JP2018048090A - 工業用保存剤 - Google Patents

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Takayuki Sugiyama
孝之 杉山
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Abstract

【課題】幅広い工業用途に利用可能で、それらの各用途において良好な抗菌、抗カビ、抗酵母・防腐活性を有する工業用保存剤を提供すること。【解決手段】キノクラミンを含有することを特徴とする、工業用保存剤を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、工業用保存剤、詳しくは、細菌、カビ、酵母、木材腐朽菌の防除剤として用いられる工業用保存剤に関する。
従来、各種の工業用製品には、細菌、カビ、酵母などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因になっている。なかでも、紙パルプの製造に用いられる水、産業分野における循環冷却水等の種々の用水、水性塗料、エマルション、捺染糊、皮革等の製造に用いられる水に繁殖した微生物は、被処理物、被洗浄物または処理設備等の腐食やカビの原因となっている。また、木材や木質を含有する建材などの工業用製品は、担子菌などの微生物の作用により腐朽してしまい、その品質および強度が劣化することが知られている。
そのため、細菌、カビ、酵母、木材腐朽菌などの有害な微生物に対して防除効果を発現する種々の工業用殺菌組成物を、工業用製品や工業用水に添加することが広く知られている。この有害微生物の発生を抑制または防除する薬剤としては、イソチアゾリン系化合物、ベンゾイソチアゾリン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ハロアセチレン系化合物、テトラヒドロチオフェンジオキシド系化合物、ピリチオン系化合物等が知られている。
しかしながら、これら公知薬剤化合物は、実用濃度では抗菌スペクトラムが狭く、多種の微生物に対しては対応しきれない等の問題点を有している。そのため、公知薬剤化合物を2剤あるいは3剤併用して使用することが汎用されているが、その一方で、他の剤を併用することなく細菌、カビ、酵母、木材腐朽菌などの有害な微生物に対して防除効果を発現する、新たな薬剤化合物の提案が期待されている。
ここで、一般名「キノクラミン」は、下記化学構造式で表される2−アミノ−3−クロロ−1,4−ナフトキノンである。
Figure 2018048090
キノクラミンは、光合成阻害活性を有する化合物であり、藻類やウキクサ等の水生植物や、水田の難防除雑草の1つであるウリカワ、その他コナギ、カヤツリグサ等の水田雑草に対して有効な除草剤として実用化されている。また、キノクラミンとその他の公知除草剤とを組み合わせた除草剤組成物に関する報告(例えば、特許文献1〜3)もなされている。
このように、キノクラミンは水田用除草剤として公知の化合物であるが、抗菌活性を有することはもとより、工業用保存剤として使用できることは未だ報告がなされていない。
特開平11−199409号公報 特表2007−502849号公報 特開平06−263610号公報
そこで本発明においては、細菌、カビ、酵母、木材腐朽菌に対して優れた防除効果を有する新たな工業用保存剤の開発を課題としている。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、キノクラミンが、工業用保存剤として有用な抗菌・抗カビ・抗酵母・防腐活性を有することを見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.キノクラミンを含有することを特徴とする、工業用保存剤。
2.1.に記載の工業用保存剤を含有する、工業用製品。
3.1.に記載の工業用保存剤を、工業用材料または工業用製品に適用する、工業用材料または工業用製品の保存方法。
本発明の工業用保存剤は、優れた抗菌・抗カビ・抗酵母・防腐活性を発現し、有害な微生物に対する防除効果に優れているので、各種の工業用製品に適用することができる。例えば、屋内外の塗料、ゴム、繊維、樹脂、プラスチック、接着剤、目地剤、シーリング剤、建材、コーキング剤、土壌処理剤、木材処理剤、製紙工程における白水、顔料、印刷版用処理液、冷却用水、インキ、切削油、化粧用品、不織布、紡糸油、皮革などに、抗微生物活性を発現する添加剤として、ごく少量配合するだけで、優れた抗微生物活性を発揮することができる。
以下、本発明の工業用保存剤および、工業用材料の保存方法について詳細に説明する。
なお、本発明における保存剤とは、工業用製品や工業用材料等の工業用途において問題となる、細菌、カビ、酵母や木材腐朽菌等の真菌に対して防除効果を発現する薬剤を意味する。
本発明の工業用保存剤は、キノクラミンを有効成分として含有するものである。
キノクラミンは前述のように、水田用除草剤として公知の化合物である。
本発明は、今回初めてキノクラミンが工業用保存剤として有用な抗菌・抗カビ・抗酵母・防腐活性を有することを見出したものである。詳細は後述するが、キノクラミンは、枯草菌(Bacillus subtilis)等の細菌類、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)等のカビ類、ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)等の酵母類に対し、抗菌・抗カビ・抗酵母・防腐活性を有することが初めて見出された。特に、工業用途において問題となる「アルタナリア・スピーシーズ(Alternaria sp.)」に対して抗菌活性を有することから、実用面での利用がより期待できるものである。
本発明の工業用保存剤において、キノクラミンは市販品を用いてもよく、あるいは公知技術に従って製造したものを用いてもよい。なお、環境中の細菌類、真菌類の微生物に対し、良好な抗菌・抗カビ・抗酵母・防腐活性を得るためには、本発明の工業用保存剤は、組成物全量に対しキノクラミンを0.1重量%〜100重量%含有させることが好ましく、1重量%〜100重量%含有させることがより好ましい。
本発明の工業用保存剤は、キノクラミンを、液状担体、固体担体等の種々の担体に溶解、分散、吸着等させることにより、種々の製剤型とすることができる。例えば、溶液剤、水和剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、油剤などの液剤;粉剤、粒剤、マイクロカプセル剤、マイクロスフェア、フロアブル剤、発泡剤などの固形剤;ペースト剤、クリームなどの半固形剤;噴霧剤、エアゾール剤;塗料などが挙げられ、これらは使用目的や適用状態に応じて適宜選択できる。これらの製剤は、慣用の方法で製造できる。
本発明において用い得る前記液状担体としては、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルカルビトール)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレンカーボネート等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、イソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、エチルビフェニル、ジエチルビフェニル、ソルベントナフサ等の芳香族系溶剤;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン等の極性有機溶剤などが挙げられる。これらの液体担体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これら液体担体の中では、水、プロピレンカーボネート等のケトン類、低級アルコール類および多価アルコール類が好ましく用いられる。
本発明において用い得る前記固体担体としては、例えば、ケイソウ土、雲母、粘土、カオリン、タルク、石英粉末、ベントナイト、滑石粉、ロウ石粉などのタルク類、微粉末クレイなどのクレイ類や炭酸カルシウムなどの鉱物性粉末;硫黄粉末;尿素粉末;木粉、澱粉などの植物性粉末;工業用保存剤などに繁用される各種担体が挙げられる。これらの固体担体は、増量剤として使用される場合も多い。これらの固体担体も、1種又は2種以上混合して使用できる。
前記エアゾール剤は、キノクラミンを必要に応じて適当な溶剤で希釈し、噴射剤と共に容器に充填することにより製造できる。溶剤としては、例えば、前記例示の液状担体などが挙げられる。噴射剤としては、フロン、液化天然ガスなどが挙げられる。
本発明の工業用保存剤は、製剤の種類に応じて、必要により種々の添加剤、例えば、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定化剤;結合剤;被膜形成能を有する樹脂;乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、浸透剤;増粘剤;流動助剤;固結防止剤;凝集剤;紫外線散乱剤;水分除去剤;着色剤などを含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、4,4’−チオビス−6−t−ブチル−3−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール(2−t−ブチル−4−メトキシフェノールと3−t−ブチル−4−メトキシフェノールの混合物)、p−オクチルフェノール、モノ(またはジまたはトリ)−(α−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ペンタエリスリチル テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤;N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤、2,5−ジ(t−アミル)ヒドロキノリンなどのヒドロキノリン系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤;トリフェニルホスファイトなどのリン系酸化防止剤などが例示できる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;サリチル酸フェニル、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系化合物;2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、2−エトキシ−2’−エチルシュウ酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物などが挙げられる。
結合剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、デキストリン、アルファ化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウムなどが例示できる。
被膜形成能を有する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリオレフィン、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが例示でき、これら樹脂については、溶剤型やエマルション型などあらゆる形態が含まれる。
乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、浸透剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などの慣用の界面活性剤が使用できる。アニオン系界面活性剤には、例えば、金属石鹸類、硫酸アルキルナトリウムなどの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム[例えば、竹本油脂(株)製、商品名ニューカルゲンBX−C]などのアルキルナフタレンスルホン酸塩、2−スルホコハク酸ジアルキルナトリウム[例えば、第一工業製薬(株)製、商品名ネオコールSW−C]などの2−スルホコハク酸ジアルキル塩、ポリカルボン酸型界面活性剤[例えば、三洋化成工業(株)製、商品名トキサノンGR−30]、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩[例えば、第一工業製薬(株)製、商品名ディクスゾール60A]、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウムなどが例示できる。ノニオン系界面活性剤には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル[例えば、第一工業製薬(株)製、商品名ノイゲン(EA−142)]、ポリオキシエチレンアリールエーテル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールポリオキシエチレン、ショ糖脂肪酸エステル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体[例えば、三洋化成工業(株)製、商品名ニューポールPE−64]などが例示できる。
増粘剤には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸とその塩などが例示でき、流動助剤として、PAP助剤(例えば、イソプロピルリン酸)、ワックス、ポリエチレン、脂肪酸金属塩、パラフィン、シリコーンオイルなどの有機滑剤、タルクなどの無機滑剤が例示できる。固結防止剤として、例えば、ホワイトカーボン、ケイソウ土、ステアリン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタンなどが挙げられる。凝集剤としては、例えば、流動パラフィン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、イソブチレン重合体[例えば、出光興産(株)製、商品名IPソルベント−2835]などが挙げられる。紫外線散乱剤としては、二酸化チタンなどが例示できる。水分除去剤としては、無水石膏、シリカゲル粉末などの乾燥剤などが挙げられる。着色剤には、例えば、有機又は無機顔料や染料が含まれる。
さらに、本発明の工業用保存剤は、公知の抗菌・抗カビ剤、防虫剤、害虫忌避剤、昆虫成長制御剤、効力増強剤を含んでいてもよい。
本発明の工業用保存剤の防除対象となる細菌、カビや酵母や木材腐朽菌等の真菌は、特に限定されない。
細菌としては、例えば、枯草菌、黄色ブドウ球菌等が挙げられる。
また、カビとしては、例えば、アブシジア(Absidia)属、ムコール(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)属などの接合菌類、例えば、ケトミウム(Chaetomium)属、ユーロチウム(Eurotium)属、ニューロスポラ(Neurospora)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属などの子嚢菌類、例えば、アクレモニウム(Acremonium)属、アルタナリア(Alternaria)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、アウレオバシジウム(Aureobasidium)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、フザリウム(Fusarium)属、ペニシリウム(Penicillium)属、フォーマ(Phoma)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、カンジダ(Candida)属、トリコフィトン(Trichophyton)属などの不完全菌類などが挙げられる。
また、酵母としては、例えば、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属、プロトミセス(Protomyces)属、タフリナ(Taphrina)属等の原生子嚢菌類;エンドミセス(Endomyces)属等の真正子嚢菌類;サッカロミセス(Saccharomyces)属等の半子嚢菌類;カンジダ(Candida)属等の子嚢菌酵母の不完全型;フィロバシディエラ(Filobasidiella)属等の異型担子菌類;ロドトルラ(Rhodotorula)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、スポロボロミセス(Sporobolomyces)属等の担子菌酵母の不完全型;ロドスポリディウム(Rhodosporidium)属、スポリディオボルス(Sporidiobolus)属、キサントフィロミセス(Xanthophyllomyces)属等の担子菌酵母などが挙げられる。
また、木材腐朽菌としては、例えば、コニオフォラ(Coniophora)属、トラメテス(Trametes)属、ポスティア(Postia)属、ポリア(Poria)属、グロエオフィリウム(Gloeophylium)属、レンティナス(Lentinus)属、パクシラス(Paxillus)属、フォミトプシス(Fomitopsis)属、プレウロタス(Pleurotus)属、ドンキオポリア(Donkioporia)属、セルプウラ(Serpula)属、グレノスポラ(Glenospora)属、ペレニポリア(Perenniporia)属、アントロディア(Antrodia)属などの担子菌類などが挙げられる。
本発明の工業用保存剤は、製紙パルプ工場、冷却水循環工程等の種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、塗工紙、紙用塗工液、塗料、接着剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、合成ゴムラテックス、エマルション、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地材、消臭剤、繊維、皮革製品、フィルター等の各種工業用製品の有害微生物の防除の用途において有効に用いることができる。より具体的には、製紙パルプ工場や冷却水循環工程等におけるスライムコントロール剤、紙製品、樹脂製品等の抗菌・抗カビ剤、塗料、合成ゴムラテックス、樹脂、インキ、シリコーンシーリング剤等の抗菌・抗カビ剤などとして有用である。
本発明の工業用保存剤は、適用対象、防除の対象となる微生物の種類(細菌類、カビ類、酵母、木材腐朽菌)や防除期間に応じて、添加量を適宜選択すればよいが、たとえば、スライムコントロール剤として用いる場合には、製品1kgあたりに対し抗菌性成分の総量として0.1mg〜1000mg、好ましくは、0.5mg〜500mg、防腐剤として用いる場合には、製品1kgあたりに対し抗菌性成分の総量として1mg〜5,000mg、好ましくは、10mg〜1,000mg、抗カビ・酵母剤として用いる場合には、製品1kgあたりに対し抗菌性成分の総量として10mg〜50,000mg、好ましくは、100mg〜10,000mgとなるように添加すればよい。
以下、製剤例および試験例等により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
本発明の工業用保存剤が、細菌、カビ、酵母に対する抗菌・抗カビ・抗酵母・防腐活性を有することを試験例に示す。
<抗菌・抗カビ活性の評価>
(1)試験検体
本発明の工業用保存剤のキノクラミンは、アグロカネショウ(株)製「キノクラミン」を使用し、これをメチルカルビトールで希釈して各試験検体を得た。なお、希釈溶剤として使用したメチルカルビトールが菌等の生育に影響がないことは確認済である。
(2)抗菌性(抗細菌)の試験方法
上記試験検体を、グルコースブイヨン培地(pH6.0)にそれぞれ添加し、その後、ミクロプランター((株)佐久間製作所製)を用いて、表1に記載の細菌を含有する細菌懸濁液を接種して、33℃で18時間培養した。その後、培養後の細菌の生育を観察して、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)をそれぞれ算出した。
(3)抗菌性(抗カビ、抗酵母)の試験方法
上記試験検体を、グルコースブイヨン培地(pH6.0)にそれぞれ添加し、その後、ミクロプランター((株)佐久間製作所製)を用いて、表1に記載のカビ、酵母を含有するカビ懸濁液および酵母懸濁液を接種して、33℃で18時間、次いで28℃で2日間培養した。その後、培養後の各菌の生育を観察して、最小発育阻止濃度(MIC:μg/mL)をそれぞれ算出した。
表1中、抗菌性(抗細菌、抗カビ、抗酵母)試験において使用した細菌、カビ、酵母の詳細を以下に説明する。
<細菌>
バチルス・スブチリス: Bacillus subtilis
スタフィロコッカス・アウレウス:Staphylococcus aureus
<カビ>
アスペルギルス・ニガー:Aspergillus niger
ペニシリウム・シトリナム:Penicillium citrinum
クラドスポリウム・クラドスポリオイデス:Cladosporium cladosporioides
アウレオバシヂウム・プルランス:Aureobasidium pullulans
アルタナリア・スピーシーズ:Alternaria sp.
グリオクラヂウム・ヴィレンス:Gliocladium virens
ムコール・スピネッセンス:Mucor spinescens
<酵母>
ロドトルラ・ルブラ:Rhodotorula rubra
サッカロミセス・セレビシアエ:Saccharomyces cerevisiae
Figure 2018048090
表1の結果より、キノクラミンを有効成分として含有する本発明の工業用保存剤は、他の剤を併用することなく細菌、カビ、酵母に対して高い防除効果が得られることが明らかとなった。特に、工業用途において問題となる「アルタナリア・スピーシーズ」に対して低濃度で発育を阻止できることから、実用面での利用が期待される。
この結果から、キノクラミンにおいて、今回初めて工業用保存剤として有用な、優れた抗菌・抗カビ・抗酵母活性を有することが確認された。
本発明は、これまで除草活性のみが知られていたキノクラミンについて、抗菌・抗カビ・抗酵母活性を有することを初めて明らかにするものである。
特に、キノクラミンを含有する工業用保存剤は、産業用水や各種工業用製品の有害微生物の防除等、幅広い工業用途に利用可能な新たな保存剤の提供となる。
さらに、本発明の工業用保存剤を処理することにより、有害な微生物から工業用材料を効率よく保護することができるため、工業用材料の保存方法としても非常に有用である。

Claims (3)

  1. キノクラミンを含有することを特徴とする、工業用保存剤。
  2. 請求項1に記載の工業用保存剤を含有する、工業用製品。
  3. 請求項1に記載の工業用保存剤を、工業用材料または工業用製品に適用する、工業用材料または工業用製品の保存方法。

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