を低減させることができ、溶接性が高められる。
また、形成された肉盛溶接層中のCが、優先的にNbCを形成することで、Cr炭化物の形成を抑えることができ。その結果、熱処理によって肉盛溶接層の表面又は表層近傍にAl酸化物の形成を促すことができる。表面又は表層近傍にAl酸化物が形成されることで、耐腐食性、耐酸化性、耐窒化性を高めることができる。
肉盛溶接層のNbは、配管のNb濃度よりも高くすることが望ましい。肉盛溶接層中には、Al濃度を高くすることにより皮膜形成性を高めることが望まれるが、同時に、溶接用粉末には、肉盛溶接層形成のための溶接性も求められ、Nb濃度を高めて皮膜形成性と溶接性を両立させる。なお、配管にNbを含有する場合、肉盛溶接層のNb濃度は配管のNb濃度よりも2倍以上が好ましく、5倍以上がより好ましい。
また、肉盛溶接層は、高濃度のAlを含有することで、熱処理によって表面又は表層近傍にAl酸化物を好適に形成させることができる。これは、肉盛溶接用合金中のAlの含有量を、配管よりもAlの含有量を多くすることで実現できる。肉盛溶接層は、腐食性ガスやダストに当たるため、腐食、酸化、窒化等の影響を受け易いが、安定したAl酸化物を形成することで、これらの影響を抑制できる。望ましくは、耐熱合金は、配管がAlを含有する場合、配管のAl含有量に比して0.5%以上とすることが望ましい。
上記のように、肉盛溶接用合金は、Nb、Al及びYを含有することで、溶接性にすぐれ、溶接用粉末を配管に肉盛溶接することで形成される肉盛溶接層は、クリープ強度が高く、Al酸化物の安定形成能を高めることができる。従って、ゴミ焼却装置などに用いられるボイラー管等の管の外周面に肉盛溶接層が形成された配管は、高温腐食性雰囲気下での使用において、すぐれた耐腐食性、耐酸化性、耐窒化性等を発揮することができる。
本発明の耐熱合金より得た溶接用粉末を管の外周面に肉盛溶接した配管は、たとえば、以下の要領で製造することができる。
<配管>
配管は、SUS310Sステンレス鋼、JIS G3461(STB340、STB410)などの炭素鋼等の一般的なボイラー管用途の鋼材を使用することができる。配管の製造方法は、とくに限定されるものではない。
<肉盛溶接層の形成>
次に、配管の外周面にPPWやPTA溶接などによって、上記組成の耐熱合金からなる溶接用粉末を肉盛溶接する。溶接用粉末には、上記範囲でYを含有しているため、溶接ビードの蛇行が抑えられ、良好な溶接性を具備する。これにより、外周面には略均一な肉盛溶接層が形成された配管を得ることができる。肉盛溶接層は、機械的強度を具備しつつ、耐高温腐食性を発揮するために、厚みが1.0mm~3.5mmとなるように形成することが好適である。
<表面加工>
肉盛溶接層の表面には、肉盛溶接で発生した溶金部とその周囲に表面酸化物が残留していることがある。これら残留物は、Al酸化物の形成能を低下させ、また、ボイラー管等の配管として使用したときに、乱流を発生させ、圧損を招くことがある。従って、必要に応じ、これら残留物を研削によって除去することができる。本発明の肉盛溶接層は、溶接性にすぐれているから酸化物を除去し易く、Al酸化物の形成能を向上させることができる。研削方法として、平面研削、グラインダー研磨、ブラスト処理を例示できる。
<熱処理>
配管は、酸化性雰囲気下で熱処理することで、肉盛溶接層にAl酸化物を好適に形成することができる。熱処理は必須ではないが、熱処理を行なうことで肉盛溶接層にAl酸化物を均一に形成することができる。
熱処理を行なう場合、酸化性雰囲気下で実施することが望ましい。酸化性雰囲気とは、酸素を20体積%以上含む酸化性ガス、スチームやCOが混合された酸化性雰囲気である。
熱処理を施すことにより、配管は、肉盛溶接層の表面が酸素と接触し、基地表面に拡散したAl、Cr、Ni、Si、Feを酸化させてこれらの酸化物が形成される。800℃以上の好適な温度範囲において1時間以上の熱処理を行なうことで、肉盛溶接層の表面又は表層近傍では、Cr、Ni、Si、Feよりも優先してAlが酸化物(Al)を形成し、Al酸化物が主体の酸化物層が形成される。とくに、肉盛溶接層では、Nbを含有することで、優先的にNbCを形成することでCが消費され、Al酸化物の形成を阻害するCr炭化物の生成を抑えることができ、Al酸化物の形成を促進することができる。
本発明の耐熱合金は、溶接用粉末として溶接性にすぐれて蛇行や溶接割れを抑えることができる。また、本発明の配管は、外周面に形成された肉盛溶接層中のAl酸化物等の酸化物によって、高温雰囲気下の使用において、すぐれた耐腐食性、耐酸化性、耐窒化性を長期に亘って維持できる。
発明例及び比較例の供試片を準備し、耐高温腐食性を評価するために、灰塗布高温腐食試験を実施した。灰塗布高温腐食試験は、塩塗布高温腐食試験方法(JIS Z2292)に準拠している。
供試材は、発明例1乃至発明例4と、比較例1乃至比較例3の7種類である。発明例は、SUS310Sからなる基材に表1に示す本発明の組成の耐熱合金をPTA溶接により厚さ3mmで肉盛溶接している。また、比較例1は、同じ基材に表1に示す耐熱合金(Alloy625)を同じ厚さで肉盛溶接している。比較例2、比較例3は共に肉盛溶接を施していない供試材であり、表1に示すように、供試材自体(基材と記す)は、それぞれ炭素鋼とSUS310Sである。
Figure 0007016283000001
発明例と比較例1は、肉盛溶接層を含む厚さが5mmとなるように調整し(すなわち基材は2mm)、比較例2及び比較例3は基材を5mmとした。これら供試材は、10mm×10mmの範囲を試験面とし、試験面以外はセラミックス接着剤でコーティングした。発明例及び比較例1は、試験面に実灰(Cl:6.6%、S:1.8996%、K:2.0096、Na:6.08%)を乳鉢で細かくすり潰し、アセトンでスラリー状として毛筆で40mg/cmの割合で一様に塗布した。
灰塗布高温腐食試験は、上記供試材を試験温度640℃、試験時間100時間の条件で電気炉にて加熱した後、JIS Z2290に従って、18質量%NaOH+3質量%KMnO水溶液中での煮沸と10質量%クエン酸水素二アンモニウム水溶液中での煮沸を交互に繰り返し、その後、ナイロンブラシで研磨した。試験は同条件で2回実施し、試験前後の単位面積当たりの腐食量を重量変化によって測定し、その平均を算出した。算出された腐食量平均の結果を表1及び図1に示す。
表1及び図1を参照すると、発明例及び比較例1は、比較例2、比較例3に比して腐食量平均が小さく、極めてすぐれた耐高温腐食性を有することがわかる。また、発明例の腐食量平均は、比較例1とほぼ同等或いは比較例1よりも小さい。従って、発明例がすぐれた耐高温腐食性を具備し、比較例1のAlloy625に代替可能な性能を有する耐熱合金であり、本発明の耐熱合金を溶接用粉末として管の外周面に肉盛溶接した配管は、ボイラー管などの高温高腐食雰囲気での使用に好適であることがわかる。
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。

Claims (6)

  1. 400℃以上の高温高腐食雰囲気で用いられる耐熱合金であって、質量%にて、
    C:0.2%~0.6%、Si:0%~2.0%、Mn:0%を越えて0.6%以下、Cr:25%~35%、Ni:35%~50%、Nb:0.5%~2.0%、Al:3.0%~6.0%、Y:0.005%~0.05%、希土類元素:0.009%~0.20%、残部Fe及び不可避的不純物からなる、
    耐熱合金。
  2. 質量%にて、希土類元素は、0.01%以上である
    請求項1に記載の耐熱合金。
  3. 質量%にて、Mo:0%を越えて1.0%以下をさらに含む、
    請求項1又は請求項2に記載の耐熱合金。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の耐熱合金からなる、
    溶接用粉末。
  5. 400℃以上の高温高腐食雰囲気で用いられる配管であって、
    管の外周面に、請求項4に記載の溶接用粉末を肉盛溶接した肉盛溶接層を具える、
    配管。
  6. 前記肉盛溶接層は、厚みが1.0mm~3.5mmである、
    請求項5に記載の配管。
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