JP2018111651A - 工業用防カビ防藻剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】幅広い工業用途に利用可能で、それらの各用途においてカビ、藻類に対する優れた防カビ防藻活性を有する工業用防カビ防藻剤を提供すること。【解決手段】カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを含有することを特徴とする工業用防カビ防藻剤を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、カビと藻類の防カビ防藻に用いられる工業用防カビ防藻剤に関する。
従来、各種の工業製品には、細菌、カビ、酵母、藻類などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因になっている。なかでも、紙パルプの製造に用いられる水、産業分野における循環冷却水等の種々の用水、水性塗料、エマルション、捺染糊、皮革等の製造に用いられる水に繁殖した有害微生物は、被処理物、被洗浄物または処理設備等の腐食やカビの原因となっている。そのため、工業製品や工業用水に、細菌、カビ、酵母、藻に対して防除効果を発現する種々の工業用殺菌組成物を添加することが広く知られており、有害微生物の発生を抑制または防除する薬剤としては、イソチアゾリン系化合物、ベンゾイソチアゾリン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ハロアセチレン系化合物、テトラヒドロチオフェンジオキシド系化合物、ピリチオン系化合物等が知られている。
また、建造物の外壁、船体、水路などに藻類やカビが繁殖し、外観や機能を損なうなどの原因となっており、それを防止するために防藻剤や防カビ剤を含有する塗料を用いて塗装をすることが広く行われている。そのため、塗料に、カビや藻類等の有害微生物に対して防カビ効果や防藻効果を発揮する種々の防カビ剤や防藻剤を組み合わせて添加することが広く知られており、塗料に添加できる防カビ剤や防藻剤として、トリアジン系化合物、イソチアゾリン系化合物およびハロアセチレン系化合物を含有する防藻剤(特許文献1)や、イソチアゾリン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物およびピリチオン系化合物を含有する防カビ防藻剤(特許文献2)、さらに、無機酸化微粒子、イソチアゾリン系化合物およびベンゾイミダゾール系化合物を含有する抗菌防カビ防藻剤(特許文献3)等が提案されている。
また、建造物の外壁、船体、水路などに藻類やカビが繁殖し、外観や機能を損なうなどの原因となっており、それを防止するために防藻剤や防カビ剤を含有する塗料を用いて塗装をすることが広く行われている。そのため、塗料に、カビや藻類等の有害微生物に対して防カビ効果や防藻効果を発揮する種々の防カビ剤や防藻剤を組み合わせて添加することが広く知られており、塗料に添加できる防カビ剤や防藻剤として、トリアジン系化合物、イソチアゾリン系化合物およびハロアセチレン系化合物を含有する防藻剤(特許文献1)や、イソチアゾリン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物およびピリチオン系化合物を含有する防カビ防藻剤(特許文献2)、さらに、無機酸化微粒子、イソチアゾリン系化合物およびベンゾイミダゾール系化合物を含有する抗菌防カビ防藻剤(特許文献3)等が提案されている。
一方、近年の工業製品や建造物等の多様化につれて、より優れた効力を有し、かつ、その効力の持続性に優れる工業用防カビ防藻剤の開発が要望されているが、例えば、特許文献1〜3に記載された組み合わせでは、その要求に十分応え得るものではなかった。
そこで、本発明は、カビ及び藻類に対して優れた防除効果を有する工業用防カビ防藻剤の開発を課題としている。
そこで、本発明は、カビ及び藻類に対して優れた防除効果を有する工業用防カビ防藻剤の開発を課題としている。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、メチル−2−ベンゾイミダゾールカルバメート(慣用名:カルベンダジム)、2−メチルチオ−4−シクロプロピルアミノ−6−tert−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン(慣用名:シブトリン)およびα−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)の3つの活性化合物を併用した場合に、カビ及び藻類に対する防除効果が顕著に向上し、相加効果以上の優れた効果を有する工業用防カビ防藻剤になり得ることを見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
さらに詳しく説明すると、トリアゾール系化合物として公知の化合物の中でも、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)を、メチル−2−ベンゾイミダゾールカルバメート(慣用名:カルベンダジム)と2−メチルチオ−4−シクロプロピルアミノ−6−tert−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン(慣用名:シブトリン)と併用することにより、その他のトリアゾール系化合物と併用する場合に比べ、カビ及び藻類に対する防除効果が格別顕著に向上することを、数多くの実験により見出し、本発明を完成するに至ったものである。
さらに詳しく説明すると、トリアゾール系化合物として公知の化合物の中でも、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)を、メチル−2−ベンゾイミダゾールカルバメート(慣用名:カルベンダジム)と2−メチルチオ−4−シクロプロピルアミノ−6−tert−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン(慣用名:シブトリン)と併用することにより、その他のトリアゾール系化合物と併用する場合に比べ、カビ及び藻類に対する防除効果が格別顕著に向上することを、数多くの実験により見出し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.メチル−2−ベンゾイミダゾールカルバメート(慣用名:カルベンダジム)、2−メチルチオ−4−シクロプロピルアミノ−6−tert−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン(慣用名:シブトリン)およびα−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)を含有することを特徴とする、工業用防カビ防藻剤。
2.1.記載の工業用防カビ防藻剤を含有する、工業製品。
3.1.記載の工業用防カビ防藻剤を、工業用材料に適用する工業用材料の防カビ防藻方法。
1.メチル−2−ベンゾイミダゾールカルバメート(慣用名:カルベンダジム)、2−メチルチオ−4−シクロプロピルアミノ−6−tert−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン(慣用名:シブトリン)およびα−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)を含有することを特徴とする、工業用防カビ防藻剤。
2.1.記載の工業用防カビ防藻剤を含有する、工業製品。
3.1.記載の工業用防カビ防藻剤を、工業用材料に適用する工業用材料の防カビ防藻方法。
本発明の工業用防カビ防藻剤は、有効成分としてカルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールの3つの活性成分を含有し、それぞれ単剤もしくは2つの成分を併用する混合組成物に比べて、相加効果以上の優れた防カビ・防藻作用を発現し、カビや藻類に対する防カビ防藻効果に優れた組成物である。本発明の工業用防カビ防藻剤は、防カビ防藻効果に優れるので、各種の工業製品に適用することができ、例えば、屋内外の塗料・塗材、ゴム、繊維、樹脂、プラスチック、接着剤、目地剤、シーリング剤、建材、コーキング剤、土壌処理剤、木材処理剤、製紙工程における白水、顔料、印刷版用処理液、冷却用水、インキ、切削油、不織布、紡糸油、皮革などに、防カビ防藻効果を発現する添加剤として少量配合するだけで、優れた防カビ防藻効果を発揮または付与することができる。
以下、本発明の工業用防カビ防藻剤、および、工業製品や工業用材料の防カビ防藻方法について詳細に説明する。
なお、本発明における工業用防カビ防藻剤とは、工業製品や工業用材料等の工業用途において問題となるカビと藻類に対して防カビ・防藻活性を有する組成物のことを意味する。
なお、本発明における工業用防カビ防藻剤とは、工業製品や工業用材料等の工業用途において問題となるカビと藻類に対して防カビ・防藻活性を有する組成物のことを意味する。
本発明の工業用防カビ防藻剤は、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを有効成分として含有するものである。
カルベンダジムは、化学名「メチル−2−ベンゾイミダゾールカルバメート」であり、イミダゾール系化合物の1つとして公知の、次の化学式で示される化合物である。カルベンダジムは、殺菌活性を有する化合物として公知であるが、防藻活性はほとんど示さない化合物である。
カルベンダジムは、化学名「メチル−2−ベンゾイミダゾールカルバメート」であり、イミダゾール系化合物の1つとして公知の、次の化学式で示される化合物である。カルベンダジムは、殺菌活性を有する化合物として公知であるが、防藻活性はほとんど示さない化合物である。
シブトリンは、化学名「2−メチルチオ−4−シクロプロピルアミノ−6−tert−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン」であり、トリアジン系化合物の1つとして公知の、次の化学式で示される化合物である。シブトリンは、防藻活性を有する化合物として公知であるが、防カビ活性はほとんど示さない化合物である。
テブコナゾールは、化学名「α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノールであり、トリアゾール系化合物の1つとして公知の、次の化学式で示される化合物である。トリアゾール系化合物として、テブコナゾールのほかにプロピコナゾールやヘキサコナゾールがよく知られており、これらトリアゾール系化合物は工業用保存剤として、しばしば用いられる化合物である。中でもテブコナゾールは、プロピコナゾールやヘキサコナゾールに比べて皮膚感作性が低く、皮膚感作性の低い薬剤が求められている工業用保存剤として、好適な化合物の1つである。
本発明は、この皮膚感作性の低いテブコナゾールを有効成分の1つとして、カルベンダジムおよびシブトリンを併用することにより、それぞれ単剤もしくは2つの活性成分を併用する混合組成物の防カビ防藻活性から、単純に予想される相加効果を遥かに超える防カビ防藻活性の相乗的な向上が得られることを確認し、工業用防カビ防藻剤として完成したものである。
本発明は、この皮膚感作性の低いテブコナゾールを有効成分の1つとして、カルベンダジムおよびシブトリンを併用することにより、それぞれ単剤もしくは2つの活性成分を併用する混合組成物の防カビ防藻活性から、単純に予想される相加効果を遥かに超える防カビ防藻活性の相乗的な向上が得られることを確認し、工業用防カビ防藻剤として完成したものである。
本発明のカルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールとの含有重量比は、カルベンダジムとシブトリンとを1:1(重量比)の混合物とした場合に、当該混合物とテブコナゾールの含有重量比は1:99〜99:1(重量比)とすることが好ましく、5:95〜95:5(重量比)とすることがさらに好ましく、10:90〜90:10(重量比)とすることが特に好ましい。
所定濃度のカルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせると、それぞれ単剤による防カビ防藻効果はもとより、カルベンダジムとシブトリン、カルベンダジムとテブコナゾール、シブトリンとテブコナゾール、それぞれの組み合わせによる防カビ防藻効果に比べて、単純に予想される相加効果を遥かに超える相乗効果が得られることを、後述する実験により確認している。
本発明の3化合物による組み合わせが、相乗的な防カビ防藻活性を示す作用機構についての詳細は不明であるが、異なる作用メカニズムを有する3化合物を組み合わせることにより、作用点レベルにおける相互共力作用が発現した結果、このような顕著な効果が得られるものと推測される。しかしながら、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせることにより得られる相乗効果は、テブコナゾールと同じトリアゾール系化合物であるプロピコナゾールやヘキサコナゾールと、カルベンダジムとシブトリンとの組み合わせでは得ることができない。したがって、本発明の工業用防カビ防藻剤は、非常に複雑な相互共力作用により優れた相乗効果が発現しているものと考えられる。
すなわち、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせることにより得られる本発明の相乗効果は、この3つの化合物を組み合わせることにより初めて得られる効果であり、これは本発明者が多くの実験を行い初めて当該効果を確認した格別顕著なものである。
所定濃度のカルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせると、それぞれ単剤による防カビ防藻効果はもとより、カルベンダジムとシブトリン、カルベンダジムとテブコナゾール、シブトリンとテブコナゾール、それぞれの組み合わせによる防カビ防藻効果に比べて、単純に予想される相加効果を遥かに超える相乗効果が得られることを、後述する実験により確認している。
本発明の3化合物による組み合わせが、相乗的な防カビ防藻活性を示す作用機構についての詳細は不明であるが、異なる作用メカニズムを有する3化合物を組み合わせることにより、作用点レベルにおける相互共力作用が発現した結果、このような顕著な効果が得られるものと推測される。しかしながら、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせることにより得られる相乗効果は、テブコナゾールと同じトリアゾール系化合物であるプロピコナゾールやヘキサコナゾールと、カルベンダジムとシブトリンとの組み合わせでは得ることができない。したがって、本発明の工業用防カビ防藻剤は、非常に複雑な相互共力作用により優れた相乗効果が発現しているものと考えられる。
すなわち、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせることにより得られる本発明の相乗効果は、この3つの化合物を組み合わせることにより初めて得られる効果であり、これは本発明者が多くの実験を行い初めて当該効果を確認した格別顕著なものである。
本発明の工業用防カビ防藻剤は、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを、それぞれ個々に工業製品等に投入してもよいし、これら3成分を単純に混合、或いは液体や固体の種々の担体に溶解、分散、吸着等させることにより、種々の製剤形とすることができる。例えば、溶液剤、水和剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、油剤などの液剤;粉剤、粒剤、マイクロカプセル剤、マイクロスフェア、フロアブル剤、発泡剤などの固形剤;ペースト剤、クリームなどの半固形剤;噴霧剤、エアゾール剤;塗料などが挙げられ、これらは使用目的や適用状態に応じて適宜選択できる。これらの製剤は、慣用の方法で製造できる。
本発明において用い得る前記液体担体としては、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルカルビトール)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレンカーボネート等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、イソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、エチルビフェニル、ジエチルビフェニル、ソルベントナフサ等の芳香族系溶剤;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン等の極性有機溶剤などが挙げられる。これらの液体担体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これら液体担体の中では、水、プロピレンカーボネート等のケトン類、低級アルコール類および多価アルコール類が好ましく用いられる。
本発明において用い得る前記固体担体としては、例えば、ケイソウ土、雲母、粘土、カオリン、タルク、石英粉末、ベントナイト、滑石粉、ロウ石粉などのタルク類、微粉末クレイなどのクレイ類や炭酸カルシウムなどの鉱物性粉末;硫黄粉末;尿素粉末;木粉、澱粉などの植物性粉末;工業用防カビ防藻剤などに繁用される各種担体が挙げられる。これらの固体担体は、増量材として使用される場合も多い。これらの固体担体も、1種又は2種以上を混合して使用できる。
前記エアゾール剤は、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを必要に応じて適当な溶剤で希釈し、噴射剤と共に容器に充填することにより製造できる。溶剤としては、例えば、前記液体担体として例示した溶剤などが挙げられる。噴射剤としては、フロン、液化天然ガスなどが挙げられる。
前記エアゾール剤は、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを必要に応じて適当な溶剤で希釈し、噴射剤と共に容器に充填することにより製造できる。溶剤としては、例えば、前記液体担体として例示した溶剤などが挙げられる。噴射剤としては、フロン、液化天然ガスなどが挙げられる。
本発明の工業用防カビ防藻剤は、製剤の種類に応じて、必要により種々の添加剤、例えば、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定化剤;結合剤;被膜形成能を有する樹脂;乳化剤;分散剤;展着剤;湿潤剤;浸透剤;増粘剤;流動助剤;固結防止剤;凝集剤;紫外線散乱剤;水分除去剤;着色剤などを含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、4,4’−チオビス−6−t−ブチル−3−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール(2−t−ブチル−4−メトキシフェノールと3−t−ブチル−4−メトキシフェノールの混合物)、p−オクチルフェノール、モノ(またはジまたはトリ)−(α−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ペンタエリスリチル テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤;N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤;2,5−ジ(t−アミル)ヒドロキノリンなどのヒドロキノリン系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤;トリフェニルホスファイトなどのリン系酸化防止剤などが例示できる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;サリチル酸フェニル、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系化合物;2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、2−エトキシ−2’−エチルシュウ酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物などが挙げられる。
結合剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、デキストリン、アルファ化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウムなどが例示できる。
被膜形成能を有する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリオレフィン、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが例示できる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;サリチル酸フェニル、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系化合物;2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、2−エトキシ−2’−エチルシュウ酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物などが挙げられる。
結合剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、デキストリン、アルファ化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウムなどが例示できる。
被膜形成能を有する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリオレフィン、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが例示できる。
乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、浸透剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などの慣用の界面活性剤が使用できる。アニオン系界面活性剤には、例えば、金属石鹸類、硫酸アルキルナトリウムなどの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム[例えば、竹本油脂(株)製、商品名ニューカルゲンBX−C]などのアルキルナフタレンスルホン酸塩、2−スルホコハク酸ジアルキルナトリウム[例えば、第一工業製薬(株)製、商品名ネオコールSW−C]などの2−スルホコハク酸ジアルキル塩、ポリカルボン酸型界面活性剤[例えば、三洋化成工業(株)製、商品名トキサノンGR−30]、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩[例えば、第一工業製薬(株)製、商品名ディクスゾール60A]、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウムなどが例示できる。ノニオン系界面活性剤には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル[例えば、第一工業製薬(株)製、商品名ノイゲン(EA−142)]、ポリオキシエチレンアリールエーテル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールポリオキシエチレン、ショ糖脂肪酸エステル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体[例えば、三洋化成工業(株)製、商品名ニューポールPE−64]などが例示できる。
増粘剤には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸とその塩などが例示でき、流動助剤として、PAP助剤(例えば、イソプロピルリン酸)、ワックス、ポリエチレン、脂肪酸金属塩、パラフィン、シリコーンオイルなどの有機滑剤、タルクなどの無機滑剤が例示できる。固結防止剤として、例えば、ホワイトカーボン、ケイソウ土、ステアリン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタンなどが挙げられる。凝集剤としては、例えば、流動パラフィン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、イソブチレン重合体[例えば、出光興産(株)製、商品名IPソルベント−2835]などが挙げられる。紫外線散乱剤としては、二酸化チタンなどが例示できる。水分除去剤としては、無水石膏、シリカゲル粉末などの乾燥剤などが挙げられる。着色剤には、例えば、有機又は無機顔料や染料が含まれる。
増粘剤には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸とその塩などが例示でき、流動助剤として、PAP助剤(例えば、イソプロピルリン酸)、ワックス、ポリエチレン、脂肪酸金属塩、パラフィン、シリコーンオイルなどの有機滑剤、タルクなどの無機滑剤が例示できる。固結防止剤として、例えば、ホワイトカーボン、ケイソウ土、ステアリン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタンなどが挙げられる。凝集剤としては、例えば、流動パラフィン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、イソブチレン重合体[例えば、出光興産(株)製、商品名IPソルベント−2835]などが挙げられる。紫外線散乱剤としては、二酸化チタンなどが例示できる。水分除去剤としては、無水石膏、シリカゲル粉末などの乾燥剤などが挙げられる。着色剤には、例えば、有機又は無機顔料や染料が含まれる。
さらに、本発明の工業用防カビ防藻剤は、公知の防腐防カビ剤、防虫剤、害虫忌避剤、昆虫成長制御剤、効力増強剤を含んでいてもよい。
本発明の工業用防カビ防藻剤の防除対象となるカビや藻類は、特に限定されない。
カビとしては、例えば、アブシジア(Absidia)属、ムコール(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属などの接合菌類、例えば、ケトミウム(Chaetomium)属、ユーロチウム(Eurotium)属、ニューロスポラ(Neurospora)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属などの子嚢菌類、例えば、アクレモニウム(Acremonium)属、アルタナリア(Alternaria)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、アウレオバシジウム(Aureobasidium)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、フザリウム(Fusarium)属、ペニシリウム(Penicillium)属、フォーマ(Phoma)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、カンジダ(Candida)属、トリコフィトン(Trichophyton)属などの不完全菌類などが挙げられる。
また、藻類としては、水中や陸上に生息し、同化色素を持ち独立して栄養生活をする植物であって、例えば、藍藻類、灰青藻類、紅藻類、黄色鞭毛藻類、黄緑色藻類、緑藻類、珪藻類、褐色鞭毛藻類、渦鞭毛藻類、緑色鞭毛藻類、褐藻類、緑虫藻類、車軸藻類などが含まれる。本発明の工業用防カビ防藻剤は、とりわけ、藍藻類、緑藻類の防除に優れた防藻効果を発現する。藍藻類としては、例えば、オシラトリア(Oscillatoria)属、フォルミジウム(Phormidium)属などが挙げられ、緑藻類としては、例えば、クラミドモナス(Chlamydomonas)属、クロロコックム(Chlorococcum)属、クロレラ(Chlorella)属、デスモデスムス(Desmodesmus)属、クレブソルミディウム(Klebsormidium)属、トレボキシア(Trebouxiophyceae)属、ウロスリックス(Ulothrix)属などが挙げられる。
カビとしては、例えば、アブシジア(Absidia)属、ムコール(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属などの接合菌類、例えば、ケトミウム(Chaetomium)属、ユーロチウム(Eurotium)属、ニューロスポラ(Neurospora)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属などの子嚢菌類、例えば、アクレモニウム(Acremonium)属、アルタナリア(Alternaria)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、アウレオバシジウム(Aureobasidium)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、フザリウム(Fusarium)属、ペニシリウム(Penicillium)属、フォーマ(Phoma)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、カンジダ(Candida)属、トリコフィトン(Trichophyton)属などの不完全菌類などが挙げられる。
また、藻類としては、水中や陸上に生息し、同化色素を持ち独立して栄養生活をする植物であって、例えば、藍藻類、灰青藻類、紅藻類、黄色鞭毛藻類、黄緑色藻類、緑藻類、珪藻類、褐色鞭毛藻類、渦鞭毛藻類、緑色鞭毛藻類、褐藻類、緑虫藻類、車軸藻類などが含まれる。本発明の工業用防カビ防藻剤は、とりわけ、藍藻類、緑藻類の防除に優れた防藻効果を発現する。藍藻類としては、例えば、オシラトリア(Oscillatoria)属、フォルミジウム(Phormidium)属などが挙げられ、緑藻類としては、例えば、クラミドモナス(Chlamydomonas)属、クロロコックム(Chlorococcum)属、クロレラ(Chlorella)属、デスモデスムス(Desmodesmus)属、クレブソルミディウム(Klebsormidium)属、トレボキシア(Trebouxiophyceae)属、ウロスリックス(Ulothrix)属などが挙げられる。
本発明の工業用防カビ防藻剤は、製紙パルプ工場、冷却水循環工程等の種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、塗工紙、紙用塗工液、塗料・塗材、接着剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、合成ゴムラテックス、エマルション、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地材、消臭剤、繊維、皮革製品、フィルター等の各種工業製品のカビや藻類の防除の用途において有効に用いることができる。より具体的には、製紙パルプ工場や冷却水循環工程等におけるスライムコントロール剤、紙製品、樹脂製品等の防カビ剤、塗料、合成ゴムラテックス、樹脂、インキ、シリコーンシーリング剤等の防カビ防藻剤として有用である。
本発明の工業用防カビ防藻剤は、適用対象、防除の対象となるカビや藻類の種類や防除期間に応じて、添加量を適宜選択すればよいが、例えば、塗料に用いる場合には、製品1kgあたりに対し防カビ防藻成分の総量として1mg〜50,000mg、好ましくは、10mg〜10,000mgとなるように添加すればよく、被処理域の面積当たりでは、0.001〜200g/m2、好ましくは0.01〜100g/m2、さらに好ましくは0.1〜50g/m2となるように使用すればよい。
以下、試験例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
本発明の工業用防カビ防藻剤が、カビや藻類に対し優れた防カビ防藻活性を有することを試験例に示す。
本発明の工業用防カビ防藻剤が、カビや藻類に対し優れた防カビ防藻活性を有することを試験例に示す。
<3剤混合の防カビ防藻活性の評価1>
(1)試験検体
<実施例1>
カルベンダジム8.5重量部と、シブトリン8.5重量部、テブコナゾール83.0重量部とを乳鉢を用いて1分間混合し、粉末状の3剤混合組成物を調製した。
実施例2〜3、比較例1〜6は下記表1、2に示した配合で、実施例1と同様にして、粉末状の防カビ防藻組成物を調製し、得られた防カビ防藻組成物10mgにメチルカルビトール2mlと滅菌水8mlを添加して撹拌混合し、有効成分量1000ppmの懸濁分散溶液(液剤)とし、液剤の試験検体を得た。
なお、以下の実施例および比較例の組成物の調製に際して、カルベンダジム、シブトリン、テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールは、以下に示すものを使用した。
カルベンダジム :和光純薬工業(株)製:純度98%
シブトリン :三協化成(株)製:商品名「SanAlga1907」
テブコナゾール :和光純薬工業(株)製:純度98%
プロピコナゾール:和光純薬工業(株)製:純度99%
ヘキサコナゾール:和光純薬工業(株)製:純度99%
(1)試験検体
<実施例1>
カルベンダジム8.5重量部と、シブトリン8.5重量部、テブコナゾール83.0重量部とを乳鉢を用いて1分間混合し、粉末状の3剤混合組成物を調製した。
実施例2〜3、比較例1〜6は下記表1、2に示した配合で、実施例1と同様にして、粉末状の防カビ防藻組成物を調製し、得られた防カビ防藻組成物10mgにメチルカルビトール2mlと滅菌水8mlを添加して撹拌混合し、有効成分量1000ppmの懸濁分散溶液(液剤)とし、液剤の試験検体を得た。
なお、以下の実施例および比較例の組成物の調製に際して、カルベンダジム、シブトリン、テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールは、以下に示すものを使用した。
カルベンダジム :和光純薬工業(株)製:純度98%
シブトリン :三協化成(株)製:商品名「SanAlga1907」
テブコナゾール :和光純薬工業(株)製:純度98%
プロピコナゾール:和光純薬工業(株)製:純度99%
ヘキサコナゾール:和光純薬工業(株)製:純度99%
(2)防カビ性の試験方法
上記試験検体を、グルコースブイヨン培地(pH6.0)にそれぞれ添加し、その後、ミクロプランター((株)佐久間製作所製)を用いて、表1に記載のカビを含有するカビ懸濁液を接種して、33℃で18時間、28℃で2日間培養した。その後、培養後の各カビの生育を観察して、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)をそれぞれ算出した。試験はそれぞれ5回行い、その平均値をMIC値として使用した。
(3)防藻性の試験方法
上記試験検体を、それぞれアレン改変培地(pH8.0)に添加し、その後、ミクロプランター((株)佐久間製作所製)を用いて、表1に記載の藻類を含有する藻類懸濁液を接種して、照度2500Lxで、1日当たり16時間の照射条件下、23℃で30日間培養した。その後、培養後の藻類の生育を観察して、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)をそれぞれ算出した。
(4)防カビ防藻活性の評価方法
防カビ防藻活性の評価は、カルベンダジムとシブトリンを1:1(重量比)で含有する混合組成物を1剤とみなし、この混合組成物、テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールをそれぞれ単独で用いた場合(比較例1〜4)のMIC値から、実施例1〜3および比較例5〜6の試験検体について次式によりMICの理論値を算出し、実際に測定したMIC値をそれらと比較することにより行った。MICの測定値がその理論値よりも小さくなる場合、すなわち「測定値/理論値」が1より小さくなる場合には、上記のカルベンダジムとシブトリンを1:1(重量比)で含有する混合組成物、テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールそれぞれを単独で用いた場合の代数和より防カビ防藻活性が増強されているといえるため、相乗効果が認められると評価した。
上記試験検体を、グルコースブイヨン培地(pH6.0)にそれぞれ添加し、その後、ミクロプランター((株)佐久間製作所製)を用いて、表1に記載のカビを含有するカビ懸濁液を接種して、33℃で18時間、28℃で2日間培養した。その後、培養後の各カビの生育を観察して、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)をそれぞれ算出した。試験はそれぞれ5回行い、その平均値をMIC値として使用した。
(3)防藻性の試験方法
上記試験検体を、それぞれアレン改変培地(pH8.0)に添加し、その後、ミクロプランター((株)佐久間製作所製)を用いて、表1に記載の藻類を含有する藻類懸濁液を接種して、照度2500Lxで、1日当たり16時間の照射条件下、23℃で30日間培養した。その後、培養後の藻類の生育を観察して、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)をそれぞれ算出した。
(4)防カビ防藻活性の評価方法
防カビ防藻活性の評価は、カルベンダジムとシブトリンを1:1(重量比)で含有する混合組成物を1剤とみなし、この混合組成物、テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールをそれぞれ単独で用いた場合(比較例1〜4)のMIC値から、実施例1〜3および比較例5〜6の試験検体について次式によりMICの理論値を算出し、実際に測定したMIC値をそれらと比較することにより行った。MICの測定値がその理論値よりも小さくなる場合、すなわち「測定値/理論値」が1より小さくなる場合には、上記のカルベンダジムとシブトリンを1:1(重量比)で含有する混合組成物、テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールそれぞれを単独で用いた場合の代数和より防カビ防藻活性が増強されているといえるため、相乗効果が認められると評価した。
MICの理論値=CA×x/100+CB×y/100
CA;カルベンダジムとシブトリンを1:1(重量比)で含有する混合組成物を用いた場合(比較例1)のMIC値
CB;テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールをそれぞれ単独で用いた場合(比較例2〜4)のMIC値
x;防カビ防藻性成分中においてカルベンダジムとシブトリンを1:1(重量比)で含有する混合組成物の占める割合(重量%)
y;防カビ防藻性成分中において、テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールそれぞれの占める割合(重量%)
防カビ防藻活性に関する検討結果を、表1、2に示した。
CA;カルベンダジムとシブトリンを1:1(重量比)で含有する混合組成物を用いた場合(比較例1)のMIC値
CB;テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールをそれぞれ単独で用いた場合(比較例2〜4)のMIC値
x;防カビ防藻性成分中においてカルベンダジムとシブトリンを1:1(重量比)で含有する混合組成物の占める割合(重量%)
y;防カビ防藻性成分中において、テブコナゾール、プロピコナゾール、ヘキサコナゾールそれぞれの占める割合(重量%)
防カビ防藻活性に関する検討結果を、表1、2に示した。
表1より明らかなように、実施例1〜3の工業用防カビ防藻剤は、カビ、藻類に対して、MICの測定値/理論値が1より小さく、カルベンダジムとシブトリンを含有する混合組成物とテブコナゾールを併用することにより、カルベンダジムとシブトリンを含有する混合組成物(比較例1)や、テブコナゾール単剤(比較例2)のカビ、藻類に対する防カビ防藻活性に比べて特異的な向上、すなわち、単にカルベンダジムとシブトリンを含有する混合組成物(比較例1)と、テブコナゾール(比較例2)をそれぞれ単独で使用したときに予想される効果を遥かに超える相乗効果が得られることが確認できた。
さらに、表2の比較例5、6の結果から明らかなように、カルベンダジムとシブトリンを含有する混合組成物(比較例1)と、プロピコナゾールまたはヘキサコナゾールを併用した場合は、カビ、藻類に対して、MICの測定値/理論値が1以上であり、テブコナゾールを併用する実施例2とは異なり、相乗効果が得られないことも明らかとなった。
すなわち、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせることにより得られる相乗効果は、カルベンダジム、シブトリンおよびプロピコナゾールや、カルベンダジム、シブトリンおよびヘキサコナゾールの組み合わせでは得ることができないものであり、これは本発明者が多くの実験を行い初めて確認した格別顕著な効果である。
さらに、表2の比較例5、6の結果から明らかなように、カルベンダジムとシブトリンを含有する混合組成物(比較例1)と、プロピコナゾールまたはヘキサコナゾールを併用した場合は、カビ、藻類に対して、MICの測定値/理論値が1以上であり、テブコナゾールを併用する実施例2とは異なり、相乗効果が得られないことも明らかとなった。
すなわち、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせることにより得られる相乗効果は、カルベンダジム、シブトリンおよびプロピコナゾールや、カルベンダジム、シブトリンおよびヘキサコナゾールの組み合わせでは得ることができないものであり、これは本発明者が多くの実験を行い初めて確認した格別顕著な効果である。
表1、2中、最小発育阻止濃度試験で用いた細菌、カビ、藻類の詳細を以下で説明する。
<カビ>
ペニシリウム・シトリナム :Penicillium citrinum
クラドスポリウム・クラドスポリオイデス:Cladosporium cladosporioides
グリオクラヂウム・ヴィレンス :Gliocladium virens
<藻類>
クロロコックム・エチノジゴツム:Chlorococcum echinozygotum
ウロスリックス・ヴァリアビリス:Ulothrix variabilis
プレウロコックス・スピーシーズ:Pleurococcus sp.
プロトコッカス :Protococcus
デスモデスムス・スピーシーズ :Desmodesmus sp.
<カビ>
ペニシリウム・シトリナム :Penicillium citrinum
クラドスポリウム・クラドスポリオイデス:Cladosporium cladosporioides
グリオクラヂウム・ヴィレンス :Gliocladium virens
<藻類>
クロロコックム・エチノジゴツム:Chlorococcum echinozygotum
ウロスリックス・ヴァリアビリス:Ulothrix variabilis
プレウロコックス・スピーシーズ:Pleurococcus sp.
プロトコッカス :Protococcus
デスモデスムス・スピーシーズ :Desmodesmus sp.
<3剤混合の防カビ防藻活性の評価2>
(5)試験検体
実施例4、比較例7〜12は、下記表3、4に示した配合で、実施例1と同様にして、粉末状の防カビ防藻組成物を調製し、得られた防カビ防藻組成物10mgにメチルカルビトール2mlと滅菌水8mlを添加して撹拌混合し、有効成分量1000ppmの懸濁分散溶液(液剤)とし、液剤の試験検体を得た。
(6)防カビ防藻試験
得られた試験検体を使用して、上記防カビ性の試験方法、防藻性の試験方法に従い試験を行い、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)を算出した。
(7)防カビ防藻活性の評価方法
防カビ防藻活性の評価は、カルベンダジムとテブコナゾール、カルベンダジムとプロピコナゾール、カルベンダジムとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物を1剤とみなし、この混合組成物とシブトリン単独で用いた場合(比較例7〜10)のMIC値から、実施例4および比較例11〜12の試験検体について次式によりMICの理論値を算出し、実際に測定したMIC値をそれらと比較することにより行った。MICの測定値がその理論値よりも小さくなる場合、すなわち「測定値/理論値」が1より小さくなる場合には、上記のカルベンダジムとテブコナゾール、カルベンダジムとプロピコナゾール、カルベンダジムとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物、シブトリンを単独で用いた場合の代数和より防カビ防藻活性が増強されているといえるため、相乗効果が認められると評価した。
(5)試験検体
実施例4、比較例7〜12は、下記表3、4に示した配合で、実施例1と同様にして、粉末状の防カビ防藻組成物を調製し、得られた防カビ防藻組成物10mgにメチルカルビトール2mlと滅菌水8mlを添加して撹拌混合し、有効成分量1000ppmの懸濁分散溶液(液剤)とし、液剤の試験検体を得た。
(6)防カビ防藻試験
得られた試験検体を使用して、上記防カビ性の試験方法、防藻性の試験方法に従い試験を行い、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)を算出した。
(7)防カビ防藻活性の評価方法
防カビ防藻活性の評価は、カルベンダジムとテブコナゾール、カルベンダジムとプロピコナゾール、カルベンダジムとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物を1剤とみなし、この混合組成物とシブトリン単独で用いた場合(比較例7〜10)のMIC値から、実施例4および比較例11〜12の試験検体について次式によりMICの理論値を算出し、実際に測定したMIC値をそれらと比較することにより行った。MICの測定値がその理論値よりも小さくなる場合、すなわち「測定値/理論値」が1より小さくなる場合には、上記のカルベンダジムとテブコナゾール、カルベンダジムとプロピコナゾール、カルベンダジムとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物、シブトリンを単独で用いた場合の代数和より防カビ防藻活性が増強されているといえるため、相乗効果が認められると評価した。
MICの理論値=CA×x/100+CB×y/100
CA;カルベンダジムとテブコナゾール、カルベンダジムとプロピコナゾール、カルベンダジムとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物を用いた場合(比較例7〜9)のMIC値
CB;シブトリン単独で用いた場合(比較例10)のMIC値
x;防カビ防藻性成分中においてカルベンダジムとテブコナゾール、カルベンダジムとプロピコナゾール、カルベンダジムとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物の占める割合(重量%)
y;防カビ防藻性成分中において、シブトリンの占める割合(重量%)
防カビ防藻活性に関する検討結果を、表3、4に示した。
CA;カルベンダジムとテブコナゾール、カルベンダジムとプロピコナゾール、カルベンダジムとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物を用いた場合(比較例7〜9)のMIC値
CB;シブトリン単独で用いた場合(比較例10)のMIC値
x;防カビ防藻性成分中においてカルベンダジムとテブコナゾール、カルベンダジムとプロピコナゾール、カルベンダジムとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物の占める割合(重量%)
y;防カビ防藻性成分中において、シブトリンの占める割合(重量%)
防カビ防藻活性に関する検討結果を、表3、4に示した。
表3より明らかなように、実施例4の工業用防カビ防藻剤は、カビ、藻類に対して、MICの測定値/理論値が1より小さく、カルベンダジムとテブコナゾールを含有する混合組成物とシブトリンを併用することにより、カルベンダジムとテブコナゾールを含有する混合組成物(比較例7)や、シブトリン単剤(比較例10)のカビ、藻類に対する防カビ防藻活性に比べて特異的な向上、すなわち、単にカルベンダジムとテブコナゾールを含有する混合組成物(比較例7)、シブトリンそれぞれを単独(比較例10)で使用したときに予想される効果を遥かに超える相乗効果が得られることが確認できた。
さらに、表4の比較例11、12の結果から明らかなように、カルベンダジムとプロピコナゾール、カルベンダジムとヘキサコナゾールを含有する混合組成物(比較例8、9)と、シブトリンを併用した場合は、カビ、藻類に対して、MICの測定値/理論値が1より大きく、テブコナゾールを含有する実施例4とは異なり、相乗効果が得られないことも明らかとなった。
すなわち、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせることにより得られる相乗効果は、カルベンダジム、シブトリンおよびプロピコナゾールや、カルベンダジム、シブトリンおよびヘキサコナゾールの組み合わせでは得ることができないものであり、これは本発明者が多くの実験を行い初めて確認した格別顕著な効果である。
さらに、表4の比較例11、12の結果から明らかなように、カルベンダジムとプロピコナゾール、カルベンダジムとヘキサコナゾールを含有する混合組成物(比較例8、9)と、シブトリンを併用した場合は、カビ、藻類に対して、MICの測定値/理論値が1より大きく、テブコナゾールを含有する実施例4とは異なり、相乗効果が得られないことも明らかとなった。
すなわち、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせることにより得られる相乗効果は、カルベンダジム、シブトリンおよびプロピコナゾールや、カルベンダジム、シブトリンおよびヘキサコナゾールの組み合わせでは得ることができないものであり、これは本発明者が多くの実験を行い初めて確認した格別顕著な効果である。
<3剤混合の防カビ防藻活性の評価3>
(8)試験検体
実施例5、比較例13〜18は、下記表5、6に示した配合で、実施例1と同様にして、粉末状の防カビ防藻組成物を調製し、得られた防カビ防藻組成物それぞれ10mgにメチルカルビトール2mlと滅菌水8mlを添加して撹拌混合し、有効成分量1000ppmの懸濁分散溶液(液剤)とし、液剤の試験検体を得た。
(9)防カビ防藻試験
得られた試験検体を使用して、上記防カビ性の試験方法、防藻性の試験方法に従い試験を行い、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)を算出した。
(10)防カビ防藻活性の評価方法
防カビ防藻活性の評価は、シブトリンとテブコナゾール、シブトリンとプロピコナゾール、シブトリンとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物を1剤とみなし、この混合組成物、カルベンダジム単独で用いた場合(比較例13〜16)のMIC値から、実施例5および比較例17〜18の試験検体について次式によりMICの理論値を算出し、実際に測定したMIC値をそれらと比較することにより行った。MICの測定値がその理論値よりも小さくなる場合、すなわち「測定値/理論値」が1より小さくなる場合には、上記のシブトリンとテブコナゾール、シブトリンとプロピコナゾール、シブトリンとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物、カルベンダジムを単独で用いた場合の代数和より防カビ防藻活性が増強されているといえるため、相乗効果が認められると評価した。
(8)試験検体
実施例5、比較例13〜18は、下記表5、6に示した配合で、実施例1と同様にして、粉末状の防カビ防藻組成物を調製し、得られた防カビ防藻組成物それぞれ10mgにメチルカルビトール2mlと滅菌水8mlを添加して撹拌混合し、有効成分量1000ppmの懸濁分散溶液(液剤)とし、液剤の試験検体を得た。
(9)防カビ防藻試験
得られた試験検体を使用して、上記防カビ性の試験方法、防藻性の試験方法に従い試験を行い、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)を算出した。
(10)防カビ防藻活性の評価方法
防カビ防藻活性の評価は、シブトリンとテブコナゾール、シブトリンとプロピコナゾール、シブトリンとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物を1剤とみなし、この混合組成物、カルベンダジム単独で用いた場合(比較例13〜16)のMIC値から、実施例5および比較例17〜18の試験検体について次式によりMICの理論値を算出し、実際に測定したMIC値をそれらと比較することにより行った。MICの測定値がその理論値よりも小さくなる場合、すなわち「測定値/理論値」が1より小さくなる場合には、上記のシブトリンとテブコナゾール、シブトリンとプロピコナゾール、シブトリンとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物、カルベンダジムを単独で用いた場合の代数和より防カビ防藻活性が増強されているといえるため、相乗効果が認められると評価した。
MICの理論値=CA×x/100+CB×y/100
CA;シブトリンとテブコナゾール、シブトリンとプロピコナゾール、シブトリンとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物を用いた場合(比較例13〜15)のMIC値
CB;カルベンダジム単独で用いた場合(比較例16)のMIC値
x;防カビ防藻性成分中、シブトリンとテブコナゾール、シブトリンとプロピコナゾール、シブトリンとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物の占める割合(重量%)
y;防カビ防藻性成分中において、カルベンダジムの占める割合(重量%)
防カビ防藻活性に関する検討結果を、表5、6に示した。
CA;シブトリンとテブコナゾール、シブトリンとプロピコナゾール、シブトリンとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物を用いた場合(比較例13〜15)のMIC値
CB;カルベンダジム単独で用いた場合(比較例16)のMIC値
x;防カビ防藻性成分中、シブトリンとテブコナゾール、シブトリンとプロピコナゾール、シブトリンとヘキサコナゾールの組み合わせにおいて、それぞれを1:1(重量比)で含有する混合組成物の占める割合(重量%)
y;防カビ防藻性成分中において、カルベンダジムの占める割合(重量%)
防カビ防藻活性に関する検討結果を、表5、6に示した。
表5より明らかなように、実施例5の工業用防カビ防藻剤は、カビ、藻類に対して、MICの測定値/理論値が1より小さく、シブトリンとテブコナゾールを含有する混合組成物とカルベンダジムを併用することにより、シブトリンとテブコナゾールを含有する混合組成物(比較例13)や、カルベンダジム単剤(比較例16)のカビ、藻類に対する防カビ防藻活性に比べて特異的な向上、すなわち、単にシブトリンとテブコナゾールを含有する混合組成物(比較例13)、カルベンダジム(比較例16)それぞれ単独で使用したときに予想される効果を遥かに超える相乗効果が得られることが確認できた。
さらに、表6の比較例17、18の結果から明らかなように、シブトリンとプロピコナゾール、シブトリンとヘキサコナゾールを含有する混合組成物(比較例14、15)と、カルベンダジムを併用した場合は、カビ、藻類に対して、MICの測定値/理論値が1より大きく、テブコナゾールを含有する実施例5とは異なり、相乗効果が得られないことも明らかとなった。
すなわち、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせることにより得られる相乗効果は、カルベンダジム、シブトリンおよびプロピコナゾールや、カルベンダジム、シブトリンおよびヘキサコナゾールの組み合わせでは得ることができないものであり、これは本発明者が多くの実験を行い初めて確認した格別顕著な効果である。
さらに、表6の比較例17、18の結果から明らかなように、シブトリンとプロピコナゾール、シブトリンとヘキサコナゾールを含有する混合組成物(比較例14、15)と、カルベンダジムを併用した場合は、カビ、藻類に対して、MICの測定値/理論値が1より大きく、テブコナゾールを含有する実施例5とは異なり、相乗効果が得られないことも明らかとなった。
すなわち、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせることにより得られる相乗効果は、カルベンダジム、シブトリンおよびプロピコナゾールや、カルベンダジム、シブトリンおよびヘキサコナゾールの組み合わせでは得ることができないものであり、これは本発明者が多くの実験を行い初めて確認した格別顕著な効果である。
表1〜表6より明らかなように、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを含有する本発明の工業用防カビ防藻剤は、それぞれ単剤もしくは2つの活性成分を併用する混合組成物の防カビ防藻活性から、単純に予想される相加効果を遥かに超える防カビ防藻活性の相乗的な向上が認められた。これは、異なる作用メカニズムを示すカルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを併用することにより、作用点レベルにおける相互共力作用が発現し得られる顕著な効果であると考えられる。しかしながら、カルベンダジム、シブトリンおよびテブコナゾールを組み合わせることにより得られる相乗効果は、テブコナゾールと同じトリアゾール系化合物であるプロピコナゾールやヘキサコナゾールと、カルベンダジムとシブトリンとの組み合わせでは得ることができないことからも、非常に複雑な相互共力作用により本発明の優れた相乗効果が発現しているものと考えられる。
これら本発明の効果は、本発明者の具体的な実験により初めて明らかにされたものであり、顕著な効果である。
これら本発明の効果は、本発明者の具体的な実験により初めて明らかにされたものであり、顕著な効果である。
本発明の工業用防カビ防藻剤は、カビ、藻類に対して高い防除活性を有するので、産業用水、各種工業用品および建造物等の問題となるカビや藻類防除に利用可能であり、これらの各用途において防カビ防藻活性が相乗的に向上した工業用防カビ防藻剤を提供することができる。
Claims (3)
- メチル−2−ベンゾイミダゾールカルバメート(慣用名:カルベンダジム)、2−メチルチオ−4−シクロプロピルアミノ−6−tert−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン(慣用名:シブトリン)およびα−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)を含有することを特徴とする、工業用防カビ防藻剤。
- 請求項1記載の工業用防カビ防藻剤を含有する、工業製品。
- 請求項1記載の工業用防カビ防藻剤を、工業用材料に適用する工業用材料の防カビ防藻方法。
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