JP2019210516A - 耐酸化性にすぐれる鉄鋼製品 - Google Patents

耐酸化性にすぐれる鉄鋼製品 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、耐酸化性にすぐれる鉄鋼製品を提供する。【解決手段】本発明は、耐酸化性にすぐれる鉄鋼製品であって、遠心力鋳造により製造された遠心力鋳造部を、静置鋳造により形成された静置鋳造部に溶接により装着して構成されるものであり、前記遠心力鋳造部は、質量%にて、C:0.2%〜0.7%、Si:0%を超えて2.0%以下、Mn:0%を超えて3.0%以下、Cr:15.0%〜40.0%、Ni:18.0%〜55.0%、Al:1.0%〜5.5%、及び、Ti:0.01%〜0.6%、及び、Nb:0.1%〜1.8%からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、前記静置鋳造部は、質量%にて、Si:0%を超えて1.0%以下、Mn:0%を超えて1.0%以下、及び、Al:0.01%〜0.5%を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、遠心力鋳造部と静置鋳造部が溶接接合されたハースロール、キルン炉、ラジアントチューブなどの鉄鋼製品に関するものである。
鋼板帯を連続的に熱処理する焼鈍炉内で鋼板帯を搬送するハースロールや、円筒状の炉心管の内側に投入された被処理物を外部から加熱する外熱式ロータリーキルンに用いられるキルン炉、工業用熱処理炉等の高温環境下で使用される加熱炉用部材、特にラジアントチューブなどの鉄鋼製品が製鉄所等で採用されている。
これら鉄鋼製品は、大気中の高温環境下で使用されるため、母材中の金属が酸化されてしまい、表面にCr(Fe、Niを含む)を主体とするCr酸化物が形成される。Cr酸化物は、温度変化や被処理物との接触により剥離し易く、その剥離により鋼材が傷付けられたり、被処理物に異物が混入したりすることがある。そして、Cr酸化物の剥離や、これを抑えるためにCr酸化物除去のための研磨等を行なうことで、鉄鋼製品自体の減肉が早くなってしまうことがある。
そこで、ハースロールの外周を構成するスリーブにCoCrAlY合金などを溶射した溶射層を形成した製品も提案されている(たとえば特許文献1参照)。
一方で、ハースロールは、アクスルと筒状のスリーブを接合し、軸部を介して回転可能に構成される。また、たとえば特許文献2では、直管部となる部分を遠心力鋳造し、曲管部を静置鋳造により作製し、互いに溶接したラジアントチューブを開示している。
特開2008−240072号公報 国際公開第WO2012/133539号公報
しかしながら、スリーブに溶射層を形成した構成であっても、溶射層も酸化するから、溶射層に形成された酸化物皮膜が剥離し、耐酸化性が低下すると共に、剥離した酸化物皮膜により鋼材が傷付いてしまう虞がある。また、溶射層中に添加されているAl量(約10質量%)が多いため、溶射層の引張延性などの機械的性質が低下し、さらには、溶接性が低下する虞がある。
そこで、スリーブ自体にAlを添加し、スリーブ外周に直接Al酸化物層を形成させやすくすることで、耐酸化性を高めることが望まれる。
しかしながら、スリーブにAlを添加した場合、Alによりスリーブの溶接性の低下が懸念されていた。
本発明の目的は、すぐれた耐酸化性を有し、溶接性にもすぐれる鉄鋼製品を提供することである。
本発明に係る鉄鋼製品は、
耐酸化性にすぐれる鉄鋼製品であって、
遠心力鋳造により製造された遠心力鋳造部を、静置鋳造により形成された静置鋳造部に溶接により装着して構成されるものであり、
前記遠心力鋳造部は、質量%にて、
C:0.2%〜0.7%、
Si:0%を超えて2.0%以下、
Mn:0%を超えて3.0%以下、
Cr:15.0%〜40.0%、
Ni:18.0%〜55.0%、
Al:1.0%〜5.5%、及び、
Ti:0.01%〜0.6%、及び、Nb:0.1%〜1.8%からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、
残部Fe及び不可避的不純物からなり、
前記静置鋳造部は、質量%にて、
Si:0%を超えて1.0%以下、
Mn:0%を超えて1.0%以下、及び、
Al:0.01%〜0.5%を含有する。
前記遠心力鋳造部は、質量%にて、
希土類元素(REM):0%を超えて0.4%を含有することができる。
前記遠心力鋳造部は、質量%にて、
W:0%を超えて5.0%以下、及び、Mo:0%を超えて2.0%以下からなる群より選択される少なくとも1種を含有することができる。
前記遠心力鋳造部は、
Pa=−11.1+28.1×C+29.2×Si−0.25×Ni−45.6×Ti+18.0×REM−16.6×Nb
Ya=−13.75×Al+63.75
としたときに、
Pa<Ya
であることが望ましい。
前記静置鋳造部は、質量%にて、
Cr:24.0%〜50.0%を含有することが望ましい。
前記遠心力鋳造部は、鋼材と接触する表面に形成することができる。
前記遠心力鋳造部の表面には、セラミック溶射層を有することができる。
前記鉄鋼製品は、ハースロール、キルン炉、又はラジアントチューブとすることができる。
本発明によれば、鉄鋼製品に形成される遠心力鋳造部を上記組成とすることで、CrよりもAlが優先してAl酸化物を形成し、Cr酸化物の形成を抑制することができ、Cr酸化物の剥離等の問題を抑制できる。また、Alの添加量は1.0%〜5.5%と低いため、機械的性質の低下を抑えることができ、溶接性も確保することができる。
また、本発明によれば、静置鋳造部は、Alを上記範囲で含有することにより、溶湯中で酸化物或いは窒化物が生成され、溶湯中の酸素含有量や窒素含有量が低下する。これにより、静置鋳造部の健全性を向上させることができると共に、耐熱性や耐酸化性を高めることができる。一方で、静置鋳造部にAlを含有することで、割れ感受性が高まり、溶接性が低下する傾向にあるが、Alを上記濃度範囲にすると共に、Si及びMnを1.0%以下とすることにより、割れ感受性の抑制及び溶接性の低下を抑えることができる。
本発明では、遠心力鋳造部と静置鋳造部にそれぞれAlを含有しつつも、溶接性を確保できるから、遠心力鋳造部を静置鋳造部に直接溶接した機械的接合強度にすぐれる鉄鋼製品を得ることができる。
遠心力鋳造部と静置鋳造部は、上記のとおりそれぞれAlを含有しているから、表面にAl酸化物が形成されやすく、すぐれた耐酸化性を確保できる。とくに、本発明によれば、遠心力鋳造部と静置鋳造部は、溶接部とその熱影響部に、溶接熱により酸化皮膜が形成される。そして、この酸化皮膜を起点として使用状態において遠心力鋳造部及び/又は静置鋳造部に酸化が進行し、鉄鋼製品の表面に好適にAl酸化物が形成され、良好な耐酸化性を具備できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る鉄鋼製品(ハースロール)の断面図である。 図2は、Pa値を縦軸、Alの含有量を横軸とし、供試遠心力鋳造部を溶接性に基づいて回帰分析した結果を示すグラフである。 図3は、A法(フィラーメタル(溶接棒):無)及びB法(フィラーメタル:有)によるビードの判定基準を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、特に明記しない限り、「%」は質量%を意味する。
本発明の鉄鋼製品は、大気中の高温環境下で鋼片や鋼板などの鋼材と直接接触して使用されるハースロールや、円筒状の炉心管の内側に投入された被処理物を外部から加熱する外熱式ロータリーキルンに用いられるキルン炉、工業用熱処理炉等の高温環境で使用される加熱炉用部材、特にラジアントチューブの如き製品への適用が好適である。本発明の鉄鋼製品10は、図1に示すように、遠心力鋳造により製造される筒状の遠心力鋳造部20と、静置鋳造により製造される半球状の静置鋳造部30を開先加工後に溶接することで溶接部40により一体に接合して形成することができる。鉄鋼製品10がハースロールの場合、遠心力鋳造部20はスリーブ、静置鋳造部30はアクスルである。
遠心力鋳造部は、
C:0.2%〜0.7%、
Si:0%を超えて2.0%以下、
Mn:0%を超えて3.0%以下、
Cr:15.0%〜40.0%、
Ni:18.0%〜55.0%、
Al:1.0%〜5.5%、及び、
Ti:0.01%〜0.6%、及び、Nb:0.1%〜1.8%からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、
残部Fe及び不可避的不純物から構成することができる。
遠心力鋳造部の成分限定理由は以下の通りである。
C:0.2%〜0.7%
Cは、鋳造性を良好にし、高温クリープ破断強度を高める作用がある。また、Ti、Nb、Cr等と結合して炭化物を形成し、高温強度を高める効果がある。このため、少なくとも0.2%を含有させる。しかし、含有量があまり多くなると、Crの一次炭化物が幅広く形成され易くなり、遠心力鋳造部の表面へのAlの転移が阻害され、Alの供給不足が生じて、Alの如きAl酸化物の形成が抑えられる。また、二次炭化物が過剰に析出するため、延性、靱性の低下を招く。このため、上限は0.7%とする。なお、Cの含有量は0.35%〜0.6%がより望ましい。
Si:0%を超えて2.0%以下
Siは、溶湯合金の脱酸剤として、また溶湯合金の流動性を高め、耐酸化性を向上させるために含有させる。しかしながら、過度のSiの添加は、延性の低下、高温クリープ破断強度の低下、鋳造後の表面品質の悪化、溶接性の低下を招く。このため、Siの含有量は、上限を2.0%とする。なお、Siの含有量は1.5%以下が望ましく、1.0%以下がより望ましい。
Mn:0%を超えて3.0%以下
Mnは、溶湯合金の脱酸剤となり、また、溶湯中のSを固定させて、溶接性を向上させると共に、延性を向上させるために含有させる。しかしながら、過度のMnの添加は、高温クリープ破断強度の低下を招き、耐酸化性を低下させるため、上限を3.0%とする。なお、Mnの含有量は1.0%以下がより望ましい。
Cr:15.0%〜40.0%
Crは、高温強度及び繰返し耐酸化性の向上に寄与する。また、Crは、Ni、Feと共に1000℃を超えるような高温域ですぐれた耐熱性を発揮すると共に、C、Nと一次炭化物を生成し、高温クリープ破断強度を向上させる。そして、Alと共に酸化物層を形成し、耐酸化性、耐食性にすぐれた特性を遠心力鋳造部にもたらす。従って、少なくとも15.0%以上含有させる。一方で、Cr炭化物やCr窒化物の過剰な生成は延性低下を招くため、含有量の上限は40.0%とする。なお、Crの含有量は22.0%〜35.0%がより望ましい。
Ni:18.0%〜55.0%
Niは、繰返し耐酸化性及び金属組織の安定性の確保、高温クリープ強度の確保、及び、遠心力鋳造部のオーステナイト化の安定化に必要な元素である。また、Crと共に、高温強度、耐酸化性の向上に寄与する。さらに、Niの含有量が少ないと、Feの含有量が相対的に多くなり、Al酸化物の生成を阻害する。このため、少なくとも18.0%以上含有させる。一方、過度にNiを添加しても、その効果は飽和し、また、経済的にも不利であるため、その上限を55.0%とする。なお、Niの含有量は29.0%〜46.0%がより望ましい。
Al:1.0%〜5.5%
Alは、遠心力鋳造部にAl酸化物を形成するために必要不可欠な元素である。Al酸化物の形成により、Cr酸化物と共に、遠心力鋳造部の耐酸化性、耐浸炭性を向上させる。また、AlはNiと共にγ’相を形成し、遠心力鋳造部のオーステナイト相を強化する。このため、Alは1.5%以上含有させる。しかし、Alの過度の添加は、延性の低下を招き、また、γ’相が不安定となり、脆化相の生成を招く。さらに、Alの過度の添加は、鋳造性の悪化を招き、遠心力鋳造部の清浄度を低下させる。従って、その上限を5.5%とする。なお、Alの含有量は2.0%〜4.5%がより望ましい。
Ti:0.01%〜0.6%、及び、Nb:0.1%〜1.8%からなる群より選択される少なくとも1種
Ti、Nbは、炭化物を形成し易い元素であり、クリープ破断強度の向上、高温引張強度の向上に寄与する。また、Nbは、時効延性の向上にも寄与する。従って、Ti:0.01%以上、Nb:0.1%以上の少なくとも1種を含有させる。一方で、これら元素の過度の添加は、延性の低下を招く。そして、Nbは、Al酸化物層の耐剥離性の低下を招くと共に、耐酸化性を低下させる。また、Tiの過度の添加は、Ti酸化物の生成を促し、遠心力鋳造部の清浄度を低下させる。従って、その上限は、Ti:0.6%、Nb:1.8%とする。なお、Tiの含有量は、0.05%〜0.30%、Nbは0.1%〜1.3%がそれぞれより望ましい。
その他、遠心力鋳造部には、下記元素を含有することができる。
希土類元素(REM):0%を超えて0.4%
REMは、周期律表のLaからLuに至る15種類のランタン系列に、Y、Hf及びScを加えた18種類の元素を意味するが、遠心力鋳造部に含有させるREMは、Ce、La、Ndが主体であり、これら3元素が合計量で希土類元素全体の約80%以上占めることが好ましく、より好ましくは約90%以上である。REMは、Al酸化物層の安定化に寄与し、活性金属であるため酸化皮膜の密着性を高めることができる。また、REMは、炉内の温度変化に伴う酸化物層のスポークリング破壊を防止し、さらには、母材に固溶して耐酸化性の向上に寄与するため含有することが望ましい。一方で、REMは、優先的に酸化物を形成し、母材の清浄度、延性の低下を招くため、上限を0.4%とする。なお、REMの含有量は0.01%〜0.30%がより望ましい。
W:0%を超えて5.0%以下、及び、Mo:0%を超えて2.0%以下からなる群より選択される少なくとも1種
W、Moは、母材に固溶し、母材のオーステナイト相を強化しクリープ破断強度を向上させるため、何れか一方又は両方を含有することが望ましい。しかしながら、W、Moの過度の含有は延性や耐浸炭性の低下を招き、また、とくに1050℃以下の温度でAl酸化物の生成する場合に、その形成を阻害する。また、W、Moの過度の含有は、母材の耐酸化性の低下を招く。従って、Wの上限は5.0%、Moの上限は2.0%とする。なお、Wの含有量の上限は3.0%、Moは1.0%がより望ましい。
上記遠心力鋳造部は、残部Fe及び不可避的不純物から構成することができる。なお、不可避的不純物は1.0%を上限とすることが好適である。
また、遠心力鋳造部の各含有元素は、
Pa=−11.1+28.1×C+29.2×Si−0.25×Ni−45.6×Ti+18.0×REM−16.6×Nb、
Ya=−13.75×Al+63.75としたときに、
Pa<Yaであることが望ましい。なお、Pa値として、上記に表示した元素が含まれない場合には、当該元素の値はゼロとして取り扱う。
Pa値とYa値が上記式を満足することにより、遠心力鋳造部の溶接性と耐酸化性(Al酸化物層の形成)を確保できる。
上記Pa値は、C、Si、Ni、Ti、REM、Nbの各元素の含有量に関するものであり、これら各元素の含有量とAlの含有量を種々変えた供試遠心力鋳造部を作製した。そして、各供試遠心力鋳造部に対し、後述する実施例におけるビード置き試験を実施し、試遠心力鋳造部の溶接性に関するデータを取得した。得られたデータから溶接性に影響を与える元素の影響係数を回帰分析により求めたものである。
Pa値は、その影響係数を参照すると、プラスであるC、Si、REMはそれぞれ溶接性に悪影響を与える元素であり、数値(絶対値)が大きいほど、その悪影響度合いが大きいことを意味する。また、影響係数がマイナスであるNi、Ti、Nbは、溶接性を向上させる元素であり、数値(絶対値)が大きいほど、好影響を与えることを意味する。
図2は、供試遠心力鋳造部のPa値を縦軸、Alの含有量を横軸としてプロットしたものであり、溶接性が良好であったものを菱形、溶接性が不十分であったものを四角でプロットしている。
供試遠心力鋳造部にAl酸化物層が良好に形成され、耐酸化性を具備するためには、上記したAlの含有量の範囲(Al:1.0%〜5.5%)とする必要がある。図2を参照すると、Pa値とAl酸化物層が良好に形成されるAlの含有量について、溶接性にすぐれる集団と、溶接性が不十分である集団が明確に領域分けされていることがわかる。このグラフから、溶接性に基づいて、Alの含有量を含むYa値を相関関係が明瞭に分析できたことがわかる。
そして、これら集団を分断するAlの含有量に基づく直線Ya値が、Ya=−13.75×Al+63.75として決定することができた。すなわち、Al:1.0%〜5.0%の範囲において、Pa<Yaを満足することで、耐酸化性にすぐれ、溶接性にすぐれる遠心力鋳造部を得られることがわかる。
遠心力鋳造部は、遠心力鋳造により筒状に形成され、アクスル等の静置鋳造部と溶接することで、鉄鋼製品を作製することができる。
静置鋳造部は、質量%にて、
Si:0%を超えて1.0%以下、
Mn:0%を超えて1.0%以下、及び、
Al:0.01%〜0.5%を含有する材料から構成することができる。
Si:0%を超えて1.0%以下
Siは、溶湯合金の脱酸剤として、また溶湯合金の流動性を高め、耐酸化性を向上させるために含有させる。本発明では、静置鋳造部のSi量を上記のように規定することで、Alを含有させていても溶接部の割れ感受性を抑制でき、溶接性の低下を抑えることができる。Siの含有量は、0.3%以上0.8%以下が望ましい。
Mn:0%を超えて1.0%以下
Mnは、溶湯合金の脱酸剤となり、また、溶湯中のSを固定させて、溶接性を向上させると共に、延性を向上させるために含有させる。本発明では、静置鋳造部のMn量を上記のように規定することで、Alを含有させていても溶接部の割れ感受性を抑制でき、溶接性の低下を抑えることができる。Mnの含有量は、上限を0.8%以下とすることが望ましい。
Al:0.01%以上0.5%以下
Alは、静置鋳造部にもAl酸化物を形成するために必要不可欠な元素である。Al酸化物の形成により、Cr酸化物と共に、耐酸化性、耐浸炭性を向上させる。一方で、一般的にAlは、溶接時の割れ感受性を高め、溶接性を低下させる元素である。しかしながら、本発明では、上記のように静置鋳造部にSiとMnを上記範囲で含有させることで、Alを含有させていても溶接部の割れ感受性の低下を抑制でき、溶接性の低下を抑えることができる。Alの含有量は、上限を0.3%とすることが望ましい。なお、静置鋳造部のAl濃度は、遠心力鋳造部のAl濃度よりも低くすることで、溶接性の低下を抑えることができる。また、静置鋳造部は、砂型鋳造法を用いて鋳造されることが多く、一般的に鋳造品の冷却速度は遅いため、金属組織が粗くなって、強度や延性が低くなる傾向にある。このため、静置鋳造部のAl濃度は、遠心力鋳造部の5分の1以下とすることが好適であり、10分の1とすることがより望ましい。
静置鋳造部は、以下の元素を含有することができる。
Cr:24.0%〜50.0%
Crは、高温強度及び繰返し耐酸化性の向上に寄与する。また、Crは、Ni、Feと共に1000℃を超えるような高温域ですぐれた耐熱性を発揮すると共に、C、Nと一次炭化物を生成し、高温クリープ破断強度を向上させる。そして、Alと共に酸化物層を形成し、耐酸化性、耐食性にすぐれた特性を静置鋳造部にもたらす。従って、少なくとも24.0%以上含有させる。一方で、Cr炭化物やCr窒化物の過剰な生成は延性低下を招くため、含有量の上限は50.0%とする。なお、Crの含有量は25.0%〜40.0%がより望ましい。
C:0.2%〜0.6%
Cは、静置鋳造部の溶接性を確保し、割れ感受性を低下させるために、0.2%以上含有させる。一方で、延性(時効延性)を確保するために、その上限を0.5%とする。Cの含有量は0.35%〜0.5%がより望ましい。
Ni:10.0%〜50.0%
Niは、使用される温度域における静置鋳造部の耐熱性を確保するために添加する。また、Niは、Crと共に、高温強度、耐酸化性の向上に寄与する。さらに、Niの含有量が少ないと、Feの含有量が相対的に多くなり、Al酸化物の生成を阻害する。このため、少なくとも10.0%以上含有させる。一方、過度にNiを添加しても、これら効果は飽和し、また、経済的にも不利であるため、その上限を50.0%とする。なお、Niの含有量は13.0%〜45.0%がより望ましい。
W:0%を超えて5.0%以下、及び、Mo:0%を超えて2.0%以下からなる群より選択される少なくとも1種
W、Moは、静置鋳造部のマトリクス中の結晶構造を歪ませ、引張強度及びクリープ強度を向上させるために添加させる。
Nb:0%を超えて2.0%以下
Nbは、静置鋳造部の時効延性の向上や回復に寄与し、溶接性を向上させるために添加する。Nbの過度の添加は、Al酸化物層の耐剥離性の低下を招くと共に、耐酸化性を低下させるため、上限を2.0%とする。
N:0%を超えて0.2%以下
Nは、静置鋳造部の高度、引張強度の向上に寄与するため、上記範囲で添加することができる。
上記静置鋳造部は、残部Fe及び不可避的不純物から構成することができる。なお、不可避的不純物は1.0%を上限とすることが好適である。
本発明の遠心力鋳造部及び静置鋳造部は、Alを含有しつつも、互いの溶接性にすぐれ、割れ感受性も抑制できるから、これらを溶接して得られる鉄鋼製品は、十分な機械的接合強度を確保できる。鉄鋼製品は、筒状に構成された遠心力鋳造部を軸状に構成された静置鋳造部に焼き嵌め等により嵌め込み、遠心力鋳造部の端縁を静置鋳造部に溶接することで一体化することができる。溶接は、溶接材としてAlを含む高Cr、Niのオーステナイト鋼を採用することが好適である。溶接材には、溶接棒の加工性の低下を抑えるために一般的にAlを含有しないが、Alを含有させることで、溶接部及びその熱影響部にもAl酸化物を形成することができる。溶接材は、遠心力鋳造部と静置鋳造部のうち、Ni、Crの含有量の高い材料に合わせた成分とすることが望ましい。
本発明の鉄鋼製品は、遠心力鋳造部、静置鋳造部にそれぞれAlを含有することで、表面にAl酸化物を形成することができ、耐酸化性、耐浸炭性を具備できる。とくに、遠心力鋳造部と静置鋳造部は、Alを含有することで、溶接部とその熱影響部に、溶接時に酸化皮膜が形成される。そして、この酸化皮膜を起点として使用状態において遠心力鋳造部及び静置鋳造部に酸化が進行し、鉄鋼製品の表面に好適にAl酸化物が形成され、良好な耐酸化性を具備できる。
本発明の鉄鋼製品は、高温環境下で使用されることにより、表面にAl酸化物を形成することができるが、積極的に鉄鋼製品にAl酸化物を形成させる場合は、独立した工程として、鉄鋼製品を酸化性雰囲気において熱処理することで実施することができるし、加熱炉内に鉄鋼製品を設置して、実施することもできる。
積極的にAl酸化物形成処理を行なう場合は、酸素を1体積%以上含む酸化性ガス、スチームやCOが混合された酸化性雰囲気において、鉄鋼製品を900℃、望ましくは1000℃、より望ましくは1050℃以上の温度で熱処理することが好適である。熱処理時間は1時間以上が好適である。
遠心力鋳造部、静置鋳造部がそれぞれ酸素と接触し、母材表面に拡散したAl、Cr、Ni、Si、Fe等が酸化して酸化物層を形成する。このとき、上記温度範囲での熱処理とすることにより、Cr、Ni、Si、Feよりも優先してAlが酸化物を形成する。また、母材中のAlも表面に転移して酸化物を構成し、Alを主体とする酸化物層が形成される。
得られた鉄鋼製品は、遠心力鋳造部及び静置鋳造部が溶接性にすぐれるから、溶接割れ等を生じることなく、互いに強固に接合することができ、機械的特性にすぐれる。また、遠心力鋳造部だけでなく静置鋳造部も、機械的特性にすぐれ、表面に形成されたAl酸化物によって、高温環境下での使用において、すぐれた耐酸化性を発揮できる。従って、鉄鋼製品は、ハースロールや、キルン炉、ラジアントチューブに良好に使用することができる。
なお、遠心力鋳造部の表面には、必要に応じて、セラミックの溶射を行ない、遠心力鋳造部の表面にセラミック溶射層を形成することもできる。
以下の要領にて、遠心力鋳造部の供試片と静置鋳造部の供試片を作製した。遠心鋳造部の一部の供試片については、静置鋳造部の供試片と溶接し、鉄鋼製品の供試片を作製した。なお、遠心力鋳造部については耐酸化性と割れ感受性、静置鋳造部については鋳造性、耐酸化性及び遠心力鋳造部との割れ感受性を試験した。
<遠心力鋳造部>
遠心力鋳造により表1に掲げる合金組成(単位:質量%、残部Fe及び不可避的不純物)の遠心力鋳造部の供試片(耐酸化性試験用供試片:厚さ25mm×3個、溶接性を確認するためのビード置き試験用供試片(発明例のみ):厚さ25mm以下と25mm以上)をそれぞれ作製した。発明例は供試No.101〜110、比較例は供試No.201〜206である。表1中、REMは、Ce、La、Yの合計量を示している。なお、発明例は、何れも本発明の成分組成の範囲に入っているが、比較例の供試No.201〜204は、Alゼロ、供試No.205及び206はAl過少の比較例であり、該当部分に「*」を付している。
Figure 2019210516
また、表1の各供試片について、PaとYaを算出し、これらの大小関係を比較した。表1中、Pa<Yaを満足する供試片について、「Pa<Ya」の欄にチェックマークを記入している。表1を参照すると、供試No.103、109、110、205及び206は、何れもPa<Yaを満たしていない供試片であることがわかる。
<静置鋳造部>
静置鋳造により表2に掲げる合金組成(単位:質量%、残部Fe及び不可避的不純物)の静置鋳造部の供試片(耐酸化性試験用供試片:厚さ25mm×3個、溶接性を確認するためのビード置き試験用供試片:厚さ25mm以下と25mm以上)をそれぞれ作製した。発明例は供試No.301〜308、比較例は供試No.401〜405である。なお、発明例は、何れも本発明の成分組成の範囲に入っているが、比較例の供試No.401はAl過多、供試No.402はSi過多、供試No.403はAl過多、供試No.404はAl過少、比較例405はMn過多の比較例であり、該当部分に「*」を付している。
Figure 2019210516
<鋳造性>
以下の試験に先立ち、まず、静置鋳造部の鋳造性を比較した。鋳造性は、静置鋳造における鋳造の容易性を意味する。鋳造性は3段階評価とし、鋳造性にすぐれるものを「A」、概ね良好なものを「B」、劣るものを「C」として評価した。結果を表2に示す。表2を参照すると、比較例の供試No.401を除く何れの供試片の鋳造性は「A」又は「B」であり、供試No.401のみ「C」であった。比較例の供試No.401が鋳造性に劣るのは、Al過多であることが原因と考えられる。
<耐酸化性試験>
続いて、遠心力鋳造部、静置鋳造部の各供試片の重量を測定した後、1000℃の加熱炉(大気雰囲気)の中で100時間保持し、加熱後の供試片表面のスケールを酸溶液で除去し、再度重量を測定した。そして、各供試片の加熱前後の重量変化量から酸化減量を算出し、1時間当たりの酸化減量(mg/cm・h)の平均を求めた。遠心力鋳造部については結果を表1の「耐酸化性」及び「評価」、静置鋳造部については結果を表2中「耐酸化性(評価)」に示す。なお、耐酸化性評価は、酸化減量が0.1mg/cm・h以下を評価「A」、0.3mg/cm・h以下を評価「B」、1mg/cm・h以下を評価「C」、1mg/cm・hを超えるものを評価「D」とした。
遠心力鋳造部について、表1を参照すると、発明例は何れも評価「A」又は「B」であり、評価「C」又は「D」である比較例に比べて酸化減量が小さく、耐酸化性にすぐれることがわかる。これは、発明例の遠心力鋳造部の供試片について、表面にAl酸化物が生成し、それ以上の酸化を抑制したためである。一方、比較例の遠心力鋳造部の供試片は、表面にCr酸化物及びSi酸化物が生成し、これらはAl酸化物に比較し緻密性が低く、酸素の侵入防止機能が十分ではなく、酸化を抑えることができなかったためである。
遠心力鋳造部について、発明例どうしを比較すると、供試No.102、103、106、108〜110は評価が「A」であり、とくに耐酸化性にすぐれることがわかる。これは、Al濃度が高めであり、酸化物層を形成しやすいCr濃度が比較的低かったこと等により、特にすぐれたAl酸化物層が形成されたためと想定される。
また、静置鋳造部については、表2に示すように、発明例は供試No.308以外、何れも評価「A」と耐酸化性にすぐれていることがわかる。供試No.308も耐酸化性の評価は「B」であり、発明例の他の供試片に比べて若干劣るが、十分な耐酸化性を具備する。供試No.308が他の発明例に比べて耐酸化性に劣るのは、Cr含有量が19%であり、他の発明例に比べて少ないことが原因と考えられる。一方、比較例の静置鋳造部は、供試No.402、403、405は耐酸化性の評価が「A」であり、すぐれた耐酸化性を具備するが、供試No.401は評価が「B」、404は評価が「C」である。これは、供試No.401はAl過多である一方Crが少なく、十分な耐酸化性が確保できなかったことが原因と考えられる。また、供試No.404はAl過少であることが原因と考えられる。
<ビード置き試験>
表1に示す発明例の遠心力鋳造部の供試片(厚さ:25mm以下と25mm以上の2種類)について、下記要領でビード置き試験を実施し、溶接による割れ感受性を判定した。
ビード置き試験に先立ち、供試片の試験面にグラインダーにより機械加工を施し、表面を滑らかにした。試験面は、溶接開先となる部分及び溶接による熱影響を受ける部分である。
また、液体浸透探傷試験を各供試片の試験面に実施し、試験面に割れがないことを確認した。
試験面が健全であることが確認された遠心力鋳造部の発明例供試片に対し、TIG溶接により表3に示す条件ビード置き試験を行なった。ビードはストレートビード、ビード長は50〜100mmである。
Figure 2019210516
なお、本試験の施工順序は、A法による試験の後、液体浸透探傷試験にて欠陥が見つかった場合に、B法の試験を実施した。
図3及び表4にA法(フィラーメタル(溶接棒):無)及びB法(フィラーメタル:有)によるビードの判定基準を示す。なお、B法では、微小な割れでも判定は「OUT」としている。図中、符号50はビード、52はクレーター、54は割れ、56は点状欠陥を示している。
Figure 2019210516
上記試験の結果、A法により厚さ25mm以下、厚さ25mm以上の何れの供試片についても欠陥が見つからなかった供試片は、割れ感受性の評価「A」、A法により欠陥が見つかったが、B法により欠陥が見つからなかった供試片は、割れ感受性の評価「B」、B法でも欠陥が見つかった供試片は、割れ感受性の評価「C」として評価した。結果を表1中「割れ性」に示している。
表1を参照すると、発明例である遠心力鋳造部の供試片は、供試No.101、102、104乃至108が評価「A」、供試No.103、109及び110が評価「B」であった。
発明例について検討すると、割れ感受性の評価が「A」であった供試片は、何れもPaよりYaが大きく、Pa<Yaであったことがわかる。
続いて、静置鋳造部の供試片について、遠心力鋳造部の代表的な組成(中間的な成分)の供試No.101とNo.107との実際に溶接を行ない、同様に割れ感受性を評価した。評価は、2つの遠心力鋳造部の供試片に対してそれぞれ静置鋳造部の供試片を溶接することで、上記A法で欠陥が見つからなかった供試片は「A」、A法で欠陥が見つかったがB法では欠陥が見つからなかった供試片は「B」、B法でも欠陥が見つかった供試片は「C」としている。結果を表2に示している。
表2を参照すると、発明例は供試No.307以外は割れ感受性の評価が「A」であり、割れ感受性を抑制できたことがわかる。これは、Alを含有していても、Si及びMnを所定範囲としたことによる。供試No.307は、割れ感受性の評価が僅かに劣るが、これは、Crが過多であることが原因と考えられる。一方、発明例は、供試No.404を除き、何れも評価「C」であった。これは、供試No.401、No.403がAl過多、供試No.402、No.405は、Alの含有量は本発明の範囲に含まれるが、Si過多又はMn過多であったことが原因である。
<総合判定>
まず、遠心力鋳造部の各供試片について、耐酸化性試験とビード置き試験の評価が何れも「A」であるものを総合判定「A」、一方が「A」、他方が「B」のものを総合判定「B」、評価「C」又は「D」を含むものを総合判定「C」として判定した。結果を表1中「総合判定」に示している。表1を参照すると、発明例の供試片は何れも判定「A」又は「B」、比較例の供試片は何れも判定「C」であった。すなわち、発明例の供試片は、溶接時に割れが生じ難く、比較例の供試片に比して、耐酸化性にすぐれていることがわかる。従って、本発明の遠心力鋳造部は、ハースロール、キルン炉、ラジアントチューブなどへの適用に極めて好適である。
同じく、静置鋳造部の各供試片について、鋳造性、耐酸化性、割れ感受性の評価が何れも「A」であるものを総合判定「A」、評価に「B」を含むものを総合判定「B」、「C」を含むものを総合判定「C」として判定した。結果を表2中「総合判定」に示している。表2を参照すると、発明例は何れも総合判定が「A」又は「C」であり、比較例は何れも判定「C」であった。すなわち、発明例の静置鋳造部は、鋳造性にすぐれ、すぐれた耐酸化性を具備し、発明例の遠心力鋳造部に対して割れ感受性を抑制できていることがわかる。従って、本発明の静置鋳造部は、上記した遠心力鋳造部と開先加工後に直接溶接して使用することで、機械的接合強度にすぐれ、また、耐酸化性を具備することから、ハースロール、キルン炉、ラジアントチューブなどの鉄鋼製品への適用に極めて好適であることがわかる。
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
10 鉄鋼製品(ハースロール)
20 遠心力鋳造部(スリーブ)
30 静置鋳造部(アクスル)
40 溶接部

Claims (8)

  1. 耐酸化性にすぐれる鉄鋼製品であって、
    遠心力鋳造により製造された遠心力鋳造部を、静置鋳造により形成された静置鋳造部に溶接により装着して構成されるものであり、
    前記遠心力鋳造部は、質量%にて、
    C:0.2%〜0.7%、
    Si:0%を超えて2.0%以下、
    Mn:0%を超えて3.0%以下、
    Cr:15.0%〜40.0%、
    Ni:18.0%〜55.0%、
    Al:1.0%〜5.5%、及び、
    Ti:0.01%〜0.6%、及び、Nb:0.1%〜1.8%からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、
    残部Fe及び不可避的不純物からなり、
    前記静置鋳造部は、質量%にて、
    Si:0%を超えて1.0%以下、
    Mn:0%を超えて1.0%以下、及び、
    Al:0.01%〜0.5%を含有する、
    鉄鋼製品。
  2. 前記遠心力鋳造部は、質量%にて、
    希土類元素(REM):0%を超えて0.4%を含有する、
    請求項1に記載の鉄鋼製品。
  3. 前記遠心力鋳造部は、質量%にて、
    W:0%を超えて5.0%以下、及び、Mo:0%を超えて2.0%以下からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、
    請求項1又は請求項2に記載の鉄鋼製品。
  4. 前記遠心力鋳造部は、
    Pa=−11.1+28.1×C+29.2×Si−0.25×Ni−45.6×Ti+18.0×REM−16.6×Nb
    Ya=−13.75×Al+63.75
    としたときに、
    Pa<Ya
    である、
    請求項1乃至請求項3の何れかに記載の鉄鋼製品。
  5. 前記静置鋳造部は、質量%にて、
    Cr:24.0%〜50.0%を含有する、
    請求項1乃至請求項4の何れかに記載の鉄鋼製品。
  6. 前記遠心力鋳造部は、鋼材と接触する表面に形成される、
    請求項1乃至請求項5の何れかに記載の鉄鋼製品。
  7. 前記遠心力鋳造部の表面には、セラミック溶射層を有する、
    請求項1乃至請求項6の何れかに記載の鉄鋼製品。
  8. 前記鉄鋼製品は、ハースロール、キルン炉、又はラジアントチューブである、
    請求項1乃至請求項7の何れかに記載の鉄鋼製品。
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