JP2004052036A - 耐浸炭性にすぐれる加熱炉用部材 - Google Patents
耐浸炭性にすぐれる加熱炉用部材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】加熱炉内で用いられるラジアントチューブその他の部材について、高真空状態での浸炭処理における耐浸炭性を向上させる。
【解決手段】C:0.1〜0.6%(重量%、以下同じ)、Si:3.0%以下、Mn:3.0%以下、Cr:20〜40%、Ni:20〜65%、Al:1.5〜4%、残部Fe及び不可避の不純物からなり、表層部に脱Cr層を有し、該脱Cr層中に、20面積%以上のAl2O3が分散していることを特徴とする。前記加熱炉用部材は W:0.5〜5%、Nb:0.5〜2%、Mo:0.5〜5%、Ti:0.01〜0.5%及びZr:0.01〜0.5%からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含有することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】C:0.1〜0.6%(重量%、以下同じ)、Si:3.0%以下、Mn:3.0%以下、Cr:20〜40%、Ni:20〜65%、Al:1.5〜4%、残部Fe及び不可避の不純物からなり、表層部に脱Cr層を有し、該脱Cr層中に、20面積%以上のAl2O3が分散していることを特徴とする。前記加熱炉用部材は W:0.5〜5%、Nb:0.5〜2%、Mo:0.5〜5%、Ti:0.01〜0.5%及びZr:0.01〜0.5%からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含有することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業用熱処理炉等の浸炭環境で使用される加熱炉用部材、特に真空浸炭炉用ラジアントチューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工業用浸炭熱処理炉の加熱手段としてラジアントチューブが用いられている。
このラジアントチューブ材として、HK40(0.4C−25Cr−20Ni−Fe)、HP(0.4C−25Cr−35Ni−Fe)、48Ni鋼(0.4C−25Cr−48Ni−5W−Fe)、HP改良合金(0.4C−25Cr−35Ni−1Nb又は1.5W又は1.5Mo−Fe)などが使用されている。これらの合金は、強い浸炭性雰囲気で使用される場合、耐浸炭性を確保するために、Mn、Siを多く含んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
工業用浸炭熱処理炉でガス浸炭処理を行なう場合、一般的に、雰囲気ガスとしてRXガス(変性炉ガス)にLPGを混合したものが使用され、高温において、CO、プロパン、メタン、エタン等の分解によって生成したCが被処理物の表面へ付着し、内部へ拡散することにより被処理品は浸炭される。
【0004】
このCは、加熱手段であるラジアントチューブの表面にも同様に付着し、ラジアントチューブに浸炭が起こると、チューブ材質の劣化を招く不都合がある。しかしながら、ラジアントチューブの場合、材料に含まれるCr、Mn、Siが炉内雰囲気中に存在する酸素と反応して表面に酸化物皮膜が形成され、この酸化物皮膜の存在によって、Cの材料内部への拡散は防止されるため、浸炭が起こり難く、長期に亘る寿命を享受することができる。
【0005】
ところで、1980年頃から真空浸炭処理が行われ、浸炭処理時間の短縮による省エネルギーの実現と共に、高品質の浸炭処理品が得られるようになった。しかし、この真空浸炭処理は、約50Torr以下の高真空状態で行われるため、雰囲気中に酸素は殆んど存在しない。このため、ラジアントチューブの表面に、浸炭を防止する酸化物(Cr、Mn、Siとの酸化物)は殆んど形成されず、ラジアントチューブの表面に浸炭が起こり、材質が劣化し、寿命の低下を招く不都合があった。
真空浸炭処理におけるこの問題は、ラジアントチューブに限らず、加熱炉内で用いられるトレイその他の部材についても同様である。
【0006】
本発明の目的は、加熱炉内で用いられるラジアントチューブその他の部材について、高真空状態での浸炭処理における耐浸炭性を向上させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の加熱炉用部材は、C:0.1〜0.6%(重量%、以下同じ)、Si:3.0%以下、Mn:3.0%以下、Cr:20〜40%、Ni:20〜65%、Al:1.5〜4%、残部Fe及び不可避の不純物からなり、表層部に脱Cr層を有し、該脱Cr層中に、20面積%以上のAl2O3が分散していることを特徴とする。
脱Cr層は、表面から厚さ100μm以下であることが好ましい。なお、脱Cr層とは、Cr酸化物の形成に伴い表層部に形成されるCr含有量の少ない領域を意味する。
【0008】
上記の加熱炉用部材は W:0.5〜5%、Nb:0.5〜2%、Mo:0.5〜5%、Ti:0.01〜0.5%及びZr:0.01〜0.5%からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含有することができる。
【0009】
【作用】
本発明の加熱炉用部材は、表層部に面積率で20%以上のAl2O3が分散しているから、このAl2O3がC侵入のバリヤーとなって、部材の浸炭が防止され、耐浸炭性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明の加熱炉用部材の望ましい合金組成として、重量%にて、C:0.1〜0.6%、Si:3.0%以下、Mn:3.0%以下、Cr:20〜40%、Ni:20〜65%、Al:1.5〜4%を含有し、必要に応じて、W:0.5〜5%、Nb:0.5〜2%、Mo:0.5〜5%、Ti:0.01〜0.5%及びZr:0.01〜0.5%からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含有し、残部Fe及び不可避の不純物からなるものを挙げることができる。
【0011】
上記組成を有する本発明の加熱炉用部材は、表層部に脱Cr層を有しており、該脱Cr層中にAl2O3が分散している。
部材の表層部における脱Cr層の形成とAl2O3の分散は次の要領にて行なうことができる。
【0012】
部材を真空加熱炉の中へ装入し、炉内を10−2〜50Torr(1.33Pa〜6650Pa)の真空状態にして、次に、炉内温度を900〜1100℃まで昇温し、その範囲内の温度で1〜30時間保持した後、加熱炉から取り出す。
10−2〜50Torr(1.33Pa〜6650Pa)の真空状態でも加熱炉内には微量の酸素が存在しているため、金属酸化物は形成される。ところで、このような酸素含有量が少ない条件下では、酸化物生成自由エネルギーが高い金属の酸化物は形成され難いため、酸化物生成自由エネルギーが低い金属の酸化物が優先的に形成される。
図1は、Cr、Mn、Si及びAlについて、酸化物生成のための標準自由エネルギーと温度との関係を示している。Crは酸化物生成エネルギーが高いため、大気雰囲気のような酸素分圧が高い条件下ではCr酸化物は形成され易いが、酸化物が少なく酸素分圧が低い条件下では、Cr酸化物は表面全体をカバーできる程形成されない。一方、Alは酸化物生成エネルギーが低いため、酸素分圧が低い条件下においてAl酸化物が形成される。
【0013】
前述のように酸素含有量が微量の条件下では、酸化物が形成され易い元素はAl、Si、Mn及びCrという順序になるが、Crについては、Mn、Si、Alと比べて含有量がはるかに多いため、少量ではあるがCr酸化物の生成が起こる。このCr酸化物の形成により、表層部の約100μm以下の領域には、Cr含有量の少ない脱Cr層を生じる。この脱Cr層の領域は、酸素分圧がさらに低くなっている。ところで、Mn及びSiの酸化物生成の自由エネルギーはCrよりも小さいが、含有量が少ないため、これらの酸化物は形成されない。しかし、Alの酸化物生成自由エネルギーは、Mn、Siよりも遙かに小さいため、脱Cr層中にて微量の酸素と反応してAl酸化物(Al2O3)を形成する。このAl2O3は、脱Cr層中に分散して存在する。
【0014】
脱Cr層に形成されるAl2O3は、Cの進入を防止するバリヤーとして機能するが、その面積率が少ないとバリヤーとしての効果が不十分となり、Cが内部に進入し、浸炭が起こる。
それゆえ、Al2O3の面積率は20%以上であることを要し、25%以上が好ましい。
【0015】
本発明の加熱炉用部材として、真空浸炭炉用ラジアントチューブ、真空浸炭炉で使用されるトレイ等の炉内部材の他にも、鉄鋼用ハースロール、石油化学用分解管、水素製造用反応管、ごみ焼却炉用空気加熱管等を例示することができる。
【0016】
次に、合金組成の成分限定理由を説明する。
C:0.1〜0.6%
Cはオーステナイト相の安定化、高温クリープ破断強度の向上及び溶接性の向上に寄与する。その効果は0.1%以上から認められ、増量と共に効果を増すが、0.6%を超えると室温引張延性の低下が大きくなるため、上限を0.6%とする。
【0017】
Si:3.0%以下
Siは鋳造時に溶鋼の流動性を改善する。真空浸炭のような酸素不存在下では酸化物皮膜を生成しないが、通常のガス浸炭では、雰囲気中の酸素と結合してSiO2の酸化物皮膜を形成して耐浸炭性を向上させる。一方、Siの含有量が多くなると室温引張延性が低下するので、含有量は3.0%以下とし、0.7〜1.3%が好ましい。
【0018】
Mn:3.0%以下
Mnは溶製時に脱酸効果と共に、溶鋼中のSを固定して溶接性を向上させる効果を有する。真空浸炭のような酸素不存在下では酸化物皮膜を生成しないが、通常のガス浸炭では、雰囲気中の酸素と結合してMnOの酸化物皮膜を形成して耐浸炭性を向上させる。このため、3.0%を上限として含有させるものとし、0.7〜1.3%が好ましい。
【0019】
Cr:20〜40%
1100℃までの高温強度と耐酸化性を確保するために、Crは20%以上含有させる必要がある。また、Crは、真空浸炭のような酸素不存在下では酸化物皮膜を生成しないが、通常のガス浸炭では、雰囲気中の酸素と結合してCr2O3の酸化物皮膜を形成して耐浸炭性を向上させる。しかし、40%を超えるとCとの結合によって室温引張延性の低下が著しくなる。このため、含有量は20〜40%とし、23〜30%が好ましい。
【0020】
Ni:20〜65%
Niはオーステナイト相を安定化させ、耐酸化性及び高温強度を確保するために、20〜65%含有させる。なお、30〜45%が好ましい。
【0021】
Al:1.5〜4%
Alは耐酸化性を向上させる共に、酸化物であるAl2O3が表面に分散して存在することにより、Al2O3がバリヤーとなって耐浸炭性の向上に寄与する。しかし、含有量があまり多くなると、Ni3Al等の金属間化合物を形成して脆化が著しくなり、室温引張伸びの低下が著しくなる。このため、含有量は1.5〜4%とし、2.5〜3.6%が好ましい。
【0022】
W:0.5〜5%
Wは高温のクリープ破断強度を向上させるために、添加することが好ましい。0.5%の含有で効果が認められるが、5%を超えるとC−W炭化物を形成して室温の引張延性が低下する。このため、含有量は0.5〜5%とし、1.5〜3%がより好ましい。
【0023】
Nb:0.5〜2%
Nbは高温のクリープ破断強度を向上させるために、添加することが好ましい。0.5%の含有で効果が認められるが、2%を超えると室温の引張延性が低下する。
【0024】
Mo:0.5〜5%
Moは高温のクリープ破断強度を向上させるために、添加することが好ましい。0.5%の含有で効果が認められるが、5%を超えるとC−Mo炭化物を形成して室温の引張延性が低下する。このため、含有量は0.5〜5%とし、1〜3%がより好ましい。
【0025】
Ti:0.01〜0.5%
Ti高温のクリープ破断強度を向上させるために、添加することが好ましい。0.01%の含有で効果が認められるが、0.5%を超えると室温の引張延性の低下を招く。このため、含有量は0.01〜0.5%とし、0.1〜0.3%がより好ましい。
【0026】
Zr:0.01〜0.5%
Zrは高温のクリープ破断強度を向上させるために、添加することが好ましい。0.01%の含有で効果が認められるが、0.5%を超えると室温の引張延性の低下を招く。このため、含有量は0.01〜0.5%とし、0.15〜0.35%がより好ましい。
【0027】
本発明の加熱炉用部材を構成する上記合金は、上記成分を含有し、残部は実質的にFeである。なお、実質的とは、P、S等、合金の溶製上不可避的に含まれる不純物元素の含有は許容されることを意味する。
【0028】
【実施例】
供試材として、高周波誘導溶解炉で種々成分の合金を溶製し、遠心鋳造にて鋳塊(外径137mm×内径117mm×長さ270mm)を製造した。各供試材の合金化学成分を表1に示す。表1において、No.1〜No.9は発明例、No.11〜No.15は比較例である。
各供試材から切り出した試験片について、浸炭試験、室温引張伸び試験及び高温クリープ破断試験を行なった。
【0029】
[真空浸炭試験]
各供試材から板状試験片(20mm×30mm×厚さ5mm)を作製した。表面は機械加工後♯600のペーパで研磨仕上げを施した。なお、各試験片の厚さ方向には、炉内で吊し棒を通すための貫通孔(孔径約5mm)を開設する。
発明例No.1〜No.9の試験片については、浸炭試験前に、真空熱処理炉の中に装入し、炉内で試験片を吊して20Torr(2660Pa)の真空状態にした後、炉内温度を1000℃まで昇温し、その温度で24時間保持した後、加熱炉から取り出す。
【0030】
No.6の試験片の一部を切断し、表層部近傍の金属組織(×2000)の顕微鏡写真を図2に示す。試験片の表層部に白っぽく見える領域が脱Cr層であり、図2での脱Cr層の深さは約28μmである。なお、脱Cr層中に黒く見える分散物がAl2O3である。
【0031】
次に、No.1〜No.9及びNo.11〜No.15の試験片の浸炭試験を行ない、試験後の試験片の浸炭による重量増加量を測定することにより、試験片の耐浸炭性を判定した。このため、浸炭試験前に各試験片の重量測定を行なうが、No.1〜No.9については、表面をブラシでこすり取り、超音波洗浄を行なった後、重量測定した。
浸炭試験では、発明例及び比較例の試験片を真空熱処理炉の中に吊して、20Torrになるまで真空引きを行なう。この真空状態で1050℃まで昇温し、この温度でN2(50vol%)とCH4(50vol%)の混合ガスを80時間供給した後、炉内雰囲気をN2ガスに置換して冷却した。
浸炭処理後、各試験片は、表面をブラシでこすり取り、超音波洗浄した後、重量測定した。試験後の1mm2あたりの重量増加量を計算し、その値を表1に示す。
また、各試験片を切断し、Al酸化物(Al2O3)の面積率を測定し、その結果を表1に記している。
【0032】
[室温引張伸び試験]
各供試材から所定の試験片を作製し、室温にて引張試験を行ない、伸び(%)を調べた。試験片は、平行部が6mm、標点間距離(ゲージ長さ)が25mmのものを用いた。試験結果を表1に示す。
【0033】
[高温クリープ破断試験]
JISG2272の規定に準拠してクリープ破断時間(Hr)を求めた。試験片は平行部直径が5mm、試験温度は1100℃、引張応力は14.7MPaである。試験結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
表1を参照すると、真空浸炭試験後の重量増加量に関しては、発明例であるNo.1〜No.9は、比較例No.11〜No.14と比べて重量増加がはるかに少なく、耐浸炭性にすぐれることを示している。これは、所定量のAl2O3が表層部の脱Cr層中に分散存在することにより、Cの進入を防止するバリヤーとして機能しているものと考えられる。なお、比較例No.15はAl含有量が多いため、浸炭試験後の重量増加量は少なく耐浸炭性にはすぐれるが、室温引張伸びが非常に小さく(0.5%)、実用に供することができない。
【0036】
高温クリープ破断試験については、発明例No.1〜No.9中、W、Nb、Mo、Ti又はZrの少なくとも一種を含む試験片は、これらの元素を含まないNo.6と比べて、高温クリープ強度の向上が認められる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の部材は、高真空状態での耐浸炭性にすぐれるから、真空浸炭炉用ラジアントチューブ、真空浸炭炉で使用されるトレイ等の炉内部材として特に有用である。また、その他にも、鉄鋼用ハースロール、石油化学用分解管、水素製造用反応管、ごみ焼却炉用空気加熱管等として適用することもできる。
【0038】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cr、Mn、Si及びAlについて、酸化物生成の標準自由エネルギーと温度との関係を示すグラフである。
【図2】脱Cr層とAl酸化物が形成された試験片No.1の金属組織を示す図面代用顕微鏡写真である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業用熱処理炉等の浸炭環境で使用される加熱炉用部材、特に真空浸炭炉用ラジアントチューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工業用浸炭熱処理炉の加熱手段としてラジアントチューブが用いられている。
このラジアントチューブ材として、HK40(0.4C−25Cr−20Ni−Fe)、HP(0.4C−25Cr−35Ni−Fe)、48Ni鋼(0.4C−25Cr−48Ni−5W−Fe)、HP改良合金(0.4C−25Cr−35Ni−1Nb又は1.5W又は1.5Mo−Fe)などが使用されている。これらの合金は、強い浸炭性雰囲気で使用される場合、耐浸炭性を確保するために、Mn、Siを多く含んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
工業用浸炭熱処理炉でガス浸炭処理を行なう場合、一般的に、雰囲気ガスとしてRXガス(変性炉ガス)にLPGを混合したものが使用され、高温において、CO、プロパン、メタン、エタン等の分解によって生成したCが被処理物の表面へ付着し、内部へ拡散することにより被処理品は浸炭される。
【0004】
このCは、加熱手段であるラジアントチューブの表面にも同様に付着し、ラジアントチューブに浸炭が起こると、チューブ材質の劣化を招く不都合がある。しかしながら、ラジアントチューブの場合、材料に含まれるCr、Mn、Siが炉内雰囲気中に存在する酸素と反応して表面に酸化物皮膜が形成され、この酸化物皮膜の存在によって、Cの材料内部への拡散は防止されるため、浸炭が起こり難く、長期に亘る寿命を享受することができる。
【0005】
ところで、1980年頃から真空浸炭処理が行われ、浸炭処理時間の短縮による省エネルギーの実現と共に、高品質の浸炭処理品が得られるようになった。しかし、この真空浸炭処理は、約50Torr以下の高真空状態で行われるため、雰囲気中に酸素は殆んど存在しない。このため、ラジアントチューブの表面に、浸炭を防止する酸化物(Cr、Mn、Siとの酸化物)は殆んど形成されず、ラジアントチューブの表面に浸炭が起こり、材質が劣化し、寿命の低下を招く不都合があった。
真空浸炭処理におけるこの問題は、ラジアントチューブに限らず、加熱炉内で用いられるトレイその他の部材についても同様である。
【0006】
本発明の目的は、加熱炉内で用いられるラジアントチューブその他の部材について、高真空状態での浸炭処理における耐浸炭性を向上させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の加熱炉用部材は、C:0.1〜0.6%(重量%、以下同じ)、Si:3.0%以下、Mn:3.0%以下、Cr:20〜40%、Ni:20〜65%、Al:1.5〜4%、残部Fe及び不可避の不純物からなり、表層部に脱Cr層を有し、該脱Cr層中に、20面積%以上のAl2O3が分散していることを特徴とする。
脱Cr層は、表面から厚さ100μm以下であることが好ましい。なお、脱Cr層とは、Cr酸化物の形成に伴い表層部に形成されるCr含有量の少ない領域を意味する。
【0008】
上記の加熱炉用部材は W:0.5〜5%、Nb:0.5〜2%、Mo:0.5〜5%、Ti:0.01〜0.5%及びZr:0.01〜0.5%からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含有することができる。
【0009】
【作用】
本発明の加熱炉用部材は、表層部に面積率で20%以上のAl2O3が分散しているから、このAl2O3がC侵入のバリヤーとなって、部材の浸炭が防止され、耐浸炭性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明の加熱炉用部材の望ましい合金組成として、重量%にて、C:0.1〜0.6%、Si:3.0%以下、Mn:3.0%以下、Cr:20〜40%、Ni:20〜65%、Al:1.5〜4%を含有し、必要に応じて、W:0.5〜5%、Nb:0.5〜2%、Mo:0.5〜5%、Ti:0.01〜0.5%及びZr:0.01〜0.5%からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含有し、残部Fe及び不可避の不純物からなるものを挙げることができる。
【0011】
上記組成を有する本発明の加熱炉用部材は、表層部に脱Cr層を有しており、該脱Cr層中にAl2O3が分散している。
部材の表層部における脱Cr層の形成とAl2O3の分散は次の要領にて行なうことができる。
【0012】
部材を真空加熱炉の中へ装入し、炉内を10−2〜50Torr(1.33Pa〜6650Pa)の真空状態にして、次に、炉内温度を900〜1100℃まで昇温し、その範囲内の温度で1〜30時間保持した後、加熱炉から取り出す。
10−2〜50Torr(1.33Pa〜6650Pa)の真空状態でも加熱炉内には微量の酸素が存在しているため、金属酸化物は形成される。ところで、このような酸素含有量が少ない条件下では、酸化物生成自由エネルギーが高い金属の酸化物は形成され難いため、酸化物生成自由エネルギーが低い金属の酸化物が優先的に形成される。
図1は、Cr、Mn、Si及びAlについて、酸化物生成のための標準自由エネルギーと温度との関係を示している。Crは酸化物生成エネルギーが高いため、大気雰囲気のような酸素分圧が高い条件下ではCr酸化物は形成され易いが、酸化物が少なく酸素分圧が低い条件下では、Cr酸化物は表面全体をカバーできる程形成されない。一方、Alは酸化物生成エネルギーが低いため、酸素分圧が低い条件下においてAl酸化物が形成される。
【0013】
前述のように酸素含有量が微量の条件下では、酸化物が形成され易い元素はAl、Si、Mn及びCrという順序になるが、Crについては、Mn、Si、Alと比べて含有量がはるかに多いため、少量ではあるがCr酸化物の生成が起こる。このCr酸化物の形成により、表層部の約100μm以下の領域には、Cr含有量の少ない脱Cr層を生じる。この脱Cr層の領域は、酸素分圧がさらに低くなっている。ところで、Mn及びSiの酸化物生成の自由エネルギーはCrよりも小さいが、含有量が少ないため、これらの酸化物は形成されない。しかし、Alの酸化物生成自由エネルギーは、Mn、Siよりも遙かに小さいため、脱Cr層中にて微量の酸素と反応してAl酸化物(Al2O3)を形成する。このAl2O3は、脱Cr層中に分散して存在する。
【0014】
脱Cr層に形成されるAl2O3は、Cの進入を防止するバリヤーとして機能するが、その面積率が少ないとバリヤーとしての効果が不十分となり、Cが内部に進入し、浸炭が起こる。
それゆえ、Al2O3の面積率は20%以上であることを要し、25%以上が好ましい。
【0015】
本発明の加熱炉用部材として、真空浸炭炉用ラジアントチューブ、真空浸炭炉で使用されるトレイ等の炉内部材の他にも、鉄鋼用ハースロール、石油化学用分解管、水素製造用反応管、ごみ焼却炉用空気加熱管等を例示することができる。
【0016】
次に、合金組成の成分限定理由を説明する。
C:0.1〜0.6%
Cはオーステナイト相の安定化、高温クリープ破断強度の向上及び溶接性の向上に寄与する。その効果は0.1%以上から認められ、増量と共に効果を増すが、0.6%を超えると室温引張延性の低下が大きくなるため、上限を0.6%とする。
【0017】
Si:3.0%以下
Siは鋳造時に溶鋼の流動性を改善する。真空浸炭のような酸素不存在下では酸化物皮膜を生成しないが、通常のガス浸炭では、雰囲気中の酸素と結合してSiO2の酸化物皮膜を形成して耐浸炭性を向上させる。一方、Siの含有量が多くなると室温引張延性が低下するので、含有量は3.0%以下とし、0.7〜1.3%が好ましい。
【0018】
Mn:3.0%以下
Mnは溶製時に脱酸効果と共に、溶鋼中のSを固定して溶接性を向上させる効果を有する。真空浸炭のような酸素不存在下では酸化物皮膜を生成しないが、通常のガス浸炭では、雰囲気中の酸素と結合してMnOの酸化物皮膜を形成して耐浸炭性を向上させる。このため、3.0%を上限として含有させるものとし、0.7〜1.3%が好ましい。
【0019】
Cr:20〜40%
1100℃までの高温強度と耐酸化性を確保するために、Crは20%以上含有させる必要がある。また、Crは、真空浸炭のような酸素不存在下では酸化物皮膜を生成しないが、通常のガス浸炭では、雰囲気中の酸素と結合してCr2O3の酸化物皮膜を形成して耐浸炭性を向上させる。しかし、40%を超えるとCとの結合によって室温引張延性の低下が著しくなる。このため、含有量は20〜40%とし、23〜30%が好ましい。
【0020】
Ni:20〜65%
Niはオーステナイト相を安定化させ、耐酸化性及び高温強度を確保するために、20〜65%含有させる。なお、30〜45%が好ましい。
【0021】
Al:1.5〜4%
Alは耐酸化性を向上させる共に、酸化物であるAl2O3が表面に分散して存在することにより、Al2O3がバリヤーとなって耐浸炭性の向上に寄与する。しかし、含有量があまり多くなると、Ni3Al等の金属間化合物を形成して脆化が著しくなり、室温引張伸びの低下が著しくなる。このため、含有量は1.5〜4%とし、2.5〜3.6%が好ましい。
【0022】
W:0.5〜5%
Wは高温のクリープ破断強度を向上させるために、添加することが好ましい。0.5%の含有で効果が認められるが、5%を超えるとC−W炭化物を形成して室温の引張延性が低下する。このため、含有量は0.5〜5%とし、1.5〜3%がより好ましい。
【0023】
Nb:0.5〜2%
Nbは高温のクリープ破断強度を向上させるために、添加することが好ましい。0.5%の含有で効果が認められるが、2%を超えると室温の引張延性が低下する。
【0024】
Mo:0.5〜5%
Moは高温のクリープ破断強度を向上させるために、添加することが好ましい。0.5%の含有で効果が認められるが、5%を超えるとC−Mo炭化物を形成して室温の引張延性が低下する。このため、含有量は0.5〜5%とし、1〜3%がより好ましい。
【0025】
Ti:0.01〜0.5%
Ti高温のクリープ破断強度を向上させるために、添加することが好ましい。0.01%の含有で効果が認められるが、0.5%を超えると室温の引張延性の低下を招く。このため、含有量は0.01〜0.5%とし、0.1〜0.3%がより好ましい。
【0026】
Zr:0.01〜0.5%
Zrは高温のクリープ破断強度を向上させるために、添加することが好ましい。0.01%の含有で効果が認められるが、0.5%を超えると室温の引張延性の低下を招く。このため、含有量は0.01〜0.5%とし、0.15〜0.35%がより好ましい。
【0027】
本発明の加熱炉用部材を構成する上記合金は、上記成分を含有し、残部は実質的にFeである。なお、実質的とは、P、S等、合金の溶製上不可避的に含まれる不純物元素の含有は許容されることを意味する。
【0028】
【実施例】
供試材として、高周波誘導溶解炉で種々成分の合金を溶製し、遠心鋳造にて鋳塊(外径137mm×内径117mm×長さ270mm)を製造した。各供試材の合金化学成分を表1に示す。表1において、No.1〜No.9は発明例、No.11〜No.15は比較例である。
各供試材から切り出した試験片について、浸炭試験、室温引張伸び試験及び高温クリープ破断試験を行なった。
【0029】
[真空浸炭試験]
各供試材から板状試験片(20mm×30mm×厚さ5mm)を作製した。表面は機械加工後♯600のペーパで研磨仕上げを施した。なお、各試験片の厚さ方向には、炉内で吊し棒を通すための貫通孔(孔径約5mm)を開設する。
発明例No.1〜No.9の試験片については、浸炭試験前に、真空熱処理炉の中に装入し、炉内で試験片を吊して20Torr(2660Pa)の真空状態にした後、炉内温度を1000℃まで昇温し、その温度で24時間保持した後、加熱炉から取り出す。
【0030】
No.6の試験片の一部を切断し、表層部近傍の金属組織(×2000)の顕微鏡写真を図2に示す。試験片の表層部に白っぽく見える領域が脱Cr層であり、図2での脱Cr層の深さは約28μmである。なお、脱Cr層中に黒く見える分散物がAl2O3である。
【0031】
次に、No.1〜No.9及びNo.11〜No.15の試験片の浸炭試験を行ない、試験後の試験片の浸炭による重量増加量を測定することにより、試験片の耐浸炭性を判定した。このため、浸炭試験前に各試験片の重量測定を行なうが、No.1〜No.9については、表面をブラシでこすり取り、超音波洗浄を行なった後、重量測定した。
浸炭試験では、発明例及び比較例の試験片を真空熱処理炉の中に吊して、20Torrになるまで真空引きを行なう。この真空状態で1050℃まで昇温し、この温度でN2(50vol%)とCH4(50vol%)の混合ガスを80時間供給した後、炉内雰囲気をN2ガスに置換して冷却した。
浸炭処理後、各試験片は、表面をブラシでこすり取り、超音波洗浄した後、重量測定した。試験後の1mm2あたりの重量増加量を計算し、その値を表1に示す。
また、各試験片を切断し、Al酸化物(Al2O3)の面積率を測定し、その結果を表1に記している。
【0032】
[室温引張伸び試験]
各供試材から所定の試験片を作製し、室温にて引張試験を行ない、伸び(%)を調べた。試験片は、平行部が6mm、標点間距離(ゲージ長さ)が25mmのものを用いた。試験結果を表1に示す。
【0033】
[高温クリープ破断試験]
JISG2272の規定に準拠してクリープ破断時間(Hr)を求めた。試験片は平行部直径が5mm、試験温度は1100℃、引張応力は14.7MPaである。試験結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
表1を参照すると、真空浸炭試験後の重量増加量に関しては、発明例であるNo.1〜No.9は、比較例No.11〜No.14と比べて重量増加がはるかに少なく、耐浸炭性にすぐれることを示している。これは、所定量のAl2O3が表層部の脱Cr層中に分散存在することにより、Cの進入を防止するバリヤーとして機能しているものと考えられる。なお、比較例No.15はAl含有量が多いため、浸炭試験後の重量増加量は少なく耐浸炭性にはすぐれるが、室温引張伸びが非常に小さく(0.5%)、実用に供することができない。
【0036】
高温クリープ破断試験については、発明例No.1〜No.9中、W、Nb、Mo、Ti又はZrの少なくとも一種を含む試験片は、これらの元素を含まないNo.6と比べて、高温クリープ強度の向上が認められる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の部材は、高真空状態での耐浸炭性にすぐれるから、真空浸炭炉用ラジアントチューブ、真空浸炭炉で使用されるトレイ等の炉内部材として特に有用である。また、その他にも、鉄鋼用ハースロール、石油化学用分解管、水素製造用反応管、ごみ焼却炉用空気加熱管等として適用することもできる。
【0038】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cr、Mn、Si及びAlについて、酸化物生成の標準自由エネルギーと温度との関係を示すグラフである。
【図2】脱Cr層とAl酸化物が形成された試験片No.1の金属組織を示す図面代用顕微鏡写真である。
Claims (4)
- 加熱炉内で用いられる部材であって、C:0.1〜0.6%(重量%、以下同じ)、Si:3.0%以下、Mn:3.0%以下、Cr:20〜40%、Ni:20〜65%、Al:1.5〜4%、残部Fe及び不可避の不純物からなり、表層部に脱Cr層を有し、該脱Cr層中に、20面積%以上のAl2O3が分散していることを特徴とする耐浸炭性にすぐれる加熱炉用部材。
- W:0.5〜5%、Nb:0.5〜2%、Mo:0.5〜5%、Ti:0.01〜0.5%及びZr:0.01〜0.5%からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含有する請求項1に記載の加熱炉用部材。
- 脱Cr層は厚さ100μm以下である請求項1又は請求項2に記載の加熱炉用部材。
- 加熱炉用部材は、真空浸炭炉用ラジアントチューブである請求項1乃至請求項3の何れかに記載の加熱炉用部材。
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