JP2017078222A - 厚鋼板および溶接継手 - Google Patents
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Abstract
Description
C:0.01〜0.10%、
Si:0.04〜0.60%、
Mn:0.50〜1.70%、
P:0.025%以下、
S:0.020%以下、
N:0.0120超〜0.0240%、
Sol.Al:0.003〜0.045%、
Ti:0.002〜0.040%、
Sn:0.03〜0.30%、
Zr:0〜0.040%、
Nb:0〜0.040%、
V:0〜0.040%、
B:0〜0.0050%、
Cr:0〜0.2%、
Mo:0〜0.2%、
Cu:0〜0.7%、
Ni:0〜3.0%、
Ca:0〜0.007%、
Mg:0〜0.007%、
Ce:0〜0.007%、
Y:0〜0.5%、
Nd:0〜0.5%、および、
残部:Feおよび不純物であり、かつ、
Sn含有量と、下記式(i)で表されるフリー窒素パラメータNfとが、下記式(ii)を満足する、厚鋼板。
Nf=N−14×(Sol.Al/27+Ti/47.9+Zr/91.2+Nb/92.9+V/50.9+B/10.8) ・・・(i)
(Sn−0.03)×(Nf+0.015) ≧ 0.0002 ・・・(ii)
ただし、(i)式および(ii)式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を表す。
Cr:0.02〜0.2%、
を含有する、前記(1)に記載の厚鋼板。
Mo:0.03〜0.2%
を含有する、前記(1)または(2)に記載の厚鋼板。
Zr:0.002〜0.040%、
Nb:0.006〜0.040%、および、
V:0.007〜0.040%、
から選択される1種以上を含有する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の厚鋼板。
Cu:0.1〜0.7%、および
Ni:0.2〜3.0%、
から選択される1種以上を含有する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の厚鋼板。
B:0.0006〜0.0050%
を含有する、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の厚鋼板。
Ca:0.0015〜0.007%、
Mg:0.0005〜0.007%、
Ce:0.0005〜0.007%、
Y:0.01〜0.5%、および、
Nd:0.01〜0.5%、
から選択される1種以上を含有する、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の厚鋼板。
Sol.N=N−14×(Sol.Al/759+Ti/382+Zr/91.2+Nb/152−V/311−B/457) ・・・(iii)
ただし、(iii)式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を表す。
各元素の作用効果と、含有量の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
Cは、母材の強度を高める作用を有する元素である。この効果を得るため、C含有量は、0.01%以上とする必要がある。一方、C含有量が0.10%を超えると、母材の疲労き裂進展特性が不芳となる。したがって、C含有量は0.01〜0.10%とする。なお、Cは安価な元素である。母材の強度を高める作用を有する他の添加元素を抑制し、経済的に母材の強度を確保する。そのため、C含有量は、0.03%以上であることが好ましい。
Siは、鋼を脱酸するために必要な元素である。Si含有量が0.04%未満では、適切な脱酸効果を期待できない。一方、Si含有量が0.60%を超えると、母材の靱性が劣化し始め、構造用鋼としての適正を欠くこととなる。したがって、Si含有量は、0.04〜0.60%とする。Si含有量は、0.20%以上であることが好ましく、0.50%以下であることが好ましい。
Mnは、Cと同様に、母材の強度を確保し、かつ、母材の疲労き裂進展特性を向上させるのに有効な元素である。この効果を得るため、Mn含有量は、0.50%以上とする必要がある。一方、Mn含有量が1.70%を超えると、母材の靱性劣化が顕著となる。したがって、Mn含有量は、0.50〜1.70%とする。Mn含有量は、0.80%以上であることが好ましく、1.55%以下であることが好ましい。
Pは、不純物元素であり、中心偏析を助長するなど、母材の靭性を劣化させる。そのため、本発明においては、P含有量を0.025%以下とする。P含有量は、0.018%以下であることが好ましい。
Sは、不純物元素である。Sが0.020%を超えて多量に存在する場合、MnS等の割れの起点となり得る介在物が形成されることにより、母材の靭性が低下する。そのため、S含有量は、0.020%以下とする。母材の靭性を確保するため、S含有量は、0.015%以下であることが好ましく、0.006%以下であることがより好ましい。
Nは、転位を固着させることにより、転位セルの形成を阻害する。この効果を得るため、Nは、0.0120%を超えて含有させる必要がある。一方、N含有量が0.0240%を超えると、母材の靱性が損なわれ始める。したがって、N含有量は、0.0120超〜0.0240%とする。N含有量は、0.0150%以上であることが好ましく、0.0180%以下であることが好ましい。
Sol.Alは、脱酸作用を有する元素である。この効果を得るため、Sol.Alは、0.003%以上含有させる必要がある。一方、Sol.Al含有量が0.045%を超えると、溶接部に硬質の島状マルテンサイトが多数生成する。その結果、この島状マルテンサイトが破壊起点となり、継手の靱性が劣化する。したがって、Sol.Al含有量は、0.003〜0.045%とする。より十分な継手の靱性を確保するため、Sol.Al含有量は、0.020%以下であることが好ましい。
Tiは、炭化物を生成することにより、軟質部を細粒化して強化するため、母材の疲労き裂進展特性を向上させるのに有効な元素である。この効果を得るため、Tiは、0.002%以上含有させる必要がある。一方、Ti含有量が0.040%を超えると、母材の疲労き裂進展特性を向上させる効果が飽和するだけでなく、母材の強度が上昇しすぎる。その結果、母材の靱性が損なわれる。したがって、Ti含有量は、0.002〜0.040%とする。Ti含有量は、0.005%以上であることが好ましく、0.030%以下であることが好ましい。
Snは、Sn2+となって溶解し、酸性塩化物溶液中でのインヒビター作用により腐食を抑制する作用を有する。また、Fe3+を速やかに還元させ、酸化剤としてのFe3+濃度を低減する作用を有することにより、Fe3+の腐食促進作用を抑制するので、高飛来塩分環境における耐候性を向上させる。また、Snには、鋼のアノード溶解反応を抑制することにより、耐食性を向上させる作用がある。これらの効果を得るため、Snは、0.03%以上含有させる必要がある。一方、Sn含有量が0.30%を超えると、上記効果が飽和するとともに、母材の靱性が劣化する。したがって、Sn含有量は、0.03〜0.30%とする。Sn含有量は、0.05%以上であることが好ましく、0.20%以下であることが好ましい。
Nb:0〜0.040%
V:0〜0.040%
Zr、NbおよびVは、いずれも、CおよびNの化合物として析出し、結晶粒を微細化させ、母材の靱性を向上させるのに有効な作用をする。しかしながら、Zr、NbおよびVの含有量が、それぞれ0.040%を超えると、顕著な効果を示さなくなる。したがって、Zr、NbおよびVの含有量は、それぞれ0.040%以下とする。これらの元素の下限は特に定めないが、母材の靭性をより向上させるため、Zrを0.002%以上、Nbを0.006%以上、Vを0.007%以上含有させることが好ましい。
Bは、BNとして析出し、フェライト変態を促進させる。しかしながら、B含有量が0.0050%を超えると、継手の靱性が低下する。したがって、B含有量は、0.0050%以下とする。また、フェライト変態をより促進させるため、B含有量は、0.0006%以上であることが好ましい。
Crは、母材の強度を高める作用があり、かつ、母材の疲労き裂進展特性を向上させるのに有効であるため、含有させてもよい。しかしながら、Crを過剰に含有させると、母材の靱性が劣化するだけでなく、塗膜下での耐食性を劣化させる。そのため、Crを含有させる場合、その含有量は0.2%以下とする。また、母材の強度および疲労き裂進展特性をより向上させるため、Cr含有量は、0.02%以上であることが好ましく、0.04%以上であることがより好ましい。
Moは、焼入れ性を高めて、母材の強度を高めるのに有効な元素であるため、含有させてもよい。しかしながら、Mo含有量が0.2%を超えると、母材の靱性の劣化を引き起こすばかりでなく、コスト上昇を招く。そのため、Moを含有させる場合、その含有量は0.2%以下とする。また、母材の強度をより高めるため、Mo含有量は、0.03%以上であることが好ましい。
Cuは、母材の強度を高める作用があるので、含有させてもよい。しかしながら、Cu含有量が0.7%を超えると、母材の靱性が劣化する。そのため、Cuを含有させる場合、その含有量は0.7%以下とする。Cu含有量は、0.5%以下であることが好ましい。また、母材の強度をより高めるため、Cu含有量は0.1%以上であることが好ましく、0.3%以上であることがより好ましい。
Niは、母材の強度を高める作用があり、かつ、母材の疲労き裂進展特性を向上させるのに有効であるため、含有させてもよい。しかしながら、Ni含有量が3.0%を超えると、コスト上昇に見合うだけの強度が得られないとともに、疲労き裂進展特性を向上させる効果も飽和する。そのため、Niを含有させる場合、その含有量は3.0%以下とする。また、母材の強度を高め、かつ、母材の疲労き裂進展特性をより向上させるため、Ni含有量は、0.2%以上であることが好ましい。
Caは、組織微細化を通して母材の靭性を向上させるため、含有させてもよい。しかしながら、Ca含有量が0.007%を超えると、Ca介在物の量が過剰となり、かえって母材の靭性が劣化する。したがって、Caを含有させる場合、その含有量は0.007%以下とする。Ca含有量は、0.003%以下であることが好ましい。また、母材の靭性をより向上させるため、Ca含有量は、0.0015%以上であることが好ましい。
Mgは、組織微細化を通して母材の靭性を向上させるため、含有させてもよい。しかしながら、Mg含有量が0.007%を超えると、Mg介在物の量が過剰となり、Caと同様に母材の靭性が劣化する。したがって、Mgを含有させる場合、その含有量は0.007%以下とする。Mg含有量は、0.003%以下であることが好ましい。また、母材の靭性をより向上させるため、Mg含有量は、0.0005%以上であることが好ましい。
Ceは、組織微細化を通して母材の靭性を向上させるため、含有させてもよい。しかしながら、Ce含有量が0.007%を超えると、Ce介在物の量が過剰となり、かえって母材の靭性が劣化する。したがって、Ceを含有させる場合、その含有量は0.007%以下とする。Ce含有量は、0.003%以下であることが好ましい。また、母材の靭性をより向上させるため、Ce含有量は、0.0005%以上であることが好ましい。
Yは、組織微細化を通して母材の靭性を向上させるため、含有させてもよい。しかしながら、Y含有量が0.5%を超えると、Y介在物の量が過剰となり、かえって母材の靭性が劣化する。したがって、Yを含有させる場合、その含有量は0.5%以下とする。Y含有量は、0.05%以下であることが好ましい。また、母材の靭性をより向上させるため、Y含有量は、0.01%以上であることが好ましい。
Ndは、組織の微細化を通して母材の靭性を向上させるため、含有させてもよい。しかしながら、Nd含有量が0.5%を超えると、Nd介在物の量が過剰となり、かえって母材の靭性が劣化する。したがって、Ndを含有させる場合、その含有量は0.5%以下とする。Nd含有量は、0.05%以下であることが好ましい。また、母材の靭性をより向上させるため、Nd含有量は、0.01%以上であることが好ましい。
本発明は、転位の移動阻止に固溶窒素を積極的に活用し、疲労特性が向上することに特徴がある。固溶窒素は、靱性を劣化させる。そのため、従来、固溶窒素の含有量の抑制のみが追及されてきた。しかしながら、脆化に繋がる固溶窒素は、粒内に存在する窒素である。そのため、窒素を母材の粒界に留めることができれば、脆化を回避できる。細粒組織を安定して製造し、固溶窒素を適量の範囲に精度よく制御すれば、脆化を抑制しつつ疲労特性を改善することが可能となる。ここで、固溶窒素量とは、添加されている総窒素量から、窒化物として析出された分を差し引いた残りの窒素量である。固溶窒素量は、析出物を濾過するなど、精緻な測定を経なければ正確に確定できないが、窒化物生成元素量を用いて、下記(i)式から固溶窒素量の概略を見積もることができる。なお、下記(i)式から得られる数値を、フリー窒素パラメータNfと呼ぶ。
Nf=N−14×(Sol.Al/27+Ti/47.9+Zr/91.2+Nb/92.9+V/50.9+B/10.8) ・・・(i)
ただし、(i)式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を表す。
溶接継手の溶接熱影響部(HAZ)のように、加熱後急冷される部分では、窒素が均等に分散している。本発明者らは、溶接熱影響部の固溶窒素量について、数十点の測定値を用いて下記の近似式(iii)を導出した。以下、下記式(iii)から得られる数値を、溶接熱影響部の固溶窒素量Sol.Nと呼ぶ。
Sol.N=N−14×(Sol.Al/759+Ti/382+Zr/91.2+Nb/152−V/311−B/457) ・・・(iii)
ただし、(iii)式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を表す。
本発明に係る厚鋼板の製造方法については、特に制限は設けないが、例えば、上記で説明した化学組成を有するスラブを加熱した後、熱間圧延し、最後に冷却することにより製造することができる。
本発明に係る溶接継手の製造方法については、特に制限は設けないが、上記で説明した厚鋼板を、例えば、CO2溶接法を用いて溶接することにより製造することができる。
表1に示す鋼種No.a〜z、A〜Eの化学成分を有する鋼材をラボ設備である150kg真空溶解炉にて溶解し、インゴットを幅120mm、厚さ100mmに熱間鍛造した。その後、長手方向が圧延方向となるように、熱間圧延を行った。圧延終了後、鋼板温度が830℃の状態から冷却槽へ浸漬させ15℃/s以上の加速水冷を行い、室温程度まで冷却を行った。これにより得られた鋼種No.a〜z、A〜Eの圧延母材から各種試験片を採取し、下記の材料特性を測定した。
鋼種No.a〜z、A〜Eの圧延母材から、CT(Compact Type)試験片を採取した。CT試験片の代表寸法Wは、50mmであった。また、試験片の厚さBは15mmであった。試験片は、LT方向、すなわち、負荷方向が圧延方向であり、疲労き裂進展方向が圧延直角方向である。この試験片に対し、疲労予き裂を導入した後、予き裂導入時の応力拡大係数範囲ΔKを超えないように、ΔK16〜30MPa√mの範囲にて、荷重制御下で応力比R0.1の条件下において、疲労き裂進展試験を実施した。その結果、疲労き裂進展速度da/dNが7×10−5mm/cycleを超えるものは、母材疲労き裂進展特性が不芳な鋼材であるとして、その後の腐食疲労特性評価を行わなかった。具体的には、試験No.9、10、15および24が、母材疲労き裂進展特性不芳に該当した。
鋼種No.a〜z、A〜Eの圧延母材から、丸棒試験片を2つずつ採取した。採取方向は、試験片長手方向が圧延直角方向となるようにし、試験片中心と板厚t/2が一致するようにした。各2つの試験片の引張試験を室温大気中にて実施し、得られた2つの値の平均値が1000MPaを超えるものを、強度過多として、母材引張特性が不芳と見なした。母材引張特性が不芳な鋼材に対しては、その後の腐食疲労特性評価を行わなかった。具体的には、試験No.11および15が、母材引張特性不芳に該当した。
鋼種No.a〜z、A〜Eの圧延母材から、10×10×55mmのシャルピー衝撃試験片を3つずつ採取した。板厚貫通切欠き部は、2mm深さのVノッチとした。試験片の採取方向は、試験片長手方向が圧延方向となるようにし、試験片中心と板厚t/2が一致するようにした。各3つの試験片の衝撃試験を0℃にて実施し、得られた3つの値の平均値が100J未満の場合を、母材靭性不芳と見なした。母材靭性が不芳な鋼材に対しては、その後の腐食疲労特性評価を行わなかった。具体的には、試験No.12、14、16〜18、23および25が、母材靱性不芳に該当した。
鋼種No.a〜z、A〜Eの圧延母材から、11×11×60mmの熱サイクル付与用の試験片を3つずつ採取した。この試験片に対し、Heガス冷却機能付きの誘導加熱装置を用いて、室温から1400℃まで、熱電対で温度計測および温度制御を行いながら、40℃/sの昇温速度で急速加熱した。その後、1400℃で5秒間保持した後、Heガスを用いて、40℃/sの冷却速度を目標値として、急速冷却した。この加熱、保温および冷却の熱サイクルは、16mm鋼板に対し、1.5kJ/mmの溶接入熱にて溶接施工がなされた時の熱履歴を模擬している。上記熱サイクル付与後に、11×11×60mmの熱サイクル付与用の試験片から10×10×55mmのシャルピー衝撃試験片を採取した。切欠き部は2mm深さのVノッチとした。各3つのシャルピー衝撃試験片の再現HAZ材の衝撃試験を、0℃にて実施し、得られた3つの値の平均値が27J未満の場合を、継手靱性不芳と見なした。継手靱性が不芳な鋼材に対しては、その後の腐食疲労特性評価を行わなかった。具体的には、試験No.21が、継手靱性不芳な鋼材に該当した。
鋼種No.a〜z、A〜Eの圧延母材から、化学分析サンプルを採取し、鋼中の総酸素量を分析した。その結果、総酸素量が120ppmを超える場合に、鋼材の脱酸不足と判断した。脱酸不足の鋼材に対しては、その後の腐食疲労特性強度評価を行わなかった。具体的には、試験No.13および22が、脱酸不足の鋼材に該当した。
(試験片の製造)
まず、鋼種a〜h、s、t、zおよびB〜Eについて、図1に示す形状および寸法の腐食疲労試験片を準備した。該試験片の表面には、下地処理を行った後、厚膜形エポキシ系さび止め塗料(BANNOH−200、中国塗料製)を塗装することにより、膜厚150〜200μmの塗膜が形成されている。また、前記塗膜の表面には、卦書き用カッターナイフを用いて作製した直線状の切込みが形成されている。前記切込み部からは、鋼板が露出していることを確認した。なお、図1に示す各稜線には、面取りR1が施されている。
(試験片の製造)
鋼種a〜f、A〜Eの圧延母材から、長さ(圧延方向の長さ)が250mmで、幅(圧延方向に直角な方向の長さ)が500mmの主板をそれぞれ採取した。溶接継手において形成される溶接ビードを想定して、上記の主板の表面に、溶接ビードを形成した。溶接ビードは、CO2溶接法を利用して形成した。溶接材料としては、日鐡住金溶接工業製のNS1を用いた。溶接入熱の狙い値は、1.5kJ/mmとした。このようにして、溶接ビードを形成した主板を幅方向に短冊加工することによって、図4に示す形状および寸法の試験片(継手に相当する試験片)を準備した。なお、図4に示す試験片の長手方向が、圧延方向である。
Claims (9)
- 化学組成が、質量%で、
C:0.01〜0.10%、
Si:0.04〜0.60%、
Mn:0.50〜1.70%、
P:0.025%以下、
S:0.020%以下、
N:0.0120超〜0.0240%、
Sol.Al:0.003〜0.045%、
Ti:0.002〜0.040%、
Sn:0.03〜0.30%、
Zr:0〜0.040%、
Nb:0〜0.040%、
V:0〜0.040%、
B:0〜0.0050%、
Cr:0〜0.2%、
Mo:0〜0.2%、
Cu:0〜0.7%、
Ni:0〜3.0%、
Ca:0〜0.007%、
Mg:0〜0.007%、
Ce:0〜0.007%、
Y:0〜0.5%、
Nd:0〜0.5%、および、
残部:Feおよび不純物であり、かつ、
Sn含有量と、下記式(i)で表されるフリー窒素パラメータNfとが、下記式(ii)を満足する、厚鋼板。
Nf=N−14×(Sol.Al/27+Ti/47.9+Zr/91.2+Nb/92.9+V/50.9+B/10.8) ・・・(i)
(Sn−0.03)×(Nf+0.015) ≧ 0.0002 ・・・(ii)
ただし、(i)式および(ii)式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を表す。 - 前記化学組成が、質量%で、
Cr:0.02〜0.2%、
を含有する、請求項1に記載の厚鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、
Mo:0.03〜0.2%
を含有する、請求項1または2に記載の厚鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、
Zr:0.002〜0.040%、
Nb:0.006〜0.040%、および、
V:0.007〜0.040%、
から選択される1種以上を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の厚鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、
Cu:0.1〜0.7%、および、
Ni:0.2〜3.0%、
から選択される1種以上を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の厚鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、
B:0.0006〜0.0050%
を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の厚鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、
Ca:0.0015〜0.007%、
Mg:0.0005〜0.007%、
Ce:0.0005〜0.007%、
Y:0.01〜0.5%、および、
Nd:0.01〜0.5%、
から選択される1種以上を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の厚鋼板。 - 下記式(iii)で表される固溶窒素量Sol.Nの値が0.0120を超える、請求項1〜7のいずれかに記載の厚鋼板。
Sol.N=N−14×(Sol.Al/759+Ti/382+Zr/91.2+Nb/152−V/311−B/457) ・・・(iii)
ただし、(iii)式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を表す。 - 請求項8に記載の複数枚の厚鋼板が互いに溶接されている、溶接継手。
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